負荷作業におけるタイトウエアの着用感と作業能率への影響
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(2) 負荷作業 におけるタイ トウエ アの着用感 と作業能率へ の影響. 278. 12)13). 9)10)11). らゆ と り量 に関す る研 究及 び衣 服材料学 の研 究が な されて い る。 しか し,衣 服 に よる身体 へ の 緊縛 や動 作時 に起 こる衣服 との摩擦 ・歪 みが. ,. ス トレス として疲 労感 に ど う結 びつ くのか,こ れ につい ての資料 は極 めて少 な い。 本研 究 で は,健 康 な若年成 人女子 を被検者 として ,タ イ トウエ ア ー,或 は ル ーズ ウエ ア ー を着用 させ ,主 と して肩 関節及 び肘 関節運動 を伴 う軽作業 に 限定 して ,キ ーパ ンチ ング及 び 日本文 の書 き取 りを行 わせ た。 そ の負荷作業 にお け る皮膚温 ・筋電 図及 び指尖容積脈波 に表 れた抹柏循環 血流動態 をそれ ぞれ経 時的 に測定 し, まず ,そ の早期応答 をよみ とるこ ととした。 また,作 業過程 でみ られた作業 の 出来高 とその変動量 ,そ れ に対 す る 自覚 的疲労感 と フ リ ッカ ー値 の変化 の実態 につ い て も調 べ た。 着衣状態 に よるス トレス を,一 定 の負荷作業 に対 して表 れた生体 の反応 か ら定量 的 に読 み取 るこ とと した。. Ⅱ 対 象 と方法. 1. 被検者及び実験用衣服. A・. Bの 実験 を各 々異 な る被 検 者 を対 象 と して行 ったが ,い ず れ も健 康 な 表. 47.0. 160.6. 51.0. 79。. 7. 24.0. 13.5. 27.0. 14.7. 59。. 59。. 一 ″. 76.5. 5. 79.5. 1.08. 14.5. 56.6 4. 14。. 7. 1.33 1.23. 26。 1. 144.0 155。. 5. 63.8. 一. 152.4. (cm). レ. 78.0. 156.0. 手首囲. 20.5 60.0 0。. 56. 14.5. 1.36. 14.6. 1.23. 0。. 67. 0。. 10. ル数. 161.2. 上腕最大囲 (cm). 口一 不. 76.8. 159.0. 胴 囲 (cm). 囲> m c 肘<. (cm). 被検者 の体型―一 実験 A. 囲> m c 胸<. 身 長. 重> g 体<. 項 目. 被検者. 1-1.
(3) 木 岡 悦 子 ・森. 279. 由 紀. 表 1-2 被検者 の体型―一 実験 B. 161.9. 49.0. 80。. 164.5. 51.0. 77.8. 59。. 4. 156.7. 47.6. 80.5. 60.5. 26.0. 6.3. 2.7. 60.4. 5. 21.0. 14.0. 1。. 13.8. 1.37. 24.8. 20。. 25.0. 21.4. 14。. 25.3. 21.8. 14.5. 0.9. ル数. 81.5. 27.8. 手首 囲 (cm). 一. 44.0. 肘 囲 (cm). レ. 80.8. 152.5. 60.5. 上腕最大囲 (cm). 口一 不. 46.0. 囲> m. 48.0. 6. 149。. c 同 <. 155.0. (cm). c 匈 <. 身 長. 囲> m. 被検者. 重> 体は. 項 目. 29. 5. 2. 1.24 0。. 49. 0.28. 0.09. 胸囲 ― 更=7.7%―. s=0。 63%. 胴囲. X=1.9%. s=0。 24%. 実験 Bに おける各被検者 の 平均値及 び標準偏差. 図1. 実験服パ ターンのゆと り量. 20歳 代 の 若 年 女 子 が そ の 被 検 者 で あ る (表. 1)。. 実 験 用 衣 服 は ,胴 部 ・ 袖 部 と もに密 着 型 の もの を Tタ イ プ と し,こ れ の 対 照 服 と して綿 ジ ャ ー ジ ー の ト レ ー ナ ー 型 の ル ー ズ ウ エ ア を Lタ イ プ と し.
