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平成15年度 SATプロセス自己評価レポート

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原子力発電所運転員の教育・訓練指針

JEAG4802-201X

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原子力発電所運転員の教育・訓練指針

目 次

1.目的 ... 1 2.適用範囲 ... 1 3.用語の定義 ... 1 4.教育・訓練の考え方 ... 4 4.1 教育・訓練の基本方針 ... 4 4.2 SAT プロセスを運用・管理する組織と責務 ... 4 4.3 教育・訓練の責任箇所等を定めるべき事項 ... 5 4.4 SAT に基づく教育・訓練の進め方 ... 5 4.4.1 業務及び教育・訓練に対する分析 ... 7 4.4.2 教育・訓練プログラムの設計 ... 14 4.4.3 教育・訓練用資機材の開発 ... 21 4.4.4 教育・訓練の実施 ... 24 4.4.5 教育・訓練の適正化 ... 26 5.教育・訓練マニュアルに定めるべき事項 ... 30 5.1 教育・訓練の責任及び実施箇所 ... 30 5.2 運転員の技術レベル・認定及びインストラクタの資格 ... 30 5.3 教育・訓練計画及び実施の報告 ... 30 5.4 教育・訓練実施及び評価の記録並びに記録の管理方法 ... 30 5.5 評価結果の反映 ... 31

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解説 ... 32 附属書A(参考)SAT プロセスを運営するための体制の例 附属書B(参考)原子力発電所運転員の技術レベル例 附属書C(参考)DIF ファクターのランク分類と教育・訓練必要性判断表の例 附属書D(参考)知識・技能等リストの例 附属書E(参考)必要な知識・技能等を習得させるための教育・訓練の具体例 附属書F(参考)試験問題分析手法の例 附属書G(参考)運転員の長期的な養成計画の例 附属書H(参考)学習計画の具体例 附属書I(参考)筆記試験における問題作成時の注意事項の例 附属書J(参考)評価基準と評価の例 附属書K(参考)運転員の認定及び認定方法の例 附属書L(参考)参考文献リスト 別紙 別紙-1 教育・訓練の進め方(本文図4.4 再掲)

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1. 目的

本指針は,原子力発電所の運転に必要な知識・技能等を運転員に付与するために事業 者が実施する教育・訓練について,その準備,実施,力量確認,並びに効果の確認のため に取るべき措置について定めることを目的とする。

2. 適用範囲

本指針は,原子力発電所運転員に必要な知識・技能等を運転員に付与するために,事業 者が実施する教育・訓練に適用する。 ただし,本指針に規定されていない運転員の教育・訓練の内容あるいは方法が,原子力 発電所の運転に必要な知識・技能等の維持・向上に有益なものであれば,本指針は事業者 がそれを実施することを妨げるものではない。その場合,事業者は教育・訓練の考え方,進 め方及び本指針に則らない理由を明確にする。

3. 用語の定義

本指針で用いる主な用語の定義は,以下に示すとおりである。 a) 原子力発電所 発電用原子炉〔沸騰水型軽水炉(以下,「BWR」という。)又は加圧水型 軽水炉(以下,「PWR」という。)〕施設を設置した事業所をいう。 b) 運転訓練センタ 株式会社 BWR 運転訓練センター又は株式会社原子力発電訓練セン ターをいう。 c) 事業者 発電用原子炉を設置している電気事業者,及び運転訓練センタをいう。 d) 運転員 実用発電用原子炉の設置,運転等に関する規則(以下,「実用炉規則」という。) 第87 条第 1 号の規定による発電用原子炉の運転に必要な知識を有する者をいう。 e) 運転員のクラス 運転員の職務内容と技術水準に応じた教育・訓練を実施するため,運 転員を職務に応じて分類したクラスをいう。クラスの例として,本指針では次に定義する初 級運転員,中級運転員,上級運転員の 3 クラスに分類するが,実際に運用する場合は各 事業者の定めによる。 f) 初級運転員 原子力発電所の基礎知識及び補機設備の運転に関する知識・技能等を有

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j) SAT(Systematic Approach to Training) ある業務の遂行に必要な知識・技能等を分析し, これを付与するための教育・訓練を開発及び実施し,その後教育・訓練の評価を行うという 一連の流れを体系的に整理した教育・訓練手法をいう。これら一連の流れをSAT プロセス ともいう。 k) 教育・訓練プログラム 教育・訓練の目的及び範囲,教育・訓練を実施及び管理する方 法等を定め,関連する内容の教育・訓練を体系的に構築したものをいう。 l) 教育・訓練マニュアル 体系的教育・訓練手法に基づく教育・訓練に必要な措置を文書 化したものをいう。 m) 業務(Job) 運転員として各人が初級運転員,中級運転員,上級運転員といったクラス に応じて遂行する職務の集合体と責任のことをいう。 n) 職務(Task) 業務を構成する仕事のことで,業務の内容を具体的に示したものをいう。 業務を構成する仕事の例として,上級運転員の職務には,指揮命令,中央制御室外部へ の通報連絡,初級運転員及び中級運転員の教育・訓練等がある。

o) 知識・技能等(KSA, Knowledge,Skill and Attitude) 運転員が業務を遂行する上で必要 となる知識・技能であって,当該業務に対する態度も含まれる。

p) KSA カタログ 運転員が業務を遂行する上で必要となる知識・技能等を整理したものをい う。

q) OJT(On the Job Training) 指導者の監督下で実務を通じて行う教育・訓練をいう。 r) シミュレータ 発電用原子炉及びその附属施設の技術基準に関する規則(平成 25 年原 子力規制委員会規則 第6 号)第 38 条第 2 項に規定する装置を模擬し,発電用原子炉 の運転の訓練のために使用する設備をいう。 s) 発電用原子炉設置者訓練施設 発電用原子炉設置者が有するシミュレータ及びそれに 付属した教室等から構成される施設並びに運営組織をいう。 t) インストラクタ 運転訓練センタ又は発電用原子炉設置者訓練施設において,運転員に 対し原子力発電所の運転に必要な知識・技能等を習得させるための講義,シミュレータに より原子力発電所の運転,事故時における状況判断及び事故に際して採るべき措置に関 する教育・訓練並びにその講義や教育・訓練の結果の評価(以下,「インストラクタ業務」と いう。)を行う者をいう。 u) 講師 運転員の教育・訓練で指導を行う者のうち,上記インストラクタ以外の者をいう。 v) 受講者 教育・訓練に参加し,講師・インストラクタの指導を受ける者をいう。 w) 資格 定められた業務を遂行するために必要な条件であって,教育・訓練の実績及び運 転業務の経験等をいう。 x) 運転マニュアル 原子力発電所の通常時及び異常時における運転操作を規定するマニ ュアルとして挙げられる,「起動・停止運転マニュアル」,「設備別運転マニュアル」,「異常 時運転マニュアル」,「警報処置マニュアル」,「定期試験マニュアル」等をいう。

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y) 異常時運転操作 事象ベース,徴候ベース(安全機能ベース)及びシビアアクシデントの 対応操作のことをいう。なお,徴候ベースはBWR プラント,安全機能ベースは PWR プラ ントを対象として制定されたものをいう。

z) JTA(Job and Task Analysis) 業務(Job)や職務(Task)の詳細なリストを作成するため の分析をいう。

aa) JIT(Just-In-Time Training) 作業を実施する直前に必要な知識・技能をリフレッシュす るために行われる教育・訓練のことをいう。

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4. 教育・訓練の考え方

事業者はSAT に基づいて,運転員の教育・訓練の基本方針,教育・訓練に係る組織の責 任,並びに教育・訓練の計画,実施及び管理の方法を定め,これに基づき体系的かつ計画 的に教育・訓練を実施する。本章では,SAT に基づく標準的な教育・訓練の考え方,進め方 を示す。

