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駒澤大学佛教学部論集 31 006田中 良昭・宮地 清彦「『大乗二十二問』の本文研究(一)」

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Academic year: 2021

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(1)

NII-Electronic Library Service 『

O

N工 工一Eleotronlo  Llbrary  Servloe

 

『 大 乗 二

』 は

煌 が チ ベ ッ ト 族 の 吐 蕃 に

配 さ れ た い わ ゆ る 吐

支 配 期 ( 七 八 六 − 八 四 三 ) に

が 書 面 に て 敦 煌 の 学

教 教 理 に 関 す る 二 十 二

目 の 問 を 発 し 、 そ れ に

年 の

曠 が

え た

書 と さ れ る も の で あ る 。 す な わ ち こ の

は 、 賛

の 背 景 に あ る 当

の チ ベ ッ ト の

況 と 、 返

に み ら れ る

の 学

る 上 で

重 な

と い わ れ 、 現

す る テ キ ス ト 九

は 、 す べ て 敦 煌 か ら

現 し た い わ ゆ る 敦 煌 文

で あ る

色 が あ る 。

 

に 関 し て は 既 に 一 九 三 一

聞 氏 に よ っ て そ

 

   

 

              こ の

思 想 に

心 が

た れ 、 ま た こ の テ キ ス ト そ の も の に つ い て は 、 一 九 三 七

に 久 野

隆 氏 が 「

乗 二

二 間 」 と 題 す る 論 文 を 『

究 」 】 巻 二 号 に

さ れ 、 更 に 一 九 駒 澤 大 學 佛 教 學 部 論 集 第 三 ← 】 號

 

卒 成 十 二 年 十 月 五 〇

半 に は 、

基 氏 に よ る 研 究

果 が 公 に さ れ る 等

く か ら 西 域

心 を 持 つ 研 究

に よ っ て

が な さ れ て き た の で あ る が こ の

、 そ し て そ の 門 人 の 吐 蕃    

 

   

 

   

 

   

 

            ヨ げ

す る 詳 細 に し て

部 な 研

成 果 を 発 表 し

に 大 き な

紋 を 投 げ か け た の が 上 山 大 峻 氏 で あ る 。 す な わ ち 曇 曠 に

し て は 一 九 六 四 年 、

都 大 学 人 文 科

所 の 『

』 京

三 五 冊 、 「 敦 蝗 研 究 」

号 に 、 「

曠 と

煌 の

」 と 題 す る 論 文 を

さ れ 、 後 に そ れ は 法 成 の

を は じ め と す る 敦 煌 の

す る 諸 論 考 と 共 に 、 一

九 〇

都 の 法 蔵 館 よ り 『

佛 教 の 研 究 』 と 題 す る 六 七 〇 頁 に も

ぶ 大 著 と し て

さ れ て い る 。   こ の

作 の 中 で 上 山 氏 は 、 『 大

二 間 』 に 関 し 、 ま

頭 の 五

種 に の ぼ る 口

の 図

2

に 標 題 の あ る

S

二 六 九 〇 の

部 を 、 図

3

と 奥 付 の あ る

S

二 六 七 四 の

部 を 示 し 、 次 い で 曇 曠 の 著 作 と 足

べ る 際 に 「 晩 年 と 『 大

二 九 三

(2)

NII-Electronic Library Service 『 大 乗 二 十 二 間 』 の 本 文 研 究

e

( 田 中 ・ 宮 地 ) 問 』 」 を 、

作 を 解 説 さ れ る

に 『

乗 二

二 間 』 を

、 後 者 で は 写

の 内 容 の 要 約 が 示 さ れ 、 巻

の 「

」 で は 、 八 種 の

一 に

書 を

り 上 げ 、

 

