産業構造と金融構造 : 1920年代におけるアメリカ 経済との関連において
その他のタイトル Industrial Structure and Financial Structure
著者 安田 信一
雑誌名 關西大學商學論集
巻 3
号 1
ページ 1‑23
発行年 1958‑04‑30
URL http://hdl.handle.net/10112/00021809
経済の成長︑発展に対して各種の金融機関はいかなる関係にあるか︒ここにおいては経済の成長と発展とを区別
l l
平均純産出物が増加する場合とがある︒前者は即ち単純なる成長であり︑後者は発展を含む成長であ産 業 構 造 と 金 融 構 造
︵ 安 田
︶
( l )
開 題
ー 一 九 二
0
年代におけるアメリカ経済との関連においてーー産 業 構 造 と 金 融 構 造
安
田
信
2
る ︒
︵ 二
︶
産 業 構 造 の 変 化 と そ の 構 造 に お け る 金 融 機 関 の 地 位
産 業 栂 造 と 金 融 梱 造
︵ 安 田
︶
即ち第一次大戦後のアメリカはその経済が飛躍的に成長︑ 経済の成長︑発展と各種金融機関との関係を考察する湯合の重要問題は産業構造の変化である︒即ち右の如くに経済成長について二つの場合を区別し︑単純なる成長と発展を含む成長とするとき︑産業構造は経済発展とともに変
化す
る︒
経済発展の基本的要因となるほ労働生産性の上昇にして︑より正確に云えばこの両者は表裏の関係にある︒即ち
完全雇傭を前提とするとき国民一人当り平均純産出物の増加は労働生産性の上昇によってのみ可能であり︑またそ
れは労働生産性の上昇を反映しているとも云い得るであろう︒それではこの労働生産性は如何なる要因によって上
昇するかであるが︑その最も重要な要因としては投資増加と技術的進歩の阿者を挙げることを得るであろう︒もと
より現実的にはこの両者は一体となり︑独立投資として発展を含む経済成長に最も重要な作用をするのであるが︑
労働生産性上昇との関係においては概念的にはこの両者は区別することを得る︒然してこの両者の中技循的進歩に
関してはそれは金融機関の作用と関係しないが︑投資についてはその資金供給と関連して金融機限が直接に作用す
本稿ほ右の如き立場より発展を含む経済成長と金融との関係を考察するのであるが︑これを抽象的にではなく具
体的に把握するがために特定の社会について考察することとし︑且つこの特定の社会とは資料の関係上アメリカ経
済のことにして︑なおそのアメリカ経済についても一九二0年代のみを対象とする︒
一九
二0年代におけるアメリカ︑
二
発展した期間にし
右の如き理由により産業横造における変化を私的産業における変化に限定してそれを一九二
0
年代について考察する場合︑それは如何なる結果となっているか︒この湯合産業をコーリソ・クラーク以来今日にては一般的となっ
ている分類である第一次産業︑第二次産業︑第三次産業とし︑且つ第一次産業が最・林・漁業である点はコーリン③ ・クラークの説くところと同一であるが︑第二次産業及び第三次産業については若干内容を異にするとし︑第二次
産業には鉱業︑製造業︑運輪・通信業︑公益企業︑第三次産業には其他の諸産業を含む︒然してこの産業分類によ る ︒ て︑その純国民所得は各年ドルにて一九一九年の六七三億ドルより二九年には八五0億ドル︑二九年ドルにて五九
六億ドルより八五0億ドルと四ニ・六︒^ーセント︑年率三・六︒^ーセント強︑また人口は一九年の一
・O
五億より
二九年には一・ニニ億と一六・ニ︒^ーセント増加︑従って人ロ一人当り平均純所得はニニ・七︒^ーセント︑年率二
. ‑ ︒ ^
1七ント弱の増加となってい奇然してかくの如く経済が発展を含んで成長するとき産業構造は当然に変化
するが︑その場合その指標を産業源泉別所得に求め︑且つ先ず第一に私的産業と政府とを区別すると私的産業にて
は各年ドルにて一九年の六三三億ドルより二九年七九六億ドル︑二九年ドルにて五六一億ドルより七九六僻ドル︑
四一・九︒^ーセント︑年率三・六︒ハーセント弱︑政府は各年ドルにて一九年四0億ドル︑二九年五四低ドル︑二九図年ドルにて三五億ドルより五四億ドル︑五四・三︒^ーセソト︑年率四・六︒^ーセント強の増加となっている︒それ
故に政府の産業横造においての地位はこの期間には上昇しているが︑その源泉所得を各一九年と二九年において私
的産業の源泉所得と比較するとき︑そのいずれにても極わめて小なる割合であるを以て産業構造全体の変化には僅︐
ずかな影評を与えるに過ぎず︑それに圧倒的地位を占める私的産業における変化が産業構造変化の決定的要因とな
産 業 構 造 と 金 融 構 造
︵ 安 田
︶
現象ではなく︑経済成長に伴う一般的現象とも解し得る︒ く上昇している︒ より八四億ドルと二0•八パーセント減少しているのに対して、第二次産業は各年ドルにて一九年二五九低ドル、
二九年三四二儲ドル︑二九年ドルにて一九年ニニ九位ドル︑二九年三四二低ドル︑四九・三︒^ーセント増加︑第三
次産業は各年ドルにて一九年二五四低ドル︑二九年三七〇低ドル︑二九年ドルにて一九年ニニ五低ドル︑二九年三
④
七0億ドル、六四•四パーセソトの増加となり、その結果私的産業全体に対する各産業の割合は一九年には第一次産業一九.
