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「非日常への憧れと現実」

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Academic year: 2021

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着物と私(13)

「非日常への憧れと現実」

木下 夏希

 小さい頃から、着物や振り袖を着ている人を見 るのが好きだった。いつもの洋服の時とは違って 歩きづらそうだし、帯で締め付けられて大変そう だけど子供ながらに、着物の美しさには憧れが あった。紺や桜色、水色、カラフルな色に様々な 色の花が描かれてあって、昔の人は当たり前に着 ていたけど、非日常を漂わせる雰囲気も私にとっ て魅力の一つだったのかもしれない。

 当然、七五三の時はいつもとは違う格好が出来 るとわくわくしたし、お正月や夏祭りでも着物や 浴衣を着たがった。記憶のほとんどが、下駄が歩 きづらいとか帯が苦しいという幼稚な物であるか ら恥ずかしい。

 唯一まともに記憶として残っているのが二十歳 の成人式だ。TVで綺麗なお姉さん達が振り袖を 着て参加する行事がついに自分にも回ってきたと 内心凄く嬉しかった。ただ現実はそんなに自分の 思っているようにはいかない。髪型はどうするか だ。ボブで少し大きめな花を頭につけようと考え ていたが、身長や振り袖の柄の位置を考えると全 体的なバランスが悪い。悩んだ末、髪型はアップ にする事にした。そこから成人式までの半年間ほ ど髪の毛を伸ばさなければならない。自分で決め た事とはいえ、必然的に髪を切る事が出来なくな る。『十五少年漂流記』や『ガリバー旅行記』な ど、冒険ものの本でどきどきするのが好きだった 私は、立ち入り禁止の区域に入りたくなる心理と

同様に、切っては駄目だと思うほど切りたい衝動 に駆られる。結局優柔不断だったので、髪の毛を アップに出来る最低の長さを保ち続ける事しか出 来なかったけれど・・・当日、アップのために大 量のピン止めとスプレーで髪を固めなければいけ ないことになったのは大変だったけど今では良い 思い出。  

 たまにしか着る事がないから色々と悩むのなら ば、次の機会を待たずに、着付け教室に通って着 物を非日常から日常の一部にしようかと思う。

きのした なつき(英米語学科4年次生)

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学生と図書館

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