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< 今 年 度 重 点 的 に 取 り 組 む 基 本 方 針 > 1. 取 り 組 み 姿 勢

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「平成26年度堺市公園協会組織運営基本方針」の解説

<公園協会の目的> 公園協会は、堺市の都市公園の円滑な運営並びに健全な利用の促進を図るとと もに、市民の公園緑地に対する愛護精神の普及啓発並びに緑化の推進啓発に寄 与します。 ○公益財団法人堺市公園協会定款第3条に、目的として「協会は、堺市の都市 公園の円滑な運営及び健全な利用の促進を図ると共に、市民の公園緑地に対す る愛護精神の普及啓発並びに緑化の推進に寄与すること」と明記しています。 これを具現化して、現在は市民協働の下に、「公園愛護会推進事業」と「緑化 活動推進事業」を公園協会の二本柱として事業展開しています。 そのため、公園協会は、「地域で出来ることは、地域で解決する。」という地方 自治の本旨を実践するため、地域で埋もれている住民の力を最大限発揮出来る よう市民協働に積極的に取り組み、“新しい価値観の創造”を目指します。 ○同目的を達成する手段として、公園協会は社会一般的に実施されている“餅 屋は餅屋”という従来の手法・慣行を採用しません。つまり、公園の適正管理 や緑化活動の推進にあたっては、造園等の業者へ全面委託するのではなく、地 方自治の本旨である「自助・共助・公助」という“補完性の原理”に基づき、「地 域で出来ることは、地域で解決する。」という考え方を全面的に取り入れた新し い手法を導入します。この手法は正に“時代の要請”であり、公園協会が今後 存続し、成長・発展していく上での“根幹”(所謂“社是”)を為すと考えます。 *補完性の原理:決定や自治などはできる限り小さな単位で行い、できない ことのみを、より大きな単位の団体で補完していくという概念。 ○公園の適正管理や緑化活動の推進に当たっては、地域で埋もれている住民の 力を最大限発揮できるよう活用を図る必要があります。そのため、花と緑を通 して“自己実現と社会貢献”を目指す各種市民ボランティア団体と公園協会と が、お互いの強みや能力を活かして“市民協働”に積極的に取り組んでいくこ とが大変重要であると考えます。 なお、正確を期すために言及するならば、地域住民ではすぐに解決できない 「特殊・専門的な業務」については、受託能力を十分備えた業者等を活用する ことは言うまでもありません。 ○この方法を推進することは、地域住民にとっては堺市との従来の関係を根本 的に変革していく“第一歩”になると考えます。つまり、住民は税金を納付す ることによって、その対価として堺市よりサービスを受けるという従来の義務 と権利の関係(ストレートに言えば、税金を払っているのだから、住民の要求

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に対して堺市は全てを受け止め実施するのは当然という考え方)を根本的に改 め、住民自治の原点に立ち返り、地域で問題が生起した場合の解決策として、 初めから全てを堺市にお任せするという姿勢ではなく、まず、地域住民が「自 分達で出来ることは、自分達で実践し解決を図る。」という取り組み姿勢へ意識 変革を図るとともに、限られた大切な税金をもっと有効な用途に活用するとい う方向へ意識改革を図ってもらう“きっかけ作り”になると考えます。 ○このことによって、地域住民は従来の価値観(税金を納めているのだから、 住民のニーズに堺市は適切に対応するのが当たり前という考え方)を転換し、 住民自らが“地域の主人公”として自らを律する、という正に住民主権に基づ く民主主義の確立に向けた“新しい価値観の創造”を目指す方向へ向かうこと となります。 ○つまり、花と緑を通じた市民協働事業を日々実践することによって、地域住 民自らが地方自治の“根幹”を学ぶこととなります。そして、地域住民にとっ て公園協会は、正に地方自治の“学び舎”となることを目指したいと考えます。 また、これを担保するため、公園協会自らの組織力の強化と職員の能力の質的 向上を目指します。 ○この住民自身による“新しい価値観の創造”を実践していくためには、公園 協会自らが市民ボランティア団体を牽引する力をつけなければ、この壮大な社 会実験は“画餅に帰す”ことは言うまでもありません。 従って、これを担保するために公園協会としては、自らの組織力の強化と職 員の能力の質的向上を図ることが“最低必要条件”となります。 <今年度、重点的に取り組む基本方針> 1.取り組み姿勢 ①“豊かな感受性”を持って仕事を実践します。自らの行動を客観視し、相 手の立場を十分踏まえて行動します。 ○「“豊かな感受性”を持って実践します。」というのは、当たり前のようです が、その実、非常に難しい命題であると言えます。 様々な事象をどのように感じ取るかは心の問題であり、十人十色という言葉 があるように、千差万別であります。人は行動する場合、自ら考え抜いて良か れと思ってやったことが、結果として他人を傷付けることがあります。 このように、人が行動する場合、絶対無二の正解はない訳ですが、努力する ことによって多くの人の共感を得ることに近付けることは十分可能であります。 それは、自らの行動を出来る限り客観視し、第三者の立場の人ならばどのよ うに感じるかをじっくり考えてみることであります。換言するならば、相手の

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立場を十分踏まえて行動するということになります。 ○この術を身につけることは一朝一夕には行きません。度量を出来るだけ広く 持てるよう自己研鑽に励むと同時に、数多くの経験を積むことが必要となりま す。 この間だけでも、数多くの市民の方から公園協会に対して苦情を頂く結果と なっておりますが、少なくともこれらへの対応策としては、「同じ過ちは二度と 起こさない。」という真摯な姿勢で業務を遂行することによって、経験が生きた ものとなり得ます。 つまり、主体的に動かず、時間だけ食った人のものは経験とは言いません。 大事なのは自分で考え行動すること。そして、その濃さを高めていくこと。そ の濃い時間の積み上げが本物の経験となります。 ○又、人間性を高めることも大変重要な要素となります。そのためには、誰し も潜在的に持っている“選民思想”を絶えず打破するよう気を付けるとともに、 “市民目線”で仕事を推し進めることを忘れないことであります。何故なら、 私どもの活動の多くは、市民の税金で支えられ、また、各種ボランティア団体 の力をお借りしなければ成り立たないからであります。このことを改めて認識 して頂くことを強く訴えておきます。 ②前例踏襲をなくし、PDCAサイクルを通じて“事務事業の改善運動”を 展開します。 ○人間には2つのDNAが備わっています。“怠惰”と“意欲”であります。こ のことは、組織にも当てはまります。人間にとっても組織にとっても何も考え ず、前回あるいは前年と同じことを繰り返す前例踏襲は、楽で居心地の良い物 であります。しかしながら、組織が成長し発展を遂げるためには、この怠惰を 打破し意欲を引き出すことが大変重要となります。 ○これを推進する中心的役割を担うスキルが、PDCAサイクルと言われるも のであることは、私が再三再四言及してきました。しかしながら、このPDC Aサイクルという仕事の仕方が、職員一人ひとりに身に付いているとは言い難 いのが現状であります。改めて、その重要性について説明しておきます。 P(Plan) 事業を実施するには、まず事業計画書(Plan)の作成が一に も二にも重要となります。事業の目的・目標・成果指標・課題及び対応策・ロ ードマップ(工程表)並びに事業の終期設定等の項目を網羅した事業計画書を 策定し、頭に叩き込むことなしに、しっかりした仕事など出来る筈がありませ ん。無計画の出たとこ勝負に、勝ち目はありません。あるいは、前例踏襲によ るあいまいな過去の記憶に基づく実施作業では、無駄が多い割には徒労に終わ る可能性は大と言えるかと思います。羅針盤(事業計画書)のない航海(実行)

