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抗結核剤P-アセチルアミノ・ベンツアルデヒド・チオセミカルバゾーンに関する研究

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(1)

Kobe Shoin Women’s University Repository

Title

抗結核剤 p-アセチルアミノ・ベンツアルデヒド・チオセミ

カルバゾーンに関する研究

Studies on Anti-tuberculous Agent

Author(s)

平島 達司(Tatsushi Hirashima)

Citation

研究紀要(SHOIN REVIEW)

,第 4 号:1-17

Issue Date

1962

Resource Type

Bulletin Paper / 紀要論文

Resource Version

URL

Right

(2)

抗 結 核 剤p一 ア セ チ ル ア ミ ノ ・ ベ ン ツ ア ル デ ヒ ド ・

チ オ セ ミ カ ル バ ゾ ー ン に 関 す る 研 究

一[ 耐 序 書 表 題 に化 学 名 で 記 した 本 剤 は ・ チ オ アセ タ ゾ ン とい う一般 名 で 厚 生 省 よ り認 可 され た 抗 結 核 剤 で あ る・ 本 剤 ほ ど数 奇 の 運命 に 遭 った 医薬 品 は 他 に あ る まい 。 チ オ アセ タ ゾ ンの 名 を 聞 くと き,多 くの薬 化 学者 は 苦 い 思 い 出 に 満 さ れ る で あ ろ う。 本 剤 は・そ の服 用 量 が 極 め て少 く(1カ 月3瓦),健 康 保 険 点 数 も安 い(1日2点)た め に , 今 日わ が 国 で は こ れ を 使 う医 家 は ほ と ん どな く,製 薬 会 社 も全 く興 味 を 失 って しま った薬 剤 で あ る 。 とい うこ と は,本 剤 が 目下,結 核 菌 の 耐 性 問 題 の 圏 外 に 立 って い る とい うこ と で あ る しか も,実 際 の 治療 効 果 は可 な り高 く,い ろ い ろ 面 白 い 特徴 を も って い る の で あ る。 現 在 で は,結 核 菌 の 過 半 は ス トマ イ,ヒ ドラ ジ ド,パ ス に対 して耐 性 を獲 得 して お り,実 際 に患 者 を 受 持 つ 臨 床 医 家 は 梅 沢 博士 の カ ナ マ イ シ ン発 見 に よ って 漸 く愁 眉 を 開い た 次 第 で あ る。 この 次 に カ ナ マ イ シ ン に も耐 性 が 現 わ れた ら何 う しよ うか と心 配 し てい る人 も少 くな い も し現 在,筆 者 自身 が 結 核 に か か った な らば,筆 者 は 躊 躇 な くこ の今 日ま で耐 性 の 圏 外 に い た チ オ アセ タ ゾ ンの服 用 を 始 め るで あ ろ う。 た だ し,市 販 品 は絶 対 に 買わ ず ,自 分 で合成 す る か ・ 自分 の処 方 に よ っ て化 学 者 に 合成 して 貰 って 作 った もの を 服 用 す る。 そ の理 由 は 本報 告 に よ って 明 らか に せ られ る で あ ろ う。 チ オ ア セ タ ゾ ンが結 核 に有 効 で あ る こ とは,昭 和25年 頃 ,パ ス,ス トマイと前後 して発 表【11{2} せ られた ・ ズ ルホ ン剤 の 発 明 で ノ ー ベ ル賞 を受 賞 した,バ イ エ ル社 の ドマー ク 博士 に よ っ て発 見 さ れ た 。 筆 者 は 昭 和26年 春,本 剤 を極 め て純 枠 な状 態 に合 成 す る こ と に成 功 した が,そ れ は 当 時 わ が 国 と して は 最 も一早い成 功 の一 つ で あ った 。 その 時 の 経 験 か ら,本 剤 の純 度 を上 げ るに は ・ い くつ か の コ ツが あ るこ とを 見 出 した の で あ る。 そ の 頃 わ が 国 に大 量 に輸 入 され た 米 国 シ ェ ン レー 研 究 所 の チ ビ オ ン(Thibione)が 粗 悪 品 で あ った た め に,チ ビオ ンは 副作 用が多 い とい う不 評 を招 い た ・ あ ち こ ち で競 争 的 に 試 作 され た 国 産 品 の 方 が ,た い てい純度が 高か った の で あ るが,な か に1,2の 粗 悪 品 が あ った た め一 層 評 価 を混 乱 さ せた ので あ った 筆 者 の製 品 は・ 幸 に も常 に最 高 の純 度 を 保 持 す る こ とが で きた の で,多 数 の 医 学 者 の臨 床 実 験 を 受 け る こ とが で きた 。 また 集 団 検 診 で 発見 さ れ た 小 学校2年 生 の 次女 の小 児結 核 も,通 学 しな が ら数 カ 月 で鎮 圧 す る こ と が で きた 。 吏 に親 戚 ,同 僚,友 人等直接 の知人 の間に数年 に亘 る服 用 例 が相 当数 得 られ た 。 筆 者 は これ らの 身 近 な経 験 よ り,昭 和28年 頃か ら 「早 期発見 ・早

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期投 与 」 を 叫 ん で 来 たが,こ の こ とは 今 で は す っか り常 識 化 さ れ て い る 。 筆 者 の 研究 所 に 劣 らず 有 力製 薬 会 社 の多 数 が チ オ アセ タ ゾ ンの企 業 化 に努 力 した が,実 際 に ・本 剤 が厚 生 省 に よ っ て認 可 さ れ る と,却 って本剤を採 用す る医家がな くな るとい う奇妙 な事態 が起 った の で あ る。 そ の 原 因 は,後 か ら判 った の で あ る が,次 の通 りで あ る。 当時,結 核 予 防 法 の規 定 に よ っ て,結 核 の 化 学療 法 は6カ 月 で打 切 らね ば な らな か った 。 ま た,認 可 さ れ て い ない 薬 剤 は,結 核 治 療 用 とい う如 き用 途 を 指 定す る こと な く単 に 治 験用 医薬 品 とい う表 示 を な し,医 家 に直 接 贈 呈 す るの は よい が,一 般 に市 販 して ば な らな い もの と規 定 さ れ てい る 。 こ れ らの 諸法 規 に触 れな い た め に,医 薬 品 ブ ロー カー は,研 究 費 の 名 目で 支 払 を し て チ オ ァセ タ ゾ ンを 入手 納 品 し,医 師 は結 核 の化 学 療 法 期 間を 終 った 患者 に投 与 す る とい う方 式 が 行 わ れ て い た の で あ る 。 こ の方 式 は3項 で詳 細 に論 ず る如 く,治 療 面 か らみ て も理 に 叶 っ て い る もの と考 え られ る 。 と こ ろ が,チ オ ア セ タ ゾ ンが 結 核 治療 剤 と して 正 式 に認 可 され る と,こ れ の 使 用は 化 学 療 法 期 間 の6カ 月 内 に限 ら れ てい るの で,健 保 で25点 取 れ る ス トマ イ療 法 そ の 他 が 優 先 採 用 せ ら れ,2点 の チ オ ア セ タ ゾ ンは誰 も使 わ な くな った の は 当 然 の成 り行 きで あ ろ う。 また, 6カ 月 を 過 ぎて か らチ オ アセ タ ゾ ンを 投 与 した 医 家 は.2点 の 健 保 料 金 を キ ャ ン セル さ れ て驚 い た の で あ った 。 そ れ か ら後 は,チ オ ア セタ ゾ ンを 買 う人 は,安 い 治 療 剤 を 求 め る患 者 自身 だ け とな り,販 売 高 が 余 りに 少 い た め 製 薬 会 社 で は 何 処 もチ オ アセ タ ゾ ン部 門が 立 ち行 か な くな り,そ の うち に 人 も忘 れ,わ れ も忘 れ て今 日に 至 った と い うこ とな の で あ る。 他 方,ド イ ツの 結 核 治 療 指 針 で は,ス トマ イ,ヒ ドラ ジ ドは結 核 性 脳 膜 炎 お よ び栗 粒 結 核 の た め に使 用 を保 留 し,一 般 の結 核 で は チ オ ア セ タ ゾ ンま た は パ スを使 用 す るよ う規 定 され て い る ので,成 り行 きば わ が 国 とは 全 く異 って い る。 筆 者 の 見 解 と して は,今 日な お,チ オ ア セ タ ゾ ンは眠 れ る獅 子 で あ って,死 ん だ獅 子 で は ない と信 ず る もの で あ る 。 しか しな が ら,現 状 で は耐 性 菌 問題 か ら,チ オ アセ タ ゾ ンが 話 題 とな る と きが あ っ て も,そ れ の よい 合 成 法 が発 表 され て い な い た め に チ ビ オ ン輸 入 当時 の迷 路 に再 び 迷 い 込 む懸 念 が多 い の で あ る 。 激 しい競 争 の た め に 各 製薬 会 社 が 秘 密 に した ま ま,製 造 法 の発 表 が な さ れ な い うち に チ オ アセ タ ゾ ン問題 が 棚上 げ され て しま った か らで あ る。 懸 念 の 如 き成 り行 きと な って チ オ アセ タ ゾ ンに対 す る評 価 を誤 ら しめ た と す れ ば,多 年 本 問題 に傾 倒 して来 た 筆者 と して は これ 以上 残 念 な こ と は な い 。 そ れ故 筆者 は こ こに 自分 の知 り得 たす べ て の秘 法 を 開 陳 し,今 後 の 研 究 者 の 参考 に供 した い と考 え る次 第 で あ る。 本 文 を 草 す る にあ た り,筆 者 の合 成 す る アバ ゾー ンABAZONE(チ オ ア セタ ゾ ンの 化 学 名 か ら文 字 を 取 り出 して 命 名 した)の 研 究 お よ び 製造 に 協 力 さ れ た 当 時 の 同 僚 諸 兄 の 御 努 力 な ら び に アバ ゾー ンの 臨床 実 験 を 引 受 け られ た 多 数 の 結 核 臨床 医 家 の御 厚 意 に 対 して 衷 心 よ り感 謝 を捧 げ る もの で あ る。

