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食料品購買における消費者満足とストア・ロイヤルティ 利用統計を見る

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全文

(1)

ティ

著者

峰尾 美也子

雑誌名

経営論集

-号

79

ページ

61-72

発行年

2012-03

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00003657/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

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食料品購買における消費者満足と

ストア・ロイヤルティ

Consumer Satisfaction and Store Loyalty

in Grocery Buying Behavior

峰 尾 美也子 1.はじめに 2.業態選択行動における消費者満足 2.1 消費者満足の概念 2.2 消費者満足の概念を含む業態選択モデル 2.3 本論文における分析枠組と調査仮説 3.消費者の業態選択行動における分析と考察 3.1 操作的規定と調査の概要 3.2 分析結果と結果の解釈 3.3 分析結果の業態別考察 4.おわりに

1.はじめに

かつて小売業の中心的業態であった百貨店や総合スーパーを中心とした大型小売 店の業績不振に関するニュースをしばしば耳にするが,百貨店や総合スーパーのみな らず,競争圧力が高い現在の小売市場においては,顧客維持活動の重要性が一層高ま っており,効率的な顧客維持活動の可否が当該小売業の存続・発展には欠かせない要 素となっている。このような意味で,今日の小売業を考える際には,ストア・ロイヤ ルティは重要な小売成果指標であるといえる。 ストア・ロイヤルティとは,ある特定の店舗に対する顧客のロイヤルティ(忠誠度・ 愛顧度)を意味し,継続的に購入を行う固定客の確保,ひいては長期的な視点での店 舗の繁栄へとつながると考えられているため,小売業にとっては,如何にその度合い を高めるかということが重要な課題となっているのである。 このストア・ロイヤルティの研究は,消費者行動研究の中でも最も古い研究領域の 1つであるため,数多くの研究がなされていて,ストア・ロイヤルティに影響をおよ ぼす店舗属性に関する既存研究においても,多様な店舗属性とストア・ロイヤルティ の測定尺度の組合せからの実証研究も行われ,「満足(顧客満足,消費者満足)」が重 要な概念として示されている。 消費者行動研究において,顧客満足に関しては様々な研究がなされてきていて,本 来サービスにおける文脈で議論されることが多かったが,近年は,サービス・ドミナ ント・ロジックの文脈において,有形財においても顧客満足について議論されること が多くなった(奥瀬,2008,p.55)。また,小売業においても,髙橋(1998)など,

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買物行動における消費者満足を研究している既存研究も存在する。 本論文は,業態選択行動研究における店舗選択行動研究の意義について論じた拙稿 (2011)の継続的研究であり,消費者の業態選択モデルにおける包括的なストア・ロ イヤルティの形成過程を明らかにするという最終的な研究課題に基づき,段階的に研 究を進めていく1ステップとして,現在の小売業にとって重要な成果指標であるスト ア・ロイヤルティに関して重要な概念となる「満足(顧客満足,消費者満足)」につ いて,その因果関係を解明することを目的とするものである。

2.業態選択行動における消費者満足

2.1 消費者満足の概念 消費者満足と顧客満足という概念は,藤村(1993)のように両概念を区別している 研究もあるが,顧客満足は一般に消費者満足と同義とみなされ,略号CS はいずれの イニシャルとしても用いられている(小野,2000,p.1)。よって本論文においては, 両者を同義とみなし,研究を進めていくこととしたい。なお,以後,既存研究におい て顧客満足と表記されているものも,消費者満足として表記を統一させることとする。 消費者満足に対しては様々な定義付けがなされていて,Solomon(1996)によれば 「消費者満足・不満足は購買後に該当製品に対して抱く全体的態度である」とされ, Engel, Blackwell and Miniard(1993)によれば「満足は選ばれた代替案が少なくと も期待に合致するか,あるいは,それを超えるという消費後の評価である」とされて

いる(髙橋,1998,p.86)。このように消費者満足の概念は,それを規定する評価基

準が研究者によって異なっているが,多くの研究者が依拠している主流となっている モデルが「期待不一致モデル(Expectancy disconfirmation model)」である。

