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大学図書館貸出データの計量的分析
一上智大学図書館貸出データの分析を中心に一
原 田 隆 史1.はじめに
出版物の増加,諸物価の上昇,地価の高騰に伴う用地の取得難といった状況 のなかで,図書館がその予算やスペースの大幅な増加を期待することは,近年 ますます困難になりつつある。そこで,大学図書館においてもコストをなるべ く押さえっっ利用者の要求に十分応えうるようなサ・一ビスを行っていく必要が ある。 このようなサービスを実現するたあには,図書館の各状況・各場面において 適切な意思決定を行っていくことが必要不可欠である。例えば,選書,廃棄, 予算配分,機器の選択など,大学図書館において行わなければならない決定は 数多いが, これらの決定を的確に実行・処理していくことが,効果的かつ効率 的な図書館運営につながっていく。しかしながら,図書館で取り扱うべき情報 量の増大にともない,図書館員の主観的判断や経験だけに頼って効果的な意思 決定を行うことは非常に困難となっている。そこで,意思決定を支援するため に,正)客観的尺度あるいは客観的基準の設定すること,2)設定した基準の もとに数量的なデータを組織的に収集すること,3)収集したデータをもとに 意思決定者に対して有用な情報を出力するようなモデルを構築すること,の必 要性が高まってきている。 一方,図書館へのコンピュータの導入,特に貸出サービスの機械化に伴って,84 吉田貞夫教授追悼号(彦根論叢 第260, 261号) 貸出統計が容易にしかも正確に得ることができるようになり,貸出データを中 心とする利用データを図書館運営に役立てることが可能となりっっある。しか し,いままで統計データを図書館運営に応用しようとする研究は,ほとんど行 われていない。 そこで,本研究では図書館の貸出データをもとにして,貸出された図書と利 用者の属性との相関関係等に関する分析を行い,図書館の利用データを用いて 各図書館が独自の管理・運営に関する意思決定を行うために必要な基礎的デー タ作成を試みた。 H.図書の利用に関する研究 図書館に対するコンピュータの導入が盛んになる以前にも各図書館単位での 調査が行われていた。初期のものとしては,1950年代のFusslerとSimonに のよるシカゴ大学図書館の図書利用調査があげられる。 この研究は,図書利用を 予測する統計学的手法を開発することを目的としたもので,図書館運営のたあ の定量的モデルの発達を促す発端となり,その考え方や理論は現在にまで大き な影響を与えている。 最近の図書館調査の例としては,KentらによるPittsburgh大学での調査が ラ ある。この研究の目的は,図書・雑誌が利用される程度とそのサービスに必要 とされる総費用との関係を明らかにするための尺度を開発することにあったが, 図書の利用に関しても貴重なデータを提供している。 の 日本においては,国際基督教大学(ICU)における貸出調査の例がある。これ は,特に未貸出図書の分析を主目的として行なわれたものであるが,同時に通 常の利用状況に関してもデータの集計を行なっている。また,公共図書館での り分析例であるが,神戸市立図書館においても貸出記録の分析が行なわれている。 これらの調査結果から図書の利用を予測する際には以下の3っの要因について 考慮すべきであることが示唆された。すなわち,①図書の年齢(オブソレッセ ンス),②特定の図書に対する利用の集中,③利用者の属性(利用分散)である。 しかし,実際のデータを用いて,これらの要因が図書の利用に与える影響の強
大学図書館貸出データの計量的分析 85 さを明らかにした研究は今まで行われていない。 1.図書の年齢(オブソレッセンス) 図書の年齢とは,図書の出版(場合によっては受入)からの経過年数を指す。 図書の年齢が高くなるほど利用は減少する。この図書年齢に応じた利用の減少 をオブソレッセンスと呼ぶ。オブソレッセンスを数式化して図書館運営に有効 ら に役立てようとする試みは,1940年代のGosnellにはじまると言われている。 う その後,1960年代にはColeによって負の指数関数を用いた数式が提案され, ア また,Priceによるいくつかの研究に刺激された科学社会学的な観点から研究 も多数行われた。しかし,この時代の研究対象は雑誌の引用がほとんどであり, 図書の利用に関する研究は比較的少数に留まっている。