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がどうなるかは、結果は一目瞭然であります。事業計画書が出来れば、次は、 D(Do) つまり実行であります。Plan が頭に入っておれば、実行の道筋 が鮮明に見えます。実行する上での重要なポイントのチェックが可能となりま す。実行が終了すれば、次は、 C(Check) つまり評価であります。事業計画書に基づいてどこまで実行 できたかの確認行為のことであります。個々の評価項目ごとに到達点を評価し、 全体としての達成率を表示します。そして、最後は、 A(Action) 総合評価を踏まえて、個々の項目ごとの達成状況に応じてそ の原因を分析し、未達成項目については具体的な改善策を講じることでありま す。 ○この一連のPDCAサイクルを個々の事務事業に適用(言うまでもなく業務 部門だけでなく、総務事務についても適用対象となります。)し、これを毎回繰 り返すことによって“事務事業の改善運動”につなげていくことが大変重要で あります。 “継続は力なり”と申します。PDCAサイクルを反復することによって、 事務事業そのもののレベルアップ(これをスパイラルアップと言います。)につ ながり、ひいては、公園協会そのものが全体として良質で強靭な組織体になる こととなります。 “カイゼン”という言葉をメディアで良く見かけることと思いますが、トヨ タが“世界のトヨタ”に押し上げた主要な柱の一つが、この“カイゼン”であ ります。全社員が日々改善運動に取り組む(年間数万件の改善提案があるとの こと。)ことによって、世界に冠たる会社を作り上げたことはつとに有名であり ます。 “量から質への転化”という言葉はご存知の方も多いかと思いますが、この 意味するところは、量が激増すると質へ転化する(水を沸騰(常温→100℃) させると水蒸気(質)に転化する等)ということであります。PDCAサイク ルを通して事務事業の改善運動をしっかり取り組むことによって、中には質へ 転化する(つまり、改善(量)から改革(質)に転化する)事務事業も出てく るということであります。 職員一人ひとりのたゆまぬ努力の積み重ねが、公園協会の体質を改善させ、 ひいては自他ともに認める素晴らしい信頼される組織体に変革していくと、私 は信じております。 ○この間、少しずつではありますが、仕事の仕方が改善されて来ていることは、 私自身実感しているところではありますが、これらを強力に推し進め、今年は 是非、全職員がこのPDCAサイクルを身に付けて頂き、「同じことは二度と繰 り返さない。次回実施する場合には、必ず何らかの改善につなげていく。」とい

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う強い決意を持って業務に邁進して頂きたいと考えます。そして、従来から根 強く巣食っている前例踏襲を打破して頂き、協会そのものの組織強化に結実す るよう強く要請いたします。 ③職員一人ひとりが自らの能力を高めて、市民ボランティア団体等から信頼 される組織を構築します。 ○公園協会が今後存続し、成長発展を遂げていくためには、自らの“強み・独 自性・主体性”をフルに発揮することが、最低必要条件となります。 公園協会のアイデンティティ(自己同一性、主体性、身分証明)とは何か。 それは、自らの主体性や特色を活かしながら、市民ボランティア団体と一体と なって、所謂“市民協働事業”を推進することであります。これを中心軸に据 えて、幅広い事業展開をすることが重要となります。 現在、公園協会で実施している市民協働事業以外は、公園協会でなくても他 の会社等の組織に取って代わることは十分可能であります。つまり、いつ仕事 がなくなっても仕方のない状況に置かれております。 公園協会が生き延びていくためには、現在会得している自らの“武器”(強み・ 独自性・主体性)を更に高性能化(強化)し、確固たる形で足場を固めること が大変重要となります。 ○まず、公園協会にとって、市民ボランティア団体とはどのような存在である と皆さんは考えていますか。それは、私が常日頃言っておりますように、花と 緑を通して“自己実現”と“社会貢献”に関わりたいという性格を有しており ます。従って、そこには絶えず自分達の組織をレベルアップしたいという欲求 (つまり、向上心のこと。)が、組織そのものの中に“内在”されております。 換言すれば、マンネリ、前例踏襲とは本質的に相容れない性質を生得している ということを理解することが、接する上で大変重要となります。 ○このことは、私達公園協会として市民ボランティア団体から本来何を求めら れているのかが見えてきます。この過程としては2段階あると考えます。 まずは、市民ボランティア団体と一体となって協働事業に積極的に取り組む とともに、そこから生じる各種要望や苦情に対して、誠意を持って対応するこ とであります。このことによって、市民ボランティア団体から一定の信頼を勝 ち得ることは可能となります。 しかし、この取り組み方法だけでは一定の限界が生じます。それは、市民ボ ランティア団体のニーズにしっかり対応するという面では第一義的には評価で きますが、市民ボランティア団体が本質的に持っている“根源的”なニーズに 適応していないからであります。 そこで、次の段階としては、市民ボランティア団体が本質的に持っている向

