原 著 ( 東 女 医 大 誌 第55巻 第5
号)
頁 427-441 昭和60年5月 Jウィリス動脈輪閉塞症の臨床遺伝学的研究
東 京 女 子 医 科 大 学 小 児 科 学 教 室 ( 主 任 福 山 幸 夫 教 授 〉川 井 未 加 子
( 受 付 昭 和60年2月 5日〉A Genetic Study of Idiopathic Spontaneous Multiple Occ1usions of the Circ1e of Willis (Moyamoya Disease)
Mikako K A W AI
,
M.D.Department of Pediatrics (Chief: Prof. Yukio FUKUYAMA) Tokyo Women's Medical College
A genetic study of “moyamoya disease", which had not been undertaken in the past, was carried out. Through the multiinstitutional cooperation, reliable data on 222 families were obtained. These families were divided into the two groups
,
i.e.,
with proband of child cases(75%) and adult cases(25%).Familial occurrence was observed in13families(5,
86%).In the sample 3 twin pairs were inc1uded. A pair of monozygotic twins was concordant as to the disease. The male; female ratio of all cases was 1:1.69, of the probands was 1:1.78, so this disease predominated in female. With the patient whose parents were normal,
the recurrence rate in siblings was computed,
after dividing them into pediatric group and adult group. With the adult group, the recurrence rate was 1.81 %, on the other hand, with pediatric group, the recurrence rate was 5.26g人and3.32% over all. In more severe cases-child cases-the recurrence risk of siblings was higher than that of the group with adu1t cases. And the recurrence risk for relatives of male probands was higher than that of female probands (with the male probands4.95%; with female probands2.75%).The rate of incidence of moyamoya disease in sibs(3.32%)to that in general population(2.9%)
was approximately equal to the expected ratio from multifactorial inheritance. From the above result, it was considered that the mode of inheritance of moyamoya disease was multifactorial inheritance. Ac-cording to Fa1coner's procedure, the heritability was estimated as78%, suggesting that the genotype was highly associated with the liability. は じ め に ウィリス動脈輪閉塞症(以下モヤモヤ病と略〉 は,その特異な脳血管写所見から 4つのclinical entityとして, 1963年鈴木ら1)により,世界に先駆 け本邦で初めて報告された疾患で、ある.本疾,患の 脳血管写所見は,両側の内頚動脈終末部から前お よび中大脳動脈の起始部 (carotidfork部〉に, 原困不明の狭窄あるいは閉塞像があり,かっその 付近の脳底部に,左右の程度の差はあるが,両側 の網状の異常血管像を示す2)というものである. 確定診断には脳血管撮影が必要であるが,臨床上 以下の特徴を持つ3)4)といわれている.1)女性に 多く発病する.2)初発年齢に 0-5歳代, 30-39 歳代の2つの好発年齢を持つ.3)病型は出血型・ てんかん型・梗塞型・一過性脳虚血型(以下TIA 型〉にわけられ,小児例ではTIA型の運動障害〔単 麻痔,片麻簿等〉で発症するものが多く,成人例 では頭蓋内出血で発症するものが多い
.
4
)
転帰に ついては小児例は発症年齢が低い程知能障害・神 経学的後遺症を残す叩成人例では,その多くが 自力での日常生活が可能で神経学的後遺症も少な い.死亡例の多くは出血型である.諸外国での本427-8 症の報告も散見されるが8) 16),現在のところ日本 人に多発している. 本症の成因に関しては先天性奇形説19ト21},後天 性説22)-聞が討論されてきたが,未だ病理学的にも 結論を得ていない33)現時点では,原悶不明の後天 的な内頚動脈終末部の狭窄が出現し,その脳血流 不全に対処すべく,各主幹動脈聞に形成された側 副血行路が脳底部異常血管網の本態であろうとい う説が支持されている4)2刑 制5) しかしながら症例 が集積されるにつれ,家族内発症例がすくなから ず報告されるようになった.そこで著者は,今ま で皆無で、あった遺伝学的立場から,本症の成因に 闘し分析をおこなったのでここに報告する. 対象及び方法 厚生省特定疾患ウィリス動脈輪閉塞症研究班 (班長:後藤文男教授〉において, 1977年一1982年 の6年聞に行なわれた全国疫学調査の資料をもと に,全国217施設を対象に家系調査用紙を送付,あ るいは著者が出向し, 123施設(回答率56.7%)か ら回答を得, 264家系についての資料が得られた. これに1970年 1983年の14年間に東京女子医科大 学小児科に入院した31家系の資料も合わせ,計295 家系について検討した.これら家系資料の裏付け をするため,都道府県の戸籍係に依頼し,戸籍謄 本による確認を行なった.家系資料の得られた家 系のうち診断基準
(
T
a
b
l
e
1)上の確実例,即ち, 脳血管撮影上両側性に変化が認められている家系 222家系(そのうち戸籍調査済125家系, 56.3%) について検討分析した.自ら作成した登録名簿に より患者の氏名,生年月日を照合し,症例の重複 を避けた. これら222家系の発端者家族,すなわち両親・同 胞及び親族の中で,臨床的に本症が強く考えられ たが脳血管写による確定診断は下されていない症 例については未確認例として扱った.これらの家 系に含まれる確実例の全患者数は235名であり,未 確認例を含めると247名であった. 患者の発症年齢により,成人期発症例05