校 訂

文 」 と 「 二  

読 」 を

載 す る 等 そ の 研 究 は

を 極 め て い る 。   一 方 、 そ れ に

立 つ こ と

年 の 一 九 八 〇

の 八

、 カ ナ ダ の マ ニ ト バ 大 学 で

十 四 回

際 宗

会 が

催 さ れ 、 そ の 際 当

ア メ リ カ の ア イ オ ワ 大

で あ っ た ℃ 甲

o 芝 ( 巴 宙 ) 教

と お 会 い し 、 知 己 と な っ た 。 巴

は そ の 前 年 に 当 る 一 九 七 九

、 『

二 問 』 の 英 語 訳 註 、

校 後 記 か ら な る 、 、 > Qo 窪

○ 噛

  日 ≦   コ 蔓 宀 ≦ oO 一 巴 ○ ひq 二 Φ ゜。

8

竃 四 げ

U

三 ω 日. 『 大

二 十 二 間 之 研

』 を

北 の >

OO

曽 潯 Φ 二 賓 幻 Φ < δ 彡 で あ る . 、 日

O

置 ロ Φ ω Φ 〇 三 ε 話 の 一 冊 と し て

版 さ れ て い た の で あ る が 学 会 の あ っ た 翌

の 一 九 八 一

二 月 そ の 一 冊 を 送 付 し て い た だ き そ の

評 を 日 本 の 学

表 し て も ら い た い と の ご 依

を 受 け た の で あ る 。 し か し 当 時 の

は 、 こ の

を 読 ん だ こ と も な く こ の 書 に

す る 知 識 は 皆

し か っ た の で 、 そ の ご

に 答 え る こ と が で き な か っ た こ と を 大 変 申 し 訳 な く 思 っ て い る 。 実 は 近

、 こ の テ キ ス ト を 大

士 課

の 研

指 導 で 取 り 上 げ そ の

教 授 の 英 訳

照 さ せ て い た だ い て い る こ と を お

ら せ し た と こ ろ 、

台 湾 の 中 華 仏

か ら 改

を 出 版 し た か ら 、 是

そ れ を 参 照 す る よ う に と の ご 返

を い 九 四 た だ い た 。 そ の よ う な

で 、 こ の テ キ ス ト に

し て は 、 上 山 氏 に よ る

訂 と そ の

、 巴

氏 に よ る

と そ の 英 訳 並 び に 訳 註 が あ っ て 、 既 に 研 究 し 尽 く さ れ て い る

が な い わ け で は な い 。   と こ ろ で

大 学 院 の

導 で こ の テ キ ス ト を

り 上

る に

し 、 当

博 士 課 程 の

生 で あ っ た 現 曹 洞

研 究 セ ン タ ー

究 部 門 の 研

で あ る 宮 地 清 彦 君 に 上 山 氏 の

を ふ ま え 今 一

す べ て の テ キ ス ト の 写 真 に よ る 校 合 を 実 施 し て そ の 異 同 を 注

し 、 そ の 読 み 下 し ( 訓 読 V と 出 典 を 中 心 と し た 注 記 の 原 案 を

し て

示 す る こ と を

め 、 そ の 原

を も と に 他 の 参 加

員 に よ る テ キ ス ト の 写

の 拡 大 コ ピ ー を 用 い て の 本 文 の 異 同 の 確 認 と

の 作 成 読 み 下 し 原

典 等 の 検 討 を

形 式 で 実 施 し 、 全 巻 を

了 し た 。 そ の

更 に 、 か つ て

房 か ら 出

さ れ た く

の 語 録 V シ リ ー ズ の

裁 に な ら っ て

語 訳 の 必 要

か ら そ の 原

回 発 表 の 序 と

か ら 第

ま で の

半 は

君 に そ れ に 続 く 第

五 問 か ら 最 後 の 第 二

二 間 ま で の 後

は そ の

士 課 程 の

生 と な っ た 現 研

生 の 近

章 正 君 に

後 半 の

討 を 実 施 中 で あ る 。  

っ て

回 の 発 表 は 、

四 間 ま で の

問 毎 に 段 落 を 設 け 上 段 に

訂 文 、

段 に 読 み 下 し 文 ( 訓

) 、 下 段 に 現

語 訳 を 対 照 し て 示 し そ の

文 校 訂 の 異

を 示 す 【

異 】 、 N工 工一Eleotronlo  Llbrary  

(3)

NII-Electronic Library Service 出 典 が あ る 場 合 に は 【 出

】 、 そ し て 【

注 】 と い う 順 で 掲 載 す る こ と と し 、

に つ い て は 次 同 に 発 表 の 予

で あ る 。 こ の よ う に 本 研

半 が 私 と 宮 地 君 、

が 私 と 近

君 に よ る 共 同 研 究 の

き 形 を と っ て は い る が 、

際 は 博 士

程 の 研

導 に

し た

の 院 生 や 外 国 か ら の

員 に よ る 討

果 で あ る こ と を 付 け 加 え て お き た い 。   尚 テ キ ス ト に つ い て は 既 に ヒ 山 氏 が そ の

『 敦 煌

の 研

』 四 ニ ー 四 三

に 列 記 さ れ て い る が 、

回 の 校 定

に 際 し 、 以 下 の 記 号 に よ っ て 表 記 し て い る の で そ れ を 記 し て お く 。  

A

S

二 六 七 四

 

大 正 蔵 の 原 本 。

部 第 → 間

ま で 欠 、                   尾

。 末 尾 に 「 丁 卯

三 月 九 日 写

。 比                   丘 法 灯 書 」 の 識 語 あ り 。  

B

P

二 二 八 七

 

。 首 尾

な し 。

に 別 筆 の 「

                 

二 月

 

記 」 の

あ り 。  

C

P

二 六 九 〇

 

本 校 定 の

本 。 首

よ り 第 十 九

ま で                   の

本 。  

D

S

四 二 九 七

 

首 部 よ り 第 五 問 ま で 。  

E

: 北  

二 〇

 

首 部 ( 題 な し ) よ り

ま で 。  

F

P

二 八 三 五

V

 

首 部 よ り

ま で 。 尚 上

氏 は 「

                  一 問 の み 」 と す る 。  

G

M

一 = 二 九

 

五 問 の み 。 本 校

で は 参 照 で き ず 。         『 大 乗 二 十 二 間 』 の 本 文 研 究 日 ( 田 中 ・ 宮 地 )  

H

本 :

S

二 七 〇 七

V

 

の み 。  

1

S

四 一 五 九   第 二

二 間 の み 。 『 四 分

略 摂 頌 』 の 次                   に 連 写 。   上 山 本 :

 

 

 

 

 

上 山

訂 本 。   ま た

文 の 答 え が あ る

適 宜 区 切 っ て 【 校 異 】 【 出 典 】 【

註 】 を

え た 。 今 回 は 「

六 間 」 が こ れ に 相 当 す る 。 (

1

> 結 城 令 聞 「 曇 曠 の 唯 識 思 想 と 唐 代 の 唯 識 諸 派 と の 関 係

 

1

敦 煌 出 土 『 大 乗 百 法 明 門 論 開 宗 義 記 』 に 現 は れ た る

」   「 宗 教 研 究 』 新 八 巻 一 号 、 一 九 三 一 年 。 「 成 唯 識 論 を 中 心 と   せ る 唐 代 諸 家 の 阿 頼 耶 識 論 」 『 東 方 学 報 』 東 京 第 ] 冊 、 } 九   三 一 年 。 (

2

) 芳 村 修 基 「 〔 擬 題 ) 佛 教 初 学 入 門 書 残 巻 考

敦 煌 に お け   る チ ベ ッ ト 佛 教 の 進 展

」 西 域 文 化 研 究 会 編 『 敦 煌 佛 教   資 料 』 、 一 九 五 八 年 。 「 河 西 僧 曇 曠 の 傳 歴 」 『 印 度 學 佛 教 學 研   究 』 七 巻 ] 号、 ] 九 五 八 年 。 (

3

) ヒ 山 大 峻 「 大 蕃 國 大 徳 三 蔵 法 師 沙 門 法 成 の 研 究 」 ( 上 ) 『 東   方 学

』 京 都 第 三 十 八 冊、 一 九 六 七 年 。 ( 下 ) 同 第 三 十 九 冊、   一 九 六 八 年 。 九 五 N工 工一Eleotronlo  Llbrary  

(4)

NII-Electronic Library Service 「 大 乗 二 十 二 間 』 の 本 文 研 究

e

( 田 中 ・ 宮 地 V   な ロ   ニ

二 間                       コ   夫 至

幽 深 。 下 凡

言 該 遠 。   み き                       る 上

。 況 曇 曠 識 量 荒 塘 。 学

浅 。                           う 博

於 経 論 。

理 事 。   臥

既 久 。 所 苦 弥 深 。 気

微 。

            ら 能 登

辺 外 。 馳 恋 聖

。 深

忽 臨 。 心

驚 駭 。 将 欲

避 。 恐

力 課 。   ア 疾 苦 之

甚 深 之

。   二

二 間   夫 れ 至

は 幽 深 に し て 、

凡 に は

れ ず 。

は 該 遠 に し て 、 上

お                       こヒ つ とア つ 迷 う 。 況 や

量 は 荒 塘 に し て 、       ひ せ ん 学

な り 。 博

な る も 、 既 に

    く ら 論 に

く 、

な る も 、 又 た 理

に 迷 う 。  

に 臥 す る こ と 既 に 久 し く 、

し む   い よ                           う た   か す か                 よ 所 弥 い よ 深 し 。 気 力 転 た 微 に し て 、