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上心をしっかりサポートすることが重要となります。この市民ボランティア団 体の質的向上を図るためには、まずもって協会職員自らが積極的に自己の能力 を高めていかなければ、市民ボランティア団体を牽引するという壮大な計画は 実現するはずもありません。言ってみれば、生徒を教える教師が生徒に教えら れるようでは、笑い話にもなりません。 ○つまり、協会は市民ボランティア団体のお世話や支援だけでは駄目でありま す。市民ボランティア団体に夢と希望を与えるためには、協会職員自らが自己 研鑽に励み、人間的にも能力的にも信頼に足る組織体に生まれ変わることが、 最も重要となるということを訴えておきます。 ④公園協会の“主体性・強み”を活かした仕事を実践します。 ○一言で言えば、公園協会の公園協会たる所以とは何かということであります。 換言すれば、公園協会の存在意義はどこにあるのかということであります。自 らの持つ強み・魅力がなくては、競争社会で生き抜くことは到底出来ません。 外郭団体が生まれた時代と現代とでは社会状況は一変しており、“既得権益” を振りかざして生きることは、時代の要請として認められておりません。残さ れているのは、退場あるのみです。 自らの組織に磨きをかけ、他の組織(会社等)にはない“オンリーワン”や “ナンバーワン”の技術・ノウハウ・技能そして主体性を体得しなければ、堺 市や他の法人から随意契約にて業務を受託することは出来ません。残されてい る契約方法は、競争入札もしくは指定管理者制度への参加しか道は残されてお りません。 競争入札は皆さんもお分かりのように、安く入札した業者が仕事を受託出来 ます。これは職員の給与を大幅に下げない限りは受託出来ません。厳しい痛み を伴います。 指定管理者制度は、入札金額のみではなく、企画提案内容も含めた総合評価 で受託業者が決定される仕組みとなっていますが、これもまた高いハードルが 待っています。職員の給与を下げるだけでなく、斬新な企画力と実行力が求め られます。受託するには、公園協会として培った技術やノウハウがなければ、 提案そのものが不可能と言えます。 今まで見て来たように、一にも二にも公園協会そのものに他を圧倒する独自 の技術・ノウハウ・強みがなくては、しかもその能力を自らの主体性で持って 完遂することが出来なければ、社会的評価が与えられず、公園協会として今後 存続し得ないことがご理解頂けたと思います。 ○さて、改めて公園協会の強み・独自性とは何でしょうか。又、公園協会の主 体性とは何でしょうか。これらは一体不可分の関係にあります。以下に主なポ

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イントについて考えてみたいと思います。 一点目は、平成25年6月に“公益財団法人”として、大阪府より認定を受 けたということであります。これは現在堺市より受託し実施している各種緑化 推進事業や公園愛護会事業については、公園協会が公益目的事業として受託す る能力を有していることを公に認められたということであります。このことは、 今後新規に取り組む事業で公益目的事業として認定を受ければ、新たに事業拡 大につながる可能性を秘めています。 二点目は、上記の一点目とも大きく関係しますが、“市民協働力”ということ であります。協会の二本柱であります緑化推進事業と公園愛護会事業は、とも に各種市民ボランティア団体の力強い支援なくして出来る事業ではありません。 市民ボランティア団体と公園協会とが、それぞれの役割分担の下に、一体とな って協働することによって遂行しております。市民との協働による事業推進の あるべき本来の姿については上記③で述べましたが、長年に亘る各種市民ボラ ンティア団体との連携プレーにより、公園協会内部に経験がノウハウとして一 定蓄積され、また、そのことにより各種市民ボランティア団体から信頼を得て 来ていることは紛れもない事実であります。今後は、この市民協働力を質量と もに更に向上させ、公園協会自らが確固たる足場を固めていくことが、公園協 会存続のキーポイントになることは言を待ちません。 三点目は、“知識力”であります。このことについては、上記③でも述べまし たが、各種市民ボランティア団体の信頼を得るためにも、更には、今後新規事 業を開拓していく上においても、最低限必要とする絶対的条件であります。指 導する立場の、あるいは受託能力を有すべき立場の公園協会そのものが、教え るのではなく教えを乞うようでは、本末転倒であります。公園協会職員自らが 自己研鑽に努め、各種市民ボランティア団体や地域住民から、更には新規開拓 先から専門知識に対する絶対的な信頼を勝ち得るために、国家等の資格取得や 各種技能の向上に刻苦勉励することが肝要と言えます。今後も、公園協会とし て組織的にサポートして行きます。 四点目は、“指導力・マネジメント力”であります。これは、上記二点目の市 民協働力とも大いに関係しますが、知識を目一杯持っていても、それだけでは 組織としては機能しません。それでは単なる頭でっかちの木偶の坊に過ぎませ ん。各種市民ボランティア団体や地域住民をまとめ上げ、公園協会が目指す方 向へ牽引していく指導力を発揮しなければ、期待した成果を上げることが出来 ません。また、新規事業の場合にも、委託者の意向に沿うことが出来ません。 指導力は一朝一夕で身に付くものではなく、日々の鍛錬や与えられた好機を 活かして、自らの能力を磨き高めていく以外に方法はありません。幸いにも、 公園協会職員は仕事を通じて学べる機会が多く与えられています。それだけに、

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公園協会職員は率先垂範して、自ら困難な業務に積極的にチャレンジして、指 導力向上に向けて自己研鑽に努めて下さい。 五点目は、“収益力”を生む体質を身に付けることであります。一点目に述べ ました公益財団法人は、公益目的事業を推進することを目的としていますが、 同事業は“収支相償”を求められていることから、収益事業を合わせ実施しな ければ、法人そのものが存続し得ない訳であります。現在は、収益のほとんど 全てを公園駐車場と自動販売機の管理業務に頼っていますが、今後の社会状況 を俯瞰するならば、新たな収益源を創意工夫により確保しなければ協会経営が 成り立たないことは論を待ちません。 *収支相償:公益目的事業に係る収入の額が、その事業に必要な適正な費用 を償う額を超えることが出来ないこと。 また、公園協会として堺市より自立するためにも収益力強化は大変重要な課 題であります。収益を生み出すことにより、独自財源を活用した新たな公益目 的事業を推進していくことが、公園協会の本来のあるべき姿であり、各種市民 ボランティア団体を含めた地域住民の付託にも応えるものと考えます。 しかしながら、従来、堺市からの受託業務や管理許可に甘んじて来たため、 自らの企画力と自らの営業努力により新規事業を獲得し収益を得る、といった 経験も発想もないのが現実の姿であります。 今後、公益財団法人の認定を受けたことの真意をしっかりと理解し、収益力 向上に向けて何が出来るかを、職員一人ひとりが真剣に考え実践することを強 く要請します。 従って、この点について言及するならば、強みを体得していると言うよりも、 強みを強いられていると言う方が正しいかと思います。 六点目は、“信頼性”であります。これについては、公園協会の本来の強みと は積極的には言い難く、結果として強みにつながっていると言えるかと思いま す。 民間では勿論のこと、堺市でも人事異動が数年おきに繰り返されております。 それは、仕事の性質上強制的に(癒着の温床とならないため)実施する必要が ある場合もあれば、職員の能力向上を目的とする場合や適材適所の観点から人 事異動を実施する場合もあります。 この点、公園協会は業務範囲が限られていることから、ほとんど人事異動そ のものがないのが実情であります。このことは、人事異動の本来のメリットが 活かされない面はありますが、他方、そのため同一職場に長く在籍することの メリットも生まれて来ます。 現在、公園協会は各種ボランティア団体と市民協働事業を展開しているため、 人間関係を上手く形成していかなければ、仕事そのものがスムーズに進まない

