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扇形の面積や弧の長さの求め方の指導のあり方についての一考察

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Academic year: 2021

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(1)Title. 扇形の面積や弧の長さの求め方の指導のあり方についての一考察. Author(s). 赤本, 純基. Citation. 北海道教育大学紀要. 教育科学編, 69(2): 167-176. Issue Date. 2019-02. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/10410. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 北海道教育大学紀要(教育科学編)第69巻 第2号 Journal of Hokkaido University of Education(Education)Vol. 69, No.2. 平 成 31 年 2 月 February, 2019. 扇形の面積や弧の長さの求め方の指導のあり方についての一考察 赤 本 純 基 北海道教育大学附属釧路中学校. A Study on the Method of Guidance on Determining the Area of a Sector and the Arc Length AKAMOTO Junki Kushiro Junior High School Attached to the Hokkaido University of Education. 要 旨 本実践研究は,中学校第1学年「平面図形」の単元における,扇形の面積や弧の長さの求め 方の指導のあり方について,授業を構想・実践し,その効果について考察したものである。第 1章で研究の目的と方法,第2章で単元観,生徒観,指導観,単元目標について,第3章で本 実践につながる単元中の学習について,第4章で本時の主張点について,第5章で実践の内容, 第6章で検証,第7章で成果と課題,第8章で本実践の指導案と板書を示す。. 1.研究の目的と方法 本稿の目的は,中学校第1学年「平面図形」の単元における,扇形の面積や弧の長さの求め方の指導のあ り方についての授業実践を提案することである。扇形の面積や弧の長さの求め方について,具体的な実践に ついての先行研究は見当たらない。そこで,次のような方法で行うこととした。 ⅰ)単元観,生徒観,指導観や本実践につながる単元中の学習について示した上で,本時の主張点を提案 する。 ⅱ)本時の主張点を生かした授業を構想・実践し,その効果について考察する。. 2.単元観,生徒観,指導観,単元目標について 第一に,単元観についてである。平面図形についての学習の意義は次の2点である。 ・身の回りの事象を「形」,「大きさ」,「位置関係」という観点から考察することが多く,それには平面 図形についての基礎的な概念や性質についての理解を深め,それを活用して問題の発見や解決に取り 組むことが必要とされること。. 167.

(3) 赤 本 純 基. ・平面図形の性質や関係を直観的に捉え,数学的な推論の方法によって論理的に考察する能力の基礎を 培うこと。 しかしながら,今日の我が国の中学生の状況は芳しくない。例えば,平成28年度の全国学力学習状況調査 において, 「筋道を立てて考え,証明することができる」を出題の趣旨とした問題の正答率は30.0%(無解 答率21.8%) (文部科学省,2017a)。 「付加された条件の下で,新たな事柄を見いだし,説明することができる」 を出題の趣旨とした問題の正答率は38.1%(無解答率29.9%)であり,総じて課題を抱えている状況といえ る。平成29年告示中学校学習指導要領解説数学編では,本単元に関わる「思考力,判断力,表現力等」につ いての中学校第1学年の目標を「図形の構成要素や構成の仕方に着目し,図形の性質や関係を直観的に捉え 論理的に考察する力を養う」と設定している(文部科学省,2017bより 一部抜粋)。学習指導要領改訂に 向けて,指導によりよい工夫が必要とされているのが現状といえる。 第二に,生徒観についてである。本単元において目指す生徒像は,平面図形の性質や関係を直観的に捉え, 数学的な推論の方法によって論理的に考察し,見いだした性質や関係について統合的・発展的に考察しよう とする姿といえる。授業学級である第49期生第1学年A組は,積極的に発言する生徒が多い。7月に実施し た附属釧路中学校で実施している数学学習意識調査では,「数学の勉強はおもしろいと思う」「難しい問題で もすぐに解くことを諦めずにねばり強く考えようとする」「授業で学んだことを,更に深く追究したり,発 展的な内容に挑戦したりしようとする」など,肯定的な項目を選択する生徒がどの項目についても80%以上 いる。しかし, 「数学の勉強はおもしろいと思う」の項目では,約10%の生徒が否定的な回答をしている。 また,4月に行った標準学力検査NRT /集団基準準拠検査において,図形領域の「数学的な見方や考え方」 の観点の正答率が59.2%と他観点(80%前後)と比べて低い結果であった。特に,「台形の求積の応用」の 正答率は23.5%,「三角形の求積の応用」の正答率は23.5%(図形領域の平均正答率は70.0%)であり,学習 した内容について発展的に考えることを苦手としている生徒が多いこともうかがえる。 第三に指導観である。上述のことを踏まえ,本単元の指導の重点を次の2点と捉えた。 ⅰ) 事柄が成り立つ理由を筋道立てて考え,説明できるようにすること。 ⅱ) 問題解決の過程を振り返って統合的・発展的に考えることができるようにすること。 そこで,本単元では,次のように単元目標を設定した。. . 図形の移動や基本的な作図についての理解を深め,それらについて表現したり処理したりする方法を習 得し,図形に潜む性質や関係を直観的に捉え,数学的な推論の方法によって論理的に考察する能力を高め るとともに,それらを活用して見いだした性質や関係について統合的・発展的に考察しようとする態度を 培う。. . 以下,この単元目標のもとに扇形の面積や弧の長さの求め方の指導のあり方について提案していく。. 3.本実践につながる単元中の学習について 単元観,生徒観,指導観を踏まえて,以下のような単元の評価規準,単元計画に基づいて実践を行った。 ⑴ 単元の評価規準 数学への 関心・意欲・態度. 数学的な見方や考え方. 数学的な技能. 数量や図形など についての知識・理解. ア 平 行 移 動, 対 称 移 動 ア 移動前と移動 後 の 二 ア 定 規 や コ ン パ ス, 分 ア 平 行 移 動, 対 称 移 動 及 び 回 転 移 動 に関心を つの図形の関係を調べ, 度 器 な ど を 使 っ て, 図 及び回転移動の意味を も ち, 図 形 を 移 動 し た 図形の性質を見 い だ す 形 を 平 行 移 動 し た り, 理解している。. 168.