Oliver(1980)は,満足・不満足が購買前の期待と実際の評価とを比べた結果であ ると定義づけた上で期待不一致モデルを示している(髙橋,1998,p.86)。期待不一 致モデルは,順応水準理論に基づいており,順応水準として事前に形成された期待に 製品・サービスの購買ないしは消費によって知覚された評価が一致するか,あるいは, それ以上の評価を得た場合,その消費者は満足を得る(髙橋2008,p.265)とされる ように,消費者の事前の期待と事後の成果によって,消費者の満足・不満足が決定さ れるとするモデルである。不一致(disconfirmation)には,事前の期待が事後の成果 を上回る状態である負の不一致(negative disconfirmation)と,事前の期待を事後 の成果が上回る状態である正の不一致(positive disconfirmation)があり,消費者は 前者の場合には不満を,後者の場合は満足を形成する。また,事前の期待と事後の成 果が一致した状態(zero disconfirmation もしくは confirmation)では,期待通りの 結果となり満足を得る。このような消費者満足は,消費者のロイヤルティを形成・保 持するための重要な概念となっている。

2.2 消費者満足の概念を含む業態選択モデル

拙稿(2011)でレビューした Monroe and Guiltinan(1975)および Baker,

Parasuraman,Grewal and Voss(2002)の店舗選択モデルにおける概念と因果関係 を,店舗属性,店舗イメージ,ストア・ロイヤルティに関する議論(詳しくは拙稿(2011,

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pp.136-142)を参照されたい)に反映させることで,これらを組込んだ包括的な消費 者の店舗選択モデル,ひいては業態選択モデルの提案が可能となる。同じく,拙稿 (2011)で検討した,店舗属性,店舗イメージ,ストア・ロイヤルティ(態度的スト ア・ロイヤルティ,行動的ストア・ロイヤルティ)における因果関係および尺度の議 論を踏まえ,上記のMonroe and Guiltinan(1975)および Baker,Parasuraman,

Grewal and Voss(2002)の店舗選択モデルを援用することで,【図表1】のような包

括的な消費者の業態選択に関するモデルが提示される。 【図表1】に示されるモデルの提示にあたり,RFM 分析について触れておきたい。 成果変数である行動的ストア・ロイヤルティの尺度を設定する際,複数指標を用いる べきであるという点を踏まえ,かつ現実を反映するという意味を含めれば,CRM の 1つの手法として用いられている RFM 分析の指標は有用であると思われる。RFM 分析は,POS データや顧客 ID 付の購入履歴データなどを用いて作成した指標をも とに,顧客をランク付け・グループ分けする目的で実務家の間でよく使われている手 法である。RFM 分析では,R(Recency:直近購買日),F(Frequency:累積購買回 数),M(Monetary:累積購買金額)の3指標が用いられ,この3指標を組合わせる ことで,優良顧客やリピート顧客などの識別,顧客グループの推移状況の判断などが 【図表1】店舗属性,店舗イメージ,ストア・ロイヤルティによる 包括的業態選択モデル 態 度 的 ス ト ア ・ ロ イ ヤ ル テ ィ 行 動 的 ス ト ア ・ ロ イ ヤ ル テ ィ 買物 満足度 業態への 態度 利用意図今後の 購買金額 利用回数購買 購買日 直近 サービス・店員の質へ の態度 価格への態度 品揃えへの態度 品質への態度 立地利便性への態度 販売促進策への態度 買物快楽性への態度 店舗雰囲気快楽性 への態度 売場雰囲気快楽性 への態度 機 能 的 店 舗 イ メ ー ジ 心 理 的 店 舗 イ メ ー ジ :相関関係

