DOI: http://dx.doi.org/10.14947/psychono.34.22
155 ●●●●●●●●●●●●●●●著者名: ランニングタイトル●●●●●●●●●●●●●●●
2014年度日本基礎心理学会第2回フォーラム
顔研究の諸相
Aspects of studies on face processing
日 時: 2015年1月24日(土)14 : 00∼18 : 00 場 所: 琉球大学法文学部304教室・303教室 講 演 者: 遠藤光男(琉球大学法文学部)「顔およびヒトの検出過程の研究」 桐田隆博(岩手県立大学社会福祉学部)「顔表情の情報処理において怒り顔は本当に優先されるのか?」 小森政嗣( 大阪電気通信大学情報通信工学部)「自発的な表情はどのような動作から構成されるのか: 形態測定学的アプローチ」 企画・司会: 遠藤光男(琉球大学法文学部) 企 画 趣 旨 1970年代前半までの顔認識研究は,主に未知顔の記 憶研究が中心で,記憶成績に影響を及ぼす要因の研究な どが行われてきた。それらの研究は断片的な知識の収集 にとどまり,研究を統一する理論的枠組みがなかった。 しかし,1970年代後半から,主にイギリスの研究者たち によって,既知顔の認識過程について単語認識モデルや 視覚情報処理の理論を取り入れながら研究されてきた。 その成果が,1980年代のいくつかの顔認識モデルの提出 へと繫がっていった。それらのモデルの中で最も有名な ものが,Bruce & Young (1986) の顔認識モデルである。
Bruce & Young (1986) の論文は被引用数が1,300件を超 えており,人物認識過程の研究ばかりでなく,様々な顔 研究を促進してきた。2011年にはその出版25周年を記 念して,British Journal of Psychologyにおいて特集が組ま れている(Schweinberger & Burton, 2011)。
日本でもこの論文の発表を契機に多くの研究者が顔研 究に従事するようになった。出版から30年弱が経過し た現在でも顔研究は盛んに行われているが,特定のテー マに集中した研究が行われるというよりも,研究者の関 心が顔の様々な側面に分散し,多様な研究が行われてい るといえる状態にある。本フォーラムもその傾向を反映 させて,特に統一的なテーマを持たずに顔の様々な研究 を3名の講演者が紹介した。まず,企画者が,顔および ヒトの検出過程の研究を概観した。次に岩手県立大学社 会福祉学部の桐田隆博氏に顔の表情処理における怒り顔 優位性効果の最近の研究状況について講演していただい た。最後に大阪電気通信大学情報通信工学部の小森政嗣 氏に形態測定学(Geometric Morphometrics)の手法を援 用した,表情表出の時間的・空間的特性に関する研究に ついて講演していただいた。 引用文献
Bruce, V., & Young, A. (1986). Understanding face recogni-tion. British Journal of Psychology, 77, 305–327.
Schweinberger, S. R., & Burton, A. M. (2011). Person percep-tion 25 years after Bruce and Young (1986): An introduc-tion. British Journal of Psychology, 102, 695–703.
(琉球大学 遠藤光男)
The Japanese Journal of Psychonomic Science 2015, Vol. 34, No. 1, 155