したがって,雑誌論文 のオブソレッセンスに関して成立する負の指数関数が図書利用のオブソレッセ ンスについても成立するかどうかは検証されていない。事実,Hodowanecは 図書のオブソレッセンスが負の指数関数で記述できるということに疑問を提出 う している。 2.特定の図書に対する利用の集中 図書の利用は年間の利用回数が1∼2回といった図書が非常に多い一方で20 回以上利用されるような図書も存在する。これは多数の「周辺的な」図書と少 数の「中心的な」図書の存在を示したもので,雑誌論文に関するブラッド フォードの法則に対応している。この図書利用集中の数式化を目指して貸出頻 度分布にあてはあようとする研究も多くみられる。 ラ 最初に貸出頻度分布を確率分布で表現したのはMorseであり,彼は幾何分布 を用いた。 しかし,幾何分布は現実の貸出頻度分布に適合しないことが報告さ ユの れ,のちにBagustが負の二項分布を用いた修正を行っている。現在では,こ の負の二項分布が貸出頻度分布を記述する確率分布として最も有力視されてお のり,慶慮義塾大学の貸出データを分析した岸田らの報告でも,その優位性が示 されている。
86 吉田貞夫教授追悼号(彦根論叢第260,261号) この利用/貸出頻度分布の経年的な変化を記述するモデルを開発する試みも ラ ユリ Burrellや岸田らによって行われている。このモデルはブラッドフォードの法則 とオブソレッセンスを融合させるもので,今後が期待されている。 3,利用者の属性(利用分散) 大学図書館では,ある主題分野に属する図書はその主題分野を専攻する学生 による利用が多く,逆に,各学生は自分の専攻する分野の図書を中心として利 用することが予想される。 しかし,学際的な分野を専攻する学生は特定の分野 の図書だけではなく,複数の分野に属する図書を同程度に利用する。また,研 究・教育で必要な基礎的知識を身につけるために学生が他分野の図書を利用す ゆる傾向が強い分野も存在する。たとえば,逸村らは慶磨義塾大学日吉情報セン ターの貸出データを分析し,経済学部の学生による数学分野の図書の利用が非 常に多いことなどを明らかにしている。 このような文献・図書の分野と利用者の属する分野との関係は,「利用分散」 として比較的古くから問題とされている。例えば,1969年にEarleとVickery ゆ は論文の引用調査の一部として利用分散を扱っており,McGrathらは,多次元 尺度構成法を用いて各主題分野をマッピングすることによって,「ある主題分野 を専攻している学生が,その主題分野の文献・図書を利用する程度」と,「ある 主題分野の図書が,その分野を専攻している学生に利用される程度」の分析を しら ラ 行うことを提案した。しかし,多次元尺度構成法を用いる場合,図書と利用者 に関する相関行列は対称行列とする必要があるため,「数学科の学生が経済学分 野の蔵書を利用する」ことと「経済学科の学生が数学の蔵書を利用する」こと を区別できない。この問題は林の数量化理論第皿類を用いて処理することによ り解決されると考えられる。 皿.貸出記録の分析方法 本研究では,1987年度の上智大学図書館貸出データ129,812件(のべ貸出回 数)中,117,185件を対象として分析を行った。
大学図書館貸出データの計量的分析 87 上智大学は,文学部,外国語学部,経済学部,法学部,理工学部,神学部, 比較文化学部の7学部を持つ総合大学である。1987年度の上智大学図書館の蔵 書冊数は,図書463,980冊,雑誌140,826冊,また受入図書数,継続雑誌タイト ル数はそれぞれ47,395冊,5,123タイトル,資料費は約3億3200万円で,専任 職員は51名である。蔵書(図書および雑誌)は,研究図書,雑誌,学部学生用図 書に分けて配架されており,さらに,研究図書は分野別に図書館の各階に配架 されている。また,この蔵書以外に「軽読書」と呼ばれる文庫,新書密約1万 冊が学部学生用図書と同じフロアに配架されている。 分析は,図書の主題分野,学生の所属学部ごとの利用回数の集計の他に,上 記の3つの要因に対応して以下の分析を行った。 1) オブソレッセンスの分析 オブソレッセンスの分析を行う方法としては,a)観測対象となる図書・文献 集合を決めて,その利用を多くの時点で観測する方法論時的観察法)と,b) 観測時点を一時点に決めて,その時点で利用されていた図書・文献の年齢分布 を調べる方法(共時的観察法)がある。