分別沈澱法に依る脂肪酸の分離に就いて これに勤し本方法に依る時は与えられた荷重に対す る部材応力を用いるだけで凡ての節点のX,Y, Z3方向 への変位を唯一回の計算だけで同時に求める事が出 来、而かも隣接部材間の角変化のみならず凡ての部材 間の角変化も同時に求まる。殊に不静定立体トラスの 解法に応用して不静定値め影響線を求めるのに利用す ると大変便利である。 文献 (1)土木学会誌 eg:35券第7號
分別沈澱法に依る脂肪酸の分離に就いて
緒
言
油脂を構成している脂肪酸は単一なる龍肪酸ではな く何穫類かの性質の異つた肚肪酸の混合物である。各 脂肪酸には特性があるから其の性質に応じた適当な利 用法があるが、熊肪酸の分離が困難な為多く混合龍肪 酸のまX使用している。これは不合理な利用法である。 著者はアセトン溶液を用いる分別沈澱法に依る脹肪 酸の分離精製法を研究した。本
論
1大豆油脂肪酸の分離
大豆油を分解して得た混合月F肪酸を固体酸である飽 和肢肪酸と不乾性液体酸であるオレイン酸と乾燥性液 体酸であるリノール酸とを主成分とする三部分に分離 する方法を工夫した。 実験及び結果の考察 1)大豆油脂肪酸。大豆油を涯精加里で鹸化して此に 稀塩酸を加へて分解して得た肝肪酸の性状は次の通り であつた・申禾P価200・5・沃素価138・9・比量d250・8 973・屈折率糟1・4656・此の混合HE,肪酸を鉛塩アル コール法に依つて飽禾F酸と不飽和酸とに分離し、不飽 和酸は上野法①に依つて分析し次の組成であること 、 を知つた。飽和龍肪酸10、5%オレイシ酸31,2%リノー ノレ酸56.2%リ ノレン酸2,1%o ・ ” ノ 2)冷却温度と分離度ンの関係 痴離法考案の基礎となる冷却温度と沈澱脂肪酸の割 合及び沃素価との漠孫を明かにする為次の実験を行つ た。毎回309の大豆油脹脱酸をアセトン10%溶液と し、この溶液をドライアイスにて目的の温度に冷却し 10分間同温度に保ちたる後溶液と等濫度の濾斗で吸引 濾別し翼に冷去離度と等温度のアセトン10ccずつで4 回沈澱を洗礁した。実験の結果は第1図の通りである。 第1図より明かな如く一20°c迄の冷ゴ荘固体脂肪酸 は大部分沈澱する。試料の組成と沈澱した龍肪酸の割 台及び沃素価とから推察してオレイソ酸の分離をする ノOO多三
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]。。 °5 ・i5 −25 つ5 −45 ・55 ・65 第1図 冷却温度と脂肪酸の分離度との関係 のには一55°c附近が適当である。然し1回の分離では 不完全である。 3)分別沈澱を繰返すことの効果。 冷却分離を繰返す必要を認めたので一一一200c∼−60°c の蕊度範囲で繰返し分離を行い第1表の結果を得た。 毎回脂取酸10ngをアセトシ10%溶液として用いた、、其 他の操作しは前記実験と同様に行つた。第1表、第2表 では各段の左方に沈澱した脂肪酸、右方に濾液申に残 存した熊肪酸の量と沃素価とを示した。又各段の申間 に袷却涯度と時間とを記した。 第1表(Dより明かな如く一200ε2回の分離で固体酸 12%を分離したこの量は試料中の飽和脹肪の含有量に 近い、又沃棄価15,0であるζと等よりこの條件で固体 酸は可成良く分離することを認めた。(2)以下は主と してオレイン酸とリノ・・tル酸との分離條件を明かにす Abaut Separation of The Fatty Acids By Fractional precipitation. Senjiro Maruta.(−39−)
山梨犬学工学部研究報告第2號 (1) IOO} r20’C
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第 1・表 る為行つた。(2)(3)の場合は袷却不充tf)である。 (5)では最初の冷却温度が低逼ぎたので沈澱の中に多 量のリメール酸が入つたので沈澱からリノール酸の分 離を試みた。(4)の場合が最も良い分離を示した。こ の結果からもナイレン酸の分離には一55°c一が適当であ る。この條件はBrOcc n(2)等がリノーノ↓酸及びナレイ y酸の精製に用いた條件に近い。 然しいつれの場合も分別沈澱を繰返す効果は顕著で はない。 4)脂肪酸11ζgを用いた場台の分離。 3)で明かにした最適條件を組み合せて分離を試み た。混合脂肪酸IKgをアセトソ10%溶液として鉄製㍑9
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(9 42恒 r.v,!50・ 3 一算℃ぽso’△ に痴離されたo此の部分は工業用ステアリy酸として 利用出来る。(0)部は主としてオレイソ酸で少量のリ ノール酸が混在するとして計算すると79,1%のナレイ ン酸を含有する。又原試料中のナレイソ酸の67,0%が 分離されたこととなる。此の部分は工業用オレイソ酸 として適当である。(乙)部はリノPル酸とリノレン酸 とを主としてオレイン酸が少量混存するとして讃算す るとリノール酸リノレン酸89,6%を含有し原試料中の リノール酸リノレソ酸の93,5%が分離されたこどに なる。此の部分は乾性油の代表的な亜麻仁油肝肪酸の 沃素価と同程度である故工業用リノール酸として又乾 性油の合成原料として好適である。皿オレイン酸の精製
オレイン酸及び其の誘導体に関する 研究を行ふ為高純度のオレイソ酸が必 要となつたので市販オレイソ酸7種類 .3 を集めて分析した結果いずれも多くの . ,不純物を含み使用出来ないのでオレイ ン酸の精製を行つた。 1)試料。静岡縣産茶実油を酒精加里 で常法に依つて分解して得た混合脂肪門565
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26引3
Lrv.)og,0 (a)第 2 表
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xvlら9,2 −{戒∼苗ヒ 30 Wh 1.v.17牛.9 (D 酸を試料とした。其の性状は次の通り であつた。中和価198,3、沃素価86,8も 凝固点33∼340咋外観淡黄褐色。 2) オレイン酸の分離o 大豆油脂肪酸の分離実験で朗にした 608・23分離條件を瞼討した結果次のような方 法でE離実験を行つた。茶実油脂肪酸 1こOgをアセトソ10%液として一20°cに 2回冷却して固体脂肪酸を分離した 後、−55∼−60%に2回冷却してオレ (一・一一一40−)高周波加熱に依るゴム受一ルド、ライニング加工の研究(第一報) イン酸を結晶として分離した。・其の結果は第3表の通 りである。