歳以 上で発症したもの.以後成人例と略記〉と小児期 発症例 (15歳未満に発症したもの.以後小児例と 略記〉とに分け,各々について遺伝性を検討した. Table 1 ウ ィ リ ス 動 脈 輪 閉 塞 症 診 断 の 手 引 き 1 イ)発症年齢は各層にわたるが,若年者に多く,性別で は女性に多い傾向がある. ロ)症状及び経過については,無症状〔偶然発見)のもの から,一過性のもの,および固定神経症状を塁するも のなど軽重・多岐にわたっている. ハ)小児例では脳乏血症状を,成人例では頭蓋内出血症 状を主体とするものが多い. ニ)すなわち小児例では,片麻里草,単麻里草,知覚異常, 不随意運動,頭痛,産李などが反復発作的に出現し, ときに病側が左右交替して現われることがある.さら に知能低下や固定神経症状を呈するに到るものもあ る しかし,成人例のように出血発作をきたすことはま れである. ホ〉成人例では小児例同様の症状を呈するものもある が,多くは脳室内,クモ膜下,あるいは脳内出血で突 然発症する.これらは多くは軽快し,あるいは固定神 経症状を残すが,中には重症となり,死亡するものも ある. 2.診断上,脳血管撮影は必須であり,少くとも次の所見が ある. イ〉頭蓋内内頚動脈末端,前及び中大脳動脈近位部に狭 窄または閉塞がみられる. ロ〉その附近に異常血管網が動脈相においてみられる. ハ〕これらの所見は両側性にみられる. 3.原因不明で特別の基礎疾患はみられない. 4 診断の参考となる病理学的所見 イ)内頚動脈終末部を中心とする内膜肥厚と,それによ る内腔狭窄ないし閉塞が通常両側性に認められる. ときに肥厚内膜内に脂質沈着を伴うこともある. ロ〕前・中大脳動脈,後交通動脈などウィリス動脈輸を 構成する諸動脈に,しばしば内膜の線維性肥厚・内弾 性板の屈曲・中膜の非簿化を伴う種々の程度の狭窄な いし閉塞が認められる. ハ)ウィリス動脈輸を中心として多数の小血管〔穿通枝 および吻合枝〉が見られる. ニ)しばしば軟膜内に小血管の網状集合が見られる. 診断の基準 1ーにのべられている事項を参考として,下記 の如く分類する.なお脳血管撮影を行わず,剖 検を行ったものについては4.を参考として別途 に検討する. 1.確実例 2.のすべての条件及び3をみたすもの. 2.疑い例 2,3.のうち.2.のハ〕の条件のみをみたさないも の. (厚生省特定疾患ウィリス動脈輪開塞症調査研究班による〕 対象症例の発症年齢分布はTable2
に示すごとく であり,初発時平均年齢は成人例35.3歳〔男35歳, 女35.5歳 入 小 児 例5.4歳(男5.7歳,女5.2歳〉で あった.発端者が小児例である家系は全体の75% 428ーTable 2 Onset Age Distribution of the Probands Age(yrs) Male Female Total
0-1 6 7 13 2-3 9 24 33 Child 4-5 11 19 30 cases 6-7 6 14 20 8-9 12 10 22 10-14 6 11 17 15-19 3 4 7 20-25 1 7 8 25-29 7 8 15 30-34 5 11 16 35-39 4 6 10 Adult 40-44 4 4 8 cases 45-49 4 7 11 50-54
。
9 9 55-59 1。
1 60-64 1 1 2 Total 80 142 222 を占めていた. 男女比は,確実例のみでは1:
1
.
6
9
,未確認例 を含めても1:
1.6
9
,発端者のみでは1
・1.7
8
で あった.さらに成人例と小児例にわけて発端者の 性比をみても,それぞれ1:
1
.
9
,1: 1
.
7
と同様 の結果を得た.いずれも女性に有意に多かった. しかしながら,発端者以外の擢患者男女比 1 1.8 (未確認例を含むと 1: 1. 7)は,母集団が少 ない為,統計的には有意差が認められなかった. 初発症状の病型別では, Table 3に示すごとく, 小児例ではTIA
型が6
8
例48.2%
と最も多く,混合 型2
8
例19.9%
,梗塞型2
1
例14.9%
で,出血型は3
例2.1%
と少なかった.成人例では,出血型5
3
例60.9%
,梗塞型1
6
例18.4%
,TIA
型7
例8.0%
,て んかん型5例5.7%であった. これら2
2
2
家系を,現住所および本籍地により都 道府県,地方別に分類すると, Table4
のごとくでTable 3 N umber of cases of propositi by sex and by type of disease at the onset
A¥g¥e ¥yrs)
~\\\
TypeHemorrhage Infarction TIA Epilepsy Mixed Others Sex male female male female male female male female male f田nale male female
。
-
1。 。
2。 。
4 1 l 1 2。 。
2-3。 。
2 3 6 13 1 3 1 4。
1 Child 4-5。
1 2 3 7 12 2 1 1 2。 。
cases 6-7。 。
3 2 3 6。
5。
2。 。
8-9。 。 。 。
5 5 I 1 5 2。
1 n=135 10-14 1 1 2 2 2 5。
1 1 1 1 1 Total 1 2 11 10 23 45 5 12 9 13 l 3 Percent 01 child cases 2.1 14.9 48.2 12.1 19.9 2.8 15-19 1 2 1 2 1。 。 。 。 。 。 。
20-24 1 4。
3。 。 。 。 。 。 。 。
25-29 2 8 4。 。 。
1。 。 。 。 。
30-34 2 6 1。
1 2 1 1。
2。 。
Adult 35-39 4 5。
1。 。 。 。 。
1。 。
cases 40-44 2 1 1。
1。 。
1。
2。 。
45-49 4 5。
2。 。 。 。 。 。 。 。
n=87 50-54。
5。
1。 。 。
1。
1。 。
55-59。 。 。 。
1。 。 。 。 。 。 。
60。
1。 。
l。 。 。 。 。 。 。
Total 16 37 7 9 5 2 2 3。
6。 。
Percent 01 adult cases 60.9 18.4 8.0 5.7 6.9 All Total 17 39 18 19 28 47 7 15 9 19 1 3 cases All cases 56 37 75 22 28 4 n=222 Percent in allc.前回 25.2 16.7 33.8 9.9 12.6 l.8 n: numbers of family-429-10
Table 4 Number of families by present address and permanent(registered in family record) address. Prefecture aBdydprersessent Badydpreesrsmanent Prefecture Bady dpreresssent aBdy d permanent ress Hokkaido 10 6 Chugoku District 17 21 Tohoku District 8 10 Okayama 5 8 Aomori
。
。
Shimane 1 1 Akita 3 2 Hiroshima 5 4 Yamagata 1 3 Yamaguchi 4 4 Iwate。
。
