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しゅうがくりょこうのはなしをしよう

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Academic year: 2021

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(1)

小学部第6学年 自立活動学習指導案

1 単元名 「しゅうがくりょこうの はなしを しよう」

2 指導観

○ 対象児童A児は、小学部第6学年に在籍する女児である。人とのやりとりについて、発音は全般的に不明

瞭であるが、身近な他者に対し、自ら具体物を持ってそばへ行き、関わろうとする姿が見られる。その際、

教師がA児の発話を聞き違えて応答すると、自ら具体物を指したり、

「書いてみて。

」の促しに応じて黒板に

数字を書いたりして、自分の意思等を伝えることができる場合もある。このように、A児は、具体物等を用

いて自らやりとりを始めることはできる。しかし、やりとりが始まると、教師からの問い掛けに返事やうな

ずきで答えることが多くなったり、伝えたいことのみを伝えてやりとりが終わってしまったりすることがあ

る。また、他の教師から依頼を受けて、違う教師へ伝言をする場面では、伝言すべき教師への言葉掛けをた

めらい、緊張した表情を見せるとともに、依頼された教師の言葉をささやくような声で復唱しながら伝言す

る姿が見られる。さらに、A児の発話を聞き取ることに不慣れな教師や、関わりの少ない教師から話しかけ

られると、身近な教師の顔を何度も見たり頻繁にまばたきをしたりして、戸惑う様子が見られる。また、答

えるまでに時間が掛かったり、答えられずに泣いたりすることがある。

○ 本単元は、自立活動の内容の「2 心理的な安定」の「

(2)状況の理解と変化への対応に関すること」

「3

人間関係の形成」の「

(1)他者とのかかわりの基礎に関すること」

「6 コミュニケーション」の「

(1)コ

ミュニケーションの基礎的能力に関すること」

(2)言語の受容と表出に関すること」を関連付けて構成して

いる。修学旅行の出来事について振り返る学習を通して、自分から発話で相手に意思等を伝えること、話し手

と聞き手の役割交替について理解すること、相手からの問い掛けに対し、発話で答えることができるようにな

ることをねらいとしている。

修学旅行について話すことは、A児にとって楽しく取り組める学習活動であるとともに、体験した場面が

数多くあり、印象に残っていると考えられ、やりとりをしやすいと考える。また、やりとりへの意欲をもっ

て学習に取り組むことができると考える。併せて、本単元では、2単位時間ごとに、①指導者②B教師(試

行授業でやりとりをした教師)③C教師(A児が好きな友達F児の担任)④D教師(E特別支援学校長)と、

身近な教師から関わりの少ない教師へと相手を替えながらやりとりを行う場面を設定する。相手によってや

りとりができなくなるA児が、様々な相手とやりとりができるようにするために、徐々に関わりの少ない教

師と活動を行うことで、やりとりを続けていくことができると考える。また、2単位時間ごとの活動構成を、

「伝える」

「修学旅行アルバム作り」と順に設定し、この一連の学習活動に繰り返し取り組ませる。

「伝える」

活動では、A児に修学旅行での出来事を伝えさせる。このことで、2単位時間で共有する話題の共通理解を

図るとともに、A児が伝えたい内容を相手が把握したことを理解させる。

「修学旅行アルバム作り」の活動で

は、お互いに意思等を伝え合いながら、一つの修学旅行アルバムを共同で作る活動を通して、

「話す」

「聞く」

の役割交替を理解させる。また、A児の発話を5秒程度待った後の教師の関わり方を段階的に設定すること

で、身近な教師だけでなく、関わりの少ない教師と役割交替をしながら発話でやりとりを行うことや、相手

からの問い掛けに「答える」ことができるようにしていく。

以上のように、A児が体験した事柄を基に、発話で自分の意思等を伝えることや、相手からの問い掛けに

対し、発話で答えながらやりとりを続けることは、相手と関わりながら信頼関係を築くことにつながると考

える。また、やりとりを続けられる相手が増えることは、将来A児が豊かな人間関係を築く基盤を培うこと

ができるという点でも意義深い。

○ 本単元の指導にあたっては、A児が相手とやりとりができるよう、相手や学習活動場面によって、横並びで

活動したり 90 度横向きに座ったりするなど、A児が安心できるよう座席配置等の環境づくりを行う。また、

A児が学習内容を理解しやすいよう、修学旅行の写真や、話し手と聞き手の役割交替図の提示など、情報を視

覚的に提示する。さらに、A児からの発話を引き出すために、5秒程度の待ち時間を設定する。併せて、教師

が応答する際は、A児の伝えたい意図を相手が把握したことをA児が理解しやすくさせるために、A児の発話

を繰り返して言ったり、発話内容を付箋紙に記録して可視化したりする。

このように、

A児に対して教師が受容的な関わりを行っていくことで、

A児からの発話を引き出すとともに、

相手とやりとりを続けることができるよう促していきたい。

(2)

