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山田秀三「アイヌ語地名を歩く」の教材化(3) : 指導資料作成の試み

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Academic year: 2021

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(1)Title. 山田秀三「アイヌ語地名を歩く」の教材化(3) : 指導資料作成の試み. Author(s). 谷口, 守. Citation. 国語論集, 18: 205-221. Issue Date. 2021-03. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/11638. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 山田秀三「アイヌ語地名を歩く」の教材化(3). 語句の説明 作品解説 参考資 料 参 考文 献 学習の手引き解説 板 書例. 谷. 口. 学習指導・授業の展開例(8時間)(本文). 守. 以 下 は、(2)の続 きの指 導 資 料 (以 下「 指 導 書 」)である。なお、 「本文」とは指導資料そのものを指す。 「解説」とは、なぜそのように 作 ったかの説 明 である。そこには 「「 である」こと「 す る」こと」(以 下 「 である~ 」)の 「 第 一 学 習 社 」(以 下「第 一 」)、 「 大 修 館 書 店 」(以 下 「大 修」)、 「桐原 書店」(以 下「桐原」)、 「数研出版」(以 下「数研」)の 指導書比較が書かれており、その長所を本指導書に活かしたい。. 3. ( 205 ). ―指導資料作成の試み―. (2) ↓ (3). はじめに 佐野比呂己 先生(北海道教育大学釧路校教授)に導かれて、 「国 語 教 育 にアイヌ文 化 を」という テー マで、山 田 秀 三 の文 章 の教 材 化 に取り組んで三年になる。一年目は教材とその概要(注1)、二年目 は、高 校 教 科 書 でお馴 染 みの評 論 文「「 である」こと 「 す る」こと」の 四社の指導資料を参考にして、左の表のように指導資料を作ってみ た(注2)。 教材「アイヌ語地名を歩く」 (甲) (乙丙丁戊) 指導 資 料 1 単元のねらい 2 教材のねらい 3 学習指導・授業の展開例(~時間) 4 出 典・ 原 文 と の 異 同 5 作 者( 筆者 ) 解 説・略 歴 6 要約( 百字・ 二百字 ) 7 構 成 ( 段落 構 成 ) 8 構成展開図 9 発問例と解答例. −205−. 15 14 13 12 11 10.

(3) 指. 導. 目. 標 入. 学. 学習指導の展開例(8時間扱い) 時 (1)北 海 道 のアイヌ語 由 来 の 導 地名に興味を持たせる。. 習. 活. 動. 1知っている北海道の地名を挙げる。 2地名の由来や意味を考える。. (手引き1). 3アイヌ語由来の地名に興味を持つ。. 4甲を通読する。. 5第一段を学習者が音読する。. 指. 導. 上. の. 留. 意. 点. 1アイヌ語由来の地名以外にも自由に発 表させたい。 2日 本語では理解できない地名と、難読 地名が多いことまででとどめる。 3日 本 語 で意 味 の分 かりにくい地 名 は、 アイヌ語 由 来 の地 名 が多 いことを理 解 させる。 4甲 全 体 がどのよう な流 れになっている かを 考 え て読 ませる。手 引 き 1につい て、ここでは考 えさ せるにとどめて、第 4時に解答させる。. 6北 海 道 の地 名 に対 す る、筆 者 の持 つ 6筆 者 の地 名 への印 象 が、形 を変 えて繰 印象を理解する。 り返されていることを理解させる。 1第二段を音読する。. 2地 名 が変 えら れていった経 緯 を読 み 2仮名 から漢字表記への過程で地名が呼 取る。 び方が変えられていったことを読み取ら せる。 3第三段を音読する。. ( 206 ). 時. 1 (2)甲 の文 章 を読 み、概要 を 展開1 把握させる。 第 (3)第 一 段(~ 風 韻を感じさ せてくれるのであろう か。) を読 んで、筆 者 の地 名 に対 する印象を理解させる。. (2)第三段(~答えだったので はなかろう か。)を読 んで、. (1)第 二 段 (~ 容 易 にできる 展開2 ことではない。)を 読 んで、 時 アイヌ語由 来の地名の変 遷 と、その原 形 復 元 の難 しさ を理解させる。 2. 第. −206−.

(4) 「地名の語義」復元の難しさ を理解させる。. 展開4. 2地名の原形、語義の復元経緯が第二段 から続 き、理 解 が難 しいことを読 み取 らせる。. 4地 名 の 「 原 形 」と「 語 義 」の復 元 があ 4復元には 「アイヌ語時代の原形」の復元 り、どちらも 「容易」ではないことを理 と、 「地名の語義」の復元の二つがあり、 解する ど ち ら も 困 難 であ ること を 理 解 さ せ る。 1第四段を音読する。 2アイヌ語 地 名 語 義 が解 りにくい理 由 を読み取る。. 3第五段を音読する。. 5後に乙丙の文章とつながることに注意 する。. 4 「 アイヌ語 地 名 の大 部 分 は地 形 をいっ 4簡潔に答えさせる。 たもの」とはどういうことか理解する。 5筆 者 の調 査 法 (① 同 形 地 名 調 査 、② 現 地 調 査 、③ 周 辺 地 名 考 察 、④ 古 老 (地 元 民 )聞 き 取 り 、⑤ 旧 記 旧 図 調 査)を理解する。 1第六段を音読する。. ( 207 ). (1)第 四 段 (~ 持 ち切 れるこ 展開3 とはない。)を読 んで、アイ 時 ヌ語 の研 究 が進 んでも、地 名の語義理解が難しい点を 読み取らせる。. (1)第 六 段 (~ 最 終 行 )を読 んで、アイヌ語地名への筆者 の思いを理解させる。. (2)第 五 段 (~ そんな気 持 ち だった。)を読 んで、筆 者 独 3 特のアイヌ語地名語義調査 方法を理解させる。. 第. 時. 2 「 先 輩 の汗 の滲 んでいる地 名 」とはど 2 「 対 す る地 名 」とは、 「 内 地 にごろごろ う いう 地 名 か。また、それに対 す る地 ある、平 凡 で特 色 もない地 名 」であり、 名とは何かを理解する。 それらを具体的 に学習 者に答えさせ、 出 にくければ、授 業 者 が例 を挙 げてみ てから聞くとよいだろう。. −207−.

