は じ め に
抗好中球細胞質抗体(anti―neutrophil cytoplasmic anti-body ; ANCA)は,1982年 Davies1)
らにより,腎臓の巣 状壊死性血管炎を示す症例にて見いだされた IgG 型の 自己抗体である.ANCA はその抗原により PR3(protein-ase―3)―ANCA と MPO(myeloperoxidase)―ANCA に分 類 される.前者は,Wegener 肉芽腫症に疾患特異性が高 く,これに比べ後者は疾患特異性は低いものの,細小血 管の血管炎症候群に高率にみられることが注目されてい る.具体的には,顕微鏡的多発血管炎,特発性壊死性半 月体形成性腎炎,アレルギー性肉芽腫性血管炎などが挙 げられる.PR3―ANCA 陽性例に顔面神経麻痺および難 聴を併発した例の報告は少なくない.しかし,MPO― ANCA陽性例で顔面神経麻痺を併発した中耳炎症例の報 告は少ない.最近当科において2症例を経験したのでこ こに報告する. 症 例 症例1 : 73歳男性,主訴 : 両側難聴,左顔面神経麻痺 既往歴および生活歴 : 50歳で腰椎ヘルニア.喫煙40 本/日,飲酒習慣なし. 現病歴 : 両側難聴を自覚,滲出性中耳炎との診断で治 療をしていたが軽快しないため,発症20日後近医より当 科紹介となった. 初診時局所所見 : 右鼓膜はやや内陥し,中耳貯留液が 透見された.左鼓膜からは中耳貯留液と気泡が透見され た.聴 力 検 査 : 3周 波 数 平 均 気 導 聴 力 レ ベ ル は 右 が 46.7dB(気導骨導差 6.7dB),左が 35.0dB(気導骨 導 差 10dB)で混合難聴を呈した.CT 検査(側頭骨): 両 側とも乳突洞の含気は認められるものの,乳突蜂巣の末 梢および上鼓室,鼓室内に軟部陰影を認めた.耳小骨の 異常,顔面神経管の破壊は認められなかった(図1A). 診断までの経過 : 滲出性中耳炎として経過観察してい たが,発症3カ月後に左顔面神経麻痺を発症したため, 当科を再診した.麻痺は40点柳原法で30点.ティンパノ グラムでは右耳でB型,左耳で C1 型を示した.中耳貯 留を認めたため直ちに左鼓膜切開を施行し,バラシクロ ビル 1000mg/日を5日間,プレドニゾロンを 30mg/日 から2週間で漸減投与したが顔面神経麻痺の改善はみら れなかった.なお,HSV,VZV 抗体価の上昇はなく, 脳 MRI 検査でも異常所見はみられなかった.その後 徐々に難聴が進行し,滲出性中耳炎の状態も改善をみな いため,両側に鼓膜チューブを留置したところ,チュー ブ か ら の 耳 漏 が 持 続 し た.左 耳 漏 の 細 菌 検 査 で は 臼渕 肇 児玉 梢 滝沢 克己 金澤 丈治 太田 康 柿崎 景子* 飯野ゆき子 自治医科大学附属 さいたま医療センター *柿崎耳鼻咽喉科医院 日耳鼻 113: 67―71,2010
顔面神経麻痺を来した MPO―ANCA 陽性の
中耳炎2症例
進行性感音難聴を呈した難治性中耳炎で,経過中に顔面神経麻痺を来し MPO― ANCA陽性であった2症例を経験した.1例は73歳男性で,両側の滲出性中耳炎 の診断で3カ月経過した後に,左顔面神経麻痺と両骨導閾値の上昇を認めた.血 液検査にて MPO―ANCA 134EU と上昇を認めた.もう1例は66歳女性で,両側 の滲出性中耳炎と変動性混合性難聴の診断で約1年間治療を受けていた.その間 に左顔面神経麻痺,右顔面神経麻痺を連続して発症した.血液検査にて MPO― ANCA 67EUと上昇を認めた.2例ともプレドニゾロンとシクロフォスファミド を約半年併用投与し,MPO―ANCA は陰性化した.顔面神経麻痺はほぼ治癒した が,聾であった例を除き,骨導聴力にも改善が認められた.難治性中耳炎に骨導 閾値上昇が見られ,特に顔面神経麻痺を合併する場合は ANCA 関連血管炎症候 群を念頭に置く必要がある. キーワード : MPO―ANCA,ANCA 関連血管炎症候群,顔面神経麻痺 中耳炎,進行性感音難聴 日耳鼻 113―67coagulase negative Staphylococcusと Corynebacterium が検出された.