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吹奏楽指導における基礎領域に関する研究 : バンド教本の分析と使用法をめぐって

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(1)吹奏楽指導における基礎領域に関する研究 一バンド教本の分析と使用法をめぐって一 教科・領域教育専攻 芸術系コース(音楽). 栗田 健一. 1.研究の動機と目的. 的に活用しているとは言い難い。バンド指導. 現在、日本には多くの吹奏楽の演奏団体が. 者の多くが、同種の指導法による実践を試み. 存在している。構成や活動内容などによって. ているが、成果を残すことは難しいように思. スクールバンド、職場バンド、市民バンド、. われる。しかし、熱心に指導すれば誰にも共. プロフェッショナルのバンドに分けられる。. 通して一定の成果を期待できる指導法という. 活動数やその状況から、日本の吹奏楽はスク. ものが存在し得るのではないだろうか。本小. ールバンドの活動に支えられていると言えよ. 論においては、アメリカにおけるバンド指導. う。. の基準をとりあげて、そのことを追求してい. スクールバンドの活動の中心は、各種コン. きたい。. クールへの参加にある。その他にも様々な行. アメリカにおいては、音楽教育の中の重要. 事に参加しているが、行事をこなすことばか. な柱のひとつとしてバンド活動が位置づけさ. りに重点がおかれ結果的には音楽的理解が深. れている。個々では、学年に応じた系統的な. まらないバンドもあるようである。. 基準に基づいて指導が進められている。この. スクールバンドの指導者は様々な指導法を. 指導のあり方を分析し、日本の吹奏楽におけ. 模索しながら実践を行っている。多くのバン. る段階的な指導ついてアプローチしたいと考. ド指導者が取り入れている基礎指導は、音楽. える。. 表現を支えるための手段として不可欠であ る。また、その指導のテキストとして、多く はバンド教本を用いている。. バンド教本は数多く出版されている。指導. 2論文の構成と概要 はじめに. 第1章 日本の吹奏楽活動と基礎領域. 者向けの情報として指導法に関する資料も比. 第1節 今日の吹奏楽活動. 較的入手しやすくなってきた。また、熟練の. 第2節 吹奏楽指導における基礎領域. 指導者による実践例も数多く紹介されてい. 第3節 スクールバンドの活動. る。にもかかわらず、指導者がこれらを効果. 第2章 バンド教本について.

(2) 第1節. バンド教本について. に含まれる技術的要素の種類や頻度などには. 第2節. バンド教本の内容分析. 関連がみられた。バンド指導者の多数が使用. 日本のバンド教本とアメリカの. しているバンド教本は、他のものに比べ、基. バンド指導との比較. 礎領域に該当する技術的要素を幅広く含んで. 第1節. アメリカの吹奏楽活動の実態. いる。また、それらの要素を系統的に構成し. 第2節. バンド教本による基礎指導. ている。さらに、その内容を多様に活用でき. 第3章. おわりに. るような配置が工夫されている。しかし、ア メリカのバンド指導の基準との比較から、日. 本小論では、日本の吹奏楽活動における基 礎領域とその指導を考える上で、基礎指導を 重点的に行っているスクールバンドの指導に ついて考える。. 本の多くの指導者が使用しているバンド教本 にも不十分な点がみられた。. アメリカの基準では、あらゆる要素におい て系統的、段階的な構成がなされている。ま. 第1章では、日本の吹奏楽活動における基. た、バンド指導に対して総合的にとらえるこ. 礎指導の現状を取り上げる。また、スクール. とで、バンドに親しむ全ての子供たちに音楽. バンドの活動の実態について、アメリカのス. 的向上を図ることを目的にもしている。この. クールバンドと比較する。. 基準を日本のバンド活動に取り入れるために. 第2章では、基礎指導において多く用いら. は、技術的要素の系統的、段階的な指導のみ. れているバンド教本を分析する。バンド教本. ならず、バンド指導を重要な音楽活動の一つ. の使用に関する実態調査を行い、その結果を. として取り組んでいく姿勢が重要であろう。. 考察し、バンド教本の使用に関する問題点に. 今後の課題として、吹奏楽指導における基. ついて考える。これをもとに、日本で出版さ. 礎指導において、技術的要素を音楽的要素と. れているバンド教本の内容分析を行う。バン. してとらえることで、指導内容を精選した実. ド教本で扱われている技術的要素を抽出し、. 践を行っていくことができる。そのために、. 分類することによってその傾向を考える。. これからのバンド指導のあり方については、. 第3章では、アメリカにおける吹奏楽指導. 実践を通して研究していきたい。. に設けられている基準の分析を行う。第2章 において分類した技術的要素を、アメリカで 行われている指導基準と比較する。これをも とにバンド教本の効果的な活用法を探る。. 3.研究のまとめと今後の課題 バンド教本の使用法に関する実態調査から 得られた傾向と、内容分析から、バンド教本. 主任指導教官. 保科 洋.

(3) 平成11年度 学位論文. 吹奏楽指導における基礎領域に関する研究 一バンド教本の分析と使用法をめぐって一. 兵庫教育大学 大学院学校教育研究科. 教科・領域教育専攻 芸術系コース(音楽). M98657H. 栗田 健一.

(4) 目次. 凡例・…. ・・. はじめに一. 第1節. S. ・…. 日本の吹奏楽活動と基礎領域・…. 第1章. 今日の吹奏楽活動・・一. R. …6. U. ・…. 1.日本の吹奏楽活動の形態・…. …6. 2諸外国との吹奏楽活動におけるつながり一. …8. 第2節 吹奏楽指導における基礎領域一 1.基礎領域と基礎指導…. …10 一・・. P0. 2.アメリカのバンド活動における基礎指導・・. …12. 3.日本のバンド活動における基礎指導一. …14. 第3節 スクールバンドの活動・… 1.日本のスクールバンドと基礎指導・…. …15 ・・. P5. 2.アメリカのスクールバンドと基礎指導・…. …17. 3スクールバンドの活動の意義…. …19. 第2章 バンド教本について一 第1節. バンド教本について・…. …21 一・・. Q1. 1.バンド教本使用の意義一・. −21. 2.バンド教本使用の実態調査…. …23. 3.バンド教本使用の実態調査からの考察・…. …33. 4.まとめ…. 第2節. …44. バンド教本の内容分析…. …・. S5. 1.. 「3Dバンド・ブック」の内容分析・…. …47. 2.. 「ティップス・フォー・バンド」の内容分析・…. …50. 3.. 「トレジャリー・オブ・スケール」の内容分析一. …53. 4.「ネム 5. 「ベスト. バンドメソード」の内容分析…・ イン クラス」の内容分析…・. 6.「新しい吹奏楽教本」の内容分析一. 1. …55. …64. …70.

(5) 7.バンド教本に構成される技術的要素…・. 第3章. …72. 日本のバンド教本とアメリカのバンド指導との比較…. 第1節. 一76. アメリカの吹奏楽活動の実態・一. …76. 1.アメリカの吹奏楽活動組織・・. 一76. 2.アメリカのバンド指導の基準一. …78. 第2節 バンド教本による基礎指導・一. …88. 1技術的要素を用いた指導内容…. …89. 2.アメリカの指導基準によるバンド教本の使用法一. ・…. X2. 3.バンド教本の活用法…. …109. 4.これからの吹奏楽における基礎指導…. …113. おわりに一. …115. 謝辞・…. ・・. 引用参考文献及び資料…. ・・. 巻末資料・…. ・…. 2. P16 P17 P20.

(6) 凡例 1、人名の敬称は、全て省略する。. 2、本文中の引用文献の内容は「」で示し、脚注において出典を明記した。また、引用 参考文献については、巻末に一括して記述した。. 3、引用文中の誤字、当て字などは、そのまま引用した。 4、脚注の番号は、各節ごとに付記した。 5、表、図の番号は、各章ごとに付記した。. 6、日本における吹奏楽は、英語ではBand(バンド)と表記される。本文中においては、 アメリカの吹奏楽活動に関するものや日本の吹奏楽活動に関する用語の中でもアメリ カの影響を受けているものには『バンド』と示した。それ以外のものには『吹奏楽』 と示した。(アメリカにおけるバンド活動、アメリカにおけるバンド指導、バンド教 本、スクールバンド/日本における吹奏楽活動、日本における吹奏楽指導). 3.

