研究プロジェクト評価報告書 平成30年度
著者
東北大学未来科学技術共同研究センター
雑誌名
研究プロジェクト評価報告書
ページ
1-184
発行年
2019-07
URL
http://hdl.handle.net/10097/00129192
I
研究プロジェクト評価報告書
令和元年 7月
東北大学未来科学技術共同研究センタ-はじめに
東北大学未来科学技術共同研究センター
:
NICHe
は、産業界など外部との連
携により大学の知的資源を有効に活用し
、広く圏内産業の活性化に資すること
を目的として平
成
10
年
4月に設立されました。
セ
ンター活動の場として
、
平成
12
年
2
月に本館
、
平成
1
3年
11
月に未来情報産業研究館
、平成
14年
3月にハッチェ
リース
クエア
、
さらに平成
2 2年
3月に未来産業技術共同研究
館を竣工しまし
た。これらの建物は全て
、入退室管理や情報ネットワーク管理
などセキュリティに配慮した機能を充実させている
こ
とが特徴です。
NICH
e
の開発企画部は専任の教員により
、プロジェクト企画と推進調整業務
を戦略的に進めるとともに、開発研究部に所属する各研究プロジェクトでは本
邦基幹産業の国際競争力を支え、かっ新産業分野創出に寄与するコア技術開発
を精力的に進めています。
研究プロジェク
ト
評価は、この開発研究部活動を対象として
、現在進行中の
研究プロジェク
ト
について
、NICH
e
のミッションとの適合性
、学術的
・
技術的
評価ならびに産業応用の可能性に関する中間評価あるいは最終評価をするため
に行っておりま
す。今回は最終評価
6件と中
間評価
l
件の研究プロジェクトを
対象として実施い
たしました。
評価の手続きと
しては
、研究担当者による自己評価をベ
ースとして、東北大
学以外の有識者による外部評価を書面審査と対面審査の
2
段階で、行っていただ
くという方式を採用しております。
平成
30
年度の本報告書においては
、
これまでの報告書からの大きな変更点
として、各フ。ロジェクトの自己評価報告書を抜粋して併せて掲載することとい
たしました。これにより
、
これまで評価コメントのみでは十分に分かり
難かっ
たプロジェクトの成果の詳細をご理解し
1ただけるようになると思われます。また併せて評価時点ではなく年度終了までの最終成果を極力記述いただくことと
しました。ま
た
、
永谷プロジェクトにつ
いては
、
プロジェクト評価委員会後に
、
研究担当者の急な事情による異動から終了となりましたため
、
追加で最終評価
を行
い
、
それも報告書に加えることとしました。
本報告書は、評価の結果ならびにいただいたご意見を要約したものであり
、
その内容については今後のプロジェクト推進及びセンタ
ー
運営に的確に反映さ
せていただきたいと考えております。ご多忙な中で多大な労力と時間を害1
]し
、
て
、
本センター活動に対していただいた貴重なご意見やご提言に対し、心から感謝
申し上げるとともに
、今後さらなる努力をいたす決意であることを申し上げて
結びと致します。
令和元年
7
月
東北大学未来科学技術共同研究センター長
長 谷
川
史 彦
平成 30年度東北大学未来科学技術共同研究センター研究プロジェクト評価報告書 日 次 1 研究プロジェクト評価結果 ・・・・ 2 研究プロジェクト評価書面審査表(まとめ)及び自己評価報告書(抜粋) ( 1 )最終評価フ。ロジェクト ①水インフラを核とした未来志向型社会イノベーション拠点(大村教授)・・ ・・・・ 9 ②先端電子部品用配線材料,および配線形成法の開発研究(小池教授)・ ・・・・・・ 33 ③革新的材料型生産技術共同研究(厨川│教授)・・.. . . 5 9 ④全層梁降伏型メカニズムを形成する柱脚支持機構の開発(木村 教授)・ ・・・・・ 79 ⑤電波環境改善技術の研究開発(山口教授)・・.. . . .・・・・・・
99
⑥無人探査用フィーノレドロボット研究開発(永谷准教授)・・・・・・・ ・・・ ・127(
2
)中間評価プロジェクト ⑦新規機能性材料の開発とそのデ、バイス応用(吉川教授)・・・・ ・・・・・・ ・151 3 研究プロジェクト評価委員会実施要領 ・ 4 研究プロジェクト評価委員会委員名簿 ・ 5 研 究プロジェクト評価委員会書面審査委員名簿・ 6 研究プロジェクト評価委員会スケジュール表 ・ 7 未来科学技術共同研究センタ一規程・ ・ 8 未来科学技術共同研究センター研究プロジェク ト評価委員会内規 ・ 9 未来科学技術共同研究センター研究プロジェク ト評価要項 ・・.
1
7
3
・
174・
175 . 176 ・17
7
・182 . 1 8 31.
研 究 プ ロ ジ ェ ク ト 評 価 結 果 ( 1 )最終評価プロジェクト 「水インフラを核とした未来志向型社会イノベーション拠点J プ ロ ジ ェ ク ト リ ー ダ ー : 大 村 達 夫 教 授 1 .プロジェクトの研究成果について 目標どおりの研究成果を達成したの 水監視システムの中の下水中ノロウイノレス検出技術については仙台市南蒲生浄化セ ンターにおける実証実験・社会実装、発展途上国向けの独自排水処理プラントの開発に ついてはインド¥エジプト、タイでの技術移転・実証など優れた研究成果を上げたと評 価できる。JS
T C
R
E
S
T
やj
I
C
A
などの課題に採択されており、学術的に重要な研究成果 を上げ、優れた学術体系に仕上げている。一方、特許などの知的財産権の出願や技術移 転の件数がゼロないし極めて少なく 、知財の専門家等による再検証が必要と思われる。 IJ.プロジェクトの研究成果の社会、経済、産業への貢献及び還元状況について 優れた研究業績は挙げているが、「新産業分野創出」に結び付くには課題を残す。 国内外における新たな水システムを構築・実証しており、特にサブFテーマ 2は海外で の実装まで達成しており 、大変優れた成果を上げたと評価できる。 ただ、特許などの知的財産成果、技術移転件数が極めて少なく、知財専門家による再 検証の必要が考えられる。土木関連の大型プラン トが対象であるため、「商品化」とい うより 「社会実装」が見合うと思われるが、 派生的な商品の創出を期待したい。m
.