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可能になるとされている。本論文においては,実際の購買履歴データを用いることは 出来ないが,現実を反映した行動的ストア・ロイヤルティの尺度として,R・F・M の3つの指標を用いるべきだと考える。 以上の議論を踏まえ,かつ,“店舖属性が機能的と心理的という2つにわけられ, それらを統合したトータルなイメージが店舗イメージである”という Martineau (1958)の考え方を用いて整理すると,【図表1】のようなモデルとなる。消費者の 各店舗属性に対する態度が機能的店舗イメージと心理的店舗イメージを形成し,それ らがトータルな店舗イメージとしてストア・ロイヤルティに影響を及ぼす。ストア・ ロイヤルティは態度的ストア・ロイヤルティ(髙橋(2004,pp.237-239)において, 消費者行動面から捉えた成果指標としての買物満足とストア・ロイヤルティ指標につ いて因子分析を用いて分析した結果,態度的ロイヤルティ因子と行動的ロイヤルティ 因子という2因子が抽出され,態度的ロイヤルティを構成する主な指標は,買物満足, 店舗に対する態度,今後の利用意図の3つとなることが示されている)と行動的スト ア・ロイヤルティに分かれ,ロイヤルティの4段階の考え方に従えば,態度的ストア・ ロイヤルティが形成され,それが次の段階の行動的ストア・ロイヤルティへとステッ プアップするのである。 2.3 本論文における分析枠組と調査仮説 満足度を態度的ストア・ロイヤルティの構成指標として含む【図表1】に示される モデルに前述した期待不一致モデルの概念を援用すれば,【図表2】に示される分析 枠組が提示される。 分析に先立ち,以下のような調査仮説を立てた。これらは主に,拙稿(2011)およ び前節までの議論の内容から導いたものとなる。 ≪仮説1≫全業態において,消費者の各店舗属性に対する不一致度と機能的店舗 イメージおよび心理的店舗イメージに対する不一致度の関係は全て 正の関係である。 ≪仮説2≫全業態において,機能的店舗イメージ不一致度は,態度的ストア・ロ イヤルティに正の影響を及ぼす。 ≪仮説3≫全業態において,心理的店舗イメージ不一致度は,態度的ストア・ロ イヤルティに正の影響を及ぼす。 ≪仮説4≫全業態において,態度的ストア・ロイヤルティは,行動的ストア・ロ イヤルティに正の影響を及ぼす。 これらの仮説を検証するために,本論文では,食料品の購買行動(1)における業態選 択について,百貨店,総合スーパー,食品スーパー,高級食品スーパー,コンビニエ ンス・ストアの5業態に関する消費者の調査データを用いた。調査手法は,インター ネットリサーチによるアンケート調査(Web 調査)を行った。また,本論文の調査対 象品目が食料品であることから,食料品の主たる購買層と考えられる25歳から64歳の 女性,および食料品の購買先として多様な業態・小売企業の選択が可能な地域という 側面から,首都圏(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)在住者を調査対象とした。 調査期間は2009年1月30日(金)から2月2日(月)の4日間で,回収サンプル数と

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有効サンプル数はともに1108人であった。

3.消費者の業態選択行動における分析と考察

3.1 操作的規定と調査の概要 【図表2】の分析枠組に基づき,仮説を実証的に検証するために,分析を行う前に 以下の作業を行った。 まず,百貨店,総合スーパー,食品スーパー,高級食品スーパー,コンビニエンス・ ストアの5業態における9個の各店舗属性に対するイメージや期待を利用後の評価 から引いた値を算出し,これを各店舗属性に対する不一致度とした。なお,イメージ や期待,利用後の評価,および態度的ストア・ロイヤルティの観測変数である買物満 足度,業態への態度,今後の利用意図は,各々5段階評定尺度のデータとなる。 また,行動的ストア・ロイヤルティの観測変数である購買金額,購買利用回数,直 近購買日を,RFM 分析の手法に則り,各々1~5のランクに読み換えた(2)。なお, このRFM のうち,購買金額(M)に関しては,業態間の競争・競合という要素を反 映するため,実際に支払った具体的な金額ではなく,食料品全体への支出を100とし た時の当該業態に対して支払った割合を質問している。 そして,各業態のサンプルとして,全体1108人の中から食料品の購買において当該 【図表2】本論文における分析枠組 態 度 的 ス ト ア ・ ロ イ ヤ ル テ ィ 行 動 的 ス ト ア ・ ロ イ ヤ ル テ ィ 買物 満足度 業態への態度 利用意図 今後の 購買金額 利用回数 購買 購買日直近 サービス・店員の質 不一致度 価格不一致度 品揃え不一致度 品質不一致度 立地利便性不一致度 販売促進策不一致度 買物快楽性不一致度 店舗雰囲気快楽性 不一致度 売場雰囲気快楽性 不一致度 機 能 的 店 舗 イ メ ー ジ 不 一 致 度 心 理 的 店 舗 イ メ ー ジ 不 一 致 度 :相関関係