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特殊性があります。そのためには、各種ボランティア団体と長年に亘って上手 く付き合うこと(特に、各種ボランティア団体は高齢者がそのほとんどを占め ていることから、人を信頼するのに時間を要することは言を待ちません。)が、 人間関係を形成する上での入り口となります。そこから、徐々に相手方の信頼 を得て、強固な“信頼関係”を構築することが可能となります。しかも、各種 ボランティア団体は、お互いが民間のように利害が絡まず社会貢献という同じ 目的の下に集まっているため、信頼関係が構築されれば、人を介して“人が人 を呼ぶ”という副次効果も派生していきます。 ⑤自らの力で稼ぎ、自立化を高めます。 ○この命題も公園協会の今後を見た場合、大変重要な内容と言えます。その理 由は三点あります。 一点目は、先程も述べましたが、公園協会が昨年の6月に公益財団法人とし て認定を受けたということから、自らの力で稼ぐことが必然的に生じることで あります。つまり、収支相償を求められていることから収益事業を展開し、公 益目的事業の赤字を補填しなければ組織の存続が出来ないからであります。 二点目は、“歴史の必然性”という観点であります。現在は、収入のほとんど 全てを堺市公園緑地部からの業務受託や管理許可により得ることで、公園協会 は何とか存続しているのが現状であります。 しかしながら、現在もそうですが、今後は益々少子高齢化が加速して行きま す。つまり、生産年齢人口が減少して行きます。このことは、堺市の税収が減 少して行くということでもあります。その結果、公園緑地部への予算配分は今 後益々厳しくなることは十分予測されます。このことは、公園協会の存立基盤 が不安定になることを意味します。その兆候は、既に予算面や事業面で現れて 来ております。また、今後の堺市の事業計画でも厳しい話が出て来ております。 この時代の流れを“先読み”し、的確に対応出来るかどうかが、協会の存亡 につながることは明白であります。 三点目は、“危機への対応”という視点であります。危機に対する王道は、“危 険分散”であります。この点は二点目と大いに関係しますが、現在、公園協会 は両足とも堺市公園緑地部に入れて自らの体を支えていますが、横から圧力が かかれば即転倒する実に不安定な経営基盤となっています。風雪に耐え抜いた 大木のように、大地にしっかりと根を張ることなしには、安定した組織経営は 出来ません。 そのためには、堺市公園緑地部以外から新規事業を自らの企画力と自らの営 業努力により獲得し、収益を得ることが絶対的に必要となります。しかも、そ の収益比率を高めていくことが喫緊の課題であると考えます。

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○以上の三点から分かるように、現状では公園協会の将来は危険極まりない状 況に置かれています。しかしながら、自らの力で稼ぐためには、知恵と努力が 不可欠であります。自らの持っている強みを活かしてどんな新規事業を展開す ることができるのか、収益を生むためにはどんな事業手法を考案する必要があ るのか、費用対効果を考えてどこにどれだけメスを入れる必要があるのか等、 たゆまぬ努力が求められます。 ○法律上、公園協会は堺市から独立した組織でありながら、実態は“おんぶに 抱っこ状態”と言えます。甘えの体質が公園協会の“自立”を拒み、一人立ち 出来ない子供となっています。設立して43年余り。親離れするためにも自ら の力で稼ぎ、親から一定独立する気構えと実践力が問われています。そして、 稼いだ資金を公益目的事業に還元し、地域住民や各種市民ボランティア団体か らも信頼を得られるよう、公園協会の“自立化”に向けた取り組みを強化する ことが強く求められます。 ⑥“甘えの構造”から脱却し、自律化を図ります。 ○世の中、原因があるから結果が生まれます。今日の公園協会を形作ってきた のは、「最後は、堺市は何とかしてくれる。」という“逃げの姿勢”に根本的な 原因があると、私は考えます。甘えが自滅への道につながることは、世の常で あります。 公園協会が今後とも存続して行くためには、職員一人ひとりが自らの力で遣 り抜くしか、新しい道は切り開けません。公園協会は設立されて43年余りと なります。世の中は、二十歳で成人となります。既に、世間の2倍以上生きて おります。心を入れ替え、自分達自身で自律出来るよう“真の大人”に脱皮し ようではありませんか。 そのためには、堺市から受託した事業については責任を持って完遂すること (期限厳守は言うまでもありません。)は勿論のこと、今後の公園協会としての 考え方を積極的に提案し、堺市と対等に議論できる力量を身に付け、堺市から も各種ボランティア団体からも信頼される自律した組織に生まれ変われるよう に努めて下さい。 ○公園協会職員一人ひとりが、「自分達自身が公園協会を育て、大きくしていく んだ。」という強い自覚と信念を持って事業に邁進して頂くことを強く求めてお きます。このことなしに、甘えからの脱却や自律化は“夢のまた夢”に終わる ことを言明しておきます。 故J.Fケネディ大統領の就任演説の中の言葉を深く噛み締めて業務に精励 することを強く訴えます。 「国があなたのために何をしてくれるかではなく、あなたがこの国のために

