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ホワイト ペーパー

要約

このホワイト ペーパーでは、新しいVNX®ストレージ システムにお けるEMC® Multicore FAST Cacheテクノロジーの概要について説 明します。Multicore FAST Cache機能の実装、およびUnisphere®

やNaviSecCLIを使用した操作方法について詳しく説明します。また、

使用のガイドラインやお客様の主なメリットについても説明します。

2014年7月

EMC VNX Multicore FAST Cache

VNX5200 、 VNX5400 、 VNX5600 、 VNX5800 、 VNX7600 、 VNX8000

詳細レビュー

(2)

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パーツ番号H12208.2-J

EMC VNX Multicore FAST Cache VNX5200、VNX5400、VNX5600、 2 VNX5800、VNX7600、VNX8000:詳細レビュー

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目次

エグゼクティブ サマリー ... 4

はじめに ... 4

対象読者 ... 5

用語 ... 5

グローバルなMulticore FAST CacheとTCO ... 6

Multicore FAST Cacheのコンポーネント... 7

オペレーション原理... 7

Multicore FAST Cacheプロモーション ... 7

ホストの読み取り処理 ... 8

ホストの書き込み処理... 9

マルチコア キャッシュからMulticore FAST Cacheへのコピー... 10

Multicore FAST Cacheのクリーニング... 11

Multicore FAST Cacheフラッシュ ... 11

管理 ... 12

Unisphere ... 12

NaviSecCLI ... 16

Unisphere Analyzer ... 16

ベスト プラクティス ... 17

相互運用性に関する検討事項 ... 17

障害処理 ... 18

結論 ... 19

参考資料 ... 19

付録A:Multicore FAST Cacheの構成オプション ... 20

付録B:FAST VPとMulticore FAST Cache ... 21

付録C:Multicore FAST Cacheとストレージ システム キャッシュの 比較 ... 23

EMC VNX Multicore FAST Cache VNX5200、VNX5400、VNX5600、 3 VNX5800、VNX7600、VNX8000:詳細レビュー

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エグゼクティブ サマリー

EMC®がフラッシュ テクノロジーをエンタープライズ アレイのディスク モジュール(一般にSSDと呼ぶ)

に初めて導入して以来、このテクノロジーの使用をすべてのEMC® VNX®シリーズに拡大すること がEMCの目標でした。フラッシュ テクノロジーが持つ高パフォーマンスとギガバイト単位のコスト の急速な下落が、このキャッシュ階層の概念につながりました。キャッシュ階層とは、ストレージ プロセッサのDRAMベースのプライマリ キャッシュとHDD(ハード ディスク ドライブ)の間に位置 する、FAST Cacheで最適化されたフラッシュ ドライブを使用した大容量のセカンダリ キャッシュ です。新しいEMC VNXストレージ システムでは、この機能はEMC Multicore FAST Cacheと呼 ばれます。

Multicore FAST Cacheは、ストレージ システムの既存のキャッシュ容量を拡張して、システム全体

のパフォーマンスを向上させます。Multicore FAST Cacheではこれを実現するために、HDDより 高速な、FAST Cacheで最適化されたフラッシュ ドライブにアクセス頻度の高いデータをコピーして DRAMキャッシュの機能を拡張し、システム パフォーマンスを向上させます。また、Multicore

FAST Cacheは、DRAMキャッシュよりもはるかに大容量で拡張性の高いキャッシュを提供します。

Multicore FAST Cacheの容量は100 GBから4.2 TBまでサポートされ、既存のストレージ システ ムで使用できるDRAMキャッシュよりもはるかに大容量です(「付録A:Multicore FAST Cacheの構成 オプション」を参照)。

システム レベルでは、Multicore FAST Cacheがフラッシュ ドライブ容量を最も効率的に使用でき ます。これは、Multicore FAST Cacheが、フラッシュ ドライブを特定の用途用に割り当てるのでは なく、ストレージ システム内で最も頻繁にアクセスするデータ用に使用するためです。Multicore

FAST Cacheの構成は、既存のメモリ割り当てインターフェイスを使用し、ホスト(サーバー)サイク

ルを使用しない無停止のオンライン プロセスです。Multicore FAST Cacheは、RAIDで保護された ミラー ペアで作成されます。容量のオプションは、ストレージ システムのモデルや、取り付けられ ているフラッシュ ドライブの数とタイプによって異なります。Multicore FAST Cacheを作成し、ストレ ージ ボリューム上で有効化すると、Unisphere®で管理できます。アプリケーションでMulticore

FAST Cacheによるパフォーマンス メリットを確認できるまでに、ユーザー介入は不要です。

Multicore FAST Cacheは、クラシックLUNとプールLUNで使用できます。

はじめに

このホワイト ペーパーでは、Multicore FAST Cache機能の概要について説明します。Multicore

FAST Cacheの目的は、フラッシュ ドライブのパフォーマンスを活用しドライブを効率的に使用して、

システム内で最も頻繁にアクセスするデータを格納することです。特定のデータ チャンクに頻繁 にアクセスする場合、VNXは、ハード ディスク ドライブからフラッシュ ドライブのMulticore FAST

Cacheにそのデータ チャンクを自動的にコピーします。同じデータ チャンクへの後続のI/Oアクセ

スは、フラッシュ ドライブのレスポンス時に処理されるため、ストレージ システムのパフォーマンス が向上します。このデータ チャンクのアクセス頻度が減少し、その他のチャンクをMulticore FAST

Cacheにコピーする必要が生じた場合は、最も使用頻度の少ないデータが最初に置き換えられ

ます。Multicore FAST Cacheのアルゴリズムと基本操作の詳細については、このホワイト ペーパ ーの「オペレーション原理」のセクションで説明します。