図書の利用が減少する傾向を正確に把握 するためには,通時的観察法を用いることが適切であると考えられる。 しかし,通時的観察法は環境の変化を受けやすいこと,共時的観察法でも蔵 書数の増加の影響を考慮することによって信頼性の高い結果が得られることが 経験的に明らかであることから,本研究では共時的観察法を用いることとした。 すなわち,1987年に貸出された図書の,受入年ごとの貸出回数の分布を求め分 析を行った。さらに,貸出回数を受入年ごとの受入図書数で割ることにより図 書一冊あたりの平均貸出回数(蔵書回転率とも呼ばれる)の変化も求めた。 2)特定の図書に対する利用集中の分析 貸し出された図書数と,のべ貸出数との関係について分析を行うために,図 書を貸出回数の多い順にならべ,図書の異なり冊数と,のべ貸出回数との関係 を以下のブラッドフォードの法則の簡単な数式表現にあてはあることを試みた。 本来,ブラッドフォードの法則は雑誌の関連文献数に関する関係を規定するも のであり,図書の貸出に直接適用すべきかどうかについては十分な結論が得ら
88 吉田貞夫教授追悼号(彦根論叢 第260,261号) れていないが,おおまかな傾向をつかむ上では十分であると考えられる。 y=a log r+B y:のべ貸出回数 r:図書の異なり冊数の総和 ここでαは貸出が少数のコア・コレクションに集中している程度,βはそのコ ア・コレクションの中でも特に貸出が多い図書の貸出回数の程度を示す。 3)利用者の属性に関する分析 学生の所属学科と図書の主題分野との関係は,所属学科と主題分野とのクロ ス表を作成する以外に,林の数量化理論第皿類を用いて明らかにした。この数 量化理論第皿類を用いることで,分野別蔵書の利用パターンが似た学科,また 利用され方のパターンがよく似た分野を識別することが可能になると考えられ る。 なお,上智大学の学科構成等を考慮し,図書の主題分野としては大分類とし
て第1表aに示すNDCの10区分,小分類として第1表bに示す33分野を設
定した。軽読書は「NDC番号なし」のカテゴリーに含あた。また,学生の所属 については小分類として学科単位,大分類として学部単位を用いた。 IV.貸出記録の分析 1.利用の全体像 1987年度に上智大学図書館において利用された図書の分野別貸出回数を第2 表に,利用学生の所属学部別貸出回数を第3表に示す。 第2表に見られるように,300(社会科学)分野の図書の利用が多いが,これ は社会科学を専攻する利用者の数が多いこと,蔵書数が多いことが原因である と考えられる。このことは,社会科学分野の図書の平均貸出回数が0.3176と全 体の平均とほぼ等しいことからも明らかである。それに対し,400(自然科学) および500(技術)分野の図書の平均貸出回数は,0.4041および0.4946と非常に大学図書館貸出データの計量的分析
第1表aNDC10区分
890123456789
総 記(図書館,書誌学,百科事典,ジャーナリズム,叢書) 哲学・宗教(哲学,心理学,倫理学,宗教) 歴史・地理(歴史,伝記,地理,紀行) 社会科学(政治,法律,経済,統計,社会,教育,民族,軍事) 自然科学(数学,理学,医学) 技 術(工学,工業,家政学) 産業(農林業,水産業,商業,交通) 芸術(美術,音楽,演劇,体育,諸芸,娯楽) 言 量五 にコ ロロ 文 学 第1表b 設定した33の主題分野 番号 主 題 分 野 番号 主 題 分野 1 図書館・情報学 19 化学・金属工学・鉱山工学・ 2 資料・ジャーナリズム 化学工学・製造工業 3 哲学・倫理学・宗教学 20 天文学・宇宙科学・地球科学・ 4 心理学 地学・地質学・生物科学 5 歴史 21 医学・薬学 6 伝記 22 技術・工学一般 7 地理・地誌・紀行 23 建設工学・土木工学・建築学 8 社会科学一般 24 機械工学・原子力工学・ 9 政治 海洋工学・船舶工学 10 法律 25 電気工学・電子工学 11 経済・財政・統計 26 家政学・生活科学 12 社会 27 産業 13 教育 28 芸術 14 風俗習慣・民俗学 29 諸芸・娯楽 15 国防・軍事 30 き駈口π口 16 自然科学一般 31 文学 17 数学 32 文学・東洋文学 18 物理学 33 英米文学などの西洋文学 高い値を示しており,貸出回数に比較して蔵書数が少ないことが明らかである。 このことは,心理学分野の図書についても同様であった。 また,学生1人あたりの軽読書以外の図書貸出回数は,理工学部(8.80),次 いで文学部(6.90),以下法学部(4.37),外国語学部(3。76),経済学部(2.98),神 学部(1.94)の順であった。このうち,理工学部学生の利用が多いのは実験レ ポート執筆のための利用が多いためと考えられる。90 吉田貞夫教授追悼号(彦根論叢 第260,261号) 第2表 分野別賃出回数と平均貸出数
