競争時代の介護サービス論 第16回 リーダーシップ (3)‑‑スタッフの育ち方・育て方
著者 岡田 耕一郎, 岡田 浩子
雑誌名 ふれあいケア
巻 5
号 8
ページ 24‑27
発行年 1999‑08‑01
URL http://id.nii.ac.jp/1204/00000174/
一 一
一一一一ーー一ーー・ー・... 一
一
一一今ー一ー一ーーーーー・・・・・・・・ ・・ーーーマ一一一 一一一一一
・・・・・・・・・・......ヨマーー一一一一一一
わせてみます︒ の
スタ
ッフ
をリ
ー
ドし︑育てていくことに焦点を合究
に多大な努力を払えるかどうかが問われていま
介護の現場はスタッフと利用者の真
剣勝
負の場
今回 は ︑
そのような厳しい状況を念頭に世きな
がら︑競争
時代
の﹁選ばれる機関﹂をめざして後輩であるといわれるようになってきました︒利用者
や家
族は
︑
以
前にも
まして第一線のスタッフの
挙手一投足に
注意深
く目
を向け
てい
ます
︒サ
1
ピスの良し悲しに厳しくなった
利用
者の期
待に応え
られ
るよ
うに
︑
介護サ
ー
ビス提供
機附は
人材育
成
ヒ
は
利川 者を
H O H O
さんと呼び︑別
のスタッフは
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
守司.... .
..
..
.. .
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.....................................
リーダーシップ仰
f J ス タ ッ フ の 育 ち 方 ・ 育て方:
24
一一一ー‑ーー・・....目・..... 一一一ーー・・・・・・..ー一一一一一 一
一一ー一E・・・・・・ー守一一一一 一
一一..ーー・・・・・ーー一一
・・・・目・..・・・・・・・・ーーーー一宇一一
﹁選ばれる機関﹂になるためには︑
スタ
ッフが
育っていかなければなりません
︒
とこ
ろが
︑ スタ ツ フ が
人で行
って
いく
のは︑つぎの引例からもわ
かるように︑かなり燥しいようです
︒
利川おへの按
LH
を統.せず︑内山
政任にしている機関がありました
︒
そのため︑あるスタッフ
。 @
岡田
耕 一
郎 ( 東 北 学院大学 経済学 部 助教授 ) 岡田 浩 子 ( 社
会 福 祉 士
・
介 護 福祉士 )
H O
uよ
O
ちゃんと呼ぶうな
混乱した状態になって このように︑ごく当たり前のことでさえ︑人か
いま
した
︒利則者を
H O O
ち ゃん
H
と呼ぶこと自体︑ら教わらな
ければ気づかないこ
とがあります
︒い
くら
先輩スタッフの安勢がすばらし
くても
︑そこ
第三者の目から見て︑失礼な態度であることは明から向然に学ぶ
こと
は慌
しい
のです
︒
スタ
ッフ
が
らかです
O H O O
ちゃん
H
と呼
んだスタ
ッフ
は注意人
で育
っ
てい
くのは附単ではありません︒
されなくても利川者を
H
OO
さん
H
と呼ぶス
タッ
フ
の資勢を比官︑つべきなのですが︑現実にはそうは ある
いは
︑
その雌しさはスタッフの資質そのもの
いかない
ようです
︒
'H
山放任
の結民︑かえって機 に例人差があるからかもしれません︒
たと
えば
︑ 排附介助
など利
川
行にんけわせた介
助ができるス
凶全体が忠くなってし
まっ
た︑
とい
うこともよく間タッフもいれば︑
山
己流のやり五に利川
行をあてく訴です︒はめようとするスタッフもいます︒ここでの
' U
流
U
かざるをえません︒
そのためでしょ
うか
︑ 卓越
し
たリーダー
シッ
プ
出合うのです︒スタッフをリ
ー
ドすることはスタy
フを育てることと関係があるのでしょう
︒
優れたの持ち主は︑特に人
材育
成の
分野
で能力を発揮すリーダーシップを発出するスタッフは次に説明す
ることがあります︒実際に︑そのようなケ
l
スに
るよ
うな 方向
性を持ち︑段階を追って人材育成を
進めています(
附を参照
)
︒
そのぷ味スタッフ育成の4騒階
,
,; r . ( 羽 三 ・ 、‑…・…… 官 …・ ・・・……. . . . .