通常の滲出性中耳炎に対する治療に抵抗 するため,ANCA 関連疾患を疑い,血液検査を施行した ところ,PR3―ANCA は陰性であったが MPO―ANCA は 134EU/mlと高値を示した.よって,MPO―ANCA 関連 血管炎による難治性中耳炎が疑われたため,ただちに当 院膠原病科に紹介し入院となった. 入 院 時 検 査 所 見 ; 血 液・尿 検 査 : MPO―ANCA 134 EU/ml,PR3―ANCA 陰性.CH―50 69U/ml,CRP 2.94 mg/dl,白血球数 7290/mm3 (好酸球0.8%).他に異常 はみられなかった.病理検査 : 左耳の高度に肥厚した中 鼓室粘膜を病理組織診に提出したところ,好中球を含む 白血球浸潤の強い組織で細小血管壁にフィブリノイド変 性と好中球浸潤,赤血球破砕片や核片が認められ,leuko-cytoclastic vasculitisと の 診 断 で あ っ た(図1B).CT 検査(胸腹部,副鼻腔): 肺,腎,鼻病変は認めなかっ た. 診断とその後の経過 : 中耳に限局する MPO―ANCA 関連血管炎症候群との診断で,プレドニゾロン 30mg/ 日からの漸減投与,シクロフォスファミド 50mg/日(約 6カ月)の投与が開始された(図3A).治療開始時の 平均気導聴力は右 72dB,左 73dB の高度混合難聴を呈 した.その後耳漏は停止し,顔面神経麻痺も改善した. 両鼓膜チューブを抜去した後,右の穿孔は閉鎖し含気が 得られたが,左側は大穿孔が残存した.治療開始後1年 4カ月の現在,左顔面神経麻痺は柳原法で40点まで回復 し,平均気導聴力も右 43dB(骨導 22dB),左 53dB(骨 導 40dB)と改善がみられている. 症例2 : 66歳女性,主訴 : 両側高度難聴,両側顔面神 経麻痺 既往歴および生活歴 : 喘息でテオフィリン製剤を内服 中.喫煙・飲酒習慣なし. 現病歴 : 約5年前より難聴(右<左)と耳鳴で近医に 通院していた.約1年前より回転性めまいが起こるよう になり,難聴も変動しながら増悪した.副腎皮質ステロ イド,ビタミン薬,抗めまい薬などが処方されていた. 左顔面神経麻痺を発症し改善なく経過,25日後右顔面神 経 麻 痺 も 発 症 し た.血 液 検 査 に て PR3―ANCA 陰 性, MPO―ANCA 67EU/ml と高値を示したため,当科に紹 介となった. 初診時局所所見 : 両側とも鼓膜は高度に肥厚し,気密 鏡を用いた顕微鏡下の観察で可動性は不良であった. 顔面神経麻痺は40点柳原法で右が8点,左が24点.聴力 検査 : 3周波数平均気導聴力レベルは右 108dB,左は 図 3 A 症例1の治療経過 113―68 臼渕・他=MPO―ANCA 陽性の中耳炎 2010
臼 渕 論 文 付 図 (1)
図 1 A 症例1の側頭骨 CT 像 両側とも乳突洞の含気は認められるものの,乳突蜂巣の末梢および上鼓室,鼓室 内に軟部陰影を認めた.耳小骨の異常,顔面神経管の破壊は認められなかった. 図 1 B 症例1の鼓室粘膜の病理組織像(H―E 染色) 好中球を含む白血球浸潤の強い組織で細小血管壁にフィブリノイド変性と好中球 浸潤,赤血球破砕片や核片が認められた.臼 渕 論 文 付 図 (2)
