論 文
変動軸圧縮力を受ける薄肉断面部材の動的不安定について
岡村美好 深沢泰晴
(平成5年8月31日受理)
Dynamic Instability of the Thin-Walled Members
under Pulsating Periodic Axial Loads
MiyoshiOKAMURA YasuharuFUKASAWA Abstract The dynamic instability of the simple supported thin−walled members under pulsating periodic axial loads is investigated by applying the finite strip method. Firstly the problems of the static buckling and the free vibration are examined. It is found that the vibration modes coincide with the static buckling modes for the simple supported thin−walled members even if local deformation is taken into account. Secondly the matrix equation of motion for the simple supported thin−walled member under pulsating Periodic axial load is reduced to a set of uncoupled equations by consideration of orthogonality of eigenvectors. Each of the transformed equations is a single−degree−of−freedom equation of Mathie type, so that the dynamic instability regions for the thin−walled members can be illustrated by the well−known dynamic instability diagram. Furthermore, the characteris− tics of the dynamic responses of initially deflected rnembers under pulsating loads are clarified by computation of the dynamic responses by applying Newmark’sβmethod to numerical integratiOn. 1.はじめに 周期的圧縮荷重を受ける真直棒の曲げ振動や周期的 面内応力を受ける平板の面外振動に代表される構造部 材の動的不安定問題に関する研究は,Bolotin 1)を始め とする多くの研究者によって行われてきた。しかし, 近年多用されている薄肉断面部材の動的不安定問題に ついては,腹板を1枚の長方形板に置き換えてフラソ ジと腹板の接合辺を単純支持あるいは固定とした解析 *土木環境工学科,Department of Civil and Environ− mental Engineering 2)−5)しか行われておらず,フランジも考慮した局部変 形の影響は明らかにされていない。 本論文では,局部変形を考慮した薄肉断面部材の動 的不安定問題を明らかにすることを目的として,変動 軸圧縮力を受ける両端単純支持薄肉断面部材について 有限帯板法を用いて動的不安定領域を算出し,New− markのβ法による動的応答解析を行った。動的不安 定解析に先だって,座屈解析および自由振動解析を行 い,従来の座屈解析では検討されていない高次モード の座屈特性について明らかにするとともに,座屈特性 と自由振動特性との関連について検討した。これによ
図一1 有限帯板モデル X,U
u
図一2 帯板要素と局所座標 り,変動軸圧縮力を受ける両端単純支持部材の動的不 安定領域は,スパン,断面形,モード次数に関係なく, 一つの不安定領域図で表せることを明らかにした。ま た,動的応答解析では,初期変形の影響および外力周 期の変化による応答の違いについて検討した。 2.支配方程式 有限帯板法を用いる場合,薄肉断面部材は図一1に示 すような帯板要素でモデル化される。図一2に示すi節 線とj節線にはさまれた帯板要素について両端単純支 持を仮定すれぽ,x, y, z軸方向変位成分u, v, w は,次式で表される。一雇〈・一ηη〉{鷲}…編