[実行力を伴った問題発見型スタッフ]問題を発見し、上司を
管理して問題に
対応できるスタッフ。[問題発見型スタッフ]
自己の機関に対する介護保険の影響を 的確に発見できるようなスタッフ。
個々の機関が潜在的に抱える問題を 発見できるよう忽スタッフ。
[ルーチンワーク型スタッフ]
基本的な定型業務(ルーチンワーク)を
遂行できるようなスタッフ。
[問題解決型スタッフ]
個々の機関の顕在化した問題を 解決できるようなスタッフ。
国
で︑競
争時代
のリーダーシ
ップ
は人
材育成のリーダ
ー
シップといっても過一首
で
はありません︒
そもそも多くの機
関では︑その業
務企に比べて必ずしも潤沢にスタツ
フが配位されているわけではありま
せん︒そのため︑スタッフの日
常の業 務は繁忙を
きわめること
になりま
え
たとえば︑特別養護若人ホl
ムの
食事介
助
を取り上げてみましょう
︒
おしぼり
・
エプロン・お茶の準備︑利用者への芦かけ︑車いすの移動介助︑
食堂への誘導︑手洗いの介助︑おしぼ
り
・お
茶の
配服
︑
一部の利用者へのエ
プロンかけ︑食事の配服︑利用者の
障害の程度にあわせた食事介
助
︑食
事後の下腕︑食事祉のチ
ェッ
ク
︑食後
のうがい・歯磨き︑入れ歯の洗浄︑食
立のテーブル・床の清掃︑おしぼり
‑・・・・....一一一・一一一一一句ーー・・・・・・・・田・・・ ・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・ー・・・・・田・・・・・・・・・・・・・・ー
のやり
H
とは︑利川行からおむつい父
換を
し
てほし
いといわれでも︑﹁
O
時まで伴って
﹂と
いっ
て その
時
聞
にならないと介助しないような態度です︒
川らかに
︑後
者の資質はサ
ー
ビス業としては失絡です
円
したがって︑その機関で人材育成に
‑
Mが人れられて
いない
場介
︑ス
タ ッフ は学 ぶ
場や機会を持
てず
︑
人にいわれなくても
' H
助努M
できるスタッフ と︑
い
われなければ何もしないスタッフの能刈のぷがま
すます拡大していくことになりますi
'j
︑
‑ ) 引市 1川
Z a
0
・︑
機開
のサ
ービスの抗は思いレベルの点へと傾いてい
‑
・・・・ー・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・田・ ー・・ー ・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・田・・・・・..・.............・......,...............・・・ ・・・・・・・目............,............................目・・・・・ー ....... ・・・・・・・・ ー・・
エプロンの洗出︑などと続きます
︒
これだけの介護日を手際よくこなせるのは︑あ
る立味でスタッフの布
能さをぶし
て
いる
とも
いえ
ます
︒
したがって︑これらの日
常業務を卜分に
こ
なせない新人スタ
ッフ が
山てくるのはやむをえな
いかもしれません
︒
そのため︑多くの施設
にお い
ては︑以低限︑このような法本的な定刷
業務
(
ルl
チン
ワ
l
ク)を逆行できる人材を育成する
ことに
かなりの力を入れようとします
︒
日以低闘のサービスの質とは
↑
を確保するために︑機関
では︑まず
ル
ー
チンワl
ク型スタッフを育成するのですところが機関では︑それとは民なる柿知の業務︑
すなわち非定明業務に対応できる人材も切明して
いるよう
です
︒
たと
えば
︑ 利川
者は日
常業務
に迫われて
いる
ス
タッフに対して︑個々にニ
1
ズを投げかけます︒
忙しく廊ドを駆け回るスタッフが内分の績を通り過
ぎようとするたびに︑ある利用者はスタッフに戸
をかけ︑ある利用者はスタッフのからだにふれて
ム
r
' H
分がしてもらいたいことを切実に訴えかけようとします
︒
このような例別ニl
ズに対しては
︑
明らかにルーチンワ
l
クでは対応できません︒
﹂の
純の
ニ
l
ズをどの判制度くみ取るかは例々の
機関の判断に任さ
れて
いる
もの
の︑
H利
川私
利
下
︐
体uとすうせいいわれる時代の趨勢を与えるとい然視できない状・配
25
になりつつあります︒もし機関にそれができない
のなら︑お客械は単品料理を注文しているにもか
かわらず︑うちは定食しか提供できないと断るレ
ストランに等しい︑とさえいわれかねません︒ もう
一つ︑身近な例として︑利用者への水分捕
給に閲する問題を取り上げてみましょう︒要介助 者の場合︑水分を摂取するのにスタッフの介助が
必要ですが︑そのスタッフ自身が気をつけていない
と︑多忙な業務に追われて適切な水分補給を怠る
可能性があります︒このような場合にも︑単純な