図 2 A 症例2の側頭骨 CT 左右とも乳突蜂巣の発育は極めて不良であり,中耳腔には全く含気が認められなかった. 右耳のキヌタ骨長脚に欠損あり,しかし顔面神経管の破壊は両側とも認められなかった. 図 2 B 症例2の鼓室粘膜の病理組織像(H―E 染色) わずかに好酸球浸潤を認めるものの浸潤細胞のほとんどが好中球で占められる炎症組織で, 細小血管壁にフィブリノイド変性を認め,周囲に好中球の浸潤や血栓や核片を認める.聾.ティンパノグラム : 左右ともB型.血液・尿検査 : MPO―ANCA 58EU/ml,PR3―ANCA 陰 性,CH―50 50.2 U/ml,CRP 0.71mg/dl,白血球数 6810/mm3 (好 酸 球 2.6%).他に異常は み ら れ な か っ た.CT 検 査(側 頭 骨): 左右とも乳突蜂巣の発育は極めて不良であり,中 耳腔には全く含気が認められなかった.右耳のキヌタ骨 長脚に欠損あり,しかし顔面神経管の破壊は両側とも認 められなかった(図2A).CT 検査(胸腹部): 右肺底 部に小粒状影,右肺横隔膜直上にわずかに浸潤影あり. 右肺中葉の無気肺を認めた.また右肺下葉の気管支拡張 および気管支壁の肥厚を認め,これらは ANCA 関連血 管炎症候群に伴う肺所見として矛盾しない所見であっ た.腎病変は認めず.病理検査 : 左鼓膜切開にて左鼓室 粘膜を採取し病理に提出したところ,わずかに好酸球浸 潤を認めるものの浸潤細胞のほとんどが好中球で占めら れる炎症組織で,細小血管壁にフィブリノイド変性を認 め,周囲に好中球の浸潤や血栓や核片を認める leukocy-toclastic vasculitisとの診断であった(図2B). 治療開始後の経過 : 以上の検査結果から MPO―ANCA 関連血管炎症候群と診断した.膠原病内科にて左顔面神 経麻痺発症44日後からプレドニゾロン 30mg/日から漸 減投与,シクロフォスファミド 50mg/日の投与(約7 カ月)が開始された(図3B).MPO―ANCA は徐々に 減少した.鼓膜の肥厚も徐々に減じ,気密鏡を用いた顕 微鏡下の観察で可動性を認めるようになった.治療開始 後1年2カ月経過した時点では,右平均気導聴力は 52dB (骨導 27dB)まで改善したが,左は聾のままである.ま た右顔面神経麻痺は柳原法で32点と不全麻痺が若干残っ ているが,左は40点と完全回復をみた. 考 察 PR3―ANCA は Wegener 肉芽腫症に疾患特異性が高い ことが知られており,Wegener 肉芽腫症例に中耳炎, そして顔面神経麻痺が合併している症例の報告は少なく ない.しかし,MPO―ANCA 陽性例に顔面神経麻痺が合 併している中耳炎症例の報告はまれである.われわれが 探し得た限りでは,英文で1編2) ,和文で5編3)∼7) にす ぎず,必ずしも耳鼻咽喉科からの報告ではないため難聴 や中耳炎に関する詳細な記載は少ない.今回の2症例を 含めた8症例を表1にまとめた.性差はない.MPO― ANCA値と顔面神経麻痺の程度や,他臓器病変の有無に 関しては明確な関連は認められなかった.両側の顔面神 経麻痺を合併した症例は杉山ら3) の症例と今回の症例2 の2例のみであった.また8例中5例で両側性の中耳炎 図 3 B 症例2の治療経過 日耳鼻 臼渕・他=MPO―ANCA 陽性の中耳炎 113―69
が認められた.難聴は詳細な記載のあるものではほとん ど混合難聴であり,3例で一側が聾となっている.いっ たん聾になると,回復は困難であった.顔面神経麻痺以 外の脳神経麻痺を伴った3例の最終診断は肥厚性硬膜炎 であった.これらの症例の特徴は顔面神経麻痺以外の脳 神経麻痺を伴うことである.また,中耳炎の合併がない 顔面神経麻痺を伴った MPO―ANCA 陽性肥厚性硬膜炎 の症例の報告も散見される.よって ANCA 関連血管炎 症候群における顔面神経麻痺の原因部位としては,側頭 骨内の他に頭蓋底部位も念頭に入れる必要がある.今回 報告した2症例では MRI 検査にて硬膜の肥厚を認めな かった.その他鑑別を要する疾患として Cogan 症候群 が挙げられる.この疾患は同様に側頭骨病変を生じる血 管炎症候群の一つであるが,病態は小∼中等大の筋型動 脈の全層性壊死性血管炎である.症例1,2とも間質性 角膜炎等の眼病変はなく,また中耳からの生検でも細小 血管炎との病理診断であったため Cogan 症候群は否定 された. 今回の2症例は腎障害の合併がなかったため,2003年 厚生省より発表された ANCA 関連血管炎症候群に対す る標準的治療プロトコール軽症例に準じて治療され寛解 導入された.