(4) 扇形の面積や弧の長さの求め方の指導のあり方. り, 移 動 の 前 後 の 二 つ ことができる。 の 図 形 の 関 係 を考えた イ 作図した図形 が 条 件 りしようとしている。 に適するもので あ る か イ 基 本 的 な 作 図に関心 どうかを振り返 っ て 考 を も ち, そ の 方 法 を 考 えることができる。 え た り, 問 題 の 解 決 に ウ 扇形の面積と 弧 の 長 生 か し た り し ようとし さの求め方を考 え る こ ている。 とができる。 ウ 扇 形 の 弧 の 長さと面 積を求めようとしている。. 対 称 移 動 し た り, 回 転 イ 垂 直 二 等 分 線, 角 の 移動したりすることが 二 等 分 線, 垂 線 な ど の できる。 作 図 の 方 法 を 理 解 して イ 垂 直 二 等 分 線, 角 の いる。 二 等 分 線, 垂 線 な ど の ウ 扇 形 に つ い て, 弧 の 基本的な作図ができる。 長 さ や 面 積 が そ の 中心 ウ 扇 形 と 弧 の 長 さ と 面 角 の 大 き さ に 比 例 する 積を求めることができ ことを理解している。 る。. ⑵ 単元計画 本実践は,次のような単元計画で行った。学習事項と評価の観点を括弧内に示す。 1時間目…しきつめ模様を図形の見方でみたり,図形を移動してしきつめ模様をつくったりする。 (関ア) 2時間目…平行移動の意味を理解し,それらの性質を見いだし,用語や記号を用いて表す。(技ア・知ア) 3時間目…回転移動の意味を理解し,それらの性質を見いだし,用語や記号を用いて表す。(技ア・知ア) 4時間目…対称移動の意味を理解し,それらの性質を見いだし,用語や記号を用いて表す。(技ア・知ア) 5時間目…平行移動,回転移動,対称移動を組み合わせた移動を考え説明する。(考ア) 6時間目…問題演習 7時間目…作図における定規とコンパスの役割と使い方を理解し,簡単な作図をする。(関イ) 8時間目…垂線の作図方法を理解し,その作図ができる。また,点と直線との距離,平行な2直線の距離 の意味を理解する。(技イ・知イ) 9時間目…線分の垂直二等分線の作図方法を理解し,その作図する。(技イ・知イ) 10時間目…角の二等分線の作図方法を理解し,その作図する。(技イ・知イ) 11時間目…円の接線の性質を理解し,それを利用して円の接線を作図する。(技イ・知イ) 12時間目…基本的な作図を利用して,いろいろな条件をみたす作図をする。(考イ) 13時間目…基本的な作図を利用して,75°の角を作図する方法を考え説明する。(考イ) 14時間目…扇形の中心角の意味や,扇形の弧の長さや面積が中心角に比例することを理解する。(関ウ・ 知ウ) 15時間目…扇形の面積や弧の長さの求め方を説明する。(考ウ)【本時】 16時間目…扇形の面積や弧の長さの求め方を利用して,問題を解決する。(考ウ) 17時間目…問題演習. 4.本時の主張点について 本時の主張点は4点である。1点目は,小学校での学習内容とのつながりについてである。授業学級の生 徒は,小学校時に全員図1の教科書を使用している。円の半分や4分の1のみの取り扱いとなっている。 よって,本時では,扇形の面積や弧の長さを中心角の全体に対する割合の考え方を使って求めることへ,数 学的な見方・考え方を拡張することを強調することを目的に構成した。なお,前時の終末には,扇形の中心 角と面積や弧の長さが中心角に比例することを取り扱い,本時につなげている。. 169.