ルー
チン
ワ
l
クだけでは対応できません︒したがって︑機関では︑日常業
務に埋没することなく臨機
応変に利用者に対応できるようなスタッフの育成
も必要であることがわかります︒
ここで︑これまでの機関における人材育成の方
向性を整理しておくと︑まず①日常業務を適切に
処理できるレベルにスタッフを引き上げるととも
に ︑
②機関が抱えている非定型的な問題に取り組
み︑それを解決する能力を持ったスタッフを育成し
ていくことに目が向けられてきたといえます︒後
者のような能力を持ったスタッフは︑サービスの質
の拡大を視野に入れたものであり︑ここでは問題
解決型スタッフと呼ぶことにします︒
さて
︑ 以上のような問題解
決別スタッフは
︑従
米からの機関における有能なスタッフ像の典型で
持ったスタッフ︑実行力を伴った問題発見型スタツ
フな
のです︒
実行力を伴った
問題発見型スタ
ッフとは︑たと
えばどのようなスタッフを想定すればよいのでしょ
うか︒この点を少し考えてみましょう︒
自らの属する機関のサ
ー
ビスの問題点に気がつ くスタッフはかなりいます︒その場合︑自分自'身がサービスを提供する際にその問題点を改普しょ
うと試みたり︑あるいは自分の周りのスタッフに
対して働きかけることもできます︒ごく小規模レ
ベルでの改善は確かに
可能です
︒しかしながら︑
競争時代には︑その程度の対応では不十分です
︒
機関が提供するサービスの内容・質を地域社会に
開示し︑公にしたサービスの内容・質をすべての
利用者に対して約束することが求められているか
らです︒
ごく当然のこととして︑利用者はどのスタッフ
からサービスの提供を受けても︑それが同等レベ
ルであることを期待します
︒
その
ニ
l
ズに対応するには︑機関は問題点に気がついた
l
人のスタッフの意欲に頼るだけではなく︑どうしても機関全体
のスタッフを巻き込まなければなりません︒
その
ために上司︑管理者をリードして動かし︑機関全
体でレベルアップのための変化の渦を拡げていかな
ければならないのです︒
そうしなければ︑競争時代の厳しい利用者の目
に堪えることはできず︑
機関の社会的
信用もなく
なり︑介護の専門職としての誇りもなくなっ
てし
まいます︒その意味で︑適切に上司を管理して組
織全体レベルで対応することができる能力をもっ
‑
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・田・・・・・・・ーー..・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・田・・・・・・・・ ・・...ーーー・・・・・・・・・ ・・ ・田・・・・・・・・ .・ .............. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・ーー....................................・................. .
あり︑今後も有能なスタ
ッフ
像であり続けるかも しれません︒しかし︑問題解決別スタッフであって も十分ではありません︒ 利用者の健康管理を考えてみまし
ょう
︒新人ス
タッフは利用者の健康状態が持段よりも必いこと に気づき
にくいといわれています︒
たとえば実際 に体温を測
ったり︑血圧を測
って
からでないとわ
かりづらいようです︒他方︑ベテランのスタッフに
なると︑表情・ょうすを見るだけで瞬時に︑い
つも
とは何か述︑つことを察知します︒
だれかから問題 を提示されるのではなく︑そもそも問題を
n
らが 発見しているのです︒ここ
で︑彼らを
問題発見型 スタッフと呼ぶことにしましょう︒ もちろん︑これは問題発見型スタッフの一
つの
特 徴にすぎません
︒問題
発見
則一
一スタッフとは︑単に
利用
者の他康而だけでなく︑機関の
U
常の広範な業務にも目を配り︑川胞を発見するような能
h
を もったスタッフなのです︒彼らの霊安性は従来より指摘されていましたが︑近年ではそれとは即時なる
観点からも注目されています︒
すなわち
︑介
説保
険が導入されることによって︑個々の機関は何ら
かの出靴作を受けることになりますが︑その路特は
機関ごとに明らかに見な
って
いるため︑山らの機
同への影響を的雌に把掘して個別の問凶を発見で
きるようなスタッフが求められつつあるからなの
です︒
‑ー...........一..一ーー一牟ーー...........・一一一・・...・目・・・・・・・・・・・ ・ーー・ ・・・・・・・・・ ・・・ ・・ー・・・ .........・・・・・・・・・・・・・目・・・・・ーーー‑・...・・ーーー・・田・・・・・・ー..................................,.....
