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Structure and Dynamics of Water on a Wide Length and Time Scale

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* 連絡先:山口敏男,〒814-0180 福岡市城南区七隈8-19-1 福岡大学理学部化学科 Tel. 092-871-6631 内線6224Fax. 092-865-6030e-mail. [email protected]

 Department of Chemistry, Faculty of Science, Fukuoka University, Nanakuma, Jonan-ku, Fukuoka 814-0180  Japan

.序論

 水は地球表面の約70%を覆っており,また ヒト(成人)の体重の70%を占める.水は100 以上にも渡り多くの研究がなされてきたが,水 の奇妙な物理化学的性質は現在も完全に理解さ れてはいない.たとえば,水の圧縮率や比熱は 通常の液体より大きく,温度の低下とともに減 少するが,それぞれ319 K以下と308 K以下で 増加に転じる.また,水の熱膨張係数は通常の 液体の約倍小さく,277 K以下では負の値を とる.さらに,水の持つ多くの熱力学的諸量は

228 Kに近づくにつれて異常な増加を示す[1] このような通常の液体には見られない水の異常

な性質は水のミクロ構造や動的性質の反映であ る.本稿では,最初にX線や中性子散乱法によ る水の静的構造や動的性質の研究手法を概説す る.そして,これらの手法をアルコールー水二 成分溶液やメソ細孔中に閉じ込めた水の研究に 応用した例を紹介し,最近の話題であるタンパ ク質のアルコール誘起αへリックス形成におけ る溶媒の役割や水の液―液転移の可能性につい て考察する.

広い空間および時間スケールにおける水の構造とダイナミクス

山口 敏男

(平成191130日受理)

Structure and Dynamics of Water on a Wide Length and Time Scale

Toshio YAMAGUCHI

Received November 302007)

Abstract

Although water has been the topic of considerable research over 100 years, the peculiar physi- cal properties of water are still not well understood. First, techniques using X-rays and neutrons  are briefly described for investigation of the structure and dynamic properties of water at the  molecular level. Then, recent applications of X-ray and neutron scattering methods to water in  complex systems, such as alcohol-water mixtures and water confined in mesoporous materials,  are presented, in particular, to discuss the mechanism of alcohol-induced α-helix formation of  protein and liquid-liquid transition in water.

(2)

X線および中性子散乱法

 液体水の静的構造解析

 水の静的構造(時間平均構造)は,式⑴と

⑵で与えられる構造因子S(Q)と動径分布関数 G(r)により表される.

S(Q)ΣΣcicjbibjsij(Q G(r)1(2π2rρ)1Q(S(Q)1)sin(Qr)dQ

 

ここで,Q(4π/λ)sinθであり,λはX

線や中性子の波長,2θは散乱角,ρは試料の 数密度,cibiはそれぞれ原子iの濃度と散乱 長を,sij(Q)は原子対i-jの部分構造因子を表す.

X線は原子中の電子により散乱され,一方,中 性子は原子核により散乱される.したがって,

水のX線散乱ではH原子はほとんど観測され ず,実験で得られる構造因子からは水分子中の 酸素原子の位置相関の情報が得られる.一方,

H原子とO原子の中性子散乱長はほぼ同じ大き さであるので,中性子散乱から得られる構造因 子にはHHHOOO原子対についての情報 がすべて含まれる.X線および中性子回折から 得られる構造因子をFig.aとbに示す.

構造因子をフーリエ変換して得られる動径分 布関数g(r)は系中に存在する任意の原子からの 動径距離rにおけるあらゆる原子対の存在確率 を表す(Fig. 2)

ピーク位置から原子対の結合距離が,ピーク

面積から相互作用の数(配位数)が得られる.

X線および中性子回折から得られる動径分布関 数をそれぞれFig. 3aとbに示す.

Fig. 3bからわかるように,中性子回折では

HHOHOO原子対の寄与が重なっているた めに構造解析が困難である.しかしながら,H

原子と化学的性質が似ている同位体Dの散乱 長が異なる(bH=−3.74 fm, bD=+6.67 fm) とを利用して,同位体置換中性子回折法とい う巧妙な手法が用いられる.つの同位体試料

H2OD2OH2O/D2O混合物(11モル比)の中 性子散乱測定を行い,種類の式⑴から部分構 Fig. 1.Structure factors of liquid water obtained by X-ray (a) and neutron (b) diffraction.