ToUori 2 4 Miyagi 3 3Fukushima 1 2 Shikoku District 10 12
Ehime l
。
Kanto District 72 50 Kagawa 5 5 Tochigi 1 1 Kochi 1 3 Gunma 1 1 Tokushima 3 4 Ibaraki 6 6 Saitama 4 3 Kyushu District 37 37 Chiba 6 6 Fukuoka 13 11 Tokyo 46 30 Oita。
l Kanagawa 8 3 Kumamoto 4 6 Nagasaki 10 10 Chubu District 31 30 Miyazaki 6 6 Niigata 3 4 Saga 2 1 Fukui 2 1 Kagoshima 2 2 Toyama 5 5 Okinawa。
。
Ishikawa 4 3 Yamanashi。
。
Unknown。
32 Shizuoka 7 6 Peru 1 1 Gifu 3 3 Korea D 1 Aichi 4 5 Tota! 222 222 Nagano 3 3 Kinki District 36 22 Shiga 2 3 Kyoto 6 2 Nara 1。
Mie 9 5 Osaka 10 7 Hyogo 8 4 Wakayawa。
1 430ーあった.外国在住邦人の報告例もあり, Peruおよ び韓国がそれぞれ1例ずつあった.家系分析にあ たり,本症の一般人口発症頻度が確立されていな いため,相対頻度法を使用し,結果の項で記述す るような方法で,一般集団における発症頻度を 0.07%と推定して分析した. 分析方法ならびに結果 1.患者両親の近親婚 近親婚は,近親婚について判明した187家系中2 家系(1.06%)のみに認められ,いとこ結婚(夫 の父と妻の父が兄弟〉といとこ半結婚が各々
1
家 系ずつで、あった.2
.
家族内発現 発端者以外に家系内に患者を有し,同一家系内 患者全員が確実例である家系は13家系 (5.86%) あった.また発端者以外の家族に,脳血管写によ る確認はされていないが臨床的に本症が強く考え られる未確認例が存在する家系は9家系あり,こ れを含めると家族内発現は22家系 (9.9%)に認め られた (Fig.1-1, 1-2, 1-3). 1) 双生児例 発端者が双生児である家系は3家系(1.35%) I . Familial cases with affected parent and children I -F司
辛
子
10I-S I-N I-M
:再5~ 話;
I -H I-T 37tl I Iイ H I τ・
・
affected ! I 2811 ~ø probably affected ↑proband H cerebral hemorrhage Apo. Apoplexid died Fig. 1-1 Pedigrees of families with moyamoya dis巴ase 431n
.
Familial cases with affected siblingsj[-S j[-M j[-Q
百品
ι
J
E
j[-,J十町宮
6竹宮
d
5
0
品 官
j[-A j[-MK SA叩
Jm
首相
i
時
2日 見 │
Fig. 1-2 Pedigrees of families with moyamoya disease j[. Familial cases with affected siblings Jl-H 立-Y Jl-YO品 百
官
G百
民
][-00~tH
][-MIN九
][-N ][-T託
金
L
J
HO
る
Fig. 1-3 Pedigrees of families with moyamoya disease12
T
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-
F
3
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立
州
3
.
口「ー
O O口0口 門 ∞ω
、 口
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記
入
4 ・ 一 一 / 園口
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口
6 2 2Fig. 2 Twin cases encountered in the data
Table 5 Recurrence rate in single.bom siblings
Child cases Adult cases All cases
孟 出 ピ
Z
:
!
と
males females both males females both males femalesN=49 N=84 N=133 N=28 N=54 N=82 N=177 N=138 Brothers Number 28 50 78 53(54) 58 111(ll2) 81(82) 108 A妊ected 2 1 3 2(3)
。
2(3) 4(5) l Percent 7.14 2.0 3.85 3.77(5.56)。
1.80(2.68) 4.39(6.09) 0.92 Ratlo to geinnecridal l ence X102 x29 x55 x54(79) x 26(38) x 14(87) x13 Sisters Number 38 55(56) 93(94) 36 73 109 74 128(129) A百ected 4 2(3) 6(7)。
2 2 4 4(5) Percent 10.53 3.57(5.36) 6.45(7.44)。
2.74 1.83 5.40 3.12(3.87) Ratio to geinnecridael nce x150 x51(77) x92(106) X39 X26 X77 X44(55) AIl siblinugms b Number 73 104(105) 171(172) 89(100) 151 220(221) 162(173) 255(256) A百ected 6 3(4) 9(10) 2(3) 2 4(5) 8(9) 7(9) Percent 8.22 2.88(3.80) 5.26(5.81) 2.24(3.00) 1.32 1.81(2.04) 4.93(5.20) 2.75(3.51) Ratio to geinnecridael rB ce X117 x41(54) x 75(83) x 32(43) x1l9 x 26(29) x 70(74) x 39(50) Incidence of general population = 0.07% N : numbers of family であり,一卵性双生児の姉妹では本症に関し一致 していたが,卵性不明の2組では不一致であった (図2)
.
2)同胞擢患 同胞擢患は,小児例では7家系(未確認例を含 めると 8家系〉に,成人例では5家系(未確認例 を含めると8
家系〉にみられた.発端者は各家系 に1
名であったので,この資料は単独確認により 集められたと考えられる.孤発例も含めて単胎児 における同胞擢患率をHaldaneの事後確率によ り計算した (Table5). まず同胞発生の確実なも ののみの同胞擢患率を計算し,未確認例を擢患者 とみなし計算した数値をカッコ内に示した. 全症例での同胞擢患率は3.32%(3.81%)
であっ た.発端者が小児例の場合と成人例の場合に分け て計算すると,それぞれ5.26%(5.81%)
,1.81%
(2.04%)
であり,小児例の同胞擢患率は成人例の それより約3倍高く,有意に高値であった (X02二3
.