(5) 赤 本 純 基. . 図1 本実践の学習内容に関連する小学校算数の教科書(新編 新しい算数6より抜粋). 2点目は,本時の問題の数値の意図についてである。小学校の学習内容を拡張しつつ,自然と中心角の全 体に対する割合の考え方が導き出せるように,2つの扇形を比較する問題とした。数値については,別表1 のように半径が1〜9cmの整数値で,中心角が1°~90°の扇形で,面積と弧の長さが整数値になるものは, 810通りのうち,11通りである。この中で,面積が等しく弧の長さが異なるものは,1通りである。よって, 扇形の面積は等しいけれど,弧の長さは異なるということに対する,おもしろさを感得させるために,この 数値を採用した。 3点目は,扇形の面積や弧の長さを中心角の全体に対する割合の考え方を見いだす場面での問い返しにつ いてである。1/9と40°の関係について言及することで,単位分数倍ではなくても,中心角の全体に対する割 合で,面積や弧の長さが求められることを子供がいかにも自分たちで見つけ出したかのように思わせるよう に工夫した。 4点目は,確認問題の数値の意図についてである。中心角を11°とすることで,中心角の全体に対する割 合で面積や弧の長さを求めると,中心角がどんな数値でも求められるというよさを感じさせ,一般化につな げるためにこの数値に設定した。. 5.実践の内容 実施日:平成29年10月27日(金)1校時 生 徒:北海道教育大学附属釧路中学校第1学年34名 授業者:赤本 純基 授業のプロトコル:. 170.

(6) 扇形の面積や弧の長さの求め方の指導のあり方. 時間. 発言者. 0. T S T S T. 5. S T S T S1 T S1 T S T 10. 15. T S2 T S S S T T S4 T S4 T S5 T. T. 20. S5 T S5 T S5 T S6 T S6 T S. 発言内容 「うまそうだな。好きなんだよこれ」 「ピザパイだ」 「好きな人?これは何ていう形ですか?」 「円」 「この中心を通るような形でこんな風に切ったアとイのピザパイがあります。」 「どっちが大きいでしょう?」 「えー」 「わかんない」 「情報が少なすぎるよね。情報を伝えますね。」 「アのここの角度は90° 」 「イは40°」「これで十分?」 「半径も知りたい」 「アが6cm,イが9cmです。さて,どっちが大きいでしょう。予想してノートにかこう。」 「どっち?」 「イです」 「イだと思う人学級に何人くらいいると思う?」 「0人」 「イだと思う人?・・・結構いるね。アの人は?」 「どうやって調べたらいいかな?」 「扇形の面積を調べる。 」 「これ扇形っていう名前でしたっけ。扇形の面積を調べるのに自信があるって人は?・・・では, これを今日の課題にしましょう。」 ・個人思考 「これで何を求めようとしたの?」 「360° にしたときの円の面積」 「円の面積を求めようとしたのか。円の面積求めるときってどうするんだっけ?」 「半径×半径×…」 「半径×半径×3.14 ?」 「π」 「πでいいんだよね。これ使ったらできるのかな。」 「S3くん式書いてきて。 」 6×6×π×1/4 「S3くんの考えわかる人?隣の人に言ってみて。」 ・話し合い 「6×6×π っていうのは円全体の面積を表していて。」 「この図でいうとどこなの?」 「円全部。この形は円の1/4だから×1/4する」 「今のどういうこと?大きくうなずいてたね。説明して下さい。」 「90° の形が4つそろったら円になるから1/4」 「イの方もできた人?こんな式になるんだね。」 「この式だけ書いてきてください。」 9×9×π×1/9 「この式の意味わかるって人?隣の人に話してみて。」 ・話し合い 「こっちと同じように円全体の面積を求めてから…」 「これは円の面積なんだね。図で言うとどこか手で表してみて。」 「それで40° っていうのは360°のうちの40°なので1/9を…」 「さっきこの1/9がわからないって話してる人がいたんだけど」 「1/9は360° のうちの40° だから40/360」 「つながる?」 「大きくうなずいてるね」「アの1/4も同じように表したらどうなる?」 「90/360」 「じゃあイ計算したらどうなりました?」 「9π」 「一緒だね。面積等しいってことは弧の長さも同じってことだよね?」 「いや,ちがう。待って!同じに決まっているよ」. 171.