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業態を利用した経験がある人のみを抽出した結果,百貨店770人,総合スーパー1011 人,食品スーパー1043人,高級食品スーパー459人,コンビニエンス・ストア918人と なり,このサンプルのデータが各業態における分析に用いられた。 次に,本論文の分析枠組および構成概念や変数は基本的に既存研究から導出された ものであるが,分析に入る前に,構成概念妥当性を確認しておく(3)【図表2】で提示 した機能的店舗イメージ不一致度と心理的店舗イメージ不一致度の2つに店舗イメ ージ不一致度を分割したものと,1つの構成概念(店舗イメージ不一致度)としてま とめたモデルに対し,確認的因子分析を行った結果は以下の通りであった。 まず,後者のモデルでは,百貨店(GFI:0.864,AGFI:0.774,CFI:0.738,RMSEA: 0.140,AIC:471.016),総合スーパー(GFI:0.864,AGFI:0.774,CFI:0.819, RMSEA:0.140,AIC:598.637),食品スーパー(GFI:0.851,AGFI:0.752,CFI: 0.804,RMSEA:0.147,AIC:673.560),高級食品スーパー(GFI:0.862,AGFI: 0.770,CFI:0.755,RMSEA:0.141,AIC:307.212),コンビニエンス・ストア(GFI: 0.837,AGFI:0.729,CFI:0.808,RMSEA:0.152,AIC:633.735)であり,極 めてあてはまりが悪かった(下線は特に顕著)。 これに対し,前者のモデルでは,百貨店(GFI:0.952,AGFI:0.916,CFI:0.907, RMSEA:0.085,AIC:208.009),総合スーパー(GFI:0.961,AGFI:0.933,CFI: 0.949,RMSEA:0.076,AIC:214.281),食品スーパー(GFI:0.956,AGFI:0.924, CFI:0.942,RMSEA:0.082,AIC:245.897),高級食品スーパー(GFI:0.951, AGFI:0.916,CFI:0.929,RMSEA:0.077,AIC:135.131),コンビニエンス・ ストア(GFI:0.968,AGFI:0.944,CFI:0.965,RMSEA:0.066,AIC:166.737) であった。 そして,態度的ストア・ロイヤルティと行動的ストア・ロイヤルティについては, 探索的因子分析(最尤法,プロマックス回転)を行った結果,5業態全ておいて両概 念ともそれぞれ1因子に要約された(4) なお,導出したクロンバックのα係数の値(初期モデルにおける機能的店舗イメー ジ不一致度,心理的店舗イメージ不一致度,態度的ストア・ロイヤルティ,行動的ス トア・ロイヤルティのα係数)は,最終分析結果である【図表3】の一番下の欄に掲 載してある通りである。 3.2 分析結果と結果の解釈 【図表2】の分析枠組を初期モデルとして5業態各々に対して共分散構造分析を行 った。先の確認的因子分析の結果等も踏まえ,各指標の値を参考にしながら各業態の モデルに対して段階的に改善を施した最終モデルにおける分析結果は,【図表3】に 示される。なお,総合スーパー,高級食品スーパー,コンビニエンス・ストアにおけ る最終モデルに至るまでの改善プロセスおよび結果と解釈は以下の通りである。 総合スーパーの初期モデルにおける結果は,GFI:0.951,AGFI:0.931,CFI:0.940, RMSEA:0.058,AIC:445.252であったが,「心理的店舗イメージ不一致度」から「態 度的ストア・ロイヤルティ」へのパスがp=0.211と非有意(なお,他のパスは全て1% 水準で有意)であったため,初期モデルにおいて非有意であった「心理的店舗イメー