(5) 発展2. (3)甲 の文 章 と、形 式 の異 な 発展1 る乙 丙 の文 章 を読 み比 べ、 両者の関係を気づかせる。. (1)乙丙 を読 んで、甲第 五段 の調査方法のどれと対応す るかを理解させる。. 発展3. 3甲 の文 章 全 体 の流 れをつかみ、最 終 3 「 筆 者 の思 い」を見 つけるのは困 難 では 的 に筆 者 の思 いへと至 ることを理 解 す なかろう が、文 章 全 体 がこの思 いへとつ る。 (手引き1) ながることを理解させる。 4甲 とは形 式 の異 なる乙 丙の文 章を通 読する。. 5甲 の第 五 段 と乙 丙 の文 章 が対 応 して 5乙 丙 は筆 者 の具 体 的 な地 名 調 査 の文 いることを理 解 す る。抽 象 的 な甲 ・第 章であり、甲の中で最も関連の深 いのは 五段を具体化したのが乙丙であること 第五段であることを捉えさせたい。 を捉える。 1乙の文章を音読する。. 2乙 の文 章 が、甲 ・第 五 段 の② 現 地 調 2わかりにくければ、甲 ・第 五 段 の板 書 査 、④ 古 老 (地 元 民 )聞 き取 り、⑤ 旧 ノートを確認させる。 記 旧 図 調 査 にあたることを理 解 さ せ る。 (手引き2) 3丙の文章を音読する。. 1わかりにくければ、甲 の第 三 段 に 「徳. 4丙 の文 章 が、甲 ・第 五 段 ① 同 形 地 名 4乙の文章で学習したので、スムーズに理 調査、②現地調査、③周辺地名考察、 解が進むだろう。 ⑤ 旧 記 旧 図 調 査 にあたることを理 解 させる。 (手引き2) 1甲の文章から、徳川(江 戸)時 代~明. ( 208 ). 4 (2)甲の文章全体の流れをあ まとめ らためて理解させる。. 第. 時. 5. 第. (1)「 徳 川 時 代 」~ 明 治 の調. −208−.

(6) 川時代」とあることを学習者に伝える。. 2丙の文章の 「アイヌ語地名に嘘はない」 2はじめに丙 の読 解 だけで考 えて、後 に とはどういうことかを、甲第 五段の語 甲 第 五 段 を 参 考 にす るよう 指 示 す る 句を使って理解する。 (手引き3) とよい。. 治 時 代 の調 査 方 法 を読 み取 り、筆 者 の方 法 が、より卓 越 したものであるこ とを理解する。 (手引き2). 「 アイヌ語 地 6 (2)丙 の文 章 の 名に嘘はない」とはどういう ことかを理解させる。. 3由 来 を調 べる地 名 を何 にす るか考 え 3できれば住所や、知っているアイヌ語由 る。 (手引き4) 来 の地 名 を選 ばせる。学 習 者 どう しで 同じ地名が重なってもかまわない。必要 に応じて地図を配付する。. 査 方 法 と 筆 者 のそれ を 比 較 し、相 違 点 を 理 解 さ せ る。. 第 (3)地 名 の由 来 を調 べるにあ たり、どの地 名 にす るか選 ばせる。. ( 209 ). 時. 時 (1)随 筆 の書 き方 、構 成 メモ 発展4 を説明する。. 1それぞれ地 名 の由 来 調 査 、構 成 メモ 1学 習 者 の進 度 によって開 きが出 るだろ 作成、随筆書きを進める。完成後、提 う 。遅 い者 には授 業 者 から 助 言 や 提 出する。 案、参考文献の紹介など声掛けしたい。 「 その土 地 の紹 介 」は、名 所 ・史 跡 ・名. 2地名の由来を書籍で調べる者、各自の 2書籍を高校の図書館から、なければ街 スマー トフォンで調 べる者 、構 成 メモを の図書館から数多く借りておく。スマー 作る者に分かれ活動する。 トフォンを持 っていない学 習 者 に配 慮 す る。ただし、書 籍 を主 に、インター ネ ッ トを副に調べさせる。. 1随筆の書き方の例として、Ⅰ導入、Ⅱ 1必要に応じて、授業者が用意した随筆 地名 の由 来、Ⅲその土地の紹介 、Ⅳそ の構成メモを模範として示す。 の土地・地名への思いに分けて書くこと を理解する。. 7. (1)構成メモをもとに随 筆を 発展5 書かせ、回収する。. (2)興 味 のあるアイヌ語 地 名 の由 来 を調 べ、それに関 す 第 る随 筆 を 書 く こと を 説 明 する。. 時 8. −209−.