3 個別の単元指導目標

○ 修学旅行での出来事について、自分から発話で相手に伝えることができる。 (伝えること)

○ やりとりの相手である各教師からの問い掛けに対し、発話で答えることができる。 (答えること)

4 単元指導計画(本時6/9)

5 本時

(1)日時・場所

平成○年○月○日○曜日 第○校時 ○○室において

(2)本時の指導目標

○ 修学旅行での出来事について、C教師がよく分かるように発話で伝えることができる。 (伝えること)

○ C教師からの問い掛けに対し、発話で答えることができる。 (答えること)

(3)本時指導の考え方

本時は、第3次の2時間目である。前時学習では、修学旅行での出来事を、C教師に伝えることができた。

本時では、A児がC教師とアルバム作りを行う学習活動を通して、更に詳しく発話で伝えることや、C教師か

らの問い掛けに対して、発話で答えることができるようになることをねらい、指導を行っていく。

導入では、本時学習のめあてと学習活動をつかませる。その際、これまでの学習で使用した2色の付箋紙を

提示することで、C教師にとってよく分かるように発話することへの見通しをもたせる。

展開では、アルバム作りを通して、A児とC教師がやりとりを行う場面を設定する。その際指導者は、

「お

はなしこうたい」図を提示することで、A児とC教師が役割を交替しながらやりとりを続けることを意識さ

せる。また、

「基本的なやりとりの例3」に沿ってやりとりを行わせる。その際C教師は、A児に対し、視線

を合わせて写真を指さしたり、

「話す?」と尋ねたりするとともに、A児に対し、写真についての問い掛けを

行う。その後で、A児が答えた内容に対し、

「よく分かりました。

」と応答する。このやりとりを繰り返すこ

とで、相手からの問い掛けに発話で答えることは、よく分かるように話すことにつながることを味わわせる。

まとめでは、最初に本時学習の発話回数を数えさせることで、学習活動への達成感を味わわせる。次に、次

時学習活動への見通しをもたせる活動を設定する。その際指導者は、D教師が写っている修学旅行の出発式

次 第一次 第二次 第三次 第四次 第五次 時 1 2 3 4 5 6 7 8 9 修学旅行で の出来事を 指導者に伝 えることが できる。 修学旅行の話 題について、 指導者からの 問い掛けに答 えることがで きる。 修学旅行で の出来事を B教師に伝 えることが できる。 修学旅行の話 題について、 B教師からの 問い掛けに答 えることがで きる。 修学旅行で の出来事を C教師に伝 えることが できる。 修学旅行の話 題について、 C教師からの 問い掛けに答 えることがで きる。 修学旅行で の出来事を D教師に伝 えることが できる。 修学旅行の話 題について、 D教師からの 問い掛けに答 えることがで きる。 修学旅行の話題 についてG児と やりとりをする ことができる。 写真等を見 て修学旅行 での出来事 を指導者に 言う。 指導者からの 問い掛けに答 えながら修学 旅行アルバム を作る。 写真等を見 て修学旅行 での出来事 をB教師に 言う。 B教師からの 問い掛けに答 えながら修学 旅行アルバム を作る。 写真等を見 て修学旅行 での出来事 をC教師に 言う。 C教師からの 問い掛けに答 えながら修学 旅行アルバム を作る。 写真等を見 て修学旅行 での出来事 をD教師に 言う。 D教師からの 問い掛けに答 えながら修学 旅行アルバム を作る。 修学旅行アルバ ムを基に出来事 等を言ったり問 い掛けに答えた りする。 ・横並びの座席配置(指導者) ・話題を視覚的に捉えさせる写真提示(指導者) ・5秒程度待つこと (指導者) (B教師) (C教師) (D教師) ・発話内容の繰り返し (指導者) (B教師、指導者) (C教師、指導者) (D教師、指導者) ・発話内容を付箋紙に記録して可視化 (指導者) (B教師) (C教師) (D教師) ・90 度横向きの 座席配置 (指導者) ・指導者はA児と G児の様子を把 握し、必要に応じ て言葉掛け等を 行い、やりとりを 促す。 ・お話交替図 の提示 (指導者) ・即時応答の 可能な問い掛 け(指導者) ・お話交替図 の提示 (指導者) ・即時応答の 可能な問い掛 け(B教師) ・お話交替図 の提示 (指導者) ・抽象的→具 体的な問い掛 け(C教師) ・お話交替図 の提示 (指導者) ・抽象的→具 体的な問い掛 け(D教師) ・「これは?」 と言いなが ら写真を指 さす発話の 促し (指導者) ・発話内容例 の提示 (指導者) ・視線を合わ せ写真を指さ す発話の促し (指導者) ・「これは?」 と言いなが ら写真を指 さす発話の 促し (B教師) ・発話内容例 の提示 (指導者) ・視線を合わ せ写真を指さ す発話の促し (B教師) ・「これは?」 と言いなが ら写真を指 さす発話の 促し (C教師) ・発話内容例 の提示 (指導者) ・視線を合わ せ写真を指さ す発話の促し (C教師) ・「これは?」 と言いなが ら写真を指 さす発話の 促し (D教師) ・発話内容例 の提示 (指導者) ・視線を合わ せ写真を指さ す発話の促し (D教師) 指 導 者 及 び 各 相 手 教 師 の 手 立 て 主 な 学 習 活 動 役 割 交 替 の 理 解 や り と り の 持 続 相 手 と 話 す 意 欲 ね ら い

(3)