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ジ不一致度」から「態度的ストア・ロイヤルティ」へのパスを削除して最終モデルと なった。同様に,高級食品スーパーの初期モデルにおける結果は,GFI:0.939,AGFI: 0.915,CFI:0.924,RMSEA:0.058,AIC:286.773であったが,「機能的店舗イメ ージ不一致度」から「態度的ストア・ロイヤルティ」へのパスがp=0.624と大きく非 有意(なお,他のパスは全て1%水準で有意),コンビニエンス・ストアの初期モデ ルにおける結果も,GFI:0.960,AGFI:0.945,CFI:0.954,RMSEA:0.049,AIC: 345.461であったが,「機能的店舗イメージ不一致度」から「態度的ストア・ロイヤル ティ」へのパスがp=0.830と大きく非有意(なお,他のパスは全て1%ないしは5% で有意)であったため,各々,初期モデルにおいて非有意であった「機能的店舗イメ ージ不一致度」から「態度的ストア・ロイヤルティ」へのパスを削除して最終モデル となった。 これらの改善プロセスを経た最終モデルにおける分析結果である【図表3】から, 先に示した仮説を検証していく。 ≪仮説1≫全業態において,仮説通り,各店舗属性に対する不一致度は機能的店 舗イメージおよび心理的店舗イメージに対する不一致度と正の関係 を有していた。 ≪仮説2≫百貨店,総合スーパー,食品スーパーにおいては,機能的店舗イメー ジ不一致度は,態度的ストア・ロイヤルティに正の影響を及ぼしてい たが,高級食品スーパーおよびコンビニエンス・ストアにおいては, 大きく非有意であった。 ≪仮説3≫百貨店,食品スーパー,高級食品スーパー,コンビニエンス・ストア においては,心理的店舗イメージ不一致度は,態度的ストア・ロイヤ ルティに正の影響を及ぼしていたが,総合スーパーにおいては非有意 であった。 ≪仮説4≫仮説通り,全業態において,態度的ストア・ロイヤルティは,行動的 ストア・ロイヤルティに正の影響を及ぼしていた。 これらの構成上の差異を考慮に入れ,次節において業態別に考察をしていくことと する。