Fig. 2.Radial distribution function of liquid

(3)

造因子sij(Q)や部分動径分布関数gij(r)が得られ (Fig. 3c,d,e).また,X線や中性子回折から 得られる動径分布関数を基に,二体ポテンシャ ル を 修 正 し てMonte Carlo計 算 を 行 う 手 法,

Empirical  Potential  Structure  Refinement 

(EPSR)法を用いると,液体の次元構造を得

ることができる(Fig. 4)[2]

EPSR法の手順は以下のとおりである.

ステップ.報告されている二体ポテンシャル を用いてシミュレーションを始める

ステップ.系の平均力ポテンシャルΨを式⑶ より計算する.

 Ψ=−kT ln(g(r)) 

ステップ.回折データから得られる動径分布 に関するgD(r)より平均力ポテンシャルΨD 計算して,ステップのΨとの差ΔΨを計算

Fig. 4 3D plots of liquid water (upper) and  ice  Ih  (below)  within  the  range  of  the first- (left), second- (middle), and  third-(right)  neighbors  of  a  central  water molecule [2].

Fig. 3. Radial distribution functions of liquid water obtained by Fourier transform of structure fac- tors in Fig. 1 (a) X-ray, (b) neutron. Figures (c), (d), and (e) show the partial radial distribu- tion functions of OO, OD, and DD pairs of liquid heavy water obtained by neutron diffrac- tion with isotopic substitution.

(4)

する.

 ΔΨ=ΨD−Ψ=−kT ln(g(r)/gD(r)) 

ステップ.二体ポテンシャルを式⑸により修 正する.

U (n+1)U (n)+ΔΨ 

ステップ.修正したポテンシャルを用いてシ ミュレーションを行う.

ステップ.上記のステップを計算され た構造因子が実験値と一致するまで繰り返 す.

 液体水のダイナミクス

液 体 水 中 の 水 分 子 は 室 温 で は 約1012秒 の オーダーで回転運動や並進運動をしている.こ の描像を,TIP2Pポテンシャルを用いた水の分 子動力学シミュレーションから得られたFig.5

に示す[3]

水分子の動的性質を調べるには,NMR法,

Raman散乱などがあるが,低エネルギーの中

性子(冷中性子という)を用いた中性子非弾性 散乱は有力な手法のつである.それは,中性 子のエネルギーと測定する散乱ベクトルQ 変化させることにより,広い空間と時間スケー ルの動的情報を得ることができるからである.

今,散乱ベクトルQ,時間tにおける原子の 運動(並進trans,回転rot,振動vib)は,中 間散乱関数 I (Qt)により式で表される.

I (Qt)=1

NΣi b2iincexpiQ[ri (t)ri (0)]〉=

I trans(Qt)I rot(Qt)I vib(Qt) ⑹ この式をフーリエ変換すると動的構造因子 S(Qω)が得られる.

S (Qω)

  S trans(Qω)S rot(Q,ω)S vib(Q,ω

ここで記号⊗は畳み込み(convolution)を表 す.各運動の動的構造因子はそれぞれ式⑻〜⑽

で表される.

S vib(Qω)exp(Q2 u2 S trans(Qω)

π Γ

Γ2+ω2  S rot(Qω)j02(Qa)δ(ω)

   +3j12(Qa)L(ω, 1/3τR)+… 

ここで,〈u2〉は振動の平均二乗振幅,Γは S(Qω)の半値半幅,aは分子半径をそれぞれ 表す.また,τRは回転の相関時間,L(ωΓ

はローレンツ関数,Ji(xi次の球面ベッセル 関数である.

広い温度範囲で測定した液体水の動的構造 因子から得られたΓのQ2に対するプロットを Fig. に示す[4]

大きいQ領域(短距離領域)では,Γ値は 跳躍拡散モデルに従って次式で表される.

Γ= DQ2

1DQ2τres 

ここで,Dは自己拡散係数,τresは滞在時 間を表す.一方,小さいQ領域(長距離領域)

ではFickの拡散モデルに従って次式で表され る.

Γ=DQ2 

Fig. 5.   Movement  of  TIP2P  water  molecule  for 0.3  ps  obtained  by  molecular  dy- namics simulation [3].

(5)

Fig. 6から解析した結果,バルク水の自己拡 散 係 数D20 ℃ で は×10cm2s1で あ る が,−20 ℃では×10cm2s1まで減少する.

一方,対応する滞在時間はそれぞれ1.25 ps

20 psである.

