憧れのソーシャルワーカー
著者 新保 美香
雑誌名 明治学院大学社会学・社会福祉学研究 = The Meiji
Gakuin sociology and social welfare review
巻 135
ページ 19‑21
発行年 2011‑03
URL http://hdl.handle.net/10723/777
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憧れのソーシャルワーカー
新 保 美 香
杉山佳子先生は、私が、はじめて出会ったソーシャルワーカー。そして、ソーシャルワーカーがどのような存在か、その姿をもってずっと教えてくださっている、大切な先生です。杉山先生とはじめてお会いしたのは、一九八〇年代半ばの明治学院のキャンパスです。先生は、社会学部付属研究所のソーシャルワーカーとしてご活躍でした。当時の私は、大学院の博士前期課程に在籍している大学院生。その頃、大学院での社会福祉実習の授業は、付属研究所をフィールドとして行われていました。大学院生は、付属研究所で行われていた家族に対する面接相談をハーフウェイミラーを通して学ばせていただいたり、相談に訪れる子どもの兄弟姉妹と一緒に遊んだり、二年目には、セラピストとともに子どものプレイセラピーの時間にともに同席させていただくなどして、家族や子どもへの相談援助について実地で実習させていただいていました。付属研究所にかかわる教員とスタッフで毎月行われていたケースカンファレンスに参加させていただくことも授業の一環でした。様々な不安を抱えて相談に訪れる利用者に対して、いつも、あたたかく、おだやかに接しておられたのが、杉山先生です。社会福祉の学びが浅かった私は、ともすると、相談に訪れる利用者の悩みや困難がなぜ起こってい
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るのか、その原因を「なぜ」と追究するほうに関心が向きがちでした。そのような中で、杉山先生は、いつもゆったりと利用者に寄り添い、決して利用者を責めることなく、利用者や家族の持つ可能性や力を見いだしながら、ともに歩まれていました。おだやかに、でも、ねばりづよく、利用者とともに在る。そうした杉山先生のお姿は、ソーシャルワーカーのあるべき姿として、私の中に刻まれました。また、大学院生として、杉山先生が担当される利用者や家族にかかわらせていただく中で、先生には、いつも励ましていただき、社会福祉の相談援助について、多くの教えをいただいていました。私にとって、はじめてのスーパーバイザーとしても在ってくださったのが杉山先生でした。その後、私は社会人となり、最初に高齢者福祉のフィールドで働くことになりました。まだ、高齢者施策そのものが充実しておらず、悩みを抱えて相談に訪れる家族に対して、なかなか十分な対応ができない中で悩む日々でした。そのような時に、杉山先生が高齢者ケアセンターの所長となられた事を知り、どうしても先生とお会いしたくなり、先生をお訪ねしたこともありました。ほんとうに久しぶりに先生とお会いした機会でしたが、その時にも、変わらずあたたかく迎えてくださり、とても嬉しかったことは、今でも忘れられません。先生のおだやかなお姿と、やさしいお言葉に、前向きに取り組む力をたくさんいただきました。憧れのソーシャルワーカー、そして、スーパーバイザーとして在ってくださった先生と、社会福祉学科でご一緒させていただけるようになったことは、私にとって何より大きな喜びだったことは言うまでもありません。杉山先生が着任された二〇〇六年以降は、社会福祉やその教育をめぐる状況が様々に展開し、本当に、多くの役割や働きが求められる、そんな日々であったことと思います。そのような中で、いつも求められる役割に対して誠
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実に対応され、また、組織での取り組みを支えておられる先生でした。この間も、ずっと先生を頼りにさせていただいていた私でした。そしてまた、学生たちも、かつての私と同じように、先生に憧れ、先生を慕っています。杉山先生に教えを請うた者同士として、杉山先生のこんなところが素敵、先生が大好きと、学生たちと話をする機会も、とても嬉しい時間です。いつもおだやかに、あたたかく、人を受けとめ、前向きな力を与えてくださる杉山先生。近年、ご一緒させていただく中で、そうした、優れたソーシャルワーカーとしての姿勢やマインドは、それを裏打ちする、謙虚に学び続ける姿勢、揺らがぬ固い信念があってこそということも、教えていただいたように思っています。普段の先生は、あくまでも、控えめで、とても自然体で、ほのぼのとしていらっしゃいます。ありのままの美しさということを、先生のお姿から実感します。先生が、そうしてありのままに美しくいらっしゃるからこそ、私も含め、いろいろな方たちが、先生に素直に心を開いていくことができるのだと思います。杉山先生、これまで、あたたかく支えていただき、ほんとうにありがとうございました。どうかこれからも、ずっとずっと、私たちの〝憧れのソーシャルワーカー〟で在っていただきたい。そして、末永く、スーパーバイザーとして、社会福祉学科や先生の後輩達を、教え、育て、支えていただけたらと、心から願っています。