プロジェクトの必要リソース(研究費、研究員、設備)の獲得実績について 必要リソースを十分に獲得して活用している。 研究開発予算としては、J
S
T
C
R
E
S
T
やj
I
C
A
などに採択され、 研究フェーズに応じて 適切な資金を獲得し、また成果の実装に向けてニーズ側となる国や機関との連携にも取 り組んでおり評価できる。一方、民聞からの研究員受入が無い点は今後の技術移転の可 能性に疑問符が付く。 V.総合評価 本研究成果は基盤的であり、多方面への応用も期待できる。当初目標の2つのサブテ ーマについては社会実装まで見えてきており、大変優れた成果を上げたと評価できる。 一方で、特許申請数 0、技術移転数 l件など、技術移転件数が少ない点は、この分野 における技術移転のマネジメントに未開拓な点があり、プロジェクト支援における今後 の課題と捉えられる。ノロウイノレスに代表される病原微生物の検出 ・定量技術の確立は 画期的な成果であり、今後駆除の専門家を含めてシステムの提案ができれば普及が一挙 に進むと思われ、フォロー研究で取り組んでほしい。今後継続した場合には新たな目標 設定についてどうするか更なる検討が必要と考えられる。 1-「先端電子部品用配線材料および配線形成法の開発研究」 プロジェクトリーダー:小池 淳一 教授 1 .プロジェクトの研:究成果について 目標どおりの研究成果を達成した。 先端
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S
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配線材料については、将来のナノレベル集積化及び3
次元配線を見据えた特 性を実験室内で達成し、かっ関連する業界トップ企業との共同開発を推進、新たな合金 を提案し、銅代替の見通しが付いているなど順調に進捗している。 太陽電池用配線材料については、高変換効率を達成し、新会社を立ち上げ技術移転。 研究成果の普及面での目覚ましい進展は評価される。 元々 「期待値jの高いプロジェクトであり、そのW
J
待値どおりに進んでいるが、それ を越えるところまでは行っていなし、。イノベーションを実現するため、さ らに一気阿成 に進めてほしい II.プロジェクトの研究成果の社会、経済、産業への貢献及ひや還元状況について 催れた研究業績を挙げ、かつ、「新産業分野省UH
j
J
に結び付く成果を挙げている。 太陽電池の電極形成における銅ぺース トという新たな研究成果を)Gにベンチャー企 業を立ち上げ、業界 トップ企業との包活契約や革新材料自IJ成センター設立など、わが国 の電機業界を活性化し、新産業分野進出に向けて大きな成果を上げたことは評価される。 但し、関連する産業界の状況がプロジェク卜開始当初から大きく変わってきたため、 今後の事業化に刻してはビジネスモデルの再構築の必要が考えられる。 皿. プロジェクトの必要リソース(研究費、研究員、設備)の獲得実績について 必要リソースを十分に獲得して活用している。 国かつ民間から多くの資金を獲得し、大学侃IJの研究開発費とベンチャー企業の事業化 資金の双方を十分に獲得している。一方、定常的に修上 ・博上学生も産業界からの研究 員も多数受け入れ、必要リソースを十分に獲得し、人材育成にも配J、菌している。 V.総合評価 当初目標に対し、プロジェク ト期間を通じて自らベンチャー起業など新産業創出に努 め、多数の学生の教育も行いながら、業界トップ企業との包括連携や新たな研究拠点(オ ープンイノベーション機梢)の榊築への協力など、東北大学や地域の発展に極めて大き な成果を上げてきた。東北大学の産学連携の成功モデ、ルになるかどうかの局面にある。 崖業界の状況が大きく変化し、復雑な外部環境になっていることから、 研究開発の方向 性を見直し、また利益相反に留意しながら研究と事業を分離し、 事業面全体をマネジメ ントできる人材を獲得寸ーる必要がある。 2-「革新的材料型生産技術共同研究」 プロジェク トリーダー: 厨川 常 元 教 授 T .研 究 成果について 目標どおりの研究成果を達成した。 本研究プロジェク トは、特定企業 l社との共同研究で、大学側のコア技術を企業側の ニーズに対応して革新的な生産技術の創出しようとするものである。幅広い技術分野に ついて分野融合が図られ、他分野の複数の研究者の意見を聞きながら実用化・製品化に 向けた研究開発を進めて成果をあげ、目標を達成したことは評価される。
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.
成果の社会、経済、産業への貢献および還元 優れた研究業績は挙げているが、「新産業分野創出」に結び付くには課題を残す。 各テーマにおける要素技術の研究成果はそれなりに上がっているものと考えられる が、当該企業内での新技 術創造、商品化への寄与がどの程度行われたかの判断を直接確 認することは難しい。企業ニーズに基づくテーマであり、知的財産権の取得や論文発表 等になじまないものもあるが、課題 解決に目途がついた時点、で、活動の主点を技術 移転 に移し、適切な時期に多様な公表を期待したい。 III.必要リソースの活用状況 必要リソースを十分に獲得して活用している。 毎年企業から継続的に提供された研究下算で多様な研究が行われ、各課題に対して多 くの成果が得られている。また、大学の複数の研究室がプロジェク トに参加しており、 企業から多くの研究員を受け入れ効果的な人材育成を行ったことは高く評価される。 N.当初計画を超える展開等やそれによる成果について 研究要素の絞り込みや課題の見直しを行うことによって、多くのテーマで研究開発の 目標を達成したことは評価される。v
.
総合評価 民間企業l社のニーズに基づき、 NICHeの支援の下で複数の研究室が密接な連併を図 り、学内横 断的な実施体制で成果を挙げたことは評価される。特に、本体制については 研究段階での教員による議論に直に参加できる価値など、当該企業からの評価は高かっ た。本プロジェクトでの経験を学内への助言 ・提言として残してもらいたい。 今後は、医工学研究科の新プロジェク トとして新たな展開を図り、得られた成果を新 産業分野創出に結びつけて頂きたい。 3-「全層梁降伏型メカニズムを形成する柱脚支持機構の開発」 プロジェクト リーダー :木 村 祥 裕 教授 1 .プロジェクトの研究成果について 目標どおりの研究成果を達成した。 論文数、学会発表等も十分で着実に成果に結び付いている。コス トを意識し、産業創 出に向けた技術開発ができている。一方、本研究は地震という予測不能な事象に対する 安全策の提言であるため、十分な数値シミュレーションや地震再現装置による実験デー タの蓄積を進め、工期短縮、コスト削減効果も含め更に検討することが必要と思われる。
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.
プロジェクトの研究成果の社会、経済、産業への貢献及び還元状況について 優れた研究業績は挙げているが、 「新産業分野創出」に結び付-くには課題を残す。 本研究は基盤的ながら、その中で、国の指針として位置づけ、本技術の標準化を達成 しつつある点は非常に高く評価できる。また、本研究成果が適用された建築物も計 9棟 と、実用化の観点で将来に向けて着実に成果を挙げている。一方、企業への技術移転数 3件は評価できるものの、知財戦略としては未だ不足。特に海外向け戦略やノウハウ移 転等について、必要な機関、部局と連株を図り不足部分を補い、事業化に向けた準備を 整えていくことが必要と思われる。 III. プロジェクトの必要ジソース(研究費、研究員、設備)の獲得実績について 必要リソースを十分に獲得して活用している。 民間・国双方から継続的に資金を獲得できており、基盤となる装置等の実験環境が学 内にない中で、創意工夫で多くの実験・実証を行い着実に成果を上げた点は評価される。 学外との連肢体制を構築し、指針改訂にむけた実績も挙げつつあるが、更なる技術の普 及や事業の発展のため、学外の企業や大学研究者との連携拡大も必要と考えられる。 IV. 当初計画を趨える展開等やそれによる成果について 学会発表による成果の有用性の普及や構造設計者向け講演会の開催など評価できる。 また 2019年度に文部科学大臣賞を受賞したことは、建築分野では稀で、かっ本学では 初めてであり、対外的に高く評価された意義は大きい。 V.総合評価 わが国の 「国土強靭化」に寄与する重要なテーマにおいて、耐震性向上、工期短縮、 コスト削減を鼎立させた成果を挙げている。特に、国の指針として、国内での標準化に 成功しつつある点は非;、者に優れた成果と言える。一方、地震が多発する途上国等への国 際展開を見据え、知財閥略や技術移転、連携先の拡大等更なる取組が必要である。 4-「電波環境改善技術の研究開発J プロジェク トリーダー :山口 正 洋 教 授 1 .プロジェクトの研究成果について 目標どおりの研究成果を達成した。 パワーエレク トロニクスの進展と無線技術の利用範囲拡大の流れの中で11寺宜を得た 適切な課題であり、論文数、学会発表等 ~'r 実に実績を重ねており、実験室レベノレの研究 成果は十部得られた評価できる。形状を工夫する新しいノイズ抑制技術の開発、独自で かつ有効な電磁環境評価システムを構築したことは高く評価できる。特許山願とくに海 外山願の件数が少なく、これから課題となる実用化・技術移転についてはより一層の取 り組みを期待したい。
1
1
.