.応用例  アルコールー水二成分溶液

アルコール分子ROHは,油の性質(疎水性)

を持つアルキル基R(たとえば−CnH2n1)と,

水と水素結合を形成する親水部OHとからなる 両親媒性分子である.アミノ酸が連なったペプ チドやタンパク質も同様に両親媒性である.水 中で安定化構造をとるタンパク質にアルコール を加えると,一般にα−へリックス構造を誘発 してタンパク質の高次構造が壊れる.このタン パク質のアルコール変性機構を明らかにするた めに,これまで多くの研究がなされてきたが,

分子レベルでの解明はなされていない.タンパ ク質のアルコール変性は,溶媒である水−アル

コール二成分溶液の親水性(hydrophilic)―親 油性(lipophilic)バランス(HLB)と,溶質であ るタンパク質自身のHLBとの兼ね合いで生じ る現象であるので,種々のアルコール−水二成 分溶液の構造を分子レベルで明らかにすること が重要である.

アルコール−水二成分溶液は透明であり,マ クロ的には均一な溶液に見えるが,ミクロ的に は水分子が寄り集まった部分とアルコールが 会合した部分からなる不均一な系(ミクロ相分 )であることが,最近の中性子散乱実験から 明らかになった.例として,種々のエタノール

−水二成分溶液について,H/D同位体置換をし 種類の試料の広角中性子散乱とEPSRを組 み合わせた研究[5]を紹介する.Fig.は,エ タノールモル分率(xe)0.10.2, および0.4 エタノール−水二成分溶液の短範囲構造を,中 心の水分子から半径 Å以内に存在する水分 子の分布(Fig.上図)と,中心のエタノール分 子から半径7 Å以内に存在するエタノール分子 の分布(Fig.下図)次元で表している.

xe0.1の溶液(アルコール分25%焼酎はxe 0.12である)では,任意の水分子の周りに四面 体状に水分子が存在している(Fig.左上).一 方,エタノール分子は疎水性相互作用によりエ チル基が近接した構造をとっていることがわ かる(Fig.左下).エタノール濃度が増加する と,xe0.2付近を境にして水の氷類似構造が 壊れてエタノール鎖状構造が支配的になってい くことがわかる.興味あることに,溶媒のミク ロ構造が変化するxe 0.2の組成において,混 合熱,誘電率,部分モル体積などの物理化学的 量に極大や極小が現れる.また,メリチン[6] β−ラクトグロブリン [6],キモトリプシンイ ンヒビター[7]などのタンパク質の二次構造 が,この組成を境に誘発されるα−へリック スの割合が増えていることが明らかになってお り,溶媒のミクロ構造がタンパク質のアルコー ル変性に深くかかわっていることが示唆され る.

 小角中性子散乱を用いると,アルコール−水 二成分溶液のメゾスコピック構造(1000 Å)

を明らかにすることができる[8]Fig.は,

− プ ロ パ ノ ー ル モ ル 分 率xp0.1250.22 Fig. 6.   Plots  of  half-height  half-width  of 

dynamical  structure  factor  vs. Q2  of  liquid  water  at  various  temperatures  obtained  by  quasi-elastic  neutron  scattering [4].

(6)

ざっていないことがわかる.また,アルコー ル濃度が増加すると,水クラスターが減少し て,アルコールクラスターが増加して,溶媒の

HLBが変化する様が見て取れる.アルコール

−水二成分溶液中のペプチドやタンパク質は,

その周囲の溶媒構造のHLBが変化するにつれ て二次構造を変えて,水中の安定化構造を変性 させることになる.エタノール−水二成分溶液 中の10残基ペプチドについて,レプリカ交換分 子動力学シミュレーションを用いた研究から,

Fig. 7. (Upper) 3D plots of water molecules up to 7 Å from a central water molecule and (bottom)  3D plots of ethanol molecules up to 7 Å from a central ethanol molecule in ethanol-water  mixtures of ethanol mole fraction 0.1(left), 0.2 (middle), and 0.4 (right). [5].

0.33H/D同位体置換した1-プロパノール−水 二成分溶液の小角中性子散乱とリバースモンテ カルロシミュレーションを併用して得られた 次元構造である[8]

Fig.上図は,1−プロパノールの分布を,

Fig.下図は水の分布を表している.色が濃い 部分は,それぞれの分子が集合している部分 を,色が薄い部分はアルコールクラスターと 水クラスターが接している境界を示している.

