Title
Effect of immobilization on the ultrastructure of the golden
hamster parathyroid gland( 内容の要旨(Summary) )
Author(s)
玉田, 章
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)乙 第1167号
Issue Date
1998-06-17
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/15104
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氏名 (本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 玉■ 田 章(岐阜県) 博 士(医学) 乙第1167 号 平成10 年 6 月17 日 学位規則第4条第2項該当
Effect ofimmobilization on the ultrastructure of the golden hamster Parathyroid gJand (主査)教授 正 村
静
子 (副査)教授 伊 藤 和 夫 教授 森 秀 樹 論 文 内 容 の 要 旨 徴重力環境の模擬実験として行われる運動の抑制すなわち不動が骨代謝に影響を及ぼすことが知られている。 長期間の不動によりt 高カルシウム血症.高カルシウム尿症ひいては骨組怒症が誘発されるという報告を見る。 骨吸収は不動にした動物に起こる主要な変化である。上皮小休ホルモンの分泌に対する不動の影響の評価は,研究者によって様々である。不動にした動物の上皮小体の微細構造の研究は,1976年のLindgren and Boquistに
よるものを除いて報告されていない。 不動の方法については,器具による吊り下げ,プラスチック坂上への絆創膏による四肢の束縛,腰椎部におけ る脊髄切断による対麻痺,骨盤または四肢のギプス固定.後肢への包帯の装着などの報告がある。 今回の研究で申請者らは,動物拘束用′ト型飼育ケージ内で飼育し,不動状態としたゴールデン・ハムスターの 上皮小体の微細構造の変化を定量的に研究した。また,Dualenergy X-rayabsorptiometry(DXA)を用い. 不動後の骨塩量(BMC)と骨密度(BMD)の変化を参考とした。 材料および方法 生後10i軌凱平均体重110gの堆ゴールデン・ハムスターを5匹づっ,3群に分けた。対照群はクレア社製流水 洗浄ユニットのケージ(38×26×18cm)に5匹をまとめて入れ5日間飼育した。予備実験でケージ内に単独で飼 育した動物は対照群のものに対して運動量が少なかったので,対照群と同じ型のケージ1個に1匹づっ入れ.5日 間飼育した動物を孤立群とした。ポールマンケージⅡ型(12×4.5×4cm)に1匹づっ入れ5日間飼育したものを 不動群とした。ハムスターは実験期間中に通常の固形飼料と水道水を随意に摂取することが可能であった。 ベントパルビタール麻酔下ですべての動物から上皮/ト体を摘出し,摘出した上皮小体を2.5%グルタールアル デヒドと2%オスミウム酸を含むMillonig液で1時間固定後,アセトン上昇系列にて脱水を行い,エポキシ樹脂に 包埋した。Porter-Blum社製MT-1超ミクロトームにて超薄切片を作製し,酢酸ウテニル・鉛塩で二重染色を施 し,日立H-800型電子顕微鏡で観察した。各動物の上皮小体において異なる領域から最終倍率22,000倍の顕微鏡 写真20枚を無作為に選択し,細胞質単位面積中に占めるミトコンドリア,ゴルジ装置.水解小体,脂質滴,大型 空胞の面構と分泌果粒の数をFinetec社製イメージ・アナライザーにより計測した。 また,血清カルシウム濃度をCorning社製蛍光分析法カルシウムアナライザー・Model-940を用いて測定した。 さらに,実験開始初日と5El目にX線骨密度測定装置を使用し,DXA法にて全身のBMCとBMDを計測した。 得られたすべてのデータはMacintosh社製コンピュータでStat ViewJ-4.5を使用し,一元配置分散分析法に より有意差を検定し,さらにFisherの多重比較検定を用いて統計学的に評価した。 結 果 平均血清カルシウム濃度に関して,3群問に有意差は認められなかった。 対照群の上皮小休の形態は,以前に報告されている正常なハムスターと同様の形態を示していた。主細胞は卵 形または多角形を舅し,隣接する細胞の細胞膜には.時に複雑に絡みあう朕合が認められた。細胞間隙は一般的 に狭小であったが,時に見られる拡張した細胞間隙には微粒子状の構造が観察された。細胞質中には,ミトコン
ドリアと遊離リポソームが散在していた。ゴルジ装置は比較的よく発達しており,分泌前粟粒を件っていた。租 面/川包体は,不規則に分散するものと層板配列のものが混在していた。高い電子密度を有する直径150∼300nm の分泌果粒が,しばしば細胞質中に観察された。直径350∼750nmの人型空胎内には,微粒子扶物質と小胞が含 まれていた。 孤立群と不動群の上皮小休細胞中にはt 対照群に比較し,多くの水解小体,脂質滴,大型空胞が見られた。不 動群の脂質痛が主細胞中に占める割合は,他の2群より高値であった。ミトコンドリアとゴルジ装置については3 群間に有意差は認められなかった。分泌果拉の数は孤立群と不動群で,対照群よりわずかに多かった。 対照群と孤立群の実験開始後5日目において,BMDは実験初日と比較し有意に増加した。不動群の5Lヨ目のB MDは,初日と比較して有意差は認められなかった。実験開始5日日の対照群と孤立群のBMCと体重は,初日と 比較して有意差は認められなかったが,不動群でほ有意に減少した。 考 察 不動あるいは徴重力環境によって誘発される骨減少についてほ.多くの記載が見られる。DXA法を用いた研 究で不動によりBMDとBMCが減少したという報告がある。今回の申請者らの研究では.Bourrin et al.と Kannus et al.の報告と同様に,不動群でBMCと体重が減少したことが証明された。 Jfll清カルシウム濃度は,上皮小体ホルモン分泌の主な調節因子であると知られている。Ma efαJ.はラット の血清カルシウム濃度が不動後2時間で有意に下がると報告したが,今回の研究では,群間での血清カルシウム の変化はなかった。
Lindgren and Boquistは.形態計測の手法を行うことなく.不動群と対照群のラットとの間に上皮小休の形 態的変化は見られないと報告している。申請者らは本研究で,不動群の上皮小休の主細胞中に占める水解/ト軋 脂質満と大型空胞の割合が,対照群より有意に高いことを証明した。分泌果粒,ゴルジ装置とミトコンドリアに 関しては.3群間に有意差は観察されなかった。機能低下した主細胞に脂質滴,水解小体の増加が見られること が多くの実験的研究により知られている。Emura eヱαJ.は最近,急性高カルシウム血症によって大型空胞は増 加し,低カルシウム血症によって減少するこを報告している。本研究の不動群における水解小体,大型空胞,脂 質滴の増加のような上皮小体の微細構造の変化は.上皮小休機能抑制実験と似た所見で,不動による上皮小休機 能抑制が示唆される。
論文審査の結果の要旨
申請者 玉田章は,不動状態にしたゴールデン・ハムスターの上皮小体の微細構造の変化を形態学的・定量的 に研究し,上皮小体の機能抑制が見られることを示した。本研究は内分泌器官の形態学的機能解明に寄与するも のと認める。 [主論文公表誌]Effectofimmobilizationon theultrastructureofthegolden hamsterparathyroidgland