(7) はじめに 現在、日本には多くの吹奏楽の演奏団体が存在している。スクールバンド、職場バンド、 市民バンド、プロフェッショナルのバンドと、構成や活動内容などによってその形態は様々 である。その中で、アマチュアのバンドを統括している全日本吹奏楽連盟に加盟している団. 体は、1999年度で13,399もの多数にのぼり、その内の9割近くをスクールバンドが 占めている。中学校・高等学校のバンドの中には、世界の同年代の演奏に比べてもトップク ラスのバンドもあると言われている。日本の吹奏楽はスクールバンドの活動に支えられてい ると言っても過言ではない。. しかし、日本の吹奏楽界は今、転換期にあるといわれている。学校週5日制の実施や中学 校・高等学校における特別活動としてのクラブ活動の廃止などにより活動時間がかなり制限 されている。また、少子化など、活動人口の減少により、さらにその厳しさは増加する傾向 にあると言える。一方、市民バンドでは行政との連携や熱心な吹奏楽愛好者の熱心な活動に より、バンド数は年々増加している。吹奏楽人口は市民バンドに片寄りつつあるものの、そ の活動の根底にはスクールバンドの存在が欠かせない。. 市民バンドや職場バンドと比して、スクールバンドのもっとも大きな特徴は、年齢や活動. 時間がほぼ同じだということである。その活動は1年を通して行われ、学校内外の各種行事 への参加の機会も多く、子供たちは豊富な演奏の場を経験している。多くのバンドは活動を 中心にコンクールへの参加においている。なかには、音楽の追求よりも勝敗にこだわるバン ドや参加行事が多く、それをこなすことばかりに重点がおかれ、結果的に音楽的理解がなさ れていないバンドもある。また、音楽面よりも人格形成の側面に力点をおいたスクールバン ドもあろう。. さて、スクールバンドの指導法について考えてみたい。多くのバンド指導者は、指導の中 で演奏法の基礎指導を行っている。基礎指導は音楽表現を支えるためには不可欠であり、そ の一つにバンド教本が用いられている。. バンド教本は数多く出版されていて、日本人の手によって構成された教本も増えてきてい る。また、指導者向けの情報も比較的入手しやすくなってきており、熟練の指導者による実 践例も数多く紹介されている。このように、基礎指導から音楽表現までバンド指導に関する 出版物などが数多く存在する中で、指導者はそれらを効果的に活用する方法を見つけだせず に悩んでいるように思われる。. そこで、成果を期待できる指導法のひとつとして、アメリカにおけるバンド指導の基準を. 4.

(8) 考えてみたい。アメリカにおいては、音楽教育の重要な柱のひとつとして、バンド活動が行 われている。これは学年に合わせて系統的にプログラムされ、到達度を明示したものとなっ ている。. 本小論ではこれらを分析し、日本の吹奏楽における段階的な指導のあり方についてアプロ. ーチしたいと考える。手順としては、(1)現在、日本で出版されているバンド教本の内容 分析を行う。 (2)アメリカにおける吹奏楽指導に関する基準について分析する。 (3)バ. ンド教本で扱われている基礎指導の内容とアメリカで行われているバンド指導の基準とを比 較する。これらをもとにバンド教本の効果的な活用法を探っていきたい。. 5.

(9) 第一章 日本の吹奏楽活動と基礎領域 第1節今日の吹奏楽活動 1.日本の吹奏楽活動の形態. 現在、日本の吹奏楽人口は40万人を超えると言われている。その活動は多種にわたって いる。例えば国体や学校行事、あるいは屋外儀式やコンクーノレなど、あらゆる分野でその活. 躍をみることができる。このような様々な活動を行っているバンドは全国各地に存在してい る。その形態はスクールバンド、大学バンド、職場バンド、市民バンド、プロフェッショナ ルのバンドに分けることができる。プロフェッショナルのバンドは数団体である。ほとんど はアマチュアのバンドであり、これを統括している組織の一つに全日本吹奏楽連盟があげら. れる。全日本吹奏楽連盟に加盟している団体は、1999年度には13,399にものぼり、 この数は年々増加している(表1)。また、その大多数は、スクールバンドが占めている。. 表! 全日本吹奏楽連盟加盟団体(全日本吹奏楽コンクール第43回∼第47回プログラムより) 年度. 1995 1996 1997 1998 1999. 小学校. 中学校. 高校. 大学. 1,054. 6,396. 3,591. !,062. 6,503. 3,624. 1,050. 6,570. 3,639. 1,030. 6,585. 3,624. 1,011. 6,611. 3,633. 290 290 299 300 308. 職場. 129 130 130 131 129. 一般*. 合計. 1,387. 12,847. 1,487. 13,096. 1,557. 13,245. 1,588. 13,258. 1,647. 13,339. *全日本吹奏楽連盟のコンクールでは一般の部とされ、一般バンドとよばれているが、本小論において は、市民バンドとしている。. スクールバンドは、小学校から高等学校まで、それぞれに同年代の吹奏楽愛好者の集まり として構成されている。スクールバンドは、日本の吹奏楽界の中で、多数を占めるだけでな く、演奏活動においても中心的存在である。中学校・高等学校のバンドの中には、世界の同 年代の演奏と比較した場合、トップクラスに並ぶバンドもある。. 大学バンドは、構成人員の多くが専門的に吹奏楽を学んでいるのではなく、バンド愛好者 6.

(10) の集まりであり、課外活動として行っている団体がほとんどである。そのため、練習日程や 練習場所の確保など、安定した環境の中で行っているところは少ない。また、大学からの楽 器の貸与があるものの、活動資金や維持経費など、学生による自主運営が活動の主体となっ ている。. 職場のバンドは、同じ職場の仲間で構成される。大きく分けると、「①会社直属のもの、 ②会社の中のあるひとつの課に属するもの、③労働組合に属するもの、④どこにも属さない で同好の志が集まって編成しているもの」注1の4つにまとめられる。なかでも、バンド愛好 者が集まり、仕事の合間を縫って活動しているバンドが多い。様々な問題点を抱えているが 特に、練習体制と経費の面が大きいようである。. 市民バンドは、大きく分けて、「全く特定の運営母体を持たないくクラブ〉のバンドと運 営の背景に特定の市町村などのスポンサーを有するもの」注2とがある。どちらのバンドも、. 社会人の集まりであり、ほとんどが、自由に参加することのできる団体である。これらのバ ンドの活動には、定期的な自主コンサートの他に、生涯学習の一環を担い、地域単位での音 楽活動をリードするような行事の開催(音楽教室や各種の演奏会)などがあげられる。しか し、構成する団員の世代の開きや活動時間の調整、音楽的レベルの差など、これも様々な問 題を抱え、安定した活動を行っている団体は多いとは言えない。. プロフェッショナルのバンドは、現在日本には数団体しか活動していない。代表的なバン ドに、大阪市音楽団と東京佼成ウィンドオーケストラがあげられる。どちらのバンドも、団 員を確保するために、契約制や行政職員としての採用などで安定した活動を行っている。こ れまでにいくつかのプロバンドが生まれては消滅していった。これからのプロバンドの成立 には、「経済基盤の確立、優れた指揮者、安定した優秀なプレーヤー」注3の条件が必要であ る。. 最近、大学や職場バンドの全国的な活動、市民バンドの活動が急激に盛んになってきてい るが、構成人員の確保や練習環境など安定した活動を行い得るのはやはりスクールバンドで ある。技術、運営の両面から、日本の吹奏楽界の活動を支えているのはスクールバンドであ ると言えよう。. ヤ松文治他編『新版吹奏楽講座6』音楽之友社、1983 P193 洩 同上 P199 注し. 注3. 熬c法人音楽文化創造『音楽文化の創造』1999SUMMER 13号 P 45. 7.