4.1 教育・訓練の基本方針

運転員の教育・訓練の基本方針は,事業者が運転員に常に安全を第一と意識させた上 で原子力発電所の安定運転に努めさせるように,教育・訓練を実施することである。また, 運転員の個人及びチームの知識・技能等の維持・向上を図るため,事業者は運転員のク ラスに応じた知識・技能等を定めて,教育・訓練を継続的に実施する。 教育・訓練は,SAT に則って以下の 5 段階で実施する。【解説 1】 a) 業務及び教育・訓練に対する分析 b) 教育・訓練プログラムの設計 c) 教育・訓練用資機材の開発 d) 教育・訓練の実施 e) 教育・訓練の適正化

4.2 SAT プロセスを運用・管理する組織と責務

事業者は,SAT プロセスを効率的及び組織的に運用するための体制を整備,運営する。 この体制は以下の活動を行う。 a) 教育・訓練活動の定期的なレビュー b) 教育・訓練の実施状況及びパフォーマンスの評価 c) 教育・訓練プログラムの問題点の抽出及び改善 附属書A(参考)に,SAT プロセスを運営するための体制を例示する。

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4.3 教育・訓練の責任箇所等を定めるべき事項

事業者は,運転員の教育・訓練を的確に実施するため,以下の事項に関する責任箇所 及び責任範囲を明確にする。 a) 教育・訓練体制の整備 b) 運転員の教育・訓練基本方針の策定 c) 年度毎の教育・訓練実施方針の策定 d) 教育・訓練の実施 e) 教育・訓練の計画及び実施に係る報告の管理 f) 教育・訓練の評価及び評価結果の反映 g) 運転員の認定,等

4.4 SAT に基づく教育・訓練の進め方

事業者は,SAT に則って以下の 5 段階で運転員の教育・訓練を実施する。 a) 業務及び教育・訓練に対する分析 b) 教育・訓練プログラムの設計 c) 教育・訓練用資機材の開発 d) 教育・訓練の実施 e) 教育・訓練の適正化 図4.4 に SAT に則った教育・訓練の進め方の概要図を示す。

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図4.4 教育・訓練の進め方 i.教育・訓練の記録 j.教育・訓練の実施結果 の評価データ フ ィ ー ド バック ※2 ①運転員の教育・訓練を維持, 改善する必要性 ②分析段階の実施手法 ③原子力発電所関連図書 ④既存の教育・訓練プログラム ⑤参考図書 ⑥規制の要求事項 a.教育・訓練への要求事項 b.教育・訓練を必要とする 職務のリスト c.業務の遂行に必要な知 識・技能等のリスト ⑦設計段階の実施手法 教育・訓練プログラムの設計 ⑧開発段階の実施手法 教育・訓練用資機材の開発 ⑨各教育・訓練の実施手法 ⑩講師・インストラクタ ⑪十分な教育・訓練施設 ⑫適正化の目的及び適正化基準 を含む適正化の手法 ⑬プラント運転経験及び運転指 標(PI※3) ⑭当直長及び所員からの情報 ⑮設備改造データ ⑯運転マニュアルの変更 教育・訓練の適正 化※1 k.教育・訓練の各段階にお ける改善点の抽出 ※4 l.設備の改善 m.運転マニュアル等の 変更,等 教育・訓練対象者 f.学習計画 g.講師・インストラクタ用 教材 h.受講者用教材 教育・訓練の実施 業務及び教育・ 訓練に対する分析 d.教育・訓練の目的 e.教育・訓練計画 ※1:適正化には,教育・訓練を実施した結果,期待された効果が得られない場合に実施するものと,PI 等の情報によ り教育・訓練を改善する場合に実施するものとがある。 ※2:フィードバックとは,抽出された改善点について,適切な箇所の改善を図ることをいう。 ※3:Performance Indicator のこと。原子力発電所の安全性,信頼性,プラントの運転効率等を定量的に評価する指 標である。 ※4:適正化において,教育・訓練の問題ではないと判断した場合,設備の改善やマニュアル等の変更を行うことがある。 凡例: インプット情報 アウトプット情報 実施すべきこと 有能な運転員 4.4.1 4.4.2 4.4.3 4.4.4 4.4.5

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4.4.1 業務及び教育・訓練に対する分析

事業者は,運転員の業務及び現状の教育・訓練について分析を行い,教育・訓練が 必要な業務及び業務の遂行に必要な知識・技能等を同定する。 図4.4.1-1 に分析段階の概要を示す。 図4.4.1-1 分析段階の概要 事業者が,教育・訓練の分析にあたり定める事項は以下の通り。 a) 教育・訓練の分析対象項目 事業者は,現行の教育・訓練の実施状況及び改善の必要性,運転員が業務の遂 行に必要な能力,原子力発電所の規則並びに法令の要求事項を分析し,教育・訓 練の必要性を判断する。分析対象の例として以下のような項目がある。 1) 運転員が業務の遂行に必要とする能力 2) 原子力発電所の運転経験による設備・運用の変更事項 3) 原子力発電所の組織,原子力発電所の規則,基準類の要求及びその変更 4) 既存の教育・訓練プログラムの内容と運転員の資格に関する情報 5) 法令等で教育・訓練が要求されているもの 6) その他教育・訓練に関連する事項 ①運転員の教育・訓練を維持, 改善する必要性 ②分析段階の実施手法 ③発電所関連図書 ④既存の教育・訓練プログラム ⑤参考図書 ⑥規制の要求事項 a.教育・訓練への要求事項 b.教育・訓練を必要とする職 務のリスト c.業務の遂行に必要な知識・ 技能等のリスト 業務及び教育・ 訓練に対する分析 4.4.1

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の遂行に必要な知識・技能等の抽出であり,事業者が各発電所に適した分析手法を 採用すれば良い。 図4.4.1-2 に分析手法と分析結果の関係を示す。また,附属書 B(参考)に運転員 の業務に応じた職務とその達成基準の例を整理した職務リストとして“原子力発電所 運転員の技術レベル例”を示す。 図4.4.1-2 分析手法と分析結果の関係 1) 業務・職務の分析 業務・職務の分析とは,各業務の職務を分析して,職務を構成する仕事単位の 要素に分割し,各要素の遂行に必要な知識・技能等を抽出する手法(JTA)である。 抽出された知識・技能等からは,4.4.2 節に示す設計段階を通じて,更に教育・訓 練項目が抽出される。また,分析の結果から技術的知識・技能だけでなく安全への 態度や就業規則の遵守等,業務に対する態度(知識・技能等の態度の部分)も抽 出される。 業務・職務の分析では,運転マニュアルやプラント設備図書等の発電所関連図 書類,所員への聞き取り調査,既存の教育・訓練用教材,運転経験,発電所の改 造に関する情報等も参考にする。業務・職務の分析には以下に例示する手法を用 いる。 1.1) 聞き取り調査 1.2) 専門知識を有する者による机上分析 ①発電所から の情報 ②規制当局か らの情報 ③ 運 転 経 験 (SOER) 既存の教育・ 訓練プログラ ムからの情報 教育・訓練の 必要性が確認 された事項 OR 業務・職務の分析 業務 分析 職務 分析 業務の遂行に必要な 能力の分析 (1)と(2)の 併用分析 ①教育・訓練への 要求事項 ②教育・訓練を必 要 と す る 職 務 のリスト ③ 業 務 の 遂 行 に 必要な知識・技 能等のリスト 設計段階へ 分析段階 (1) (2) (3)

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1.3) 既存の分析結果の見直し 1.4) 業務・職務の分析手順の見直し 図4.4.1-3 に業務・職務の分析の概要を示す。また,業務分析の手法から知識・ 技能等リスト(KSA カタログ)までの展開例を,制御棒駆動水圧系と他系統との物 理的関係,つながりにおける業務・職務の分析(例)として図4.4.1-4 に示す。 図4.4.1-3 業務・職務の分析の概要 教育・訓練が 必要な職務を いくつかの要 素に分割する。 分割した要素を 遂行するために 必要な全ての知 識 ・技 能 等 を 抽 出する。 当該業務を遂行 する運転員が既 に有している知 識 ・技 能 等 を 特 定する。 不足している知 識 ・技 能 等 に 応 じて教育・訓練 目 的 を 決 定 す る。 業務分析 職務分析 点線で囲まれた範囲は 設計段階の一部 業務の分析 作業により 職務を同定 する。 教育・訓 練が必要 な職務を 決定する。