プロジェク トの研究成果の社会、経済、産業への貢献及び還元状況について 優れた研究業績は挙げているが、「新産業分野自Ij出jに結びつくには課題を残す。 社会実装に向けた推進体制について、行政とも連携した運常委員会によるチェック、 折導体制を構築するとともに実際の運常実績もあげており評価できる。本分野でIik
も権 威のあるl
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I
N
T
E
R
M
A
G
での招待前演を含め学会発表、論文等による情報発信も評価で きる。一方で研究内容が非常に基盤的であると考えられることを踏まえれば、知的財産 権をベースにした技術移転や製品化の実績や述扶先企業の拡大がさらに期待される 皿. プロジェクトの必要リソース (研究費、研究員、設備)の獲得実績について 必要リソースを十分に獲得して活用している。 研究貨は固からの資金を毎年多額獲得しており高速通信社会の求める技術開発する プロジェク トとして国の期待が向いことが覗える。研究員に関しては修上号、↑卓上号取 得者は他P
J
に比べて少な目であるが、ポスドク多数と民間等共同研究員で不足を補っ ている。設備は参画機関が所有 している。今後の社会実装に向けては民│制資金の獲得に期待したい。 V.総合評価 将来必ず問題となる高速通信社会におけるノイズ対策に対する研究開発であり、学術 的には優れた研究成果が得られており高く評価できる。研究成果の実用化に期待したい。 今後の社会実装に向けては知財権の強化(特に海外)と実装を担う企業やニーズ帆J!と のさらなる連携強化・拡大に努めてl
頁きたい。R
I
J
ち、今後のプロジェク トでは、企業の 組合せを変え、また同じプロジェク 卜内に競合他社を入れて競わせることも与えられる。 また、海外でも盛んに研究開発に取り組んでいることが想像され、国際特許取得を円指 すなど、知財の扱いには留意いただきたし1。業界標準の獲得など、今後の展開に大いにW
J
待する。 5-「無人探査用フィールドロボット研究開発J プロジェク トリーダー :永 谷 圭 司 准 教 授 1 .プロジェクトの研究成果について 目標以上の研究成果を達成したの フィーノレドロボット技術により災害対応など個々の現場に対するニーズに対応可能 な 「受注生産型」ロボットビジネスモデノレを構築するという目標は極めてユニークかっ 優れたものと認められる。本プロジェクトはその目標に対し、多岐に渡るシステム構築 が達成された。原発事故 ・廃炉対応のみ要素技術開発にとどまったが、一方で土木建設 分野への取組が新たに行われており、より社会実装に即した成果が得られている。
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プロジェクトの研究成果の社会、経済、産業への貢献及び還元状況について 優れた研究業績を挙げ、かつ、「新産業分野創出 Jに結びつけている。 特に災害対応については全てに対応できる万能型ではなく、個別ニーズに迅速に対応 できる課題解決型のロボット技術が望ましく 、その点で本プロジェクトは現場ニーズにs
!
JIして成果を出しており、各種の受賞など社会的にも注目されている。 各課題について民間企業との共同研究に結び付け、技術移転をそれぞれ進めている点 も評価される。学術業績や知財などの数は分野の特性として容易でない事情はあるが、 積極的な情報発信をさらに進めていってほしい。 目 プロジェク トの必要リソース(研究費、研究員、設備)の獲得実績について 必要リソースを十分に獲得して活用している。 NEDO、lmPACTなどの国プロに加え、企業等のサポートにより、研究開発情動を進める には必要な資金を獲得できており、かつそれらの資金は無駄なく十分に有効に使われて いる。ただ、長期的に保証された研究資金が無く、ある程度余裕を持てる資金を要する。I
V
.
当初計画を超える展開等やそれによる成果について 途中で追加された建設機械の高度化は、国交省による推進方針とも合致し、 J~11寺が大 きい。木成果が早く社会実装され、述設現場の生産性向上に寄与することを期待する。 V.総合評価 目標とした受注生産型ロボッ トビジネスモデル構築に向けては、ハードウェアについ て基盤技術・要素システムを準備し、 ソフト ウェアについては開発を ROSベースとする など、ある程度の方向性を見出すに至っている。企業との共同研究も順調に行われてお り、 j-Construction分野への対応なども成果を上げつつある。今回他大への転出となっ たが、企業や省庁からの評価は高く、今後の展開が大いに期待され、本分野の次代のリ ーダーと して、本学も含めた連携活動をさらに進めていってもらいたい。 6-(2)中間評価プロジェクト 「新規機能性材料の開発とそのデバイス応用」 プロジェクトリーダー:吉川 彰 教 授 1 .プロジェクトの研究成果について 目標以上の研究成果を達成した。 材料特性向上のために機能性単結晶バンドギャップエンジニアリングの知識を活用 した材料開発、 高い結晶成長技術を活かした多種の新規結晶材料の実現、 さらに応用デ バイスの開発などにより、多数の論文発表や特許出願・登録・移転、ベンチャーの創出、 民間企業との共同研究開発を実施し、優れた研究成果を上げたと評価できる。
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.
プロジェク卜の研究成果の社会、経済、産業への貢献及び還元状況について 優れた研究業績を挙げ、かつ、「新産業分野創出」に結び付く成果を挙げている。 連携企業との間で 6件の商品化(予定含め)など多くの成果の製品化を実現し、複数 の研究室ベンチャーの創出実績など高く評価できる。一方で、大学の研究と事業の分階、 透明性が必要な点や、事業化については教員がどこまで関われるか課題であり、センタ ーとしての組織的な支援が今後期待される。 III. プロジェクトの必要リソース(研究費、研究員、設備)の獲得実績について 必要リソースを十分に獲得して活用しているの NEDO予算を中心に課題毎に複数予算を十二分に獲得し、かっ適切に資源配分してい る。PLの下に研究分担ごとに多数のスタッフに加え、大学発ベンチャーからの共同研 究員により、20のプロジェクトを同時進行させており、また若手や海外研究人材の確 保・育成にも注力しているなど、今後の発展も見据えた取組として高く評価できる。 IV.当初計画を超える展開等やそれによる成果について 結品技術の社会実装を行うという方針が現場研究者の起業意欲を高め、多くのベンチ ャー創出のエコシステムの場となっている点が高く評価される。本研究の国際的なレピ ュテーションの同上や、医療用 PET検査への高感度シンチレーターの応用などに期待。v
.
