木管五重奏の作品における演奏表現の考察
一一一ヒンデミット作曲
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つの管楽器のための小室内音楽』作品24‑2を題材に一一一教科・領域教育専攻 芸術系(音楽)コース 高 田 喜 夫
1.
はじめに
木管五重奏とは、 5つの管楽器によるア ンサンブ、ルのことである。一般的に、ブル ート、オーボエ、クラリネット、ホルン、
ファゴットの編成によるアンサンブ、ルのこ とを呼ぶ。木管五重奏の特徴は、構成して いる楽器それぞれの音色が個性的であり、
その音色が重なり合って生み出される多彩 な響きにあるといえる。しかし、個々の楽 器が多様な響きを持っているが故に実際に 演奏をまとめる上で様々な問題を抱えるこ ととなっている。ひとつのアンサンブ、ルと して統一感を出すことが困難なものと認識 されており、必ずしも多くの管楽器奏者に 好まれている演奏形態とはいえない。そこ で、アンサンプルをよりよくするために
どのような問題点や方法論があるのかを研 究するこ主とした。
2. 研究の目的
以上のような問題を解決するにあたって 筆者のこれまでの経験から、木管五重奏に おける様々な問題を見いだすことができる 作品群を調べることによって、基本的な問 題が何であるか、それらの問題をどのよう に解決することが可能なのかについて見て いきたい。本研究の目的にふさわしい楽曲 は、パウノレ・ヒンデミットの
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つの管楽器のための小室内音楽』作品24‑2だと思 われる。その理由として、以下のようなこ
指 導 教 員 山 根 秀 憲
とが挙げられる。第1に、楽器の特性を活 かした作品である。第2に、多くの音楽的 要素を持った作品である。第3に、木管五 重奏の作品の中において、演奏する機会の 多い作品である。以上のような理由からヒ ンデミットの作品を取り上げることとした。
木管五重奏を中心とした室内楽の歴史的変 遷や発展過稜、木管五重奏に用いられてい る楽器の特性を理解し、その上で、ヒンデ ミットの
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つの管楽器のための小室内音 楽』をはじめとする木管五重奏の作品にお ける演奏上の諸問題を抽出し、解決法を考 察することで、今後、実際の演奏する上で の作品のより深い理解を可能とし、諸学生 に指導を行う際によりよい示唆を与えられ るようにすることを目的とする。3. 研究の方法
文献研究、楽譜からの分析研究を行うロ ヒンデミットの作品を楽譜より分析し、
そこから様々な問題を抽出する。さらに、
専門家やアマチュアの演奏者にアンサンプ ノレする上で、の問題を尋ねる口これらの諸問 題をどのように解決できるか検討する。
4. 論文の概要
第1章では、木管五重奏の歴史的変遷と 作品をまとめた。木管五重奏の起源、は、一 般的に古典派の時代と言われている。室内 楽が最盛期の時代に木管楽器のアンサンプ ノレとして木管五重奏は誕生した。しかし、
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作曲家や聴衆の音楽的噌好が木管五重奏に 向けられず、古典派やロマン派の時代には、
ほとんど作品が書かれていない。20世紀に なりフランスを中心に多くの作品が誕生す ることとなる。本章では、ヨーロッパ、ア メリカ、日本に分けて、各国における作品 の特徴をまとめた。さらに、木管五重奏以 外の木管アンサンプルについての歴史およ び作品についても概観した。
第2章では、一般的な木管五重奏に用い られている楽器の特性についてまとめた。
各楽器は、発音の原理や音響の特性が異な る。特性を理解することにより、実際に木 管五重奏を演奏する上で様々な問題を解決 する方法のひとつになると考えた。
第3章では、パウノレ・ヒンデミット (Paul Hindemith)の W5つの管楽器のための小 室内音楽』作品24‑2を取り上げて楽曲分 析および演奏における問題点を抽出し解決 法を探究した。ヒンデミットは、ドイツで 活接した作曲家、指揮者、演奏家、教育者 である。管楽器のための作品も多く残して おり、現在の管楽器奏者の重要なレパート リーとなっている。本研究で取り上げたW5、
つの管楽器のための小室内音楽』は、管楽 器の特性を充分に活かした作品である。ジ ャズ音楽の影響をうけ、シンコベーション などを多用し、さらには、機能和声が拡大 された楽曲で、当時、最も先端を進む作品 として好評を得た。この作品の楽曲分析を 行い、そこから演奏上における様々な問題 を拍出した。まず第1楽章では、ピンデミ ットが意図したイメージをどのように演奏 することで表すことができるのかについて 検証した。第2楽章では、性格の異なる主 題の演奏法について述べた。各主題の性格 にあった演奏法を考察し、さらに、アーテ ィキュレーションの統一について検証した。
第3楽章では、楽曲における音量のバラン スについて検証したo 第3楽章では、様々 なディナーミクが要求されている。各楽器 のバランスを要求にあった膏量で、演奏する にはどのようにすればよいか検証した。第 4楽章では、楽曲の中でのテンポ変化につ いて検証した。第 4楽章はトワッティによ る短い楽匂とカデンツァによって構成され ている。 トワッティからカデンツァへ移る 際のテンポ変化と、カデンツァからトワッ ティに移る際のテンポ変化について検証し た。第5楽章では、楽曲の中に頻繁に現れ るアクセントについて考察した。第5楽章 では、アクセントが多用されているが、リ ズム構造からすべて同じ演奏法でよいとは 考えにくい。そこで、様々なアクセントの 演奏法について検証した。
第 4章では、第3章で挙げたヒンデミッ トの作品で抽出した問題点が、他の木管五 重奏も作品においてどのように現れている のか、さらに、その問題をどのように解決 するかを考察した。
5. おわりに
本研究を通して、木管五重奏の歴史や作 品、用いられている楽器について探究した。
さらに、ヒンデミットの木管五重奏のため の作品を分析することで、演奏における 様々な問題点を抽出することができ、その 解決法を見いだすことができた。
今後の課題として、木管五重奏には、ま だ多くの作品が存在する。木管五重奏の 個々作品の深い楽曲分析および演奏、さら には、新たな楽曲の委嘱などをしたい。
さらには、学校教育の現場において、こ の木管五重奏をはじめとする小編成のアン サンプルが、どのように活用できるかも検 討していきたい。
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