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<業務> 初級運転員 中級運転員 上級運転員 <作業実施状況> 通常運転時操作 定検・作業時 ・ ・ ・ <作業対象区分> RHR CRD <職務> CRD系 水張り CRD系 停止 CRD系 起動 <要素(作業ステップ)> ・CRD起動前準備 ・CRDポンプ起動 ・CRD系統流量調整 ・CRD系統圧力調整 ・CRDスピルオーバー ラインへの切替 <知識・技能項目> (復水系) 1 制御棒駆動水圧系の供給源 2 復水系と制御棒駆動水圧系 との接続点 3 供給水源の切替ロジック 4 通常時の水源とその理由 <知識・技能項目> (復水貯蔵タンク) 1 制御棒駆動水圧系の供給源 2 復水貯蔵タンクと制御棒駆動 水圧系との接続点 3 供給水源の切替ロジック 4プラント停止時の水源 5復水貯蔵タンクの通常水位 業 務の 分析 作 業に より 職 務を 同定 する。 教 育 ・ 訓 練 が 必 要 な 職 務 を 決 定 す る 。 教育・訓練が 必要な職務を いくつかの要 素に分割する。 分割した要素を 遂行するために 必要な全ての知 識 ・ 技 能 等 を 抽 出する。 当該業務を遂行 する運転員が既 に有している知 識 ・ 技 能 等 を 特 定する。 不足している知 識 ・ 技 能 等 に 応 じて教育・訓練 目的を決定する。 業務分析 職務分析 点線で囲まれた範囲は 設計段階の一部 本文 図4.4.1-3 業務・職務の分析の概要 本文4.4.1節 C)項参照 本図では省略 本図では ①に相当 ① 本図では ②に相当 ② ③ ③ 本図では③に 相当 図4.4.1-4 制御棒駆動水圧系と他系統との物理的関係,つながりにおける 業務・職務の分析(例)

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2) 業務の遂行に必要な能力の分析 業務の遂行に必要な能力の分析では,運転員が業務の遂行に必要な能力を, 職務の遂行に必要な知識・技能等の集合と定義する。事業者はまず,業務の遂行 に必要な能力を特定し,次にその能力の内容を知識・技能等に細分化する。例と して中級運転員に必要な能力のひとつに,運転,起動,高温停止又は冷温停止, 並びに燃料交換の全ての運転状態における原子炉冷却材に関する知識・技能等 があるが,これに関する知識・技能等の一例として,定格出力運転時の原子炉冷 却材流量制御に関する知識・技能等が挙げられる。 業務の遂行に必要な能力の分析は,運転,教育・訓練,技術及びヒューマンファ クターの専門知識を有する者が実施する。また,分析結果は体系的に整理される。 図4.4.1-5 に業務の遂行に必要な能力の分析の概要を示す。 図4.4.1-5 業務の遂行に必要な能力の分析の概要 3) 業務・職務の分析及び業務の遂行に必要な能力の分析を併用した分析 業務・職務の分析と業務の遂行に必要な能力の分析を併用して知識・技能等を 抽出する場合,事業者はまず業務分析を実施して職務を特定し,次にその職務を 用いて業務の遂行に必要な能力(知識・技能等の集合)を各職務に関連付けて整 当該業務に必要な能力を整 理するための構成図を作成 する。 当該業務を遂行する運転員 が既に有している,業務の 遂行に必要な能力を特定す る。 業務の遂行に必要な能力の うち,不足している能力に 応じて,教育・訓練目的を 決定する。 点線で囲まれた内容は設計 段階の一部である。 この構成図等を用いて業務 の遂行に必要な能力(知識・ 技能等の集合)を策定する。

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図4.4.1-6 業務・職務の分析/業務の遂行に必要な能力 の分析を併用した分析の概要 なお,上述した 1)~3)の分析に当たり,運転員に必要な知識・技能等には次の ようなヒューマンファクターに関する知識・技能等も含める。 ① コミュニケーションに関すること ② チームワークに関すること ③ リーダーシップに関すること ④ 事故事例分析手法に関すること ⑤ マン・マシン・インターフェースに関すること ⑥ 管理に関すること ⑦ 人間特性に関すること c) 教育・訓練必要性の分析 分析段階において得られた業務リスト,職務リスト,業務遂行リスト等について,教 育・訓練が必要かどうか分析する必要がある。 教育・訓練必要性分析結果は,次の設計段階への入力情報として以下の5 分類と する。 ① 教育・訓練の必要なし ② 教育・訓練の必要あり ③ 初期教育・訓練の必要あり 職務を特定 するための 業務の分析 特 定 し た職 務 を 用 いて,必要な業務の 遂 行 に 必要 な 能 力 を抽出する。 当 該 業 務の 遂 行 に 必要な能力(知識・ 技能等の集合)を策 定する。 当 該 業 務を 遂 行 す る運転員が,その業 務 に 関 して 既 に 有 している知識・技能 等を特定する。 業 務 の 遂行 に 必 要 な 能 力 を論 理 的 な 枠 組 み に体 系 化 す る。 不足している知識・ 技 能 等 に応 じ て 教 育・訓練目的を決定 する。 点 線 で 囲 ま れ た 内 容 は 設 計 段 階 の 一 部 関 連 す る職 務 の 遂 行に必要な知識・技 能 等 を リス ト ア ッ プする。

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④ 反復教育・訓練の必要あり ⑤ JIT(Just-In-Time)Training にて実施 初期教育・訓練と反復教育・訓練の具体的内容については4.4.2 節 b)項で説明す る。ここでは,教育・訓練の必要性分析手法について記載する。 教育・訓練必要性分析については,以下の手法のいずれかを用いると効果的であ る。 1) 業務・職務分析を行うチーム(JTA チーム)等による分析手法 エキスパートジャッジにより,教育・訓練必要性分析を行う手法である。 2) DIF ファクターを用いた体系的分析 各 リ ス ト に 対 し て ,D ( Difficulty ) : 難 易 度 , I ( Importance ) : 重 要 度 , F (Frequency):頻度の設定を行い,それら 3 つのファクターを考慮して教育・訓練 必要性の分析を行う手法である。 DIF ファクターは,それぞれについてランク分けを行い,DIF ファクターを考慮し た教育・訓練必要性判断表に基づいて教育・訓練必要性分析を行うと効果的であ る。 例として,ある職務リストについて,「難易度が低い」「重要度が低い」「頻度が低 い」と設定したならば,その職務リストは「教育・訓練の必要なし」と分析される。 一例として DIF ファクターのランク分類と教育・訓練必要性判断表を附属書 C (参考)に示す。 d) 教育・訓練が必要な知識・技能等リストの作成 事業者は,b),c)項の分析により抽出した,業務遂行に必要な知識・技能等を,運 転員のクラス毎に教育・訓練の必要性と合わせて整理する。業務の遂行に必要な知 識・技能等のうち,教育・訓練が必要なもののリスト(知識・技能等リストの例)の一例と して,附属書D(参考)に示す。 なお,既に活用されている知識・技能等がある場合はこれを活用することもできる

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4.4.2 教育・訓練プログラムの設計

教育・訓練プログラムの設計段階で,事業者は4.4.1 節の分析段階で作成した知識・ 技能等リストを基に,教育・訓練目的,教育・訓練に参加するための資格要件,教育・訓 練の実施方法,教育・訓練実施結果の評価方法等を体系的に整理した教育・訓練プロ グラムを設計する。また,事業者は教育・訓練プログラムを計画的に実施するための教 育・訓練計画を作成する。 なお,図4.4.2-1 に分析,設計段階の概要を示す。 図4.4.2-1 分析,設計段階の概要 教育・訓練プログラムの設計段階で設定する項目を以下に示す。 a) 教育・訓練目的 教育・訓練の目的は,受講者に各教育・訓練プログラムを終了した時点で業務の 遂行に必要な能力を身につけさせることである。事業者は運転員のクラスに応じて, どのような条件で,どのようなことができるようになるかの基準を,教育・訓練目的として 具体的に示さねばならない。また,講師・インストラクタ及び受講者にとっては,教育・ 訓練目的が具体的に示されることで,訓練を通じて習得すべき事項を確認できる。教 育・訓練目的の設定にあたり,以下の事項を明確にする。 1) 誰が(主体) 2) どのような行動を(対象) 3) どのように(条件) 4) どの程度(達成基準) 5) できる(動作) ①運転員の教育・訓練を維持, 改善する必要性 ②分析段階の実施手法 ③発電所関連図書 ④既存の教育・訓練プログラム ⑤参考図書 ⑥規制の要求事項 a.教育・訓練への要求事項 b.教育・訓練を必要とする 職務のリスト c.業務の遂行に必要な知 識・技能等のリスト ⑦設計段階の実施手法 d.教育・訓練の目的 e.教育・訓練計画 業務及び教育・訓 練に対する分析 教育・訓練プログ ラムの設計 4.4.2 4.4.1