総合評価 基盤的なテーマから多方面の展開として多数のプロジェクトを同時進行させ、企業を 超えた研究者との優れた連携・推進体制を構築している。人材育成・国│際展開にも熱心 に取り組んでおり、更なるプロジェクトの継続・発展が期待される。さらに各企業での 優れた事業化成果を上げ、東北大学の手本となる事業化成果を上げていってほしい。 なお、課題相互の関連性の明確化や、経営に関する外部の優秀な人材の登用なども検 言サしていってほしい。 - 7ー研究プロジェクト評価書面審査表(まとめ)
(研究プロジェクト評価
書
面審査委員氏名
:
。大垣
英
一郎、曽小川久
貴
、栗原秀人)
プ 口 ジ エ ク ト 名 [水インフラを核と した未来志向型社会イノベーション拠点 プロジェクトリーダー名 │大 村 達夫1
.プロジェクトの開発研究計画に照らした開発研究の進捗状況に係る評価等
1.開発研究の進捗状況(当初 の開発研究計画に照らした 開発研究の進捗状況) (優れている点) 設定した 2つの研究開発目標(サブテーマ)に対し、サブ テーマ①「水監視システムjでは、感染性胃腸炎の流行を未 然に防止するための水監視システムの構築を目指して、下水 処理場でノロウイルスの定量化技術を開発し、同技術を用い てノロウイノレス患者数と処理場流入下水中のノロウイノレスの 増加との相関が高いことを確認している。これは世界でも類 を見ない独創的な構想、である。さらに、本研究成果をもとに、 衛生行政分野や水産業関係者と連腕し、情報技術と具体的シ ステム構築の取り組みを開発し、 「下水中ノロウイノレス濃度情 報発信サイト」を立ち上げ社会実装に向けた取り組みを開始 した点が評価できる。これまでに情報発信サイトに 266名も の登録者があり、登録者に対し、広報 ・啓発 ・連携強化など を固的とした情報を発信している。 また、サブダテーマ②「発展途上国における感染症リスク低 減のための新排水処理技術の開発」では、インド、エジプト、 高知県須崎市において、放流水質基準を満たし、低コスト、 省エネ ・省資源、小面積、易維持管理の処理システムとしてr
UASB
+
D
H
S
システム」の有効性を実証し、エジプトでは 同システムによる具体的な処理場建設計画の実施に繋げ、今 後の開発途上国における水平展開の可能性を拡充した点が評 価できる。また、平成30年度より国土交通省海外実証事業に 採択され、タイ国においても導入実験が始まったことが評価 される。 この2つの研究開発目標は、独創的な水監視システムと革 新的な排水処理システムという新たな社会システムの構築を 目指すものである。国内外における社会環境の現状と未来を 見据えた時、誠に的確なテーマである。 (不十分な点) サブテーマ①では 「情報発信サイトJへの登録者の属性、 本サイトに対する意見 ・評価等を適宜分析することで更に有 益なサイトとして機能させることができるものと期待する。 -9-サブテーマ②に関する疫学的な検証 ・評価も必要である。 (改善のポイント) サブテーマ①「水監視システム」は、汚水処理(有機物の 除去)を目的とした現行の下水道行政からすれば、高度に先 端的なテーマであり、ノロウイルスに限らず感染性胃腸炎へ の適用や、本システムの実用化に向けた計測技術のよりー居 の拡張 ・深化が求められる。また、医療関係者、衛生分野の 行政関係者、漁業 ・流通関係者等との連携強化のための社会 システムの構築を進めるとともに、広報、啓発活動の充実に 努めることが期待される。 また、②
r
UASB+DHS
システム」 の普及にあたっては、 流入下水の変動へのおj応、大腸菌│除去率の改善、スポンジの 改良など処理性能の改善、並びに、運阪管理上の諸課題(
SS
の流出、ろ床パエの発生など)に対する更なる知見の蓄積 ・ 改善が求められるところであり、力11えて普及促進のため設計 指針煩等の整備が必要である。また、疫学的観点からのシス テムの改良に期待する。 2.研究者の育成状況 (仮れている点) (各種研究員の受入れ・ 本プロジェクトは広範なテーマを対象としているため、大 国 際 交 流 の 状 況 等 を 含 学グノレープ(医学系等他の領域を含む)、海外連携研究機関、 む。) 企業グループ、行政グ、ルーフ。等、多11皮のセクターが役';!fIJ分担 し、研:究に取り組んでおり 、情報交流を図ることで異分野の |非|発担当者の育成に繋がっている。 さらに、ポスドク 5~1 を 受け入れるとともに、特にサブFテーマ 「発展途上国における 新排水処理技術の開発」では、インドやエジプトの大学反び 研究機関と共同調査、設計指針の作成、自治体との交流に努 めるなど、将来│対発技術の円滑な導入に不可欠となる人!日]1詞 係の構築にも配慮している点が評価できる。 (不十分な点) 特になし。 (改善のポイント) 重金属による公害問題に続き、公共用水域の有機汚濁│問題 を克服してきた我が国が新たな水質問題(病原性微生物や微 主化学物質)に対応する水監視システムを主導することは重 要であり、特に開発途上国における人1-1の都市集中問題や、 地球温暖化問題に起因すると考えられる降水量の偏在を勘案 すれば、再生水の利用をはじめ新たな時代における水管理シ -10-ステムの梢築は喫緊の課題である。また、研究成呆を踏まえ た社会克装に向け、より広範な関係者の参両が必要と思われ る。このような取り組みをより確実にする為には、本プロジ ェク トの発展を促進することが必要であり、そのためには新 進気鋭の研究者の肯.成に努めることが肝要である。 総 括1
I
(優れている点) 上記1.-2.までの評価に基 │ 当初の研究開発 計画に則り、当初設定した:
(
v
F
究U
H
発円標を づき当初の開発研究計画の進 │ほぼ達成していると認められる。 捗 状 況 を 中 心 に 評 価 し て 下 さ ( . ,¥0 (不十分な点) 特になし。 (改需のポイント) サブテーマ①については、革新的な感染症監視システムの 梢築であり、本検出方法がより広くかL
用的な)J法として受け 入 れられるものになるように検証の実地を継続し、さらなる 確 度の向上、迅速化・簡素化等に向けた研究開発が必要と考 えられる。 サブ、テーマ②については、省コスト ・省エネといった観点 に加え、木処埋法の疫学的な検証を一層行うべきである。ま た、類似の処理法についても、これまでの疫学的な評価が少 なかったように思われるので、本研究において改めて疫学的 なデータを収集し、その有効性を確認する必要がある。 以上の観点を念頭に置き、最終的な成果の構築を期待する。 評価 :(0
を付けてください。) ①.大変良い 2.良い 3.普通 4.やや不十分 5.不 ト 分-11-E.
