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第2学年1組 算数科学習展開案

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Academic year: 2021

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(公開学習Ⅰ) 第2学年2組 算数科学習指導案

授業者 多内 京子 2年2組教室 1 単元名 はこの形 ~チャレンジ!はこづくり~ 2 授業構成 (1)単元の価値と魅力 算数科の目標は,「算数的活動を通して,数量や図形についての基礎的・基本的な知識及び技能を身に付け, 日常の事象について見通しをもち筋道を立てて考え,表現する能力を育てるとともに,算数的活動の楽しさ や数理的な処理のよさに気付き,進んで生活や学習に活用しようとする態度を育てる。」である。 本単元は,小学校学習指導要領解説算数編第2学年「図形」領域において,次のように位置づけられてい る。 子どもたちは,第1学年の「いろいろなかたち」で,身近にある立体図形を観察したり構成したりする活 動を通してその特徴を捉える学習をし,「かたちづくり」で,色板や棒による形づくりや点つなぎを通して平 面図形の面・線・点構成を押さえる学習をしている。ここでの特徴の捉え方は,立体図形を“箱の形”“筒の 形”“ボールの形”と見るなど,概観的な見方をしている段階である。その後,第2学年の「三角形と四角形」 で,平面図形における「三角形」「四角形」「長方形」「正方形」「直角三角形」の定義づけや弁別,構成要素 である「辺」「頂点」や「直角」を押さえる学習をしている。これを受けて,本単元では,いわゆる“箱の形” の観察や構成の活動を通して,「面」「辺」「頂点」といった構成要素に着目した特徴を分析的に捉える学習と なる。ここでの立体図形の見方が,第4学年の「直方体と立方体」,第5学年の「角柱と円柱」の学習へとつ ながる基礎・基本となる大切なところであると考える。 ここで,“箱の形”について述べておく。指導要領解説には,第2学年における“箱の形”の指導について, 「第4学年で指導する立方体,直方体などの立体図形について理解する上で基盤となる素地的な学習活動と なるように指導する。」(p.81)と記されている。よって,本単元で取り上げる“箱の形”とは,平行や垂直 関係が明確な長方形や正方形の面を基本とした「直方体」や「立方体」を指すことが分かる。第1学年では, 取り上げる立体図形について,以下のように機能的な側面で区別をしているだけであった。 箱の形 平らなところがあり,重ねて積み上げることができる形 筒の形 置き方によって転がりやすくなったり,重ねて積み上げることができたりする形 ボールの形 平らなところがなく,転がりやすい形 それは,面の形の特徴を「さんかく」「しかく」「まる」などで捉えていることに要因がある。ところが, 第2学年で「長方形」「正方形」などを定義づけしたことにより,立体図形の構成要素の1つである面につい て,より特殊な見方が可能になるのではないだろうか。第2学年で扱う立体図形は以下のような「直方体」 と「立方体」である。 直方体 全ての面が長方形 長方形と正方形の面がある 立方体 全ての面が正方形 C(1)ものの形についての観察や構成などの活動を通して,図形を構成する要素に着目し,図形に ついて理解できるようにする。 ウ 箱の形をしたものについて知ること。