たスタッフ︑それは川泊先見明スタッフとは強hMな 災行力を持っている点で大きく災なっていますが︑
そのような実行力を伴った問題発見明
スタ
ッフ
の 育成が望まれています︒
•
4
砂•
今回は︑競争時代の意義をふまえて︑どのよう
な方向で後部をリ
ー
ドし
︑
育てていけばよいのか
を探 ってみました︒ 従来は︑ルーチンワ
l
ク型スタッフおよび問題解決型スタッフが志向されていたのが︑競争時代を迎
えて問題発見型スタッフに移行し︑さらに実行力
のある問題発見型スタッフにも日が向けられつつ ある状況にも注目してみました︒ 先輩のスタッフにとって︑後輩スタッフを育てる
﹂とは過去の未熟な自分自身を見つめ直す
こと
で
あり︑したがって自分自'拡を育てることでもあり
ます
︒今一度自分自
身を含む︑機関のスタッフが
何段階自にいるのかを調べてみることも必要でし
トA F
λJ
︒
......・・..・・ー・ー ・・・・・・・ ー ・ーー・・・・・・・・・・・ー・・・ーー・ー・匂E.・.ー・ー.・ー...............・・・・ ...ー.ーーーー........ ・・・・ ・・ー・・ーーーーーー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ーーーー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ー・
問題発見刷スタッフは︑滑化的問題を制り起こ し ︑ それが川組として表
出化 する前に予を打っし
いう点で問題解決相よりも.恥少進ん
だものです
とこ
ろが少なからず弱点も抱えているようです というのは︑問題発見噌の場合は︑l
いま
だ胤
ι
化し
てい
ない
問題を発見し︑①
それを的維に分析 し ︑
¢さらにそれらの問題を順位づけして対処す
るという・分析・判断の縦しさを伴っているか
らで す︒この場介︑適切な分析
・判
断
ができなければ︑
結来的にそれほど屯民ではない川題に対して不安
な
‑ M
をい
机ぐ
ことにもなります
︒
いい
換
える
と︑
問題発見引は︑問題解決の前の
段階︑すなわち問題の分析とそれに続く判断
' H
体にかなりの時間をかけざるをえず︑結決として分
析
'N
体がスタy
フに
とっ
ての
H
的になりがちなのです︒なんら
問題解
決は進まず︑かえ
って
利川計に
迷惑をかけることにもなりかねません
︒
そろそろ︑次の段附のスタソフ保が少しずつはえてきたのではないでしょうか
︒
川凶
解決
川明
か
ら間組発
け ん 削 れ
へと党民したスタソ
フ保は︑競下時代においては︑さらにその刷点を
克服し
ながら発出していかなければなりません
そこで求められているスタッ
フの
安と
は︑
川
γに問凶
を発見することに刈山⁝を附くだけではなく︑発見
した問旭が実際に表而化する前に対処する能
‑ M
を‑今回で入門編が終わり 次回から初級編に入っ ていきます。
次回のテーマは「選ば れる介護サービス提供 機関になるための独自 サービスの実現」です。
おかだこういちろう
1958~手兵庫県生まれ。 神戸商科大学大学院経営学研究科博士後 期課程単位取得。東北学院大学において経営組織論を担当してい る。施段経営に関する執筆に、「サービス評価基準の戦略的活用」
(本隊・
97
年4
月号)、「徳祉業界に導入される貴重争原理がめざすも のJ
(本誌 '981手2月号)がある。介護サービスビジネスに関する執 筆 に 「 介 獲 保 険 時 代 の 高 齢 者 介 護 サービスビジネス一銭争優位性とその源泉ー
J
(宮城県地域娠興センタ一、'99年3月)がある。おかだひろこ
1962年兵庫県生まれ。介護福祉 士。社会箔祉士。特耳IJ饗緩老人ホ ームに寮母として勤務し、デイサービスやホームヘルプサービスにも 携わる。宮媛県社会福祉士会・高齢者福祉部会所属。
〒980・8511
宮城県仙台市青葉区土 樋1‑3‑1
東 北 学 院 大 学 経 済 学 部 商 学 科
26
岡田研究室電子メール:[email protected]‑gakuin.ac.
j
pホームページ:http://www.tscc.tohoku‑gakuin.ac.jp/‑okada
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