o·~
ーセソト、第二次産業四0・九。ハーセント、第三次産業四〇•一パーセソトであったのが、二九年
には第一次産業一
O ・
六。^ーセント、第二次産業四三·Oバーセント、第三次産業四六•五パーセソトにして、第
一次産業の地位が著るしく低下したのに対して︑第二次産業︑第三次産業は上井し︑殊に第三次産業の地位は著し
右は経済成長に伴う産業諧造の変化であるが︑金融機謁についてはそれは如何︒云うまでもなく金磁機限は第三
次産業に属するが︑その産業源泉別所得は各年ドルにて一九年六八低ドル︑二九年一〇九低ドル︑二九年ドルにて固六0
億ドルより一〇九億ドルと八一・七︒^ーセソト︑年率六・一六パーセソトの硝加にして︑その珀加率は私的産 業全体の増加率を逝るかに超えるのみでなく︑その一部門を椴成する第三次産業の増加率をも可成り超えている︒
かくの如く金融機関の産業全体においての地位はこの時代には上昇したが︑それは必ずしもこの期圃にのみ特有な
ービスを示すものにして︑ 金融機腐の提供するサービスは云うまでもなく信用の援受であり︑従ってその援受する信用批はその捉供するサ
且つこの信用位はその連用貸金批を通して測定し得るが︑その迎用只金位は次節に加い るとき第一次産業の所得は各年ドルにて一九年︱二
0
位ド
9ル︑二九年八四低ドル︑二九年ドルにてほ一〇六億ドル
産 業 梱 沼 と 金 繭 椴 造
︵ 安 田
︶
四
て述べる如く経済成長とともに増加するものであり︑且つ一般的にはその増加率は成長率を超える傾向にある︒こ
れに対して金融機関においては最近における事務の機械化まではその機械化の可能範囲は小であったのであり︑そ
の結果労働生産性上昇率は産業一般のそれより遥るかに小であったが︑賃銀水準は産業一般の労働生産性上昇率と
必ずしも同一割合においてではないが︑それと密接な関係において上昇する傾向にある︒然して金融機関の産業構
一九
二
0
年代においてはアメリカにては右の如く発展を含んで経済は成長したが︑それに伴う産業構造の変化︑更らには金融機関の地位の変化は右の如くであった︒それでは金融機関内部にてはいかなる変化があったか︒
山純国民所得の増加については拙著経済成長•発股と産業構造昭和三二年九0頁第二表、また人口に関してはU.S.
De pt . o f C om me rc e, Hi s t or i c al S ta t i st i c s o f t he Un it ed St a t e s , 1 78 9
1
19 45 ,
S er i e s
B 31
l l
よ
る ︒
図 拙 著 前 掲 ャ ロ 九
0
頁第二表参照
⑱
Co li n C l ar k , T he o C nd it io ns of Ec on om ic Pr og re ss n 2 d e d . , c ha p I. X
大川一司︑小︑原敬士︑な伍橋長太郎︑山田雄
1 1
一訳篇﹁経済進歩の諸条件﹂下牲第九窪参照 固 拙 著 前 掲 苔 九
0
頁第二表参照
固 金 融 機 関 の 源 泉 別 所 得 は
s .
s•
Ku zn et s, a N ti on al In co me an d I t s Co mp os it io n,
1
91
9ー
' 3 8 ,
Ne w York
,
19 54 ,
Ta bl e F . 2 , c o l .
1 1
より求めた︒
︵ 三 ︶
経 済 成 長︑ 発 展 と 金 融 機 構
経済が発展を含んで成長するとき金融機関相互間の関係はいかに変化するか︒本節にてはこの点について考察す
るのであるが︑本稿の性質上それは当然に一九二0年代におけるアメリカ経済に限定する︒また金融機関相互閻の
産 業 楷 造 と 金 融 構 造
︵ 安 田
︶
造においての地位の上昇もこのことにもとずく︒
五
^ ‑
各金融機関の総資産表
(単位 1 0 位ドル)
年 開 法 銀 1 商 業 銀 行 I 翡法銀 i
小計に : : 詈 l 合 計
m I 1 2 , I ( 3 ) I ( 4 ) ( 5 ) I i s , I ( 7 > I ( B l
1 9 1 9 , 2 1 . 2 , 2 0 . 9 , 4 2 . l 5 . 2 , 6 . 8 1 2 . 5 , 5 6 . 6 2 9 2 7 . 4 3 4 . 6 6 2 . 0 1 0 . 0 1 7 . 7 8 . 7 9 8 . 2 本表の中第 ( 2 ) , ( 3 ) , ( 5 ) , ( 7 ) の各概は U.S . D e p t . o f Commerce, H i s t o r i c a l S t a t i s t i c s o f the United S t a t e s , による。その 中第 ( 2 ) 閲
ItSe r i e s N. 2 8 , 第 1 3 ) 欄は N . 4 6 , 第 ( 5 ) 梱は N. 仏 第 ( 7 ) 関は H.1 2 1 による。但し第 ( 7 ) 梱のみは預料の関係上 1 9 1 9 年の 代わりに 1 9 2 0 年である。また第 ( 6 ) t l l l l は I n s t i t u t eo f L i f e I n s ‑ u r a n c e , Fact Book, 1 9 5 7 , p . 6 1 の t a b l e による。