(11) 2諸外国との吹奏楽活動におけるつながり. 国際社会といわれる今日、あらゆる分野において諸外国との交流が行われている。日本の 吹奏楽活動もここ数年、国内での活動だけでなく、海外の国や地域との交流が盛んである。 海外のコンクールや演奏旅行、世界的規模の交流会や演奏会など、参加者は年々増加してお り、バンド活動も例外ではない。そこで、バンド界における世界的な規模のイベントの中か ら、世界吹奏楽大会注4とミッドウェスト・クリニックをとりあげる。. 1981年、イギリスにおいて、「吹奏楽関係者が考えを共有するとともに、共通の問題 点や可能性について話し合うための世界組織を作る」注5ということを目的として、世界吹奏. 楽協会注6(以下、WASBEと表記する)が設立された。そして、1983年忌ら2年ごと に、世界吹奏楽大会を開催している。この大会は、演奏会を開催するとともに、指揮法の講 義、バンド・レパートリーの紹介、編成の考え方、楽曲の解釈法、吹奏楽に関する歴史、そ の他、吹奏楽に関してのあらゆる議題によるシンポジュウムなど、様々な内容によって構成. されている。日本からも、バンド関係者が参加し、第2回大会からは日本のバンドも参加す るようになった。アマチュアのバンドも多数参加しており、スクールバンドの参加もみられ. る。1995年の第7回大会は、浜松市で行われ、海外から多数のバンドやバンド関係者が 参加した。このような世界規模のイベントが日本で開催されたことにより、プロフェッショ ナルのバンドだけでなく、アマチュアのバンドも海外において演奏する機会を持つようにな り、日本のバンド活動の多様化が進んだのではないかと思われる。. 次に、バンド指導者の交流の場として、ミッドウェスト・クリニックを取り上げる。. ミッドウェスト・クリニックは、シカゴにおいて1946年から毎年開催されている。こ の催しは「第2次世界大戦で停滞した音楽教育を立て直すために、まずバンド教育のレパー トリーの開発、紹介するコンサート」注7としてはじまった。その後、オーケストラやジャズ の部門も加えられた。この催しの運営は、特別に編成された実行委員会によって行われ、音 楽教育の専門家から出版業界の関係者まで、バンド活動の発展のために組織されている。参 加者の多くはアメリカのバンド関係者であるが、最近では世界各地のバンド関係者も集い、 国際的なものとなっている。日本からもここ数年、多くのバンド関係者が参加している。. この催しの内容は、3つの大きな柱く楽譜や楽器などの展示・コンサート・クリニック〉 注4. 1nternational Conference World Association for Sy皿phonic Bands and Ensembles. 注5. 成出版社「第7回世界吹奏楽大会コンサート・ライブ』ブックレット!995 P8. 注6. World Association for Symphonic Bands and Ensembles. 注ア. wバンドジャーナル1995 3月号』音楽之友社 P46. 8.

(12) から構成されている。楽譜などの展示には、世界各地の出版社やメーカー、音楽大学など、. 様々なブースが置かれている。最近では、日本の出版社も展示を行っている。3つの柱の中 では、展示の内容が最も広範囲な規模で行われている。楽譜を例にあげると、教育的なもの から実践的なものまでバンド指導者の実状にあった資料・などを手に入れることができる。. クリニックでは、世界的に活躍している演奏家のクリニックやバンド活動の方法論など、 様々な領域においての講座を開いている。. コンサートは、スクールバンドや軍のバンドなど、毎年多くのバンドが参加している。日 本からも数回参加してきた。その中にはスクールバンドも含まれている(福岡工業大学付属. 高等学校吹奏楽部:1987年、高岡商業高等学校吹奏楽部:1993年)。 また、コンサートへの参加を含めて、日本からのクリニックへの参加者が年々増加してい る。ただし、開催されている場所や時期的な条件により、このクリニックに参加する日本の バンド指導者は必ずしも多いとは言えない。しかし、日本で出版されているバンド関係の雑 誌にはクリニックから得られる情報が紹介されており、日本のバンド活動に多大な影響を与 えてきた。. 世界吹奏楽大会はアマチュアからプロフェッショナルまで、世界中のバンド同士の幅広い 交流の場である。ミッドウェスト・クリニックは、世界中のバンド指導者に向けた情報を提 供している。このようなバンド活動の国際的な取り組みは、日本におけるバンド指導とも大. きくかかわっている。この2つのイベントを含め、バンド活動全体における日本と世界との つながりは、これからのバンドに大きな役割を果たしていくものと思われる。. 9.

(13) 第2節 吹奏楽指導における基礎領域 1.基礎領域と基礎指導. 吹奏楽指導には、基礎領域、応用領域、特殊領域があげられる。これらは、個人練習、ア ンサンブル練習の両方に共通したものである。. 基礎領域とは、管楽器、打楽器を問わず、どの楽器にも共通した内容を有し、楽曲を演奏 するのに必要な最低限の要素である。例えば、楽器を吹くために必要な息づかいや、運指、 アンサンブルをするために必要なバランスやブレンドなどである。. 応用領域とは、基礎領域の様々な要素を用いて、あらゆる視点から楽曲に取り組むための 手段となる範囲のもので、音色の多様性や楽曲分析などである。. 特殊領域とは、各楽器のそれぞれが持つ特有の要素による内容の範囲のものである。例え ば、ハイトーンや特殊楽器の奏法などである。. これら3つの領域は、それぞれが独立したものではなく、演奏に際し互いにかかわり合っ ている(図1)。なかでも演奏の基礎を築くものとなり、3つの領域の軸になるものが基礎 領域である。本小論では、基礎領域の習得のための指導について取り上げるため、基礎領域 以外の内容については詳しく説明することを避ける。. 基礎領域は、音楽活動だけでなくあらゆる活動にも存在する。スポーツの分野の野球を例 にあげると次のようなことである。体をほぐすストレッチやランニング、キャッチボールと いった、実際に試合をするための準備や技量を高めるときなどに行う基本的な動作である。 これから試合をしょうとする者が、はじめからボールやバットを持って試合に臨むことはよ いプレーにはつながらない。逆に、けがや事故につながる可能性の方が大きい。また、初め てボールやバットを持った人が、いきなり試合に出ても、野球というスポーツの楽しさを味 わうことはできないであろう。. 吹奏楽活動に置き換えると次のようなことになろう。ウォーミングアップを行わずに楽曲 に取り組んだところで、よい演奏にはつながらないであろうし、合奏においても、各個人の 技量を高めることなしには、よいアンサンブルにつなげることは難しいと思われる。また、 初めて楽器を持った人がいきなり楽曲に取り組んだ場合は、その楽曲を理解するどころか、 音楽の楽しささえも味わうことができないであろう。このように、吹奏楽における基礎領域 とは、演奏に対する準備や演奏の技量を高める要素であり、個人、アンサンブルを問わず、 演奏の根底に広がるものである。. 10.

(14) 基礎領域の習得のための指導を一般に基礎指導という。楽曲指導において、基礎領域の内 容を用いて行う場合もあるが、基礎領域の習得のために楽曲を用いることはあまりない。 今日、多くの指導者によって基礎指導が行われている。基礎指導は、楽曲を演奏し、音楽 の楽しさを味わうために、様々な要素を習得するための練習である。その内容は、楽器を持 つ姿勢やアンブシュアなど奏法の基本から、楽曲を表現するために必要なテクニックにいた るまで様々である。これらを系統的に構成しているものがバンド教本である。基礎指導を 行っている多くの指導者がバンド教本を用いている。指導者の中には、バンド教本を使用せ ずに何らかの形で基礎指導を行っている場合も見られる。現在、多くの種類のバンド教本が 出版されたり紹介されたりしている。以前はアメリカで出版されたものを使用していたが、 最近日本人により編集されたバンド教本も使用されるようになった。バンド教本はそれぞれ の形で構成されているが、内容のほとんどは基礎領域に含まれるものである。バンド教本の 内容については、後章にて述べる。. 図1. 吹奏楽指導. 応用領域. 特殊領域. 基礎領域. 11.