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何ができるかを考えようではありませんか。」 2.公益事業の強化・拡充 ○公園愛護会活動の推進に当たって、愛護委員との信頼関係の強化策を講じま す。 ○公園愛護会活動は、各校区自治連合会会長より推薦を受けた愛護委員のボラ ンティア活動に支えられて成り立っている事業であります。そのため、公園協 会は愛護委員との信頼関係を構築するに当たり、あらゆる機会を通じてその強 化策を講じることが大変重要となります。その際のキーワードは、“フェイスt oフェイス”であります。 具体的には、下記の方針で実施します。 ①柔軟な勤務体制を導入します。 公園愛護会活動における公園協会の役割は、従来は、各校区自治連合会会長 より推薦を受けた愛護委員の名簿作成や活動協力金の支払い等、デスクワーク が主たる業務でありましたが、平成24年度より、各公園での作業内容(清掃 のみ、清掃+除草に分類)の実態把握及びそれを踏まえた活動協力金の支払い 業務が新たに追加されました。 しかしながら、各公園の実態把握方法は、その多くが愛護委員が作業してい る時間帯に実施せず、作業終了後に活動状況を事後確認するに止まっているの が実情であります。 愛護委員との信頼関係を構築するためのキーポイントは“フェイスtoフェ イス”であります。そのため、愛護活動を担当するグループについては、各公 園で愛護委員が活動する時間帯に合わせて現場へ行き、“感謝の気持ち”を伝え るとともに、“一緒になって行動する”ことが一番の基本であります。そのため、 勤務時間帯については、現在の9時∼17時30分ということに拘泥せず、柔 軟性を持った対応が涵養と言えます。 また、これを実施することによって公園協会の存在意義も高まるものと考え ます。フレックスタイム制等の柔軟な勤務体制の導入に向けて創意工夫を図り、 愛護委員と顔を合わせる(所謂、“顔の見える”)仕事の仕方へ方向転換するよ う要請します。 ②校区交流会を積極的に開催します。 各校区内の全ての愛護委員に集まってもらい、愛護会活動を推進していく上 での様々な意見交換を積極的に行い、悩み・苦情等に対して的確かつスピーデ ィーに対応することによって、各校区内の全ての愛護委員が共通認識を持って もらうとともに、やる意欲を引き出すことが重要と考えます。 ③区運営委員会を開催します。

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区ごとに、各校区の愛護委員の代表者に集まってもらい、愛護会活動を推進 していく上での意見交換を活発に行い、区ごとの相違点や共通の課題を抽出し、 対応策を迅速に講じることとする。区運営委員会は、校区交流会の上部組織で あることを認識して運営に当たることが重要と考えます。 ④役員会を定例的に開催します。 校区交流会、更には区運営委員会で出された課題等を集約し、今後の愛護会 活動の方向性を取りまとめる最上位組織としてしっかりと機能するために、役 員会を出来るだけ定例的に開催し、組織の強化に努めることが重要と考えます。 また、事業の拡充並びに愛護会制度の見直しに向けて堺市と協議を進めます。 ○現在、公園の管理方法は、500㎡未満の小規模公園については、公園協会 と堺市とで業務内容別に分担した二元管理となっています。すなわち、清掃・ 除草・低木剪定は公園協会の所管の下に公園愛護委員を中心に管理、中高木剪 定・薬剤散布・遊具施設等は堺市の所管の下に管理しております。 このことから、今年度は堺市との協議を進め、現在の二元管理を解消し、今 後は公園協会の下に一本化し、一元管理を進めます。理由は下記の四点であり ます。 一点目は、一元管理をすることにより、市民・利用者に分かりやすくなるこ とであります。現在の苦情等の電話対応が公園協会に一本化され、不必要な業 務が簡素化されます。 二点目は、公園協会の下に一元化されることにより、愛護会活動日と樹木管 理受託業者の活動日との日程調整等をスムーズに行うことが可能となることで あります。 三点目は、現在愛護委員の活動範囲は、清掃または清掃+除草業務となって いるが、今後は刈り込み剪定等の講習を実施する中で業務範囲を拡大すること によって、「地域で出来ることは、地域で解決する。」という地方自治の基本理 念に基づく実践活動が拡充し活発化していくこととなります。 四点目は、現在実施している愛護委員による公園管理の方法を見直し、将来 的には花や緑に携わる地域のあらゆる各種ボランティア団体の参画の下に、公 園管理を実施する方向へ転換していくべきと考えるためであります。現在公園 協会は、花植え等の緑化活動を進める各種ボランティア団体との協働事業を実 施していますが、これらの団体も視野に入れた方向へ活動団体の範囲を拡充す べきと考えています。 なお、一部の公園では既に双方の協働事業が上手く機能し活動しているとこ ろも出現しています。 ○現在の愛護会制度についても、見直しの時期に来ていると考えます。現在の

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制度は、各公園ごとに校区自治連合会会長推薦の愛護委員が個人登録された形 となっています。いわば、“個人請負”のような形式となっています。しかしな がら、「地域で出来ることは、地域で解決する。」という地方自治の本旨から言 えば、一住民ではなく地域全体として対応するのが本筋と言えます。そのため、 公園協会としては、“個人から団体登録へ”切り替えるべきと考えます。これら の見直しについても堺市と協議して行きます。 ○緑化活動の推進に当たって、目的や成果指標・終期設定等を明確にした取り 組みを実施します。また、限られた資源(人・物・金)の選択と集中を図るた め、事業の再編・再構築を図ります。 ○緑化活動の推進に当たっては、二つの点が重要となります。 一点目は、1.取り組み姿勢 ②で述べたPDCAサイクルの取り組みが大 変重要となります。緑化活動はその性質上、事業メニューも活動エリアも際限 なく広がりを持たせることが可能となります。それだけに、事業スタート時に 事業計画書をしっかりと作成し、目的・目標・成果指標・課題及び対応策・ロ ードマップ(工程表)並びに事業の終期設定等を明確にする必要があります。 そして、毎年(回)評価し、改善につなげていくことが大事であります。その 上で、事業の最終年には総括(総合評価)を行い、当該事業は一旦終了させま す。 二点目は、限られた資源(人・物・金)を最大限有効活用する必要があるこ とから、資源の選択と集中を行い、事業の再編・再構築を図ることが重要とな ります。これは、上記一点目とも深く連動します。事業の実施に当たっては毎 年(回)改善に努めるとともに、事業の最終年には同種あるいは類似事業の有 無をより大きな視点から見直し、事業の終結あるいは再編・再構築いずれかの の判断を下す必要があります。 今後、堺市の予算が縮減されることから、限られた資源の有効活用が強く求 められます。 ○企業緑化活動を、公園協会の今後の“中心軸”の一つとして位置づけ、強力 に推進します。 ○従来、公園協会の緑化活動は、公園愛護会事業にしろ、緑化推進事業にしろ、 全て個人から構成される各種市民ボランティア団体との協働により実施して来 ました。 今後、緑化活動を大きく展開して行くためには、社会の主要な構成要素であ る企業の参画は、欠かすことの出来ないものと考えます。また、企業にとって もIR戦略上、社会貢献は避けて通れない大きな命題と言えます。