プロジェクトの開発研究成果の社会(世界・日本・地域)、経済、産業への還元状況 1 .民間企業への技術移転進I
(優れている点) 捗状況について │ サブテーマ②のDH
S
システムは、本プロジェクトの開発 成果をもとに、平成2
8
年度の国土交通省B
-
D
AS
H
プロジェ クトに採択され、民間企業を含む共同研究体によりその有効 性が実証された。現在、国交省国総研において、国内外への 普及を目的としたガイドラインを作成しているが、この公表 によ り、今後、国内企業への技術移転や、国連のSDG
s
の目 標であるアジア、アフリカを中心とした開発途上国において 衛生設備の整備のために求められる低コスト ・省資源、小面 積、易維持管理の処理システムとして大いに普及するこ とが 期待される。 (不十分な点) 特になし。 (改善のポイント) サブテーマ①の水監視システムは、新たな社会システムの 構築に向けた斬新かっ果敢、そして重要な、多くの産官学が 集合した挑戦であると評価する。水監視システムを構成する ノロウイノレスなどの検出技術については、将来、民間企業へ の移転を大いに期待したい。 サブテーマ②のDH
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システムは、B
-
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プロジェク ト において実証され今や普及段階にある。今後は,大学等が民 間等の支援を受けながらよ り成熟した技術に発展させること で、我が国の成長戦111各の柱である水ビジネスの展開に資する ことが期待される。 2.発明、特許権その他の知的 │ 現在まで、発明、 特許権その他の知的財産権の取得はない 財産権の状況について │が、本研究プロジェクトの共同研究者の一人である原田秀樹 教授はDHS
システムの開発に長期間燐わってきており、そ の過程で民間企 業 (三機工業 (株))とで特許を取得している。 (優れている点) 特になし。 (不十分な点) 特になし。 (改善のポイント) 現在までのところ、本プロジェク トにおいて特許権の出願・ -12-3.論文・著書・学会等発表の 状況 4.各種表彰・受賞・新聞報道 等の状況について 登録はないが、前処理の
UASB
同様、 今後、DHS
システム の導入が進む過程で特許権など、知的財産権の取得が期待さ れる。 (優れている点) 発表論文34編、著書 1件、 学会等での発表回数(国際学会 等54件、 国内学会等 113件)、国際学会等での招聴講演4件、 ニュースレター等多岐にわたり、 研究成果の外部向け発進が 積極的に行われている。 (不十分な点) 特になし。 (改善のポイント) 特になし。 (優れている点) プロジェクトを主導する大村達夫教授の土木学会研究業績 賞 (H26)、土木学会功績賞(H30)をはじめ、 8件の表彰 ・受 賞がある。いずれも本プロジェクトが志向する健全な水管理 に資するものと評価されたものである。 また、サフマテーマ 「水監視システムjは地場産業である水 産業、とりわけカキ養殖との関連が深く、地元新聞に取り上 げられ、地元での本システム構築への期待の高さが伺える。 本研究の最終日的は、新たな社会システムを構築 ・実装す ることにあり、そのためには多くの市民の関心を集めながら 研究の深化と社会実装へと発展させていくことが重要である が、医療関係者に加え、一般市民を対象としたシンポジウム などを企画すること等により、下水道関係マスコミを超えた、 NHKや一般紙で報道されるまでの取り組みを行ったことが 高く評価される。 (不十分な点) 特になし。 (改善のポイント) カキの養殖等、水産業が盛んな地域において、水質に関わ る課題を内包している地域は多く 、全国的な「水監視、ンステ ムJの構築の一層の強化が期待される。また、既に 「下水中 ノロワイノレス濃度情報発信サイト」を立ち上げ市民向けに情 報発信を開始しているが、今後とも、継続的に一般紙等を通 -13総括
E
し、なお一層の研究内容の進捗と一般への情報開示を期待す る。 (優れている点) 上記 1.- 4.までの評価に基 │ 本研究は、新たな社会システムの構築に向けた斬新かつ果 づき、 「新産業分野創出 Jに結│敢、そして重要な、多くの産官学が集合した挑戦であり、新 びっく開発研究成果が出てい │産業分野の創出を促す研究であると評価する。 るか(研究のアウトプット)、またI
r
水監視システム」では、対症療法から未然予防に移行す 現実に「新産業分野創出」注1)I
るための新たな事業分野の創出が期待される。また、「排水」 (研究成果に基づく産業活動の!と「医療」とを繋いだ「情報 ・評価・ 予防」といった新事業 アウト力ム)に結び付いている 1分野(都市健康安全システム分野)の創出が期待される。 か、を中心に評価して下さい。 IDH
S
システムでは、国の成長戦略の柱の一つである水ピジ ネスの海外展開を図るうえで、開発途上国に適した処理シス 制 ここで言う新産業「分野」とは、 │テム(低コスト、省エネ・省資源、小面積、易維持管理)と 新産業に結びつく新たな切り口・│して大いに期待され、本プロジェクトの研究成果をもとに既 独自性。I
にエジプトにおいて建設計画がスター卜している。 また、従来の有機物等の処理の範時を超えた、疫学的な見 地からの評価に基づいた新たな処理(運転 ・管理)方法の開 発とウイルスを含む各種の測定と情報管理システム等の排水 処理を統合した新技術システムの創出が期待される。 (不十分な点) 特になし。 (改善のポイント) 「水監視システム」では、ノロウイルスを対象に一部で実 証を行っているが、社会システムとして実装レベルにまで高 めるためには、現在提案中の国土交通省B-DASH.
FS
プロ ジェクトなどによって更なる知見の集積が求められる。D
HS
システムについても、国土交通省下水道技術海外フ。ロ ジェクト(H30)での実証実験等を通して開発途上国での適用 性について、更なる知見の集積 ・改良が求められる。 本プロジェクト研究は「疫学関連jと「他の分野との連携」 を重視しながら、研究を継続する必要がある。また、斬新か っ高遁な提案であることから、社会に研究成果が定着するよ う粘り強し、取り組みを期待する。 14評価 :(0を付けてください。) ①.優れた研究成果を挙げ、かつ、「新産業分野倉jI出」に結び 付く評価を挙げている。 2.優れた研究成果は挙げているが、「新産業分野創出」に結 び付くには課題を残す。 3.優れた研究成果を挙げているとは言えないものの、「新産 業分野創出」に結び付く可能性は高い。 4.研究成果は他に優れたとは言えず、「新産業分野創出」に 結び付く成果も期待出来ない。
m
.
プロジェクトの研究費の実績
総括E (優れている点) 外部資金の獲得状況と、その│ 民聞からの資金はないが、国から継続して年 l億円超の資 資金が十分に活用されている │金が確保されている。CREST
r
水利用領域」 内での評価も高 かの観点から評価して下さい。、。
し
研究資金と成果について定量的な分析は困難であるが、当 初設定したプロジェクトの開発目標がほぼ達成されている。 本成果をもとに国土交通省の B-DADHプロジェク トの 「ダ ウンサイジング可能な水処理技術」として、標準活性汚泥法 代替技術rDHSシステムを用いた水量変動追従型水処理技術 実証事業J(H28)が採択され、民間企業を含む共同研究体にお いてその有効性が実証された。また、下水道技術海外実証事 業(H30)に採択されるなど、これまでの研究資金が十分活用さ れ、着実に成果が結実している。 (不十分な点) 特になし。 (改善のポイン卜) 「水監視システムJでは、社会システムと して実装レベル に達するよう国土交通省 B-DASH.FSプロジェク 卜に提案 中であり、その採択が期待される。さらに民間資金等外部資 金が投入された開発研究が併せて進められるよう、本プロジ ェク卜のさらなる進捗を期待する。 -15-N.
