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平成 30 年度研究プロジェクト自己評価報告書(抜粋)
開発研究部の分野名・研究プロジェクト名
プロジェクト名 :無人探査用フィールドロボット研究開発
プロジェクトリーダーの職名・氏名
未来科学技術共同研究センター 准教授・永谷圭司
研究体制
(1)開発研究目的、目標及び方法
1 . 目的
人の進入が危険な環・境における観測や,劣悪な環境における人の代替機能をロボット技術によって実現 し,安全・安心社会の実現に直接的に貢献することが本プロジェク トの目的である.
2. 目標及び方法
木プロジェクトの目標は,災害等で無人探査用フィールドロボットに対し,緊急性を有する要求ニーズ が発生した場合,このニーズ、に対応可能なロボットを迅速に実現することが可能となる受注生産ビジネ スモデルを実現することである.まず,複数の産官学プロジェクトにおいて,自然環境や災害現場ーなど の実フィーノレドで活動を行う無人探査用フィーノレドロボットの研究開発を行う.具体的には,地表移動 ロボット,空中移動ロボット,水上移動ロボットに関する,移動技術,制御技術,環境情報取得技術,
遠隔操作技術,自律動作技術といったフィーノレドロボティクス基盤技術の研究開発を行うと共に,現場 フィーノレドにおける検証試験を積極的に行う.これらの過程で,現場におけるロボットの適用経験の蓄 積とノウハウの共有を行うことで,新規の要求ニーズにも迅速に対応可能なロボットの受注生産ビジネ スモデルを構築することが可能となると期待できる.
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火山対応
〉 火山探査用空中移動ロボッ卜の研究開発(NEDO) )
I
│ 実現場への試行的導入
〉 火山探査用地表移動ロボットの研究開発(国交省地域課題) )
I
〉 地表移動ロボット,空中移動ロボットの移動技術,制御l技術,遠隔操作 妓術 )水中放射線測量技術開発)
〉 水上移動ロボットの技術開発 〉
水上ロボットの制御技術, 自律動作妓術
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ピジネ スモデ
〉
構 築原発災害対応
建設機械の 高度化
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ARGOS Ch山 nge参加(ムイTOTAL)
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予 防燥ロボットのプラント点検(三菱重工業) クローラ型ロボットの移動技術.制御技術.自律動作技術
祭人化施工機械の遠隔操縦支援技術(ImPACn ) 空中移動ロポットの制 御技術, 自律動作技術
ダンプトラックの自動走行(NEDOエネ環,AIインテグレーション) 地表移動ロボットの制御技術,自律動作妓術,遠隔操縦妓術
1 )
インフラ点検
‑134ー
(2)プロジェクト全体の年度別計画表
下記にプロジェクト申請時の年度別計画表を記す.申請時には,無人化施工機械の高度化とい う項目は,火山対応のカテゴリに入っていたが,本報告書では,(4)建設機械の高度化のための ロボット技術(建設機械)のカテゴリを追加した.
平 成27年 度 平 成28年 度 平 成29年 度 平 成30年 度 平 成31年 度 火 山 対 応 火 山 探 査 用 空 中 移
動 ロ ボ ッ ト の 実 用 イ
ヒ (NEDO)
無 人 化 施 工 機 械 の 高 度 化
(土木研) 地 表 移 動 ロ ボ ッ 卜
原 発 災 害 対 応 と 空 中 移 動 ロ ボ ッ トの協調 (JAEA)
水 上 移 動 ロ ボ ッ 卜 に よ る 水 底 鯛 査 (日本遮蔽技研)
ARGOSチ ャ レ ン インフラ点検 ジ ( ベ ス ト テ ク ノ
ロジー他) イ ン フ ラ 点 検 ロ ボ ッ ト の 開 発 (Total)
本プロジェクトでは,サブテーマ毎に,月 1回研究打合せを実施している.以下に進捗を記す.
(1)火山対応 (火山噴火時に火山の状況把握を行うロボット技術)
火山探査用空中移動ロボットの実用化について,平成 29年度末に NEDOの最終審査を受 け,高い評価を受けた.現在,プロジェクト経費を獲得できてはいないが,引き続き,本研 究開発を続けるため, 9月のフィーノレド試験を実施している.また,平成30年度には,本 技術によりロボット大賞を受賞した.
(2)原発災害対応(原発災害対応に関するロボット技術)
廃炉対応ロボットの研究開発については,現在,国際廃炉研究開発機構により, 主に企業を 中心に進められているため,本プロジェクトで、の進捗は小さい.また水上移動ロボットにつ いて,水底の線量調査に関し,日本遮蔽技研と共同研究を進めた.