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1,チ オ ア セ タゾ ン合 成 方 法 の文 献 的研 究 と考 案 1.1合 成 方 法 の筋 書 チ オ ア セ タ ゾ ン そ の もの の 合 成 法 と し て 発 表 さ れ て い る 文 献 を 筆 者 は 未 だ 知 ら な い 。 し か し な が ら そ の 化 学 構 造 よ りP一 ア セ チ ル ア ミ ノ ・ベ ン ツ ア ル デ ヒ ドと チ オ セ ミ カ ル バ ジ ドを 縮 合 さ せ れ ば 生 成 す る こ と は 明 ら か で あ る 。 CH・CO・NHイ)-CHO+H・N・NH・CS・NH・ ・ P一 ア セ チ ル ア ミ ノ ・ ベ ン ツ ア ル デ ヒ ド チ オ セ ミカ ル バ ジ ド CH・CO・NH-()-CH-N・NH・CS・NH・+H、O P一 ア セ チ ル ア ミ ノ ・ベ ン ツ ア ル デ ヒ ド ・チ オ セ ミ カ ル バ ゾ ー ン (チ オ ア セ タ ゾ ン) (1) 従 って,こ の 二 つ の 原 料P・ アセ チ ル ア ミノ ・ベ ン ツ アル デ ヒ ドと チ オ セ ミカル バ ジ ドの 合 成 法 を研 究 すれ ば よい こと が 結 論 され る 。 チ オ ア セ タ ゾ ンを服 用す れ ば,当 然 そ れ は 吸 収 され て 血 液 中 に入 って一 つ の作 用 を 開 始 す る わ け であ る。 若 しω反 応 の原 料 物 質 が 微 量 で も残 っ て い れ ば,ア ル デ ヒ ド基 一CHOは 蛋 白中 の 遊 離 ア ミノ基 一NH2ま た は 結合 ア ミノ 基 一NH・CO一 と結 合 して蛋 白 を変 性 せ しめ る で あ ろ う。 故 にP一 アセ チ ル ア ミノ ・ベ ン ツ ア ル デ ヒ ドは 痕 跡 も除 か な けれ ば な らな い 。 また 血 液 中 には アル デ ヒ ド基 一CHOま た は ケ トン基>COの 構 造 を 含 む物 質 の 存 在 が い ろ い ろ 考 え ら れ る。 然 らば それ ら と容 易 に反 応 す る チ オ セ ミカ ル バ ジ ドも同様 に完 全 に除 去 しな け れば な ら な い 。 製 品 の チ オ ア セ タ ゾ ンは 最 初 の試 作 品 に つい て 調べ た結 果,再 結 晶 の 適 当 な 溶 媒 が ない こ と が 判 った 。 普 通,医 薬 品は再 結 晶法 に よ っ て精 製 す る もの で あ るが,こ の 場 合 に は 再 結 晶不 能 で あ る か ら,一 一発 で 最純 品 に 仕⊥ げ'てしま わ ね ば な らぬ こ と が 分 る。 以上 の こ と か ら,縮 合 反 応 生 成 物 を 長 時 間 放 置 せ ず,場 合 に よ って は 収率 を 犠 牲 に し て も反 応 途 中 で さ っ さと ロ過 し,ロ 過 製 品 を 各 種 の 溶 媒 で 丁寧 に洗 浄 す れ ば よい で あ ろ うと予 想 せ ら れた 。 こ の予 想 が 正 しい こ とは後 述 の実 験 に よ っ て証 明 せ られ た 。 1.2p一 ア セ チ ル ァ ミ ノ ・ベ ン ツ ア ル デ ヒ ドの 合 成 法 4一ア ル デ ヒ ド フ エ ニ ル 芥 子 油OCH-(》-NCSの 製 法 に 関 す るP一 ア ミノ ベ ン ツ ア ル デ ヒ ドの 合 成 法 特 許 ㈲ に よ れ ば 硫 黄 華 ユ2部,カ セ イ ソ ー ダ20部,水160部 を リ フ ラ ッ ク ス 下 に 加 熱 し て 硫 黄 を 溶 解 せ し め , こ れ にP一 二 ト ロ トル エ ン20部,工 タ ノ ー ル70部 の 溶 液 を 加 え て1時 間 煮 沸 し ,Pニ ロ トル エ ンの 消 失 す る に 至 ら し め る 。 そ こ で エ タ ノ ー ル を 留 去 し た 後 ,水 蒸 気 を 通 じ て P一 トル イ ジ ン を 駆 出 す る 。 残 留 液 を エ ー テ ル に て 抽 出 し,エ ー テ ル を 留 去 す れ ば 油 状 物

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を残 し,忽 ち 固結 す る,、放 置 す れば 水 に不 溶 性 の 物 質 に重 合 し 易 い か ら,直 ち に 次 の工 程 に使 用 す る。 と記 され てい る。 この 場合 の 反 応 は 次 の通 りであ る6 0・N-()-CH・+6(H)・H・N-◎-CH・+2H・O P一 ニ ト ロ ト ル ェ ンP一 ト ル イ ジ ン i2♪ H、N一 ノ、-CH,+2(0)→H,N一 バ ーCHO+H,0 ㌔ゴ ㌔=ゴ P一 トル イ ジ ンP一 ア ミ ノ ベ ン ツ ア ル デ ヒ ド 13} (2),{3)式 は夫 々還 元 反 応 と酸 化 反 応 で あ る。 発 生 機 の 水素(H)と 発 生 機 の 酸 素(0)で 表 わ した(H)と(0)は3:1す な わ ち水 分 子H20の 生 成 す る割 合2:1以 上 に 更 に還 元 した 形 と な って い る 。 は じめ に 用 意 した カ セ イ ソー ダ と硫黄 の 煮 沸 物 は 多 硫 化 ソー ダNa2Sxを 作 って お り,こ の もの は ニ トロ基 の還 元 剤 と して普 通 に使 用 さ れ る もの で あ る。 全 工 程 は 還 元 反 応 と ● 酸 化 反 応 の両 方 を含 ん で い るが,先 ず 第一 にNa2Sxを 触 媒 と し て,02N-《)-CH3分 子 内 の 一N・ ・ と 一CH、 が 互 にHと ・を 交 換す る分 子 内反 応 に よ ってH琶>N-◎-CH・ を 作 り,次 に第 二 段 の還 元 に よ っ てH・N()-CHOと な った よ うな 外観 を 呈 して い る・ この 反 応 の機 構 の 解 明 は 学 術 的 に甚 だ 興 味 深 い 。 ま た,製 品 を放 置す る と水 に不 溶 な 物質 に重 合 す る と さ れ てい る の は,-NH2と 一CHO が縮 合 して 一CH:N型 結 合 を作 る た め と推 定 さ れ る。 工 場 内操 作 で エ ー テ ル の 使 用 は 危 険 が伴 うの で,こ れ を避 け るた め に む しろ不 溶 解 重合 物 の 出来 る よ うに 反 応 条 件 を 選 び,こ れ を ロ過 して母 液 と別 け,後 か ら酢 酸 ま た は 無 水 酢 酸 に よ って この 一CH:N一 結 合 を 切 断 す る と同 時 に,生 成 したNH2が ア セ チ ル化 を 受 け て 一NHCOCH3を 作 る如 く反 応 を 導 き得 れ ば 甚 だ好 都 合 で あ る と考 えた が,こ の方 式 も順 調 に達 成 さ れ た 。 硫 黄 とカ セ イ ソー ダ溶 液 を 煮 沸 し一てNa2Sxを 調 製 す る方 法 は

難 誌Sコ

識 繊 脚}

(4) な る 反 応 に よ っ てNa2Sx+1が 出 来 る の で あ る が,同 時 にNa2SO3を 副 生 し て 反 応 を 複 雑 に す る 恐 れ が あ る 。 そ れ を 避 け る た め に 純 粋 な 硫 化 ソ ー ダNa2S.9H20と 硫 黄 か ら素 性 の 知 れ た 多 硫 化 ソ ー ダ を 作 っ て 使 用 す るBeard,Hodgson,Davisの 方 法{↓)があ る 。 こ の 処 方 と 先 の Geigyの も の を 比 較 実 験 した 結 果B.H.D.法 の 方 が 格 段 に よい 結 果 を 与 え た の で,こ れ に 準 拠 し て 改 め てNa2Sxの 最 適x値,最 適 反 応 時 間 を 決 定 し た 。 1.3チ オ セ ミ カ ル バ ジ ドの 合 成 法 チ オ セ ミカ ル バ ジ ドは チ オ シ ア ン 酸 ヒ ドラ ジ ン の 分 子 内 転 位 に よ っ て 製 せ ら れ る こ と が よ く