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表4.4.2-1 に教育・訓練目的の例を示す。 表4.4.2-1 教育・訓練目的の例 主体と動作 対象 条件 基準 教育訓練の終了に 際して受講者は次 の も の を 識 別 す る 能力を身につける。 給復水系における 復水ポンプの吸込 か ら 給 水 ポ ン プ の 吐 出 に 至 るま で の 各機器と各配管。 タ ー ビ ン 建 屋 の 中 で当該系統を追跡 する。(プラントウォ ークスルー* 40 分以内で全ての 機器と配 管を 正確 に識別することがで きる。 *プラントウォークスルーとは,講師又は評価者と受講者がプラント内を巡回し,各 設備の目的,機能等に対して講師又は評価者が説明を求め,受講者が回答す る評価方法。 ここで設定した教育・訓練目的は,事業者が受講者に要求する,業務の遂行に必 要な能力であり,教育・訓練プログラム全体又はその一部を修了した受講者に対し教 育・訓練の結果を評価する際の基準となる。 b) 教育・訓練への参加資格 教育・訓練には,運転員をあるクラスに登用する際,当該クラスの業務遂行に必要 な知識・技能等を付与する初期教育・訓練と,初期教育・訓練を受けた者が知識・技 能等の維持・強化を目的として定期的に実施する反復教育・訓練がある。また運転業 務から離れていた運転員を再配属する際に運転員のクラス毎の業務遂行能力を回復 するための再配属するための訓練もある。 1) 初期教育・訓練 事業者は,運転員の各クラスに対し,初期教育・訓練を受ける時点で最低必要 な知識・技能等を定め,これを初期教育・訓練への参加資格とする。初期教育・訓

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証する。初期教育・訓練参加資格と確認方法の例を表4.4.2-2 に示す。 表4.4.2-2 初期教育・訓練参加資格と確認方法の例 訓練プログラム 参加資格 確認方法 判断基準 中級運転員 初期教育・訓練 初級運転員訓練プ ログラムの指定科目 を修了している。 過 去 の 教 育 ・ 訓 練 実績の確認及び中 級運転員エントリレ ベ ル 確 認 試 験 ( 口 答) 確認結果がそれぞ れ 基 準 を 満 た し て いる。 2) 反復教育・訓練 初期訓練を受けた者が知識・技能等の維持・強化を目的として定期的に実施す る反復訓練を受講する。反復訓練の対象となるのは以下のような内容の教育・訓練 である。 また,4.4.1 節 c)項に示した教育・訓練必要性分析手法も参考にすると効果的で ある。 2.1) 日常の業務・職務を遂行しているだけでは能力を維持できないような教育 訓練(例として,異常時の対応操作) 2.2) 設備の改造,手順の変更,法令等の制改定及び運転経験等に関する教 育・訓練 2.3) 日常の業務・職務実施状況の再確認のための教育・訓練(例として,原子 炉起動操作) 3) 再配属するための教育・訓練 運転業務から離れていた運転員が再配属されるに当たって,クラスに応じた業 務遂行能力を持つことが条件となる。再配属者のための教育・訓練プログラムは, 過去の運転員クラス,運転経験,研修実績並びに離任期間等を考慮することにより, 不必要な教育・訓練を回避できる。また一定の力量を持たない運転員を指名する 前には,該当する運転員クラス別教育へ参加し,力量を確保するための措置が必 要となる。 図4.4.2-2 に再配属者のための教育・訓練プログラム(例)を示す。 また,再配属者のための教育・訓練プログラム終了後には,教育・訓練目的の中 で反復教育・訓練の対象となるものについて,教育・訓練のスケジュールを作成す る際に反映する。〔4.4.2 節 g)項参照〕

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図4.4.2-2 再配属者のための教育・訓練プログラム(例) c) 教育・訓練実施方法 事業者は,各教育・訓練目的に対し,それぞれの目的に適した実施方法を策定す る。実施方法は,実施環境により,主に以下の手段に分類される。 1) 講義 2) 実技 3) シミュレータによる教育・訓練(フルスコープシミュレータとコンパクトシミュレータ の使い分け) 4) プラントウォークスルー 5) OJT 6) 自主学習 7) その他 過去の運転員クラス 同一運転員 クラス 着任する運転員クラス教育 離任期間 3ヶ月未満 3 ヶ月以上 設備変更・運用変更を 学習 記録・面談等で習得したことを所属長が確認 最新知識の付与 当直実務研修 通常操作,異常時・事故時操作の復習訓練 上位クラス 3 ヶ月未満

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e) 評価方法 事業者は,4.4.2 節 a)項で定めた各教育・訓練目的について,教育・訓練実施結 果の評価方法を設定する。評価方法の設定にあたり,事業者は次の事項を定める。 1) 評価手法 教育・訓練実施結果の評価手法には,受講者自身が自分の理解度を評価する 自己評価と,他者による評価がある。事業者は,自主学習を除き,自己評価だけで なく他者による評価も実施する。 自己評価の目的は,受講者自身が自分の理解度を評価・確認する他,受講者 の理解度が十分でなかった場合に受講者の立場から4.4.5 節に示す教育・訓練の 適正化におけるデータの提供を行うことである。 一方,他者による評価の目的は,受講者の理解度を客観的に評価することであ り,受講者本人に関する理解度の傾向管理,4.4.5 節に示す教育・訓練の適正化 における客観的なデータの提供等を行うことである。他者による評価は,教育・訓 練目的に応じて以下の手段の何れか又は組合せで行い,かつ,実施した教育・訓 練の内容を全て習得しているかどうかを判断できる方法で行う。 1.1) 筆記試験 1.2) 口答試験(プラントウォークスルーを含む*。) 1.3) 実技試験(シミュレータ試験を含む。) 1.4) 行動観察(指差呼称等の基本動作を含む日常の運転態度の評価) 1.5) 訓練観察(受講者の知識・技能,受講態度の評価と並行し,教育・訓練プロ グラムの良好事例,気づき事項の抽出,また講師・インストラクタの評価も含 めて実施し,4.4.5 節 教育・訓練の適正化のインプット情報とすることがで きる) *プラントウォークスルー中に実際に操作を行った場合は,実技試験となる。 また,筆記試験を実施する場合には,問題毎の正答率の傾向を整理することも 重要である。その結果に応じて,試験問題の難易度や適切性並びに指導方法に ついて検討し必要な改善措置を講じる。 検討方法の一例として,教育業界で活用される問題の質や指導方法の分析手 法であるS-P 分析が挙げられる。 試験問題分析手法の例を附属書F(参考)に示す。

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図4.4.2-3 に設計段階で検討・実施する事項を示す。 図4.4.2-3 設計段階で検討・実施する事項 2) 評価者の資格要件 他者による評価の評価者は上級運転員,講師・インストラクタ,又は受講者の監 督を行う管理職とする。 3) 評価基準 評価者は,受講者が教育・訓練内容について,初級運転員,中級運転員,上級 運転員それぞれの業務に応じた理解をしているかを判断し,業務の遂行に必要な 能力を受講者が身につけていることを客観的に確認・評価する。 4) 評価者の機密保持 評価者は,試験問題等を管理し機密を保持する。 教育・訓練目的 の設定 適 切 な 教 育 ・ 訓 練 実施方法の策定 評価方法の設定 教育・訓練の参 加資格の設定 教育・訓練目的 及 び 知 識 ・技 能 等と実施方法を 体 系 化 し た 教 育・訓練科目の 設定 教育・訓練科目 の実施スケジュ ール検討 教育・訓練計画 の策定 設計段階 分析段階の結果 開発段階へ 適切な教育・訓 練方法の検討 開発及び実施に 必要な資機材の 検討