(7) 学習活動. 備. 考. 学習 目 標. 学習活動. 学習活動. 指導上の留意点. 指導上の留意点. ( 210 ). 物・お気に入りの場所、訪れた際の感想 など自由に書かせたい。引用した際は、 出典先を明記させる。. −210−. 第. 標. 学習指導・授業の展開例(8時間)(解説) る文 章である。時 と場 所 に応じて 「甲 乙 丁 」「甲 丁戊 」などで授 業を 名 称 は、 「 学 習 指 導 の展 開 例 (第 8時 間 )」としたが、 「 第 一 」「 大 組んでいただきたい。また、 「額朱活動」では、甲の読解で 「展開」、乙 修」に倣ったものである。 「桐原」は 「学習指導計画表」、 「数研」は 「授 丙との比べ読み、随筆書きで 「発展」とした。 業の展開 例」であったが、 「展開」という名 称を学習 指導案で伝統的 に何度も目にするので、これを採った。 4 出典 ・ 原文 と の 異 同( 本 文 ) そして四 社とも左のような名 称をつけて三段の表で記載 している。 「甲」 「 指 導 書 」は授 業 者 が使 用 す るものという 考 えから、1.授 業 者 の 本文 は、 『北 海 道 の地名 』(昭 和 (1984)年 月 日初版発 「指導目標」、2.授業者から見た学習者の 「学習活動」、3.授業者 行 北海道新聞 社)によった。この書の冒頭、1頁から4頁にかけて の授 業 をす る際 の 「 指 導 上 の留 意 点 」と理 解 して作 成 した。よって、 の 「序」が 「甲」の文章にあたる。省略部分は 「 参考資料」に掲載し 「第一」「数研」と同じ名称となる。 た。 「甲」が載る 『北海道の地名』「序」によると、この書は①昭和 (1 出 版社 上 段 中 段 下 段 971)年 に出 版 さ れた 『北 海 道 の川 の名 』(山 田 秀 三 著 )に 「その他 の川 の名 も書 き加 え」ると 「 話 ししたまま」「 いつまでも気 にかかって 第一 指導目標 学習 活 動 指導上の留意点 いた」後 での、また、②「 昭 和 年 には」「「 北 海 道 大 百 科 事 典 」の地 名部分の執筆をし」、 「時間の関係で限られた地名を書くのに止め」 ていた後での、筆 者 にとっていわば満 を持 しての出 版であったと言え るだろう。 目. 桐原 指導目標. 56. 59. 12. 31. 46. 「乙」「丙」「丁」「戊」 本文は、単行 本『 アイヌ語地 名を歩く』(昭 和 (1986)年6月 日初版発行 北海道新聞社)によった。これが最初に発表された のは、 『北海道新聞 夕刊』(以下『道新』)であり、ほぼ毎週のペース で、金 曜 のコラム 「 アイヌ語 地 名 研 究 おりおり抄 」として書 かれて. 10. 61. 大修. 数研. なお、本 教 材 の対 象 は 「甲 乙 丙 」であり、 「丁 戊 」は補 助 教 材 であ るとあらためて記 しておく。 「 乙 丙 丁 戊 」はどれもソー (滝 )に関 す. 25.

(8) ※1. 札幌のオソウシ. 道新コラム題名 ※2. 地名に嘘はない. 4 7 現地を調べる. 新. 掲. 載. 日. (1984)年1月. (1984)年2月. (1984)年1月. 日 日 日. (1985)年1月4日. 2 甲②段落. 1 甲全体. 「 抜いて来て」. 「 書かれて来た」 「 記録されて来た」 「 あり勝ち」 「 中々巧い字がない」 「 呼び変えられて行っ た」. 「 処」. がっちりしてきた」 → 「. 抜いてきて」 → 「. → → → → →. →. 本 文. 1. 「 書かれてきた」 1 「 記録されてきた」 、 「 ありがち」 「 中々うまい字がない」 「 呼び変えられていった」. 「 所」. 1. 1. 理由. 文. 3 甲③段落. 「 がっ ちりして来た」. 原. 4 甲④段落. 1. 場 所. 5 甲⑤段落. 「 道内を歩き回っ たのは → 削除 2 ( 削除部分は「 参考資 そんな意味だっ た。 」 の後 料 」 ) 「 通っ て来た」 「 大切にして行っ て」. 通ってきた」 → 「 大切にしていって」 → 「 6 甲⑥段落. 3. ( 211 ). 道 昭和 昭和 昭和 昭和. 1. 「 次回にそのことを書いて → 削除 みたい。 」. ほんとうの」 → 「. 7 乙の最後. 8 丁 三文目 「 ほんとの」. 9 乙の後の地図;山田秀三著 『アイヌ語地名の研究1』 より引用した。地図 左右の注は稿者による。. −211−. きた。 『 アイヌ語 地 名 を歩 く』の 「まえがき」(「 参 考 資 料 」)には、 「昭 和五十九年の正 月。道新では一週間に一回、夕刊 三㌻の目立っ た左 肩 の処 に」掲 載 さ れ、 「 昭 和 六 十 年 十 二 月 」まで約 二 年 間 続 け た、とある。また、ここには 「 北 海 道 新 聞 から」「 書 いてみないかとい われたので」という執筆の動機と、 「調査のおりおりの思い出」という つれづれ 執筆内容、 「その時 その時 に思 い出 したことを」「徒 然 なるままに書 いてきた」という執筆の態度も載せられている。左は、 「乙丙丁戊」と 新 聞 掲 載 日 の関 係 表 である。なお、少 なくとも 「乙 丙 丁 戊 」に関 す る 『 道 新 』と単 行 本『 アイヌ語 地 名 を歩 く』の記載 事 項では、漢 字 か 仮名 かの表 記の違 い、括弧 書きの有無 、振 り仮 名の有無、改行の有 無を除いて大きな異同はなかった。. 乙 丙 3 惣内の栗の実. 原文と本文との異同は次のとおりである。. 12. 12. 99. 丁 戊. 20. 17. 13. 59 59 59. 60. ※ 1 単 行 本『 アイヌ語 地 名 を歩 く』に全 部で 掲載 されている 随筆の掲載順 ※2 単行本『アイヌ語地名を歩く』での題名も同じ. 51.