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【図表 3】 最終 モデ ルに お ける分 析結 果 ★ :固定 母数 機能的 店舗イ メー ジ不一 致度 → 価格不 一致 度 0. 43 5 ★ 0. 464 ★ 0. 535 ★ 機能的 店舗イ メー ジ不一 致度 → 品揃え 不一 致度 0. 59 4 (p = 0. 000 ) 0. 634 (p = 0. 000 ) 0. 642 (p = 0. 000 ) 機能的 店舗イ メー ジ不一 致度 → 品質不 一致 度 0. 61 6 (p = 0. 000 ) 0. 776 (p = 0. 000 ) 0. 724 (p = 0. 000 ) 機能的 店舗イ メー ジ不一 致度 → サービ ス・ 店員の 質不 一致度 0. 65 3 (p = 0. 000 ) 0. 685 (p = 0. 000 ) 0. 710 (p = 0. 000 ) 機能的 店舗イ メー ジ不一 致度 → 立地利 便性 不一致 度 0. 38 1 (p = 0. 000 ) 0. 415 (p = 0. 000 ) 0. 467 (p = 0. 000 ) 機能的 店舗イ メー ジ不一 致度 → 販売促 進策 不一致 度 0. 43 3 (p = 0. 000 ) 0. 350 (p = 0. 000 ) 0. 453 (p = 0. 000 ) 心理的 店舗イ メー ジ不一 致度 → 買物快 楽性 不一致 度 0. 74 3 ★ 0. 756 ★ 0. 652 ★ 0. 76 8 ★ 心理的 店舗イ メー ジ不一 致度 → 店舗雰 囲気 快楽性 不一 致度 0. 81 9 (p = 0. 000 ) 0. 872 (p = 0. 000 ) 0. 852 (p = 0. 00 0) 0. 86 1 (p = 0. 000 ) 心理的 店舗イ メー ジ不一 致度 → 売場雰 囲気 快楽性 不一 致度 0. 66 0 (p = 0. 000 ) 0. 777 (p = 0. 000 ) 0. 711 (p = 0. 00 0) 0. 77 9 (p = 0. 000 ) 態度的 スト ア・ロ イヤル ティ → 買物満 足度 0. 74 9 ★ 0. 778 ★ 0. 791 ★ 0. 767 ★ 0. 76 1 ★ 態度的 スト ア・ロ イヤル ティ → 業態へ の態 度 0. 69 0 (p = 0. 000 ) 0. 721 (p = 0. 000 ) 0. 673 (p = 0. 000 ) 0. 610 (p = 0. 00 0) 0. 59 8 (p = 0. 000 ) 態度的 スト ア・ロ イヤル ティ → 今後の 利用 意図 0. 71 4 (p = 0. 000 ) 0. 637 (p = 0. 000 ) 0. 578 (p = 0. 000 ) 0. 643 (p = 0. 00 0) 0. 63 4 (p = 0. 000 ) 行動的 スト ア・ロ イヤル ティ → 購買金 額 0. 61 6 ★ 0. 711 ★ 0. 596 ★ 0. 686 ★ 0. 59 3 ★ 行動的 スト ア・ロ イヤル ティ → 購買利 用回 数 0. 78 3 (p = 0. 000 ) 0. 815 (p = 0. 000 ) 0. 806 (p = 0. 000 ) 0. 789 (p = 0. 00 0) 0. 82 9 (p = 0. 000 ) 行動的 スト ア・ロ イヤル ティ → 直近購 買日 0. 73 9 (p = 0. 000 ) 0. 745 (p = 0. 000 ) 0. 677 (p = 0. 000 ) 0. 726 (p = 0. 00 0) 0. 62 7 (p = 0. 000 ) 機能的 店舗イ メー ジ不一 致度 → 態度的 スト ア・ロ イヤ ルティ 0. 15 2 (p = 0. 019 ) 0. 345 (p = 0. 000 ) 0. 171 (p = 0. 004 ) 心理的 店舗イ メー ジ不一 致度 → 態度的 スト ア・ロ イヤ ルティ 0. 12 5 (p = 0. 041 ) 0. 159 (p = 0. 005) 0. 261 (p = 0. 00 0) 0. 13 6 (p = 0. 001 ) 態度的 スト ア・ロ イヤル ティ → 行動的 スト ア・ロ イヤ ルティ 0. 35 2 (p = 0. 000 ) 0. 176 (p = 0. 000 ) 0. 266 (p = 0. 000 ) 0. 362 (p = 0. 00 0) 0. 33 4 (p = 0. 000 ) 機能的 店舗イ メー ジ不一 致度 ⇔ 心理的 店舗 イメー ジ不 一致度 0. 56 2 (p = 0. 000 ) 0. 662 (p = 0. 000 ) χ 2 値 df p値 GF I AG F I CF I RM SE A AI C Ho el te r( 0. 05 ) 機 能的 店舗イ メー ジ不一 致度 心 理的 店舗イ メー ジ不一 致度 態 度的 ストア ・ロイ ヤル ティ 行 動的 ストア ・ロイ ヤル ティ クロ ンバ ック α係数 (初期 モデ ルにお ける α係数 ) (N = 918 ) (N = 770 )( N= 101 1)( N= 1043 )( N= 459 ) 221 246. 728 52 0. 000 0. 959 コン ビニエ ンス ・スト ア 378. 262 86 0. 939 適合度 指標 百貨店 総合ス ーパ ー 0. 000 0. 935 0. 910 0. 900 0. 066 446. 262 0. 936 0. 061 298. 728 286 324. 20 0 86 0.000 食 品ス ーパー 高級 食品ス ーパ ー 42 .9 77 25 0. 014 0. 040 82 .9 77 402 0. 958 0. 942 0. 948 0. 052 392. 20 0 0. 979 0. 963 329 0. 670 0. 751 0. 755 0. 976 0. 956 0. 966 0. 059 145. 131 105. 131 25 0.000 350 0. 984 0. 713 0. 780 0. 709 0. 716 0. 779 0. 759 0. 674 0. 713 0. 851 0. 752 0. 787 0. 844 0. 699 0. 694 0. 842 0. 718 0. 728