(15) 2.アメリカのバンド活動における基礎指導. 本小論において、バンド活動での基礎領域を取り上げるきっかけとなったのは、アメリカ のバンド活動に見習うことが大きい。アメリカでは、バンド活動を音楽教育の柱として位置 付けている。その基礎指導にはバンド教本が多く使用されている。. アメリカ音楽教育におけるバンド活動の基準(Standard)を取り上げる。この基準は、全 米各地の学校で採用されていると言われている。この基準を作成している組織の活動内容な どは、後章にて詳しく述べる。ここでは、そこでまとめられている音楽教育の基礎領域を紹 介する。. まず、音楽教育は4つの分野に分けられ、それぞれに指導内容が系統づけられている。そ の分野とは、<General Music・String Instrument・Band・Choral>である。それぞれに適. 切な技能の習得や、系統的な概念の理解を図るようさらに細かな指導内容が示してある。こ れは、各学年のあらゆる段階の音楽教育において、質の向上を図るために用いられ、学校で. の指導計画の基準として置かれている。バンド活動(4分野の中のBand)を例に挙げると、 基礎的な技能、上級の技能、各楽器ごとの技能(Basic Skill、 Advanced Skill、 Specific Flute. /Piccolo sk三11)に分かれる。この基準の初歩の段階に設けられているのが基礎領域である。. 指導課程をみると、各学年全てに基礎領域の要素が同じように示してあり、それぞれの学年 に応じて段階を踏んで扱うように指示されている。基礎領域では、呼吸法や姿勢、アンブッ シュァなど演奏にはいるための準備や技能を高めるための要素が示されている(資料1)。 これらの要素を実際に指導する教材として使用されているもののひとつが、バンド教本であ る。バンド教本は基礎指導の中心となすものである。指導の概念や様々な指導法、指導の要 素、バンド教本の紹介など、出版物として教師やバンドの指導者などが簡単に手に入れるこ とができる。このように、アメリカでは音楽教育の基準として、領域、段階、要素などが系 統的に示されていることがわかる。. 12.

(16) 資料1『Teaching Wind&Percussion Instruments. ACOURSE OF STUDY』. P1. Ski110r Concept. Pe㎡ommce 1£vel 11. II1. w. V. VI. →. →. →. →. →. ●. →. →. →. →. →. Tone Production/Quality. ●. →. →. →. →. →. Balance!Blend. o. →. →. →. →. →. →. →. →. →. →. Bα81ie▼yj屈1レ審8971陽mεη’翫jll’σ. I. Breathing(see pa図e 21). o. Po8加re. Fingehngs. ●. Hand Position. o. →. →. →. →. →. /1Ld!{2α朔ゆεdl槻ηdl 1海8’π8「蹄ε轟¢sゐ‘π8. 1. H. m. IV. V. VI. Doubl{ゾr亘Ple Tongruing. ●. Transμ}s.ition(see p㎎e 23). ●. o ●. Flutter Tonguing. →. →. →. →. ●. ●. QuarOer T。nes. ●. Multiphonics. ●. 1. Sρεc‘πcF’撹e/Pεceoめs彪ま〃8 AssembIy(see p蹟ge 25). ●. Ins㎞ment PO8ition. o. Embouchure. II. IH. →. w. V. VI. →. →. →. →. →. →. →. →. →. →. →. →. →. →. →. Articulation. ●. →. →. →. →. Intonation. ●. →. →. →. →. →. ●. →. ●. Ca祀and Maintenanee. →. →. →. →. Vibrato. ●. →. →. →. Altemate Fingehngs. ●. ●. →. →. D =level at whic卜skiU o匠concepUs normally introduced.(When more宅han o口e・appear5, the 5kill or eoncept can be iΩtro. duced at eiu血er LeveL) → = 1evel at wLic}i 8kin or concepもis noma1薯y Ieinfbrced.. 13.

(17) 3,日本のバンド活動における基礎指導. 日本での基礎指導は、おもにスクールバンドで行われバンド教本が多く使用されている。 スクールバンドの基礎指導は、初心者(新入生)に向けての合奏トレーニングと合奏能力の 向上のために行われることが多い。初心者のための合奏トレーニングには、バンド教本の内 容の中でも比較的段階の低いものが用いられているようである。また、合奏能力の向上に は、いくつかの要素により構成されたバンド教本が用いられている。これらの指導法は、各 バンドごとに指導者それぞれの方法により行なわれているようである。佐藤正人は、日本の 吹奏楽活動、中でもスクールバンドの問題点のひとつに、「指導法についての知識がない」 「練習システムが確立していない」ことなどをあげている。注上このことから、日本での吹奏 楽指導の基準が必要であると考える。. 日本には、アメリカのように吹奏楽指導の基準を作成するような活動を行っている組織は 存在していない。全国規模の組織のひとつである全日本吹奏楽連盟の活動をみても、すべて のバンド指導者の基準となるようなガイドブックは出版していない。また、バンド教本の使 用法についても、雑誌などによる参考例が出されている程度で、バンド教本の内容をどのよ うにバンド指導に用いるかなどの指導のマニュアルのようなものは出版されていない。. 日本では、教科(音楽科)内での吹奏楽活動がアメリカのようには確保できない。このこ とは、スクールバンドでの吹奏楽指導の取り組みが、系統化されない要因のひとつともなっ ている。したがって、基礎指導においても、年齢に沿って、段階的・系統的な指導を取り組 んでいくのは難しい。しかし、指導者の中には吹奏楽連盟や指導者同士の連携により、基礎 指導の系統化に取り組む体制づくりを試みているところもみられる。その中ではバンド教本 が共通の指導材料となっている。しかし、これらは、熱心な指導者の努力によってであり、. すべての指導者が同じように取り組んでいるとはかぎらない。系統的・段階的な基礎指導に 取り組むためには、多くの指導者がバンド教本の内容を的確に把握して指導することが望ま しい。. 注1. wバンドジャーナル』1998年10月号 P38 14.

(18) 第3節 スクールバンドの活動 1、日本のスクールバンドと基礎指導. 現在、全日本吹奏楽連盟に加盟しているスクールバンドは、1999年10月現在で11,. 255団体である。その内訳は小学校1,011、中学校6,611、高等学校3,633となっ ている。大学のバンドも合わせると、11,563団体となり、加盟している全団体の約9割 を占めている。活動人員は35万人にも上る。吹奏楽連盟に加盟していないスクールバンド もあるため、実数はこれより増えることになる。吹奏楽連盟に加盟している団体のうち、コ. ンクール(1998年)に出場した団体数と参加率は次の通りである(表1)。. 表! 全日本吹奏楽コンクール第46回プログラムより. 二種. 吹奏楽連盟加盟数. コンクール出場数. 参加率. 中学校. 6,585. 5,758. 87%. 高等学校. 3,624. 2,702. 74%. 1991年度の中学校・高等学校の中学校数と吹奏楽部を持つ学校と、その設置率をまと めたのが下表である(表2)。. 表2 八木正一「吹奏楽部のあり方をめぐって」季刊音楽研究68 P185. 校種 中学校. 総学校数. 吹奏楽部を持つ学校. 設置率、. 11,264校. 5,804校. 52%. 5,511校. 3,372校. 61%. 高等学校. このように、全国の中学校・高等学校の半数以上に吹奏楽部があり、そのうちの約8割の 学校がコンクールに参加している。日本のスクールバンド、特に中学校・高等学校のバンド の多くは活動のひとつとして全日本吹奏楽コンクールに取り組んでいる。ほかにも、アンサ ンブルコンテストやマーチングフェスティバル、合奏コンテストなど、賞や名誉を競うよう. 15.