(4) 負荷作業 におけるタイ トウエ アの着用感 と作業能率へ の影響 表2 組 組. ……平織 織。 成 …… 綿 100%. 試料 の諸元 厚 重. ・0.485mm さ…… 12.49mg/cm2 さ……。. 糸密度 …… タテ 57.6本 /cm ヨコ 27.0本 /cm. た。実験 服. Tに つ い て は,各 被検者 ご とに綿 ブ ロー ドで作 製 し,そ れぞ れ. 立位正常姿勢 での体型 に合 わせ た もので ,そ のゆ と り量 につ いて は,図 1の 通 り,例 えば実験. Bで は,胸 囲 で 更7。 7%,sO。 63%,袖 幅 で 更4.5%,s. O.21%と 少 ない値 を示す とともに,被 検者 間 のバ ラつ きの少 ない もので あ る。 なお ,実 験動作 に影響 を もつ と思 われ る実験服材 料 の特性及 び諸元 につ い て は,表 2に 示す とお りで あ る。. 2. 測定方法. (1)実 験 の概要 ①. 実験. A. 被検者 は実験室 (室 温 26.1± 1.7℃ )で 30分 安静 を保 ち,T実 験服 を着用す る。被検者 の左右手背 にはサ ー ミス ター温度 セ ンサ ー を,左 手第 2指 の指尖 に光電脈波 ピ ックア ップを,ま た右上腕伸筋部 ,屈 筋部 にそれぞれの筋電 図 用 電極 を装着 した。 まず , ワ ー プ ロ によるキ ーパ ンチ ング (作 業 1)を 30分 間行 い,休 憩 10分 後 ,書 き取 り (作 業 2)を 30分 間行 った。対照服 で あ る L 服 につ い て,同 様 の実験 を 2日 後 に行 った。 ②. 実験 B. A実 験 と同様 の 方 法 に よるが ,負 荷 作 業 に はキ ーパ ンチ ン グの み を午 前 ・ 午後 1時 間づつ 課 した。 ただ し,キ ーパ ンチ ングにつ い て習熱 の度合 を 予 め見 定 めたの ち実験 に当た るよ うに した。. Aに 加 えて作業終 了後 の疲労 自覚調査 ,作 業前後及 びその後 の フ リ ッカ ー値測定 に よ り疲労度 の測定 を行 った。 L実 験服 に よる 同様 の実験 につ 実験. い て は,生 体 の リズム を考慮 して 1週 間後 の 同曜 日,同 時 間 に行 った。.
(5) 木 岡 悦 子 ・森. 由紀. 281. (2)指 尖容積脈波 の測定 循環血流動態 の指標 として比 較 的測定 しやす い指尖容積脈波 を取 り上 げ. ,. 測定 した。三栄測 器 ポ リグラフ140シ ス テ ム1205D生 体電気現象用増 幅器及 び記録器 を使用 し,光 電脈波 ピ ックア ップを負荷作業 の 際 の利 き手 とは反対 の左 手第 2指 指尖 につ け,ラ ンプの光が爪床部 にあた る よ うに固定 した。脈 波 の 記 録 に つ い て は,. 1分 経 過 ご と に そ の 前 後 約 10秒 間 を掃 引 速 度. 25mm/secで 行 い,そ の他 5mm/secの 掃 引速 度 で 連続 した記録 を とった。 その波形 0波 高 ・脈拍数 を観察 し,周 期 的 な リズムや基線 の動揺 を読 み とっ た。 波高 につ い て は,原 則 として連 続 した 5波 型 の平均値 を求 めた。 また. ,. 脈拍 数 につい て は,15秒 間 の脈拍数 を読 み と り 4倍 した もの と した。. (3)皮 膚温 の測定 宝 サ ー ミス タ ー温 度 セ ンサ ー を左 右 手 背 に と りつ け,皮 膚 温 の 変 動 を. K720型 温度 デ ー タ集録装置 を用 い て記録 し,負 荷 による変化 をよみ とった。 