              な く 登

す る こ と 莫 し 。

を 辺

し           ち れ ん       じ ん も ん     に わ て 、 聖

を 馳 恋 す 。 深

か に

み       き よ う が い て 、 心 神

駭 す 。 将 に

避 せ ん と す る           そ む も 、

課 に 負 く を 恐 れ

恭 し く

深 の

に 答 う 。 几 六   二 十 二 間  

も 勝 れ た

え は 、 ま こ と に

深 く

凡 の 者 に は 到

れ な い も の で

仏 の

. ] 凵 葉 は 遠

で あ っ て 、

の 優 れ た

で さ え

う ほ ど で あ り ま す 。 ま し て や

の 知 識 な ど は 全 く 出 鱈 目 で あ っ て 今 ま で

ん で き た 学 業 な ど も 、

な も の に                 ひ ろ し か 過 ぎ ま せ ん 。

く い ろ い ろ な こ と を

い て き た つ も り で も 、 ま だ 経 論 に つ い て は よ く 分 か っ て は い な い し 、 い ろ い ろ と 詳 し く 理

は し て き た つ も り で も 、 ま た 理 と

に つ い て は 迷 っ て い ま す 。  

床 に 臥 し て か ら 、 既 に 長 く な り 、 そ の 苦 し み も 益 ま す 深 く な っ て い ま                   な                       あ な た す 。 気 力 は 段 だ ん に 萎 え て き て 皇 帝 の

に 登 城 す る こ と も で き な く な っ て し ま い ま し た 。

を 辺 境 の 地 に 置 い て 、 皇

に 想 い を 馳 せ て い ま す 。

か ら 内 容 の 深 い

問 が 、

の N工 工一Eleotronlo  Llbrary  

(5)

NII-Electronic Library Service                   お   敢 申 狂

。 窃 効 微 誠 。 然 其 問

。 至                 り         い 極 幽

。 或 有 昔 歳 不 聞 。 所 解 者 。 以

見 而 釈 之 。

暁 者 。 以 通               な け           ロ     な ほ 理 而 暢 之 。

不 契 聖 情 。 乖 於 本 旨 。               が ロ 特 乞 哀 恕 。

衷 勤 。               の                 ひ そ   敢 え て 狂

を 申 ぶ る も 、

か に 微 誠   つ く を 効 さ ん 。 然 る に 其 の

は 、 至

幽 隠 な り 。

い は 往 年 に

て 学 ぶ こ と 有 り 、 或 い は

歳 に 聞 か ざ る こ と

り 。 解 す る 所 は 、 知 見 を 以 て 之 を 釈 し 未   あ き だ 暁 ら か な ら ざ る は 、 通 理 を 以 て 之 を の         お そ 暢 ぶ 。 懼 る る 所 は 聖

旨   そ む                                                   あ い に 乖 く こ と な り 。

に 乞 う ら く は 、 哀 じ よ             ち ゆ う き ん 恕 も て 遠 く 衷 勤 を

せ ん こ と を 。 『 大 乗 二 十 二 問 』 の 本 文 研 究 の ( 田 中 ・ 宮 地 ) と こ ろ に 下 さ れ て 、 私 の 心 の 中 は

き の 念 で い っ ぱ い で す 。 質

え る こ と を 辞

退

し よ う と 思 い ま し た け れ ど も 、 皇

か ら 賜 っ た 務 め に

く こ と を 恐 れ 、

し み の 中 で 、

か ら 問 わ れ た は な は だ 深 い 教

に つ い て 恭 し く 答 え る こ と と

し ま す 。   敢 え て

ち ば か り

き く ぞ ん ざ い な

い を 重 ね て も 、

か に 忠 誠 の 念 を つ く し て い こ う と 思 い ま す 。 し か し 、 皇

め て 奥

く 神 秘

な も の で す 。 そ こ に は

曠 が か つ て 学 ん だ

も あ れ ば 、 ま た → 方 昔 は 聞 か な か っ た こ と も 含 ま れ て い ま す 。 私 が 理

で き る と こ ろ は 、

の 知 見 に よ っ て

釈 し て い く し 、 ま だ 理 解 で き な い で い る と こ ろ は 、

一 般 に 広 ま っ て い る 教 説 に よ っ て こ れ を 明 ら か に 致 し ま す 。 私 が 恐 れ て い る の は 、 皇

の 心 に か な わ

教 え の

の 意

に 乖 く こ と で あ り ま す 。

に お 願 い 九 七 N工 工一Eleotronlo  Llbrary  

(6)

NII-Electronic Library Service 『 大 乗 二 十 二 間 』 の 本 文 研 究

e

( 田 中 ・ 宮 地 ) 【 校 異 】 ※ こ の 段 は 、

B

C

、  

は 不

と し た 。 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

1413121

10987654321

                九 八             あ な た し た い の は 、 皇

な る 思 い や り の 念 で も っ て 、 は る か に

の 真 心 を 察 し て い た だ き た い と い う こ と で す 。

D

E

F

の 五 本 の 内 、

C

と す る 。 た だ し 、

B

D

損 箇 所 が あ る た め

所 の 対

は 「 二

二 間 」 に 作 る も 、

B

D

B

E

F

は 「 惻 」 に

る も

E

は 「 智 」 を 「 知 」 に 作 る 。

E

本 は 「 曇 」 を 欠 く 。

E

は 「 於 」 を 欠 く 。

E

は 「 枕 」 を 欠 く 。

F

は 「 疾 」 の 上 に 「 虚 」 を

え る 。

F

は 「 微 」 を 欠 く 。

F

は 「 曾 」 の 下 に 「 問 」 を

え る 。

F

は 「 或

」 を

く 。

F

は 「 不 」 を 欠 く 。

E

F

本 は 「

」 を 「 精 」 に

る 。

F

は 「 偶 心

」 に

る 。

E

は 「 忠 」 に 作 る 。

E

F

は こ れ を 欠 く 。 上 山 本 に よ り 「 測 」 に 改 む 。 N工 工一Eleotronlo  Llbrary  

(7)

NII-Electronic Library Service 【

一 問 】

一 問 云 。 菩 薩 離 世 俗 之 地 。       ゑ ユ 不 向 声

。 欲

一 切 衆 生

苦 。

何 法

。                   へ         謹

。 謂 諸

夫 。 有 人 我 執 。 由

我                 ハ   つ ロ マ           か ま   め ヨ 故 。

煩 悩

溺 三 界 。

転 四 生 。 受 苦

。 莫

出 。 即 此 三 界 。

治   ぼ ヨ 可 壊 。 故 名 為 世 。 隠 覆 真 理 。 顕 現

法 。                   ま る ム   る ゾ               う 又

。 地

。 即 是 依 持 之

。 既 依 人

。 世 俗 事 成 。 故 人 我 執 。

地 。

 