NDC
貸出回数 蔵 書 数 平均貸出数 000 1,897 17,095 0.1110 100 6,848 23,486 0.2916 200 9、457 46,082 0.2052 300 22910 72 142 0,3176 , , 400 10,934 27,057 0.4041 500 6,411 12,962 0.4946 600 2,196 10,658 0.2060 700 3,301 10,866 0,3038 800 3,236 13,401 0,2415 900 9,458 40,184 0.2353 なし 26,379 10,986 2,4011 合計 103,025 284,919 0.3615 第3表 学部別図書貸出回数 貸出回数(軽読書) 学生数 平均貸出回数 洋比 神 学部 273 ( 36) 122 2,237 (1.9426) 10.5% 文 学 部 29,939 ( 9,883) 2,909 10.295 (6.8968) 5.3%法学部
8,184 ( 2,779) 1,238 6.610 (4.3659) 7.9% 経済学部 5,402 ( 1,872) 1,184 4.582 (2.9814) 4.0% 外国語学部 19,389 ( 7,710) 2,047 9.471 (3.7644) 18.7% 理工学部 15,619 ( 2,095) 1,537 10.162 (8.7990) 1.5% 総 計 103,025 (26,379)寡1 9,037 8.720 (2.6972) *1:学部生以外の利用が24,219(うち軽読書2,004)回 2,受入年度別の貸出回数と蔵書一冊当り平均貸出数 図書受入年度別の図書の貸出回数を蔵書数,蔵書1冊あたりの平均貸出回数 とともに第1図に示す。第1図に示すように,貸出回数は受入年度が新しくな るにともなって指数的に増加する傾向がみられた。しかし,この増加の主な要 因は蔵書数の増加によるものであり,蔵書1冊あたりの平均貸出回数の変化は, ごく最近の2年間を除いては線形的な増加となることが明らかとなった。しか も,その直線の傾きは大きくなく,従来言われていた「古い図書が利用されな いという傾向」は見られなかった。 3.貸出頻度分布の分析大学図書館貸出データの計量的分析 91 単位・千
30
25 貸 20尚15
彗
10 5 0 68 〈 ’ \ ノ も 蔵書数” 平均貸出回数(10万冊あたり) 1/へ__/・、 /
/一ノ /フ乙く、
! 、 、 ノ ! 、》 ! ,ヘ ノ 、 ノ A ! 、 ’ ! 、 ! 一,一 ノノ ノ ノササノ ’一一一一” 貸出回数72 76 80 84
受け入れ年度 第1図 貸出回数変化(学部学生による利用) 88 貸出回数の多い順に図書を並べ,貸出の何%が蔵書の何%で充足されている かという点についての分析を行なった結果を第4表に示す。第4表から,上智 大学図書館においては,1987年度においては蔵書の約20%で貸出が充足され ていることが明らかになった。また,蔵書の約5%で貸出の50%が,蔵書の 約9%の貸出の四分の三が充足されていることがわかった。 さらに,貸出図書数とのべ貸出回数との関係の対数回帰分析結果を分野別 (NDC 10区分別)に第5表に示す。第5表でαの値が大きいほど少数の図書に貸 出が集中していることを示す。第5表に見られるように,NDC 300番台は回帰 分析の係数αの値が小さく貸出が比較的分散しており,さらに200番台や900 番台も同様の傾向にある。すなわち,上智大学図書館においては,社会科学や 人文科学の図書は,貸出の少数の図書への集中が比較的緩やかだと言える。 4.各学科に属する学生と各主題に属する図書の分析 貸出された図書の主題分野と,利用した学生の属する学科との関係を第6表 に示す。