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知 ら れ て い る 。Freud,Schanderに よ る 製 法(・〕は 次 の 通 り で あ る 。 硫 酸 ヒ ドラ ジ ンNH2NH2・H2SO4509(1モ ル)に 水200ccを 加 え,混 和 し つ つ こ れ に 炭 酸 カ リ ウ ムK2CO3279(1モ ル)を 加 え る と き はCO2を 発 生 し な が ら 水 に 可 溶 性 の 「11 性 硫 酸 ヒ ドラ ジ ン(NH2NH2)2H2SO4を 生 成 す る 。 こ れ に ロダ ン カ リ ウ ムKSCN409 (1・07モ ル)を 加 え,2∼3分 間 煮 沸 後200∼300ccの 熱 ア ル コ ー ル を 加 え てK2SO4の 析 出 を 完 全 な ら しめ,吸 引 ロ過 後 ロ液(NH2NH2・HSCNを 含 む)よ り ア ル コ ー ル を 留 去 し,蒸 発 皿 中 で か くは ん し つ っ 直 火 で 強 く 煮 沸 を 行 い ,シ ロ ッ プ 状 の 液 が 発 泡 し始 め る に 至 ら し め る 。 そ の 際 分 解 が 急 激 に 過 ぎ る と き は 少 し 宛 水 を 加 え て 緩 和 す る 。 こ れ を 冷 却 す る と き は チ オ セ ミカ ル バ ジ ドの 結 晶 粥 を 得 る か ら ,こ れ を 吸 引 ロ 過 し,ロ 液 は 未 反 応 の ロ ダ ン ヒ ドラ ジ ン を 含 む 故 上 記 同 様 の 煮 沸 を 繰 り返 し て シ ロ ッ プ 状 と な し,同 様 操 作 を 数 回 反 復 す る 。 粗 製 チ オ セ ミカ ル バ ジ ド約259(71%theor.)を 得 る 。 精 製 は 水 か ら1回 再 結 晶 す れ ば 充 分 で あ る 。

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∴ 撒燃 諜 誹 躍 咄 ゜〕

(51

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ヒド

ン1

最 後 の分 子 内 転 位 は,或 る量 が チ オ セ ミカル バ ジ ドに 変 った と こ ろ で平 衡 状 態 と な って停 止 す るか ら,そ の 点 で 濃 縮 を 止 め て チ オ セ ミル バ ジ ドを 析 出せ しめ ,ロ ダ ンヒ ドラジンの濃度を 上 げ て か ら再 び 操 作 を 繰 返 す の で あ る。 本 反 応 は 実 際 に も交 献 の 通 り進 行 し,何 等 懸 念 す べ き事 項 は 存 在 しない 。 なお 筆 者 は,時 に ア ル コ ー ル の入 手 困難 な こ とが あ った の で,そ の 場 合 は生 石 灰 を 消化 して Ca(OH)2と な し,H2SO4を 除 くの に アル コー ル に代 用 した が ,こ の方 法 も 円 滑 に 進行 し た 。 2.チ オ ア セ タ ゾ ンの 標 準 製 造 法 本 項 には,数 カ 月 の半 工 業 的 生 産 の 結 果 得 られ た 結 論 的 方 法 を記 載 す る 。 2.1P一 アセ チ ル ア ミ ノ ・ベ ン ツ ア ル デ ヒ ドの 製 造 方 法 反 応 式 3・ ・N-C》-CH・+N・ ・S・塾 聾3H・N-()-CH・+N・ ・S、・、+(・-2)S ・H・N-《)-CH・ 墨 彙H・N-◎ 一(-CH=N-《)-CH=N-)興 《⊃-CH・+(・-1)H・ ・ H・N-()一(-CH=N-《)-CH=N-)誕>CH・+(・-1)H・ ・+・CH・C・ ・H酢 塑 解 ・且CO-(》-NH・ ・HOOC・CH・ HC・ 一()-NH,・H・ ・C・CH、+(CH,C・)、 。1刎 旨rC・-0-Nrl。 。C恥2CH、C。 。H

副 反 応

・ ・N-《)-CH・+N・ ・S・+H・0→ 且 ・N-(》CH・+N・ ・S,・ 、+(・-2)S な お 上記 にお い て生 成 す るSは 析 出 せず に過 剰 に存 在 す るNa2Sxに 結 合す る。 (6)

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薬 品 P一 二 トロ トル エ ン 硫 化 ソー ダ9水 塩 硫 黄 華 エ タ ノ ー ル(95%) カ セ イ ソ ー ダ 無 水 酢 酸 氷 ソ 重 脱 酸 灰 曹 炭 ダ 酢 色 3.0託 3.5〃 0.9〃 15立 0.9瓦E l.65ノ/ 4.5〃 4.0〃 1,3〃 0.6〃 操 作 法 硫 化 ソー ゾ9水 塩Na2S・gH203,5砥(備 考1)を 水19立 に 溶 解 し,こ れ に 硫 黄 華(備 考2)を 加 え,か くは ん し っ つ 加 熱 し て 溶 解 す る 。 溶 解 後30分 間 加 熱 を 継 続 し,Na-S の 結 合 を 安 定 さ せ る 。 別 に カ セ イ ソ ー ダ0.9尼 を 水2.7立 に 溶 解 し,先 のNa2Sx溶 液 に 加 え, 一 緒 に し て さ ら に30分 加 熱 す る 。60立 三 ロ ホ ー ロ ー タ ン ク に リ フ ラ ッ ク ス ・コ ン デ ン サ ー と か く は ん 装 置(備 考3)を 付 し,こ れ にP一 二 ト ロ トル エ ン3.0砥 と エ タ ノ ー ル5立(備 考4)を と り, か くは ん し っ つ 加 熱 し て 溶 解 し,溶 け 終 っ た な ら 先 のNa2Sx-NaOH溶 液 を 一 挙 に 添 加 混 和 す る 。 こ の 際 水 溶 液 の 温 度 が ア ル コ ー ル の 沸 点 以 下 に 下 っ て い る こ と を 確 認 し な い と 吹 上 げ る 危 険 が あ る 。 こ の 混 合 物 を か く は ん し っ っ 直 火 に て 加 熱 す る 。 タ ン ク 内 の 蒸 気 がP一 ニ ト ロ トル エ ン の 臭 気 を 失 っ た な ら ば ,反 応 完 結 で あ る。 大 凡1%∼2時 間 を 必 要 と す る 。 反 応 が 終 れ ば,リ フ ラ ッ ク ス コ ン デ ン サ ー を 外 し,下 向 き コ ン デ ン サ ー に 交 換 し,ア ル コ ー ル を 回 収 す る 。 回 収 ア ル コ ー ル は 容 積5立,濃 度 は70%で あ る。 ア ル コ ー ル 追 出 を 終 っ た な ら ば,ス チ ー ム を 吹 込 み ・ 副 成P一 トル イ ジ ンCH3-《)-NH2お よ び 未 反 応P一 二 ト ロ トル エ ン を 駆 出 す る。 本 スチ ー ム蒸 留 は 製 品 の 純 度 に 深 甚 な影 響 を有 す る故 極 力 充 分 で しか も短 時 間 に終 る如 く操 作 す る(備 考4)。 過 熱 水蒸 気 が 得 られ る場合 には 最 良 の 結 果 を得 る。P一 トル イ ジ ン回 収 量0.5竜(16.7%theor)。 スチ ー ム蒸 留 を終 った 反 応 液 は 液 温 が 室温 に 下 が るの を待 っ『(ロ 別 す る。P一 ア ミノベ ン ッ ァル デ ヒ ドは ス チー ム蒸 留 の間 に縮 重合 して,塊 状 また は 粒 状 の 樹 脂 状 物 と して 得 られ る(備 考7)。 ア セ チル 化 樹 脂 状 物 を 湿潤 の ま ま 約8砥(3倍 量)の35%酢 酸 に溶 解 す る。 リフ ラ ッ ク スコ ン デ ンサ ー を付 し,か くは ん しつ つ5∼6時 間加 熱 す る。 溶 液 は 濃 厚 な ブ ドウ 酒 色 と な り,検 体 を大 量 の水 で希 釈 して も全 体 が透 明 に溶 解 し,沈 澱 を生 じな い よ うに なれ ば 反 応 完 結 で あ る。 溶 解 が終 れ ば70°Cま で 冷 却 し,注 意 しつ つ無 水 酢 酸 を加 え る。 当 量 点 にお い て 突 然 液 の 色 を 変 じ,ブ ドウ酒 色 か ら黄 色 乃 至黄 榿 色 に変 る。 無 水 酢 酸 の 所 要 量 は4竜 内 外 で あ る。 この 点 を 越 え て 無 水 酢 酸 を力1]えな い こ とが 必 要 であ る(備 考5)。 これ を熱 して徐 々に温 度 を 上 げ,沸 騰 温 度 に達 した な らば ア セ チ ル 化 を完 了 し'(い るか ら加 熱 を中 止す る(備 考6)。50 ∼60°Cま で 冷 え た な ら ,こ れに ソーダ灰 を加 えて中和す る。中和の終点はCO2の 発 生 状 況 で 判 定す るが,微 アル カ リ性 とな っ てい る。 この 間 にP一 ア セ チル ア ミノ ベ ン ズ ア ル デ ヒ ドの