5
4
2
,
0.05<p (X
o)
<
0
.
1
0
)
.
また本症は女性に多く見られるが,発端者が男 性の場合の同胞擢患率は4.93% (5.20%)
で,発 端者が女性の場合の同胞擢患率2.75% (3.51%)
の約2
倍であった.この傾向は小児例と成人例と 比較すると,小児例でより顕著であった. 432ーTable 6 Morbidity Rate in Relatives of Moyamoya Disease Child cases Rd『atives品FXDfp『r04九)and 乱1ale Female Father (1)事 (1) 29 48 (3.4) (2.0) Mother (1)
。
29 48 0.5 I (3.4)。
Brothers 2 1 28 50 I 7.1 2.0 Sisters 4 2(3) 38 55(56) I 10.5 3.6(5.4) Children I。 。
Paternali 4。 。
7 113 匂 。可 unts。 。
0.25 44 106。 。
。 。
乱faternal ntIs 3。 。
9 83。 。
4。 。
8 87。 。
2。 。
1 47。 。
mother 20 45 I。 。
。
(1) 22 46。。
。
。 。
(2.1) mother 22 41 I。 。
• No. of relatives with moyamoya disease No. of relatives 1: lncidence of moyamoya disease Total 乱1ale (2) (1) 77 27 (2.6) (3.7) (1) (1) 77 27 1.3 3.7 3 2(3) 78 53(54) 3.8 3.8(5.6) 6(7)。
93(94) 36 6.4(7.4)。
。
47。
。 。
160 3。 。
。 。
1。 。
50 4。 。
1。 。
22 6。 。
1。 。
35 3。 。
6。 。
8 4。 。
6。 。
5 3 (1)。
68 3 (1。 。
.5)。
6。 。
3 3 Adult cases AII cases Female Total 乱1ale Female Tota!(1) (2) (2) (2) (4) 54 81 56 102 158 (1.9) (2.5) (3.6) (1.9) (2.5) (2) (3) (2) (2) (4) 54 81 56 102 158 3.7 3.7 3.6 1.9 2.5
。
2(3) 4(5) 1 5(6) 58 111(112) 81(82) 108 189(190)。
1.8(2.7) 4.9(6.0) 0.9 2.6(3.2) 2 2 4 4(5) 8(9) 73 109 74 202(203) 76(277) 2.7 1.8 5.4 1.9(40.6) 2.9(3.2) 1 1。
1 1 93 140 47 93 140 1.1 0.7 1.1 0.7。 。 。 。 。
21 24 50 134 184。 。 。 。 。
。 。 。 。 。
7 11 48 113 184。 。 。 。 。
cl) (1)。
(1) (1) 23 29 45 151 196 (4。 。 。 。 。
.3) (3.4)。
0.6 0.5 13 16 51 100 151。 。 。 。 。
。 。 。 。 。
1。 。 。 。 。
1 15 25 58 83。 。 。 。 。
15 18 23 60 83。 。 。 。 。
。 。 。
(1) (1) 1。 。 。
4 17 25 60 85 (1.6) (1.1)。 。 。 。 。
14 17 25 55 80。 。 。 。 。
Numbers of sibs including probably affected ones are shown in parentheses3
)
同胞以外の近親における羅患率(
T
a
b
l
e6
)
(1)発端者の両親における擢忠率 脳血管写により確認された確認例は1
例もいな かったが,その臨床像から本症が強く考えられる 例は8
例,2.53%
に認められた.これらの例は, いずれも48歳以下に脳出血を生じた例である. 小児例と成人例では,両親における擢患率に有 意差はなかった.-433-14
Table 7 Recurrence rate by the type of moyamoya disease at the onset Clinical Hemorrhage Infarction TIA Epilepsy Mixed
type n=52 n=16 nニ7 n=5 n=6 Number 148(149) 36(37) 35 18 17 Adult A妊ected 3(4)
。
(
1
)
。
。
1 Percent 2.680.38)。
(2.70)。
。
5.88 nニ3 n=21 nニ68 n=17 n=13 Number 4 26 94 28 19(20) Child A百ected。
1 5。
。
(
1
)
Percent。
3.8 5.31。
。
(5.0) n=55 nニ37 n=75 n=22 n=19 All Number 152(153) 62(63) 129 46 36(37) siblings Affected 3(4) 1(2) 5。
1(2) Percent 1.97(2.6) 1.61(3.17) 3.87。
2.77(5.4)一一
」 一 一」 L Numbers of sibs including probably affected ones are shown in parentheses. n: numbers of familyTable 8 N umbers of sibships and a妊ectedsibs by sibship size Adult cases
Sibship
slze Number of Number of Number of sibship(N) sibs(T) aff ected sibs (R) 2 14 28 14 3 14 42 15 4 14 56 15 5 9 45 9 6 11 66 12 7 4 28 4 8 l 8 1 9
。
。
。
10 2 20 2 Total 69 273 72 (2) 発端者の子供における擢患率 発端者の子供は全部で1
4
0
人おり,その中患者は1
例(0.71%)
に認められた. (3)発端者の伯叔父,伯叔母における擢患率 発 端 者 の 伯 叔 父 は3
8
0
名(父方1
8
4
名,母方1
9
6
名),伯叔母は3
1
5
名(父方1
6
1