また,各学科の学生と各分野の図書との利用との関係をより詳細に検92 吉田貞夫教授追悼号(彦根論叢 第260,261号) 表4 貸出回数の多い順に図書を並べた時の累積貸出数 順位 累積貸出数 i o ooo?060 1 2 O.OOIjoOo 1 3 O.OOIfoO i 4 e.ool% i 5 O.002% i 7 O.002foO 1 8 O.003% i 9 O.003% 1 10 O,004% i 11 OIOO4% 1 14 O.QO59,1 16 O.006foO i 21 o.oo7go6 1 25 O.009% 1 30 O.Oll% 1 37 O. O 13 906 1 62 O.053% 120 O.103% 157 O.134906 193 O.165SO)6, 227 O.194 9(or 293 O.251% 325 O.278% 356 O.305SO)6 386 O.3309(o1 413 O.353% 482 O.412906 526 O.450% 631 O.5400% 707 O.605% 797 O.682% 909 O.778 SO}6, 順位 累積貸出数 48 74 110 189 189 288 430 688 1,e79 1,735 2,772 4,564 7,678 13,536 25,554 57,795 o.Oi7Y, i O.026SO)6 i O.039% i O. 066 0% l O.066% l o.lol% l O.151% i O.241% l o.379?06e I O.609% i O.973% 1 1.6029 1 2.695% i 4.751% 1 8.969% i 1,074 1,438 1,906 2,854 2,854 3,943 5,363 7,685 10,813 15,405 21,627 30,587 43,043 60,617 84,653 20.285% 1 116,894 O.919% 1.230 906 1.631 906 2.442 906 2.442 %0 3.373%0 4.588% 6.574 0% 9.250% 13.179% 18.501 906 26.166% 36.822% 51.856% 72.419% 100.000 906 蔵書数1284,910 第5表 回帰分析による解祈結果
NDC
β α 決定係数 000 1.02 0.127 0.76 100 0.79 0.097 0.74 200 0.79 0.091 0.71 3001 0.70 0.078 0.78 400 0.80 0.103 0.72 500 0.83 0.111 0.75 600 0.94 0.120 0.80 700 0.89 0。119 0.77 800 0.88 0.113 0.76 900 0.81 0.094 0.71 なし 0.69 0.109 0.76 全体 0.61 0.062 0.64 討するため,林の数量化理論第皿顔による分析を行った。 その結果,各学科の学生が当該主題分野の図書を多く利用する傾向が明らか となった。また,当該主題分野以外の図書についてもNDCの分類番号上で近 い分野の図書を中心として利用することが明らかとなった。さらに,数量化理 論第皿類の分析から,上智大学の各学科および上智大学図書館の蔵書を以下に大学図書館貸出データの計量的分析 93 ロへ躍州\葱齢 榔⑩ ←㎜
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齢 採 幾 圓 掛恢四一・齢恢椅田 糊 O 轍 一 山 齢凌聴超・樹蔭幡 齢H串鯉・卦︺[駁紐 齢︺[肚腱・齢︺[塚鰹 齢][終嗣・齢H瀦鰻 鍋一日H。寒堵 幹周 ・ 齢 圏 齢§姻・日韓・肝帆k 齢H睡姻。齢母 齢 騨 鐸 卦 癒 軽一卦誌誕皿 締糾 ・ 遮圃 齢連田。回田迎唾 佃 聴 姻 転 註泰・蔭濾・嵐騨 鰍 炬 廻 督謎1紳誌姻謁
に禦・瀧爵・則翼 旧幅 @ 遜 叙 圏 齢 園 や 齢藩帳・齢騨選・珊卸 簗 駆 紳騨襲・瑠㌍区漢