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結 晶析 出 を見 るが,液 を暖 め っ っ沸騰 水 を 注 加 し,析 出 した 結 品 が丁 度 溶 け る まで 加 え(120 ∼150立 の 熱水) ,脱 色炭150∼200瓦 を加え,若 干加熱後熱時 ロ過 し,ロ 液 を放冷 して製品を 結 晶 させ る。粗 製 品は 淡 黄 色 針 状 結 晶 で,収 量 は1,5∼1.8延 内外 で あ る(備 考8)。 再 結 晶P一 ア セチ ル ア ミノ ベ ン ツ アル デ ヒ ドは チ オ セ ミカ ルバ ジ ドと縮 合 さ せ るま で に 完 全 純 品 に仕 上 げ な け れ ば な らない 。 こ の もの は114倍 の 冷 水,15.3倍 の 沸騰 水 に溶 け る が, 純 水 よ りの 再結 晶 は脱 ア セチ ル化 が 起 ゲ(不 具 合 の よ うであ る(特 に長 時 間 を 要 す る大 量 処 理 の 場 合)。 メタ ノー ルー 水 を使 用 す る次 の 処 方 が よい 。 酸 化 性 の 雰 囲気 で は 色 素 形 成 の 傾 向 が あ るか ら,亜 硫 酸 ソー ダ と酢 酸 を加 え,還 元 性 雰 囲気 を作 って 操 作 す る と綺 麗 な製 品 が得 られ る。 粗 結 晶 メ タ ノー ル 水 亜 硫 酸 ソー ダ 氷 酢 酸 脱 色 炭(備 考9) 0.80∼1.00砥 1.5立 1.0〃 25瓦 25〃 50∼100〃 再 結 晶 容 器 に は5立 三 角 フ ラス ゴを 用 い,湯 浴上 に 加 熱 して溶 解 せ しめ,還 元 性 添 加 剤 お よ び脱 色 炭 を 加 え て 暫時 加 温 後 熱 時 ロ過 し,ロ 液 を結 晶 さ せ るδ結 晶 は 少 量 の メ タ ノ ー ル を含 む 冷 水 で よ く洗 浄 す る.製 品は 大 部 分 の 溶 媒 を風 乾 後1009C内 外 で乾 燥 す る。 備 考(1)硫 化 ソー ダ は試 薬 級 のNa2S.9H20を 使用 す る。 古 い もの で,潮 解 した り風 化 し た りしてい る ものは よ くない 。工 業 用硫 化 ソーダ で は 甚 し く収 量 を減 ず る。 ② 市 販 硫黄 華 で も,或 は 塊 状 の もの を粉 砕 した もの で もよい 。 (3}か くは ん は 絶 対 必 要 で あ る 。特 に停 電 な ど で作 業 が中 絶 す ると反 応途 中 の 液 は2液 相 に分 れ るか らで あ る。 ㈲ ス チ ー ム蒸 留 が不 充分 で あ る とP一 トル イ ジ ンお よび 未 反 応 二 トロ トル オ ー ル(こ の方 は臭 で 判 る)が 残 留 し,製 品の再結 晶の とき純度 が上 らず苦労す る。全 留出水量 40∼45立 が3∼4時 間 で 得 られ る と きは 製 品 の成 績 が 最 も標 準 的 で あ る。 ㈲ 無 水 酢 酸 の量 が過 ぎ る とそ の脱 水 力の ため に再 び縮 重合 が 起 り,樹 脂 状 物 を生 ず る が,こ れ を 酢 酸 分 解 し直 せ ば 再 び 製 品 とな る。 (6)昇 温 中 に急 に ア セ チ ル化 が 進行 して液 が浴 れ 出 るこ とが あ るか ら,ゆ っ く り昇 温 す る必 要 が あ る。 ソー ダ 灰 中 和 の 代 りに蒸 留 法 で酢 酸 を 圃収 す る と著 し く収 量 を 低 下 す る。 17)母 液 に も可 な り製 品 が 残 るよ うで あ る。 次 項 参 照 。 (8}操 作 に手 間取 る とP一 アセ チ ル ア ミノ ベ ン ズ ア ル デ ヒ ドは脱 アセ チ ル化 して母 液 に 溶 け る よ うで あ る。母 液 に 少 量 の 無 水 酢 酸 を 加 えて 加 熱 後 ソーダ 灰 に て中 和 す る と若 干 の 粗 製 品が 回収 され る。 (9)脱 色 炭 の 品 質 に よ っ て 製 品 の 着 色 が著 し く違 う。 出 来 るだ け よい もの(武 田 白 鷺

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級)を 使 用 の こ と。 2.2チ オ セ ミカ ル バ ジ ドの製 造 方 法 先 に1,3項 に述 べた 文 献 記 載 の 方 法 で 差 支 ない が,こ こ には 筆 者 が実 際 に 行 って い た アル コ ー ル を使 用 せ ぬ 方 法 を 報 告す る こ と とす る。 反 応 式 消 化C aO十H20-一 →Ca(OH)2 溶 性 化NH 2NH2・H2SO4十%Ca(OH)2-→NH2NH2義H2SO4十 碁CaSO4十HΣ0 ↑ NH4SCN十 彦Ca(OH)2-一 〉壱Ca(SCN)2十NH3十H20

NH2NH2壱H三SO4十 査Ca(SCN)2-一 ÷NH2NH2・HSCN十 喜CaSO4 NH2NH2・HSCN->NH2NH・CS・NH2 、 (7コ 薬 品 生 石 灰0.86舐 硫 酸 ヒ ドラ ジ ン2.0〃 ロダ ン ア ン モ ン1ユ7〃 脱 色 炭40瓦 操 作 法0.43妊 の 生 石 灰 を8立 の 水 で 消 化 し,得 ら れ た 石 灰 乳 の 未 だ 熱 い う ち に 硫 酸 ヒ ド ラ ジ ン2配 を 加 え て よ くか くは ん す る 。 硫 酸 ヒ ドラ ジ ン の 結 晶 は 次 第 に 崩 壊 し て ,全 体 が完 全 に 泥 状 に な る の で,終 点 判 定 は 困 難 で な い 〔こ れ を 第1液 と す る 〕。(備 考1)別 に0,43妊 の 生 石 灰 を2立 の 水 で 消 化 し,こ れ に ロダ ン ア ン モ ン1,17託 を 加 え,か く は ん し つ つ 加 熱 す る 。Ca (OH)2は 次 第 にCa(SCN)2と な っ て 溶 解 し,NH8を 発 生 す る 。 加 熱 を 続 け,N且3臭 な き に 至 ら し め,水2立 を 加 え て 希 釈 す る 〔こ れ を 第2液 と す る 〕。 第1液 と 第2液 を 混 合 し,暫 く か くは ん を 続 け てCaSO4の 生 成 を 完 結 さ せ る 。 こ れ を 吸 引 ロ過 し ,CaSO4沈 澱 を 水 で よ く洗 い,沈 澱 中 に 含 ま れ たNH2NH2・HSCNを で き る だ け 回 収 す る 。 洗 液 は 先 の ロ液 に 合 併 す る (備 考2)。 こ の 溶 液 を 開 放 に て 蒸 発 濃 縮 す る 。 液 温 の 測 定 に よ り終 点 を 判 定 す る 。 は じ め 長 く100°Cを 保 つ が,或 る 段 階 か ら 昇 温 し は じ め る 。105°Cを 示 す に 至 れ ば 加 熱 を 中 止 し て 放 冷 し,析 出 し た チ オ セ ミカ ル バ ジ ドを ロ 過 し,結 晶 をSCN一 イ オ ン が 無 く な る ま で 冷 水 で 洗 う(備 考3)。 第1回 の 析 出 で,全 チ オ セ カ ミ ル バ ジ ド量 の 約%が 得 ら れ る 。 ロ液 は 更 に 濃 縮 し,同 様 な 操 作 を 繰 返 す(備 考4)。 粗 結 晶 を 集 め,7倍 の 水 を 用 い て 再 結 晶 す る 。 こ の 際,要 す れ ば5%内 外 の 脱 色 炭 を 使 用 す る 。 収 量 約8竜,製 品 の 融 点183°C。 備 考(1)生 成 す るCaSO4を こ こ で ロ過 す る 必 要 は な い 。 (2)CaSO4が 微 量 溶 解 し て 不 純 物 と な っ て い る 。 修 酸 で 除 去 で き る が,そ の 必 要 は な い よ う で あ る 。