名,母方1
5
1
名〉あ り,脳血管写により確認された確認例は1例もい なかったが,その臨床像から本症が強く考えられ る例は母方伯叔父1
例0.14%
に認められた.(
4
)
発端者の祖父母における擢患率 発端者の祖父母では祖父1
6
8
例(父方8
3
例,母方8
5
例),祖母1
6
3
例(父方8
3
例,母方8
0
例),脳血管 写により確認された確認例は1例もいなかった. -434 Child casesNumber of Number of Number of sibship(N) sibs(T) affected sibs(R) 65 130 67 45 135 49 5 20 6 1 5 l 1 6 1
。
。
。
。
。
。
。
。
。
。
。
。
114 296 124 しかし,その臨床像から本症が強く考えられる例 は父方祖父に1
例0.30%
に認められた. 4)初発時病型別同胞穫患率 発端者の初発症状により,出血型,梗塞型,TIA
型 , て ん か ん 型 に 分 け て 同 胞 擢 患 率 を 見 る と(
T
a
b
l
e
7
)
,出血型1.97% (2.6%)
,梗塞型1.61%
(3.17%)
,TIA
型3.87%
,てんかん型0%
であり,TIA
型で同胞権患率が高率であった.小児例・成 人例に分けてみると,小児例ではTIA
が最も高 く,成人例では混合型のそれが最も高かった. 5)分離比 (1)発端者の子における分離比 片親が躍患している確実例は1
家系しかなかっTable 9 Segregation analysis
Number ofNumber of Number ofSergatrieog(a%ti〉on family siprbolpinogsis otif asfibfleicntgesd Adu!t 69 204 3 1.470:t0.847 cases Child 114 cases 182 10 5.49士1.689 Tota! 183 386 13 3.36:t2.836 たため本資料からは分析ができなかった. (2)発端者の同胞における分離比 小児例と成人例に分け,分離比の推定をおこ なった. 単胎児の家系について同胞数2人以上の同胞群 につき,同胞群数(家系数),同胞数および曜患者 数を求めると,小児例・成人例はそれぞれ
Table8
の如くであった. 擢患者の総数をR
,同胞群の数をN
,同胞群に 含まれている子供の数をT
とすると,分離比P
は 次の式で求められる. R-NP
ニ 一 一 一 一 (1) T-N また分離比の分散 (σ〉は次の式で与えられる. σ2ー(T-R)CR-H)
一 (T-N) 3 その結果はTable9
の如くであり,分離比は成 人例1.470士0.847,小児例5.49士1.689,両群合計 では3.36:
t
2 . 836で,いずれの値も常染色体劣性遺 伝と仮定した場合の理論値25%より明らかに低値 で, 0.1%水準で有意差を認めた. 6) 発生頻度の推定 本症の発生頻度は未だ未定の為,すでに発生頻 度の判明している疾患と本症との相対比で本症の 発生頻度を求めた.昭和45年から同56年の12年間 に当科を初診した患者数は熱性けいれん1528例, 糖尿病131例,本症35例であった.熱性けいれん及 び小児糖尿病の一般人口における発生頻度はそれ ぞれ順に3.8%および0.2%とされているので,本 症の一般集団における発生頻度を相対頻度法で求 めると0.07%となった. 考 察 モヤモヤ病の成因に関しては現在のところ後天 性という考え方を支持する研究者が多い22)23) し かしながら本症は日本人に多く,しかも外国での 本症第1
例 は 日 系 の 米 婦 人 で あ っ た12)というこ と,また1
歳未満発症の本症の報告も多く,生後 2日自に診断された例制もあることなどを考えあ わせると, 日本で生活するとL、う環境要因のみな らず,先天的要因・遺伝的要因が本症の成因に加 味していることが推測される. 本症はTIA
型・脳出血型・脳梗塞型・混合型と 多様な臨床症状を持ち,中には無症状でありなが ら,たまたま兄弟が本症に権患したため脳血管写 を受け本症であったことが判明している症例もあ る36) しかしながら,脳血管写は患者に負担のかか る検査であり,無症状の者に安易に施行できるも のではない.したがって本症でありながらその診 断が下されていない隠れた症例も多く存在すると も考えられる.この点は本症の遺伝分析を困難に している要因である. 1.モヤモヤ病の家族集積 モヤモヤ病の家系内発症の頻度は,著者らの資 料では確実例のみの場合では5.86%,未確認例を 含めた場合9.9%で,山口ら制の2.3%,竹内37)の 3.38%,西本38)の1.3%,工藤ら39)の2.2%に比しや や高率であった.著者の資料は75%が同胞擢患率 の高い小児例であったが,山口ら36)の591名の資料 に基づく疫学調査によれば, 15歳 未 満 発 症 例 は 45.3%であるので,著者の資料で小児例が多かっ たために家族内発症が高くなった可能性もある. また家系収集の際に家族内発症例の方が多く集め られ,その結果,他の報告者より家系内発症の頻 度が高くなった可能性も否定はできない.2
.
遺伝様式の検討 常染色体性単純遺伝(優性と劣性〉および多因 子遺伝につき検討した. 多因子遺伝はWr
i
g
h
t
40),F
a
l
c
o
n
e
r
4,)JC
a
r
t
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r
叫 によって開拓されたモデルで,ある種の疾病につ いて,それに擢患するかしないかの基礎に多元遺 伝子性遺伝p
o
l
y
g
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i
ci
n
h
e
r
i
t
a
n
c
e
を 考 え た も の である.すなわちある特定の遺伝性異常の起こし やすさの程度(易曜病度l
i
a
b
i
l
i
t
y
)
が多数の遺伝子 座にある遺伝子や多数の環境要因に支配され,易-435-16 擢病度が一定の限界値(しきい値threshold)を越 えた場合にその異常を発生するというものであ る. 1)家系分析による常染色体性単純優性遺伝仮 説の検討 常染色体性単純優性遺伝ならば,患者の親は少 なくとも必ず一方は擢患しているはずで、ある. Table 6に示したように,親で本症躍患が確認さ れている例はなく,未確認例を含めても,親の擢 患率は,発端者が小児の場合1.