峯田ら8) は進行性感音難聴で発症し,急速 進行性糸球体腎炎,多発性単神経炎を合併した顕微鏡的 多発血管炎症例を報告した.プレドニゾロンのみの治療 では軽快と増悪を繰り返したが,プレドニゾロンとシク ロフォスファミドの併用療法を行ってからは,MPO― ANCAが低下し聴力も安定した.自験例でもプレドニゾ ロンとシクロフォスファミドの併用により症状の改善を 認めており,ANCA 関連血管炎症候群における側頭骨病 変ではプレドニゾロンのみでは不十分で,シクロフォス ファミドの投与が不可欠と考えられた.また再燃を来し やすいため,ANCA 値,CRP 値の変動を見ながら,長 期間にわたりこれらの薬剤を漸減あるいは増量しながら 治療をする必要がある.また近年,非ホジキン型悪性リ ンパ腫の治療薬として用いられているキメラ型抗 CD20 抗体,Rituximab がリウマチや Wegener 肉芽腫症とい った自己免疫疾患にも有効であるとの報告がある. MPO―ANCA 陽性顕微鏡的多発血管炎症例の有効例も報 告されており9) ,今後注目すべき治療法と考える. 本疾患における内耳障害や顔面神経麻痺の発症機序は 明らかではない.同様の ANCA 関連血管炎症候群であ る結節性多発動脈炎の側頭骨病理では,顔面神経周囲に も肉芽性病変とともに血管壁の変化が認められている. また内耳道は小血管の閉塞や血管周囲の単核球の浸潤が 認められ,内外リンパ腔の線維化や内外有毛細胞の変性 もみられている8)10).よって本疾患でも中耳における炎 症の波及のみならず,細小血管炎が内耳および顔面神経 周囲血管にも存在し,血流障害を引き起こしている可能 性が考えられた.これらから骨導閾値上昇は後迷路性よ りはむしろ内耳病変が主と考えられる.中耳炎に関し て,症例2では ANCA 関連血管炎症候群に特徴的な肉 芽腫を形成した中耳炎であるが,症例1は滲出性中耳炎 表 1 MPO―ANCA 陽性の顔面神経麻痺合併中耳炎症例 報告者 (年) 年齢・性 MPO―ANCA 値 (EU/ml) 顔面神経麻痺 中耳炎 難聴 めまい 症状 他臓器症状・疾患 診断 杉山ら3) (1999) Akahoshi et al.2) (2004) 小林ら4) (2004) 高木ら5) (2004) 大久保ら6) (2006) 油川ら7) (2008) 症例1 症例2 70 M 60 M 56 F 45 F 47 M 66 M 73 M 66 F 26 23 127 268 positive 36 134 67 両 右 右 右 左 右 左 両 両 右 右 両 左 両 両 両 (+) (+) 右混合性 右ろう 左混合 左混合 右ろう 左感音 両混合 右混合 左ろう (−) (−) (−) (+) (−) (+) (−) (+) 多発性脳神経麻痺 頭痛 頭痛,嘔気 複視 副鼻腔炎 (−) 構音障害,嚥下障害 複視,舌運動障害 頭痛 (−) 肺病変 肥厚性硬膜炎 WG WG 肥厚性硬膜炎 WG ANCA関連血管炎 肥厚性硬膜炎 ANCA関連血管炎 ANCA関連血管炎 ANCA関連血管炎 WG : Wegener肉芽腫症 113―70 臼渕・他=MPO―ANCA 陽性の中耳炎 2010
を呈していた.おそらく細小血管の血管壁の障害により 血漿の漏出が生じ滲出性中耳炎の病態を形成したものと 考えられた.難治性中耳炎で骨導閾値上昇,あるいは顔 面神経麻痺を伴う場合は,全身性の症状がな く と も ANCA関連血管炎症候群等,自己免疫性疾患を常に念頭 に置く必要があると考える. 参 考 文 献
1)Davies DJ, Moran JE, Niall JF, et al : Segmental necro-tising glomerulonephritis with antineutrophil antibody : possible arbovirus aetiology? Br Med J(Clin Res Ed) 1982 ; 285 : 606.