等での写真と、A児が前時までに作成したアルバムを提示する。このことで、これまでの学習を生かしなが

ら、修学旅行での出来事をD教師に伝えることを、A児に捉えやすくさせる。その後で、A児に適当な写真

を 10 枚選ばせるとともに、修学旅行行程図に貼らせる。このことで、修学旅行の行程を想起させやすくする

とともに、D教師がよく分かるよう、できる限り全ての活動場所や乗り物などの写真を選ぶことを意識させ

やすくする。以上の活動を通して、次時学習活動やD教師とやりとりを行うことへの期待感をもたせたい。

(4)準備

①板書用掲示物(修学旅行行程図) ②付箋紙 ③「おはなしあいうえお」表

④「おはなしこうたい」図 ⑤筆記具 ⑥修学旅行写真 ⑦アルバム台紙 ⑧完成したアルバム

⑨D教師が写っている修学旅行写真

(5)展開

時間 配当 学習内容・活動

教材

教具

指導上の留意点 導 入 5 分 1 学習の始まりを知る。 ○ 始まりの挨拶をする。 2 前時学習を想起するとともに、本時学習活動と めあてをつかむ。 ○ 指導者から聞かれたことに答える。 ○ 黒板を見て、気が付いたことを言う。 ○ 「よく分かりました。」という言葉を聞く。 ○ 「おはなしあいうえお」を言う。 ○ 「おはなしこうたい」図を見て、思ったこと等 を言う。 3 本時学習活動の流れを知る。 ○ 黒板を見ながら指導者の話を聞く。 ① ② ③ ④ ・掲示物等を提示することで前時学習活動を想起させや すくする。 ・前時までと同様、付箋紙の色を分けて発話内容を記録 することを伝えるとともに、詳しく話すと「よく分か りました」と言葉掛けされることを捉えやすくさせる。 ・「おはなしあいうえお」や「おはなしこうたい」図を提 示することで、相手とやりとりを行う際に気を付ける 内容について捉えやすくさせる。 ・端的な言葉で板書するとともに、写真等を提示して可 視化することで、学習活動を捉えやすくさせる。 展 開 30 分 4 前時学習で使用した写真でのアルバム作りを通し て、C先生とやりとりを続ける。 ○ C先生を迎えに行く。 ○ C先生に挨拶をする。 ○ 写真を見て思ったこと等を言う。 ○ C先生が書いた言葉を見て言う。 ○ 写真と言葉を台紙に貼って完成させる。 ○ 次の写真を選ぶ。 ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ (指導者) ・「おはなしこうたい」図を提示したり、「おはなしあい うえお」を言わせたりすることで、役割交替をしなが らC教師とやりとりを続けることを意識できるように させる。 ・A児とC教師のやりとりを把握しながら、必要に応じ てやりとりの演示を行うことで、A児とC教師にやり とりを続けやすくさせる。 (C教師) ・別紙「基本的なやりとりの例3」に沿って行う。その 中で、5秒程度待った後にA児の発話がなかった場合、 以下のように関わることで、やりとりを続けやすくさ せる。 ・1回目:視線を合わせ「話す?」と尋ねる。 ・2回目:「話す」をC教師に交替する。 ・3回目:「次、いい?」と発話させることで、次の 写真を選ぶ活動へ促す。 ・発話が聞き取れなかった場合は、「うん?もう1回。」 の言葉掛けと身振りを示したり、聞き取れた発話を復 唱して聞き返したりすることで、相手とのやりとりに ついて、心理的な抵抗を減らし、再度発話を促す。 