95%
,成人の場合3.08%
,両群あわせて2.53%
であり,常染色体性 単純優性遺伝仮説の期待に全く反する. 又片親権居、の場合の子供における分離比の期待 値は50%
であるが,分析対象には片親が擢患して いる確実例は1
家系しかなかったため,本資料か らは分析ができなかった. しかしながら,子供において本症の診断が確認 された後,未確認ながら親の擢患が考えられた例 が7家系あり,これを加えてその子供における分 離比を考えても,子供の擢患者は1
9
人中3
名で, その分離比は15.78%
となり,常染色体性単純優性 遺伝と仮定した場合の分離比の期待値50%
より明 らかに低値であった. 2) 家系分析による常染色体性単純劣性遺伝仮 説の検討 常染色体性単純劣性遺伝ならば,両親ともヘテ ロ接合体である場合の子供における擢愚期待値は25%
である. 両親が外見正常な場合発端者の同胞における擢 患 率 は , 小 児 例 で5.26%
(未確認例を含めても5.81%)
,成人例で1.8%
(未確認例を含む場合2.04%)
,全症例では3.32%(
未確認例を含む場合3.81%)
で,期待値よりも有意に低値であった. 又単純劣性の場合,患者の両親における近親婚 率が高いといわれているが,今回の分析では分析 対象中2
家系(1.06%)
のみにしか近親婚は見ら れず,さらにし、とこ婚に限れば1
家系(0.53%)
にすぎない.これは全国の近親婚率2
.
1
3
%
4
4
)
より 低く,本症の遺伝形式は常染色体性単純劣性遺伝 仮説に適合しない. Edwards4町主一般集団中頻度と近親における再 現率との比で,患者の近親における再現率の期待 値が求められることを理論的に証明している.即 ち,常染色体性優性,劣性および多因子形質の一 般集団における頻度をP
とじたとき,発端者の同 胞および子における擢患率とP
の比はTable1
0
の様になることを理論的に示した. 一般集団におけるモヤモヤ病の発生頻度と,各 遺伝様式において期待される近親における擢患率 との比の値(患者の近親における再現率の期待値〉 を計算し,発端者の同胞において観察された擢患 率と比較した(Table1
1).一般集団におけるモヤ モヤ病の頻度を0.07%
とし,同胞擢患率は全症例 の平均3.3%
を使用した. 常染色体性単純優性遺伝および常染色体性単純 劣性遺伝の仮説に基づく期待値と実際の観察値を 比べると, ともに実際の観察値が著しく小さい. このことからも単純優性遺伝および単純劣性遺伝 は否定される. Table 10 Relative lncidences in the First Degree Relatives of Propositi 乱ifultifactorial Siblings 竺l/I
P
P: lncidence of general populationTable 11 Relative lncidence of Moyamoya Disease in the First Degree Relatives of Propositi Ratio of incidence in relatives to that in the general population I凶 emof
l
pogpeunlEartailon Expected Observed Simple dominant Simple recessive Multifactorial Sibli耶l
0.0007 714.28 357.14 37.79 47.14 lncidence in siblings 0.033-436-多因子遺伝では,ある疾病に対する擢患率がど ちらか一方の性にかたよって高い場合には,擢恵 率の低い方の性の擢患者を発端とする近親の擢患 率は,擢患率の高い他方の性の擢患者を発端者と する近親のそれより高い傾向が見られる. 発端者の男女別に近親者における躍愚率を比較 すると (Table6),全症例では,父・母・兄弟・ 姉妹の擢愚率は,男性が発端者である方が,女性 が発端者の場合のそれに比し高かった. また小児例と成人例に分けて発端者の性別によ る擢患率を比較すると,小児例においては父・母・ 兄弟・姉妹のいずれでも男性が発端者の場合に有 意に高率であった. 成人例においては,男性が発端者の場合の兄弟 における擢患率は,女性が発端者の場合こそれに 比し有意に高率であったが,他の近親における擢 患率には有意差がなかった.モヤモヤ病における 発端者の性比は1: 1.7で女性に多くみられる.し たがって男性を発端者とする近親の擢患率が,女 性を発端者とした場合のそれより有意に高率で あったことは,本症の遺伝形成が多因子遺伝仮説 に適合する一つの証拠となる.特にこの傾向は小 児例において明確に認められた. (2)同胞および両親の擢患率 多因子遺伝の場合,近交係数が0.5で等しい同 胞・両親および子供における擢患率は等しい.今 回の分析では,全症例における同胞擢患率
3.32%
は両親の擢患率2.53%
と ほ ぼ 等 し い 値 を 示 し た が,小児における同胞権患率5.26%
は,小児例の 両親における権患率1.9%
に 比 し 有 意 に 高 値 で あった .C
x
2=
2
.