(9) 30. 出 来 事( 太字は本文関係). 齢. 山田秀三(やまだ ひでぞう) 明 治 (1899)年 6月 日 ~ 平 成 4(1992)7月 日 。本 籍 福岡県。東京市赤坂区榎坂町(現東京都港区赤坂)に生まれる。 略 年譜 西暦 和 暦. ( 212 ). 32. 27. 大正 6 東京府立第一中学校卒業。 第一高等学校卒業。 東京帝国大学法学部政治学科卒業。 農商務省工務局属勤務。 高等文官試験合格( 行政科) 、商工省。 内閣資源局調査課勤務。 海外資源調査、約6ヶ月間欧米諸国へ 。 昭和 仙台鉱山監督局長。 東北の地名調査開始。 東北のアイヌ語地名に関する 「山の傳説」 を河北新報に 発表。 内閣官房調査官兼内閣東北局長、内閣官房参事官、 軍需省化学局長など歴任。 終戦。退官( 商工省整理部長) 。 この頃、 金田一京助( 東京杉並) に師事。 北海道曹達株式会社設立、社長。東京と北海道の往復 生活。 昭和 、 年頃から北海道生活が長くなり、金田一か ら知里真志保( 北大文学部講師) を紹介される。 この頃、 北秋田郡阿仁町( 現北秋田市) 惣内調査。. 25 26. 訂正の理由は次のとおりである。 理由1・・・教科書として、より適切な表記にするため。 理 由 2・・・単 行 本 序 文 で、発 行 の経 緯 や 単 行 本 全 体 の説 明 が書 かれており、教科書として不要であるため。 理由3・・・新聞のコラムの連載のために書かれており、教科書とし て不要であるため。. 作 者 解 説・ 略 歴 ( 本 文 ). −212−. 25 22 18. 26. 43 42 36. 44. 46. 13 10. 14. 17 16 10. 18. 20. 24. 28. 24 21 17. 25. 42 41 35. 43. 45. 49. 53. 50. 54. 出典・原文との異同(解説) 各社の 「出典と異同」について見ていこう。 「 第 一 」は、教 科 書 本 文 の出 典 が 行 に、異 同 とその訂 正 理 由 が 十五項目にまとめられている。 「大修」は、出典で6行と、四項目の異同が書かれている。 「桐原」は、出 典の説明だけで見ると四 社で一番長い。また、他社 に比べて教科 書 本 文 において、原 文 からの省 略が多 いため、 「原文の 加除・訂正」も長く、十五項目が5頁以上に書かれている。 「 数 研 」は、書 物 の出 典 のみならず 、著 者 の発 想 (どのよう にして 著者が教科書に書かれた考えに行き着いたか)の出所までを1頁に わたり解説している。また、十七項目の 「異同」がある。 「異同」は、 「第一」や「大修」に倣って、なるべく短く収めた。また、 「数 研」に倣って、原典の削除部 分で長いものは 「参考資料」として後 掲 し、書 き方 は見 や す くなるよう「原 典 → 本 文 」を表 にし、理 由 を 付した。 なお、甲 ② ③ 段 落 の 「 徳 川 時 代 」という 名 称 は、学 習 者 にとって 「江戸時代」のほうがなじみがよいと思うが、 「である~」でも使われ ている語なので倣いたい。 5. 10.

(10) 『東北と北海道のアイヌ語地名考』 。 この頃、 札幌市豊平区精進川調査。 『札幌のアイヌ語地名を尋ねて』 古宇郡泊村興志内川調査。 『北海道の川の名』 北海道文化賞受賞。 『アイヌ語地名の研究 山田秀三著作集 第1巻』 『アイヌ語地名の研究 山田秀三著作集 第2巻』 『アイヌ語地名の研究 山田秀三著作集 第3巻』 『アイヌ語地名の研究 山田秀三著作集 第4巻』 この頃、 常呂町( 現北見市) 常呂川調査。 『北海道の地名』 『アイヌ語地名を歩く』 平成 4 北海道文化財保護功労者賞受賞、同年没。 5 『東北・ アイヌ語地名の研究』 7 『アイヌ語地名の輪郭』. 83 82 79 71 68 65. 57. 61 59. 58 57 54 46 43 40. 32. 93 87 85. 84 83 80 72 69 66. 58. 作者解説・略歴(解説) 四社は作者(筆者)をどう紹介しているか、簡潔に見たい。 まず、各社共通して生没年、出生地などが書かれている。 「第一」は、年譜、思想概略を載せ、表はない。. 〔凡 例〕 ・「西暦」は1900年代である。 ・「齢」は、その年にあらたまった年齢を記載 した。よって 「出来事」発 生時にまだその年齢になっていない場合がある。 ・単著は 『 』で記載した。 ・太字は教材本文の関係事項。. 95 93 92 86 84. 6. 要約 ( 本 文 ). 百字要 約. ( 213 ). 「大修」は、 「略年譜」表、著者の代表作を載せている。 「 桐 原 」「 数 研 」は、年 表 ではなく、文 章 で年 代 を追 いながら思 想 や著作を載せている。 稿 者 は、年 代 は文 の羅 列 よりも表 の方 が見 や す いと考 え、主 に 「大修」を参考にした。また、略年譜には年齢を付した。. 甲. 主な北海道地名はアイヌ語 系のもので、その 原 形 復 元・語 義 解 釈 は難 しいが、地形 を表し た名が多く、同形類形地名の現地調査、古老 聞き取り、旧記旧図調査などからわかってき た。古 くからの地 名 を大 切 にして戴 き たい。 (100字). 二 百 字要約. 主 な 北 海 道 の地 名 は アイヌ語 系 のものであ るが、そ れ ら に漢 字 音 を 当 てたため原 形 復 元 が、多 義 語 ・類 音 語 ・方 言 差 ・訛 り・省 略 な どがあるため語 義 解 釈 が、それぞ れ困 難 に な っている。アイヌ語 地 名 は、地 形 の意 味 を 地名に表 したものが多いので、同形類形地名 の現 地 調 査 、古 老 や地 元 民 への聞 き取 り、旧. −213−.