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- 2 - また,箱を分解したり構成したりする活動は,第4学年で扱う「見取り図」や「展開図」にもつながって いく。「直方体」や「立方体」の定義づけをする前段階として“箱の形”を取り上げることには,立体図形が 平面図形によって構成されていることをより体感できるという価値があると考える。 しかしながら,子どもたちの身の回りにある“箱”は,実は多種多様に存在する。実際,立体図形は「直 方体」や「立方体」に限らない。子どもたちが“箱”と認識しているものにたくさん触れ,観察・分類する 活動によって「直方体」「立方体」を見極めることにも,豊かな図形感覚を養えるという価値もあると考える。 本時は,面による箱の構成の場面を取り上げる。ここでは,実際に面と面のつながりを考えながら組み立 てていく活動を通して,「直方体」「立方体」の特徴を体験的に理解していくことをねらう。切り離された面 と面のつながり具合を考えながら構成することは,後の展開図の学習へスムーズにつなげていけるという魅 力があると考える。 (2)本教材における思考を高める学びの場の設定と子どもの協同的な学びの姿について 本時で取り上げる面構成の場面は,教科書による指導では,工作用紙に箱の面をかいて切り取らせ,面と 面のつながりを考えて組み立てさせることによって,箱の形の面に対する理解を深める学習となっている。 面を写し取る活動による面の形や数について考察する活動は前時に学習している。また,子どもたちの発達 段階を考えると,面を切り取る操作そのものに個人差が表れる実態も見取れる。面を切り取る操作の中に, 思考を高める協同的な学びの姿を見ることはできない。思考を高める学びの場を十分に保障するために,本 時は,面と面のつながりを考えながら箱を組み立てることに重きを置きたいと考えた。 算数科で大切にしてきたことの1つに,多様な解決が図れる課題設定の工夫がある。様々な見方・考え方 ができる課題に直面したとき,子どもたちはよりよい解決をめざして思考し,友達に伝えることで自己をふ り返り,さらに思考を深めることができると考える。そうした子どもたちの姿に,思考の高まりを見ること ができると捉える。 そこで本時は,20枚の正方形・長方形の面の中から必要なものを選んで箱を3つつくる課題を与えるこ とを提案したい。通常の指導では再現すべき箱の形が提示されてから活動するので,念頭操作しながら面を つなぎ合わせることは比較的容易である。しかし,本時の課題では,再現すべき箱の形が明確でない中から つくり出していかなければならないので,子どもたちにとっては1つの壁となるであろう。その壁にぶつか ったとき,自然に友達と試行錯誤しながら解決していく姿が見られると期待する。当然,3つの箱をつくる 場合,20枚の面の中には必要のないものも含まれている。正確に選び出すためには,各々が闇雲に面を選 んで箱をつくろうとしても解決できない。面の形や辺の長さをよく観察して分類し,念頭操作をする必然性 が出てくると考える。再現すべき箱の形が明確でなくても,子どもたちの思考にはそれまで触れてきた具体 的な箱の形がいくつか思い出され,それらを手がかりに平面から立体に結びつけようとすることができるの ではないだろうか。子どもたちが互いに根拠を明らかにしながら解決を図り,思考を深めていく姿も期待し たい。 子どもたちにとってのもう1つの壁は,面のつなげ方である。解決の過程ですぐに1つの箱をつくってし まっては,失敗することがあることにも気づくであろう。そこで,選んだ面をつなげて並べておく必然性が 出てくる。展開図の指導は第4学年であるが,面と面のつながりを考える上で面を並べることには意味があ ると考える。練り上げの場面では,自分たちがどのような手順で解決していったかを意見交換することで面 と面のつながりを全体で明らかにしていきたい。そして,最終的にできあがった3つの箱を観察・比較する ことを通して,箱の面について以下のようなことを子どもたちのことばでまとめていくようにしたい。 ①6つの面でできている ②向き合った面は同じ形 ③向き合った面が2つずつ3組ある 学習の最後には,課題で余った面を使ってできる別の箱の形を考えさせたい。そのとき,「他にどんな形の 面が必要か」を問うことで,箱の見方をより確かなものにすることをねらう。 本時の学習を通して,子どもたちは,面による箱の構成を手順通りに操作するのではなく,常に平面図形 と結びつけながら立体図形をイメージしていけると考える。