を含む経済成長と金融機関との関係を考察する湯合においての注目す
産 業 栂 造 と 金 賊 樅 追
︵ 安 田
︶ 関係と云うも連邦準備銀行は中央銀行として他の銀行と異なる性質を有するが故に︑それを対象より除く︒
各金融機関の資産の中には周知の如く建物其他それを経営するに必要な什器等が含まれ︑また銀行等にては支払
備金があり、そのすべてが貸出•投資せられるのではないが、それは運用資産と密接な閾係を有するを以て、その
総資産を以てこれを代表する︒その場合その総資産は金融機関相互間の関係を最も明確に示すであろう︒
合の四者全体としての総資産は各年ドルにて一九年の五六六低ドルよ
り二九年には九八二低ドルと七一―-•五。^ーセソト増加している。これ
に対して純国民所得は政府源泉所得と私的産業源泉所得の両者を合計 して各年ドルにては一九年六七三低ドル︑二沈年八五
0
位ドル︑増加率二
六︒
︱︱
‑︒
^ー
セソ
ト︑
また
私的
産業
のみ
にて
は一
九年
六三
三位
ドル
︑ 二九年七九六箆ドル︑増加率二五・八︒^ーセソトに過ぎざるを以て金 融機関全体の資産増加率は国民所得の増加率を逝るかに超える︒発展
ペき一現象であろう︒
右は金融機関の資産増加と発展を含む経済成長との脚係であるが︑
それでは金融機関の内部においてはいかなる変化があったか︒上表よ り一九年と二九年との間の資産増加率を求めると商業銀行の増加率四七・︱
‑ r ^ 1
セソト︑貯菩銀行九ニ・三パーセ
上表が示す如く商業銀行︑貯菩銀行︑生命保険会社︑貯菩・代付組
. . .
"
七
ソト、生命保険会社一五七•四。^ーセソト、貯蓄・貸付組合二四八-o·ハーセント︑また商業銀行の中︑国法銀行
と州法銀行との各増加率は二九・ニ︒ハーセント︑六五・五︒^ーセントにして︑その結果一九年には右諸金融機関資産合計五六六億ドルに対して各金融機関の資産の割合は商業銀行七四•四。^1七ント、その中、国法銀行三七•四
。^ーセント、州法銀行三六・九。ハーセント、貯蓄銀行九・ニ。^ーセント、生命保険会社―二•o·ハーセント︑貯蓄
・貸
付組
合四
・四
︒^
1七ントであったのが︑二九年には金融機関の総資産九八二億ドルに対して各金融機関の資産
の割合は商業銀行六三・一︒^ーセント︑その中︑国法銀行二七・九︒^ーセント︑州法銀行三五・ニ︒^ーセント︑貯
蓄銀行一〇・ニ︒^ーセント︑生命保険会社一七・六︒^ー七ント︑貯蓄・貸付組合九
‑ o ・
ハーセントとなっている︒
かくの如く一九二
0
年代には商業銀行に対する他の金融機関の地位が上昇したのであり︑また商業銀行内部にても国法銀行に対して州法銀行の地位が上昇した︒それではその原因は何か︒
アメリカにおける一九二0年代の銀行預金の楷成変化について考察すると貯蓄銀行及び郵便貯蓄を含み︑且つ銀
行間の預金を除いたる全銀行組織においての要求払預金
(d
em
an
d
de
po
si
ts
)
と有期貯金
(t
im
e
de
po
si
ts
)は ︑
一九年には要求払預金一七六億ドル︑有期預金一三四億ドル︑合計三一
0
億ドルに対して︑二九年には要求払預金三二五億ドル︑有期預金二八六億ドル︑合計五︱一億ドルと要求払預金が二七・八︒^ーセソトの増加であるのに対
して、有期預金は一―三•四。^ーセントの増加にして、その結果両者の割合は一九年における要求払預金五六。八
︒^
'・
セン
ト︑
有期
預金
四三
・ニ
︒^
ーセ
ント
より
二九
年に
は前
者は
四四
・O
︒^
ーセ
ント
︑後
者は
五六
︒
0
︒^
ーセ
ント
ーに変化している︒
右の如く金融機構においては商業銀行の地位が低下して︑貯蓄銀行︑生命保険会社等の地位が上昇し︑また全銀
産 業 構 造 と 金 融 栂 造
︵ 安 田
︶
8
産 業 檄 造 と 金 融 構 造
︵ 安 田
︶
行組織にては要求払預金が相対的には減少して︑有期預金が増加しているが︑この二事実はもとより無廣係でほあ
周知の如く商業銀行が他の金融機園と区別せられるべき特質は当座取引を主要業務とし︑その預金を受入れるこ
とにある︒これに対してアメリカにおける要求払預金とは有期預金とともにその法定準備制度と園連する預金の分
類に
して
︑期
限ー
︱1 0
日以内の預金を要求払預金︑三0日を超える預金を有期預金と称し︑阿者はその法定雖備率を
異にする︒それ故に概念的にはアメリカにては要求払預金は当座預金よりも広義である︒けれども現実の朋艇とし
ては要求払預金の大部分は当座預金と考えられる︒然るにこの当座預金は銀行にとっては預金ではあるが︑それは
また同時に流通通貨の一種類にして︑価値保蔵のための預金である他の預金とは異なる︒
右の如くに考えると一九二0年時代には要求払預金と有期預金の両者は増加したが︑殊に後者が沌加し︑相対的
には前者に比較して後者が増加した事実は当座預金と他の預金との輿係にも妥当すると解し得るであろう︒
当座預金と他の預金とはその性質を異にするが︑このことより後者の増加は貯菩の結果ではあるが︑前者はその