(11) 丙. 丁. 戊. 百字要約. 札 幌の オ ソ ウ シと 同 じ 地 名が古 宇 郡 に も あ り 、 苦 労 し て 滝 を 見 つ け 、「 ア イ ヌ 語 地 名 に 嘘 は な い」 と い う 金 田 一 先 生 の 決 ま り 文 句を改めて思い出した。 オソウシは段丘が 川 尻 と な り、 そ こ か ら 滝 が 流 れ 落 ち る 川 名 であった。 ( 1 0 0字 ). 百字要約. ア イ ヌ 語 地 名 は、 現 地 調 査 し て 本 当 の 意 味 を知ると楽しい。 常呂川の「 ソー」 は、 旧 図 の 場 所 で な か な か 滝 が 見 つ から な かっ た が、 三度目に川中の岩盤が白波を立てたの を 見 て、 急 流 の 淵 に も 使 う 名 称 だ っ た と わ かった。 ( 9 9字 ). 百 字要 約 そうない. ( 214 ). 記 旧 図 調 査 な どの方 法 によってそれら の意 味がわかってきた。古くからある歴史的 な地 名 を変 えることなく、大 切 にしていって戴 き たい。 (200字). 百 字要 約. 要約をまとめるポイントを以下で四つ挙げる。 1主な北海道の地名はアイヌ語系である。 2それらに漢字音を当てたため原形復元が、多義 語・類 音 語・方言 差 ・訛 り・省 略 などがあるため語 義 解 釈 が、それぞれ困 難 になっ ている。 3アイヌ語地名は地形の意味を地名に表したため、同形類形地名へ の現 地 調 査 ・古 老 (地 元 民 )聞 き取 り・旧 記 旧 図 調 査 などの方 法 によって意味がわかってきた。 4歴史的な地名を変えることなく、古くからの地名を大切にしてい って戴きたい。 これらのうち傍線部を使うと百 字 、全て使うと二百字要 約となる。 乙. 札 幌 の オ ソ ウ シ を 精 進 川 と 見 当 づ け た が、 意 味 の と お り の 川 尻 で なく 上 流 に滝 が あ る た め、 以 前 付 近 を 豊 平 川 が 分 流 し 、 そ こ へ 精進川が注ぎ、その川尻で滝を形成したと 旧図からわかった。 精進川の名もアイヌ語 らしい。 ( 9 9字 ). 秋田の惣内にソー( 滝)はないと言われた が、古地図に地名があり、 ついに滝を見つ け嬉しかった。 高価な茶を所望した地元の 農 家 に 茶 を お 礼 す る と、 栗 が 返 さ れ、 そ の 栗の 実 が 庭 で な る度 に 農 家 の 主 人 を 懐 か し く思う。 ( 99字). −214−.

(12) 構 成 (本 文 ). 意. 要約(解説) 「 第 一 」は、二 百 字 要 旨 、百 字 要 旨 のほかに、一 頁 にわたって 「大 意 」が書 かれている。これは他 三 社 には見 られない。また、 「 要 旨 」の 後に、それをまとめる際のポイントが添えられていた。全体を四つの ポイントに分 け、百 字 要 旨 はポイントを二 つ、二 百 字 要 旨 は全 ての ポイントを盛り込むという、非常にわかりやすい解説であった。 「 大 修 」は、 「 尾 括 式 」文 章 だと指 摘 した後 、二 百 字 、百 字 の要 約 が書かれている。 「桐 原」は、 「構 成 展開 図」の下に全 五 段落 の 「要約」があり、両者 を比較しやすく見やすいが、二百字要約のみで百字はない。 「数研」は、二百字、百字の要旨が書かれている他に何もない。 これらのことから 「第一」を参考にしたが、主要な点という意味の 「要旨」ではなく、要点をまとめたという意味の 「要約」の方がふさわ しい名 称 と考えた。なお、 「乙 丙 丁戊 」は、百 字のみの要 約を載せた。 7. 段. ( とにかく一般和 「困難な原形復元」 段 人の知らない~ アイヌ社会に文字がないため、幕末から明治期、 容易にできるこ 記録された仮名書き地名に似た音の漢字を当て 二 とではない。 ) た。しかし、後にその漢字地名が、似た音ではなく 漢字音に呼び変えられしまっ た。よっ て現在の漢字 地名からアイヌ語時代の原形を知ることは容易で はない。. ( 215 ). 第. ( 幸いに、徳川時代 「困難な語義解釈」 段 から~答えだっ 幸い徳川時代から明治時代にかけて地名記録が 理由は、 たのではなかろ 残されているが、語義は容易にわからない。 三 うか。) アイヌ語に多義語、類音語、 方言差があり、地名も 訛っ て記録された場合があること、使い出した人の 由緒書きがないこと、諸先輩の地名解が各人各説 で違うことによる。特に 「大地名」 はわからない。 第. 段 ( 金田一京助博士 「アイヌ語研究の進歩と、自信の持てぬ地名解 や知里真志保博 釈」 四 士~持ち切れる 金田一、知里博士によっ てアイヌ語の研究が進歩 ことはない。) し、地名解釈が確かなものになっ たが、地名には前 第 後の説明に省略があり、いくら正確に訳したつもり でも元来の意味とは言い切れず、解釈に自信を持 つことができない。. 本 文 箇 所. 甲. 段. 段 ( 北海道の地名の主 「独特な風趣漂うアイヌ語地名」 なもの~感じさ 北海道の地名の主なものは殆どがアイヌ語系で、 一 てくれるのであろ それがきわだった地方色であり、独特な風趣を漂 うか。) わせる。日本語と音の配列が違うため、何となく 美しい、エ キゾティックな風韻を感じさせてくれるの であろうか。. ( 幸いアイヌ語地名 「アイヌ語地名の特色と、筆者の調査方法」 の~そんな意味 多くのアイヌ語地名は地形を地名に表したもの だっ た。) であり、繰り返し同形地名の共通点を見つけている. 第. −215−.