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f) 教育・訓練の実施に必要な資機材 事業者は,各教育・訓練の実施に必要な資機材について,教育・訓練科目毎に要 否も含めて検討し,策定する。 1) 講師・インストラクタの資格要件(職位,実務経験,指導経験,専門知識) 2) 教育・訓練教材(教科書,カットモデル,ビデオ等) 3) 教育・訓練設備(フルスコープシミュレータ,コンパクトシミュレータ,訓練用実物 大模型等) 以上,a)項から f)項までが,教育・訓練プログラムの構成要素となり,事業者は教 育・訓練プログラムを運転員のクラスに応じて設計する。 g) 教育・訓練の実施スケジュール 事業者は,各教育・訓練科目を運転員の各クラスの職務と対応させて整理し,運転 員のクラスに適した実施時期を定める。また,教育・訓練科目を効率的に実施できて 学習効果が上がるような頻度と順序に配列し,長期的な視点から教育・訓練のスケジ ュールを定める。運転員の長期的な養成計画の例を附属書G(参考)に示す。 h) 教育・訓練計画 事業者は,教育・訓練プログラムを計画的に実施するため,a)項から f)項の内容を 整理して体系化し,g)項の実施スケジュールを反映して,運転員のクラス毎に,教育・ 訓練目的,実施手法,教育・訓練実施結果の評価方法,教育・訓練の実施スケジュ ールと実施頻度,初期教育・訓練への参加資格,及び教育・訓練に必要な資機材等 を整理し,長期的視野に立った全体的な教育・訓練計画を定める。教育・訓練計画に は以下の要素が含まれる。 1) 教育・訓練の目的 2) 目的を達成するための教育・訓練の実施方法 3) 初期教育・訓練及び反復教育・訓練の教育・訓練のスケジュール 4) 受講者の初期教育・訓練参加資格 5) 評価方法 6) 実施に必要な資機材,等

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4.4.3 教育・訓練用資機材の開発

事業者は,教育・訓練計画に基づいて,各クラスの教育・訓練を実際に運用するため の具体的な学習計画及び教材,訓練設備等,教育・訓練の実施に必要な資機材の開 発を行う。 a) 学習計画 事業者は,教育・訓練を実際に実施するために,設計段階で作成した教育・訓練 計画に基づき,各教育・訓練科目について実施方法,実施時間や時間配分,講師・ インストラクタの特定,評価方法と試験問題等,実際の教育・訓練実施に向けた具体 的な検討を行い,教育・訓練の時間割を含む学習計画を作成する。学習計画は訓練 を実施する際の実施要領となる。 実際の時間割を作成する際に,教育・訓練科目のどの時間が保安規定に定める保 安教育のどの項目に相当するかを明確にする。 学習計画に記載する内容は,例として次のようなものがある。 1) 教育・訓練の実施場所 2) 教育・訓練の実施方法 3) 講義を通じて達成すべき教育・訓練の目的 4) 受講対象者 5) 具体的な講師又はインストラクタ名 6) 使用教材 7) 評価方法と具体的試験問題 8) 実施時間 9) 時間割 なお,学習計画の具体例を附属書H(参考)に示す。 図4.4.3-1 に分析,設計及び開発段階の概要を示す。

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図4.4.3-1 分析,設計及び開発段階の概要 b) 具体的な教育・訓練用資機材 1) 事業者は,教育・訓練の内容に応じて,講師・インストラクタ,教科書,模型,シミ ュレータ等,必要な人材・教材・資材・設備を養成又は準備する。 なお,講師やインストラクタの個性により受講者が得る知識・技能等が左右されな いよう,受講者の教材や学習計画,講師・インストラクタ用教材等で表4.4.2-1 に示 すような訓練目的を明確にする。また,事業者が複数の発電所を所有する場合は, 使用する教材の水準が発電所により異ならないよう,系統や設備の違いを除き標 準化を図る。 教育・訓練の均質化については,教育・訓練ガイドラインを作成することも有効で ある。教育・訓練ガイドラインは,講師やインストラクタのための最も重要な資料であ り,教育・訓練の準備や実施を助けるものである。教育・訓練ガイドラインの開発目 的は,講師やインストラクタの力量に左右されないよう訓練品質を高いレベル に保ち,教育・訓練ニーズの変化に対応しつつ教育・訓練に対する品質を確保す ることである。したがって,教育・訓練ガイドラインを効果的に利用することで,一貫 性のある均質な教育・訓練内容を提供することが可能となる。 ①運転員の教育・訓練を維持, 改善する必要性 ②分析段階の実施手法 ③発電所関連図書 ④既存の教育・訓練プログラム ⑤参考図書 ⑥規制の要求事項 a.教育・訓練への要求事項 b.教育・訓練を必要とする 職務のリスト c.業務の遂行に必要な知 識・技能等のリスト ⑦設計段階の実施手法 d.教育・訓練の目的 e.教育・訓練計画 業務及び教育・訓 練に対する分析 教育・訓練プログ ラムの設計 f.学習計画 g.講師・インストラクタ用 教材 h.受講者用教材 教育・訓練用資機 材の開発 ⑧開発段階の実施手法 4.4.1 4.4.2 4.4.3

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2) 事業者は,教材がないものについては,新たに教材を開発する。また,開発した 教材の試験運用を必要に応じて行い,その結果を反映して教材を改善する。なお, 教材の内,筆記試験における問題作成時の注意事項の例を附属書 I(参考)に示 す。 3) 発電所の教育・訓練に係る責任者は,実際に使用する教材を承認する。 図4.4.3-2 に教育・訓練計画と学習計画の関係を示す。 設 計 開 発 クラス毎の教育・訓練計画 ①知識・技能等を反映し, 体系的に組み立てられた 一連のプログラム ②クラス毎のプログラム 学習計画 ①体系的に組み立てられた 各科目の実施計画 ②時間割表 各科目の実施計画 ①実施時間 ②講師・インストラクタ及び 受講者用教材,参考資料 ③講師・インストラクタ名 ④試験問題,等 教育・訓練 プログラム 1 科目 1 講義 1 中級運転員 原子炉理論 中性子動特性 科目 2 講義 2 プラント システム 熱伝達 科目 3 講義 3 xxxxx xxxxx xxxxx xxxxx 図

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4.4.3-2 教育・訓練計画と学習計画の関係

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4.4.4 教育・訓練の実施

事業者は,作成した教育・訓練計画及び学習計画に則り教育・訓練を実施し,教育・ 訓練の結果を評価するとともに,教育・訓練の実施内容及び評価結果の記録を作成す る。 a) 教育・訓練の実施 事業者は,作成した教育・訓練計画及び学習計画に従い,各教育・訓練を実施す る。 b) 教育・訓練の実施結果の評価 受講者が教育・訓練の内容を理解したかどうかについて,受講者による自己評価と, 予め定めた基準に則った客観的な他者による評価が行われる。評価については 4.4.2 節 e)項,また,評価の例を附属書 J(参考)に示す。 c) 評価結果の反映 事業者は,他者による評価結果を速やかに受講者本人に伝える。また,自己評価 及び他者による評価の結果は,教育・訓練の適正化のためのインプット情報とする。 なお,受講者に課せられた要求水準を下回る評価結果が特定の評価項目に集中 する場合,事業者は教育・訓練に問題があると判断して,教育・訓練の適正化の段階 で必要な対策を講じる。教育・訓練の適正化については4.4.5 節参照。 d) 評価結果のフォローアップ 自己評価の結果が満足なものでなかった場合及び他者による評価の結果が受講 者に課せられた要求水準を下回る場合,事業者は,受講者の状況に合わせた適切 な手段で補習を実施する。 なお,事業者は,受講者が要求水準に到達するまで継続的に補習を実施し,合わ せて他者による補習効果の再評価を行う。 図4.4.4-1 に分析,設計,開発段階及び実施段階の概要を示す。