一嘉〈1一ηη〉{㌶}si・k・・ r w=Σ〈(1−3η2+2η3)y(1−2η+2η2) m =1 (1)a (1)b 図一3 変動圧縮応力を受ける1形断面 (30p・−20p・) y(1−20・−o・)〉ル}一胱
ただし,輪=mπ/L,η=y/b ここに,()i,m(t)は時刻tにおける節線iの第m項 に対する各変位成分の振幅であり,rは部材軸方向変 位成分を表すFourier級数の採用項数である。帯板要 素の剛性マトリクス,質量マトリクス,および幾何剛 性マトリクスは,式(1)の変位場を用いて有限要素法と 同様の定式化を行うことにより誘導することができる。 微小変形を仮定すれば,図一3のような変動圧縮応力 を受ける薄肉断面材の構造全体に対する運動方程式は 次のようになる。 [M]{ノ}十([K]一σb[KG]−OtCOSθt[KG]){f} ={0} (2) ここに,[M],[K],[Kc],{f}は質量マトリクス, 剛性マトリクス,幾何剛性マトリクス,節線変位ベク トルであり,減衰は考慮していない。また,tr。は静的圧 縮応力,6t,θはそれぞれ変動圧縮応力の最大値,およ び円振動数である。 静的な一様圧縮応力6。が作用するときの振動方程 式は,式(2)の変動圧縮力o’t=0とおくことによりつぎ のように得られる。 [〃]{ノ}+([K]一σ。[KG]){f}={0} (3) また,座屈方程式は,式(3)の慣性項を無視することに よりつぎのように得られる。 ([K]一σ。[K,]){f}=0 3.解析モデル (4) 図一4および表一1に解析モデルの断面寸法および材 料定数を示す。H形断面は桁高とフラソジ幅が等しく,介 (a) H形断面 ↑ (b)1形断面 図一4解析モデル h O.1 さ。。1 0 0.OOI 1 L/h 10 表一1 断面寸法,材料定数 h/t 30.0 b/h 1.0 E 206GN/m2 ρ 0.785×104kg/m3 μ 0.3 1形断面はH形断面のフランジ幅を半分にしたもので ある。帯板要素モデルは,断面Hはフランジを8分割, 腹板を8分割した24要素モデル,断面1はフランジを 4分割,腹板を8分割とした16要素モデルを採用した。 4.座屈特性 図一5は,H形断面について式(1)のr=1としたとき の座屈応力とスパンの関係である。縦軸は座屈応力と ヤング率の比σ。r/E,横軸はスパンと桁高の比L/h で,両対数目盛で表している。通常,座屈問題では最 小座屈応力を与える第1次モードが検討対象となるが, 動的不安定問題と結びつけて考える際には高次モード の座屈も検討する必要があるので,ここでは第6次ま での座屈応力を示した。 図一6は,L/h=1.0,2.0,6.0のときの断面変形モー ドである。これらの断面変形モードは断面変形の対称 性から強軸回りの曲げ座屈,弱軸回りの曲げ座屈,ね じり座屈,縦座屈の4パターンに分類することができ る6)。例えぽ,L/h=6.0のときの座屈パターンは第1 次モードから弱軸回りの曲げ座屈,ねじり座屈,弱軸 回りの曲げ座屈,強軸回りの曲げ座屈,ねじり座屈, 図一5 H形断面の座屈応力とスパンの関係(1) 0.1 S。.Ol o 0.OOI 一bending buckLing about weak axis ’torsional buckling … penqing.buckling gbout strong axis 1 L/h 10 図一7 H形断面の座屈応力とスパンの関係(II) 縦座屈である。各次数についてスパンの変化による座 屈パターンの違いに注目すると,第1,第2次モード は弱軸回りの曲げ座屈,ねじり座屈のままであるが, その他の次数ではL/h=6.0で座屈パターンが異なり, 第3次モードでは強軸回りの曲げ座屈から弱軸回りの 曲げ座屈に変化している。これは,図一5における各次 の座屈曲線が常に同じ断面変形パターンに対応するの ではなく,他の次数の座屈曲線と接すると異なった断 面変形パターンに移行することを表している。 図一7は,図一5の各座屈曲線を座屈パターン別に描
1st
2nd
3rd
4th
5th
6th
(a) L/h=1.O1st
2nd
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4th
5th
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(b) L/h=2.01st
2nd
3rd
4th
(c) L/h=6.0 図一6 H形断面の座屈モード5th
6th