当初計画を超える展開等やそれによる成果について
総括NV.総合評価
(優れている点) 当初の計画になかった抗体薬品の開発が展開されるなど新 たな取り組みが始まっており、本プロジェクトの主題である 下水道を核とした「水監視システムJの有用性を拡張するも のとして評価したい。今後とも多くの分野を巻き込んだ社会 実装に向けた研究が期待される。 (不十分な点) 特になし。 (改善のポイント) 「水監視システムJは、従来の下水道の範時を超え、異な る研究分野との連携のみならず、衛生行政分野等の他の行政 分野、水産業はじめ他の企業関係者及び市民を巻き込んだ、 世界でも類を見ない独創的な構想、の提案である。今後、新た な社会システムとして実装が期待されており 、関係者の情報 共有と、分野を超えた総合的な体市JIの構築が急務である。 また、発展途上国における新排水処理技術として期待され るDHS
システムの普及を加速することで、SDGsの直接的
な目標である衛生設備の整備(安全な水とトイレ)のほか、 乾燥地域の濯蹴用再生水利活用などを通じて貧困の撲滅や飢 餓の根絶など、発展途上国の経済発展に寄与することが期待 される。 総括I
"
"
I
V
を踏まえ、本プロジェクトを総合的に評価して下さい。 下水道を核とした「感染症 リ スクの管理システム」の構築とい う、独創的な~:I刷出を持った 本プロジェク卜も、サブテーマ①、サブテーマ②という適切なサブテーマの設定、実規模 実 証での取り組み、多くの分野との連携と情報発信、これまで積み重ねてきた清実な研究結果 とその論文発表、広報等を通じ、一定の社会的認知が進んだと考えられ、 r~ く評価できる。 すなわち、本プロジェクトで提案している革新的なシステムが未来を切り開くものであると の認識がなされたと評価できる。 現行下水道法では、下水道は都市の健全な発達と公衆衛生の向上とともに、公共用ノk
域の 水質保全に資する施設であり、さらに、下水処理過程では感染性胃腸炎等、病原微生物の除 去機能を有するとともに、オゾン処理等により処理性能が向上することも広く知られている。 本プ口、ジェク トは、従来の下水道システムの枠を超えて、水環境を保全するための最終の砦 としての下水道の役割を発展させ、未来志向型の視点から水インフラに革新をもたらそうと するものである。 サブpテーマ①の「水監視システム」は革新的な都市環境衛生予防システムの具体的な提案 -16-であり、その基本構想を形づくる技術開発に成功している。既に市民向け情報は発信サイト 「下水中ノロウイルス濃度情報発信サイ トjを立ち上げるなど、本フ。ロジェク トの成果を実 現すべく意欲的な取り組みが開始されているが、今後、各地域で実際に機能するための具体 的な新たな水監視システムの構築に向け、多岐にわたる分野間の協力 ・連携した研究開発に より、一層の拡張 ・深化が求・められる。 サブテーマ②については、「初沈
+
DHS
システム」は、B-DASH
の実証試験でも高い評価 結果が得られており、エジプトの評価結果なども加味し、本邦主導の設計基準の整備等によ り、国の成長戦略の柱の一つである水ビジネスの国際展開に資するものであり 、今後更なる 支援策の構築が急務である。一方で、類似の処理方法についても同様だが、これまで疫学的 な観点から排水処理法が評価されたことは少ないように思われる。本プロジェク トの目的達 成に向け、疫学的な観点からの評価が重要である。 社会実装においては、現状の分析・評価、行政の判断・指示、医療行為等々各部門において 「責任 ・権限」等が問われる大きな問題が本システムには内在することを念頭に、理解ある 公共団体の万全な協力のもとに実施段階へと移行していく必要がある。また、本プロジェク トの他と異なる特異点は、社会的なイノベーションに繋がるキーワーズが 「疫学的」と「多 様な分野連携」 であることを踏まえて、これらキーワーズを常に認識しながら、本プロジェ クトの継続と深化により社会実装が実現することを期待する。 (全体に対するコメントがありましたら、記載して下さい。) サブテーマ①については、国土交通省B-DASH.FS
プロジェクトへ提案中であり、サブテ ーマ②については既に国土交通省下水道技術海外実証事業(H30)の採択が決定するなど、両サ ブテーマとも外部資金の導入にも積極的な挑戦が続いており、引き続き意欲的な取り組みを 期待したい。 社会からの不要物である汚水を排除 ・処理するのが下水道、この基本的役割が人・暮らし・ 水に関し、 社会を支えていく ことは今後とも変わらないと考えるが、本フ。ロジェク卜で提案 する疫学的見地からの感染症リスク管理を行う「水監視、ンステム」が社会実装されるならば、 下水道の機能と価値をさらに高めるものと確信する。これこそ衛生管理を目的として整備が 始まった下水道が本来目指していたところと言えるかも しれない。 -17-平成
30年度研究プロジェクト自己評価報告書(抜粋)
研究プロジェクト名 プロジェクト名・水インフラを核とした未来志向型社会イノベーション拠点 プロジェクトリーダーの職名・氏名 未 来 科 学 技 術 共 同 研 究 セ ン タ 一 教 授 ・ 大 村 達 夫研究体制
(1)開発研究目的、目標及び方法 1. 目的l
最終評価
21世紀社会は気候変動による温暖化やそれに伴う自然災害、感染症流行の広域化、生態系の保全など 様々な地球的課題を抱えている。これらの課題が地域の水循環や水利用に影響を及ぼし、地域社会の持続可 能な発展を阻害する要因となることが懸念されている。そのためには地域社会の水インフラを根本的にイノベー ションすることにより、それを核とした未来社会を創造する必要がある。そのような未来社会の実現を可能にす る革新的な技術として、低炭素な水処理技術、スマートな物質循環技術、再生エネルギーの活用技術、感染症 リスク低減技術、水インフラを統合するI
C
T
技術などの開発を行うと共に、それらの技術を社会実装に繋げるこ とを本プロジェクトの目的とした。 2 目標 上記の目的の多くを達成するために、本プロジェクトでは、具体的に、 ①水監視システム構築のための新規な病原微生物検出・定量技術の開発 ②発展途上国における感染症リスク低減のための新規排水処理技術の開発 の二つのサブテーマに取り組み、ウイルスなどの新規な病原微生物の検出技術やリスク低減技術の開発によ る水監視システムの確立、および低炭素で自立可能な水処理技術の開発を行うことを目標とした。 3 方法 上記の目標は下記研究課題と同じであり、それぞれの研究課題の研究計画に従って実施した。 【目標①を達成するための研究課題および方法】.
J
S
T
のCREST
プロジェクト「迅速・高精度・網羅的な病原微生物検出による水監視システムの開発」 (平成23年 10月より平成29年 3月) -環境研究総合推進費「水系感染微生物による水環境汚染への指標微生物管理の有効性と消毒技術の検討」 (平成25年 10月より平成29年 3月) ・国土交通省応用研究「流入下水中の病原ウイルス観測による総合的感染症流行防止対策の確立」 (平成29年 10月より平成31年 3月) 【目標②を達成するための研究課題および方法】.
J
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下J
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A
の地球規模課題対応国際科学技術協力「エネルギー最小消費型の下水処理技術の開発」 (平成24年 10月より平成29年 3月).