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図4.4.4-1 分析,設計,開発段階及び実施段階の概要 ①運転員の教育・訓練を維持, 改善する必要性 ②分析段階の実施手法 ③発電所関連図書 ④既存の教育・訓練プログラム ⑤参考図書 ⑥規制の要求事項 a.教育・訓練への要求事項 b.教育・訓練を必要とする 職務のリスト c.業務の遂行に必要な知 識・技能等のリスト ⑦設計段階の実施手法 d.教育・訓練の目的 e.教育・訓練計画 業務及び教育・訓 練に対する分析 教育・訓練プログ ラムの設計 f.学習計画 g.講師・インストラクタ用 教材 h.受講者用教材 教育・訓練用資機 材の開発 ⑧開発段階の実施手法 教育・訓練の実施 有能な運転員 i.教育・訓練の記録 j.教育・訓練の実施結果 の評価データ ⑨各教育・訓練の実施手法 ⑩認定された講師・インストラ クタ ⑪十分な教育・訓練施設 教育・訓練対象者 4.4.1 4.4.2 4.4.3 4.4.4

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4.4.5 教育・訓練の適正化

事業者は,教育・訓練の実施結果の評価結果から,教育・訓練自体に問題点はない か,問題点があるとすれば改善点は何かを抽出する。 また,事業者は,抽出した改善点を教育・訓練の分析から実施までの各段階へ反映 する仕組みを定め,教育・訓練の適正化を図る。 教育・訓練の適正化は,分析と並び,体系的教育・訓練手法に基づく教育・訓練プロ グラムの根幹となる。教育・訓練を常に見直し,改善する仕組みが適正に運用されてい ることで,教育・訓練が合理的かつ体系的に実施され,過剰な教育を排除するとともに, 不足している項目の充実を図ることができる。なお,評価するにあたり事業者内で実施 する内部評価と,外部機関により実施される外部評価がある。 a) 教育・訓練における問題点の抽出 事業者は,各教育・訓練の評価結果に基づき,各教育・訓練について問題点を抽 出する。 教育・訓練における問題点の抽出は,受講者,講師・インストラクタ等の教育・訓練 に直接携わる者の意見の他,各教育・訓練の評価結果に基づき上位の管理職や品 質保証部門の者等が多面的に行う。 問題点を抽出する際の評価基準を以下に例示する。 1) 教育・訓練の要求への適合状況 教育・訓練の要求事項を満足しているか。 2) 人(講師・インストラクタ,受講者,評価者)の能力 2.1) 講師・インストラクタの技術的知識・技能等及び指導力は基準に達してい るか。 2.2) 受講者は各教育・訓練プログラムの参加資格に達しているか。 2.3) 評価者は評価能力を有しているか。 3) 教育・訓練用教材 3.1) 教材は教育・訓練の目的に適しているか。 3.2) 設備訓練は教育・訓練内容に適したものか。 4) 教育・訓練の課程 教育・訓練内容や教育・訓練の実施計画は意図した通り実施されているか。 5) 目的 5.1) 教育・訓練目的は明確か。 5.2) 知識・技能等及び目的の設定レベルは適切か。 6) 費用 訓練費用は対投資効果の点で適正か。 7) その他

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7.1) 訓練を受けた個人又はグループの業務の遂行に必要な能力は向上して いるか。 7.2) 教育・訓練によって原子力発電所の運転品質は向上しているか。 b) 具体的な抽出方法 教育・訓練プログラムの適正化のためのもっとも有益な情報は以下の情報源から得 ることができる(内部評価)。情報はa)項の評価基準を念頭に採取する。 ・ 原子力発電所の運転経験情報 ・ 国内外他発電所の運転経験情報 ・ 上級運転員からの情報 ・ 受講者所属部門からの情報 ・ 講師・インストラクタからの情報 ・ 受講者からの情報 ・ 訓練観察結果からの情報 ・ 設備改造・発電所関連図書改定情報 ・ その他発電所の規程等,運用方法の変更情報,等 さらに,事業者は教育・訓練の問題点の抽出情報として,IAEA の OSART, WANO 及び JANSI のピアレビュー等の外部評価も適宜活用する。但し,外部評価 はインプット情報の1つであり,事業者内で実施する内部評価の代用として扱われる べきではないことに注意する必要がある【解説3】。 図4.4.5-1 に適正化段階における情報の流れを示す。

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図4.4.5-1 適正化段階における情報の流れ c) 問題点の抽出結果に基づく改善点の反映 教育・訓練の問題点が抽出された場合,その結果に基づく改善点の反映は,次の 2 項目から成る。 1) 教育・訓練への反映 事業者は,各段階で定めた,知識・技能等,教育・訓練計画又は学習計画上の 実施時期や頻度,教育・訓練の実施方法,教材,参加資格要件等の適正化を図 る。 2) 教育・訓練以外への反映 事業者は,教育・訓練に反映しても,評価結果に改善が見られない場合は,教 個人の能力に関連 する改善点か? 上級運転員からの情報 評価プロセス 問題点の特定 根本原因の特定 教育・訓練の評価結果 講師・インストラク タからの情報 受 講 者 所 属 部 門 からの情報 教育・訓練の実施状 況 及 び プ ラ ン ト の 監視操作状況 運 転 手 順 書 の 変 更 と プ ラ ン ト 設 備改造記録 プラントの運転経験 必要な改善点の 反映 教育・訓練の改善 ① 教育・訓練対象知識・技能等リスト ② 教育・訓練目的 ③ 教育・訓練資機材 ④ 教育・訓練方法 ⑤ 教育・訓練時期,頻度 ⑥ 受講者レベル ⑦ 指導方法,講師・インストラクタ ⑧ 評価方法,内容,等 プラントの改善 ① 発電所関連図書 ② 設備 ③ 発電所組織 YES NO 受講者からの情報 訓練観察結果 外部評価結果

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(32)

育・訓練以外の部分に問題があると判断し,発電所の規程・マニュアル類,設備装 置及び組織の見直しを行う。 d) 改善対応について 事業者は,問題点の抽出結果に基づく改善対応処置状況については,以下の点 に注意し反映することを推奨する。 ・ 改善対応処置は具体的な内容とする。 ・ 優先順位を明確にする。 ・ 改善実施時期を明確にする。 ・ 改善対応組織を明確にする。 ・ 改善実施状況を明確にする。 e) 教育・訓練実施状況報告書の作成 事業者は,教育・訓練プログラム実施結果について,教育・訓練実施状況報告書 を作成することを推奨する。 最低限,以下の内容を記載する。 1) 年間訓練計画と実施結果の整合性 2) 教育・訓練実施結果 インプット情報例として,受講者アンケート結果,試験結果,訓練観察結果,改 善提案要望事項がある。 試験結果については,試験結果がある一定の基準値以下であった場合に,試 験問題の品質が試験結果に影響を与えているのか,訓練教材の品質が影響を与 えているのか,講師やインストラクタの力量によるものか等を判断し最優先項目とし て対応する。 3) 実施結果から得られた問題点と改善対応処置状況

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(33)

5.教育・訓練マニュアルに定めるべき事項

事業者は,運転員の教育・訓練実施にあたり,教育・訓練マニュアルを策定する。教育・訓 練マニュアルには少なくとも以下の事項に関することについて定める。

5.1 教育・訓練の責任及び実施箇所

a) 教育・訓練の責任の所在 教育・訓練に関する方針の策定,計画の立案,教育・訓練結果の評価や報告,運 転員の認定等についての責任の所在 b) 教育・訓練の実施箇所 各教育・訓練を実施する社内組織及び社外機関が分担する教育・訓練の範囲

5.2 運転員の技術レベル・認定及びインストラクタの資格

a) 運転員のクラス b) クラス毎の技術レベル*1 c) 運転員の認定及び方法*2 d) 教育・訓練毎のインストラクタの資格 *1:附属書B(参考)参照 *2:附属書K(参考)参照