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社会貢献に向けた事業メニューは様々なものが考えられますが、公園協会が 関与している花と緑の魅力は、多くの企業にとって受け入れ易い内容であると 考えます。それは、地球環境に優しい(Co2 排出削減効果)、市民にとって身近 で親しみやすく PR 効果が大きい等の特色を兼ね備えているからであります。 ○緑化活動への企業の参画方法としては、企業私有地への緑化活動は勿論のこ と、公開空地(公園、道路等)への労働供出や、ネーミングライツ付与の対価 としての金銭の提供(寄附等)等が考えられます。また、企業の規模によって も貢献度合いに差異があることが考えられることから、今後の事業拡大を見据 えた場合、企業のニーズを的確に捉えた事業メニューを提供することが必要と なります。 一方、公開空地を利用する場合には、公園や道路敷地、教育施設が中心とな り、使用許可の手続きが付随することから、堺市との協議も必要となります。 ○今後は、堺市の予算が縮減されることから、企業緑化活動を公園協会の“中 心軸”の一つとして位置づけ、新たな事業財源として大きく育てて行くことが、 公園協会の存続に大きく関わるものと考えます。 3.収益事業の強化・拡充 ○既存の収益事業については、経費の削減と収益増対策を講じ、効率的・効果 的な事業運営を講じます。 ○公益目的事業の赤字を補填し、かつ、職員の人件費を捻出するためには、収 益事業からかなりの純利益を生み出す必要があります。 今の世の中、高い利益率を生み出す事業としては、オンリーワン、ナンバー ワンの企業、あるいは既得権益が法令等で守られている事業やニッチ産業以外 はまずないのが実態であります。 それだけに、まず取り組むべきは、既存の収益事業について一から見直し、 経費の削減と収益増対策を徹底することであります。まずは足元を固めること。 このことにより、効率的・効果的な事業運営を推進することが可能となります。 ○公園協会の持ち味を活かした新規事業を積極的に展開し、財政基盤の強化を 図ります。 ○現状の収益のほとんど全ては、公園内駐車場の管理と自動販売機の管理を行 うことによって得ております。これは、堺市から公園内の利用敷地に対して管 理許可を得て初めて成り立つ業務ですが、今後公園協会が大きく飛躍するため には、新規事業にも積極的に取り組み、財政基盤の強化を図ることが強く要請 されております。 ○通常、新規事業を企画する場合の定石は、「やりたいこと」、「得意なこと」、「お

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金になること」の3つが重なるところに事業チャンスがあると言われています。 その中でも公園協会にとって新規事業を実施する際のポイントは、1.取り組 み姿勢 ④で述べた協会の“持ち味”を活かすことであります。それは、ハー ド、ソフトともに言えます。公園協会の強み・得意なことを活かすことによっ て、事業の持続性が可能となり収益率の向上を目指すことが可能となります。 ○収益事業から生まれた純利益を公益目的(緑化推進)事業に還元するシステ ムを確立し、職員の意欲を積極的に引き出す“自己完結型のシステム”を目指 します。 ○昨年の6月に公益財団法人として認定を受けたことによって、収益事業から 生まれた純利益の二分の一を公益目的(緑化推進)事業に活用することが可能 となりました。 このことは、公園協会が収益事業を強化することが、すなわち公益目的事業 を強化することに連動することを意味します。つまり、緑化活動事業の推進と いう公園協会の目的をより一層推進することとなり、職員の意欲を積極的に引 き出すことにつながることとなります。 自分達で稼いだ利益を、自分達が目指す公益目的に積極的に活用出来るとい う好循環の“自己完結型のシステム”を目指します。 4.広報活動の積極的な展開 ○公園協会の事業活動を広く市民に周知し、幅広い市民から共感を得るよう、 HP 等各種広報媒体の活用を図ります。 ○公園協会が取り組んでいる事業活動を、幅広い市民に正確に知ってもらい共 感を得ることは、職員の遣り甲斐にもつながり、大変大事なことであります。 この公園協会の活動を伝達する手段として、各種広報媒体を積極的に活用す ることは、公園協会の認知度向上にもつながり、今後の事業の拡大・強化に貢 献するものと考えます。 ○HP 等各種広報媒体の活用により、各種ボランティア団体の活動状況を広く市 民に周知し、やる意欲を喚起するとともに、新たに参加する市民の呼び込みに つなげます。 ○各種ボランティア団体は、花と緑を通して自己実現と社会貢献を目指してい ます。それだけに、実際取り組んでいる活動実態を幅広い市民に正確に伝える ことは、各種ボランティア団体としても自らが社会貢献に寄与していることを 実感することにつながり、やる意欲を喚起するものと考えます。 また、各種ボランティア団体の活動を伝達する手段として、各種広報媒体を

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積極的に活用することは、新たに参加する市民の呼び込みにもつながり、大変 重要と考えます。 5.組織力の強化と職員の能力向上 ①挨拶と朝礼を励行します。 ○挨拶は、和らいだ職場環境を醸し出す“緩衝材”と言えます。引き続き大き な声で挨拶をしましょう。 ○朝礼は、昨年度より毎日実施することとしました。職員一人ひとりがその日 の仕事を頭に浮かべ人前で話をする行為ですが、朝礼を実施することによって 自分と他の職場の人達の動静がお互いに分かり、協力体制も組み易くなります。 今年は、その日の活動予定だけを伝達するのではなく、事業によっては目的 や理由も合わせ説明する等、改善を加えて下さい(ここにもPDCAサイクル が登場します。)。職員の理解も得られ易くなると考えます。 また、各自が他から得た情報(TV、新聞、インターネット、他の地方自治体 の HP 等)についても発表してもらえれば、幅広い情報の共有化が図れると思 います。 ②グループ制を引き続き実施し、限られた人材の積極活用並びに職員間の相互 協力を図ります。 ○グループ制については、昨年度より実施しました。取り組まなければならな い事業メニューが多く、事業間の日程が重なる場合も多いため、少ない職員を 担当ごとに固定すると事業そのものが回転しないことから導入を図ったところ です。 今年度も引き続きグループ制を実施し、限られた人材の積極活用を図るとと もに、職員がお互いに協力し合う関係を構築します。 ③個人請負型から組織対応型への転換を図ります。 ○仕事の仕方が個人請負型に偏在しているのは、公園協会の歴史を反映してい る結果と考えます。 公園協会は、従来、プロパー職員と堺市の現役職員及び同 OB 職員を中心と した人事構成となっていました。近年は、堺市の現役職員に代わって、労働市 場から公募した任期付き契約職員となっています。しかし、いずれの場合も、 プロパー職員を除けば基本3年を限度に職員が総入れ替えとなるため、退職の 都度新人に対して一から研修し育てていかざるを得なく、職員をしっかり育て ることが出来ず時間の無駄の多い制度となっています。そして、プロパー職員 には徒労感が残ることとなります。