5
0
4
, px2<0.10) この原因としては3
つのことが考えられる49) 本症が疾愚単位として確立し医学界で知られるよ うになったのは,ここ2
0
年であり,小児期発症例 の長期観察例は少ない.したがって, これら小児 期例が親になった時に子供への再現が生ずるか否 かの観察ができてはいないので,真の検討は困難 であるが,第H
こは,淘汰による因子が考えられ る.第2
に,本症のように不規則な遺伝を示す疾 患においては,しばしば環境条件が成因の一部と して関与している.両親・家庭を共有し,同じ世 104 .OSTEOGENESI$ IMPERFECTA \RETl N08~ASTOMA HE。制PH¥LlA.、
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PSQRIASISe 10' z o ト q J コ a E 、 切 m cn102 z w U Z 凶 O u Z o ト 4'
"
10' 10・2Fig. 3 Comparison of the risk in sibs of propositi with single.gene traits and multifactorial traits. On a log scale, the incidence of each disease shown in plotted against the ratio of the sib incidence to the population incidence. Single.gene and multifactorial traits fall into two distinct clusters. From Newcombe, 1964.In Congenital Malformations: Papers and Discussions Presented at the Second lntemational Conference CM. Fishbein, edJ, Intemational Medical Con gress, p.347. 10-3 10
・
mSEASE ¥HCIDENCE S o o -n u 一方多国子遺伝と仮定すると,期待値は観察値 に近似している.Newcombe4叫土 Edwards4S)の理論を基に,疾病
の一般集団中の頻度を横軸,疾病の集団中頻度に 対する同胞再現率を縦軸にとり, Fig.3に示すよ うなモデル図を作成し,多数の遺伝性異常に適応 可能なことを証明している.このそデ、/レ図にモヤ モヤ病について得た値をいれてみると,多因子遺 伝と考えられる線上に近く位置する CFig.3). 3) 多因子遺伝仮説との検討47)48) (1)発端者の性による近親権患率の差
437-18 代に属する同胞の方が, これらの条件を異にする 親子例よりも環境条件の類似度が高いことも再現 率の差の原因になり得る.第
3
は情報収集の不完 全による見かけ上のものである. (3)先行する擢患者の数と再現率 多因子遺伝の疾患では,前に曜居、した同胞の数 が多い程次に擢患する者の割合が多いといわれ る.今回の調査では,同一家系内で同胞3人以上 に擢患がみられたのは,小児例1
家系のみであり, その両親は正常であった. (4)発端者の躍患の程度と再現率 一般に多因子遺伝の疾患は,発端者の権患の程 度が大きい(重症である〉程,近親において再現 率が高くなるといわれる.モヤモヤ病の小児例と 成人例について,その病因が同一であるか否かが 問題であるが,現在の所,小児期には反復するTIA
様発作を生ずる脳虚血に対応して側副血行 路ができるが,次第に進行して,ある時期になる とそれらの脳虚血症状は消失し,成人になると頭 蓋内出血特に脳室内出血を来たすと推測されてい る4)23) このようにして,小児例と成人例が同ーの成因 によるものとすれば,早期に発症する小児例の方 がモヤモヤ病は重症であると考えられる.著者の 分析結果で,小児例の同胞躍患率5.26%に対し, 成人例のそれは1.81%と前者が有意に高かったこ とは,重症である程近親における再現率が高くな るという多因子遺伝様式の1特徴と一致する.こ の事実は擢病度が大きいほど擢患の程度が重症化 することを示唆している. (5) 双生児における擢患の一致率 一卵性双生児における擢患の一致率が2
卵性双 生児のそれの2
倍以上ある場合には,その疾病は 単純優性遺伝による疾病とは考えにくく,また4
倍以上ある場合には,単純劣性遺伝による疾病と は考えにくいといわれている刷.著者が今回集め た資料の中には双生児が3組認められたが,一卵 性の女子組でのみ一致しており,卵性不明の女子 組と男子組は不一致であった.この他に文献より 収集した本症の双胎例はTable12に示す如くで, ー卵性の女一女2組で一致,一卵性の女一女1組で 438Table 12 Twin cases encounterd in the data and the reference. Pair Sex Zygosity Concordant or discordant 1 Female.Female ワ discordant 2 Female. Female monozygotic concordant51) 3 Male.乱1ale ワ discordant 4 Male.Female dizygotic concordant52 ) 5 Female.Female monozygotic concordant53) 6 Female. Female monozygotic discordant54) 7 Female.Female monozygotic concordant日 ) Concordant ratio of monozygotic twins 75% 不一致,二卵性の女男
1
組で一致していた. ~ßß 性の一致率を求めると 3/4, 75%であった. ニ卵性は一組しか確認されなかった.又一致を示 した組のl双 方 の 発 症 年 齢 の 相 関 係 数 はr=0.278 で,相関は認められなかったが,初発病型につい ては4
組中3
組が一致し,TIA
型であった. (6) モヤモヤ病の易躍病度の遺伝率 本症の遺伝が多因子遺伝様式をとると考える と,その易権病度は,疾患にまで進展させる遺伝 子型と環境要因の両者により決定される.遺伝子 がどの程度疾病発現に関与しているか,遺伝力 heritabilityをFa1
c
oner叫の方法にもとづき計算 した 一般集団におけるモヤモヤ病権患率を0.07%と と し , 患 児 の 同 胞 に お け る 全 症 例 の 権 患 率 を 3.32%と す る と , モ ヤ モ ヤ 病 の 遺 伝 率 は78%と なった.また小児の同胞権患率5.26%と成人例の 同胞権患率1.81%を用いて各々の遺伝率を計算し てみると,小児例の遺伝率は90%,成人例の遺伝 率は63%という値であった.特に本症の小児例に ついては,易擢病度に対し遺伝子型の寄与が大き いことが示された. 結 論 ウィリス動脈輪閉塞症222家系につき,小児例と 成人例に分け,各々の遺伝学的分析を行なった. その結果家族集積性がみられ,遺伝的要因が関与 することが示唆された. その遺伝様式は,発端者の近親における擢病率 の検討から多因子遺伝に最も適合した.多因子遺 伝に基づくと仮定すると,その遺伝率 (Fa1
c