J
S
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の先導的創造科学技術開発費補助金「乾燥地域における濯澗再利用のための革新的下水処理技術開 発の国際研究拠点形成J(平成24年 10月より平成29年3月) ・国土交通省B
・DASH[DHS
システムを用いた水量変動追従型水処理技術実証研究] (平成28年 10月より 30年3月) ・国土交通省下水道技術海外実証事業f
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技術を用いたエネルギー最小型下水処理ユニット」 (平成30年 7月より) -18-担 一 分 一 向 九 一 研 一 -織 一 プ 組 一 ) 究 一 ル 研 一
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グ 一 一 池 学 幻 一 細 大 ( 一 粧 + • 4 a ' 争海外i麗 燐 研 究 機 関 争行 政 グルー プ -リー ダ ー メ=キ寸{耳主::jヒフ亡・NICHe) -N1'=!:le -i也 大 学 お よ び 高 専 J京国 北海 道 大 学 三三jl1l(王見困.:r.r.i呆骨量 医 療科寺企院) 山形 大 勾 企 風間 (現 東 京 大 学 ) 東 京都 市大 ~回 東 コ二大 真 砂(現 国 際 迎 合 大 学) 木 更3寧 高 専 高 橋 ( 現目 水コ ン } 長 岡 技 大 寵斤i局 調E平斗フζ今色 .買主ゴヒメミ埠色4也E丹冨E手斗 愛車農大 弓z: (:工学'iヨヰ冨宅手斗) 広 島 大 押谷 ( 医 学研究科 } 手りレフトコニフ亡 Prof. Van Lier インドコ二平斗メャラ=リーー Prof. A.K. Mi口 al ア ジ ア 工 科 大 Prof.Visu 台 湾 国 立 成功大 ヨfl宇E恩 聖 対 畏 +企 業グ ルー プ巴
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2_研究分担 サブ、テーマ①水監視システム構築のための新規な病原微生物検出・定量技術の開発 病原微生物の網羅的同定・絶対定量技術開発:大村、三浦、風間、今回、真砂 水監視による感染症流行検知システム構築大村、三浦、風間、今回、真砂、押谷 サブテーマ②発展途上国における感染症リスク低減のための新規排水処理技術の開発 石!Jf究分担者:原田、高橋、李 (3) プロジェクトの評価に当たっての特筆事項 サブテーマとして 2項目の目標を掲げてプロジェクトを平成 26年度より 3年間推進し、前者においては、感染 性胃腸炎の流行を未然に防止するための水監視システムを確立することが出来た。この水監視システムは世 界で初めて開発されたシステムであり、資料1および資料2に示すように AsianWater 誌および国際水学会 (IWA)の健康関連水中微生物(HRWM)スタディグループのニュースレターで紹介された。また、我が固におい てlま、ノロウイルスを主要な原因とする感染性胃腸炎の患者数は毎年 1000万人以上と言われており、そのた め!こ費やされる医療費は年間 1000億円を超えると考えられる。我が国の医療費が40兆円を超える状況にお いて、水監視システムの社会実装を積極的に推進することは国家財政への貢献に繋がる。また、これまでの下 水道の機能に水監視システムを付加することにより、感染性胃腸炎のリスクを低減した健康な未来社会の実現 を百I
能とする社会イノベーションが誘導される。 その後、平成 29年度より2年間に渡り、本水監視システムを社会実装するための実証実験が国土交通省の 応用研究に採択され、仙台市南蒲生浄化センターで実証実験を実施中である。また、資料31こ示すように、第 5 回日経アジア感染症会議で水監視システムの紹介を行った。1
2
長者においては、地球温暖化を抑制するための低炭素な水処理技術であるDHS
システム台の開発をした。我 が固において、下水処理で消費されるエネルギーは全体の約 2%にも登り、その削減が期待されている。DHS
システムは従来の活性汚泥処理と比較して 10%のエネルギー消費を達成している。さらに、低炭素な技術でか つi
豆転が比較的容易なDHS
システムは発展途上国への導入が期待されており、インドとエジプトでDHS
シス テ乙Aのパイロットプラントの実証実験を行ってきた。その結果が評価され、資料41こ示すように我が国の政府が 主導するアフリカ開発会議(
TICAD
)
の東京で開催されたプレ会議において紹介された。エジプト政府はDHS
シ スモテムをカイロの南に位置するファイユーム市に導入を決めており、29年度中に建設が始められることになって いア三が、3
0
年度にファイユーム市にDHS
システムが建設された。これにより、エジプト圏内だけでなくアフリカ 全土に展開される可能性が考えられる。また、他の発展途上国への展開を実現するために、平成3
0
年度国土 交え亘省の海外実証研究に応募し採択され、現在タイのコンケン市でも導入実験を行なった。 *DDwn-flow hanging sponge (DHS)ポリウレタン製のスポンジ担体に生物を保持させて、汚水がスポンジ担体内を浸透する過 程で微生物に接触することで汚水中の有機物が分解される、曝気を必要としない下水処理システム。 一 四 一I
.
プロジェクトの開発研究計画に照らした開発研究の進捗状況に係る評価等 1 -1.開発研究の進捗状況 (1)開発研究進捗状況σ
〉ー1.水監視システム構築のための新規な病原微生物検出・定量技術の開発(JST・CRESTプロジェクト) 下水中に存在するアデノウイルス、アイチウイルス、エンテロウイルス、A型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、 ヒトパレコウイルス、ノロウイルス、口タウイルスを一斉に定量検出することが可能なMicrofluidicquantitativePCR (MFqPCR)法を新規に開発した。また、宮城県内の下水処理場において週に 1度、流入下水試料を採水し、ノロ ウイルス濃度を継続して監視した。図1には、2013年4月から2016年3月までの下水中ノロウイルス濃度と処理 区域が含まれる塩釜保健所管内の胃腸炎患者報告数の変動を示した。患者数が増加し始める 11月頃から下水 中ノロウイルス濃度も上昇し、1"'2月にピークとなり、その後6月に掛けて減少する傾向が 3シーズンで確認され た。相E
相関分析を行った結果、下水中ノロウイルス濃度は、胃腸炎患者報告数に対して遅れがなく有意に相関す ることが示された。患者数が集計・公表されるには、 1"'2週間の時間を要することから、下水中のウイルス濃度を 頻繁に測定することで、現在の医療機関の報告に基づく監視システムよりも早期に流行を検知できる可能性が示さ れた。ペ
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町 田 町 寸 尉 円 ar: ar: α, cコ aN r: aNr: 寸 也 由ar: ar: ar: 庶 民 a r : ao N N r寸 由 ∞: ar: ar: aro: arN : F 肘~ ~肘~ ~ てす '" ~ ~ R 叶 W R N 貼明白 図1 下水中ノロウイルス濃度と買腸炎患者報告数の変動 さらに、収集した下水試料から1"'2ヶ月間隔で1検体を選択し、パイ口シーケンサーを用いてノ口ウイルスの遺 伝子型を網羅的に解析し、対象地域の胃腸炎患者検体と比較した。その結果、下水からは患者から検出された8 遺伝子型を含む 15遺伝子型が検出された。さらに系統樹解析を行った結果、患者から検出されたノ口ウイルス株 は、同時期の下水から検出された株と近縁で‘あることが示された。すなわち、下水中に含まれるウイルスの量的な 情報と質的な情報は、処理区域で発生した感染性胃腸炎の流行状況を把握するのに有用であることが示された。 これらの研究成果から、水監視システムを構築することがで‘き、実証実験を行う段階へ進むことができた。 その後、水監視システムの実証実験を仙台市において行ってきた。水監視システムの有効性を実証するために、 感染症流行の予兆をモニタリングによって検知した後、混乱なく社会へその情報を発信し人々が感染症の予防策を 講じることが出来る体制を作ること、そして実際に感染症の流行を防止できたかを確認すること、最後に感染症の 流行防止により医療費の削減や発病による労働力の低下の回止等の経済的効果を評価することが求められる。平 成29年度には、WEBを活用した下水中ノロウイルス濃度情報発信システムを構築し、さらにアンケート調査による システム有効性の評価を行った。 「下水中ノロウイルス濃度情報発信サイト」は平成29年11月2日に開設した。本サイトは6つのページから成って おり、それぞれ「ホーム」、「お知らせ」、「ノロウイルス情報メール紹介」、「ノロウイルス情報メール登録」、「研究紹 介」、および「お問い合わせJである。