O.1 ㌣0.01 b 0.OOI 1 L/h 10 図一8 1形断面の座屈応力とスパンの関係(1) いたものである。実線が弱軸回りの曲げ座屈,鎖線が ねじり座屈,点線が強軸回りの曲げ座屈,一点鎖線が 縦座屈を表す。図一6の座屈モードを図一7の座屈曲線に 対応させると,縦座屈を除く他の座屈パターンの最低 次モードでは極大点よりも小さいスパンで局部変形が 支配的になるが,極大点よりもスパンが大きくなると 部材全体の変形が卓越することがわかる。その他の座 屈曲線においては極大点あるいは極小点を境に座屈モ ードが変化し,L/h=1,2の第5,第6次モードでフラ ンジの変形も伴った局部変形が顕著になっている。 図一8,9は,1形断面について第6次モードまでの 座屈応力とスパンの関係および断面変形モードを示し たものである。また,図一8を座屈パターン別に表した工
工
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(a) L/h=1.O1st
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(b) L/h=2.01st
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(c) L/h=6.0 図一9 1形断面の座屈モード O.1 w \bO.01 0 穎’ ノ’ 一bending buckting about weak axis ・・torsional bucklig ・bending buckling about strong axis ”一’一・−longitudinal buckling O.OOI 1 10 L/h 図一10 1形断面の座屈応力とスパンの関係(II) ものを図一10に示す。図一8,10における座屈曲線の極 大値および極小値は図一5,7よりも左に移行し,H形 断面に比べて弱軸回りの曲げ振動およびねじり振動は 低次モードに強軸回りの曲げ振動や縦振動は高次モー ドに生じている。図一10のL/h=1∼2において,第6 次モードの座屈曲線が座屈パターンが変化しているの は,実際にはここには示していない高次モードの座屈 曲線に連続するためである。 両端単純支持1形断面部材に等曲げが作用するとき の局部座屈と曲げねじり変形を一体とした座屈解析は Hancock7)や著者ら8)が行い,第1次モードの座屈特 性が明らかにされている。これらで示された座屈特性巨 § ε 皇 § ξ 言 10 10 10 10 一bending vibration about weak axis ・torsional vibration ・bending vibration about strong axis ・longitudinal vibration 1 L/h 10 図一11H形断面の固有円振動数とスパンの関係 10 ぎ §10 ξ § 三 §1・ 2 10 一bending vibration about weak axis torsional vibration ・bendig vibration about strong axis ・・一・.・.@longitudinal vibration 1 L/h 10 図一12 1形断面の固有円振動数とスパンの関係 と本解析結果から得られた座屈特性を比較すると,変 形パターンは異なるが,低次モードにおいて,スパン と桁高の比が小さいときには局部座屈に支配されるこ と,スパンと桁高の比が大きくなると全体座屈(断面 変形をほとんど伴わない曲げ変形あるいはねじり変 形)に支配されることなど同様の特性が認められる。 なお,r>1のときの座屈曲線はスパンLを有効座 屈長1(==L/r)に置き換えることにより図一5と同じ ものとなる。言い替えれぽ,スパンL=rlの座屈曲線 は図一5および図一8の座屈曲線をスパン(r−1)1だけ 右方向にシフトすることにより得られることになる。 5.固有円振動数特性 図一11は,H形断面について式(1)のr=1としたとき の固有円振動数とスパンの関係を示したものである。 縦軸は固有円振動数,横軸はスパンと桁高の比L/h で,両対数目盛で表している。図中には,4.と同様 に第6次固有円振動数までを,強軸回りの曲げ振動, 弱軸回りの曲げ振動,ねじり振動,および縦振動に分 けて示した。弱軸回りの曲げ振動およびねじり振動の 最低次曲線は他の曲線と交差せず,その他の曲線はそ れぞれ図一7と同じスパン桁高比で他の曲線と交差す るなど座屈曲線と同様の特徴を示している。また,そ れぞれのスパン桁高比L/hにおける断面変形モード は図一6と同じものが得られた。 図一12は1形断面の固有円振動数とスパンの関係で ある。このときのそれぞれのスパン桁高比L乃におけ る断面変形モードは,H形断面と同様に座屈モードと 一致したもの(図一9)が得られ,図一10と同様の特性 を示している。 