結果でないとするを得ない︒このことは例えば一企業において当座預金が増加したが︑他の資産及び負偵には変化
はなく︑その未分配利潤のみが増加した場合を仮定するならば明らかであろう︒もとよりかくの如き輻端なる楊合
は現実には存在しないが︑それに接近する場合は存在し得るのであろう︒けれどもそれは貯菩と無脚係であるので
はない︒それではそれは貯蓄のいかなるものと関係するかであるが︑貯菩性向と腐係する︒即ち与えられた経済事
情の下にては貯菩性向が大であることは後述の如く当座預金と比較して相対的に他の預金が増加し得るのである︒
要求払預金と有期預金との一九二0年代における関係について右の如く解するとき︑︱
‑ 0 年代において生命保険
り得
ない
︒
八
ント
であ
った
が︑
一九
00
年に
は三
三︒
^ー
セン
ト︑
二0
年三
四︒
^ー
セン
ト︑
三0
年三
三︒
^ー
セン
ト︑
四0
年四
八︒
^ 産 業 栂 造 と 金 融 構 造
︵ 安 田
︶
年と考えられるを以てこのことを考慮するならば︑
九
^ンセンはアメリカにおける一八00年より一九四八年までの約一五0年間にわたり通貨と預金の合計斎の国民
所得に対する割合を示しているが︑それによればその割合は一八00年における五︒^ーセントより一九00
年に
は
五一︒^ーセントに上昇し︑且つ一九二0
年は
五七
バー
セン
ト‑
‑ 0 年︱
七二
︒ハ
ーセ
ント
︑四
0年
八二
︒^
ーセ
ント
︑四
③ 八年七六パーセントとなっている︒然してこの中︑四0年より四八年までの期間を除けば他の期間にては一般的に
上昇してをり︑且つ一九四八年は第二次大戦終了後若干の年を経過したに過ぎず︑なおその影唇が存在する特殊の
一般的には発展を含む経済成長に伴ってその割合が上昇すると
云い得るであろう︒なお^ンセンはその内容を細別して要求払預金を含む通貨と有期預金の各国民所得に対する割
合を一八九二年より一九四八年までの期間について示しているが︑それによれば前者は一八九二年には三一︒^ーセ す ︒ 一
五六
・九
︒^
ーセ
ント
の増
加と
なり
︑
図る ︒
然してこの責任準備金は貯蓄の一形態であるが︑ 会社の金融機構における地位が上昇した事実についてもまた容易に説明することを得る︒即ち生命保険会社の総資産は前述の如くこの期間に一五七•四.^ーセント増加しているが、それは根本的には保険契約高増加にもとずく保険料収入︑並にそれに伴う責任準備金増加の結果にして︑且つその保険契約高︑保険料収入︑責任準備金を具体的に示すと保険契約高は一九年二五八億ドル︑二九年七五七億ドル︑保険料収入は一九年︱二億ドル︑二九年三=︱位
右の各増加率︑殊に責任準備金の増加率は総資産の増加と対応する関係あ
その増加率の大であることは貯蓄性向の大であることを示 ドル︑責任準備金は一・九年五八億ドル︑二九年一四九億ドル︑各一九三•四。^ーセント、一七五•O。^ーセント、
10
産 業 樅 造 と 金 融 栂 造
︵ 安 田
︶
ーセソト︑四八年五〇︒^ーセントであるのに対して︑有期預金は一八九二年一六.ハーセント︑
セソト︑二
0
年二
三︒
^ー
セソ
ト︑
ている︒この場合直ちに明らかな如く一八九二年より一九三
0
年までの期間においては通貨の国民所得に対する割 山 三0
年三九パーセソト︑四0
年三四︒^ーセソト︑四八年二六︒^ーセソトと低下し合は殆んど不変であるが︑有期預金の国民所得に対する割合は上昇を持続したのである︒けれども一九三
0
年以後にては事情は変化し︑前者の割合は上昇したが︑後者の割合は低下した︒然してその理由の如何は別とし︑少くと
も一
九︱
︱‑ 0
年代以後の期間について云えば一︱
年代は周知の如く大不況の期間にして︑経済は殆んど成長すること‑ 0
なく︑また四
0
年より四八年までの期間は第二次大戦を含むが故に︑このことを考慮すれば一九一l ‑ 0
年までの事実
が正常な状痕の下における発展を含む経済成長と通貨及び預金︑更らにはその構成内容との関係を示していると云 い得べく︑且つそれによれば経済の発展を含む成長とともに通貨及び預金の国民所得に対する割合は上昇するが︑
その上井は有期預金の国民所得に対する割合の上昇にもとずく︒それではその理由は何であるかであるが︑貯菩性
向の上昇によるものである︒
右の如く経済成長に伴う貯蓄性向の上昇を原因として一八九二年以後要求払預金に対する有期預金の割合は上丼
を持続したのである︒然してそのことが一九二0年代において右の如き結果を生じた根本的理由であろう︒
第二にこの期間における金融機構の変化として考察するを要するはその中核である銀行においての集中化の問題 周知の如く一般産業における集中化傾向と対応して銀行にても集中化の傾向があるが︑特に銀行にてはその傾向
固
が顕著にして︑例えばイギリスにおける五大銀行の確立はすでに第一次大戦直後に生じていた︒けれどもアメリカ で
ある
︒
10
一
九
00
年一
八︒
^
1
はあ
るが
︑
にては若千事情を異にする︒即ち同国はその国成立の事情よりするも︑長期的には中央集権下への傾向にはあるが︑