(19) な様々な演奏の場に1年を通して参加している。コンクール以外にも、毎月何らかの行事に 参加する団体もあるようである。活動全体のかなりの時期を吹奏楽コンクールへの取り組み として費やす団体が多い。スクールバンドの活動の現状は、コンクールを含めたあらゆる行 事に誘われているようである。長い期間を費やしコンクールで演奏する数曲を音楽的に演奏 することで、コンクールでのよい評価を得ることはできるかもしれない。しかし、長い目で 見たとき、コンクールのように勝ち負けを競うだけでなく、音楽的活動の経験と、音楽を体 験:する歓びを持ち続けることがより重要であると思われる。したがって、このようなスクー ルバンドの活動の音楽的レベルを支える根底に基礎指導は欠かせない。 日本の学校教育の一貫としての音楽の授業においては、バンド活動は盛んとは言えない。. バンド活動は、課外活動としての部活動が中核をなしている。このことはスクールバンドの. 活動が1年周期に行われていることを示している。つまり、バンドの構成人員が毎年少しず つ変わってくる。バンドの指導者は、1年かけて積み上げた活動を、年度が代わるごとに新 メンバーと共に新しい活動として積みなおしていくことになるのである。基礎指導において も同じことが言える。初心者の多い新入部員に対する初歩的な基礎指導を毎年の状況に合わ せて行うだけでなく、バンド全体のバランスなどを、新メンバーの力量に合わせて年ごとに つくっていかなければならないと考える。つまり、日本のバンド指導では、系統的な指導体 制が取りにくく、それに伴い、段階的な指導も行いにくい状況にあると言えよう。. このように、日本のスクールバンドの活動における基礎指導では、その活動が1年周期と いう短期間に行われることにより系統的・段階的な指導が難しくなる。また、各種行事によ る時間的制約、特にコンクールに偏った活動により基礎指導を十分に行うことが出来ないと 考える。この二つの問題は、スクールバンド指導においての基礎領域の確立に大きな弊害に なっていると思われる。. 16.

(20) 2.アメリカのスクールバンドと基礎指導. アメリカ音楽教育では、学校の音楽の授業の中にバンド活動が組み込まれている。バンド 活動は、アメリカの音楽教育の柱にひとつとして取り組まれている。. アメリカのバンド活動は、世界的にみても高い水準にあるといわれる。アメリカにあるバ ンドの9割以上をスクールバンドが占めている。小畑恵洋は、アメリカのバンドの繁栄に 至った背景を3つの要点で示している。注工第1は、「吹奏楽が正規の授業として〈バンド〉 注2. ニいう科目で専門の指導者によって小学校→中学校→高等学校→大学と一貫して指導され. ている」こと、第2は、 「吹奏楽活動を推進するために必要な経済・流通の組織と地盤が定. 着している」ということ、第3は、「アメリカ国民の生活と吹奏楽とが密接な関係にあり、 切っても切り離せない関係にある」ということである。. スクールバンドの活動にもっとも密接に関わっているのは、第1の要点である。アメリカ のスクールバンドの活動は、音楽教育の一環として行われている。吹奏楽以外にも、オーケ ストラやコーラス、ジャズなどがあり、選択科目として音楽の授業に組み込まれている。バ. ンドの授業は一般的に10歳からはじめられる。アメリカでは、「スクール・バンドと音楽 教育は一心同体であり、スクール・バンドの底辺に支えられてこそ大学とかプロの頂点に立 つバンドの存在も可能となる」「スクール・バンドは、小学校から高等学校までの全人教育 の一環として確立した地位を与えられている。」注3というように、授業としての取り組みで. あるので、楽譜の読み方から念入りに学ぶことができるようになっている。また、初めて楽 器を手にした子どもたちが、ゆっくり時間をかけて基礎から取り組めるような過程を践める ようになっている。. 日本では、活動の中心をコンクールに置いているバンドが多いことは前述の通りである。 アメリカにおいても様々なコンテストが開かれている。コンテストには、ソロコンテスト、. アンサンブルコンテスト、バンドコンテストがあり、各州ごとに指導者協会の独自の運営に より行われている。安達弘潮は、 「アメリカの管楽器教育について触れる時、いわゆるバン. ドのコンクールという問題と、その実態を回避することはできない。なぜなら、アメリカに おけるバンドのコンクール(コンテスト・フェスティヴァル)は、明確に音楽教育の一部、 又はその一貫としての内容を強く持つものと判断されるからである。」注4と述べている。ア 注1. ヤ松文治他編『新版吹奏楽講座6』 P102. 注2. qバンド〉とは管・打楽器を主体とする合奏団体のこと(赤松文治他編『新版吹奏楽講座6』 P101). 注3. ヤ松文治他編『新版吹奏楽講座6』 PlO2. 注4. タ達弘潮『アメリカの管楽器教育について』 P1. 17.

(21) メリカでのバンドのコンクールは、1920年代にはじまったといわれている。当初のアメ リカのコンクールは、今日の日本のように課題曲が用意され、細かく厳しい審査が行われて いた。しかし、現在のコンクールでは、バンドのカラーを重要視し、音楽的に優れたバンド が評価され、またバンドもそれぞれのオリジナリティーのある音楽を目指そうと努力してい る。コンテストの実施内容のひとつに初見視奏(Sight Reading)がある。この初見視奏に対. し安達は、「子ども達の音楽教育の中では、単に手先の器用さよりも、又はそれと同等のバ ランスを持って、いわゆる生きたソルフェージュの教育として、そうした初見視奏を重視し ていると思われ、こうした現状が、いわば音楽教育的、又は、音楽教育の一環としてのコン クールのあり方ひとつの理由にもなろうと判断される」注‘と言っている。アメリカのバンド 活動は、精神的にも、制度的にも教育活動の一貫として成り立っている。. 注5. タ達弘潮「アメリカの管楽器教育について』 P1. 18.

(22) 3.スクールバンドの活動の意義. 以上述べたように、日本とアメリカのスクールバンドの活動には、音楽の授業におけるバ ンド活動の位置付けと、コンクールに対する参加の意義の2点で大きな違いがみられる。 バンド教育が音楽教育のひとつとして推進されているアメリカとは違い、日本では、課外. 活動として発展してきた。その過程から、活動のサイクルが1年周期となり、時間をかけた 指導体制を確立することが困難である。様々な視点から、アメリカの活動を手本としてきた 日本にとってこの指導体制の根本的な違いが、今日の日本の活動の大きな問題点のひとつと なっている。. 課外活動におけるバンド活動では、コンクールに対する参加の意義にもいくつかの問題点 が存在する。そのひとつが、コンクールに対する勝利至上主義といわれる考え方である。こ の考え方は、スクールバンドの中でも特に中学校・高等学校の活動に強くみられる。コンク ールへの参加の意義は、本来ならば演奏する機会に至る過程を価値ある音楽経験:と認識する. ことにあろう。しかし、最初から良い結果を追い求めるような取り組みがなされているバン ドも多くみられる。. アメリカでは、コンクールに対し音楽教育的な配慮がなされ、賞や順位を追い求めるので はなく、お互いに進歩できるように共に切磋琢磨していくよう取り組まれている。アメリカ のバンド界において、コンクールは演奏の技術面の向上を図るだけでなく、バンド活動の土 台となる役割を担っているといえる。. 安達弘潮は、アメリカと日本のスクールバンドの比較論の中で「吹奏楽の音楽教育として の位置付けと体系化を確立すべきである」注6と言っている。また、コンクールについては、 「将来とも、身に付いていく明確な方法で実施する」 「吹奏楽には、その広範囲な音楽の内. 容が含まれていることから、音楽教育的効果としての宝庫となる可能性があり、指導者達は それに気付くべきである」注7と言っている。. 日本における課外活動の教育的意義には、「・教科指導を中心とした授業では経験できな いものの経験:・子供の自主性、自活能力の伸張・異年齢集団での集団活動の体験:・子供の興. 味や趣味の発見、伸張」注8という位置づけがなされ、それによって行われるはずのものであ る。しかし、現実には時間的・技術的問題等によりに理念が活かされていないと思われる。. このような活動においては、指導者が様々な演奏の場を提供できたとしてもその意義が達成 注6. タ達弘潮「学校吹奏楽部に思う」 『季刊音楽教育研究69』 P165. 注?. ッ上 ェ木正一「吹奏楽部のあり方をめぐって」 『季刊音楽教育研究68』 P192. 注8. 19.