(3)インフラ点検 (インフラ点検に関するロボット技術)
ARGOSチャレンジに関連した石油プラント点検ロボットの研究開発については,平成 29 年3月に終了し,研究開発チームは解散した.その後,防爆の石油プラント点検ロボットの 研究開発について,平成29年以降 三菱重工業と共同研究を開始し,現在も継続中である. (4)建設機械 (建設機械の高度化のためのロボット技術)
平成27年後半より平成 30年度末まで, ImPACTタフロボティクスチャレンジの下で,飛 行ロボットを活用した災害対応建設機械の高度化に関する研究開発を行った.平成 29年に は, 土木研究所ならびに株式会社フジタとそれぞれ共同研究を開始し, この技術の活用に関 する研究を現在も進めている.また,平成29年より, NEDOの委託研究として,佐藤工務 庖と共に,無人ダンプトラックの実用化に関する研究開発を開始し,現在も継続中である.
‑135‑
(3)研究組織・研究分担
1.組織図(平成30年 12月現在)
2.研究分担
プロジェクトリーダ 71<谷 :4分野の統括
ポスドク 桐林 :建設機械を担当.
NE DO
,ImP AC T
の経質'で雇用. 博士課松学生 谷山 ・火山ロボッ ト修士学生 修士学生 修士学生 修士学生
2名 :火山ロボット
2名:インフラ点検ロボット
3
名 建設ロボッ卜(飛行ロボットを惜別した災害対応建設機械の1 4 1
度化) 3名 :建設ロボット(ダンプトラックの無人走行)(4)プロジェクトの評価に当たっての特筆事項
本プロジェク トでは, (1)火山噴火時に火山の状況把慢を行うロボッ ト技術, (2)原発災害対応に関する ロボット技術, (3)インフラ点検に│刻するロボット技術, (4)建設機械の高度化のためのロボット技術につ いて,産官学共同で,研究開発ならびに現場実装を進めている.これらのテーマに共通する実用化の問 題は,各テーマにおけるロボッ卜システムへの1Q:求事項が,実現目標や対象環境に応じて大きく変化す る点にある.そのため, 一般的なフィーノレドロボットシステムというものは存在せず,
i = I l f
句に応じて,さ らには,適用環境に応じて,迅速にシステムの検討ならびに修正を行う必要がある.これを踏まえて,本 プロジェクトの目標は,要求ニーズを分析し,必要となる必盤技術を短期間でインテグレートして,現 場に対応するロボットを構築 ・提供する受注生産ビジネスモデルの構築であるといえる.この目標の下 で,現在,それぞれのテーマ毎に基盤技術の研究開発ならびに現場実証を進めている.‑136‑
1
.プロジェクトの開発研究計画に照らした開発研究の進捗状況に係る評価等1 ‑1.開発研究の進捗状況 (1 )開発研究進捗状況
1. 火山対応(火山噴火時に火山の状況把握を行う口 ポット技術)
A)研究開発目的と概要
本サブテーマでは I噴火時に火山の状況把握 を行うことが可能な空中移動ロボットならび に地表移動ロボットの研究開発と実用化jを目 指している.これを進めるため,平成 26年度
よりNEDOの研究委託を受け(平成28年度か
らは研究助成),国際航業株式会社,株式会社エンノレート (現在は株式会社イームズラボ)と共同で, 火山地域の災害の中でも土石流災害に着目し,高精度の土石流予測シミュレーションを実施するため のセンシング技術の開発と実用化を進めてきた.具体的には,
・複数台マルチコプタによる地形データの収集技術の開発
‑遠隔からの地表調査技術の研究開発
‑遠隔からの透水性・雨量計測技術の研究開発
を行い,これらの情報を基にした高精度土石流予測シミュレーションシステムの構築を行った.ま た,国土交通省の地域課題(委託研究)の予算も,このグ、ルー ・一一‑‑
プで継続して獲得してきた.平成29年末に, NEDO予算, 地 域課題予算が終了したため,現在は,予算が無い状態だが,国 土交通省利根砂防事務所とも連携しつつ,このグノレーブρにて, 火山対応ロボットの研究開発を進めている.
B)研究開発の進捗状況(平成30年12月まで)
(1)立入制限区域内の状況把握を目的とした,無人マルチロータ 機を開発した.この機体は, GPS誘導により自律飛行を行い,
対象環境の画像情報を取得することが可能となる.これにより,
桜島での実証実験では,飛行距離 8,000m,飛行時間 20分のフ ライ トを実現し,昭和火口の近傍の撮影に成功した.さらに、雲 仙普 賢 岳 な ど に お け る 実 証 実 験 に お い て,Structure from Motion (SfM)技術を用いた三次元地形モデル生成に成功した.