6.動的不安定の解析 (1)運動方程式の非連成化 両端が単純支持された薄肉断面部材の座屈モードと 振動モードが一致することから,固有モードの直交性 を利用して,変動軸圧縮力を受ける両端単純支持部材 の運動方程式(式(2))の非連成化を行った。 節線変位ベクトル{f}は,固有モード{φ,}(s=1, 2,…,n)と基準座標ベクトル{ξ}を用いてつぎのよ うに表すことができる。 n {f}=Σ{φ。}ξ。=[Φ]{ξ} S=1 ここに,{ }は行ベクトル,< し, (6) 〉は列ベクトルを表 [Φ]=[{φ、}{φ、}…{φ。}],{ξ}=〈4,4,…4n>T である。式(6)を式(4)に代入し,左から[Φ]Tをかけると 座屈方程式は次のようになる。 [Φ]T[K][Φ]{ξ}一λ[Φ]T[K.][Φ]{ξ}=0 (7) [K],[Kc]は対称マトリクスなので,固有モードの直 交性を考慮すれば,第s次モードについて次式が成り 立つ。 As−dscr一 ここに 〈φ、〉[K]{φ、}=Ks 〈φ。〉[KG]{φ,}=K.、 (8) (9)a (9)b
ざ 0.5 O.4 0.3 0.2 O.1 O.O 0.0 α2 0.4 0.6 α8 1.0 1.2 θ/2Ω S 図一13 動的不安定領域 同様に振動方程式も非連成化することができ,式(3) は次のように表すことができる。 (−a。[Φ]T[K,][Φ]一[Φ]T[K][Φ]){ξ} 一λ[Φ]T[〃][Φ]{ξ}=0 (a)1st mode (b)5th mode 図一14初期変形 静的応力σbが作用する場合の固有円振動数
s)s一⑳嬬
と,励振パラメータ σオ μs− Q(σsc。−6。) (10) を用いて式(16)を書き直すと次式が得られる。 [M]も対称マトリクスであることから固有モードの 直交性を考慮して,第s次モードについて次式が成り 立つ。 As−s)s2−一?{㌃一az)s2(1一 σscr) ここに 〈φ。〉[M]{φ、}==M、 〈φ。〉[K]{φ。}=K、 ,_ム ωs−M8 式(6)を式(2)に代入すれぽ次式が得られる。 (11) ⑫a (12)b (13) [M][Φ]{ξ}+([K]一σ。[K。]一・6,COSθt[K。]) [Φ]{ξ}=0 上式に左から[ΦコTをかけると [Φ]T[Mコ[Φ]{ξ}+[Φ]T([Kコーd。[K。] 一 Otcosθt[KG])[Φ]{ξ}=0 ξ,十Ωs2(1−2μscos Ot)ξ,=0 (17) (14) 固有モードの直交性から,上式は連成しない運動方程 式となり,第s次についてつぎのように表される。 〃sξ』十(1(』−60KGs一σtcos etKGs)ξ』=0 Msで除して変形すれば 9・+…2(・−c「・+儂;sθ’)e・一・ ⑮ (16) (18) (19) これはMathieu方程式であり, Bolotin 1)が示したは り理論に基づく周期的圧縮荷重を受ける真直棒の曲げ 振動の動的不安定と同じ運動方程式である。 (2)不安定領域 図一13は,式(19)を用いてBolotinの方法1)によって求 めた第s次モードに対する動的不安定領域図である。 縦軸は式(18)で定義された励振パラメータμ、であり,横 軸は変動軸圧縮力の円振動数θを式⑰で定義した部 材の固有円振動数Ω,の2倍で無次元化したものであ る。これはよく知られた周期的圧縮荷重を受ける真直 棒の曲げ振動の動的不安定領域図と同じものであり, 右下がりの斜線を施した部分が主不安定領域を表し, 左下がりの斜線部分が副不安定領域を表す。 これより,両端が単純支持された薄肉断面部材に動 的軸圧縮力が作用するときの動的不安定領域図は,縦 軸および横軸を式⑰,⑱数で示すことによりスパンや 断面形状,モード次数に関係なく図一13で表せることに なる。 (3)動的応答解析 式(2)の数値積分にNewmarkのβ法を適用して応 答計算を行った。ここでは,スパン桁高比L/h=1.0の H形断面を対象に,図一14に示すような初期変形を有す る部材の動的応答を微小変位の仮定のもとに求めた。40 ⊆、。 言
§・
塁 §−2° 一40 一60 O 2 4 6 ttme(T/Tl) 8 10 10 奪 言ξ・