(23) されず、子供たちは音楽の魅力を十分に感じ得ることができないであろう。先の2つの問題 も含めて、スクールバンドでの音楽活動の本質を見直す必要がある。日本のスクールバンド の活動は、これまでアメリカの活動を至る所で参考にしてきている。様々な問題が起こって いる日本の吹奏楽界は今、音楽教育の手段としてのアメリカのバンド活動の本質をあらため て見習うべきではないだろうか。. 20.

(24) 第2章 バンド教本について 第1節 バンド教本について 1.バンド教本使用の意義. 吹奏楽指導の基礎領域のひとつにバンド教本による基礎指導があげられる。多くのバンド では合奏の基礎指導のためにバンド教本を用いている。村方千之は、バンド教本について、 「合奏練習書とは、それぞれ別個に書かれた個々の楽器のための教本とは違って、共通する. ひとつの課題を使い、合奏法の基礎である音階や旋律のユニゾン、和音、複旋律などの課題 を通して、互いに音を聞き合いバンドのバランスや音程を合わせることのこつを修得するた めに書かれたもの」注工としている。この合奏練習書とは、本小論で取り上げているバンド教. 本と同じものである。バンド教本は合奏の基本を系統的に指導するためのテキストである。 系統的な指導とは、単に楽器の技術的な修得にとどまらず、初めて楽器を持つものが段階を ふんで課題に取り組むことで、音楽の魅力を継続して味わうことができるというメリットが ある。また、全員が同じ課題を通して時間を共有することにより、合奏においての基本的な 姿勢を身につけるという意味でも大切なことである。. バンド教本の種類は多種にわたり、内容も様々である。その内容は大きく分けると二つに 分類できる。 「初級バンド用の総合バンドメソード」と「目的を絞ったメソード」である。. 初級バンド用の総合バンドメソードは、「楽器の組立方や、音の出し方、音域の拡大、タン ギングなど奏法・楽典の勉強など基本を楽しみながら徐々にマスターしていく教科書的な内 容」注2である。目的を絞ったメソードは、「ハーモニー、スケール、アルペッジョ、リズム など1種類あるいは数種の内容を持ち、具体的なレヴェルの向上をはかるもの」注3である。. 現在、多くの指導者によって使われているバンド教本を、内容別に分類する。ここでのバン ドメソードはバンド教本と同じである。また、初級バンド用の総合バンド教本だけでなく、. 基礎的なことから様々な要素の向上を図る内容のものも含めて総合的なバンド教本とし、こ の総合的なバンド教本と目的を絞ったバンド教本に分ける。. 注1 注2 注3. u新版吹奏楽講i座6』 P248 H山紀夫編『吹奏楽指導者全集第5巻 合奏の指導と指揮法』同朋社、1988 P46. ッ上 21.

(25) 総合的なバンド教本. ・ネム・バンド・メソッド(日本バンドクリニック委員会 1991年) ・ベスト イン クラス(ブルース・ピアソン著 1982年) ・ファースト・ディヴィジョン・バンド教本(ブレッド・ウェーバー著 1962年) ・誰にでもできる合奏の基本トレーニング(秋山紀夫著 1981年). ・新しい吹奏楽教本(川崎旧著 1979年) ・アレグロ.1(B.M.Gジャパン 1998年). 目的を絞ったバンド教本. ・3D・バンドブック(J. D.プロイハー/G. B.ゼップ共著 1983年目. ・テイップス・フォーバンド(ニロ・W・ホビー著 1959年) ・トレジャリー・オブ・スケール(レナード・B・スミス著 1952年) ・バンド・トレーニング・ブック(伊藤透・吉田孝司共著 1987年) ・ブージー・アンド・ホークス・バンドメソッド. (J.E.スコルニカ/」.バージェム共著 1947年) ・スクールバンドの基礎練習(八田泰一著 1982年) ・トータル・トレーニング(ミュージックエイト 出版年未記載). 以前は、基礎指導としてバンド教本を扱うときに、総合的なバンド教本を一種類だけじっ くり使用する指導者が多かった。しかし、最近では多くの指導者が数種類の教本を組み合わ せ、自分バンドにあった内容を活動時間に合わせて使用している。それに伴い、目的を絞っ たバンド教本が多く出版されているようになった。これには、活動時間の減少による基礎指 導に当てられる時間が限られてしまうことや、構成人数の減少により編成の多様化などが原 因にあげられる。そのために、指導者のそれぞれ創意工夫により、バンドに合わせたバンド 教本の使用が行われはじめている。一方で、経験の少ない指導者は、バンド教本の内容を深 く理解しないまま毎日の練習に使用しているところもあるようである。バンド教本は、合奏 の基礎領域において段階を踏んで修得するために効果的な手段として使用するものである。 段階を踏んだ修得という課程の中で理解することで、指導者の経験の量や質に関係なく、誰 もが順を追って進めていくことができるものであると思われる。. 22.

(26) 2.バンド教本使用の実態調査. バンド教本による基礎指導は今も昔も行われているが、教本の種類や使用教本数、構成人 数の減少など、昔と今とではその使用法が変わってきている。そこで、実際にどのようなバ ンド教本がどのように使われているのか、また、どのような効果があるのか、どのような問 題点が生じているのかなどを知るためにバンド教本に関する実態調査を行った。調査に関し ては、次の通りである。. 調査対象:福井県下の中学校・高等学校の吹奏楽部のうち、全日本吹奏楽連盟に加盟して いる学校. 調査数 :中学校58校、高等学校28校 (そのうち、中学校46校、高等学校20校から回答を得た). 調査期間:7月26日∼8月26日、9月13日∼17日 調査方法:アンケート法. アンケートの結果はつぎの通りである。なお、アンケートの内容は巻末にて掲載する。. 23.

(27) 質問A 現在、バンド教本を使用していますか。. 49. 現在使用している 所持していないが使用したことはある. 2. 所持しているが使用したことはない. 12. 所持していない使用したこともない. 2. 質問Bバンド教本を使用している方にお尋ねします。 1、現在使用している(又は過去に使用していた)バンド教本をあげて下さい。. 3Dバンド・ブック. 22(2). ネム・バンドメソード. 21(6). テイップス・フォー・バンド. 12(4). トレジャリー・オブ・スケール. 7(10). ベスト イン クラス. 7(2). ファースト・ディヴィジョン・バンド教本. 5(7). 誰にでもできる合奏の基本トレーニング. 3(3). バンド・トレーニング・ブック. 2(1). ブージー・アンド・ホークス・バンドメソッド. 0(1). スクールバンドの基礎練習. 0(1). その他. @ アレグロ1の基礎トレーニング @ トータルトレーニング @ 木管楽器の基礎トレーニング. 24. 5(0) Q(0) P(0).

(28) 2、そのバンド教本はどのようにして選びましたか。. 他の先生の紹介、勧めで. 24. 自分で内容を確かめて. 16. 吹奏楽関係の雑誌などを見て. 8. 生徒からの要請で. 8. バンドの課題とする内容が載っていたため. 5. 楽器店の紹介で. 5. その他. 4. @. 前指導者からの物. @. 学生時代に使用していた物. @. ネムにて購入. @. 学校の伝統、他校との合同練習に使用. 3、使用期間、方法についてお尋ねします。. ①、年間でどの時期に使用していますか。. 35. 1年を通して使用している. 4. 1年のある時期のみ使用 @*それはいつ頃ですか. @ 3月∼5月 @ 4月∼8月 @ 5月∼6月. @ 9月∼11月. @ 10月∼12月 特に時期を決めず、必要なときのみ使用している. 25. 14.

(29) ②、週のうち何日間使用していますか。 毎日. 17. 1日. 1. 2日. 7. 3日. 4. 4画面ら6日. 7. 18. 特に決めていない. ③、バンド教本を使用する日全体の練習時間とその教本を 使用する時間はどのくらいですか。. バンド教本を使用する日の全体の練習時間 未定. 1. 30分∼1時間. 1. 1時間∼2時間. 23. 2時間∼3時間. 11. 3時間∼4時間. 3. 使用する時間 2. 未定. 25. 15分以下. 15分∼30分. 5. 30分∼1時間. 9. 1時間∼2時間. 1. 26.