に)フ リッカ ー値 の測定 T.Ko K。 フ リッカ ー値 Ⅱ型測定器 を使用 し,実 験 開始前 とそれぞれの負荷. 作業終了後 に測 定 した。負荷作業 に よる変化 の状態 を中枢疲労 の一指標 とし て読 み と り,各 被検者 ごとに各実験服 の差 を比較検討 した。. Ⅲ. 結. 果. (1)指 尖容積脈波 の動態 と′ い拍 数 ①. 指尖容積脈波 の動態. 上腕 部 を圧迫 し,屈 曲動作 を行 った場合 の指尖容積脈波 にあ らわれた早期 応答 につ い て は,す で に発 表 した。 本実験. Aで は T実 験 服 と L実 験 服 それぞ れの着用 時 にお け る指尖容積脈. 波 動 態 を経 時 的 に記 録 し比 較 した。被 検 者 S2を 例 に図 2に 示 す と,作 業. 102何 れ にお い て も,T服 の場 合 が L服 に比 べ て波高 が低 い こ とが 認 め られ,作 業終了 7分 後 の時点 にお い て は,波 形が全 く認 め に くい状態 で あ る。.
(6) 282. 負荷作業 におけるタイ トウエ アの着用感 と作業能率へ の影響. 5nlln. 7. 作 業 1. 作 業 2 終 了 後 一 c e s 3. 図2. 指尖容積脈波動態 作業 開始後 の被検者. S2(実 験 A)に お いて.
(7) 木 岡 悦 子 ・森. 283. 由紀. 午 後. 1. 1. (S4) c e 一 s 3. 図3. 作業 中 の指尖容積脈波動態―― 実験. B.
(8) 負荷作業 にお け る タイ トウエ アの着用感 と作業能率 へ の影響. 284. T服 着用時 L服 着用時. 心 拍 数 の変 動 率 %. 作業. 1. じ6′. 1. 図. 5. 4. 9 13 17 21 25 29. 1. 5. 時. 間 (分. ` び. 9 13 17 21 25 29. 1. 5. 9. ). 負 荷 作 業 にお け る心 拍 数 の 経 時 的 変化 (実 験. AO被 検 者 S3). この こ とは,い ず れの被検者 にお い て も同様 の傾 向が読 み取 れた (図 実験. 2)。. Bの キ ーパ ンチ ングに よる負荷作 業 時 の指尖容積脈 波動 態 で は,図. 3の 掃 引速度 5mm/secで とらえた波形 の とお り,T服 に よる波形 の 乱 れや 基 線 の 揺 れが. L服 着用 時 よ り顕著 に認 め られ た。 L服 にお い て は,や や低. い 波高 で 安定 した脈波動態 があ らわれ,被 検 者例 S4か ら もよみ とる こ とが で きるが ,他 の被検者 にお い て も同様 の傾 向が認 め られた。. ② 負荷作業における心拍数の変動 指 尖 容 積 脈 波 か ら算 出 した拍 数 につ い て は,実 験. Aに お い て負 荷 作 業. 102全 過程 60分 間 にお け る平均心拍数 を,T・ L服 の個 人別 に比較 してみ る と,T服 着装 で は 6名 中 5名 につ い て T服 の方 が有意 に L服 よ りも高 い ことが 認 め られた。 ただ し,作 業 2に つ い て調 べ る と, 3名 には有意 に高 い 変化 が認 め られ るが ,他 の 3名 には有意差 は認 め られな い とい う結果 が得 ら.