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(3)SCN一 を 完 全 に除 去 す る こ と が,後 段 の チ オ ア セ タ ゾ ンの 純 度 を保 持 す る た め に絶 対 必 要 で あ る 。 ㈲ 最 後 は シ ロ ップ状 と な り,チ オ セ ミカル バ ジ ドの結 晶 が 得 られ な くな る。 2.3チ オ ア セ タ ゾ ン の 合 成 チ オ アセ タ ゾンの合 成 に お い て,本 工程 が決 定 的 な段 階 で あ る。 製 品 を溶 解 す る適 当 な溶 媒 が ない の で再 結 晶 が不可 能 で あ るか ら,縮 合 反 応 に お い て一 挙 に 最 高 純 品 を作 っ て しま わ な け れば な ら ない 。 先 ず 完全 に純 粋 な原 料 を使 わ な け れ ば な らない 。P一 アセ チ ル ア ミノ ベ ン ツ ア ル デ ヒ ドは 純 白 な,よ くそ ろ った 針 状 結 晶 の もの が よい 。P一 ニ トロ トル エ ン の 臭 が 少 しで も残 っ てい て は な ら ない 。 融 点 は ゜C以 上 で な け れば な らな い 。 規 格 に合 わ ぬ と きは2.1に 述 べ た方 法 に よ って 再結 晶 を繰 返 す 。 チ オ セ ミカル バ ジ ドは 無色 の柱 状 の結 晶 で,融 点183°Cの もの を使 用 す る。 こ の方 は 純 品 を得 るの が容 易 で あ る。 以 下 チ オ ア セタ ゾ ンの 製造 法 に つ い て 記述 す る。

反応式

CH・CONH-O-CHO+H,N・NH・CS・NH, 一 ・CH・C・NH《)-CH=N・NH・CS・NH・+H・ ・ 薬 品 P一 ア セ チ ル ア ミノ ベ ン ツ ア ル デ ヒ ド チ オ セ ミ カ ル バ ジ ド メ タ ノ ー ル 亜 硫 酸 ソ ー ダ 酢 酸 脱 色 炭 操 作 法 1.00瓦 丘 0.60〃 4立 30瓦 30cc 30瓦 P一 ア セ チ ル ア ミノ ベ ン ツ ア ル デ ヒ ド1.0舐 を5立 の ホ ー ロ ー ビ ー カ ー に と り, タ メ ノー ル4立 を 加 え,か く は ん し つ つ 穏 か に 加 熱 し て 溶 解 す る 。 ほ と ん ど 沸 騰 温 度 に 達 した な ら,内 容 物 を 花 形 に 折 っ た ロ紙 を 通 じ て5立 の 茄 子 フ ラ ス コ に こ し込 む 。 こ れ で 一 切 の ゴ ミ が 除 か れ る 。 他 方,チ オ セ ミ カ ル バ ジ ド0.60砥 を5立 の ホ ー ロ ー ビ ー カ ー に と り,水 ま た ば 熱 水4.2立 を 加 え,か くは ん し つ つ 加 熱 し て 溶 解 さ せ る 。 溶 解 し た な ら ば,亜 硫 酸 ソー ダ30瓦 を 投 入 し,更 に 酢 酸30ccを 加 え(備 考1),最 後 に 脱 色 炭30瓦 を 入 れ る。 こ れ を,花 形 に 折 っ た ロ 紙 を 通 じ, 10立 の ホ ー ロー タ ン ク に こ し込 む 。 こ れ で 一 切 の ゴ ミが 除 か れ る 。 用 意 さ れ た 両 液 を 穏 か に 加 温 し,液 温 の 測 定 を 行 う。 両 液 共 に 同 時 に そ れ ぞ れ の 沸 点 の10° C下 に な る よ う に 加 熱 を 調 節 す る(備 考2)。 こ の 準 備 に 並 行 して 多 量 の 製 品 洗 浄 用 の お 湯 を 沸 か し て お く(備 考3)。 所 定 の 温 度 に 達 し た な ら ば,机 上 と 付 近 の 火 を 全 部 消 し,チ オ セ ミ

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カ ルバ ジ ド溶 液 を烈 し くか くは ん しな が ら,そ の 中 に,Pア セ チ ル ア ミノ ベ ン ツ アル デ ヒ ド の メ タ ノー ル 溶 液 を 手 早 く注 ぐ。 得 られ た透 明液 は 数 分 間 何 事 も起 ら ない が,間 も な く急 激 な 反 応 が始 ま り,液 は 沸 騰 し,チ オ ア セタ ゾ ンの輝 い た 美 しい 析 晶 が析 山 し始 め る。 反 応 容器 に は 水 を張 った 洗 面 器 で 蓋 を して お くと,そ れ が リフ ラ ヅク ス コ ン デ ンサ ー の役 を して メ タ ノ ー ル蒸 気 の 逸 出が 防 が れ る。 沸 騰 は 約10分 で 終 るか ら,そ の直 前 に ヒー タ ー を点 火 して,更 に10 分 間 沸 騰 を 続 け る(備 考3)。 そ こで 火 を消 し,液 温 が60°Cに 下 った と き吸 引 ロ過 す る。 容 器 に残 った 結 晶は メ タ ノー ル を用 い て 手 早 くヌ ッチ ェ上 に洗 い 込 む。 直 ち に,用 意 して お い た 沸 騰 水 を潤 沢 に 使 って 結 晶 を 洗 浄 す る。 引 続 き,結 晶 が熱 い うち に,冷 メ タ ノー ル を注 い で結 晶 を洗 浄 す る(備 考4)。 製 品は 純 白光 沢 あ る鱗 片 状,板 状 ま た は幾 分針 状 が か った 結 晶 で あ る。100°C内 外 で 乾 燥 す れ ば そ れ で完 成 で あ る。 融 点230∼232°C(分 解)(備 考5)の 最 高 純 品1.3∼1.35瓦Eを 得 る。 備 考(1)縮 合 中 空 気 に 触 れ る と黄 色 の 着色 を来 す 。 ま た 中 性 の 液 で は縮 合 反 応 が容 易 に 開 始 せ ず,・また 開 始 時 間 も不 定 で あ るが,こ の量 の 酢 酸 の 添 加 に よ り程 よ く促 進 され るこ とが経 験 的 に 判 明 した 。従 って,還 元性 雰 囲 気 を つ くるた め に亜 硫 酸 ソーダ を好 都 合 に使 用 す るこ とが 可能 とな る。 (2}そ れ ぞ れ の 液 の 沸騰 温度 の10℃ 下 とい うの は,縮 合 反 応 開始 後 の 沸騰 状 態 を適 度 に保 つ た め に経 験 的 に決 め た温 度 で あ っ て,厳 重 に その よ う に コン トロー ル した方 が後 の操 作 が 円 滑 に 進 行 す る。 縮合 反 応 は 可 な りの発 熱反 応 で あ る。 (3)合 計20分 以上 反 応 に か け て は な ら ない 。 こ の 点 が本 工 程 中 最 も肝 要 な部 分 であ る。 例 え ば,縮 合液 を一 夜 放 置 す る と,収 量 は5%位 上 るが,製 品 の融 点 は5QC位 低 下 す る。 チ オ アセ タ ゾ ンは 融 点 の α5°Cの 上 下 が 問 題 に な る程 で あ るか ら,こ の よ うな製 品は 全 く問 題 に な らず,ま た 出来 て しま って か ら は 救 い よ うが な い の であ る。 ㈲ 洗 浄 は 前項 に 次 ぐ重 要 工 程 で あ る。 熱 水 お よ び メ タ ノー ルは 充 分 な量 を使 い,手 早 く洗 い 上 げ るよ うにす る。 (5}チ オ アセ タ ゾ ンは 融 点 で 分 解 す る。 そ れ 故 融 点 測 定 の 昇 温 に時 間 が かか る と,昇 温途 中 で 分解 反 応 が 進 行 して 測 定 融 点(分 解 点)が 段 々下 っ て来 る。加 熱浴 を予 め200°C附 近 ま で予 熱 して お い た 中 に,試 料 を つめ た 細 管 を 挿 入 す るよ うにす る とよ い 。 た だ し硫 酸 浴 の 場 合 に は 毛 細 管 の 表 面 に つい た 湿 気 の こ と を考 慮 しな い と誤 った 結 果 が 出 るこ とが あ るか ら注 意 を 要す る。 同一 製 品で 昇 温 速 度 の 影 響 は5°C位 に も な る場 合 があ る。 3.チ オ ア セ タ ゾ ン の 治 療 効 果 とそ の 特 徴 す べ て の化 学 療 法 剤 は 病 源 菌 を 直 接 殺 す の で は な く,単 に病 源 菌 の 発育 を 止 め て しま うだ け であ る。 病 源 菌 が 分裂 を 止 め て,そ の 数 が ふ え な くな るだ け で あ る。 そ の 弱 ま った病 源 菌 を 最 後 に掃 除 して 取 り除 い て くれ る もの は 人 間 自身 の もつ 白血 球 で あ る。 こ の よ うに 白血 球 が病 源 菌 を 食 べ て しま うと,病 源 菌 の中 に 閉 じ込 め られ て い た 病 毒 素 が人 体 内 に放 出 され るの で,化 学 療 法 剤 の研 究 に お い て は,薬 剤 自身 の 副作 用 の他 に,白 ⊥1吐球 の貧 喰 作 用 に 原 因す る病 毒 素 の 開放 か ら受 け る影 響 の こ と も考 え な くて は な ら ない 。 結 核 を対 象 とす る場 合 には 治 癒 像(治 癒