2)Akahoshi M, Yishimoto G, Nakashima H, et al : MPO― ANCA― positive Wegener’s granulomatosis presenting with hypertrophic cranial pachymeningitis : case report and review of the literature. Mod Rheumatol 2004 ; 14 : 179―183.
3)Sugiyama Y, Shimizu M, Hoshi A, et al : An old man presenting with fluctuating bilateral multiple cranial nerve palsies and positive test for perinuclear antineutro-phil cytoplasmic antibody. No To Shinkei 1999 ; 51 : 825―833. 4)小林礼子, 西池季隆, 神原留美, 他 : 耳症状書発の限局 型ウエゲナー肉芽腫症例. 耳鼻臨 床 2004; 97: 685― 690. 5)高木 大, 中丸裕爾, 古田 康, 他 : MPO―ANCA 陽性 量 即 進 行 性 難 聴 症 例. ア レ ル ギ ー の 臨 床 2004; 24: 973―975. 6)大久保修一, 畠山哲宗, 岸川博信, 他 : Wegener 肉芽 腫症との鑑別を要した肥厚性硬膜炎の1例. 香川脳神経 外科談話会会誌 2006; 20: 47―57. 7)油川陽子, 片山隆行, 榎本 雪, 他 : MPO―ANCA 陽性 で 両 側 感 音 性 難 聴 と 頭 痛 を 来 し た1例. 内 科 2008; 101: 812―814. 8)峯田穣治, 伊藤茂彦, 飯野ゆき子, 他 : 顕微鏡的多発血 管炎に伴った変動する 感 音 難 聴 例. 耳 鼻 臨 床 2005; 98: 691―697.
9)Brunner J, Freund M, Prelog M, et al : Successful treat-ment of severe juvenile microscopic polyangitis with rituximab. Clin Rheumatol 2009 ; Apr 24.(Epub ahead of print)
10)Yoon TH, Paparella MM, Schachern PA : Systemic vas-cullitis : a temporal bone histopathologic study. Laryn-goscope 1989 ; 99 : 600―609.
(2008年12月5日受稿 2009年9月18日受理) 別刷請求先 〒980―8574 仙台市青葉区星陵町1―1
東北大学病院耳鼻咽喉・頭頸部外科 臼渕 肇
Two Cases of MPO―ANCA―positive Otitis Media Associated with Facial Palsy Hajime Usubuchi, M.D., Kozue Kodama, M.D., Katsumi Takizawa, M.D.
Takeharu Kanazawa, M.D., Yasushi Ohta, M.D., Keiko Kakizaki, M.D.* and Yukiko Iino, M.D.
Jichi Medical University Saitama Medical Center, Saitama *
Kakizaki ENT Clinic, Kazo
We report two cases of otitis media positive for antimyeloperoxidase antineutrophil cytoplasmic antibody(MPO― ANCA)associated with facial palsy. Case 1 : A 73―year―old man treated for 3 months for bilateral otitis media with effusion had left facial nerve palsy and deteriorated bone conduction hearing in both ears. Blood analysis showed elevated MPO―ANCA to 134 EU. Case 2 : A 66―year―old woman treated for about one year for bilateral otitis media with effusion and fluctuating mixed hearing loss had bilateral facial nerve palsy and a blood test positive for MPO―ANCA at 67 EU. Both were diagnosed with otitis media caused by ANCA―related vasculitis. After prednisolone and cyclophos-phamide administration for half a year, blood test results were negative for MPO―ANCA. Both recovered almost completely from facial nerve palsy and bone conductive hearing loss partially improved except in one hearing―impaired ear. ANCA―related vasculitis of the temporal bone should thus be considered in those with intractable otitis media and deteriorated bone conduction hearing before the occurrence of facial palsy.
Keywords : MPO―ANCA, ANCA―related vasculitis, facial nerve palsy, otitis media, progressive sensorineural hearing loss
Nippon Jibiinkoka Gakkai Kaiho(Tokyo)113 : 67―71, 2010