Fig.から,1−プロパノールと水が均一に混

Fig. 8.   Mesoscopic pictures of 2D plots of (top) 1-propanol and (bottom) water in 1-propanol-water  mixtures at 1-propanol mole fraction of 0.125 (left), 0.22 (middle), and 0.33 (right) [8]. 

(7)

ペプチド周りに水とエタノール分子の選択的溶 媒和が起こり,α―ヘリックス形成を誘発する ことが明らかになった[9,10]

 メソ細孔中に閉じ込めた水

メソポーラス物質中の水の構造やダイナミク スに関する知見は,界面現象に関わる様々な工 業プロセスの反応を理解する上で重要である.

たとえば,ゲルクロマトグラフィによる機能性 物質の分離,土壌中の環境汚染物質の沈積や移 動,タンパク質など生体分子の水和や細胞内水 などが挙げられる.このようなナノ細孔中に閉 じ込められた水の特性は,界面と水分子の相互 作用による界面効果と制限空間内に閉じ込める 効果の共同効果により発現する.

 従来よく使用されてきたVycorガラス(平 均細孔径40 Å)は製法上の都合からミクロか らメソスケールの孔を含むために,細孔内に閉 じ込めた水の物性値に対する孔径依存性を正確 に調べることはできない.最近,界面活性剤ミ セルをテンプレートとして合成されるMCM-41

FSMは細孔断面がハニカム構造をした均一 な細孔径をもつチャネル構造をしており,シ ラノール基(Si-OH)からなる親水性界面をもつ

(Fig. 9)

MCM-41には用いる界面活性剤のアルキル

鎖 長CnH2n1に 応 じ てC10n10, 細 孔 径

21 Å,比表面積1096 m2/g)C14(28 Å1300 

m2/g)C1838 Å837 m2/g) な ど が あ る.

DSC(Differential  Scanning  Calorimetry) 定から,C14中にキャピラリー凝縮した水は

221 Kで氷結するが,C10中では130 Kまで下 げても氷結しないことが明らかになった.

MCM-41C10およびC14細孔中に,単層お よびキャピラリー凝縮で吸着した水の構造が,

223298 KにおけるX線回折実験から明らか にされている[11].キャピラリー凝縮した水の 構造は,いずれの細孔中でもバルクに比べて歪 んだ四面体様構造をとっている.また,過冷却 温度では,水素結合が増して,より氷類似の構 造が発達する傾向が明らかになった.この傾向 は,細孔径が大きくなるについて顕著になる.

このことは,細孔径が小さくなると,吸着され た水間の水素結合が歪むか,あるいは切断され やすいことを示唆している.単層吸着水につい ては四面体類似構造の歪みはキャピラリー凝縮 水に比べてさらに大きくなるが,顕著な温度変 化は示さない.特筆すべきことは,表面シラ ノール基と結合水分子間のO-O距離は2.56 Å

と常温のバルク水(2.85 Å)や氷(2.78 Å)に 比べて非常に短いことである.これは,シラ ノール基の等電点は3.0であり,界面ではH3O

の生成を示唆している.事実,この値は,酸性 水溶液中で生成するH3Oの水和距離2.45 Å 近い(Fig. 10)

MCM-41中にキャピラリー凝縮した水分子

Fig. 9.3D model of Vycolr glass (left) and TEM photo of MCM-41 (right)

(8)

のダイナミクスは,C10C14C18細孔中に おいて200300 Kにおいて中性子準弾性散乱 により測定されている[12].その結果,細孔中 の水分子の並進拡散運動における滞在時間は

Arrhenius型の温度依存性を示し,バルク水の

Arrhenius型の傾向とは異なることが明らか になっている.この結果は,細孔中では,水の 水素結合ネットワークの成長が孔の制限空間 により制限されていることを意味する.水分子 の並進拡散運動については,MCM-41細孔中で は,バルク水に比べてより動きにくくなってい る.また,その運動性は細孔径が小さくなるに つれて遅くなる.

軽水(H2O)の中性子準弾性散乱測定では水 分子個の運動を見ているが,重水(D2O)の 中性子スピンエコー測定からは水分子の集団ダ イナミクスの情報を得ることができる.著者ら は,C10細孔中にキャピラリー凝縮させたD2O

について室温から200 Kに渡り中間散乱関数 I (Qt)を測定した.水分子の運動が凍結され ていると考えられる50 Kのデータで規格化し I (Qt)Fig. 11に示す.

各温度のI (Qt)を水素結合をした籠モデル

に基づく式⒀で解析した.