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され た 病 巣 の 組 織 学 的 状 態)の 佐 り方 耕最 も重 要 燕 問題 で あ 為。 何故 な らば,薬 剤 に よ って, 現 突 の 治簸{象が 正 反 対 の ガ 向 に違 うか ら で あ る、 ま た,病 気 を終 局 的 に 治す もの が 薬 蹴 では な く,由 血 球 の カ で あ ると すれ ば,そ の 薬 剤 が 血液 中 に荏 在 す る こ とに よ り 白 血球 の 貧 喰 作 用 が 強 くな るか 弱 くな るか と い うこ と も耽要 な 問題 で あ るo鰻 縫 に,薬 削 の も っ1宵巣 の 炎 症 嫌 の 改 善の 如 き非 特 異 的 な作 用 も時 に甚 だ 颯要 と な る場 合 があ る と考 え られ る 昏 以 上 の議 論 は,或 る程 度 劫 黙が 認 め られ た 薬 剤 に対 す る もの で あ るが,こ こ に 鳳 先 す そ れ 以 前 の 段 階 か ら取 り上 げ る.内 服 な り,注 射 に よ っ て投 与 され た薬 剤 は器 干時 間後 に 血液41に 現 われ,次 第 に 幽 度 を 増 して行 くが,同 佳 に尿 巾 に聾 行 し,或 は 他 西 物 質 に 変 る こ と に よ ウて 段 々そ の量 を減 じ・て 行 く"Il且液中 に 何の 位 の 渡度 で出 現L,ま た 血 液 中 で ・何の 位 の 濃 度 以 」二の と きに 有効 な抗 菌 作 用 備 の増 殖 を静 止)を 示 す か と い うこ と が 基本 的 な 問題 で あ る。 この 生 体 内の 作 用 を 調 べ ゐ前 に,試 験 管 内 で,い ろ い ろの 濃 度 の 漿 剤 を 人れ た 培 養 基 を 用 意 し.そ れ に 菌 を植 え て,増 殖 が 停 止 さ れ る か.起 るか を 試べ るの で あ る、筆 者 の 脅 成 した チ オ ア 七 タ ゾ ン ー す な わ ち ア パ ゾー ソABAZOHE一 と他 の 藁 剤 の 比 絞 試 験 を.厚 生 省 医務 局 爾 立療 養 所 諜 の 依 頼 で 繊 立療 墾所 刀 根 山 歯 院 で 行 噸た 婚 果 を 第1表 にか か げ る、

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第1表 各種抗核 剤お よび薬物 の抗結核菌力の化較 ◎ 公認 された抗結核剤 測定者 国立療養所刀根 山病 院 内 田 誉氏 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 濃 度7/㏄

物質客\

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イ ソ ニ コ チ ン 酸 ヒ ドラ ジ ド パ ス ス ト レ プ ト マ イ シ ン ツ ベ ル フ ラ ビ ン 0一 ア ミ ノ フ エ ノ ー ル ヒ ノ キ オ ー ル ナ ト リ ウ ム プ ロ ム チ モ ー ル ブ ル ー 6一 ア ミ ノー3一 メ チ ル フ タ ル 酸 メ チ ル プ ロ ミ ゾ ー ル ン   ン ベ 〃 [ 勉

ン 咋 コ ρ k ア バ ゾ ー ン アバ ゾー ン縮 合 母液 よ り 析 出 した二 次 結 晶 ア バ ゾ ー ン 合 成 原 料 チ オ セ ミ カ ル バ ジ ド ミ デ ア ル ル ア チ ツ セ ソ ア ベ 一 ・ ド P ノ ヒ 判 定 条 件

100 一一 一 50 一 20 10 1 5 2 1 0.5 0.2 0.1 0.05 0.02 一 〇.01 一一一一一 対 象

文 献

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培 地Kirchner合 成 液体 培 地 判 定1週 間 第1表 の 実 験 結 果 に よれ ば,公 認 され た 抗 結核 剤 の 抗 菌 力 の順 位 は 周 知 の 通 り,① ヒ ドラ ジ ド,② ス トマ イ,③ チ オ ア セ タ ゾ ン,④ パ スの 順 に な ヴ てい る。 而 して,チ オ ア セ タ ゾ ンの う ち で コ ンテ ー ベ ン(バ イ エ ル 社 製)は 最 良 と され てい る もの で あ るが,ア バ ゾー ンは そ れ に勝 る成 績 を示 してい る。意 外 で あ った の は,ア ゾー ン縮 合 母 液 か ら析 出 し,チ オ ア セ タ ゾン剤 の 副 作 用 の原 因 を なす と思 わ れ る物質(こ の もの を析 出爽 雑 す る条件 で作 っ た製 品 は 発 疹 等 の 副 作 用 が見 られ た の で,ア バ ゾー ンで は そ れ を極 力取 り除 い て あ る)の 抗 菌 力 が 甚 だ 強 い こと で あ る。 また,原 料 物 質 も多 少 の 抗 菌 力 を 示 して い る こ とは興 味 深 い 。 次 に,人 体 中 で は 何 うで あ るか とい え ば,次 の 第2表 を 参 照 せ られ たい 。 それ ぞ れ の 抗 結 核

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剤 は枠 で 示 さ れ た時 間 の 聞 だ け 発育 阻 止 力 を 有効 に発 揮 す るの で あ るが,溶 解 性 の 悪 い チ オ ア セ タ ゾ ンは 遅 く効 き始 め て 長 く効 い て い る模 様 で あ る。 第2表 抗 結核 斉1」を投 与 した 人 間 の血 清 の 抗 菌 力 ⊂8) 判 定 法S.C.C,法 抗 与 後 時 間 30分11劇2劇3綱4時 間15時 間[6時 間[8姫 12時 間 ス ト マ イ (1瓦 及 び0,5瓦) 一 .  _ 一 一

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一 一 一 ヒ ド ラ ジ ド (0,2瓦)

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1・ 〔注 〕 他 は 内 服 であ るの に対 しス トマ イ のみ は 注射 で あ る か ら、 効 力 発現 が 速 い の で あ ろ う。 チ オ アセ タ ゾ ンを 実 際 に 使 用 した場 合 の 治 療 効 果 に 関 す る初 期 の 調査 ば,厚 生 省 に よ って と りま とめ られ,報 告{9〕が 発 表 され てい る。 そ れ に よれ ば3カ 月 お よび6カ 月の 治 療 実 験 にお い て,ス トマ イ には 多 少 劣 るよ うで あ るけれ ど も,或 る程 度 の 効 果 は 認 め られ る と述 べ られ てい る。 こ の よ うな 段階 を経 て,わ れ わ れ の 結 核 症 化 学 療 法 剤 に 関す る知 識 が 集 積 され て行 ったの で あ るが,チ オ アセ タ ゾ ソに 関 して は 最 近 で は 余 り話 題 にな らず 忘 れ られ てい るの で,そ の 基 本 的 な事 項 を 記録 してお きたい 。 ω 治 癒 像 の 問題 チ オ アセ タ ゾ ンの一 番 の 長 所 は そ の 治 癒 像 であ る。 本項 に 関 して,結 核 予 防会 岩 崎 竜 郎博 士 の有 力 な研 究 ユ①が あ る。 解 剖 所 見 に よれ ば,チ オ アセ タ ゾン療 法 を受 けた 病 巣 では,結 核 結 節 の 強 い膠 原 化 の模 様 と潰 瘍 治癒 上 皮 の 下 の 頑 丈 な 結 合 織 の 状 態 が 自然 治癒 の ものの それ に 酷 似 して い る。 こ れ に反 し,ス トマ イ治 療 で は,対 象 病 巣 の病 変 の進 行状 態 に よ って 治 癒 経 過 が違 って お り,新 鮮 な 滲 出 性 病 巣 で は.次第 に それ が消 失 して行 く傾 向 を 示 し,乾 酪 化 が始 ま る時 期 に は そ の 被 膜 を 薄 くす る傾 向 が あ るの で,突 然 それ が破 れ て病 巣 が 散 乱 す る危 険 があ る。 ス トマイ は 周 囲炎 の 改 善 に は 卓 効 が あ る。 結 核 結 節 は 萎縮 を 示 す が,繊 維 形 成 少 く,硝 子 化 を 起 すcaseが 多 い 。 一 例 報 告 で 恐 縮 で あ るが,筆 者 の 次女 が小 学2年 生 の と き,集 団 検 診 で 小 児 結 核 を 発 見 さ れ,レ ン トゲ ン写 真 の 片 肺 全 面 に影 が 出 来 た た め に 休 養 をす す め られ た。 筆 者 は,チ オ アセ タ ゾ ン剤 が 自 血球 機 能 に対 し,抗 結核 剤4種 の うち で抜 群 の 促 進 能 力 を有 す る とい う報 告 を 読 ん で い た の で,校 医 に 内密 に アバ ゾー ン0.6瓦 を毎 日服 用 さ せ なが ら10も 学 校 を 休 ま せ なか っ た 。3カ 月後 の精 密 再 診 の と き,校 医 は,"小 児 結核 で こ ん な に短 期 間 に 自然 に 治 って 石 灰 化 した 例 を知 ら ない ゐ,と 驚 い て 話 され た 。 化 学 療 法 を 行 った こ とを 内 密 に した の で,短 期 間 に 治 癒 した こ とに驚 かれ た の で あ るが,こ の 話 の 大 切な 点 は 治 癒像 が 自 然 治 癒 に酷 似 して い て 識