羅甕羅一二臼ぴっ二〇っOお露一§ゆ歯一お一一霧8§一二一陣沼88望ヨ等出鴇一一§一韓一§甕O卜㎝oっ甕§一①諮一§ 詫 くロ94 吉田貞夫教授追悼号(彦根論叢第260,261号) 示す観点からグルー.プ化する3つの解を抽出することができた。 1.自然科学(理工学)系と人文・社会科学系 2.(自然科学系について)理学系と工学系 3.(人文・社会科学系について)文学系,社会学系,心理学および社会福祉 学系 特に,理工学部学生と人文・社会科学系学部学生の図書利用行動には大きな 相違があった。すなわち,理工学部学生以外の自然科学分野に属する図書の利 用は非常に少なく,逆に,理工学部学生の自然科学分野以外に属する図書の利 用が少ない傾向が見られた。なお,「哲学・倫理学・宗教学」「芸術」および 「文学」分野の図書は各学科の学生による利用が平均していた。 各学科のカテゴリーウエイトと各分野のサンプル・スコアについての2次元 プロットの例(第2解と第3解)を第2図および第3図に示す。 これらの調査結果を二丁義塾大学日吉情報センターにおける貸出データの分 ロコヒヨロユの 析と比較した場合,特に異なる傾向が見られたのは以下の点である。 1) 日吉情報センターの貸出データに見られた「経済・経営学科の学生による 数学分野の図書の利用」が少ない。 2)「医学」「建築学」に属する図書は,理工学部系各学科の学生による利用よ りも人文・社会科学系各回科の学生による利用の方が多い。これは,上智 大学図書館の医学書の利用者が社会福祉学科と心理学科に多いためである (理工学部の利用は少ない)。 さらに,これらの各回をもとにした「図書の貸出傾向から見た各学科間の距 離」を第4図に示す。英語学科と英文学科のように,同一の言語を対象として いても文学系各学科の学生と語学系各学科の学生間で図書の利用に大きな違い があることも明らかとなった。 V.まとめと今後の課題 今回はわずか一年分のデータの分析であり,今後さらに調査を重ねる必要は あるものの,将来のスペースの狭隆化の備えて,保存書庫への別置あるいは廃
大学図書館貸出データの計量的分析 95 2.40 1.60 O.80 解 o.02 一〇.8 一1.60 一2.40 1化 1数 ;物 1 : : 1 : 心 i 福 教1 一一一o社一一一一附票露仏語一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一 法際営 ポ史生英語イ 仏文 独文 国 独語 英文 : : 1 電 : : 1機 1 「 一1.50 一〇.75 O.O O.75 解 3 1.5e 2.25 3.00 第2図 学科に関する2次元プロット図(第2解および第3解) ただし,神学科(神),哲学科(哲),教育学科(教),心理学科(心),史学科(史), 国文学科(国),英文学科(英文),独文学科(独文),仏文学科(仏文),新聞学科 (新),社会学科(社),社会福祉学科(福),法律学科(法),国際関係法学科(際), 経済学科(経),経営学科(営),英語学科(英語),仏語学科(仏語),独語学科(独 語),イスパニア語学科(イ),ロシア語学科(露),ポルトガル語学科(ポ),機械 工学科(機),電気電子工学科(電),数学科(数),物理学科(物),化学科(化) 棄への指針が得られたと言える。 すなわち,図書正冊あたりの利用回数が図書の年齢に対して直線的な減少で あることから,受入年に重点を置いて古い図書から順に別置等をするという方 針ではなく,内容や分野による別置方針をとることの重要性が示唆される。 また,上智大学図書館では,リザーブ資料あるいは軽読書を除いても,貸出 回数の非常に多い図書(いわゆるコァ・コレクシ・ン)が多数存在した。これらの
96 吉田貞夫教授追悼号(彦根論叢第260,261号) 解 2 3.00 2.00 1.00 o.o 一ユ.00 一2.00 一3,00 一一一一一
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法 経 医心 軍資哲地風芸図一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一 政社司 軍 1化 : i自 1数 : 天l l物 : 面 壁 .歴−−lI−!電I−−技⋮助 言 西東 文 一1.60 一〇.80 o.o O.80 解 3 1.60 2.40 3.20 第3図 分野に関する2次元プロット図(第2解および第3解) ただし,図書館・情報学(図),資科(資),哲学・倫理学・宗学(哲),心理学 (心),歴史(歴),伝記(伝),地理・地誌・紀行(地),社会科学一般(S),政治 (政),法律(法),経済・財政・統計(経),社(社),数育(教),風俗習慣・民俗 学(風),国防・軍事(軍),自然科学一般(自),数学(数),物理学(物),化学・ 金属工学・鉱山工学(化),天文学・守宙科学・地球科学・地学(天),生物科学。 