(9) 木 岡 悦 子 ・森. 由紀. T服 着用時 L服 着用時. 心拍数 午後. 箭i↓. 醗 時 間 図5. :l11し. │││1島 !l. l lム l I!bbイ. 麦. (分 ). キ ーバ ンチ ング作業 にお け る心拍数 の経時的変化 (実 験 B・ 被検者 S4). れた。安静時 の安定 した値 を基 準 と して心拍数 の変動率 をみ る と,例 えば被 検 者 S3に つ い て経 時的 にみ た図 4で は,T服 の 着用 と同時 に心拍 数 が高 く 変動 して い るこ とが 認 め られ る。 また,負 荷作業 の 1と 2と の 間 の変動率 に 若干 の 差 は認 め られ るが ,い ず れ に して も T服 着用 時 の心拍 数 が L服 の そ れ に比 して高 い こ とが 認 め られ る。 午前 ・ 午後 とも同一 の負荷作業 を行 った実験 同 じ く心拍 数 の経 時 的変化 をみ る と (図. Bに つ い て被検者 S4を 例 に. 5),T服 ,L服 のいず れの場 合 に. も午後 の作業時 にお け る心 拍 数 が 午前 に比 して高 い値 を示 して い ることが わ か る。 また,T服 着用 直後 に心 拍 数 が急増 して い る こ とが うかが われ る。 これ につ い て は,タ イ トな衣服 に着替 えた瞬時的違和感 に よるス トレス と解 す る こ とがで きよう。 この よ うに,全 般 的 にみ る と,TOL服 の両者 間 には.
(10) 負荷作業 にお けるタイ トウエ アの着用感 と作業能率へ の影響. 286. 皮膚温 の変化 ℃. 1911::88=:ご. づ :fl二 年・ ご 。. や. 3β. 8。. 3‐ 8‐. 通¨諦TI 〕. 。 iD. 休憩. T服 ・左手 作業 2. 作業. 10. 1. 20. 30. 0. 10 時. 図 6. 0 間. 10. 20. 30. 0. 10. (分 ). 負荷 作 業 にお け る皮 膚 温 (手 背 部 )の 経 時 的 変化 (実 験 A・ 被 検 者 S4). 明 らか に差 の あ るこ とが認 め られたが , しか し,L服 着用 の 午後作業時 にお い て は,む しろ心拍数が高 い とい う結果 が認 め られた。 この ことにつ い て は. ,. 後述 の作業 出来高 や衣服材料 の特性 とも関 わ って検討 を要す る ところか と思 われ る。. (2)皮 膚温 の変化 実験 Aに お け る負荷作 業 中 の手背部皮膚温 につ い て,安 静時 の安定 した 皮膚温 を基 準 と してそ の変化量 を経時的 にみ る と,被 検 者 S4の 例が示す と お り (図. 6),L服 着用 時 にお い て は,作 業 1の 開始後 ,左 右皮膚温 が い ず. れ も上昇傾 向 を示 し,作 業 2に お い て も安静時 を上廻 る変化 がみ られた。 こ れ に対 し,T服 着 用 時 で は い ず れ も基準 皮膚 温 を下廻 り, と くに左 手背 部 皮膚温 の下降傾 向が顕著 で あ る。 この よ うな傾 向 は被検者 6名 中 5名 にみ ら れた。.
(11) 木 岡 悦 子 ・森. 由 紀. 積分値. T月 風 L月 艮. ― ―. Jト. 0. 15 30 45 60 午前. 図. 7. 0. 一〇―‐上腕二頭筋 ―△――浅指屈筋 ー□一―指伸筋. 15 30 45 60. 午前 間 (分 ) キ ーバ ンチ ン グ作 業 にお け る筋 電 図 の 積 分 値 (実 験 B・ 被 検 者 S5) 時. ― 匡コ. T服 着用時 L服 着用時. 打字数. **:p<0.01. Sl. S2. S3. S5. S6. X. 被検者 図. 8. キ ーバ ンチ ン グ総 打 字 数 (実 験. A).
(12) 288. 負荷作業におけるタイ トウエ アの着用感 と作業能率へ の影響. ● ▲. T服 L服 T服. ―. -0-L服. 。各被検者 。各被検者 。平均 。平均. **:p<0.01. 0-10. 10∼ 20 時. 図. 9. 20∼ 30. 間 (分 ). キ ーパ ンチ ン グ逐 時打 字 数 (実 験. A). T服 着用時 L服 着用時. **:p<0.01. Sl S2 S3 S4 S5 S6. T. 被検者 図 10 作 業. 1. 初 期 段 階 誤 打 数 (実 験. A).