トップページである「ホーム」においては、ノロウイルスの一般的な情報(被害、 季節変動、予防の重要性、本プロジェクトの概要、具体的な感染予防対策及び関連外部サイト)を掲載した(図2に トップページの最上部写真を示した)0 iお知らせ」は、本プロジェクトで解析した流入下水中ノ口ウイルス濃度に関す ハ U つ &る情報を随時更新するページである。初回の更新は平成29年11月2日であり、平成30年3月 14日現在、更新回 数は33回となっている。「ノロウイルス情報メール紹介Jでは、下水中ノ口ウイルス濃度情報発信システムの詳細を 説明し、「ノロウイルス情報メール登録Jページへリンクが貼られている。「ノロウイルス情報メール登録Jページで は、Emailアドレスを必須入力項目とし、任意入力項目として「氏名J、「年齢J、「性別」及び「住所(市区町村まで)J を設定した。平成30年3月14日現在、266名が登録手続きを行っており、そのうち54名が登録最終手続き保留中 で、 212名が購読中となっている。「研究紹介Jページでは本プロジェクトの背景と目的を記述し、本研究が平成29 年度下水道応用研究(国水総第315号)として国土交通省より委託された「流入下水中の病原ウイルス観測による 総合的感染症流行防止対策の確立Jrこより遂行されていることを明記した他、事業者名(東北大学・山形大学・仙台 市・日水コン共同研究体)と代表者名等を掲載した。「お問い合わせJはメール送信フォームとなっており、研究代表 者に問い合わせメールが届く形となっている。
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内.刷・岬-町・"・・・..・m ノ ロ ウ イル ス情 報 メ ール霊登録 ,;11.)包 のPC 'ス マ ー ト フnン で 阻 で も 情 " で ノ ロ ワ イ ル ス の 湖 底 情 輔が量 り 取 れ ふ す. ノ ロ ワ イ ル ス の昌行 主 車 問 に 南 町 し て 予 防 に 世 立 て て <f.:.:!い. ノ ロ ウ イル ス 情 帽 メール. . E m.7ul (品調 ). 氏 名 {佳軍〉 年 齢H壬車》 住I:'J(f!車】 車 図 嘗 は 隔 《 市 区 間刊'"で・征 軍〉-
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ノロウイルス情報メール紹介」と「メール登録」 -21ー -・...・・・-① - 2病原微生物の動態に与える環境因子の影響の評価(環境省・環境研究総合推進費) 水環境中における病原微生物の動態に与える環境因子の影響を評価することを目的に、仙台市南蒲生浄化 センター放流先海域の流軸方向における病原微生物および難分解性医薬品の動態を調査した。指標細菌や病 原微生物の海域での動態については、様々な環境因子(物理的な移流拡散以外に水温、塩分、 SS~ 日光)が 考えられる中でそれぞれの要因ごとに動態を明らかにすることは困難である。一方、移流拡散については、流 入下水中に多量に含まれる難分解性医薬品のうち、海域において殆ど分解されない医薬品を見出すことができ れば、その難分解性医薬品は移流拡散の指標となりうる。すなわち、その難分解性医薬品と動態が類似する指 標細菌や病原微生物は海域で増殖ないしは不活化が起こらないことが推察される。本研究では、調査項目とし て2種のパクテリオファージ、7種の病原ウイルス、および13種の難分解性医薬品濃度を測定し、病原微生物 の動態に対する難分解性医薬品の指標としての有効性を検討した。 13種の難分解性医薬品のうち6種について、一次元円筒座標系の移流拡散方程式より移流拡散の指標と して利用可能であることを確認したが、中でも流入下水中に最も多く含まれる Crotamitonを移流拡散の指標と して用いることが最適であると判断した。図3に平成26-27年度の調査における海域での各微生物の減衰直線 の傾きを示した。病原ウイルスとトウガラシ微班ウイルスは傾きが 1近くに散在しており、 Crotamitonと類似し た動態、すなわち、移流拡散による減衰を示した。病原ウイルスは海域などの環境中での増殖は考えられない ことから、不活化による減衰は小さいと考えて良いと判断できる。それに比べて、指標細菌とファージにおいては 海域で明らかに不活化が起こっており、不活化の効果は指標細菌の方が大きいことが示された。 本調査により、人為由来の難分解性医薬品や微生物が海域の広い範囲に分布していることが示された。さら に、下水処理水放流先海域の水質に対する下水処理水の寄与を難分解性医薬品を指標として評価し、微生物 (指標細菌、ファージ、ウイルス)濃度と比較することで、放流先海域における微生物の不活化を評価する手法 を開発した。これにより、海域において微生物が受ける様々な環境ストレスの大きさや、それが微生物の消長に 与える影響を評価することが可能となる。
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OH27年8月 ・H27年10月 ・H27年12月│ 30
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図3.指標細菌、ファージ、ウイルスの濃度減衰近似曲線の傾き-22-②-1 発展途上国における感染症リスク低減のための新規排水処理技術の開発(JST-JICA・地球規模課題対 応国際科学技術協力) インド・アグラ78MLD下水処理場に実機 DHSリアク ターを建設し(写真1)、IITRoorkee(インド工科大学ルー ルキー校)の研究者と共同で水質モニタリングを行い、デ ータ取得、分析、評価を実施した。また、省エネ効果の情 報収集については、AMU(アリガームスリム大学)と共同 で実施した。設計指針・維持管理マニュアルの完成に向 けては、インド、側マニュアル作成メンバー(NRCD(国家 河
J
11保全局、)AMU(アリガームスリム大学)、 IITRoorkee(インド工科大学ルーキー校、)CPCB(中央 公害対策委員会、)CPHEEO(中央公衆衛生環境局、) NEERI (国家環境技術研究所))と共同で実施した。 写 真1.インド・アグラ市の下水処理場に建 設した DHSリアクターの全景 表11こ下水および処理水質の一覧を示す。下水組成は、BOD/CODCr比が0.3程度と低く、またSSが高い 特徴を有している。UASB*通過後の有機物濃度は高く、 BODで98::t32mg/しであり、DHSの許容BOD濃度60 mg/Lを遥かに上回った排水が連続的にDHSに流入した。UASBでの除去率は、SSが68%と高いのに対 し、有機物(CODCr、BOD)は40%未満であった。見かけ上のSS除去率は高いが、実際にはUASB内にSS
がトラップ・蓄積したのみで、分解は進行していないと推察される。DHSにおいては、5MLD (HRT 1.44時間)
においてBODが34::t13 mg/しとなり、プロジェクト目標の達成には至らなかった。これは、前にも述べたが流 入下水の水質が悪く、またUASB余剰汚泥の適切な排出操作が行われていないことや、 UASB底部への流入 管が適切に接続されていないなど、現地処理場の管理体制が悪いため、 UASBの低い処理性能の影響を受け たことを原因とする。一方、3MLD(HRT 2.4時間)では、処理水質は向上しBODで22::t1 0 mg/Lと目標を達 成した。CODCr成分の処理も向上し、有機物の除去率はUASB+DHSシステムで CODCr80%、T-BOD87%
を示した。2MLDにおいても、3MLDとほぼ同程度の処理性能を示した。 表1.下水および処理水質の一覧 水質項目 下水 UASB処理水 DHS処理水 5 MLD 3 MLD 2 MLD Temp. [OC] 27 (5) 26 (5) 26 (5) 25 (4) 24 (1) CODCr [mg/L] 511(162) 316 (72) 138 (50) 108 (39) 116 (13) BOD [mg/L] 165 (59) 98 (32) 34 (13) 22 (10) 23 (3) SS [mg/L] 338 (205) 97 (40) 47 (22) 46 (21) 40 (9) NH4+-N [mg/L] 35(7) 38 (6) 28 (8) ~ 26 (3) 除去率 UASB UASB + DHS 5 MLD 3 MLD 2 MLD CODCr [%] 37 (12) 66 (15) 80 (7) 80 (5) BOD [%] 39 (15) 77 (13) 87 (7) 86 (4) SS [%] 68 (14) 84 (7) 86 (7) 88 (5) NH4+-N ~ 27 (15) 43 (28) ~ ( )標準偏差 *Up-flow anaerobic sludgeblanket(UASB)ー嫌気性微生物の自己集塊作用を利用した嫌気性排水処理システム。 2 3