(13) 五 第. と、元来の意味があったらしいと考えるようになっ た。また、現地の地形を眺め、周辺との関連も確か め、古老に尋ね、帰っ て旧記、旧図に当たり直すと 気づくことが多かっ た。. 約. 丁 現地を調べ る. 「根気よく現地調査で意味を知る」 アイヌ語の地名を、単語だけ見ても面白く ないが、現地調査し、古老に尋ねて本当の意 味や古い社会生活を知ると楽しい。旧図に 「急 瀬」 と書かれた例が珍しい、常呂川の 「ソー・ 滝」 がな かなか見つからなかっ たが、三度目に干潮時に行く と、川中の岩盤が現れ白波をたてて流れ下ってい る。「ソー」 は、滝だけでなく急潭の称でもあった らしいとはっきり覚えた。地名は現地で見た いものである。. 「アイヌ語地名に嘘はない」は、金田一京助 先生の決まり文句だった。札幌のオソウシと 同じ地名が古宇郡泊村にあり、滝(ソー)を 調査したが、見つからずとまどった。民家の 裏庭でやっと滝を見つけ、地名に書かれたと おりの地形であり、先生の言葉をあらためて 確信した。オソウシは海岸・河岸段丘が川尻 となるため、オ(川尻)が付く川名であった。. 戊 惣内の栗の実. 「炎天下幻の滝惣内の主人なつかしお茶と山 栗」 あに そうない 三十数年前に阿仁鉱山から惣内に滝はない と言われたが、古資料や役場の古地図には滝 の地名がある。炎天下、汗を流しながら、つ いにソー(滝)を見つけ嬉しかった。近くの 農家で茶を飲んだが、後で高価なものを所望. ( 216 ). 段 ( 北海道地名が~ 「歴史的アイヌ語地名を大切に」 戴きたいもので 歴史的地名であるアイヌ語系の地名をなくした 六 ある。) り、他の地名に替えたりせずに、北海道の地方色 や誇りである、古くからの地名を大切にしていっ て 戴きたい。. 第. 要. 「いにしえの川尻伝えるアイヌ語地名」 札幌の「川尻に・滝が・ついている(もの) 」 という意味のオソウシが、どこにあるかわか らない。見当をつけた精進川の川尻には滝が なく、その上流でやっと小さな滝を見つけた。 しかしそこは川尻ではない。周囲を見渡すと、 長い崖があり、帰って旧図で調べると、かつ てそこにあった豊平川分流へ精進川が注ぎ、 そこが川尻となり滝を形成していたとわかっ た。精進川の名もアイヌ語伝来らしい。. 名. 乙 札幌のオソウシ. 「名にし負うアイヌ語地名に嘘はない」. 題. 丙 地名に嘘はない. −216−.

(14) 構成 展 開図( 本 文 ). 多くの特徴 若干の訛り. 例 モロ ラン ツキサップ. 音の配列 p音・r音が多い 閉音節が少なくない. 〈第 一段〉 主な北海道の地名・・・・・・・・・アイヌ語系 ↓ きわだった地方色 日本語との違い 独 特 な風 趣 何となく美しい エキゾティックな風韻 〈第 二 段〉 アイヌ社会に文字がない 時代 だいたいの地名 徳川 仮名書き. 幕末~明治 漢字書き 似た音の漢字 室蘭 月寒 ↓ ↓ ↓ むろらん つきさむ 漢字が、普通に読む形に呼び変えられた 室蘭 月寒 ↓ ア イヌ 語 時代 の 地 名 の 原 形 を知 る の は 容 易 で な い. 〈第三段〉 徳川~明治時代 アイヌ語地名記録あり ↓ 地 名 の語 義 は 容 易 に わ から な い 理由1・・・アイヌ語(地名)の特徴 ・多義語 ・類音語 ・方言差 ・記録時点での訛り. 理 由 2・・・使 い出 した人 がどう いう 意 味 で地 名 を呼 んだかの由. ( 217 ). したとわかり、帰京後お礼に缶入り茶を送る と、山の栗が返礼に届いた。その栗が庭で立 派になり、実がなる度に農家の素朴な主人が 懐かしく思われる。 ・太字はそれぞれの内容の小見出しである。. 8. 構成(解説) では、四社の 「構成」を比較してみる。 「第一」は、各意味段落の要約を 「段意」と称して表にしている。段 意は、本文の長さに応じてそれぞれ約100字から450字となって いる。このための解説はない。 「大 修 」も 「第 一」とほぼ同様である。違 いは、各 要 約が100字 か ら330字ほどで、表はない 「 桐 原 」は、 「 展 開 図 」・各 意 味 段 落 の 「 要 約 」・「二 百 字 要 約 」が見 開き二頁にまとめられている。よく言えば見やすくわかりやすいが、 悪 く言 えば分 量 が不 足 していると感 じる。(ちなみに指 導 書 の版 の 大 きさ は違 う が、 「 第 一 」は同 内 容 に五 頁 半 割 いている。)この 「要 約」が他社の 「構成」の役割を果たしているととりたい。分量は75字 から160字程度である。 「 数 研 」は、 「 構 成 表 」の名 のとおり 「 表 」になっていて見 や す い。意 味 段落ごとに 「段意」が60字 から150字 程度にまとめられている。 時 折太字があり、重要な点かと思われるが、太字が書かれていない 意味段落もあり、そこはわかりにくい。 以上を見比べて、 「第一」「数研」に倣って作成した。. 甲. −217−.