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○この人事採用制度の制約から、プロパー職員は他の雇用形態の職員に対して は、仕事を全面的に任せることはせず、簡単で部分的な仕事を任せるに止まっ ていました。また、プロパー職員については、ポストが少ないことから異動が 少なく固定されていたこともあり、公園協会として責任を持って遂行しなけれ ばならない仕事は、プロパー職員一人ひとりが自分のテリトリー(受け持ち領 域)を自分自身で処理する、所謂“個人請負型”を身に付けてしまった、とい うのが実情であると考えます。 これは公園協会に取りまして、大変不幸でありました。プロパー職員は自分 自身の仕事を個人で処理し、お互いに干渉せず、情報の共有も余りなされてお りませんでした。一方、他の雇用形態の職員は中途半端な仕事に甘んじること となりました。 その弊害は様々なところに現れて来ています。例えば、自分自身の仕事は個 人で処理すれば済むことから、人事異動があった場合にはその担当者にも分か るように書類を作成して残すという社会一般の習慣が身に付いていないため、 担当者が休むと他の職員は誰も分からないといった、通常の組織では考えられ ない体たらくで危機管理のない状況にありました。 これでは、組織は現状を維持するのが精一杯で、成長・発展など望むらくも ありません。 ○公園協会が仕事を責任持って完遂するためには、受託した仕事に対して組織 全体として取り組まなくては、“いい仕事”が出来る訳がありません。このこと は、どんな法人にも言える基本中の基本であります。 堺市の OB 職員だけでなく、任期付き職員も含めて全員が責任ある仕事を与 えられ、上位下達、下位上達のフィードバックを繰り返しながら、組織全体と して責任を持つことによって初めて、組織が“生き物(活き活きしたもの)”に 生まれ変わります。これが、所謂“個人請負型から組織対応型への転換”の意 味するところであります。 ○長い年月を掛けて形成されてきた個人請負型を止めることは、大変困難な課 題であると思います。しかし、公園協会が今後発展・成長して行くためには、 組織対応型の仕事の仕方を身に付けない限りは、新しい道は開けないことを言 明しておきます。 ○なお、組織対応型へ確実に転換していくためには、残された課題もあります。 一つは、公園協会の中核をなすプロパー職員については、今後、一定の人員 を確保することが必要と考えます。単なる定年不補充では活き活きした組織を 機能させることは不可能と言えます。 二つは、任期付き職員の上限3年は、公園協会には不向きと言えます。各種 ボランティア団体と一体となって協働事業に取り組んでいる組織だけに、相手

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方との信頼関係が前提となって初めて事業が上手く進展します。この信頼関係 の構築には年数を要します。特に、各種ボランティア団体は高齢者だけに、な お更時間が掛かります。任期付き職員にも責任ある仕事をさせるためには、任 期の延長が是非とも必要であることを堺市は理解して頂きたいと思います。 ④役職に応じた仕事を履行する等、役割分担並びに責任の明確化を図ります。 ○これは、上記③とも大きく関係する内容と言えます。従来、プロパー職員は 個人請負型の仕事をしていたため、役職に応じた仕事の仕方を日々認識する必 要がないことから、十分に身に付けていない結果となっています。上司は上司 としての役職に相応しい役割を果たさず、自分自身で仕事を遂行してしまう習 慣が身に付いているため、部下のプロパー職員や他の雇用形態の職員をフルに 活用することが出来ない状況が見受けられました。そのため、忙しい職員と待 ちの職員とに組織が分断されていました。 上司は上司としての仕事をするためにも、部下の一人ひとりに対して仕事の 役割を明確にし、責任を持たせるよう指導の徹底を改めて言明しておきます。 そして、全員がそれぞれの役職に応じた仕事をしながら、“等しく”忙しくなる よう業務量をシェア(均等分配)して下さい。 これが上手く機能して初めて、人事評価制度の有効活用も可能となります。 ⑤ほうれん草を徹底する等情報の共有化を図り、風通しの良い組織作りを目指 します。 ○情報の共有化は、組織が上手く機能するための“潤滑油”と言えます。情報 が全ての職員に伝達されることによって初めて、同じ土俵に立って仕事が出来 るのです。 このことも、上記③と大きく関係していると考えます。従来、個人請負型の 仕事の仕方をして来たため、情報を共有する必要があまり生じなかったと言え ます。せいぜい、直接関係する者同士の限られた範囲での情報の共有化が図ら れただけであったのではないかと考えます。 その結果、公園協会が抱える重大な懸案事項について、あるいは喫緊の課題 について、職場全体で共有する風土がないため、全員の力を発揮して困難な課 題を解決する職場環境ではありませんでした。このことが、今日の公園協会の 厳しい経営環境を形作った“元凶”と言えるのではないでしょうか。 組織は、よい時も悪い時も、全員が情報を共有し、全員が知恵を出し合って 困難な課題に立ち向かうべきものです。そうして初めて、組織に“連帯感”が 生まれるのです。一人の賢人が、あるいは一部の人間だけで組織を切り盛りす る時代ではありません。

