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著者 太田 哲生

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(1)

G蛋白質共役型受容体を介した膵癌細胞の増殖・浸 潤促進,抗アポトーシス機構の解明

著者 太田 哲生

著者別表示 Ohta Tetsuo

雑誌名 平成18(2006)年度 科学研究費補助金 基盤研究(C)  研究成果報告書

巻 2004‑2006

ページ 4p.

発行年 2007‑04

URL http://doi.org/10.24517/00050724

Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja

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抗アポトーシス機構の藍:

浸潤促

課題番号16591304

平成16年度一平成18年度科学研究費補助金

(基盤研究(C))研究成果報告書

平成19年4月

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金沢大学大学院医学系研究科教授

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(3)

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本における膵癌の発生頻度は、年間18,000人、人口10万人あたり14人と言われ ており、近年その数は増力噸向にある。多くの膵癌は、早期発見されることなく、高 度進行癌の状態ではじめて診断されることが多く、たとえ外科的に治癒切除ができて も術後早期に再発し、しかも通常のMA障害性抗癌剤には抵抗性を示し、消化器癌の なかでもきわめて予後不良で悪性度の高い癌として知られている。したがって、膵癌 の治療成績を向上させるためには、早期発見が必要であることは言うまでもないが、

膵癌細胞が兼ね備えている、膵癌細胞に特徴的な生物学的特性を今一度明確にし、膵 癌独特の病態に基づく新しいアイデアによる治療手段の開発が望まれる。

そこで、今回我々は、膵癌組織内で産生されるアンギオテンシンⅡのみならず、腫 瘍関連トリプシンやリゾホスファチジン酸(LPA)なども分子群(これらリガンドの特 異的受容体は、いずれも7回膜貫通型のG蛋白質共役型受容体であることが最近明ら かにされている)に注目し、それらリガンドが、それぞれの特異的受容体であるAT1, PAR・2および⑰DG)・2,・4を介して、すでに動脈硬化性病変、腎炎、心肥大の分野の

ところで研究されていると同様の機序で、癌細胞内に生存・抗アポトーシス・運動能 の冗進・線維化の充進などのシグナルを核内に伝達するか否かを研究することを目的 とした。さらにこれらシグナルを介した刺激伝達の膵癌病理組織に及ぼす影響につい ても検討した。その結果、AT1、PAR‑2およびEDG・2,‑4受容体蛋白は、検索したす べての膵癌糸剛包株で発現しているのが確認された。そして、アンギオテンシンⅡとト

リプシンはそれぞれの受容体を介して膵癌細胞の増殖を濃度依存性に促進させた。ま た、ERK1/2やNF‑"Bを活幽上することで、膵癌細胞増殖を促進し、抗癌剤抵抗性を 増強することが示された。さらに、腫瘍トリプシンの発現のないPanc‑1にcationic

typeのtrypsinogenを遺伝子導入しところ、遺伝子導入された細胞ではその増殖や 運動・浸潤能が冗進した。すなわち、腫瘍から分泌され、その後活幽上されたトリプ シンがPAR‑2を介して膵癌細胞の増殖と運動・浸潤能を冗進したものと考えられた。

(4)

一方、膵癌細胞株は、リゾホスファチジン酸刺激に対し、その濃度が1〃M濃度ま

では、膵癌細胞の有意な増殖効果は認められなかった。さらには、RRK1/2の明らか なリン醐上も確認できなかった。この結果は、アンギオテンシンⅡやトリプシンが nMレベルでシグナル伝達がおこなわれたのと対照的であった。以上の成績は、ヒト 膵癌細胞において、臓蟇由来トリプシンやアンギオテンシン皿は膵癌細胞の増殖・浸 潤や抗癌剤槻売性に深く関与していることを示唆するものであり、この研究を通して 膵癌治療の際には、これら分子の役割を十分に理解し、その対策を講じなければなら ないことを学んだも最後に、ヒト膵癌組織(外科切除標本)における炉リプシン、

PAR・2およびAT1発現と組織内アンギオテンシンⅡ濃度(手術時に採取)の関係を 検討した。その結果、膵癌細胞でのトリプシンおよびPAR・2発現の強い症例ほど膵 癌組織内の間質の線維化の程度が強く、また、組織内アンギオテンシンⅡ濃度も高い という傾向が認められた。このアンギオテンシン皿は、RAS非依存性にトリプシン によって直接アンギオテンシノーゲンから直接産生されることより、膵癌細胞から産 生されるトリプシンおよびそのトリプシンによって産生されるアンギオテンシンⅡ は、それぞれの特異的受容体を介して、膵癌細胞の生存と抗アポトーシス能だけでな

く、膵星細胞や線維牙細胞(いずれの細胞もPAR・2とkrl受容体の発現がある)にも パラクライン的に作用して膵癌間質の線維増生(Ebrogenesis)に深く関与しているこ

とが推察された。

以上、本研究から得られた成績について述べた。本研究は、G蛋白質共役型受容体 を介した膵癌細胞の増殖。浸潤促進、抗アポトーシス機構を解明する目的で行なわれ たが、これまでこの視点から詳細に行なわれた膵癌の基礎的研究はなかった。本研究 から得られた成果が、今後難治癌の代表である膵癌の病態解明と治療の突破口になる ことに期待したい。

平成19年3月 太 田 哲 生 記

(5)

研 究 組 織

研 究 代 表 者 : 太 田 哲 生 ( 金 沢 大 学 医 学 系 研 究 科 教 授 ) 研 究 分 担 者 : 萱 原 正 都 ( 金 沢 大 学 医 学 系 研 究 科 準 教 授 )

(研究協力者:天谷公司、田島秀浩)

(金額単位:円)

交付決定額(酉己分額)

直 接 経 費 間 接 経 費

A口

平成16年度

平成17年度

1,800,OOO 1,OOO,OOO 1,800,OOO

1,OOO,OOO

OO

平成18年度

700.OOO 0 700.OOO

総 計 3.500.OOO 0 3,500.OOO

研 究 発 表

1)AmayaK,0htaT,etal.AngiotensinlIactivatesMAPkinaseand NF‑kappaBthroughangiotensinlltypelreceptorinhumanpancreatic cancercells.InternationalJournalofOncology,25(4),849‑856,

2004.

2)田島秀浩、太田哲生、ほか:臓壼の増殖・浸潤におけるAR‑2受容体(ト リプシンの特異的受容伽の役割について、第31回日本外科系連合学会 学徐漠会、平成18年6月22−23日、金沢

3)田島秀浩、太田哲生、ほか:臓壼におけるACE非依存性angiotensinll 産生について、第107回日本外科学会定期学術集会、平成19年4月11‑13

日、大阪

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