(13) 木 岡 悦 子・森. 由紀. (3)筋 電 図 実験 Bに お け る筋 電 図 の状 態 をみ る と,L服 で は比 較 的振 幅 が小 さいの に対 し,T服 着用 時 で は明 らか に振 幅 が大 き くスパ イ クが緻 密 に現 れて い た。 に 0. そ の積 分値 を求 め る と,図 7の とお り,午 前 に比 して午 後 の T服 着用 時 積分値 の上 昇 が極 めて大 きい こ とが認 め らめた。 着衣 と仕事 出来高. T服 ・各被検者 L服 。各被検者 T服 ・平均 L服 ・平均. 打字数. *:p<0.05. 0‐ 1515‐3030‐ 4545‐ 60. 午前. 時. 0‐ 1515-3030-4545‐ 60 午後. 間 (分 ). 図 11 キ ーパ ンチ ン グ逐 時打 字 数 (実 験 B).
(14) 290. 負荷作業 にお ける タイ トウエ アの着用感 と作業能率へ の影響. 打字数. *:p<0.05. S2. S3. S4. S5. 更. 被検者 図 12 キ ーバ ンチ ン グ総 打 字 数 (実 験. B). フ リ カ │. 値. **:p<0.01. (c/s). 測定時. ① 実験開始前 ② 作業 1・ 2終 了後 ③ 実験終了後. 図 13 作業前後 の フ リ ッカ ー値 の変化 (実 験 A・ 平均 ).
(15) 木 岡 悦 子 ・森. 由紀. 291. Aに お け るキ ーパ ンチ ング作 業 に よる T服 ・L服 の作業 を総打字 数 で あ らわす と,図 8の とお り,各 被検者 とも T服 の場 合が L服 に比 して少 実験. 1%で 有意 な差がみ られた。 また,経 時的 にその仕事 出来高 をみ る と,特 に初期 10分 間 にお いて ,両 者 に 1%の 危険率 で有意 な差 な く,両 者 間 に危険率. が認 め られた (図. 9)。. 作業過程 にお け る誤 りを誤打 率 と して図 10に あ らわ. す と,初 期段 階 10分 間 で ,L服 よ り T服 に高 い傾 向が被検 者 全体 につ い て み られた。 作業 2の 書 き取 りにお いて ,各 被検者 の平均総 字数 は T服 で は908字 に対 し,L服 の場合 は928字 ,誤 字 の 平均値 は T服 20.2字 に対 し L服 18.5字 と. ,. わずか に差が認 め られた。 実験. Bで は,キ. ーパ ンチ ン グ作 業 開始 15∼ 30分 にお け る打 字数及 び午 後. L服 着用 時 に有意 に多 い ことが 認 め られ なお ,午 前 ・ 午後 で トー タルす る と,T服 着用 時 よ り L服 着用. の 開始 30∼ 45分 にお け る打 字 数 が た (図 11)。. 時 の作 業量 が 多 く,特 に午前 中 の TOL服 間 に有意 な差 が認 め らめ た。 (図. 12)な お,作 業 開始直後 の誤 りが多 く,T服 にお け る誤打率 は有意 に多 い こ とが わか った。. (4)フ リッカ ー値 作 業 開始前 ,終 了後及 び実験完了 4時 間後 のそれぞれで ,フ リッカ ー値 を. フリ ッカー値 の変動率 %. 1:実 験開始前. 12345. 2:午 前作業終了後 3:午 後作業終了後 4:翌 朝 5:翌 翌朝. 測定時 図 14 作 業 前 後 1∼. 5次 に お け る フ リ ッカー値 の変動 (実 験 B・ 被検者 S4).