各州の政治的独立性は大であり︑且つ中央集権下への傾向が急激となったのは一九三0年代以後のことであるが故
に二
0年代には今日よりもなおより以上に各州の政治的独立性は大であった︒然してこのことはその金融機構にも
重要な影響を与え︑例えば中央銀行制度を確立するに際しても他国にては当然にそれは一行であるが︑アメリカに
てはその全地域をご一の地域に分割し︑各地域に連邦準備銀行を設立することを余儀なくせられたことよりも明ら
かであろう︒それではそのことは商業銀行制度にいかに作用しているかであるが︑州法銀行についてはもとよりで⑥ あるが︑国法銀行にても州を超えて営業することを得ない︒それ故に同国にてはその法律的制約のために支店を有
せざる単一銀行
( u
n i
t
b a
n k
)
が多数に存在するものにして︑例えば一九二九年六月末には国法銀行は七五三六行
存在したが︑その中にて支店を有する銀行は一六七行︑また州法銀行一六七九二行の中にて支店を有する銀行は五九
七行にして︑その割合は前者はニ・ニバーセント︑後者は三・五︒^ーセントに過ぎず︑また右支店を有する銀行の
な ︒
一行当り平均は国法銀行六店弱︑州法銀行四店弱となっていこの事実よりするも当時における銀行集中の程度
を推察することを得るであろう︒けれどもなおその程度が小であるとしても一九二0年代には銀行集中化への傾向
は存在したであろうかどうか︒
次表が示す如く商業銀行にては国法銀行︑州法銀行のいずれにおいても銀行数は減少しているのに資産総額は増
加し︑従って一行当り平均規模は可成り拡大している︒それ故にこの事実のみより考察すれば銀行集中の事実が存
在するかの如くである︒けれども一九年並に二九年のいずれを比較するも国法銀行は州法銀行よりその規模は大で
一行当り平均資産増加率よりすれば小規模である州法銀行の資産増加率九四・︱︱‑︒^ーセントに対して︑
産 業 構 造 と 金 融 構 造
︵ 安 田
︶
12
る ︒ 商業銀行資産平均表
I
I
国 法 銀 行 州 法 銀 行
叩 秤 朝 ' 岳霜〗 位当万 り I 銀 行 数 預産総額 一行当り平
銀 行 数
(単位 1 0 (単位 1 0 均(単位万
(単位千) 低ドル) I (単位千) 低ドル) ドル)
( 2 ) ( 3 ) ( 5 ) ( 6 ) ( 7 ) 7 . 8 2 1 . 2 1 9 . 7 2 0 . 9 1 0 6 万ドル 7 . 5 2 7 . 4 1 6 . 8 3 4 . 6 2 0 6 万ドル 本表は H i s t o r i c a lS t a t i s t i c s , S e r i e s N . 2 7 , 2 8 , 4 5 , 4 6 による。
産 業 栂 造 と 金 祗 檄 造
︵ 安 田
︶ 大規模である国法銀行の資産増加率は︳︱‑四・一パーセソトにして︑その結果一行当り乎均資産は一九年には州法銀 行は国法銀行の僅ずか三九。
0。^ーセントであったのが、二九年には五六•四.ハー七ソトにまで上井している。か
くの如く小規模な銀行が大規模な銀行よりもその成長率が大であるという事 実よりするならばそれは銀行の集中化というよりは分散化とも解し得るであ らう︒然し乍らこの集中化の問題はなお他の事実との謁迎において考察しな アメリカにおいては前述の如く商業銀行にては国法銀行であると州法銀行
であるとを問うことなく︑その大部分が単一銀行であるが︑その中にて支店 銀行の重要性は次第に上井している︒即ち国法銀行のみについて云えば支店 を有する銀行は一九二
0
年には僅ずかにニー行であったのが︑二九年には一 六七行に増加し︑また預金靡は七位ドル弱より八
0
位ドル弱と一一倍以上に 増加しているのであって︑その国法銀行総預金に対して占める割合は二
0
年⑧の四・一パーセソトより三七
‑ o ・
ハーセソトに上昇している︒この事実より 云えば一九年においてはいまだ銀行集中の事実が存在したとは云い得ざる も︑二九年には僅ずかに全体の二︒^ーセントに過ぎない銀行が全預金の三七
.0
バーセントを支配していることは集中化の事実を認めざるを得ず︑また築中化がかなり急激であったと考え得
ければならない︒
︵ 四 ︶
アメリカにおける銀行集中との関連においてなお重視を要するは連鎖銀行業の発展にして︑それは一九二
0
年代に特にカリフォルニア州において発展したのであるが︑
Fa ul kn er
によれば︑トランス・アメリカ︒コオーボレシ
ョンはカリフォルニア・アメリカ銀行及び他の大銀行を支配し︑更らにこれらの大銀行は五
00
以上の銀行をその⑨ 支配下に有していたのであって︑その中には他の州の銀行も含まれているとのことである︒以上の如くに考えるならば一九二0年代におけるアメリカにては銀行は可成り急激に集中化の方向にあったと解
することを得るであらう︒
山
C on f H i . , s to r i ca l S t a t i s t i c s , S e r ie s N. 17 5 , 1 7 7
図
I ns t i tu t eo f L i fe I ns u r an c e , F ac t B oo k, e N w Y or k, p .