医学・薬学(医),技術・工学一般(技),建設工学・嗣木工学(健),機械工学・ 原子力工学(機),電気・電子工学(電),産業(産),芸術(芸),言語(語),文学 (文),東洋文学(東),西洋文学(西) 図書の貸出回数がこれだけ多いということは,その図書を必要としていた別の 利用者が,貸出中のたあにそれを利用できないという事態が生じている可能性 が非常に大きい。したがってこれらの図書の複本の購入を提言できる。同様に, 分野によって,コア・コレクションにより貸出が集中する度合に大きな差があ ることも明らかとなった。これは今後の選書の方針の参考にもなろう。 さらに,学生の所属学科と図書の主題分野との間の強い相関については,図97 大学図書館貸出データの計量的分析
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7) 8) 9) 10) 11) 12) 13) 14) 15) 16) 17) 大学図書館貸出データの計量的分析 99 たとえば,Derek, J. de Solla Price. Little Science, Big Science. Columbia University Press.1963, p.212.(邦訳は, D.プライス,リトルサイエ ンス・ビッグサイエンス 科学の科学・科学情報,島尾永康訳,東京,創元社, 1970, p.224.) Hodowanec, George V. Literature obsolescence, disoersion, and collection development. College & Research Libraries. VoL 44, No. 6, p.421−443 (1983). Morse, Philip M. Library effectiveness: a system approach. Cambridge, Mass, MIT Press, 1968, 207 p. Bagust, A. A circulation model for busy public libraries. Journal of Documentation. VoL 39, No. 1 , p. 24−37 (1983). 岸田和明;原田隆史;高山正也:小川治之;逸村裕,大学図書館における図書 の貸出頻度についての確率過程モデルの検討一負の二項分布を中心として一, Library and lnformation Science. No.25, p.25−39 (1987). Burrell, Quentin. A note on ageing in a library circulation model. Journal of Documentation. Vol.41, No. 2, p. 100−115 (1985). 逸話裕;原田隆史;岸田和明;高山正也;小川治之,貸出データに基づく大学 図書館蔵書における主題分野の特性分析,第36回日本図書館学会研究大会 1988, 10. Earle, Penelop: Vickery, B. C. Social science literature use in the UK an indicated by citations. Journal of Documentation, Vol.25, No. 2, p.123− 141 (i969). McGrath, William E; Simon, Donald J; Bullard, Evelyn. Ethnocentricity and cross−disciplinary circulation. College & Research Libraries. VoL 40, No. 6, p. 511−518 (1979). McGrath, William E. Multidimensional mapping of book circulation in an university library. College & Research Libraries. Vol.44, p.103−115 (1983). 原田隆史;岸田和明;高山正也;小川治之;逸村裕,高等教育機関の学習図書 館における分野別蔵書の利用状況についての統計学的分析,第35回田本書館学会, 1987, 10.