(2)山体斜面に堆積した火山堆積物を直接収集するための小型軽量土砂サンプリング装置を開発し た(右図).この装置は,マルチロータ機で運搬され,100g程度の土砂を遠隔から採取することが可 能である.雲仙普賢岳で実施した実証実験では, 立入制限区域内における土砂取得に成功した.
(3)無人探査用小型移動ロボットの開発ならびに ロボットの運搬・ 回収装置の開発を行った.小型 移動ロボットの運搬は, UAVにカーボンネットで作成した運搬 ・回収機構を吊り下げる方式で実施 した.このロボットにセンサ機器を搭載することで,遠隔地における雨量計測データを取得すること が可能となった.
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(4)上述の技術を用いて取得した火山情報を利用することが可能な土石流予測シミュレータを構築 し土石流予測の精度向上を実現した.
なお,このシステムについては,2018年 10月に,ロボット大賞国土交通大臣賞を受賞した.
C)実用化の状況と問題点
NEDOの火山プロジェクトにて,本研究で開発した各種調査機器ならびに,土石流シミュレーショ ンの実用化を図る担当は,国際航業株式会社である.この会社を中心に,火山噴火時には,各種調査 機器を用いて災害対策に役立つ様々な情報を提供することを行う体制を整えている.また,平常時に は,開発した技術を基に,火山l噴火を想定した各種災害の予測・調査の実施,火山噴火に対応する防 災計画の立案を支援することを考えている.想定する主な販売予定先は全国の活火山がある地域の 国や県,市町村‑の防災 ・災害担当部局,研究機関である なお,本研究で開発した土砂サンプリング 装置や降灰量測定デバイスについては,次に起こる火山噴火において利用する可能性が高いため,大 学で試作した装置と同様の装置を株式会社アールティが単体で即座に製作できる体制をとっている.
本サブテーマにおける実用化の問題点は,火山災害調査の条件や要求事項が,対象とする火山環境 に応じて大きく変化し,これに伴ってシステムに対する要求ニーズも大きく変化する点にある.し たがって,災害が起こった火山に応じて,迅速にシステムの検討ならびに修正を行う必要がある. 2. 原発災害対応(原発災害対応lこ関するロポット技術)
A)研究開発目的と概要
本サブテーマで、は, 福島原発事故を受け, 被災原発建屋内を調査する地表移動ロボットと空中移動 ロボットに関する研究ならびに,ため池の線量計測を自動で行う水上移動ロボットの研究開発を目 指したものである.前者のロボット開発については,資源エネルギー庁の原子炉等廃炉・安全技術基 盤整備事業の下で進めてきたロボット開発が平成26年度末に完了し,その後,大学が関連する大型 の研究フ。ロジェクトが立ち上がっていない.また,後者の水上移動ロボット開発は,株式会社遮蔽技 研との共同研究を進めてきた.
B)研究開発の進捗状況(平成 30年 12月まで)
福島原発建屋内のロボット開発については,現在,大学が関連する研究開発は,ほとんど見当たらな い.なお,地表移動ロボットの遠隔操縦の操作性向上に関する研究については,本プロジェクト内に て単独で、行ってきたが,現在,実現場でロボットが直接的に貢献する状況は発生していなし、‑ 一方,水上移動ロボット開発については,平成28年末まで,全方向水上移動ロボットの制御につい て研究開発を行ってきた.なお,小型水上移動ロボットの研究開発は,研究室内で継続中である. C)実用化の状況と問題点
廃炉対応ロボットの研究開発については,現在,国際廃炉研究開発機構 (IRID)により,主に大企 業を中心に進められているため,プロジェクト開始時に予想していた状況と比較し,大学の貢献可 能な領域はあまり広くない.水上移動ロボットに関する研究開発については, 日本遮蔽技研側の予 算措置が進んでいないが,火山調査分野など,別分野に展開中である.
3. インフラ点検(インフラ点検に関するロポット技術) A)研究開発目的と概要
本サブpテーマでは,フランスの石油会社
T o t a l
が主催の海上石油プラント点検ロボッ トのコンペテ イション["ARGOS ( A u t o n o m o u s R o b o t f o r Gas & O i l S i t e s ) C h a l l e n g e J
を核とし,石油プラン卜 の自律点検ロボットの研究開発を目指し, (株)ベストテクノロジーならびに (株)移動ロボット研 究所と共に,平成29年3月まで,防爆性能を有するクローラ型自律ロボットの研究開発を進めてき‑138‑