一 に

う て 云 く 「 菩

は 世 俗 の 地 を

れ 、

聞 ・

に も

わ ず 。 一 切 の

生 を し て

か し め

 

   

 

    い か ん と 欲 せ ば

な る 法 を

す や 。 」  

 

    こ た           も ろ   謹 み て 対 う 、 「

も ろ の 凡 夫 と は 人 我 の

り 。

す る に 由 る が

に 、  

 

   

 

   

 

      ち ん で き 煩 悩 の

を 起 こ し 三 界 に 沈 溺 し 四 生 に 輪 転 し

を 受 く る こ と 窮 り

く 、 よ                 い 能 く 自 ら

つ る こ と 莫 き を 謂 う 。 即 ち 此 の 三 界 と は 、 治 む べ く

す べ し 。

づ け て 世 と

す 。

理 を

妄 法 を 顕 現 す る は 又 た

づ け て

と 為 す 。 地 と は 即 ち 是 れ 依 持 の

な り 。 既 に 人 に

す る に

り て 、 世

の 事

ず 。 故 に 人

を 、

俗 地 と 名 つ く 。 『 大 乗 二 十 二 間 』 の 本 文 研 究

0

( 田 中 ・ 宮 地  

一 に 問 う 、 「

薩 と は

俗 の 境 地 を

れ た も の で あ り 、

や 縁 覚 の

い を し よ う と は し な い 。

が あ ら ゆ る 衆 生 に 煩

の 苦 を

か せ よ う と す る な ら ば 、 ど の よ う な 方

を 用 い る の か 。 」          

 

   

 

  も ろ   謹 ん で お

え し ま す 、 「

も ろ の 凡 夫 と は 人 我 へ の

が あ り 、 我 に

す る こ と に よ っ て

に よ る 行 い を

こ し 、 三 界 に 沈 み

れ て し ま い 、 四 生 を へ め ぐ り 苦 を

け る こ と に 終 わ り が な く 、

ら そ の 迷 い の 世 界 か ら 抜 け 出 す こ と が で き な い の を 言 い ま す 。 つ ま り 、 こ の 三 界 と は 、

ら 治 め る べ き           こ わ も の で あ り

す べ き も の で あ り ま す 。 だ か ら

付 け て

と す る の で す 。 真 理          

 

   

 

  お し え を

し て し ま い 、 誤 っ た 法 を

す の で 、 ま た

付 け て

と す る の で す 。 地 と は 、 依

の こ と で す 。

へ の

著 に よ っ て

立 す る の で す 。 だ か ら 人

へ の 執

付 け る の 几 九 N工 工一Eleotronlo  Llbrary  

(8)

NII-Electronic Library Service 『 大 乗 二 十 二 問 」 の 本 文 研 究

0

( 田 中 ・ 宮 地 )   若 二

人 。

我 空 観 。 了

空 。 不 起 凡

漏 煩 悩 。 不 発 世

生 死 漏

。    

 

                      ム   さ   雖

世 俗 之 地 。

法 執 。 見

五 蘊       ら 生

之 法 。 執 有 世

二 界 之

。 深

生    

 

  な マ 死 。

。 不 楽 住 世 。

。   れ

聞 縁 覚 之 行 。

 

若 初 発 心

行 菩

。 自 信 己 身

法 。 知 心

。 無

境 界 。

法 。

 

        ハ   ら  

一 切

無 所

。 了 人 法 空 。 了 人 空 故 。 不

三 界 。

離 凡 夫

之 地 。 了 法 空

。 不

。 不 向

覚 之 行 。 了

法 空 。 能 離 凡 夫 二

之 行 。 名  

 

   

 

ご と   二

の 人 の 若 き は 、

空 の 観 を

し 、  

 

   

 

  さ ン   人

の 空 な る を 了 り 、 凡 夫 の

漏 ・

 

 

   

 

   

 

            カ こ 悩 を 起 さ ず 、 世 間 の 生 死 の 漏

を 発 さ ず 。 凡 夫 ・ 世 俗 の 地 を

る る と 雖 も 、 法

る に

り て 五 蘊 生 滅 の 法

る を

、 世

・ 三 界 の 苦

り と

す 。 深  

 

   

 

   

 

  ね が く 生 死 を

い 、 涅

い 求 め 、 世 に と ど ま         ぐ ん ば ん     ぐ ば つ 住 り て

品 を

す る を

わ ず 。 故 に

れ 声

・ 縁 覚 の

な り 。

 

発 心 の 修 行 の 菩

き は

ら の 己 身 に 真

の 法

る を

心 の 妄

に し て 、

に は

き を

る 。

の 法 を 修 し 、 一 切 の 相 を 離 れ 都 て

 

   

 

                    さ と

得 に し て 、 人 と 法 の 空 な る を 了 る 。 人 の 空 な る を 了 る が 故 に 、 一. 一 界 に 著 さ で す 。 一 〇 〇   も し 二 乗 の 人 で あ る な ら ば 我 が 空          

 

み で あ る と い う

方 を

人 我 が 空 で          

 

   

 

  も ろ あ る こ と を

り 、 凡 夫 の

も ろ の 煩 悩 を 起 さ

の 生 死 に

ら わ れ た 煩 悩 の

い を す る こ と は あ り ま せ ん 。 凡 夫 の

む 世 俗 の 地 か ら

れ て い る と は           も の い っ て も 法 に 対 す る

が あ り ま す       ご う ん の で 、 五 蘊 の 生 滅 す る

が あ る と 見 、 世

や 三 界 の 苦 が あ る と 執

し て い る          

 

   

 

  い と の で す 。 深 く 生 死 の

を 厭 い 、 涅 槃 の          

 

  と ど ま

を 求 め

っ て 、

く の 入 達 を

し よ う と は し な い の で す 。 こ れ を

や 縁 覚 の 行 と い う の で す 。  

発 心 の 段

に い て

行 し て い る 菩 薩 で あ る な ら ば 、

ら の

の 中 に 真 如 の 法 が あ る こ と を

じ て お り 心 が 妄 想 に よ っ て 動 く の で あ り 、

に は

俗 の 境 界 が 存

し な い と い う こ と を 覚 一 知 し て い る の で す 。 ( 菩 薩 は )

の 法 を N工 工一Eleotronlo  Llbrary  

(9)

NII-Electronic Library Service 菩 薩 行 。                         ぷ           ま い   故 維