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別 出来 な か った こ とを物 語 って い る と思 わ れ る点 にあ るの で あ る。 {2}白 血 球 機 能 に 対す る促 進作 用 只 今 手 許 に文 献 が見 当 ら ない の で 引用 山 来 な い が ,北 里 研究 所 の某 氏 の報 告 に,抗 結 核 剤4種 は いず れ も 白血 球 の浮 走 速 度 お よび 貧 喰 作 用 を高 め る 効 果 を有 し,そ れ らの うち で チ オ ア セタ ゾ ンの1足進 能 力 が抜 群 であ る と述 べ られ て い た 。 結 核症 の化 学 療 法 をい ろい5行 って数 年 に な っ て も,最 後 が治 り切 れ な い よ うな様 子 で ブ ラ ブ ラ してい た 患者 で,そ の 後 アバ ゾー ンの 内服 を1年 余 続 け てい る うち に ,次 第に体 に自信 が 出来 就職 も し,現 在 で は 病 気 の こ とは 忘 れ て しま っ た とい う友 人 が何 名 かい る。 筆 者 の 助 手 の1人 は アバ ゾー ン研 究 中 にひ どい 喀1血を した が,自 分 の試作品 を内服 しなが ら1日 も 休 ま ず,3年 余 内服 を続 け てい る うち に 漸 く病 気 を 忘 れ られ るよ うに な った もの が あ る 。 た だ し, 終 始1剤 投与 で は な く,ス トマ イは 全 然 使 わ なか った が,途 中1カ 月 位 宛 数 回 ヒ ドラ ジ ドの 内 服 を挿 ん で い る。 巡 査 教 員 等 の 軽 症者 で,勤 務 を 休 ま ず,ア バ ゾー ン内服 だ け で 治 して しま った患 者 も少 くない 。 以上 の経 験 の経 過 を見 て い る と,ア バ ゾー ンが 奏 功 した 例 で も,ア バ ゾー ン が病 気 を 治 した よ うには 感 ぜ られ ない の で あ る 。薬 剤 の カ は 病 菌 の 発育 を 圧 え,そ れ を 弱 め た だ け で あ る が , 同時 に薬 剤 が 白血 球 の能 力 を高 め る如 く働 い て,白 血 球 の 力 に よ って 病 菌 の 最 後 の 掃 湯 を 終 っ た と考 え る 方 が 自 然 に見 え る の で あ る 。 重篤 な 状態 を経 過 した患 者 は,空 洞 そ の 他 体 内の 何 処 か に病 源 菌 の 巣 を も って い る の で,全 快 ま で に は甚 だ しく長 期 間 を 要 す るで あ ろ う。 粟 粒 結核 や 結 核 脳 膜炎 は ス トマ イ ま た は ヒ ドラジ ドで な い と間 に合 わ な い し,ま た シ ュー一ブ の と き も消 炎 効 果 の高 い こ の 両者 か よい であ あ うが,平 常 数 年 に わ た っ て 気 永 に 使 う薬 剤 は,チ オ アセ タ ゾ ンかパ ス が よい と信 ぜ られ る・(1)に記 した如 く,ス トマ イ,ヒ ドラ ジ ドで は 病 巣 を包 む被 膜 が 固 ま らず,病 巣 の石 灰 化 が遅 れ る こ と が懸 念 され る 。 チ オ アセ タ ゾ ンは 病 巣 を 石 灰 化 させ る 力 と,白 血 球 の能 力 を促 進 す る作 用 が 最 も強 い の で,治 療 の仕 上 げ 段 階 に一 番 適 して い る もの と筆者 は考 え て い る。 (3)副 作 用 筆 者 が上 の よ うに述 べ る と,医 家は 例 外 な しに,「 チ オ アセ タ ゾ ンは 副 作 用 が 強 い か ら長 期 間 は使 え な い 」 と言 わ れ るの で あ ろ う。 こ の点 筆 者 は,前 項 で 全 く正 反 対 の 意 見 を述 べ て い る の で あ る。 それ は,筆 者 か アバ ゾー ン には 副 作用 が殆 ん ど な い こ とを経 験 して い るか らで あ る。 若 し,薬 剤 それ 自体 に は 副作 用 が な く,含 ま れ る不 純 物 が副 作 用 の原 因 で あ った と仮 定 しよ う。 そ の 場 合,純 度99・8%の 薬 剤 と純 度98.0%の 薬 斉1】を比 べ て み る と,主 薬 の側 か ら見 れ ば 大 差 が ない が,不 純 物 の 側 か ら見 る と0.2%と2.0%の 比,す な わ ち10倍 の 開 きが あ る。 特 に長 期 間 服 用 を継 続 す べ き抗 結 核 剤 にお い て この点 は 重要 で あ る。 チ オ ア セ タ ゾンは 叫 結 晶 が 出 来 な い た め に何 処 の メ ー カ ー も縮 合工 程 で 作 り放 しの 製 品 を 出 して い る。 筆者 が2.3で 詳 し く述 べ た よ うな注 意 を払 わ な い と,少 くと も原 料 物 質 が 爽 雑 して 来 る 。 これ らは何 れ も有 毒 物 質 で あ る か ら,成 行 は真 に危 険 で あ る。 筆 者 は 第1日 か ら0.1瓦 の アバ ゾー ンを 服 み 始 め,引 続 い て 約3ヵ 月 自分 自身 服 用 して み た が,そ の 間全 く違 和 感 が 感 ぜ られ な か った 。 数 名 の 同僚 も この テ ス トに 参加 した が,誰 も何と