(15) 緒書きがない →よって、全部の地名解は想像説. アイヌ語系の地名 ↓ ↓ 消える、置き替えられる→もったいない 歴 史 的地 名 地方色 誇り ↓ 大 切に し て い っ て 戴 き た い. 注・以下の○数字は、甲第五段の、筆者の調査法とつながる ①同形地名調査、②現地調査、③周辺地名考察、 ④古老(地元民)聞き取り、⑤旧記旧図調査. 乙. 現在の川尻 札幌のオソウシ(滝川尻)がどこだかわからない ↓ 精進川に見当をつけ、川に沿って上る(②) 養魚池の番人に聞く(④) ↓ 小さな滝があったのでホッとした ここはもう川尻でない 周囲に長い崖 ↓ 帰って調べると、昔は豊平川分流があった(⑤) そ こ が 精 進 川 の 川尻 だ った ↓ 精進川もアイヌ語であるかもしれない. ( 218 ). 理由3・・・諸先輩の地名解が各人各説で違う →現地アイヌの説を聞き書き →時代、人によって解が違う 「大地名」は特に分からない 〈第 四 段 〉 金田一博士、知里博士の時代 ↓ アイヌ語研究が見違えるほど進んだ ↓ 現在の地名解が随分がっちりしてきた →だが地名は前後に省略がある →元来の意味はわからない ↓ 知里博士、嘆息 → 地名解に自信を持ち切れない 〈第五段〉 アイヌ語地名の特色・・・・大部分が地形をいったもの 同形、類形地名が全道に散在 筆 者 の調 査 法 ①同形の地名に行ってみる→共通点がある→元来の意味 ② 現 地地 形 を眺 め 、 ③ 周 辺 地 名 考察 、 ④ 古 老 ( 地 元 民 ) に 尋ね 、 ⑤旧 記 、 旧 図 に 当 た る → 気がつくことも多い 〈 第 六段 〉. −218−.

(16) 滝 ソー. 現在の川尻. 旧川尻 オ. 段丘. 丙イメージ図 川尻 オ. 滝 ソー. 民家. 海へ. アイヌ語の地名・・・単語の意味を当てる・・・・・面白くもない ⇔ 元来どこの名か、現地で地形を眺める →楽しい 土地の物知りに昔話を聞く →ほんとうの意味、古い社会生活を知る. ( 219 ). 旧豊平川分流. 最近こんなことがあった 常呂川「ソー」→旧図「急瀬」(⑤) →見 た が 、要 領を 得ず ( ② ) ↓ 土地の宇田川氏に調べていただく(④)→岩盤ありと聞く 三度目の調査 干潮時、岩盤が現れ、 白波を立てて流れ下っている 「ソー」という語の使い方を覚えた・・・滝 + 急潭 の称 ↓ 地名 は 現地 で 見た いも のである. −219−. 精進川. 戊. 秋田の惣内・・・・ソー・ ナイ(滝の・川)と読める(①) 三 十何 年 か 前 、 「阿 仁 鉱 山」 の 返 事 惣 内 ( 秋 田 )に 滝は な い ところが 古資料・・・・・「滝」に関する地名あり(⑤) ↓ 農家に聞いて(④)ついにソー(滝)を見つけた(②) →嬉しかった ⇔. 乙イメージ図. ). 丁. 丙 「 ア イ ヌ 語 地 名 に 嘘 は な い 」金 田 一 京 助 先 生の 決 まり 文 句 札幌のオソウシ ・・・・・・・・・・・・・・同名地名(① 古宇 郡のオソシナ イ (『西蝦夷日誌』)(⑤) ↓ 滝(ソー)がなかなか見えなかったが、 前後の川名から推し調べた(②③) 民 家裏 に あっ た ↓ 金田一先生の言葉を思い出した ―.