(16) 負荷作業におけるタイ トウエ アの着用感 と作業能率へ の影響. 292. 被検者. 頭がお もい 全身がだるい あ くびがでる. 目が つ かれ る 9. 動作が ぎこちない. ● ∞. ∞・・. 頭 が ぼんや りす る. 〇・∞∞・. 足 が だ るい. 0 1. 足 もとが た よ りな い. Ⅱ. 横 にな りたい. 2.. 頭 が い たい. 肩が こる 腰 が いたい. い き苦 しい 口がかわ く 声がかす れ る. め まいがする まぶたや筋肉がピクピクする 手足がふるえる 気分が わるい. 午前. 午後. ●. T服. OL服 図 15 被検者別疲労 自覚症状訴 え状況. Aで は,各 被検者 の フ リ ッカ ー値 の平均値 が T・ L服 両者 間 に有 意 に差 が あ る こ とが 認 め られ た。作 業終 了後及 び実験 完 了後 に L服 で. 測定 した実験. 有意 に上 昇 して い るこ とが 認 め られた (図 13)。 実験. Bに お い て は,被 検 者 S4を 例 にあげ る と,T服 で は負荷作業 に よっ. て フ リッカ ー値 が低下 し翌朝 2日 日の測定値 も低下 を続 け, 3日 日の測定時 に よ うや く上昇が認 め られた (図 14)。. (5)疲 労 自覚症状 につ いて 作 業後 の疲労 自覚症状調査 で は,図 15の とお り, I群 の神経感覚的症状 の 訴 え頻度が午前 ・ 午 後 ともに T服 に顕著 で あ る。 Ⅲ群 の 身体 的症状 で は,L 服 着用 時 での 訴 えは殆 どみ られず ,T服 にお い て 「肩 が こる」 とい った訴 えが全被検者 にみ られた。.
(17) 木 岡 悦 子 ・森. Ⅳ. 考. 由紀. 察. 着衣 の状態 に よって作業能率 に差 がみ られ るのか,ま た,こ れ によって生 体 の受 け るス トレス は どの よ うな ものか につ いて , タイ トウエ アお よびル ー ズ ウエ アの着用別 に負荷作業 を試 みた。結果 ,キ ーパ ンチ ングの仕事 出来高 につ い て は実験 A・ Bと もに ル ーズ ウエ ア着 用 時が タイ トウエ ア着用 時 を 大 き く上廻 り,特 に初期段 階 での T・. L間 に有意 な差が認 め られた。 また作. 業過程 にお け る誤 りが T服 着用時 に多 く, しか も初期段 階 で の誤打 率 に有 意 な差があ らわれて い ることが認 め られた。 作 業 終 了後 に行 った疲労 自覚 症状 の 訴 え調査 で は,「 ね む い」「 目が疲 れ る」 とい った神経感覚 的症状 に T服 着用後 の訴 えが集 中 した。「肩が こる」 とい った身体 的症状 の訴 えが L服 にはみ られ ないの に対 し,. T服 にお い て. 全員 の訴 えがあ るな ど,実 験後 の疲労感 に も差が認 め られた。 これ らの主 観 的 な疲労感 を裏付 け る他 覚 的指標 と して ,脈 波 ・ 心拍数 ・皮 膚温 ・筋電図及 びフ リッカ ー値 か ら読 み とる と,本 実験 にお いて は,被 検者 のほ とん どが ル ーズ ウエ アに比 べ て タイ トウエ ア着用時 に,大 き く負荷 が あ らわれて い るこ とが認 め られた。例 えば上腕 二 頭筋 にお け る筋収縮状態 をみ た筋電 図 で は,T服 の 方が スパ イ クが緻 密 で振 幅が大 き く,持 続 した筋 収 縮 が うかが われ,そ の積分値 にお い て,特 に T服 着用 の午後 にお け る振 幅 上 昇率 の増大 が認 め られた。 つ ま り,こ れ はゆ と りの な い袖 を もつ着衣時 の 動作 に よる緊縛 が ,筋 の興奮 を与 えた もの と考 え られ る。 実験 Aで 行 った左 右 手背 にお け る皮膚 温 の経 時変化 で は,. L服 の場 合 の. 上 昇傾 向 に対 し,. T服 で は下 降傾 向が み られ たが ,負 荷作 業 時 の皮膚 温 が 安 静 時 よ り上 昇 す るのが妥 当 とす れ ば, T服 にお け る結果 は さ きに述 べ た よ うに衣 服 に よるス トレス と解す るこ とがで きよう。 被検 者 が T服 。L服 ともに同 じ作 業 を行 って い るに もか か わ らず ,作 業 能率 や他覚指 的標 となる各種測定値 間 に差 異 が生 じた こ とは,着 衣 に よる適.