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もなか った 。 少数 例 で は あ るが,こ の こ とで 先 ず或 る 程度 の 確信 を 得 た 。 一 般 の チ オ ア セタ ゾ ン服 用者 の 可 な りの%が 発 疹 を 起 こす 。 アバ ゾー ンで は 発 疹 は 稀 で あ る。 グ ロンサ ンま た は メ チ オ ニ ンの 併 用 で 簡単 に 防止 出来 る が,兎 に角 この現象で チオアセタ ゾ ンは、医家 に警 戒 心 を お こさせ る。 一 番 問 題 に され た の は 白血 球 減 少 症 で あ る 。 アバ ゾー ン に つい て は,東 京 医 科 大 学 が 担 当 し て 東 京 の 有 隣 病 院全 ベ ッ ドを挙 げ て テ ス ト鋤 さ れた が,そ の よ うな こ とは認 め られ な か った 。 他 の チ オ アセ タ ゾ ン製 剤 に つ い て は,特 別 な な こと は ない よ うで あ るが,警 戒 を 要 す と され て い るよ うで あ る 。血 球 像 に 関す る一 般 的 な警 戒 は す べ ての 化 学 療 法 剤 に つ い て 必 要 で あ る アバ ゾー ンの 場 合 に先 ず 注 意 を 払 った の ば 頭 痛 で あ る。 チ オ ア セ タ ゾ ン の本 質 的 な 副 作 用 は い わ ゆ るHerxheimer事 故 姻 で あ る と考 え られ る。 これ は 病源 菌 の 死 骸 か ら開放 さ れ る毒 素 が原 因 に な っ て,治 療 開 始 後12∼24時 間 後 に 起 る と考 え られ て い る。 そ して軽 症者 に 軽 く重症 者 に重 い と され て い る。 アバ ゾー ンの場 合,こ の 副 作 用 を 避 け るた め,最 初0.02瓦/日 の服 用 か ら始 め る・5日 間違 和 感 が 起 らぬ こ とを 確 め て か ら0.04瓦/日 に 上 げ る 。原 則 と して5日 毎 .に0.02瓦/日 宛 ス テ ップ ア ップ して0.1瓦/日 に至 ら しめ る もの と し,若 し異 状 が あ れ ば 前 の段 階 に下 げ,5∼10日 経 つ てか ら再 び ス テ ッ プ ア ップに か か るよ うにす る。 軽 症 者 で は順 調 に ス テ ッ プ ア ッ プ出 来 るが,重 症 者 で は何 回 も上 下 して ス テ ッ プ ア ップす る。 この ス テ ッ プ ア ップ の一 つ の 目安 が頭 痛 で あ る。 食 慾 不 振 も時 々見 られ るが ,こ れは服用を続 けてい るうちに消退 し,却 って著 し く食 慾 が増 して来 る。 ・ 肝臓 に対 す る副 作用 も屡 々問 題 に され るが ,化 学療 法 が 結 局 白血 球 に結 核 菌 を殺 さ せ る こ と で あ る以上,そ の最 後 の重 荷 が肝 臓 に来 るの ば 当然 で あ ろ う。 薬 物 自身 の 副 作 用 と は 考 え 難 く,或 る時 期 ま で多 少 の肥 厚 が見 られ て も,半 年 後 頃 か ら却 って 快 くな っ て 来 る と報 ぜ られ て い る。 い ず れ に して も,グ ロン サ ン,メ チ オ ニ ンの 如 き解 毒 剤,強 肝 剤 を併 用 す る こ とは 望 ま しい こ とで あ る。 樹 耐 性 の 問 題 チ オ アセ タ ゾ ンは 比較 的 耐性 菌 を 作 り難 い とい わ れ てい る。 一 般 に ,微 生 物 由来 の 抗 生 物 質(ス トマ イ,ペ ニ シ リンの如 き もの)は 耐 性 に な り易 く,化 学 的合 成 薬 剤 は 耐 性 に な り難 い もの であ るとい う。 また,抗 菌 力 の 強 い もの の 方 が 早 く耐 性 に な り,抗 菌 力 の 弱 い もの は遅 い と もい わ れ てい る。 チ オ アセ タ ゾ ンの 耐 性 の問 題 は ,余 りは っ き り結論 の出 ない うち に,国 内 の研 究 が棚 上 げ とな った 。 しか し遅 か れ 早 か れ 耐 性 は 出現 す る に違 い な い。 アバ ゾー ン を何 年 も服 用 しな が ら何 時 の 間 にか 治 って しま った とい うcaseで も,恐 ら く菌 は 次 分 に耐 性 を獲 得 して い た もの と思 わ れ る。 甲の 薬 剤 に 耐 性 に な る と同時 に,そ れ まで は 感 受 性 の あ った 乙の 薬 剤 に も耐 性 に な る とい うcaseも あ る由 で あ るが,ス トマ イ依 存 菌 が パ ス で 簡単 に 抑 え られ る如 く,普 通 は 菌 は 甲の 薬 剤 に耐 性 を獲 得 す る と,乙 の薬 剤 に対 しては却 っ て 感 受性 が 強 くな り,全 般 的 な菌 力 が,弱 め られ るの で は な い か と想 像 さ れ る。 こ の よ うな 事 が あ る もの とす れ ば,ア バ ゾー ン連 用 の 合 間 に ヒ ドラ ジ ド服 用 を 挾 ん だ 筆 者 の 助 手 の例 は興 味 深 い もの で あ る。 い くつか の 抗 結 核 剤 を混 合 使 用 す る よ り も,交 替 で使 用 す る方 式(こ れ を転 換 療 法 と呼 ぶ 人 が あ る)が 面 白い と眉、う。

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アバ ゾー ン長 期 服 用 のcaseで は,実 際 に は耐 性 菌 も出来 た の で あ ろ うが,菌 力 が弱 め られ た と ころへ12順 で 述 べ た 白血球 機 能促 進 作用 が重 畳 して,本 質 的 に は 患 者 自身 の 力 で 治 した も の と理 解 す るの が 自然 で あ る。 アバ ゾー ン の作 用 は,或 る 期間 抗 菌 的 に 働 くが,そ の 主 た る効 能 は 自然 治癒 力を 高 め る点 にあ る と考 うべ き もの であ ろ う。 こ の こ と を可 能 にす る 鍵 は,純 度 の 向上 に よ る副 作用 の排 除 で あ る。 ㈲ 予 防 内 服 お よ び早 期 治療 少 数1例な が ら アバ ゾー ンを 健康 者 が 内 服 して も異 状 が 見 られ な か った こと と,一 応 勤 務 に堪 え る よ うな 軽 症 者 で は ス テ ッ プ ア ッ プ法 に よ って 全 く副 作 用 が 見 られ なか った こと か ら,予 防 内服 お よび 早 期 治療 に ア バ ゾー ン が 適 して い るの で は な い か と 考 え た 。 筆者 の次 女 が再 び この 臨床 例 と な った 。 同 人 は小 学第2年 ば 前 に述 べ た 経 過 で 通 り過 ぎた が,3年 の春 再 び発 病 した 。 こ の時 も2年 の 時 と全 く同 様 に 快 癒 した。 第3年 で は春 前 か ら0.6瓦/日 を 夏 まで 予 防 内服 の 目的 で投 与 した 。 そ の 結 果 そ の年 は全 く発 病 を見 ず に 経 過 し た 。 そ の 後 は,1回 も再 発 せず に今 日に 至 って い る。 こ こ に東 京 慈恵 大 の 大平 一 郎氏 が発 表 個 され た 面 白い 処 方 があ る。 そ れ は チオ アセ タ ゾ ン0.02∼0.06瓦 ア ミノ ピ リン0.3∼0.6瓦 よ りな る調 剤 で あ る。 そ の 対象 は ㈲ 微 熱 を有 す る肺 結 核 症(37.2し 内 外) (b}浸 出性 肋 膜 炎 で あ っ て,投 与 の 結 果 は (a)群 発 病 初 期39°内 外 の発 熱 を見 た3例 は.いず れ も投 与 開始 翌 日よ り37°内外 に解 熱 し, 以 後 発 熱 せ ず 。 {b}群 過 半 数 が翌 日よ り1週 間 の 間 に解 熱 した が,10日 以 上 を要 した もの が若 干 あ った 。 肋膜 炎 は 結 核感 染 に基 くア レル ギ ー症 状 で あ る場 合 が 多い ので あ る か ら,こ の点 チ オ アセ タ ゾンは 肋 膜 炎 の よい 治 療 剤 で あ る。 ・1. 筆 者 ば,家 族 の 再 発 の こと も考 慮 し,上 記 処 方 を風 邪薬 と し て愛 用 して い た 。 流 感 に ス トマ イ が よ く効 い た とい うこ と を耳 にす る こ と があ る が,そ の よ うな 時 に は 特 に この 大 平 氏 の 処 方 が よ く効 くの が興 味 深 い こ とで あ る。.、. ■ 結 言 筆 者 は 自分 が 医師 免 許 状 を有 す る 医 師 で な い た め に,結 核 症 の 化 学 療 法 の 問 題 と多 年 取 り組 み な が ら,販 売 関係 の行 き詰 りと 同時 に止 む な く研究 を放 棄 した 。現 在 は,経 済 問 題 を 考 え ず に アバ ゾー ン の合 成 を行 い 得 る立 場 にあ る。 本 報 文 に よ って,耐 性 菌 問 題 の や か ま しい 今EI, 今 一 度 チ オ ア セ タ ゾン を追 求 して み た い と 考 え られ る医 学者 が お られ た な らば,筆 者 と して は 出来 る だ けお 手 伝 を 致 した い と考 え て い る 。 ま た 自 分 で 合成 して み よ うと され る方 に は,本 報 文 に充 分 の 資料 が盛 られ て い る。 若 し利 用 され る方 があ れ ば,筆 者 の最 も本 懐 とす る と こ ろ で あ る。

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献 文 川1〕0110vi廿k獣d,,J.伽ot.,田 鋤 ア(1聾501. f2置D旦,几ovi型 赴 禮t`ユコ 」,J幽B"ct.,駐9,"75(195自)噌 1鋤(}噌19,&Co、,17,P,F,,鄙.呂74{1呂95}-1」1,Beard,Hω9帥 叫D血vasr甜1典 不 明. 倒F雌md。S亡h日 皿dcr,恥 坑,29,2,500. 怖1内L畦 描,陳 学,1量,No,O(理 蛇7}. 1刊 内111誉 ・ 雌 生 省 限 捌i動 國 立 療 養 瓶 眠へ 切 皿 循Lに よ る く"健助 . ㈲ 北 本,農 丁'1:1,暑`軸骸 の 化 単 燦 接"く 昭 訪)掲 臓 龍 文 (PP.175司04)1.1比 野,磯{エ,"結 骸 化 字 療 法 直ゆ 」llL叶膿 」姥11. 勘 厚 生1熾 核 痴 法 研 究 脇 議 魚 申'チか セ ミ 加 レバ ゾ ー ン 剤 に 関 す る 臨 珠 兜 瞼 慨1} ,・・1]木課1噺 輸 蝋 量〔粥 i4碧4丹 〕1旧 和2『弗12工11:畑 距 看了, 岨稲{菖}項 掲 壇 諭 交 (PP・6ト 畦7〕(NF.7ト79)(P.鋤 岩 崎 竜 画,``紬 核 症 化 字 僚 法 の 病 理 解 剖'㌦ 曲 小 密 悦 誼 敬 極 門 下 堀F槌 雌 氏 訟 丈,昭 和2到 印,発 衰 機 闘 末 詳 . 価 木II岐 夫 、``化`芋籍 蟄 の 事 故 と肇 鋤 特 異"ロP.呂"∼ 肱 岨 大 平 ・一・郎,Vii`の 爽 際,2.甜a(II配 ㊧,

参照

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