I(Qt)(1p(Q))A(Q)exp

(

τ(tQ)

)

β(Q)

}

  p(Q)  ⒀

ここで,A(Q)Debye-Waller因子,τ(Q)

は 緩 和 時 間,β(Q)Stretched exponent ある.P (Q)は弾性散乱項でMCM-41からの寄 与である.得られた緩和時間τ(Q)の温度依存 性をVogel-Tamman-Fulcher(VTF)式により 解析した(Fig. 12).

τ(Q)=τ0(Q)exp

(

DT(QT)T0(0(QQ))

 

こ こ で, τ0(Q)は 温 度 に 依 存 し な い 定 数,

D(Q)Arrhenius性の程度(値が低いほど非

Arrhenius型になる),Toは理想ガラス転移温 度である.

Fig. 12から温度229 K以上の温度ではVTF

式に従い,非Arrhenius型のFragile液体の挙 動を示すが,229 K以下ではArrhenius型を

示しStrong型液体に従う.すでに述べたよう

C10細孔中ではこの温度領域では過冷却状態 であるので,この実験結果は細孔中の水では

Fragile-Strong液―液転移が起こると考えら れる.同様の転移現象がVycorガラス中[13]

や細孔径の小さいMCM[14]の水についても 観測されている.更に興味深いことに,ニワト Fig. 10 Model  of  water  molecules  hydrogen-

bonded  to  the  silanol  group  of  MCM-41 [11].

Fig. 11 Normalized  intermediate  scattering  functions I (Qt)/I (Q0)  of  capillary- condensed  heavy  water  confined  in  MCM-41 C10 at various temperatures.

(9)

リの卵リゾチームに吸着させた水にも同じ現象 が見出されている[15].この事実は,MCM-41

細孔中の水の挙動が生体分子界面の水の良いモ デルになることを示している.

.まとめ

 液体水の構造とダイナミクスを分子レベルで 明らかにすることは,液体水の異常な性質を深 く理解する上で必須である.また,水の四面体 様ネットワークを形成する水素結合性と濃度ゆ らぎは水溶液の物理化学的諸量,水溶液中の化 学反応やタンパク質のフォールディングなどに 重要な役割を果たしていることが明らかになっ てきた.細孔に閉じ込めた水は,液体水のNo  man's landにおける第臨界点や液―液転移 の仮説の検証やタンパク質のダイナミクスを研 究するよいモデル系である.

.謝辞

本 稿 で 紹 介 し た 研 究 の 一 部 は, 文 部 科 学 省 科 学 研 究 費 補 助 金(15076211, 17550023, 

16GS0417),文部科学省ハイテク・リサーチ・

センター整備事業(平成17年度〜平成19年度) 福岡大学研究推進部の研究経費によるものであ る.

参考文献

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[15]   S.-H. Chen, L. Liu, E. Fratini, P. Baglio- Fig. 12 Temperature  dependence  of  the  re-

laxation  times τ(Q)  of  heavy  water  confined  in  MCM-41  C10  at Q16.7  nm1.  The solid line indicates the fit  to the VTF law for T240 K and the  dashed  line  indicates  the  extrapola- tion  to  lower  temperature.    The  val- ues at 220 and 200 K deviate from the  VFT curve.

(10)

ni, A. Faraone, E. Mamontov, Proc. Nat. 

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Fig.  3 .     Radial distribution functions of liquid water obtained by Fourier transform of structure fac- Radial distribution functions of liquid water obtained by Fourier transform of structure fac-tors in Fig.  1   (a) X-ray, (b) neutron. Figures (c), 
Fig.  5 .   Movement  of  TIP 2 P  water  molecule  for  0 . 3   ps  obtained  by  molecular   dy-namics simulation [ 3 ].
Fig. 6 から解析した結果,バルク水の自己拡 散 係 数 D は 20  ℃ で は 2 × 10 − 5  cm 2 s − 1 で あ る が,− 20  ℃では 4 × 10 − 6  cm 2 s − 1 まで減少する. 一方,対応する滞在時間はそれぞれ 1.25 ps と 20 ps である. 3 .応用例 3 . 1  アルコールー水二成分溶液 アルコール分子 ROH は,油の性質 ( 疎水性 ) を持つアルキル基R(たとえば− C n H 2 n + 1 ) と, 水と水素結合を形成する親
Fig.  8 .   Mesoscopic pictures of  2 D plots of (top)  1 -propanol and (bottom) water in  1 -propanol-water  mixtures at  1 -propanol mole fraction of  0
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