(18) 負荷作業 にお けるタイ トウエアの着用感 と作業能率への影響. 294. 表3. 試料 の力学特性. 目. 項. せん断特性. G. (gf/cmedegree). 2HG. (gf/cm). 2HG5. タテ. 1.09. 合性 の 問題 を無視 で きな い ことが示唆 ヨ コ. ,. 2.98. LT. 0.638. 0。. 曲 げ特性. 2HB. (gf.cm/cm). 860. 各被検者 の体型 にフ ィ ッ トす るよ うに 作 られた もので あ るが , しか し,そ れ は立 位正常姿勢 の静態 に合 わせ た もの. WT. 15。. (gf.cm/cm2). T ∽ R. 引張特性. 3.02. (gfo cm2/cm). タイ トウエ ア と した T服 の 条件 を 改 めて検討 してみ る と,形 態的 には. 1.05. (gf/cm). B. された。. 1.06. 20. で あ る。従 ってキ ーパ ンチ ング作業 で 53.0. の椅座位 や前傾姿勢及 び上 肢動作 時 に. 0.0660. 0.0375. よる動態 に対 す るゆ と り量 は含 まれて. 0.0365. 0.0260. い ない こ ととなる。更 に材 質的 には布 物性 (表. 3)の 示 す 通 り,布 に外 力 が. 加 え られ る とそれ に等 しい応力 (Stess)が 生ず るが ,こ の場合. lcm当 た り. 50gfの 荷重 の引 っ張 りに対 し,100秒 後 には ヨコ方向 で約 13%の 応力暖和 が な され ることになる。伸縮 の き く編物 で はな く,織 物 を素材 と した こ とで. ,. そ の ブ ロー ド織物 の物性が もつ 特徴 も作業能率 や生体 へ の負荷 にかかわ った と考 え られ る。作 業量及 び作業 ミスが ,特 に作業初期 の段 階 にお い て T・. L. 服 間 に有意 な差がみ られ,そ の後有意差 がみ られ なか った こ とは,応 力暖和 に よる布物性 がその要 因 の一 つ と考 え られ る。初期段 階 で 表 れた早期応 答現 象 が 時 間経過 につ れて身体 の生 理 的馴化 を もた ら した こ ともまた,要 因 に加 える こ とがで きる と考 え られ る。 作業過程及 び終了後 の着用感 を疲労 自覚症状 に よって示 したが ,各 被検者 ご とに調 べ る と,例 えば,T服 で の I群. (ネ. 申経症状 )の 訴 え数 が 午前 20%か. ら午 後 50%に 上 昇 して い る S5の 被検者 で は,午 後 の筋電 図及 び心 拍 数 にお い て顕 著 な上昇がみ られ る。 そ の他 ,そ れぞれ 自覚 的着用感 を示す疲労調査 と,脈 派 ・筋電 図及 び フ リ ッカ ー値 な ど,他 覚 的指標 となるそれ らの測 定値 の 間 に大 きな関連性 の あ るこ とを認 め ることがで きた。 疲労感 を定量化す る とい う ことは困難 な問題 で あ る。 しか し,大 脳皮 質 の.
