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3次曲線について : 重複度の微分幾何学的定義を用いて

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Academic year: 2021

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(1)3次曲線について 一重複度の微分幾何学的定義を用いて一. 教科・領域教育学専攻. 自 然系 コ 」ス M 0 9 1 6 9 F 近  藤  太  平. 研究の動機. 研究の特徴.  高校数学では漸近線はrグラフが一定の直線に限り.  3次曲線の群を考察する際、その準備として、2つの. なく近づくとき、その直線を漸近線という」と定義さ. 代数曲線が共有点でどのように交わるのか考察するこ. れている。高校までに習う関数のグラフのうち、漸近. とが1つの重要な課題となる。その際、接するかどう. 線を意識してかくグラフの簡単な例として、双曲線の. かという考えをさらに発展させた重複度という概念が. グラフがある。例えば、プ(π,リ)=πμ_1には2本の漸. 登場する。一般の代数幾何学の理論では、局所環といっ. 近線があり、双曲線はこれらと交わらない。筆者は、高. た抽象代数学の理論を用いて曲線どうしの重複度を定. 校生のとき、恩師に、∫(π,ψ)が”軸とμ朝それぞれに. 義するのが通常であるが、ここでは動点や微分など、微. だんだん近づくよう、かっ交わらないようにグラフをか. 分幾何学の手法を利用し、理論を構築していく。まず、. くように教わった。ところが、ある目、その恩師がr実. 代数方程式の重複度とは、”で表される多項式の方程式. は、∫(皿,μ):πリー1は”軸とμ軸それぞれと無限の. ∫1(π)=Oが解αをもつとき、プ1(”)が”一αを因数と. 彼方で交わる」とおっしゃったのである。このとき、筆. して何個もつか調べ、その個数をその解での重複度とす. 者は漸近線の定義から∫(”,v)と漸近線が交わることを. る、というものである。また、2章ユ節で述べる通り、. 不思議に思った。無限の彼方とはωの値がいくらなの. この代数方程式の重複度を考えることは、無限回微分可. か伺ったところ、「とても大きい値」という答えが返っ. 能な関数方程式∫2(π)=Oが解αをもつとき、せがいく. てきた。その”の値は、1億や1兆よりもはるかに大. っのときに初めて4階微分が(α)の値が0でなくなる. きい値であるという。当時は、その答えで納得したのだ. かを考えることと等価である。この無限回微分可能な. が、月目が経ち、大学院で数学を学ぶうちに、r無限の. 関数方程式の重複度の概念を2曲線の交点での重複度. 彼方で交わる」とは射影平面における無限遠点で交わる. の概念に応用する。つまり、2曲線プ3(π,μ)と∫4(π,リ). ことであると知った。特に興味深かったのは、実際に、. があるとし、一方の曲線∫3(π,ひ)上に動点(軌,ωをと. ∫(π,砂)の無限の彼方の様子を考察したことである。第. り、その動点をもう一方の曲線∫4(π,μ)を表す式に代入. 1章で詳しく述べるが、プ(π,μ)を射影平面上の曲線に. する。このとき、亡=Oで共有点をもっとすると、その. 変換し、その曲線を”μ平面とは違う方向に射影すれば、. 点での重複度を、岳(㌦(軌,。正)1元=。の値が初めて・で. プ(π,ψ)の無限の彼方の様子が分かる。この一連の出来. なくなる微分回数乞の値と定義する。この定義で重要な. 事から筆者は射影平面に関心をもつようになった。そし. ことは、動点はなめらかな曲線上にとるということであ. て、筆者は射影幾何を題材にしたものを研究の対象にし. る。というのは、曲線がなめらかでない場合、その曲線. ようと考えた。また、そのような題材を調べるうちに、. の特異点上で動点がどのような動きをするのか不明な. 3次曲線の考察には射影幾何が用いられること、3次曲. ためである。この定義は代数幾何学での一般的な定義を. 線は群構造をもち、このことは整数論へ応用できること. 特別な場合に微分幾何学的手法で書き下したものであ. が分かった。そこで、筆者は3次曲線について考察する. ると考えられるが、本研究では直接そのことは証明して. とともに、3次曲線の性質を整数論に適用する具体例を. はいない。そのかわり、本研究では、この2曲線の交点. 考察することにした。. の重複度の定義を用いて、3次曲線の群構造の理論等を. 一310■.