5.3 教育・訓練計画及び実施の報告

a) 教育・訓練計画及び実施結果,評価結果の発電所内での承認・報告時期 b) 承認者

5.4 教育・訓練の実施及び評価の記録並びに記録の管理方法

a) 教育・訓練の実施記録項目 1) 実施日時 2) 実施場所 3) 実施内容 4) 講師・インストラクタ 5) 受講者 6) 使用教材 7) その他必要事項

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(34)

b) 教育・訓練の評価記録項目 1) 各受講者に対する評価記録項目 2) 評価実施者 3) 評価方法 4) 再教育・訓練(補習を含む)の要否及びフォローアップ状況 5) その他必要事項 c) 教育・訓練の記録の管理方法 上記記録類の保管期限及び保管箇所

5.5 評価結果の反映

a) 評価結果 b) 必要な改善事項

5.6 教育・訓練の具体的実施内容

教育・訓練の目的,実施方法,評価,評価基準,評価結果を含めた教育・訓練プログラ ムの実施要領

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(35)

〔解 説〕

(36)

解 説

この解説は,指針本体の記載事項の理解を助けるために補足説明をするものである。

【解説1】

体系的教育・訓練手法(Systematic Approach to Training)は訓練に品質保証(QA)の考え方を適 用し,業務の遂行に必要な能力の検証から能力を獲得するために必要な教育・訓練の計画及び実施,さ らに訓練の事後評価までのプロセスを論理的に導く一連の教育・訓練手法であり,国際原子力機関 (IAEA)が推奨し,各国で採用される体系的教育・訓練手法である。 「JEAG4802-201X 原子力発電所運転員の教育・訓練指針」では,SAT を標準的手法として取り入れ, 各事業者が本指針に則って運転員に対してより体系的で合理的な教育・訓練を効果的に実施することを 要求している。 SAT プロセスとは,教育・訓練を開発・維持するための体系的なプロセスの集合体のことをいう。プロセ スには分析,設計,開発,実施,評価があり,これらを総称してSAT プロセスという。これら 5 つのプロセス を実施することで,教育・訓練プログラムを体系的かつ合理的に開発・維持することができる。 SAT は,教育・訓練プログラムを開発あるいは維持するために必要となる情報やリソースは何かをあらか じめ定義し,それらをどのような方法・考え方をもって処理し,アウトプットを導くか,という教育・訓練プログ ラムに対する設計図を定義するものである。この教育・訓練プログラムに対する設計図は,通常,マニュア ルとしてまとめられる。これらマニュアルを用いることで,教育・訓練プログラムの開発あるいは維持に対す る体系的なアプローチが取れるようにしたものである。 SAT 評価プロセスにおいては,品質保証の観点から,教育・訓練プログラムのニーズ,有効性に対する 評価を行うよう規定する。 教育・訓練プログラムが QA システムに則っていることは第三者に対し運転員の知識・技能に関する保 証にもなる。 SAT に基づく教育・訓練プログラムを実施することで,以下のメリットがある。 a) 教育・訓練内容及び教育・訓練水準の標準化・均質化 b) 教育・訓練の効率向上及び不必要な教育・訓練の削除 c) 業務分析・職務分析による,運転員に必要な知識・技能の明確化 d) 達成基準を示した学習目的の設定による,習得が必要な力量の明確化

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/8 1 業務,教育・訓練ニーズの分析 教育・訓練プログラムの設計 教育・訓練資料等の開発 教育・訓練の実施 教育・訓練効果の評価 フィードバック フィードバック フィードバック フィードバック 改善措置 図 【解説1】-1 SAT プロセスフロー 【解説2】

既存の知識・技能等の例として,米国原子力規制委員会による「Knowledge and Abilities Catalog for Nuclear Power Plant Operators for Pressurized Water Reactor 」(NUREG-1122)及び 「Knowledge and Abilities Catalog for Nuclear Power Plant Operators for Boiling Water Reactor」(NUREG-1123)等がある。

【解説3】

OSART(Operational Safety Review Team)とは,IAEA が加盟国の原子力発電所に対し行う評価 活動。

WANO ピアレビューとは,WANO(World Association of Nuclear Operators)が加盟している 事業者の原子力発電所に対し行う評価活動。 いずれも原子力発電所の運転に係る技術分野の専門家チームを派遣して,原子力発電所の運転・保 守管理状況を調査し,その評価結果と改善事項を報告するものである。 JANSI ピアレビューとは,東京電力福島第一原子力発電所事故を教訓とし,一般社団法人 原子力安 全推進協会(略称JANSI)が WANO ピアレビュー手法等を参考に,会員の専門家により構成したチーム が原子力発電所等の運営状況や設備の状態,安全文化の健全性や改善への取組み具合をエクセレンス との比較において評価し,それぞれのレベルを引き上げるための提言・勧告を実施する活動である。

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〔附 属 書〕

(39)

附属書A

(参考)

SAT プロセスを運営するための体制の例

この附属書は本文 4.2 節に定める,SAT プロセスを運営するための体制の例であり,実際には 各事業者で様式,内容を定めるものとする。

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(40)

以下に SAT プロセスを運営するための体制の例を示すが,(例1)及び(例2)は体制整備の初 期段階における簡易な体制の例であり,体制整備が進捗するに従い(例3)のような体制を構築す ることを推奨する。 (例1)部門別評価・報告審議方式 各ライン部門が自部署の教育・訓練活動を定期的にレビューし,その報告を基に既存もしくは 新規に設置する会議体を利用して,SAT に基づく教育・訓練の実施状況やパフォーマンスの評 価を審議し,問題点の抽出及び改善を行う。 (例2)セルフアセスメント・報告審議方式 「セルフアセスメントチーム」を編成して原子力発電所部門横断的に教育・訓練活動を定期的 にレビューし,その報告を基に既存もしくは新規に設置する会議体を利用して,SAT に基づく教 育・訓練の実施状況やパフォーマンスの評価を審議し,問題点の抽出及び改善を行う。 (例3)チーム運営方式 教育・訓練プログラムの方針決定及びレビューを行う「レビューチーム」,業務・職務分析を行 う「JTA(Job and Task Analysis)チーム」,教育・訓練の設計開発を行う「マテリアルチーム」, 教育・訓練プログラムの改善のための情報収集・分析を行う「情報収集担当者」といったチーム・ 専門家の継続的な活動により,組織的な運営を行う。各チーム・担当者の構成,役割は以下の 通り。また,図A.1 にチーム運営方式の運用管理フロー例を示す。

レビューチーム

複数名のSME(Subject Matter Expert:所属の管理者またはその経験者)と指導員に 加え,1~2 名の情報収集担当者にて構成される。 a) 教育・訓練プログラムの方針に関する決定 b) 教育・訓練教材,試験問題のレビュー c) 教育・訓練プログラムに関するレビュー d) 教育・訓練プログラムの開発,改善に関する分析と対応処置の決定 e) 教育・訓練プログラム内部評価の実施と教育・訓練実施状況報告書の作成

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(41)

JTA チーム SME 複数名及び情報収集担当者にて構成され,必要に応じてレビューチームにより選 出・任命される。 a) 業務分析,職務分析の実施 b) 業務リスト,職務リストの改訂 マテリアルチーム 各教育・訓練科目を担当する指導員及び教育・訓練科目に対し専門的知識を有する者, さらに情報収集担当者により構成される。 a) 教育・訓練内容の検討 b) 教育・訓練教材(テキスト,研修ガイド等)の作成・改訂 c) 試験問題の作成・改訂 情報収集担当者 a) 教育・訓練プログラムの改善に関わる情報(アンケート,試験結果,改善要望,教 育・訓練観察結果,他電力情報,規制情報,海外情報等)の集約 b) 集約結果から教育・訓練プログラムの改善あるいは追加につながる情報のスクリー ニング c) レビューチームによる改善情報とレビュー結果のまとめ d) 試験結果がある一定の基準値範囲外であった場合に,試験問題の品質が試験結 果に影響を与えているのか,教育・訓練教材の品質が影響を与えているのか,イン ストラクションによるものか等の判断

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(42)