8, p . 5 1 ,
p . 57
の
t ab l e s
M
よ る
︒
③
A.H•
Ha ns en , M on et ar y T he or y a nd Fi s c al P o l i c y , Ne w Yo rk , 1 9 4 9 ,
p .
4
小 原 敬 士 伊 東 政 吉 訳
山
i b i d ,
p .
9
訳本第四表(‑︱頁︶︒
固ィギリスにおける銀行業合併の過程に関してほ
c on f .
J.
S yk e s , T he Am al ga ma ti on o M ve me nt in English
Ba nk in g, Lo nd on , 1 9 26
佃
R . S . S ay e r s, Am er ic an Ba nk in g S ys te m, Lo nd on , 1 9 4 8 , p p 1 . 9 1 20
森川太郎訳昭和一二二年
m
H is t o ri c a l S t a t i s t i c s , S er i e s N . Z " / ,
4 5
, 9 1 , 9 2 , 9 4 9, 5
l l よ
る ︒
⑲
c o n f . , i b i d . , S e r i e s , N.
3 4 ,
9 1 , 92
⑨
H. U .
: f
a ul k n er s A , me ri ca n E co no mi c H is to ry t 5 h e d . , 1 9 4 3 N, ew Yor k, p. 61 2
各金融機関の作用と産業構造
一九
二0年代におけるアメリカは急激な経済成長率︑及び発展割合を示したが︑
Fa ul kn er
の説く如く同年代は
産 業 檄 造 と 金 融 構 造
︵ 安 田
︶
第 一 表 ︵ 五 頁
︶ ︒
︱ ︱
︱ ニ
ー 四
頁
14
金融機関資金供給表
( 1 0 憶ドル)
年 国法銀 非国法 生命保
合 計
行 銀行 険会社
( 1 ) I ( 2 ) I ( 3 ) I ( 4 ) I ( 5 )
1 9 1 9 1 1 . 0 1 4 . 1 4 . 1 2 9 . 7 2 9 1 4 . 8 2 6 . 6 1 2 . 3 5 3 . 7
本表の中第 ( 2 ) 梱,第 ( 3 ) 梱は H i s t o r i c a l
S t a t i s t i c s , S e r i e s N. 2 9 , 3 7 によった。なお第 ( 3 )
欄i こほ貯菩銀行を含む。また第 ( 4 )梱は生命保険会社
の私的企棠株式,社餃の所有涵と mortgages 代出
店の合計にして,それは L i f eInsurance FactBook•
1 9 5 7 , p . 6 7 と p .7 5 の合計である。
産 業 椴 造 と 金 磁 棉 造
︵ 安 田
︶
を明らかにすることが必要となる︒ て銀行及ぴ生命保険会社のこの期間における賓金供給硝加益を求め
自動車の急激な生産増加と住宅建築高の増加を以てその特質とすることを得る︒即ち乗用車の生産悩は一九年にほ 一六五万台であったのが二九年には四四六万台とニ・七倍に増加し︑また非晟家住宅建築高は一九
0
一年
より
一
0
年までの合計四三三万戸より二
0年より二九年までの合計七
0三万戸に増加していが︒
各金融機関の経済成長に対する作用を考察する場合に区別するを要するは事前的考察と事後的考察とであるが︑
ここにては先ず事後的考察より出発する︒
各金融機固が私的各産業︵但し住宅建築を含む︶に対してこの期間に供給した衰金涵であるが︑その中銀行︵但 し貯蓄銀行を含む︶と生命保険会社の資金供給高は次表の如くである︒
上表が示す如く銀行及び生命保険会社の一九一九年における底的 産業への資金供給翡二九二低ドルに対して二九年の沢金供給裔は五 三七億ドルにして︑その増加蒻は二四五岱ドルである︒もっとも正 確に云えば銀行及び生命保険会社の貸金供給増加裔は右の蛸加砧を 超えると考えられる︒即ち上表の資金供給商の中︑生命保険会社に 関しては有価証券所有高の増加を含むが︑銀行についてはこれを除 き︑貸出︑商業手形の剖引による資金供給裔のみである︒したがっ るためには︑この有価証券所有益の増加を通しての資金供給珀加益
一四
産 業 構 造 と 金 融 構 造
︵ 安 田
︶
右の如く連邦準備銀行を除く銀行全体の一九一九年より二九年までの私企業発行の証券所有高の増加を五0
億ド
有高が増加していると考える︒
一 五
一九
は逆に一00億ドル増加し、阿者を併せ考慮すると若干増加しているに過ぎない。次ぎに生命保険会社であるが• 2 二0年より二九年までの公俄発行高を検討すると連邦政府は約八七億ドル減少しているが︑州及び地方政府
