• 検索結果がありません。

色覚異常のある人の心理的な変化に関する研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "色覚異常のある人の心理的な変化に関する研究"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)色覚異常のある人の心理的な変化に関する研究 特別支援教育学専攻   心身障害コース.     M07116D      安川優紀.  本研究は、色覚異常のある人の心理面を明. 理解はまだ十分とは言えない。. らかにすることが社会の理解につながるとい.  色覚異常のある人の進学・就労と人権を考. う考えに基づいて、対象者に4者面談を行い、. 察した研究はなされている。また、色覚異常. 心理面に影響を与える要因を考察したもので. のある人の見え方に関する課題を考察し、色. ある。. 彩のバリアフリーを提唱した研究もなされて いる。しかし、色覚異常のある人の心理面に. ばじめに. 着目し、事例的に研究したものは見当たらな.  まず色覚異常の名称を定義し、色覚異常の. い。広く社会に認知されておらず、十分に理. 病理を説明した。. 解されにくいからこそ、色覚異常のある人の 心理面を明らかにすることが、社会の理解に. 第1章:問題の所在と研究日的. つながると考える。.  5つの視点r色覚異常をめぐる社会体制の.  そこで本研究では、例えば色覚異常と分か. 変化」「色覚検査と石原色色覚検査の問題点」. ってからどのような葛藤が見られたか等、色. 「生活上の制約」「色覚異常のある人の自叙伝. 覚異常を受け入れて自己肯定に至る心理的な. より」r色覚異常のある人に対する社会の理解. 変化を明らかにし、その変化の過程に影響を. に関する研究」から問題を整理し、研究目的. 与える要因を検討することを目的とする。. を示した。.  1980年代.後半までは、色覚異常のある人に. 第2章 研究方法. 対する社会の理解は不十分であり、色覚異常.  色覚異常のある男性3名を対象とし、4者. のある人は不当な差別を受けてきた。しかし、. 面談および個別のインタビューを実施した。. 近年では、色覚異常のある人に対する不当な.  分析は、以下の手順で行った。. 差別をなくそうとする運動が活発化したのに. ①録音したデータを全て文字化する. 伴い、様々な制限が大幅に緩和されてきた。. ②文字化したデータを切片化してラベル名を. このように、色覚異常をめぐる社会の体制は. つける. 変化してきた。. ③カテゴリーに分類してカテゴリー名をつけ.  しかし、日本色覚差別撤廃の会には多くの. る. 相談が寄せられている現状があり(高柳. ④カテゴリー関連図を描く. ら,2006)、色覚異常のある人に対する社会の. ⑤ストーリーラインを書く. 一236一.

(2) 第3章:結果. 第5章:総合考察.  事例ごとに分析した結果を、ラベルとカテ.  対象者間で比較し、心理的な変化に影響を. ゴリー・カテゴリー関連図・ストーリーライ. 与える要因についての検言寸を深めた。. ・色覚検査の心理的な.ダメージには、色覚検. ンで示した。. 査の実施回数が影響した可能性もあると考え. 第4章:考察. られる。.  事例ごとに、関連するカテゴリーを取り上. ・母親の色覚異常に対する受け止め方が、本. げて、色覚異常のある人が自己肯定に至る心. 人の色覚異常を受け入れる過程に影響すると. 理的な変化を明らかにし、その変化に影響を. 考えられる。母親の受け止め方が否定的な場. 与える要因を検討した。. 合は本人の色覚異常を否定する思いに繋がる. 1.事例1. 要因となり、肯定的な場合は色覚異常を受け. ・母親が、自分の子どもが色覚異常であるこ. 入れることを助長すると考えられる。. ・第3者の肯定的なかかわりは、色覚異常を. とに心理的なダメージを受けている場合、そ の子どもは、そのような母親の様子を見て、. 受け入れて自己肯定に至る過程において、肯. 自責の念に駆られると考えられる。. 定的に影響すると考えられる。そして、第3. ・色覚異常のある人に心理的なダメージを与. 者の肯定的なかかわりは、自己肯定以降に色. える要因の1つとして、色覚検査の実施にお. 覚異常を深刻に受け止めた場合も、その困難. いてプライバシーを侵害されることが大きい. を乗り越える過程において肯定的に影響する. と言える。. と考えられる。. ・色覚表明は身の安全に関わることも多い(金. ・色覚異常のある人は、自分は人と違うとい. ら,2007)ため、色覚異常のある成人の意見を. う意識を持ち、その違いを肯定することで、. 聞いた上で(高柳,1998)、色彩環境を調整す. 色覚異常のある自己を肯定的に捉えていると. ることが必要であると言える。. 言える。. 2.事例2.  今後の課題として、①色覚検査の未経験者. ・色覚検査の実施後の事後措置がなかった色. や女性等、対象者を拡大することと、②どの. 覚異常のある児童生徒は、教育場面で困難を. ように対象者にかかわったか等、第3者であ. 感じていたことが示唆される。. る母親や恩師に様子を詳細に聞くことの2点. ・学校現場では、色覚異常のある児童生徒が. が残された。. 教育場面での困難を感じていることが示唆さ れる。. おわりに. 3.事例3.  色覚異常に関する思いを述べて、本研究を. ・母親が色覚異常をr大した事ではない」と. 締めくくった。. 肯定的に受け止めている場合、その子どもは、. 自責の念に駆られることはないと考えられる。. 主任指導教員 鳥越隆士  指導教員:高野美由紀. 一237一.

(3)

参照

関連したドキュメント

緒  梅毒患者の血液に関する研究は非常に多く,血液像

心臓核医学に心機能に関する標準はすべての機能検査の基礎となる重要な観

青少年にとっての当たり前や常識が大人,特に教育的立場にある保護者や 学校の

を,松田教授開講20周年記念論文集1)に.発表してある

  「教育とは,発達しつつある個人のなかに  主観的な文化を展開させようとする文化活動

に転換し、残りの50~70%のヘミセルロースやリグニンなどの有用な物質が廃液になる。パ

に転換し、残りの50~70%のヘミセルロースやリグニンなどの有用な物質が廃液になる。パ

3 ⻑は、内部統 制の目的を達成 するにあたり、適 切な人事管理及 び教育研修を行 っているか。. 3−1