(7) 赤 本 純 基. 25. 30. T T S T. T S7 T S7 T S7 T S8 T T S8 T S8 T S9 T. 35. S T. T. T S10 T S11 T S11. 40. T S11 T T T S12 T S12 T. 50. 172. 「同じだと思う人?違うと思う人?」 「どうやって調べたらいい?」 「計算する。 」 ・個人思考 「この式だけ書いてきて。 」 12π×1/4=3π 18π×1/9=2π 「説明して。 」 「まず円の直径が12なので円周を求めると12πになります。」 「これは円周の長さなのね。図でいうとどこになります?」 「でこの形は360のうちの90なので1/4をかけます。」 「いまのついてこれる?イは?」 「イも同じようにまず円周を求めて18πになってそれに1/9をかけます。」 「ちょっと苦しそうな顔してたね。説明できる?」 「ちょっと苦しいです。 」 「苦しいって人もいるから隣の人に説明してみて。」 ・話し合い 「イの方を説明してみて。 」 「まず円周の長さを求めて。 」 「円周を求めるのか。 」 「それに40/360の40でわったものをかける。」 「ん?ちょっとたりないな。助けてあげて。この式の説明をして。」 「この形は中心角が40° なので40/360の約分した1/9をかけます。」 「じゃあここまでノートに残しておこう。」 「これ結局弧は同じ?」 「不思議だ!アが大きい!!」 「じゃあこれだったら?」 半径が6cm,中心角が11° の扇形の面積と弧の長さを求めよう。 ・個人思考 「式だけ書いてきて。 」 6×6×π×11/360 12π×11/360 「こんな式になったらしいんだけど。この式の意味わかる?」 「説明してください。 」 「まず円の面積を求めてから中心角が11°なので11/360をかけます。」 「理解できるなって人?ちょっと厳しい?」 「大丈夫です。 」 「説明して。 」 「まず6×6×π って言うのは円の面積を表していて,それに11/360をかけて扇形の面積が出せ ます。 」 「どうでしょう?弧は?」 「弧も同じようにまず円全体の弧を求めてそこに11/360をかけました。」 「よさそう?いま扇形の面積と弧の大きさを求めてきたけど。結局どういう計算したらいつでも 扇形の面積と弧の長さは求められるの?」 「言葉で言うとなんていえる?隣に話してみて。」 ・話し合い 「はいS12くん」 「面積は?」 「円の面積×中心角/360」 「どう?これでできそう?・・・弧の長さは?」 「円周の長さ×中心角/360」 「ここまでしっかりノートに残しておきましょう。」.