その連邦政府の公債の所有高は一九一九年には七・八億ドル、二九年は三・四億ドルと四•四億ドル減少している
が︑州及び地方政府公債の所有高は一九年の三・ニ億ドルより九・一億ドルと五・九億ドル増加し︑右の連邦政府
と州及び地方政府の各公債発行高と対応する関係にあるのみではなく︑両者を併せた生命保険会社の公佃所有増加⑱ 高は僅ずかに一・五億ドルに過ぎない︒
一九二九年末における連邦政府の公債発行高は一六九億ドルであるが︑その中商業銀行の公依所有高は約五0億
囚 固
ドルにして︑これに貯蓄銀行等の所有高を加えるも五三億ドル程度にとどまると推定せられる︒これに対して連邦
準備銀行を除く銀行全体としての有価証券所有高は二九年末にては連邦政府偵を含み一七四億ドルであるを以て約囮
ー ニ 0億ドルが州及び地方政府発行の公債と私企業発行の証券所有高である︒それではこの両者の内訳は如何とな
るがそれは明確ではない︒けれども前述の如く一九一九年より二九年までの期間においては連邦政府偵は減少して
いるが州及び地方政府債は増加し︑且つ両者は全体としては若干増加している︒然して連邦準備銀行を除く銀行全
体としての証券所有高の中︑連邦政府債︑州及び地方政府債についてはほぼこれに対応する関係があったと仮定す
るとき︑銀行全体としての連邦政府債︑州及び地方債︑私企業発行の証券所有高は一九年末のーニ
0
億ドルより二九年末には一七四億ドルと五四億ドル増加しているが︑がJの中の大部分︑即ち約五
0
億ドルは私企業発行の証券所16
り︑且つ二
0
年代は周知の如く好況の期間であるを以て企業利洞︑ ルと推定するとき銀行及び生命保険会社のこの期間中における資金供給増加店は三00
憶ドル弱培加していると考右は銀行及び生命保険会社の私的産業に対する資金供給高であるが︑なおそれ以外の金融機関及び其他の源泉に よる資金供給店を附加するを要する︒然して住宅建設資金の供給に関しては前述の金融機関が重要な作用をしてい るが︑なおそれ以外に貯菩・貸付組合︑個人等による不動産抵当貸出が重要にして︑例えば二五年六月末と二九年
⑧
六月末との間において四五億ドルの貸出増加となっている︒これに対して同期間の住宅建築涸合計は一四一億ドル
岡にして︑一九二
0
年より二九年までの住宅建築高合計三ニニ憶ドルに対して約四四︒^ーセントを占め︑従って貯菩.
貸付組合︑及び個人の不動産抵当箕出が一九二
0
年より二九年までの全期間において二五年六月より二九年六月までの四ヶ年にての住宅建築に対すると同一割合であると仮定すれば一
0
五位ドル弱となる︒それ故に銀行及び生命保険会社の前述の資金供給高にこれを附加すると約四
00
億ド
ルと
なる
︒
企業がその生産設備等を増加する湯合にはその資金の可成り重要な部分を企業の内部留保に求めるのが常であ
従ってまた企栗の内部留保もまた巨額であっ
た︒即ち袋業及び金融業を除く二
0
年より二九年までの各年の私企業全体の内部留保店はクズネッツの示すところによれば合計ニ︱二億ドルである︒従って前述の金額にこれを加えると約六一〇臆ドルとなる︒
私的企業への一九二0年代における総供給資金に謁しては右以外に私人による直接に企業発行の株式︑社俄への
投資を附加することを得べく︑それを加えると右金額を可成り超えると考えられる︒けれども右の金額がその重要
部分を形成するであらう︒それではこの資金は各産業に対して如何なる割合にて供給せられたであらうか︒ えられるであらう︒
産 菜 諮 造 と 金 磁 構 造
︵ 安 田
︶
一 六
の如くである︒ 次表の如く連邦土地銀行による資金供給高は一
0
億ドル︑生命保険会社は一︱億ドル増加しているが︑商業銀行既述の如く貯蓄銀行をも含む銀行全体と生命保険会社の資金供給高は一九二
0
年代全体として約三00
億ドルで産 業 樅 造 と 金 融 構 造
︵ 安 田
︶
は逆
に一
億ド
ル減
少し
ーて
いる
︒
住宅建築資金供給表
( 1 0 億ドル)
戸 生 命 保 1 相 互 貯 商 業 個 人 及 I 合
年 合 険 会 社 菩 銀 行 銀 行 び 其 他
:
:
:
: : : : : : I I : : : I : : :
本表は H i s t o r i c a lS t a t i s t i c s , S e r i e s H, 1 2 0 より
1 2 4 まで,及び 1 2 6 による。
1 9 2 5 2 9
銀行一七億ドル︑個人及び其他二二億ドルの増加となっている︒然してこの期
間中における住宅建築高は一九二0
年代の全建築高の四三︒^ーセントである︒
もとより一九二
0
年代全期間の住宅建築のための全資金供給源泉が二五年より 二九年までのそれと同一割合であるべき理由はないが︑ある意味にてはその大 体の割合を示すとも考えられるを以てそれを全期間に拡大すると貯蓄・貸付組 合五三億ドル︑生命保険会社一七億ドル︑相互貯蓄銀行二八億ドル︑商業銀行