(2) 構築することが可能であることを示す。. 3節の3次曲線の群構造の結合法則を示すための準備.  また、本研究では、3次曲線の群構造を用いて、ある. をする。. 種の3次曲線上の有理点のうち格子点でないものがユ.  第3章では、3次曲線の群構造について考察する。ま. つでも存在すれば、その曲線上の有理点は無限に存在す. た、有理的な3次曲線では、有理点の集合も群となるこ. ることを示す。この性質を示すのは、この性質が整数論. とが重要である。特に、非特異で既約がつ有理的な3次. の具体例に応用できるからである。実際そのような応用. 曲線上の有理点の考察は、第4節のWeierstrassの標準. として、三辺の長さが整数の三角形の集まりで、周の長. 形で表される3次曲線上の有理点の考察に帰着できる。. さがどれも等しく、かつ面積も互いに等しいものがいく. まず、第1節では有理的な曲線などの基本的な用語を定. らでも多くとれることを示す。三辺の長さが整数である. 義し、第2節と第3節では3次曲線上の点が群構造を. 三角形のうち、周の長さが等しいものを調べるのは容易. もつことを考察する。特に、3次曲線上の点の結合法則. であるし、面積が等しいものを調べるにはヘロンの公式. については、証明に多くの議論を要するため、3節全体. を用いればよい。つまり、三辺の長さが整数の三角形の. を使って示す。第4節では、Weierstrassの標準形で表. うち、周の長さも面積も互いに等しいものがあること. される非特異で有理的な3次曲線の性質について考察. を調べるのは高校数学までの知識でできる。実際、2,. する。. 3個のそのような三角形を見つけることはできるが、い.  第4章では、3章3節で考察した形の3次曲線上の. くらでも多くとれるのか疑問に思うことは自然な流れ. 有理点のうち、格子点でないものが1つでも存在すれ. なように思われる。そこで、本研究では、いくらでも多. ば、その曲線上の有理点は無限に存在することを示す。. く存在することを示す1つの方法として3次曲線の群. この定理はNage1レLutzの定理とよばれる。この章で重. の性質を用いた。. 要なことは、3章3節で考察した形の3次曲線上の有理 点(”,リ)が格子点でないならば、πまたはしの分母が1. でないことから、”またはリの分母はある素数を因数に. 論文の構成. もつ、ということである。最後の主定理の証明まではこ. 以下、論文の構成について述べる。. の素数を1つ固定して話を進める。まず、第1節では、 この定理を3章までに構築した理論を用いでどのよう.  第1章では、第4節までで、同次化や非同次化、射 影変換など、射影平面における基礎を確認する。第5節 では、同次多項式の既約性について考察する。. に証明するのか、証明の方針を述べる。第2節では、3 章3節で考察した形の3次曲線上の有理点(π,〃)の各座. 標が、固定した素数で何回割り切れるのかを考察する。.  第2章では、上で述べた重複度の定義や、2曲線の 重複度に関する性質について考察する。まず、第1節で. は、代数方程式の重複度の定義を無限回微分可能な関 数の重複度の定義に拡張する。第2節では、曲線上の動. 点の性質について考察する。そして、第3節と第4節で は、第1節で定義した、無限回微分可能な関数の重複度 の定義を用いて、2つの代数曲線の共有点における重複 度を定義し、その正当性について考察する。これらの節. で特に重要なことは、2曲線の共有点での重複度は動点 の取り方によらず不変であること、2曲線が共に非特異. また、第3節では、3章3節で考察した形の3次曲線 を同次化し、γ方向に非同次化した曲線の有理点(π,z). において、πとzが固定した素数で何回割れるのかを考. 察する。わざわざ肌平面で考察するのは、πzで考察 する曲線が都合のよい性質をもつからである。そして、. 第4節で主定理を証明する。.  そして、付録では、4章4節で証明した主定理を用い て、三辺の長さが整数の三角形の集まりで、周の長さが どれも等しく、かつ面積も互いに等しいものがいくらで も多くとれることを示す。. であれば、動点をどちらの曲線にとっても共有点での重. 複度は変わらないことである。第5節では、第4節まで の”リ平面での重複度の概念を射影平面まで拡張して考. 察する。さらに、第6節と第7節では、後述する第3章. 一311L. 主任指導教員 濱中 裕明. 指導教員濱中裕明.

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