経 云 。

凡 夫

賢 聖 行 。      み   り 是

薩 行 。 此 菩 薩 行 。

如 。 離 一 切

。 一 切 分 別

俗 之 地 。 不

声 聞 縁 覚 之

為 衆 生 説 如 是 法 。             ロ

一 切 煩 悩 之 苦 。 故

一 切         の 相 。 即 是 此 中 所 作 法 也 。 ず 。

夫 ・ 世 俗 の 地 を

る 。

の 空 な る を 了 る が 故 に 涅 槃 を

。 声 聞 ・ 縁

に も 向 わ ず 。 人 と

の 空 な る を 了 り 、

く 凡 夫 ・ 二

を 離 る る を 、

の 行 と 名 つ く 。   故 に 「

』 に 云 く 〈 凡 夫 の 行 に も

ず 、

聖 の 行 に も

是 れ 菩

の 行 な り V と 。 此 の 菩 薩 の 行 は 、 真 如 に 契 順 す 。 一 切 の

、 一 切 の 分 別 を

る る が

凡 夫 ・ 世

の 地 を 離 れ 、

の 行 に も 向 わ ず 。 能 く

生 の

き 法 を

き て 一 切 の

の 苦 よ り 離 れ し む 。 故 に

『 大 乗 二 十 二 間 』 の 本 文 研 究

O

( 田 中 ・ 宮 地 ) 修 し て お り そ れ 故 に 一

の 姿 か た ち を

れ 、 す べ て

で あ っ て 、 人 も も の 法 も 空 で あ る こ と を 悟 っ て い る の で す 。 つ ま り 人 が 空 で あ る こ と を

っ て い る の で 、 三 界 に あ っ て 執 著 す る こ と は な く 、 凡 夫 や 世 俗 の 人 び と の

地 を 離 れ て い る の で す 。 ま た

が 空 で あ る こ と を

っ て い る の で 、 涅

を む や み   ね が   、 に

う こ と も な く

の ひ と り よ が り な 行 を し よ う と も し な い の で す 。 人 も 法 も 空 で あ る こ と を

凡 夫 や 二

の 行 を 離 れ て い る の を 菅 薩 の

付 け る の で す 。   だ か ら 「

摩 経 』 に は 次 の よ う に

わ れ て い ま す 〈 凡 夫 の

で も な い し 、

れ た 聖 者 の 行 で も な い 、 こ れ こ そ が 菩

で あ る 〉 と 。 こ の

の 行 こ           か な ぞ が

に 契 っ て い る の で す 。 全 て の 姿 か た ち 全 て の 思

を 離 れ て い る か ら こ そ 、 ( 菩 薩 は ) 凡 夫 や

俗 の 人 び と の 境 地 を

れ 、 声

や 縁

一 〇 「 N工 工一Eleotronlo  Llbrary  

(10)

NII-Electronic Library Service 『 大 乗 二 十 二 間 』 の 本 文 研 究

e

( 田 中 ・ 宮 地 ) 一 切 の

る る は 、 に

す 所 の 法 な り 。 」 即 ち

れ 此 の

〇 二 を し よ う と す る こ と も な い の で す 。

                              お し え 生 の た め に 今 ま で 述 べ て き た よ う な 法 を

い て あ ら ゆ る

の 苦 し み か ら

れ さ せ る こ と が で き る の で す 。 だ か ら

を 修 し て 、 あ ら ゆ る 姿 か た ち か ら

れ る の が 、 こ の

で な す べ き こ と な の で す 。 」

N工 工一Eleotronlo  Llbrary  Servloe

異 】 ※ こ の

B

C

D

E

F

の 五

及 び

よ り

A

わ り 、   該 当

所 の 対 校 は 不

と し た 。 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

1110987654321

F

F

F

B

A

A

F

A

E

は 「 聞 」 を 欠 く 。 「 生 」 を 「

」 に 作 る 。 「 壊 」 を 「

」 に 作 る 。 「 依 」 を 「 於 」 に 作 る 。 「 依 人 執 」 よ り 始 ま る 。 「 之 法 」 の 二 字 を 欠 く 。 「 涅

」 ま で で 擱 筆 す 。 「 故 是 」 を 「 是 故 」 に

る 。 「 非 」 を 欠 く も

A

B

D

、 「 行 」 を 欠 く 。 「 灯 」 に

る も

A

B

D

E

に よ り

う 。

C

と す る 。 た だ し

D

は 破

箇 所 が あ る た め

E

に よ り 「 悩 」 に

む 。

(11)

NII-Electronic Library Service ※

12

 

A

は 「

」 を 「 此 是 」 に

る 。 【

】 [

1

 

 

経 』 巻 中 ・ 文

品 第 五   文 殊

。 彼

疾 菩

応 如

法 。 又 復

苦 空 非

。 是

為 慧 。 雖 身

益 一

而 不 厭

。 是

便 。 又 復

不 離

身 。 是

是 身

非 故 。 是 名

滅 。 是

便

。 文

利 。 有 疾 菩 薩 応

調

心 不 住 其

。 亦 復

不 調 伏 心 。 所 以

。 若

不 調 伏 心 是

人 法 。

住 調 伏 心 是

法 。

故 菩 薩 不 当 住 於 調

不 調

心 。 離 此 二 法 是 菩 薩 行 。

於 生 死 不 為 汚

於 涅

不 永

菩 薩 行 。

凡 夫 行

。 是 菩 薩 行 。 ( 大 正

一 四 ・ 五 四 五 頁

N工 工一Eleotronlo  Llbrary  Servloe 【 語 註 】 〈 註

1V

… … 個 人 存

と し て の 我 。 わ れ わ れ の 身

の う ち に

在 す る と 妄 想 さ れ る 実 体 我 。 〈 註

2

> 三

… … 欲 界 ・ 色 界 ・ 無 色 界 の こ と 。 〈 註

3

> 四 生 … … 胎 生 ・

生 ・ 湿 生 ・ 化 生 の こ と 。 〈 註

4V

… … よ り ど こ ろ 。 〈 註

5V

… … 色 ・ 受 ・

・ 識 の こ と 。 〈 註

6

所 得 … … 何 も の に も と ら わ れ ぬ 自

地 。                       セ ワ ス さ     【

】 第 二 間 云 。 又 不 退 入

菩 薩 。 内 所 思 意 。 外

現 。

内 修 第 一 行 法 。 何 是 外

一 法

何 。  

二 に 問 う て 云 く 「 又 た 不 退 入

の 菩

に 思 意 す る 所 、 外 に

に 顕 現 す 。 法

に て 、

に 第 一 の

    い ず す 。

れ か 是 れ

の 行 な る や

一 の 『 大 乗 二 十 二 問 』 の 本 文 研 究

0

( 田 中 ・ 宮 地 )   第 二 に

「 ま た

退

位 に 入 っ て

行 す る

薩 は 自 ら の 心 内 で 思 う こ と を 、

の 上 に 顕 わ す こ と が で き る 。 様 ざ ま な 行 法 の 中 で 、 心 内 に て

一 の 一 〇 三

(12)