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まずは、ほうれん草(報告・連絡・相談)を徹底し、全員で情報の共有化を 図りましょう。そうすれば、風通しの良い組織が必然的に生まれるのです。そ うすれば、皆で頑張ろうという雰囲気が醸成されて来ます。今後は、全員野球、 “チーム協会”として取り組むことを言明しておきます。 ⑥人事評価制度の導入により、やる意欲の醸成等職員の意識改革を図ります。 ○上記⑤では、公園協会の今後のあるべき姿を述べました。しかし、仕事を遂 行するのは一人ひとりの人間であります。十人十色というように、人間は千差 万別であります。どの組織にも、能力の高い人もおれば、そうでない人もいま す。そのため、民間では利益を上げる必要から、早くから人事評価制度を導入 し、能力差を昇任制度へ反映したり、給与・ボーナスに反映して来ています。 堺市においても、人事評価制度は10数年以前から導入し昇任制度へ反映し て来ました。そして、現在はボーナスへの反映も全職員に対して実施していま す。 ○欧米で採用されている賃金思想は、“同一労働、同一賃金”であります。これ は、雇用形態の違いは問いません。常勤・非常勤は、欧米の賃金思想には馴染 みません。これに比して、日本はまだ、“同一労働、同一賃金”の考え方が確立 しておらず、雇用形態に応じていまだ不平等な賃金体系となっています。いず れは、欧米と同様の方向へ進むでしょうが、時間を要すると思います。 ○公園協会の仕事を見てみますと、基本的には全て同一労働と言えます。違い は、“経験差”であります。特殊・専門的な仕事をする人達で組織が構成されて いる訳ではありません。例えば、病院であれば、医師・看護士・医療技術士・ 事務員から構成されており、仕事の質の差により賃金体系が異なっています。 従って、公園協会の仕事に対して人事評価制度を導入した場合には、同一労 働であるので、能力の高い人と高くない人との間で一定の賃金差を設けること は妥当であると考えます。なお、経験差は定期昇給でカバーする制度が確立さ れています。 ○さて、人事評価制度導入の意義は、取り組むべき業務内容及び目標(所謂、「目 標管理に基づく人事評価制度」のこと。)を明確にした上で、やる意欲のある職 員を一人でも多く育てることにあります。足の引っ張り合いでないことは言う までもありません。職員一人ひとりが高い目標を立て、それに向かってチャレ ンジして行くことが、結果として組織を大きく育てることにつながります。公 園協会が今後飛翔して行くためには、今正に、職員のやる意欲が強く希求され ています。 そのため、人事評価制度の導入により業績評価を所得面に反映し、やる意欲 のある職員に対しては高い評価を、また、意欲の少ない職員に対しては再起を

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促すきっかけを与えることとします。 昨年度は、管理職を対象に人事評価の結果を冬のボーナスに反映しました。 今年度は、プロパー職員全員を対象に、人事評価結果をボーナスに反映するこ とを考えております。今後は、人事評価制度の成熟度を勘案しながら対象者の 拡大を図って行きます。 ⑦国家等資格の取得や技能習得の機会を提供し、職員個々の力量を高めます。 ○職員一人ひとりの能力を高めることの重要性については、1.取り組み姿勢 ③で述べたところです。能力を高める方法としては、二つあります。 一つは、言うまでもなく自己研鑽であります。自らの努力で自らの能力を高 めていくことが、第一義的に求められます。自らが積極的に学ぶ意欲がなけれ ば、話は前へ進みません。自宅学習や情報収集に努めて下さい。 二つ目は、組織として後方支援する方法であります。これについては、四つ の方法があります。 ①堺市が主催する研修会への参加であります。また、私ども公園協会が加盟 している各種連絡会が主催する研修会もあります。積極的な参加を求めます。 ②堺市公園緑地部への職員の研修派遣であります。昨年度初めて公園緑地部 へ職員を派遣し、二ヶ月間堺市の仕事の仕方を学びました。(3名)今後も、機 会を捉えて実施していきます。 ③公園協会として支援制度を設けて、国家等資格の取得をバックアップする 方法であります。理由の一つには、職員が資格取得を目指して自己研鑽に励む こと。そして、取得出来た場合には、職員のモチベーションが高まることであ ります(名刺に資格を表示する等)。二つには、今後、公園協会として仕事を受 託する場合に、受託能力として国家等資格取得状況を求められることでありま す。今の世の中は、資格万能主義と言えます。能力の高低を証明する最も有効 な方法は資格でしかありません。今後、公園協会が自らの力で稼ぐためには、 一にも二にも資格の取得が求められます。これについても、昨年度初めて実施 し、3名が資格を取得しました。 これら資格取得と合わせて公園協会として求められる重要な能力は、各種技 能を習得することであります。草刈機、電動ノコ等の使用方法、遊具の点検方 法等の習得も大事な技能です。 ④OJT研修であります。これは言うまでもなく、上司あるいは職務経験者 が、部下あるいは職務経験の浅い職員に対して、職場において目の前の業務に 対して具体的な指導等を行うものです。研修を受ける職員にとっては、研修内 容が身近で分かり易く業務に直接役立つことから、身に付き易い研修方法と言 えます。又、研修する方も、分かり易い説明を求められることから、頭の整理

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整頓になると考えます。 公園協会として、一にも二にもあらゆる機会を捉えて、職員が研修出来る職 場環境を作り、職員個々の力量を高め、堺市、市民、各種ボランティア団体か ら、能力的にも十分に信頼される組織へ生まれ変わることを目指します。 ⑧職員の意欲を積極的に引き出すため、予算制度を見直し全ての会計を“非精 算方式”に転換します。 ○公園協会の会計処理方法については、元々は“非精算方式”でありましたが、 平成15年の税務署査察で利益確定分については納税対象になったことから、 節税対策として収益事業以外は全て“精算方式”に切り替えることとなった経 緯があります。 *精算方式:決算時に予算に残額が生じた場合は、残額全てを堺市に返戻す ること。 このことにより、堺市から受託した業務について仕様書を工夫して同等業務 を安く仕上げても、その果実は全て堺市が吸収する仕組みとなっており、職員 の意欲を削ぐ状況になっています。 企業の行動原理は、受託した業務を出来る限り安く仕上げ、利益を出来る限 り多く生み出すことであります。そのために社員は知恵を絞ることとなり、そ の中で新しいアイデアや技術の進歩が生まれて来るのです。また、その果実の 一部が社員の給与に反映されたりもします。 くしくも、昨年の6月に公益財団法人の認定を受けたことから、府が認定し た公益目的事業については、利益が生じても税法上課税対象とならなくなりま した。つまり、浮いた利益を公益目的事業(緑化推進事業)に再投資すること が可能となった訳であります。 今後は、このメリットを活かした事業展開が重要と考えます。 ○精算方式を非精算方式に切り替えることによって四つの利点が生まれます。 一点目は、職員自らが知恵を出すことによって、新たな果実を生み出す可能 性が生じることとなり、職員のモチベーションが高まります。 二点目は、上記一点目の結果生まれるものですが、1.取り組み姿勢 ⑤で 述べたことにつながります。すなわち、職員自らが知恵を出すことで、自らの 力で稼ぐことが可能となり、このことが、職員の自立化を高めることにつなが るという関係になります。 三点目は、新たな果実を緑化推進事業に活用することが出来るようになり、 公園協会の設立目的を強化することにつながります。 四点目は、自らの力で稼いだ果実を活用することによって、公園協会の存在 感や組織強化を高めることが可能となります。具体的には、職員の人材育成費

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用の捻出、新規収益事業への投資資金の捻出、各種ボランティア団体への還元 資金等が考えられます。

これらを踏まえて、平成27年度から全ての会計を非精算方式に転換するた め、早急に堺市と協議して行きます。

参照

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