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3.3 分析結果の業態別考察 最初に百貨店では,態度的ストア・ロイヤルティが行動的ストア・ロイヤルティに 及ぼす影響は0.352であることから,態度的ストア・ロイヤルティが形成されれば, それが行動的ストア・ロイヤルティにまでつながる業態であるといえよう。その態度 的ストア・ロイヤルティには,機能的店舗イメージ不一致度および心理的店舗イメー ジ不一致度の双方が0.152,0.125と小さいながらも正の影響を及ぼすため,百貨店に おいては,機能的店舗イメージと心理的店舗イメージの双方において,それらを構成 する店舗属性に関する総合的な評価の向上を目指す取り組みが求められることにな る。 次に総合スーパーでは,態度的ストア・ロイヤルティが行動的ストア・ロイヤルテ ィに及ぼす影響は0.176であることから,態度的ストア・ロイヤルティが形成された としても,行動的ストア・ロイヤルティにまで結び付く比率が比較的低い業態である ことが推測できる。また,態度的ストア・ロイヤルティに影響を及ぼすのは,機能的 店舗イメージ不一致度のみであることから,特に機能的店舗イメージを構成する店舗 属性の評価の向上に力をいれるべきであろう。 3番目に,食品スーパーでは,態度的ストア・ロイヤルティが行動的ストア・ロイ ヤルティに及ぼす影響は0.266であることから,態度的ストア・ロイヤルティが形成 されても,それが行動的ストア・ロイヤルティにまでつながる比率が総合スーパーと 同様に比較的低い業態であると言えよう。態度的ストア・ロイヤルティには,機能的 店舗イメージ不一致度および心理的店舗イメージ不一致度の双方が0.171,0.159と小 さいながらも正の影響を及ぼすため,百貨店と同様,機能的店舗イメージと心理的店 舗イメージの双方において,それらを構成する店舗属性の総合的な評価の向上を達成 するような取り組みが必要とされる。 4番目に,高級食品スーパーでは,態度的ストア・ロイヤルティが行動的ストア・ ロイヤルティに及ぼす影響は0.362であることから,態度的ストア・ロイヤルティを 形成すれば行動的ストア・ロイヤルティに結び付く可能性が比較的高い業態といえよ う。態度的ストア・ロイヤルティに影響を及ぼすのは心理的店舗イメージ不一致度の みであることから,特に心理的店舗イメージを構成する店舗属性の評価の向上に注力 すべきであると考えられるが,これは,機能的店舗イメージを無視して良いというこ とを意味するのではなく,“機能的店舗イメージ不一致度は,態度的ストア・ロイヤ ルティを直接左右するものではなく,むしろそれらが満たされていることが前提条件 である”と解釈する方が妥当であろう。 最後に,コンビニエンス・ストアでは,態度的ストア・ロイヤルティが行動的スト ア・ロイヤルティに及ぼす影響は0.334であり,態度的ストア・ロイヤルティに影響 を及ぼすのは0.136と小さいながらも心理的店舗イメージ不一致度のみであることか ら,高級食品スーパーと同様の解釈が妥当となろう。

4.おわりに

本論文では,消費者の業態選択行動研究に対して拙稿(2011)で示したMonroe and

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店舗選択モデルに,店舗属性,店舗イメージ,ストア・ロイヤルティ(態度的ストア・ ロイヤルティ,行動的ストア・ロイヤルティ)という重要な概念を反映させた包括的 なモデルを提示して分析を行った。 その第一歩として,なかでも,今日の小売業を考える際に重要な小売成果指標であ るストア・ロイヤルティについて,その重要な一構成概念とされている「満足(顧客 満足,消費者満足)」に焦点をあて,多くの研究者が依拠している主流となっている モデルである「期待不一致モデル」の概念を援用して分析枠組を提示した上で,仮説 を実証的に検証した。 食料品の購買行動における業態選択について,百貨店,総合スーパー,食品スーパ ー,高級食品スーパー,コンビニエンス・ストアの5業態に関する消費者の調査デー タを用いて共分散構造分析を行った結果,各業態のストア・ロイヤルティの構築に関 する一定の示唆を得ることが出来た。しかしながら,いくつかの課題も残されている。 分析に用いたモデルのフィットネスがある程度高いことを考えれば,モデル自体は 適切であるものの,態度的ストア・ロイヤルティから行動的ストア・ロイヤルティへ のパス係数や行動的ストア・ロイヤルティの決定係数があまり大きい値ではなかった ことから,行動的ストア・ロイヤルティの形成には,態度的ストア・ロイヤルティ以 外にも,FSP などを代表とする顧客維持戦略の有無等もモデルに組込むことが,より 包括的な業態選択モデルの構築につながると考えられる。さらには,厳密にいえば, 期待不一致モデルを考える際,正の不一致と負の不一致とでは,その影響度やパター ンは異なることから,不一致を正・負に分類した上での分析・考察も必要であろう。 なお,5業態間におけるパスのウェイトを厳密に比較するためには,分析に用いるサ ンプルの抽出を再度工夫した上で,配置不変の制約を課した多母集団分析を行うこと が求められる。 また,年齢,結婚の有無,同居人数,子供の数,世帯収入,職業分類などの消費者 属性要因は,5業態間では大きく異なることはなかったが,店舗イメージやストア・ ロイヤルティの形成に影響を及ぼす重要な要因であることは間違いない。この消費者 属性要因によって分類したグループ毎にモデルを構築して分析を行ったり,これら消 費者属性要因をも構成概念や変数として組込んだモデルを構築することが,より具体 的かつ現実的な業態選択を説明するためには必要となろう。そして,食という必要不 可欠かつ最重要なカテゴリーであるだけに,日頃の食意識(つまり関与)や情報感度 (情報探索力)などでも,業態選択は異なるはずである。 これら本論文に残された課題である多面的な要素を組込んだモデルの構築や分析 および【図表1】で示した包括的業態選択モデルに関する分析は次稿以降で取り組み, より詳細な消費者の業態選択行動におけるメカニズムの解明を行いたいと考えてい る。 【注】 (1) 食料品の購買行動・業態選択行動を調査対象としたのは,本論文が,百貨店および総合ス ーパーの低迷という現状から問題意識が始まっている拙稿(2011)の継続的研究のためで ある。調査対象を絞るにあたり,業績不振が明白である百貨店と総合スーパーにおける販