NII-Electronic Library Service 『 大 乗 二 十 二 問 』 の 本 文 研 究

0

( 田 中 ・ 宮 地 )                     ヨ   謹 対 。 所 問 深 遠 。

意 難 知 。

述 両

。 以 通 妙

。   第 一 釈 云 。 夫 云

退 。 総 有 三

。 一 信 不 退 。 即 十 住

信 己 身

法                 ヰ

動 念 。 是 本 源

。 由

。 決 定

仏 。 深 信 解 故 。 分

定 不 退 。             う 大 乗 正 信 。 心 亦 不 退

。 趣 入 二

現 。 化 作 仏 身 。 八 相 成 道 。

。 由 得

信 。 成

。 故 此

薩 。

信 不 退 。           い か 法 と は 是 れ

ん 。 」         こ た   謹 み て

「 問 う 所 は 深 遠 に し て 、 文 意 は 知 り 難 し 。 須 く

を 述 べ 、 以 て 妙

に 通

べ し 。  

一 に

し て 云 く 、 〈 夫 れ 不 退 と 云 う は 、 総 じ て 三

り 。 一 に

不 退 と は 、                     み ザ か 即 ち

め に て 、

ら 己

如 ・ 法

り て

を 動 ず る こ と

き を 信 ず 。

源 の 心 に し て 此 の 性 を 有 す る に

り て 決 定 し て

仏 す 。 深 く

解 す る が

真 如 を 分 証 し て 決 定 し て 不

退

な り 。 大 乗 を 正 信 せ ば 心 も 亦 た 不

退

な り 。 二

に 趣 入 し

  よ     か り                                           な た 能 く

に 現 わ れ 、

し て 仏 身 と 作 り、 八

す る は 、 衆 生 を

す る

な り 。

る に 由 り て 、 此 の

を 成 ず 。 故 に 此 の 菩

不 退 と

つ く 。 . 〇 四

を 修 す る の で あ る 。 な ら ば 、

の 身 の 行 な の か そ し て 第 一 の

と は → 体 何 な の か 。 」  

ん で お

え し ま す 「 あ な た が

し て い る 内 容 は 、 と て も

深 い も の で あ っ て 、 文

の 意

す る と こ ろ は 、 な か な か 理 解 す る こ と が で き ま せ ん 。 そ こ で 私 な り の 二 つ の

を 述 べ 、 そ れ で

問 の 趣 旨 に 通 ず る よ う に し た い と 思 い ま す 。  

一 の 解

を 述 べ ま し ょ う 〈 不 退 に つ い て は 全 部 で 三

の も の が あ り ま す 。 一 番 目 の

不 退 と は 十 住 の

に あ っ て 、 自 分 の

が あ り 念 の 動 く こ と が

い の を

じ る こ と で す 。 こ れ は

源 の 心 で あ り こ の 法 性 を 持 っ て い る こ と に よ っ て 必 ず 成 仏 で き る の で す 。 こ れ を 深 く 信 じ て い る か ら 、

を は っ き り 悟 っ て 必 ず 不 退 の 境 地 に 到 る の で す 。 大

を 正 し く 信 じ る な ら ば そ の 人 の N工 工一Eleotronlo  Llbrary  

(13)

NII-Electronic Library Service   二 証 不 退 。 即 初 地 位 。

障 。 正

。 一

能 至 百 仏 世 界 。 供 養 百 仏 。         も           な ア

法 輪 。

導 群 生 。

。 離 分 別 故 。 不 起 ] 切

過 失 。           き ま ヨ  

不 退 失 真 無 漏 心 。 故 此

。 名 証 不 退 。   二 に 証 不 退 と は 、 即 ち 初 地 の

に て 、 分 別 の

を 断 じ 、 正 に

を 証 す 。 一

も て

く 百 仏 の

に 至 り 、 百 仏 を                       こ 供

す 。 法 輪 を 転 ず る を

わ ば 群 生                 ば つ さ い を

導 し 含 識 を

す 。

如 を 証 す る に 由 り て 分 別 を

る る が 故 に 、 一 切 の 煩 悩 の 過 失 を 起 こ さ ず し て 、 永 く 真 の 無 漏 の 心 を 退 失 せ ず 。 故 に 此 の 菩 薩 を 証 不 退 と

つ く 。 「 大 乗 二 十 二 問 』 の 本 文 研 究

e

( 出 中 ・ 宮 地 ) 心 の 中 も 不 退 転 な も の と な り ま す 。 そ の よ う な 人

は 二 乗 の

達 の

へ 赴 き 仮 に 姿 を 現 わ し 自 分 の 身 を

身 に 変 え 仏 の 生 涯 の 八 つ の 姿 を 示 し て

道 す る の が 、 衆 生 を 利 益 す る こ と な の で す 。

か な 信 を

る こ と に よ っ て こ の よ う な 仏 の

能 を

就 す る の で す 。 だ か ら こ の 菩 薩 を 信 不 退 と

付 け る の で す 。   二 番 目 の

退 と は 、

地 の

地 の 位 に あ っ て 、

に よ る

害 を

ち 切 り 、 正 し く

る こ と で す 。 わ ず か 一 念 を

こ せ ば 、 百

の い る

界 に 至 り 、 そ こ で 百

を 供

す る こ と が で                           こ き ま す 。 法

る こ と を 請 え ば 、 多 く の

生 を

き 、 衆 生 を

済 す る こ と が で き ま す 。 真

を 悟 る こ と に よ っ て 分 別 を 離 れ る の で あ る か ら 、 全 て の 煩 悩 に よ る 過 失 を 起 こ す こ と な く 永 遠 に 真 実 の 無 漏 の 心 を 失 う こ と が あ り ま せ ん 。 だ か ら こ の 菩 薩 を 証 不 一 〇 五 N工 工一Eleotronlo  Llbrary  

(14)