塁 § −10 一20 O 2 4 6 tlme(T/T1) 8 10 図一15 動的応答に対する初期変形の影響 図一14(a)は第1次固有モード,図一14(b)は第5次固有モ ードであり,変位成分の最大値が桁高の1/250になるよ うに設定した。 図一15は,初期変形が動的応答に及ぼす影響を示した もので,スパン中央断面の図心における横方向変位応 答図である。縦軸は変位成分と初期変位の比v/Vo,横 軸は時間と第1次固有周期の比7ソT,で示している。 初期変形として太線は図一14(a)の第1次固有モード,細 線は図一14(b)の第5次固有モードを与え,励振パラメー タμ、は0.3,変動軸圧縮力の周期はいずれも第1次固 有周期の2倍とした。軸圧縮力の周期が初期変形と同 じ振動モードを示す固有周期の2倍に一致するときは 部材の固有周期と同じ周期で振動しながら発散するが, 他のモードの初期変形を有する場合には発散せずに定 常応答を示している。 図一16は,変動軸圧縮力の周期を第1次固有周期の 1.0,1.4,1.9倍としたときのスパン中央での断面図心 の横方向変位応答である。初期変形はいずれも図一14(a) とし,励振パラメータμ、は0.3とした。細実線は副不安 定領域,細点線は安定領域,太実線は主不安定領域に 対応する。副不安定領域および安定領域では第1次固 有周期とほぼ一致した周期の応答を示し,副不安定領 域は徐々に振幅が大きくなり動的不安定の傾向が現れ ている。主不安定領域では顕著な発散現象を示してい るが,変動軸圧縮力の周期が第1次固有周期の2倍の とき(図一15)と比較すると同じ主不安定領域でも緩や かな発散となり,応答周期は外力の周期に影響されて 第1次固有周期には一致しなくなっている。 7.まとめ 局部変形を考慮した薄肉断面部材の動的不安定問題 を明らかにすることを目的として,有限帯板法を用い 図一16 動的応答に対する変動軸圧縮力の周期の影響 て,軸圧縮力を受ける両端単純支持薄肉断面部材の座 屈解析,自由振動解析,および動的不安定解析を行っ た。その結果,以下のことが明らかになった。 1) 座屈解析および自由振動解析から得られる座屈 モードと振動モードは一致する。低次モードはス パンの長さによって局部変形領域と全体変形領域 に分けることができる。高次モードは局部座屈に 支配され,スパンの変化に伴って断面変形パター ンが変化する。 2) 1形断面のフランジ幅が異なると,短いスパン の各次の断面変形パターンが変化し,フランジ幅 が大きくなると強軸回りの曲げ座屈(振動)およ び縦座屈(振動)が低次モードに現れる。 3) 変動軸圧縮力を受ける両端単純支持薄肉断面部 材の運動方程式は固有モードの直交性を考慮する ことによって非連成化することができ,動的不安 定領域はスパン,断面形,モード次数に関係なく 同一の動的不安定領域図で表すことができる。 4)初期変形を有する部材が動的不安定領域に相当 する変動軸圧縮力を受けた場合,初期変形が対応 する固有モードと一致しなければ不安定現象は生 じない。また,主不安定領域での発散は副不安定 領域よりも急激であり,同じ主不安定領域の応答 でも外力の周期が固有周期の2倍と異なると発散 する早さが遅くなる。 参考文献 1)Bolotin, V. V.:弾性系の動的安定,コロナ社, 1972。 2)八巻昇,永井健一:周期的な圧縮荷重をうける矩 形板の動的安定,東北大学高速力学研究所報告,第36巻,第351号,pp.147∼168,1975。 3) 高橋和雄,田川賢,池田虎彦,松川徹:面内曲げ を受ける長方形板の動的安定性,土木学会論文報告 集,第341号,pp.179∼186,1984年1月。 4) Kuranishi, S., Fukaya, S. and Shima, T.: Vibration of an Initially Deflected Web Plate under Periodic Beam Bending, Proc. of JSCE, No.341, pp.229−232, Jan.1984. 5) Takahashi, K, Konishi, Y., Ikeda, T. and Kawano, R.:Nonlinear Response of a Rectan− guler Plate Subjected to Inplane Dynamic Moment, Proc. of JSCE, No.374/1−6, pp.79−87, Oct. 1986. 6) 岡村美好,深沢泰晴:薄肉断面部材の波動伝播特 性について,山梨大学工学部研究報告,第42号,pp. 73∼84,1991年12月。 7) Hancock, G. J.:Local Distortional and Lateral Buckling of I−beams, Jour. of the Structural Division, ASCE, Vo1.104, No. ST11, pp. 1787∼1798, 1978. 8)深沢泰晴,杉原美好:1形ばりの弾性座屈に及ぼ すウェブの変形の影響,構造工学論文集,Vol.31 A,pp.15∼23,1985年3月。