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- 3 - 本時の活動における子どもの期待される算数的活動は,以下の通りである。 実際に面をつなげる過程で辺の長さが同じでなければつながらないと考えているのがAの様相である。同 じように他の辺にも着目して見るよう促すことで,別の形の面に目を向けさせたい。 1つの面をはさんで同じ形の面を並べているのがBの様相である。1つの面を底面と仮定して考える姿を 見取りたい。この子どもたちには,1つの面をはさむことで同じ形の面が向かい合うことになることを価値 づけし,次に組み立てたときに隣り合う面の関係について考えさせたい。 全ての条件を考えて3つの箱をつくり上げているのがCの様相である。この子どもたちは,念頭操作の段 階で立体を平面で捉えることができていると考えられるので,今度は使わなかった面を使って別の箱がつく れないか問うことで,立体図形の感覚をより豊かなものにしたい。 これらの活動をもとに,その後の練り上げでは,自分たちが考えた箱のつくり方を出し合い,それぞれの 考え方を検証していく。 子どもたちのそれぞれの算数的活動における支援については,次のように考え,[本時の展開]の中に具体 的に示す。 提示された問題場面に対して,「何とか解決したい」「例えば,こうすればどうなるかな?」などの思いを もって既習と未習とを関連づけたり,友達と一緒になって解決の糸口を見出したりしながら自ら解決に向か っていく子どもの姿を目指したい。目的が明確な算数的活動は,「自分の考えを上手に表現したい」「友達に もっと分かりやすく伝えたい」という思いを強くする。そして,子どもたちのその「表現したい」「分かりた い」「伝えたい」という思いが,互いに学び合っていく姿につながると考える。 本単元で扱う図形領域においては,身の回りにある様々な立体図形に触れさせることを通して豊かな図形 感覚を養いたい。また,構成要素に着目して弁別したりその根拠を説明したりする活動を取り入れることで, 相手意識をもって説明する力も育てていきたいと考える。 特に本時では,友達と試行錯誤しながら箱づくりをする活動を通して,「もし~だったら…」と仮定して考 える力も育みたい。そして,箱を組み立てる上で「底面を決めてから周りの面をつなげていけば手際よく組 み立てられる」という算数的よさが子ども同士で共有できたときに,協同的学びの姿を見ることができると 考える。 3 単元の目標 ◎ 箱の形を観察したりつくったりすることを通して,箱を構成する要素(面,辺,頂点)に着目し,立体 図形の意味を理解することができる。 (関)身の回りにあるものの形の中から箱の形をしたものを見つけようとしたり,構成要素に着目して進んで 箱の形を観察したりつくったりしようとする。 (数)箱づくりを通して,箱を構成する要素(面,辺,頂点)に着目し,箱の形の特徴的な性質を捉えるこ とができる。 (技)工作用紙やひご,粘土玉を使って,構成要素に着目しながら箱の形やさいころの形をつくることができ る。 (知)箱の形を構成する要素(面,辺,頂点)とそれらの数を知り,面と面のつながり方や位置関係がわか る。 A 同じ長さの辺に着目している。 B 同じ形の面が向かい合うことに着目している。 C 使わない面を見つけ出している。 支援1…「次の活動に高める支援」[本時の問題に依存しない支援(本時以外でも有効に機能するもの)] (本時の展開の中では支1と表記する) 支援2…「具体的な行動を促す支援」[本時の問題に依存した支援] (本時の展開の中では支2と表記する) ※支援1で不十分な子どもに対して,より具体的な支援2を施していくというように,2段階の支援を行 っていくようにする。

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- 4 - 4 学習計画(全4時間) 第1時 箱の形の観察 第2時 面構成による箱づくり (本時) 第3時 線構成・点構成よる箱の形づくり 第4時 基本のたしかめ 5 本時の学習について (1)本時目標 様々な正方形・長方形の中から必要な面を選び出して面と面のつながりを考えることを通して,直方体 や立方体の箱をつくることができる。 (2)期待される算数的活動 A 同じ長さの辺に着目している。 B 同じ形の面が向かい合うことに着目している。 C 使わない面を見つけ出している。 (3)本時の展開 ( 支1 次の活動に高める支援 支2 行動を促す支援 評 評価 ) 課題提示 ・たくさんあるね。 ・どんな箱ができそうかな。 ・全部使うのかな。 ・面は6つだったから,使わない面があるはず。 支1 どんな箱ができそうかな。 支2 面を比べてみよう。 つかわない面はどれか考えながら,はこをつくろう。 ◎ 正方形や長方形の面が20まいあります。 これらをつかって,3つのはこをつくりましょう。 3 3 3 3 6 8 6 8 8まい 6まい 2まい 4まい

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- 5 - 自力解決B 活 同じ形の面が向かい合うことに着目している。 支1 向かい合う面は1つの面をはさんでいるのが分かる ね。 支2 1つの面を決めると,その周りの面が決まるね。 自力解決C 活 使わない面を見つけ出している。 6 8 支1 使わなかった面をもとにして別の箱をつくってみよう。 支2 使わなかった面にどんな面をつなげると別の箱ができるかな。 自力解決A 活 同じ長さの辺に着目している。 支1 隣り合う面が分かるね。 支2 他の辺も見てみよう。 集団による課題の検討 ◎ どんな箱ができたかな。 ○ 使わなかった面はどれかな。 6 ←これが2枚 8 もし,この面を4枚使うとすると,1つの辺 が6㎝の正方形が必要となるけど,その形は ない。 長方形2+長方形2+長方形 2 長方形4+正方形 2 正方形6

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- 6 - ◎ 箱を組み立てるときに気がついたことはないかな。 ・同じ長さの辺同士がつながる。 ・同じ形の面はつながらない。 ・同じ形の面は,向かい合う。 ・同じ形の面は,別の面をはさんでつながる。 ・箱の底の面を決めるとつなげやすい。 ・つなげるときに使ったテープの数は,どの箱も12本。 ・箱の形は,同じ形の面が2つずつ3組で6つ必要。 評 面の形や辺の長さに着目して面と面をつなぎ合わせることを通して,直方体や立方体をつくることがで きたか。 ☆ つかわなかった2まいの面をつかって,べつのはこをつくってみよう。 初めに面を並べると組 み立てやすいね。

参照

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