NII-Electronic Library Service 『 大 乗 二 十 二 間 』 の 本 文 研 究

O

( 田 中 ・ 宮 地 )                 ゆ へ ゐ                 り   三 行 不 退 。 即 入 八 地 。

運 住 。 純 ム   ヨ     ロ                                 ゑ ロ

相 心 。 在 法

。 任 運 而

。 刹 那 刹           ロ 那 。 万 行 倍 増 。 外 雖

化 。

相 。

雖 無 動 。 外

窮 。 由 不

退

故 。 此 位 菩

。 名

不 退 。   今 此 文 中 。

不 退

。 即

不 退                       な は

。 言 入 行

。 行 謂

位 。 即 入 此 三 不 退

也 。 此

菩 薩 。

。 為 化

生 。

用 。

顕 現 。 即 彼 所

行 。

      ほ

一 行 法 。   三 に 行 不 退 と は 、 即 ち 八 地 に 入 り 、               も つ ば

に 任 運 に 住 し 、

相 の 心 た り 。     し り ゆ う 法 の 駛 流 に 在 り て 、

運 に し て 転 じ 、

刹 那 に 万 行

す 。 外 に 化 の 起 こ る と 雖 も 不 動 に し て

相 な り 。 内 に 無 動 な り と 雖 も 、

の 化 は 無 窮 な り 。 退 動 せ ず

の 行 な る に 由 る が

に 、 此 の

の 菩 薩 を

退

つ く 。   今 、 此 の 文 中 、 不

退

う は 即 ち 此 の 三

の 不 退 の 人 な り 。 入 行 と 言 う は 、

は 行 位 を

い 、 即 ち 此 の 三 の 不 退                         も ろ の 位 に 入 る こ と な り 。 此 の

も ろ の 菩                         い ぎ よ う 薩 の 、

心 に 所 有 す る 思

・ 意 楽 は 、 衆 生 を

せ ん が 為 に 、

用 を 起 す な 一 〇 六 退 と 名

け る の で す 。   三 番 目 の

不 退 と は 、

地 の 内 の 八 地 に 入 り 、 い つ も あ る が ま ま の 世 界 に 任 せ 、

相 の 心 な の で す 。 あ ら ゆ る も の が

い 流 れ で

り 変 わ る 中 に あ っ て 、 そ の 流 れ に

せ て み ず か ら を 転 じ

一 瞬 に お い て あ ら ゆ る 行 の 功 徳 が 倍

す る の で す 。 外 に は

化 が 起 き て も 、

心 は 動 ず る こ と な く

な の で す 。 内 心 が

じ な い と い っ て も 、 外 の 変 化 は

ま る こ と が な い の で す 。 後 戻 り す る こ と の な い 無 相 の 行 で あ る か ら し て 、 こ の

に あ る 菩 薩 を

退

と 名 付 け る の で す 。   今 こ の

て く る 不 退 と い う の は こ れ ら の 三 つ の 不 退 の 位 に い る 人 の こ と で す 。 入

と い う の は 、

は 修 行 の 階

の こ と で あ り す な わ ち こ れ ら の 三 つ の 不 退 の 位 に 入 る こ と を

        も ろ い ま す 。

も ろ の 菩 薩 が 内 心 に 抱 い て N工 工一Eleotronlo  Llbrary  

(15)

NII-Electronic Library Service  

云 。 言 不 退 者 。 即 不 動 也 。

  ハ ぜ ら ソ                 ぷ バ 心 無

。 名 為 不 動 也 。

不 動

中 。

為 不 退 入 行 菩 薩 。

心 所

        ゑ ロ 意

。 行 住 坐 臥 。 常 現 在

。 所

。 是 故

為 外 身 顕 現 。 而

無 相

行 。 常 不

念 。 名 為 内

第 一

法 。 り 。 是 の 故 に

づ け て 外 に

に 顕 現 す と 為 す 。 即 ち

す る

の 無 相 の

行 を

づ け て

一 の

法 を 修 す と 為 す V と 。  

二 に 釈 し て 云 く 、 〈 不 退 と

う は 、 即 ち 不 動 な り 。

し 心 の

な ら ば 、 名 づ け て 不 動 と

す な り 。 若 し 無 念 の 不 動 の

中 に 至 ら ば 、

づ け て 不 退 入 行 の 菩

す な り 。

心 に 所 有 す る 思

楽 は 、

坐 臥 常 に 前 に

り て

す る

に 現 わ る 。

の 故 に 名 づ け て

に 顕 現 す と 為 す な り 。 而 し て 其 の 内 に 無

の 妙

し 、 常 に 念 を 動 か さ ざ る を 名 づ け て

に 第 一 の 行 法 を

す と

す な り 〉 。 」 『 大 乗 二 十 二 間 』 の 本 文 研 究

H

( 田 中 ・ 宮 地 )           お も い る

え や 意 い は 衆 生 を

化 す る た め に 、

に 向 か っ て 作 用 を

こ す の で す 。 だ か ら 、 こ れ ら を

け て 外 に 身 に 顕 現 す と す る の で す 。 す な わ ち

ら が

め る

相 の 妙

の こ と を

け て 内 に

一 の 行 法 を

す と す る の で す 〉 と 。   第 二 の

釈 を 述 べ ま し ょ う 、 〈 不 退 と い う の は 、 す な わ ち 不 動 と い う こ と で す 。 も し 心 が 無 念 で あ る な ら ば 、

け て 不 動 と す る の で す 。 も し 無

で あ る 不 動 の

を 行 ず る に 至 る な ら ば 、

け て 不 退 入 行 の 菩 薩 と す る の で す 。 (

も ろ の

薩 が )

心 に 抱 い て い る

え や 意 い は 、 行 住 坐 臥 の 一 挙 手 一

足 の 上 に い つ も 存

し て い て 、

し て い る そ の 行 の 中 に 現 わ れ る の で す 。 だ か ら

け て

に 身 に 顕 現 す と す る の で す 。 逆 に 心 の

に 無 相 の 妙

い つ も 念 を 動 か す こ と が な い の を 、 名 付 け て

一 の 行 法 を

す と す る 一 〇 七 N工 工一Eleotronlo  Llbrary  

(16)

NII-Electronic Library Service 『 大 乗 二 十 二 問 』 の 本 文 研 究 日 ( 出 中 ・ 宮 地

異 】 ※ こ の 段 は

A

B

C

D

E

の 五

の 内

C

本 を 底

と す る 。   は

損 箇 所 が あ る た め 該 当

校 は 不 能 と し た 。 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

1716151413121110987654321

の で す 〉 。 」 冖 〇 八 た だ し

E

途 ま で で 以 下 を 欠 く 。 ま た

A

B

D

B

D

本 は 、 云 」 を

く 。

E

は 「 又 」 を

く 。

D

E

本 は 、 「 文 」 を 「

」 に 作 る 。

は 「 原 」 に

る も

A

B

D

E

本 に よ り 「 源 」 に 改 む 。

B

E

は 「 心 」 を 欠 く も

A

D

本 に よ り 補 う 。

E

は 「 論 」 に

る 。

D

E

本 は 「 道 」 に 作 る 。

本 は 「 真 如 」 に

る も 、

A

B

D

E

本 に よ り 「

」 に 改 む 。

E

本 は 「 入 」 を 欠 く 。

A

は 「 軍 」 に 作 る 。

A

D

本 は 「

」 に 作 る 。

A

は 「 軍 」 に 作 る 。

E

本 は 「 位 」 に

る 。

D

本 は 「 位 」 を

く 。

E

本 は 「

謂 行 」 ま で で 以 下 を 欠 く 。

A

D

本 は 「 法 行 」 に 作 る 。

本 、

B

D

は 「

」 を

く も

A

本 に よ り

う 。

B

は 「 往 」 に 作 る 。 N工 工一Eleotronlo  Llbrary  

(17)