(19) 木 岡 悦 子 ・森. 由紀. 活動性水準 の変化 をフ リッカ ー値 の検査 か ら読 み とる,或 い は,仕 事 出来高 や仕事 ミスの状況及 び生 体反応 な どの現象 か ら主観 的疲労感 を客観 的 に読 み とるこ とがで きる と思 われ る。 本実験 は,着 衣 の快適性 が人体生理 に影響 をあたえるか ど うか を見極 め る ため に, タイ トとル ーズの着衣条件 を設定 し,実 験 日の条件 も吟味 して行 っ た もので あるが , しか し,そ れ を着用 した被検者 自身 の状態が呆 して心 身同 一 条件 の もとで行 われたか を考 えた時 ,多 少 の 問題 は残 されて い る とい わ ざ るを得 ない。 一 週 間後 の 同曜 日,同 時 間 で しか も前 日の状態 をで きるだけ等 しい条件下 にお い て行 った実験 で はあ るが ,人 間 の複雑 な心理 的背景 や身体 状況 は徴妙 に異 な り,必 ず しも同一 条件 を保持 した とはいい難 い。それが 生 体実験 の もつ 難 しさとい えるが , しか し,そ の よ うな中 で なお ,結 果 的 には T・. L服 両者 に特徴 あ る差 異 が 見 い だ され た。 バ ラつ きは あ る ものの,測 定. 値 か ら有意差 の あ る問題点 を見 出す こ とがで きた こ とを重視 した い。. 結. 五叩. Ⅳ. 健 康 な若 年 女 子 を被 検 者 と して ,キ ーパ ンチ ン グ作 業 にお け る生 体 反 応 及 び 疲 労 感 に つ い て ,着 衣 実 験 を通 して検 討 した。 ゆ と りの 少 な い 対 照 服 と して の. T服 と. L服 を実 験 服 と した。 タイ トな T実 験 服 着 用 時 に,L服. 比 較 して心拍 数 の上 昇 ,筋 電 図振 幅 の 増 大 ,皮 膚 温 や フ リ ッカ ー値 の 低 下. ,. に ,. 仕 事 出来 高 の 低 下 お よび仕 事 ミス の 増 大 が認 め られ ,タ イ トな衣服 を着 用 し た場 合 の 負荷 作 業 時 の ス トレスが 大 きい こ とを認 め る こ とが で きた。 本研 究 は,第 56回 日本衛 生 学 会 ,第 38・ 39回 日本 家 政 学 会 で発 表 した もの で あ る。. 文献. 1)入 鹿山勝郎 :国 民衛生,12,863(1935) 2)川 生実 :国 民衛生,20,255(1943).
(20) 296. 負荷作 業 にお ける タイ トウエ アの着用感 と作業能率 へ の影響. 3)米 田幸雄 ,稲 垣宇女乃 ,宮 田英子 ,山 田美代子 :日 衛誌 ,12,158(1957) 4)渡 辺 ミチ ,田 村照子 ,岩 崎房子 :家 政誌 ,24,397(1973) 5)渡 辺 ミチ ,田 村照子 , :家 政誌 ,27,44(1976) 6)森 由紀 ,木 岡悦子 :甲 南家政 ,28,63(1993) 7)猪 又美栄子 ,加 藤理子 ,清 水薫 :家 政誌 ,43,691(1992) 8)登 倉尋賞 ,小 松 由紀 ,田 村 直美 :家 政誌 ,34,633(1983) 9)間 壁治子 ,百 田裕子 ,三 野 た まき,上 田一夫 :繊 消誌 ,32,424(1991) 10)間 壁治子 ,百 田裕子 ,三 野 た ま き,上 田一夫 :繊 消誌 ,33,649(1992) 11)猪 又美栄子 ,加 藤理子 ,清 水薫 :家 政誌 ,43,559(1992) 12)三 好百 々江 ,増 田茅子 ,安 原 由紀子 :家 政誌 ,30,312(1979) 13)伊 藤紀子 ,中 谷文子 ,丹 羽雅子 ,古 里孝吉 :家 政誌 ,28,360(1977) 14)大 島正光 :疲 労 の研究 ,124(1979) 15)吉 村正治 ,三 島好雄 ,服 部健蔵 ,前 田如矢 :臨 床脈波判読講座 I,35(1974) 16)大 島正光 :疲 労 の研究 ,39(1979) 17)木 岡悦 子 :甲 南女子大学研 究紀要 ,21,598(1985) 18)木 岡悦子 ,森 山忠重 :日 衛誌 ,41,1,473(1986).
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