onerの 方 法 〕 は 高 値 を 示 し , 本 症 の 易 擢 病 度 に 遺 伝 子 型の寄与の大きいことがわかった. 稿を終わるに臨み,本研究の機会を与えて下さり, 種々ご指導下さいました恩師東京女子医科大学小児 科学教室福山幸夫教授に深謝致します.さらに本研究 の最初から最後まで御親切な御指導を賜わりました 東京女子医科大学小児科講師大沢真木子博士に感謝 致します. なお資料収集に快く御協力下さいました下記の協カ 機関の諸先生方に心より感謝申しあげます. 秋田県立脳血管研究センター,旭川赤十字病院,医 療センター小児内科,愛緩県立中央病院,大阪医科大 学脳外科,大阪市立小児保健センター,大阪大学脳神 経外科,大阪府立病院脳外科,大垣市民病院脳外科, 大津赤十字病院脳外科,大津市民病院,大原総合病院, 岡山大学脳神経外科,岡山大学小児科,香川県立中央 病院脳外科,鹿児島大学脳外科,柏葉脳外科,金沢医 大神経内科,金沢大学脳外科,金沢大学小児科,川崎 医科大学脳外科,川崎医科大学小児科,関西医大脳外 科,北里大学小児科,北里大学内科,岐阜県立岐阜病 院,九州厚生年金病院,九州大学小児科,九州大学第 2内科,九州大学精神科,京都大学小児科,京都大学 脳外科,杏林大学脳外科,釧路労災病院,熊本赤十字 病院,熊本大学脳外科,熊本大学体質医学研究所,久 留米大学小児科,久留米大学脳外科,慶応大学内科, 高知県立中央病院,神戸大学小児科,神戸大学脳外科, 神戸中央病院,国立岩国病院,国立国府台病院脳外科, 国立呉病院脳外科,国立埼玉病院脳外科,国立相模原 病院脳外科,国立下関病院脳外科,国立小児病院神経 科,国立高崎病院,国立長崎中央病院脳外科,国立名 古屋病院,国立西埼玉中央病院脳外科,国立別府病院 神経内科,国立水戸病院脳外科,埼玉医大小児科,札 幌医科大学,慈恵医大脳外科,静岡赤十字病院脳外科, 静岡労災病院脳外科,順天堂大学神経内科,市立釧路 総合病院脳外科,神鋼病院脳外科,信州大学第3内科, 聖マリア新生児小児救急,聖隷浜松病院脳外科,聖路 加病院小児科,仙台市立病院,高山赤十字病院,丹後 中央病院内科,中京病院脳外科,天理よろず相談所病 院,東京医科歯科大脳外科,東京医大脳外科,東京女 子医大小児科,東京女子医大脳外科,都立墨東病院脳 外科,徳島県立中央病院,徳島大学脳外科,鳥取赤十 字病院,鳥取大学脳研小児科,苫小牧市立病院脳外科, 富山県立中央病院脳外科,豊橋市民病院脳外科,長岡 赤十字脳外科,長崎県立島原温泉病院,長崎大学小児 科,長崎大学第一内科,長崎大学脳外科,名古屋市立 大小児科,名古屋大学小児科,那覇市立病院脳外科, 奈良県立医大脳外科,新潟大学神経内科,日赤医療セ γター,日本医大第一病院第二内科,日本医大脳外科, 日本大学板橋病院小児科,日本大学駿河台病院,浜松 医療センター脳外科,弘前大学脳外科,広島大学脳外 科,兵庫県立塚口病院脳外科,福井県立病院脳外科, 福岡大学小児科,福岡大学脳外科,福岡大学内科,府 中病院脳外科,北海道大学脳外科,三重大学脳神経外 科,三井記念病院脳外科,水俣市立病院,宮崎医科大 学小児科,宮崎県立臼南病院脳外科,宮崎県立延岡病 院脳外科,山形県立中央病院,山口大学脳外科,横浜 市大小児科,横浜市民病院,四日市病院脳外科,琉球 大学脳外科 なお,本論文の A部は第3回国際小児神経学会総会 (Copenhagen, Denmark, 1982年5月),昭和56年度, 昭和57年度,昭和58年度の厚生省ウイリス動脈輪閉塞 症調査研究班班会議 (1982年 1月, 1983年 2月, 1983 年12月〉において報告した. また本研究の一部は,厚生省特定疾患「ウイリス動 脈輪閉塞症調査研究班」研究費(昭和56年度,昭和57 年度,昭和58年度〉の援助を受けたことを付記する. 439-文 献 1)鈴木二郎・古和田正悦・旭方棋・ほか:側副路 新生によると思われる特異な脳血管像を呈した疾 患の検討.第22回日本脳神経外科学会(1963) 2)鈴木二郎.歴史定義. Moyamoya病「鈴木二郎 編J.医学書院東京(1983)1-4 3)和国徳夫:疫学および症状. Moyamoya病「鈴木 二郎編」医学書院東京 (1983)5 -12. 4)西本詮・植田清隆・逮部英昭:本邦におけるモ ヤモヤ病の実態について.第10回脳卒中の外科研 究会講演集, (1981)53-58 5)山口武典・田代幹雄・長谷川泰弘・ウイリス動脈 輪閉塞症の全国集計一 6年間のまとめ一.厚生省 特定疾患ウイリス動脈輪閉塞症調査研究班,昭和 57年度報告書, (1983) 15-27. 6)梅津亮二・福山幸夫:小児におけるウイりス動脈 輪 閉 塞 症 の 統 計 的 観 察 . 日 児 誌 86 1055 -1063 (1982) 7)吉井与志彦:Moya-Moya病の予後に関する研究 (1)ー臨床予後について一.脳と神経 29421 -424 (1977)
8) Picard, L., Andre, J.M. and Tridon, P.: Introduction. Historique du syndrome
20
moyamoya. J Neuroradiol 1 47-54 (1974) 9)Lee, M.L. and Cheung, E.M.T.: Moyamoya
disease as a cause of subarachnoid haemorr -hage in Chinese. Brain 96 623-628 (1973) 10) Richrnan, D.P., Watts, H.G., Parsons, D吋 et
a1.: Familial Moyamoya associated with bio -chemical abnormalities of connective tissue. N eurology 27 382(1977)
11) Vuia, 0., Alexianu, M. and Gabor, S.: Hypo-plasia and obstruction of the circle of Willis in a case of atypical cerebral hemorrhage and its relationship to Nishimoto's disease. Neurology 20 361-367 (1970)
12) Weidner, W., Hanafee, W. and Markharn, C. H.: lntracranial collateral circulation via leptomeningeal and rete mirabile anastomoses. Neurology 1 39-48 (965) 13)児玉南海雄・峯浦一喜・鈴木二郎・ほか・脳血管 Moyamoya病の脈絡叢動脈末檎部動脈療につい て.脳外 4985-991(1976)
14) Picard, L., Andre, J.M., Weber, M., et a1.: Stenoses multiples des arteres cerebrales de moyen calibre et reseaux capillaires anormaux (moyamoya). Sem Hop Paris 48 2049-2055 (1972)
15) Picard, L., Andre, J.M., Roland, J., et al. : Syndrome moyamoya deI'adulte. Formes de passage. J N euroradiol 1 69 -86(1974) 16) Picard, L., Floquet, J., Andre, J.M., et al. :
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,
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