四0
億ドル︑個人及び其他五一億ドル︑合計一八九億ドルとなる︒
各金融機関の一九二
0
年代における農業への資金供給高であるがそれは次表
叶
1 3 . 2 2 1 . 1
であ
る︒
融機関はいかなる作用をしたかであるが︑
一七
九一
二0
年代においては前述の如く住宅建築高は極わめて巨額であったが︑その建築資金の供給に関しては各金
一九二五年と二九年との間における不動産抵当箕出の内訳は次表の如く 上表が示す如く一九二五年より二九年までの四年間に不動産抵当貸出は貯蓄
・貸付組合二三億ドル︑生命保険会社八億ドル︑相互貯菩銀行八億ドル︑商業
18
ある︒これに対して住宅建築のための両金融機関による資金供給高は前述の如く八五位ドルと推定せられ︑
② i
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本 は 業梱 商
各金融機関の最業資金供給高
年
連邦土
生命保 商 業個 人 合 計
地銀行 険会社
銀 行1 9 1 9 0 . 2 1 . 0 3 . 7 4 . 9 9 . 8 2 9 1 . 2 2 . 1 3 . 6 4 . 7 1 1 . 6
業資金供給高は一
0
億ドルであるを以て合計九五低ドル︑即ちその差約二
00
億ドルが第二次産業︑及び住宅を除く第三次産業への賛金供給高となる︒けれ ども第二次産業及び第三次産業への資金供給涵とし.ては企業の未分配利澗を附 加するを要すぺく︑それは約ニ︱
0
億ドルであるを以て合計四一0
低ドルとな 右が第二次産業及び第三次産業においての一九二0
年代の貸金供給増加麻で あるが︑これに対して第二次産業及び第三次産業にての資金配分砥は如何︒九二九年末には薗賦信用残森は一=二億ドルであるが︑その大部分は自動車困要
簡" 1
の急激な増加にもとずくと考えられるぺく︑且つ今日にては耐久的消喪財購入 資金を商業銀行が直接に供給することは商業銀行の重要な費金運用方法である が︑当時にてはそれは一般的でないと考えられるを以て︑第二次産業及び第三次産業の資金配分蒻の一部分を形成 すると解し得るであらう︒次ぎに要求払預金はこの期間に一七六憶ドルよりニニ五億ドルと四九箆ドル培加してい るを以て︑割賦払信用との合計八
0
億ドルは直接には投資せられることなく︑従ってその差一
‑ = = 0
他ドルが固定汽 本及び運転資本に投下せられたと考える︒
貯蓄銀行をも含む銀行全体のこの期間における資金供給増加高は約ニ︱
0
位ドルであるが︑その中約五
0
位ド
ル 芸企業発行の証券に対する投資高にして︑且つその中には貯菩銀行における証券所有の増加をも含むを以て︑商
る ︒
産 業 梱 造 と 金 盈 梅 造
︵ 安 田
︶
一 八
また最
たのはその金額よりも明確である如くに企業の自己金融であらう︒
一九
︱一億ドルが農業︑二四億ドルが工業への資
業銀行の第二次産業及び第三次産業の固定資本形成に対する資金供給上の作用は小であったとするのが妥当であら う︒次ぎに商業銀行の運転資本に対する資金供給であるが︑右のニー
0憶ドルより五0億ドルを差引きたる一六〇
億ドルは事業代出及び商業手形の割引によるも︑その中約七
0
億ドルは住宅建築資金の供給であるを以て約九
0億
ドルが第二次産業︑及び第一二次産業への資金供給である︒けれどもこの期間中には要求払預金が約五
0億ドル増加
してをり︑また割賦信用取引がこの期間に急激に増加し︑且つその残高が二九年末には三二億ドル存在したことを 考應するとき︑第二次産業及び第三次産業への運転資本のための商業銀行による資金供給高は比較的少額であった と考える︒次ぎに生命保険会社であるが︑その資金増加高の内訳は次表の如くにして︑社債及び株式所有増加裔三
0億ドルの中二五億ドルは鉄道会社及び公益事業会社債であり︑また株式所有増加高の中にも鉄道会社及び公益事
業会社の株式が含まれると考えられるを以て︑その殆んどすべては鉄道会社及び公益事業会社の社債及び株式であ るべく︑また不動産抵当代出については一七億ドルが住宅建築資金︑
金供給増加である︒それ故に生命保険会社にてはその資金供給増加痛の大部分が第二次産業へのそれであったと云 い得るであらう︒なお右以外の金融機関として貯蓄・貸付組合があるが︑それは専ら住宅建築のための金融機関と
解することを得る︒
以上の如くに第二次産業及び第三次産業の実物資本増加︑殊に固定資本増加のための衰金供給に関しては商業銀 行よりも生命保険会社が重要な作用をしたと考えられる︒けれどもかくの如き金融機関よりもなお重要な作用をし 経済成長率の上昇は好況に媒くが故に企業利潤の増加︑従ってまた企業の未分配利潤の増加となるべく︑事後的