(8) 扇形の面積や弧の長さの求め方の指導のあり方. 6.検 証 第一に,小学校での学習内容とのつながりについてである。本時では,円をしきつめられないような扇形 の面積や弧の長さを中心角の全体に対する割合の考え方を使って求めることへ,数学的な見方・考え方の拡 張を目的に構成した。導入問題の解決過程で「1/9は360°のうちの40°だから40/360」,確認問題の解決過程 で「まず6×6×π って言うのは円の面積を表していて,それに11/360をかけて扇形の面積が出せます」と いった生徒の発言が引き出された。これは,扇形の面積や弧の長さが中心角の全体に対する割合の考え方で 求められることの理解に至った結果といえると考えられないだろうか。 第二に,本時の問題の数値を工夫したことによる効果についてである。導入問題の弧の長さ求めた後「不 思議だ!アが大きい!!」といった声が教室中に溢れた。このことから,扇形の面積は等しいけれど,弧の 長さは異なるということに対する,おもしろさを感得させることができたと実感している。 第三に,扇形の面積や弧の長さを中心角の全体に対する割合の考え方を見いだす場面での問い返しについ てである。20分経過時のプロトコルは次の通りである。 T「さっきこの1/9がわからないって話してる人がいたんだけど」 S「1/9は360°のうちの40°だから40/360」 T「つながる?大きくうなずいているね。アの1/4も同じように表したらどうなる?」 S「90/360」 1/9と40° の関係について言及するために,「さっきこの1/9がわからないって話してる人がいたんだけど」 ととぼける働きかけを行った。その結果,上のような文脈が生まれ,中心角/360の割合を用いて,扇形の面 積が求められることを子供が自分たちで見つけ出した様子が見られた。. 7.成果と課題 本実践は,単に1つの扇形の面積や弧の長さを求めるのではなく,半径,中心角の異なる2つの扇形を用 いて,面積や弧の長さを比較する問題とすることで,それらの求め方について説明できるようにすることを 狙った。 本実践により,生徒は「扇形の面積や弧の長さを中心角の全体に対する割合の考え方を使って求めるこ と」の理解が深まり,その様子は,確認問題の解決過程でも,生徒の発言からうかがうことができた。 また,半径が1桁の整数値,中心角が90°以下の扇形を考えた場合,面積と弧の長さが整数値で,かつ面 積が等しく弧の長さが異なるケースは1通り(半径6cmで中心角が90°の扇形と半径9cmで中心角が40°の 扇形)しかないことに着目し,この数値を採用し,本時の課題とした。それにより,生徒が,同じ面積の扇 形であっても弧の長さが異なる場合があることを実感を伴って理解した。さらに,教師の働きかけにより, 生徒自ら「扇形の面積や弧の長さを中心角の全体に対する割合の考え方を使って求めること」を理解し説明 できる様子が見られた。 本実践における上記の効果は,具体的なプロトコルの分析から明らかにすることができた。しかし,平面 図形の単元全体の構想のあり方については,さらに考えていく必要があると考える。. 173.

(9) 赤 本 純 基. 8.本実践の指導案と板書 ⑴ 本時の目標 2つの扇形の面積や弧の長さを比較することを通して,それらの求め方について説明することができる。 ⑵ 本時の展開(15/17時間). 174.

(10) 扇形の面積や弧の長さの求め方の指導のあり方. 引用・参考文献 ・文部科学省,2017a,平成28年度 全国学力・学習状況調査 報告書 ・文部科学省,2017b,中学校学習指導要領解説 数学編,日本文教出版 ・図書文化,2017,標準学力検査NRT /集団基準準拠検査 ・藤井斉亮ほか41名,2014,新編 新しい算数6,東京書籍 ・相馬一彦,2000,「問題解決の授業」に生きる「問題」集,明治図書 ・相馬一彦,2009,新「問題解決の授業」に生きる「問題」集,明治図書 ・澤田利夫・坂井裕ほか,2016,中学数学1,教育出版 ・藤井斉亮・俣野博ほか,2016,新しい数学1,東京書籍 ・一松信・町田彰一郎・岡田樟雄・池田敏和ほか,2016,中学校数学1,学校図書 ・岡本和夫・森林馨・佐々木武・根本博ほか,2016,未来へ広がる数学,啓林館 ・赤攝也・吉田稔・相馬一彦ほか,2016,数学の世界1,大日本図書 ・岡部恒治ほか,2016,中学校数学1,数研出版 ・重松敬一ほか,2016,中学数学1,日本文教出版 ・坪田耕三・金本良通ほか,2015,小学算数6,教育出版 ・藤井斉亮ほか,2015,新しい算数6,東京書籍 ・一松信・岡田樟雄ほか,2015,みんなと学ぶ小学校算数6年,学校図書 ・赤攝也・橋本吉彦ほか,2015,たのしい算数6,大日本図書 ・清水静海・船越俊介・根上生也・寺垣内政一ほか,2015,わくわく算数6,啓林館 ・小山正孝ほか,2015,小学算数6年,日本文教出版. . (附属釧路中学校教諭). 175.

(11) 赤 本 純 基. 別表1. 176.

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