図 A.1 チーム運営方式の運用管理フロー例 レビューチーム 受講者 マテリアルチーム 意志決定 JTAチーム インストラクタ 情報収集担当者 サポート インストラクション アウトプット

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(43)

附属書B

(参考)

原子力発電所運転員の技術レベル例

本附属書は,本文4.4.1 節 b)項に定める,運転員の業務に応じた役割と有すべき技術レベルの 例を示すものであり,実際には各事業者で様式,内容を定めるものとする。 運転状態 通常運転 設計基準事故(DBA) 設計想定外事故(B-DBA) シビアアクシデント 運転員の対応 通常運転対応 炉心損傷防止対応 炉心損傷後の対応 適用する 運転マニュアル 運転マニュアル (通常時) AOP (第一部) EOP (第二部) SOP (第三部) 重大事故時等の発生および拡大の防止に必要な措置の運用手順等 上級運転員 (当直課長) 適 用 範 囲 上級運転員 (当直副長) 中級運転員3 中級運転員2 中級運転員1 初級運転員 ※ 事業者により適用範囲、 名称が異なる ※ 図 B.1 運転員教育訓練ガイドラインで各運転員に求める適用範囲について シビアアクシデント対応を理解するレベル,指揮できるレベルについて以下の通りとする。 ① 上級運転員は,シビアアクシデントへの移行判断,操作方針の決定,操作指示ができるこ と。 ② 中級運転員は,シビアアクシデントに対応するための知識,技能を有すること。 ③ 初級運転員は,現場操作並びに現場確認項目を上位職の具体的指示に基づき実施でき る能力を有すること。

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(44)

初級運転員の技術レベル例(現場操作員)

<経験の程度> 原子力の基礎知識及び補機運転に係る実務研修を受けた者 <知識・技能の程度> 補機の運転技能を有する者 役割 技術レベル 通 常 時 及 び 定 検 停 止 時 1.発電設備の監 視 2.記録等の整理 3.通常巡視点検 a.保安規定の条文の概要を説明できる。 b.現場操作(定例試験,現場作業等)を保安規定に基づき実施で きる。 c.起動・停止運転マニュアルに基づき,原子炉施設の冷温起動, 通常停止,緊急停止等に係る現場操作ができる。 d. 設備保全部署への作業依頼や,作業許可に関する運用を理解 した上で,系統・機器の隔離復旧操作ができる。 e.警報発生時の現場対応ができる。 f.現場における定例試験の目的,機能動作の概要を説明すること 及び,現場操作ができる。また,不具合発生時の対応処置がで きる。 g.防災設備の配置,機能,構造及び取扱いを理解し,初期消火活 動ができると共に,人身事故の現場対応ができる。 h.放射線防護の基礎知識に基づき,保護具の取扱い及び現場操作 時の被ばく管理ができる。 i.過去の事故事例の事象発生経過及び対応操作の関連を把握す ることにより,事故の未然防止を図ることができる。 j.巡視点検マニュアルに基づき巡視点検を行い,異常時に応急処 置,対応操作ができる。 異 常 時 1.上位職者の指 示に基づく監 視及び操作 a.異常概要並びに操作のポイントの概要が理解できる。 b.異常時運転マニュアル(事象ベース)に基づき,現場操作並び に現場確認項目を上位職の具体的指示に基づき実施できる。 c.異常時運転マニュアル(徴候ベース)に基づき,現場操作並び に現場確認項目を上位職の具体的指示に基づき実施できる。 d.異常時運転マニュアル(シビアアクシデント)に基づき,現場 操作並びに現場確認項目を上位職の具体的指示に基づき実施 できる。

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中級運転員の技術レベル例(中央制御室操作員1)

<経験の程度> 補機運転経験者又は主機運転に係る実務研修を受けた者 <知識・技能の程度> 補機及び主機の運転技能を有する者 役割 技術レベル 通 常 時 及 び 定 検 停 止 時 1.発電設備の監 視及び操作 2.運転記録管理 a.保安規定の記載事項を説明でき,実務に適用できる。 b.保安規定に係る制限値,基準値等の根拠概略が説明できる。 c.通常運転における監視項目を保安規定との関わりにおいて監 視できる。 d.原子力プラント停止中の安全管理マニュアルを理解し,定検 停止時の安全確保対策ができる。 e. 設備保全部署への作業依頼や,作業許可に関する運用を理解 した上で,設備保全箇所としての実務的対応ができる。 f.起動・停止運転操作マニュアルに基づき,原子炉施設の冷温 起動,通常停止,緊急停止等の運転操作,監視及び指示がで きる。 g.警報の設置目的,設定根拠の知識を適用し,これに基づく対 応操作ができる。 h.定例試験の目的,機能動作の知識を適用し,これに基づく不 具合発生時の対応処置ができる。 i.防災設備の配置,機能,構造及び取扱いに関して説明できる。 j.放射線の取扱い及び作業要領に基づき,作業指示を与えて放 射線管理ができる。 k.過去の事故例の事象発生経過及び対応操作を適用し,事故の 未然防止のための措置ができる。 l.運転記録管理を含めた運転状況パラメータの変動に対し,異 常の有無の判断ができる。 異 常 時 1. 異 常 時 運 転 マ ニ ュ ア ル に 基 づ く 監 視 及 び 操作 a.異常時運転マニュアル(事象ベース)に基づき,故障及び事 故の拡大防止と安全収束のため,的確な操作ができる。 b.原子炉スクラム(トリップ)条件,タービントリップ条件等, 関係インターロック及び設定値について説明できる。 c.異常時運転マニュアル(徴候ベース)に基づき,故障及び事 故の拡大防止と収束のための操作ができる。 d.異常時運転マニュアル(シビアアクシデント)に基づき,上 位職の指示により故障及び事故の拡大防止と安全収束のため の操作ができる。

公衆審査

図 4.4  教育・訓練の進め方  i.教育・訓練の記録  j.教育・訓練の実施結果 の評価データ  フ ィ ー ドバック ※2 ①運転員の教育・訓練を維持,改善する必要性 ②分析段階の実施手法 ③原子力発電所関連図書 ④既存の教育・訓練プログラム ⑤参考図書 ⑥規制の要求事項 a.教育・訓練への要求事項 b.教育・訓練を必要とする職務のリスト c.業務の遂行に必要な知識・技能等のリスト ⑦設計段階の実施手法 教育・訓練プログラムの設計 ⑧開発段階の実施手法 教育・訓練用資機材の開発 ⑨各教育・訓練の実施手
図 4.4.1-6  業務・職務の分析/業務の遂行に必要な能力  の分析を併用した分析の概要  なお,上述した 1)~3)の分析に当たり,運転員に必要な知識・技能等には次の ようなヒューマンファクターに関する知識・技能等も含める。  ①  コミュニケーションに関すること  ②  チームワークに関すること  ③  リーダーシップに関すること  ④  事故事例分析手法に関すること  ⑤  マン・マシン・インターフェースに関すること  ⑥  管理に関すること  ⑦  人間特性に関すること  c)  教育・訓練必要
表 4.4.2-1 に教育・訓練目的の例を示す。  表 4.4.2-1  教育・訓練目的の例  主体と動作  対象  条件  基準  教育訓練の終了に 際して受講者は次 の も の を 識 別 す る 能力を身につける。  給復水系における復水ポンプの吸込か ら 給 水 ポ ン プ の吐 出 に 至 るま で の 各機器と各配管。  タ ー ビ ン 建 屋 の 中で当該系統を追跡する。(プラントウォークスルー*)  40 分以内で全ての機器と配 管を 正確に識別することができる。  *プラントウォークスルー
図 4.4.2-2  再配属者のための教育・訓練プログラム(例)  c)  教育・訓練実施方法  事業者は,各教育・訓練目的に対し,それぞれの目的に適した実施方法を策定す る。実施方法は,実施環境により,主に以下の手段に分類される。  1)  講義  2)  実技  3)  シミュレータによる教育・訓練(フルスコープシミュレータとコンパクトシミュレータ の使い分け)  4)  プラントウォークスルー  5)  OJT  6)  自主学習  7)  その他  過去の運転員クラス  同一運転員 クラス  着任す
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参照

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