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売品目をみると,下のグラフに示される通り,1位が飲食料品の5兆8131億円で圧倒的に 販売額が多いこと,そして飲食料品は生活必需品であるために景気の影響を他の品目より は受けにくいと考えられることから,食料品の購買行動における消費者調査を実施した。 2,548 3,783 3,859 5,040 8,818 17,135 28,773 58,131 0 20,000 40,000 60,000 家具 家庭用電気機械器具 その他衣料品 家庭用品 紳士服・洋品 身の回り品 婦人・子供服・洋品 飲食料品 (億円) (2) R・F・M の数値の1~5ランクへの具体的な数値の読み換えは,購入金額に関しては百貨 店,総合スーパー,食品スーパー,高級食品スーパー,コンビニエンス・ストア,その他 の5業態+1について質問をしていること,食料品の購買に関する調査であるので,多頻 度少量購入が特徴として指摘されるよう,頻繁にそして1回あたりの買物量は,特に生鮮 食品においてはその日に食べ切れるだけの量の購入を行う消費者がいまだに多いこと等を 踏まえ,事前に全体の度数分布を算出した上で,以下の範囲でランク付けを行った。 ①年間購買金額比率(食料品全体への支出を100とした時の当該業態への支出割合) 80%以上…ランク5,50%以上…ランク4,30%以上…ランク3,10%以上…ランク2, 10%未満…ランク1 ②1カ月の平均購買利用回数 20回以上(約週5日を想定)…ランク5,10回以上(約週2~3日を想定)…ランク4, 4回以上(約週1日以上を想定)…ランク3,1回以上(約月1回を想定)…ランク2, 1回未満(約月1回未満を想定)…ランク1 ③直近購買日(一番最近の利用日:調査回答日から何日前か) 3日以内…ランク5,1週間以内…ランク4,2週間以内…ランク3, 1カ月以内…ランク2,それ以前…ランク1

(3) 各指標の基準は,Schermelleh-Engel and Moosbrugger(2003)を参考とした久保田(2010)

に示されたのと同様の,GFI≧0.90,AGFI≧0.085,CFI≧0.095,RMSEA≦0.080を基準 としている。【図表3】の結果の解釈についても同様である。 (4) 全てにおいて累積寄与率は約50%から約55%とやや低めではあったが,因子負荷量は約 0.60~約0.85の間の値であった。 【参考文献】 奥瀬喜之(2008)「顧客満足概念とその測定に関わる研究の系譜」『専修商学論集(専修大学)』 第88巻,pp.55-59。 小野晃典(2000)「顧客満足―ブランド選択モデルによる概念整序―」『三田商学研究(慶 應義塾大学)』第42巻第6号,pp.1-30。 【出所】 『2009 平成 21 年版 我が国の商業 ダイジェスト版』,p.14。 小売業 年間商品販売額上位品目 (平成19 年) http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/syougyo /dms/2009/pdf/dig.pdf 百貨店・総合スーパー品目

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参照

関連したドキュメント

② 

『消費者契約における不当条項の実態分析』別冊NBL54号(商事法務研究会,2004

その2年目にはその数798件におよんだ。 その 届出相談, および行政にたし、する大衆からの