(30) ④、どのような方法で使用されていますか。 使用時に指導者がついて指導している. 39. 使用時に指導者がつかず、生徒のみで行っている. 30. *どういう観点で指導されていますか 音程. 17. ハーモニー. 11. アタック. 9. アーテイキュレーション. 8. 音色. 7. ブレンド. 5. ブレス. 5. バランス. 4. 基礎練習. 3. リズム. 3. ウォーミングアップとクールダウン. 3. 合奏の基礎練習. 2. 目的意識を育てる. 2. スケール. 1. ディナーミク. 1. 生徒のみで練習した後のチェック. 1. イメージを持たせる. 1. テンポ感. 1. 27.

(31) 4、現在使用している教本はどういう目的で使用されていますか。 合奏能力の向上のため. 初心者(新入生)のための合奏トレーニング. 41 17 6. その他. @. ウォームアップ. @. 基礎技術の習得(個人の). @. より美しい音を出す喜びを知ってもらうため. *使用している中で、特にウェイトをおいている要素は何ですか. プレスコントロール. 40 38 36 20. バランス. 19. アインザツツ. 18. サウンド. 17. スケール. 17. リズム. 16. ブレンド. 14. アーティキュレーション. 13. 音程 音色. ハーモニー. アタック. 9. ソノリテ. 5. メロディー. 3. インターバル. 3. 28.

(32) 5、バンド教本を使用していて何かメリットはありましたか。. 生徒の合奏に対する意志向上が見られた. 18. 総合的なレベルアップができた. 16. 初心者への合奏の導入が行いやすい. 15. ある技術的要素の向上が見られた *それはどのような要素ですか. 11. ハーモニートレーニング タイミング 音程 バランス. フィンガリング 6. その他. 合奏への集中 音づくり. 音をよく聴く. 目的意識の明確化 練習の段取りがしやすい. 練習の統一感 5. 特にメリットは感じられなかった. 29.

(33) 質問Cバンド教本を使用していない方にお尋ねします。. 1、現在使用していない理由は何ですか。 行事などに追われて時間的余裕がない. 9. 以前使用していたがそれほど必要とは思わない. 2. バンド教本には特に興味、関心がない. 2. その他 @ うまく使いこなせない. 2. @. 少人数のため使わなくても練習ができる. 2、バンド教本のかわりにどのような合奏トレーニングを行っていましたか。. ●1→IV→1→V→工の和音練習 ・ユニゾンによるリズム練習. 3、内容の知っている(過去に使用していた)バンド教本をあげて下さい。 ファースト・ディヴィジョン・バンド教本. 7. 3D・バンドブック. 3. トレジャリー・オブ・スケール. 2. ネム・バンド・メソッド. 2. 誰にでもできる合奏の基本トレーニング. 1. ベスト イン クラス. 1. 30.

(34) 質問Dバンド教本の情報に関してこれから知りたいことはどのようなことです か。. これから知りたい情報はない. 21. これから知りたい情報がある. 30. *それはどのようなことですか ・応用の仕方. ・他の先生の使用例 ・効果的使用法 ・サウンドづくり. ・初心者への具体的な指導法 ・ピッチのあわせかた. ・楽しく基本なことが身に付くには ・効果的な要素. ・デイリー的で楽器別ポイントがある物 ・あきない物 ・低価格な物. ・項目別に効果をしぼられた物 ・教本を使った実践の視覚的な物 ・新しい物の内容. ・新しい物と古い物との比較. ・どんな物が何を目的に作られているか ・自分のバンドにあった教本探し. 31.

(35) 質問Eバンド教本に関して何かありましたらどのようなことでもお書き下さい。. ・呼吸法やお腹の使い方など基礎的なこと ・教本を使う上でのマニュアル本 ・地区ごとでの教本を使った講習会 ・打楽器の扱い方. ・色々なバンド教本があるが、どう利用するかが問題点 ・現在使用している物で満足している. ・「おもしろい」と思える素材で自然に技術が身に付く教本 ・バンド教本は充実しているので、楽器個別の物を開発してほしい. ・範奏CDの様な物があると未経験者でも指導しやすい ・音楽的で楽しい物. ・教本を使って出てくる音を分析する指導者の力量 ・項目別に教本の内容を整理して使用したい ・楽器の教本とバンド教本の違いが分からない. 32.

(36) 3.バンド教本使用の実態調査からの考察. (1)指導者のバンド教本に関する知識 バンド教本に関する知識の質問に対して、表のような結果であった。. 質問A 現在、バンド教本を使用していますか。. 現在使用している. 高等学校. 合計. 67%(16). 75%(49). 中学校. 質問項目. 81%(33). 所持していないが使用したことはある. 2%( 1). 4%( 1). 所持しているが使用したことはない. 15%(6). 25%(6). 所持していない使用したこともない. 2%( 1). 4%( 1). 3%(2) 19%(!2). 3%(2). 質問B 2、そのバンド教本はどのようにして選びましたか。. 中学校. 質問項目. 高等学校. 合計. 他の先生の紹介、勧めで. 40%(19). 27%(5). 34%(24). 自分で内容を確かめて. 28%(13). 17%(3). 23%(16). 吹奏楽関係の雑誌などを見て. 10%(5). 17%(3). 11%(8). 生徒からの要請で. 10%(5). 17%(3). 11%(8). 楽器店の紹介で. 6%(3). 11%(2). 7%(5). バンドの課題とする内容が載っていたため. 6%(3>. 11%(2). 7%(5). その他. 7%(5). @ 全指導者からの物 @ 学生時代に使用していた物. @ 学校の伝統 @ 他校との合同練習に使用 @. アンブッシュア・チェック. 33.

(37) 今までに使用したことがあるものと使用はしていないが所持しているものを合わせると、. 全体の97%にものぼる。これは、アンケートを行ったほとんどの指導者が何らかの形でバ ンド教本の存在を知っているということである。. バンド教本の情報は、他の指導者からの紹介や直に勧められて得たとする指導者が多い。 また、自分で内容を確かめて選ぶことも多いようである。楽器店や吹奏楽の雑誌などから情 報を得る指導者もいることから、最近では、バンド教本に関する情報などは比較的簡単に手 に入ることと思われる。一方前任の指導者が残していったものなど、バンドによっては長年 にわたり使用しているものもある。このことから、バンド教本に関する情報は得られても、 実際には積極的に活用していないように思われる。 現在使用しているバンド教本に関しては、次のようなものであった。. 質問B 1、現在使用しているバンド教本をあげて下さい。. 質問項目. 中学校. 高等学校. 合計. 3D・バンドブック. 28%(19). 16%(3). 25%(22). ネム・バンド・メソッド. 22%(15). 32%(6). 24%(21). ティップス・フォー・バンド. 12%(8). 21%(4). 14%(12). 8%(5). 11%(2). 8%(7). トレジャリー・オブ・スケール ベスト イン クラス ファースト・ディヴィジョン・. @. バンド教本. アレグロ1 誰にでもできる合奏の. @. 基本トレーニング. バンド・トレーニング・ブックス トータル・トレーニング. 木管楽器の基礎トレーニング. 0. 8%(7). 6%(4). 5%(1). 5%(5). 6%(4). 5%(1). 5%(5). 3%(2). 5%(1). 4%(3). 1%(1). 5%(1). 3%(2). 3%(2). 0. 3%(2). 1%(1). 0. 1%(1). 10%(7). 34.

(38) 多くのバンドが使っている教本は、「ネム・バンド・メソード」と「3D・バンド・ブッ ク」「ティップス・フォー・バンド」の3つのバンド教本であった。「ネム・バンドメソー ド」は、前節にあげた分類で分けると、総合的バンド教本であり、後の2つは目的を絞った. バンド教本である。しかし、1つのバンド教本を使用しているバンドは少ない。ほとんどの バンドは複数の教本を使っている。上記の3つの教本は、複数使用するバンド教本の中でも 中心的に用いられているものである。また、各バンドにあった項目を、複数のバンド教本か ら技術的要素を抽出して使用しているバンドもみられた。. (2)バンド教本の使用時間と使用方法. 質問B 3、使用期間、方法についてお尋ねします。 ①、年間でどの時期に使用していますか。 ②、週のうち何日間使用していますか。. ③、バンド教本を使用する日の使用する時間はどのくらいですか。. 35.