ま と め 10 分 5 本時学習を振り返り、次時への見通しをもつ。 ○ C先生と何回話したか数え、表に丸を書く。 ○ 前時までに話した数と比べる。 ○ 頑張って取り組んだこと等について言う。 ① ・A児の発話記録を指導者と一緒に数えて発話記録表に 記録させることで、発話の量を捉えやすくさせるとと もに、学習活動への達成感を味わわせる。 1 アルバムを つくって はなす。 2 はっぴょうする。 しゅうがくりょこうの はなしを しよう。 ○ 「話す」では、思ったこと等を話したり、 C先生が知りたいことを話したりする。 ○ 「聞く」では、C先生の話を聞く。 Cせんせいが よくわかるように はなそう。 (めあて) (まとめ) Cせんせいが よくわかるように □かい はなせた。

(4)

○ 指導者の話を聞く。 ○ D先生に話すための、「たいせつなしゃしん ベスト 10」で、写真を 10 枚選ぶ。 ○ 黒板に貼られた写真と自分が選んだ写真を見 比べながら、同じ場所に貼っていく。 ○ 指導者の話を聞き、修学旅行で行った場所や乗 った乗り物などがよく分かるような写真を選ぶ。 6 学習の終わりを知る。 ○ 終わりの挨拶をする。 ⑧ ⑨ ・D教師が写っている出発式等での写真と、完成したア ルバムを提示することで、これまでの学習を生かしな がらD教師に修学旅行での出来事を伝えることを捉え やすくさせる。 ・選んだ写真を黒板の修学旅行行程図に貼らせることで、 修学旅行の行程を想起させやすくする。また、行程図 に注目させることで、できる限り全ての活動場所や乗 り物などの写真を選ぶことを意識させやすくする。

(6)配置図

6 評価

◎よくできた ○できた △もう少し

黒 板 給食台 机 A児 C教師 ホワイボード 指導者

評価項目

評価

記述

○ 修学旅行での出来事について、C教師がよく 分かるように発話で伝えることができたか。 ○ C教師からの問い掛けに対し、発話で答える ことができたか。 基本的なやりとりの例3 ① A児 :写真を選ぶ。 (黒板或いは箱の中から) ② C教師 :「あ、これね。」 ③ A児(話す人) :「○○したよ。」 ④ C教師 :「○○したんだね。」 (記録する。) ※発話有りの場合、③④を繰り返す。 発話無しの場合のみ、⑤に続く。 ⑤ A児(話す人) :「……。」 ⑥ C教師 :5秒程度待つ。 A児の発話の有無を確認するため、 視線を合わせる。 視線を合わせ、「話す?」と尋ねる。 ※発話有りの場合、③~⑥を繰り返す。 発話無しの場合のみ、⑦に続く。 ⑦ A児 :「次、いい?」 ⑧ C教師 :「はい、分かりました。次は先生が話すね。」 (話す人をC教師に交替する) ⑨ C教師(話す人) :「この写真と、Aさんの話を聞いて、〇〇だと 分かりました。じゃあ、教えて。□□は…?」 ⑩ A児 :「□□だった。」 ⑪ C教師(話す人) :「あ、□□ね。よく分かりました。」(記録する。) ⑫ C教師 :⑤⑥と同様の関わり ※A児が発話を終える場合 ⑬ A児 :「次、いい?」 ⑭ C教師 :「はい、分かりました。」

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