(17) 〈筆者〉 お茶を頼む 飲んで疲れが取れた ↓ 案内役に茶は高価と教わる →東京からおいしい茶を送る 今では庭で立派な木になった →実がなると主人懐かしい. 〈近くの農家の主人〉 お茶を持ってくる. 返礼に山の栗. 戊① ② ④⑤. 四社の指導書の中で違いが鮮明なのがこの構成展開図だ。 「第一」は、指導書冒頭の 「教材のねらい」にもあるように、各段落 の 「 中 心 文 」(太 字 表 記)を軸 に 「 展開 」している。紙 面 も一 頁半 にわ たって、内 容 の濃 い仕 上 がりだ。 「 である~ 」は、ご存 じのとおり 「で ある」論理と 「する」論理の対比で書かれており、図中で上下段に分 けて書いているが、対比だということをもっと目立たせるとよいと感 じた。なお、図作成の経緯、意図も丁寧に書かれている。 「大修」は、左右二頁に書かれ、一目で全てが見渡すことができて わかりや す い。指 導 書 冒 頭 の 「 学 習 指 導 のねら い」にあ るよう に、 「 非 近 代 」「 過 近 代 」という キー ワー ドが後 段 とつながることが矢 印 で示されいる。見出しを太字表記している。 「桐原」も左右二 頁に書かれ、一目で全てを見渡すのは 「大修」同 様にわかりやすい。 「非近代」「過近代」というキーワードの後段との つながりも 「大 修 」によく似ている。さらに 「である」と 「す る」の対比 を上 下 で分 けて書 いている点 も非 常 に見 や す い。太 字 表 記 はない。 「 数 研 」は、 「 である」「 す る」の対 比 を上 下 で区 切 りをつけて図 説 しているが、時 折 区 切 りを越 えての記 述 があり、見 えにくいと感 じ た。見出しを太字表記している。 中身の充 実という点では 「第一」、対比やキー ワードのつながりの わかりやすさという点では 「大修」「桐原」をより評価したい。 当然「である~」と 「甲 ~戊 」の内 容が違うので、作成時は参考程 度 にさ せていただいた。ただ、見 や す いものに越 したことはないとい う感 想を持った。そのため、 「乙」~「戊」を枠で囲み、 「乙」「丙」のイ メー ジ図 や 、 「 甲 」と他 との関 連 図 を設 けた。また、重 要 事 項 を太 字で表記した。 教材化(3)の終わりに寄せて. ( 220 ). 「甲」「乙丙丁戊」関連図. 丁②④⑤. 甲 〈第一段〉 筆者 アイヌ語地名に興味 →〈第五段〉 筆者 調査法 ①同形地名調査 ②現地調査 ③周辺地名考察 ④古老(地元民)聞き取り ⑤旧記旧図調査. 丙① ② ③⑤. 緯 徳川~明治 経 〈第二段〉 地名の原形回復の困難 の 〈第三段〉 地名の語義回復の困難 去 現在 過 〈第四段〉 アイヌ語研究が進歩し ても、 地名解自信なし ↓ 〈 第六段〉 筆者 アイヌ語地名を大切に 具 体的 調 査 記 録 乙② ④ ⑤ 構成展開図(解説). −220−.

(18) 令 和 二 年 度 の本 校 の 「 教 育 方 針 」「 指 導 上 の重 点 事 項 」に 「全 ての 教 科 科 目 において、月 形 町 や 北 海 道 の歴 史 、風 土 を題 材 にした授 業 の工 夫 」とあります 。そこで二 年 生 ( 名 )に 「 アイヌ語 地 名 を歩 く」、三年生( 名)に樺戸監獄に関する随筆で授業を組みました。 ちなみに本校は樺戸集治監の跡地に建っています。 「ご当地教材」は、 ここでしかなかなかできないでしょうが、学習者にも好評のようです。 月形なので、教材「乙丙丁戊」ではなく、 「甲」と、新たに樺戸郡月 形 町 札 比 内 の文 章 (山 田 秀 三 著 )で実 施 しました。山 田 は、東 北 に 数 箇 所 あるサヒナイと月 形 町札 比 内がどちらもアイヌ語由 来であ ると突 き止 めます 。町 内 の高 校 生 は、札 比内 という 地 名 は知 ってい ても、岩手県に同類地名があるとは知りません。 自 分 は、国 語 科 教 育 には次 世 代 を先 導 す る役 割 もあるなぁとつ くづく感じます。この教材は 「国語科×アイヌ文化」ですが、 「「であ る」ことと 「す る」こと」ならば 「国 語科 × 法 律」、 「水 の東 西 」ならば 「 国 語 科 × 文 化 論 」というふうに、国 語 科 の学 習 を 「入 門 」としてそ の学問分野を垣間見てほしい。 なぜ、北海 道と北東北で同類地名があるのか、そこに原アイヌ語 種族(注3)、縄文人・縄文語に通ずる遠大な学問のロマンが横たわっ ている気がしてなりません。 この 「「日本語でも外国語でもない日本の言葉」アイヌ語」(注4)の 名 残 を生 活 で使 用 す る多 数 の日 本 人 の一 人 として、次 世 代 にわず かながらでも何かのきっかけを伝えていければ幸いです。 17. 注1 拙稿「山 田秀 三「アイヌ語地名を歩く」の教材化」(」『国語論 集 』北 海 道 教 育 大 学 釧 路 校 国 語 科 教 育 研 究 室 平 成 三 一 (二○一九)年 八五頁ー一○○頁). 21. 注 2 拙 稿「山 田 秀 三「 アイヌ語 地 名 を歩 く」の教 材 化 (2)指 導 資. 16. 料作成の試み」(『国 語論集 』北海道教育大学釧路校 国語科 教 育 研 究 室 令 和 二 (二 ○ 二 ○ )年 三 月 一 五 〇 頁 ー 一 五 八 頁). 注3 山田秀三は 「アイヌ語種族」という語をよく用いた。例えば、 『 アイヌ語 地 名 の研 究 山 田 秀 三 著 作 集 第 1巻 』(山 田 秀 三 草風館 昭和五七(一九八二)年)七五頁)など。. ( 221 ). 注4 中川裕の言葉。(中川はアイヌ語研究者、千葉大学教授。 『ア イヌ民 族 に関 す る指 導 資 料 』 中 川 裕 ほか著 財 団 法 人 アイヌ 文 化 振 興 ・研 究 推 進 機 構 平 成 一 二 (二 ○ ○ ○ )年 三 月 八 三 頁). (たにぐちまもる/ 北 海 道 月形 高 等学 校). −221−. 17.

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