(39) ①年間の使用期間. 中学校. 高等学校. 合計. 85%(11). 66%(35). 1年を通して使用. 60%(24). 1年のある時期のみ使用. 10%(4). 必要なときのみ使用. 30%(!2). 15%(2). 26%(14). 30%(!2). 36%(5). 32%(17). 7%(1). 2%(1). 22%(3). 13%(7). 0. 8%(4). ②週単位の使用期間 毎日使用. 0. 1日使用 2日使用. 10%(4). 3日使用. 8%(3). 7%( !). 7%(4). 4∼6日使用. 12%( 5). 14%(2). 13%(7). 特に決めていない. 40%(!6). 14%(2). 33%(18). 67%(20). 42%(5). 60%(25). 33%(4). 12%( 5). 25%(3). 21%(9). ③ 1日の使用時間 15分以下使用. 15分∼30分 30分∼1時間. 3%( /). 20%(6). 1時間∼2時間 未定. 3%( !). 0. 2%(1). 7%(2). 0. 5%(2). 質問B 3 ④、どのような方法で使用されていますか。. 質問項目 使用時に指導者がついて指導してい. 使用時に指導者がつかず、. @. 生徒のみで行っている. 高等学校. 合計. 64%(32). 37%(7). 57%(39). 36%(18). 63%(12). 43%(30). 中学校. 36.

(40) 指導時に、指導者がついて行う場合の指導観点 音程. ハーモニー アタック. アーティキュレーション .音色. ブレンド ブレス. バランス. 基礎練習 リズム. ウォーミングアップとクールダウン 合奏の基礎練習 目的意識を育てる. スケール ディナーミク. 生徒のみで練習した後のチェック イメージを持たせる テンポ感. 使用期間は、!年を通して使用しているバンドと、特に時期を決めずに必要なときのみ使. 用しているバンドに大別される。少数ではあるが、1年のある時期のみ使用しているバンド もあるようである。これらのバンドは、3月から6月の主に新入生が入る時期に使用してい るようである。. 週単位では、毎日使用しているバンドと特に決めずに使用しているバンド多い。これは、 基礎指導を習慣化させ、定着を図る指導者がいる一方、バンド教本の使用に積極的ではない 指導者もいるということである。. 1日の使用時間は、!5分以下のバンドが多い。これは、使用方法と深く関わっている。 指導者が直接指導を行う、行わないに関わらず、ある要素をデイリー・トレーニングの内容 のひとつとして扱っているようである。また、ウォーミングアップを兼ねた使い方をしてい るバンドもみられる。. 37.

(41) (3)バンド教本使用の目的. 質問B 4、現在使用している教本はどういう目的で使用されていますか。. バンド教本使用の目的 合奏能力の向上 初心者(新入生)のための. @. 合奏トレーニング. 高等学校. 合計. 65%(32). 60%(9). 64%(4!). 29%(14). 20%(3). 27%(17). 中学校. その他. 9%(6). @ ウォームアップ @ 基礎技術の習得(個人の) @ より美しい音を出す喜びを. @. 知ってもらうため. 38.

(42) 質問C 5、バンド教本を使用していて何かメリットはありましたか。. 質問項目. 中学校. 高等学校. 合計. 生徒の合奏に対する意識向上が見られた. 23%(12). 33%(6). 25%(18). 総合的なレベルアップができた. 24%(13). 16%(3). 24%(16). 初心者への合奏の導入が行いやすい. 19%(10). 28%(5). 21%(15). ある技術的要素の向上が見られた. 17%(9). 11%(2). 15%(11). 9%(5). 6%(1). 8%(6). 8%(4). 6%(!). 7%(5). ・ハーモニートレーニング ・タイミング ・音程. ・バランス. ・フィンガリング その他.. 合奏への集中 音づくり. 音をよく聴く. 目的意識の明確化. 練習の段取りがしやすい 練習の統一感 特にメリットは感じられなかった. バンド教本使用の目的は、合奏能力の向上のためとしているバンドが多い。基礎的奏法を 身に付けさせることなど、新入生や初心者のための合奏トレーニングとして使用するバンド もみられる。また、その他に、ウォーミングアップとして使用しているところも多い。使用 にあたり、特にウェイトをおいている要素として、音程や音色、ハーモニーをあげる指導者 が多い。また、多くの要素を扱う指導者もいるようである。. 実際に使用している中でのメリットには、合奏に対する意識の向上が見られたことや、初 39.

(43) 心者への合奏の導入が行いやすいなどがあげられる。これは、常に技術的要素の向上だけで なく、総合力の育成をバンド教本により図っている指導者がいるということである。一方、. 少数ではあるが、特にメリットを感じずに使用している指導者もあり、確かな指導法が浸透 しきっていないという面も感じられる。. (4)バンド教本を使用しない理由. 質問C 1、現在使用していない理由は何ですか。 質問項目. 中学校. 高等学校. 合計. 行事などに追われて時間的余裕がない. 66%(4). 72%(5). 61%(9). 以前使用していたが @ それほど必要とは思わない. 17%(1). 14%(1). 13%(2). バンド教本には特に興味、関心がない. 17%(1). 14%(1). 13%(2) 13%(2). その他. @ うまく使いこなせない @ 少人数のため使わなくても @ 練習ができる. 3、内容の知っている(過去に使用していた)バンド教本をあげて下さい。 質問項目. 中学校. ファースト・ディヴィジョン・. @. バンド教本. 3D・バンドブック トレジャリー・オブ・スケール. 高等学校. 合計. 37%(3). 45%(4). 44%(7). 24%(2). 11%(1). 18%(3). 22%(2). 13%(2). 0. ネム・バンド・メソッド. 13%(1). 11%(1). 13%(2). 誰にでもできる合奏の基本トレーニング. 13%(1). ll%(!). 6%(1). ベスト イン クラス. 13%(1). 0. 6%(!). バンド教本を使用しない理由の多くは時間的に余裕がないということである。学校内外の. 40.

(44) 多くの行事におわれ、十分な時間が確保できない現状があるようである。一方、バンド教本 自体に関心や興味がない指導者や、必要としていない指導者もいるようである。その他には 部員数が少ないために、バンド教本を使用しなくても練習を進めることができるというバン ドもみられた。. バンド教本を使用しない指導者においてもいくつかのバンド教本についての知識はある。 バンド教本の使用に関して積極的ではない指導者がいることがうかがわれる。. (5)バンド教本に代わる練習内容. 質問C 2、バンド教本のかわりにどのような合奏トレーニングを行っていましたか。. ●1→W→1→V→1の和音練習 ・ユニゾンによるリズム練習. バンド教本を使用していないバンドでは、指導者がバンドにあったが合奏トレーニングを. 作成し使用しているようである。その内容は、ユニゾンでのリズム練習や、1→W→1→V →1などのコードによる和音練習などがみられた。これは、練習時間が少ないため、充分な 基礎指導の時間が確保できないことから、指導者が技術的要素をバンド教本などから抽出し て行っていると思われる。. (6)バンド教本に関して知りたい情報. 質問D バンド教本の情報に関してこれから知りたいことはどのようなことです かQ. 質問項目. 中学校. 高等学校. 合計. これから知りたい情報がある. 6ユ%(20). 56%(10). 59%(30). これから知りたい情報はない. 31%(13). 44%(8). 41%(21). バンド教本に関しての情報は、使用している、していないにかかわらず、知りたい情報が. あると回答した指導者が多い。バンド教本に関して知りたいという情報は大きく2つに分け られる。1つはバンド教本の使用法についてである。初心者への指導法や効果的な活用法、 他の指導者による実践などがあげられている。もうひとつは、バンド教本の内容についてで. 41.

参照

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