NII-Electronic Library Service 【

註 】 〈 註

1

> 不

退

… … 不 退

の こ と 。

退

く こ と の な い 悟 り の

地 。 〈 註

2V

十 住 … … 菩

の 修 行 す べ き 五

二 の 段 階 の う ち 、

か ら 第 二

ま で を さ す 。 心 を

実 の 空 理 に 安

す る と こ ろ 。 〈 註

3

> 無 漏 … …

の 無 く な っ た

地 。 〈 註

4V

八 地 … … 菩

の 修 行 す べ き 五

二 の 段 階 の う ち 、 第 四 十 一 か ら 五

ま で を

地 と い う 。 す な わ ち

地 ・  

 

発 光 地 ・

慧 地 ・ 難 勝 地 ・ 現

・ 遠 行 地 ・ 不 動 地 ・

慧 地 ・ 法 雲 地 の

。 こ こ で は そ の 八 番 目 の

地 を い う 。 〈 註

5V

… …

の 相 を 離 れ て い る こ と 。  

 

   

 

    お も 〈 註

6

> 無

… … 念 い に と ら わ れ の な い こ と 。

N工 工一Eleotronlo  Llbrary  Servloe

三 問 】 第 三 問 云 。 ゑ  

。 行

。 修

。 従 初 至  

身 口

。 須 戒

恵 。  

。 復

三 種 。 一

。    

 

    ハ   ユ  

口 意 所

十 悪 。 二 摂

戒 。 即

   

 

ゑ コ     き ヱ   口

所 修

善 。 三 摂

。 即

生 。

此 三

。 即

身 口 意

。   第 三 に 問 う て 云 く 、 「 身 口 意 を 修 す る に は 初 め よ り 至 る に 修

す る に は 、        

 

い か ん 行 ず る こ と

。 」   謹 ん で 対 う

す る に は         も ち 戒 定 恵 を 須 う 。            

 

   

 

ま  

を 修 す る と 言 う は 、

た 三

り 。 一 に は 摂 律 儀

、 身 口 意 の

す る 所 の 十 悪 を 離 る る こ と な り 。 二 に は 摂 善 法 戒 即 ち 身 口 意 の 修 す る 所 の 十 善 を

ず る こ と な り 。 三 に は 摂

即 ち 十

を 行 じ 、

生 を

益 す る こ と な り 。 『 大 乗 二 十 二 問 』 の 本 文 研 究

e

( 田 中 ・ 宮 地 )  

三 に

う 、 「

口 意 の 三

め る の に 、

か ら

わ り ま で 修 行 す る に は 、 一 体 ど の よ う に

じ た ら い い の か 。 」   謹 ん で お

え し ま す 「 身 口 意 を

め る に は 、

を 用 い る の で す 。   戒 を 修 め る と い う の は ま た 三

あ り ま す 。 一 に は

で 、

に 有 る 所 の

れ る こ と で す 。 二 に は

凵 意 の

め る べ き 十 善 を 行 う こ と で す 。 三 に は 摂

で 、

善 を

生 を 利 益 す る こ と で 一 〇 九

(18)

NII-Electronic Library Service 『 大 乗 二 十 二 間 』 の 本 文 研 究

e

( 田 中 ・ 宮 地 )  

定 者 。 身 定 。

跏 趺 坐 。 不                               ぼ ヨ 低 不

不 傍 不 側 。

云 。 見 尽

        セ る ぼ う

王 尚 驚

人 。

坐 不 ロ     ロ 傾 動 。                   ヨ レ   ロ 定 。

即 言

的 。

応 。 心 口 皆 順 。

正 邪 。 令

信 。 此 の 如 く の 三

を 修 行 す る こ と 、 即 ち

め に

口 意 を

す る こ と な り 。  

を 修 す る と 言 う は 、 身 の

と は 、                             た か 即 ち

坐 を 謂 う 。 低 か ら ず 、 昂 か       そ ば               か た む ら

傍 だ た

側 か ざ る な り 。 故 に 「 経 偈 」 に 云 く 、 〈 跏

を 見 尽 く さ                     い か ば

王 尚 お

す 。 何 に 況 ん や 入

の 人 の 端 坐 し て 傾 動 せ ざ る を や V と 。                           じ ゆ ん て き   口 の 定 と は 、 即 ち

る が 准 的 な る を 謂 う 。

と 行 と

応 せ ば 心 も 口                         よ も 皆 な 順 ず 。

く が

く に 能 く 行 じ 、                               か い 行 ず る が 如 く に 能 く

か ば 正 邪 を

じ よ う 定 し 物 を し て

せ し む る な り 。               一 一 〇 す 。 こ の よ う に 三 聚 浄 戒 を

す る こ と こ そ 、

初 の 段

で 身 口 意 を

め る こ と な の で す Q  

を 修 め る と い う の は ( 以 下 の

り で あ り ま す 。 V

ず 身 の

と は

坐 を 言 う の で す 。 そ れ は

姿

勢 が

く         た か も な く 昂 く も な く 、 寄 り か か る こ と も な く

い た り も し な い こ と で す 。 だ か ら 「

」 に 言 い ま す 、 〈 結

坐 を し た 像 を

て し ま っ た な ら ば 、

王 で さ え も

れ お の の い て し ま う 。 ま し て 入 道 の 人 が

坐 し て

け ず 動 か さ な け れ ば 、

更 で は な い か 〉 と 。   口 の 定 と は 、

に し た こ と の

現 す る こ と が 標 準 で あ る こ と を 言 い ま す 。 言 葉 と 行 い が 一 致 す る な ら ば 、 心 も 口 も 皆 な 順

す る の で す 。 言

通 り に よ く 行 い 、

い の 通 り に よ く

く こ と が で き る な ら ば 正 と 邪 を は っ き り さ せ 、 人 び と を 帰 信 さ せ る の で す 。 N工 工一Eleotronlo  Llbrary  

参照

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〔付記〕

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【対応者】 :David M Ingram 教授(エディンバラ大学工学部 エネルギーシステム研究所). Alistair G。L。 Borthwick

山本 雅代(関西学院大学国際学部教授/手話言語研究センター長)

向井 康夫 : 東北大学大学院 生命科学研究科 助教 牧野 渡 : 東北大学大学院 生命科学研究科 助教 占部 城太郎 :