EMC VNX Multicore FAST Cache VNX5200、VNX5400、VNX5600、 4 VNX5800、VNX7600、VNX8000:詳細レビュー

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対象読者

このホワイト ペーパーは、新しいVNXストレージ システムでMulticore FAST Cache機能の使用を 検討されているEMCのお客様、パートナー様、EMCの従業員を対象としています。読者がVNXス トレージ システムおよび EMC の管理ソフトウェアの使用方法を熟知していることを前提としています。

用語

• キャッシュ ページ:Multicore FAST Cache内に割り当てられた最小ユニットで、サイズは 64 KB。

• キャッシュ クリーン ページ:有効なMulticore FAST Cacheのページ。ユーザーLUNと同期 されたデータのコピーが含まれる。

• キャッシュ クリーン ページ:有効なMulticore FAST Cacheのページ。ユーザーLUNと同期 されたデータの最新のコピーが含まれる。

• キャッシュ警告:新しいページが作成されたあとにそのページをFAST Cacheにコピーする プロセス、または、まったく新しいデータ セットの参照を開始するアプリケーションのアクセ ス プロファイルの変更。

• チャンク:特定のアドレス範囲内のデータ部分(64 KB)。

• DRAMメモリ:非常に高速なストレージ メディア(DRAM)にデータを格納するためにマルチ コア キャッシュで使用するストレージ システム コンポーネント。これにより、そのデータに 対する要求を高速処理できます。

• エクステント:隣接する物理ブロックのセット。

• Multicore FAST Cacheコピー:Multicore FAST Cacheページからバックエンドのハード ディ スク ベースのLUNにデータをコピーするプロセス。

• Multicore FAST Cacheプロモーション:HDDからMulticore FAST Cacheページにデータを コピーするプロセス。

• Multicore FAST Cacheフラッシュ:使用するページを解放するために、Multicore FAST

Cacheページからバックエンドのハード ディスク ベースのLUNにデータをコピーするプ

ロセス。

• Multicore FAST Cacheヒット:Multicore FAST Cacheのコンテンツを使用してI/Oを完了で きる場合のインスタンス。

• Multicore FAST Cacheミス:I/Oを完了するために必要なデータ、およびHDDで使用する 必要のあるデータが Multicore FAST Cacheに含まれない場合のインスタンス。

• フラッシュ ドライブ:ソリッド ステート メディアを使用してデータを格納する、データ ストレ ージ デバイス。フラッシュ ドライブには可動部が含まれないため、回転式のHDD(ハード ディスク ドライブ)に比べて極めて速いレスポンス タイムと高いIOPSを実現できます。

• HDD(ハード ディスク ドライブ):磁気面にデータを格納し、さまざまな速度で回転するデ

ータ ストレージ デバイス。

• ホット スポット:LUN上で負荷の高い部分。

EMC VNX Multicore FAST Cache VNX5200、VNX5400、VNX5600、 5 VNX5800、VNX7600、VNX8000:詳細レビュー

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• 参照のローカル性:互いの距離が近い論理ブロックがほぼ同時に繰り返しアクセスされる という概念。

• 論理ブロック アドレス:ストレージ デバイス上のデータのブロックの位置を示す、アドレス 指定スキーマ。

• メモリ マップ:各ビットがMulticore FAST Cacheページを表すアドレスのアレイ。このマッ プは、どのページがMulticore FAST Cacheにあり、Multicore FAST Cache内のどこにあ るかを示します。メモリ マップのコピーはDRAMキャッシュ内にあります。そのため、ペー ジへのアクセスはメモリの速度で行われます。

• マルチコア キャッシュ:VNXストレージ プロセッサのDRAMを使用してホストの書き込みと 読み取りのパフォーマンスを向上させるMCxソフトウェア コンポーネント。

• マルチコア キャッシュ ヒット:マルチコア キャッシュのコンテンツを使用してI/Oを完了でき る場合のインスタンス。

• MulticoreCacheミス:I/Oを完了するために必要なデータがMulticore FAST Cacheに含ま れない場合のインスタンス。

• プール:プールLUNによって使用されるディスク ドライブのグループ。システム上に0個 または 1個以上のプールを構成できます。ディスクは、1つのプールのメンバーとしての み構成できます。プール ディスクをRAIDグループで使用することはできません。

• シンLUN:ストレージ システムによって消費される物理的スペースが、ホスト サーバーに

よって認識されるユーザー容量を下回ることのあるプールで作成された、ストレージの論理 ユニット。

• シンLUN:ストレージ システムによって消費される物理的スペースが、ホスト サーバー

によって認識されるユーザー容量と同じプールで作成された、ストレージの論理ユニット。

グローバルな Multicore FAST Cache と TCO

Multicore FAST Cacheを導入すると、フラッシュ ドライブを特定のアプリケーション専用に割り 当てることなく、レスポンス タイムがより高速でIOPSの高いフラッシュ ドライブを活用できます。

このテクノロジーは、使用可能なストレージ システムのキャッシュを増やします(VNX7600およ びVNX8000ストレージ システムで最大4.2 TBの読み取り/書き込み用Multicore FAST Cacheを 追加。「付録A:Multicore FAST Cacheの構成オプション」を参照)。Multicore FAST Cacheは、クラ シックLUNまたはストレージ プールLUN上のアレイ内のホット スポットを処理します。

Multicore FAST Cacheを使用する大きなメリットの1つは、アプリケーション パフォーマンスの向 上です。特に、I/Oアクティビティが頻繁で、かつ予期せず大幅に増加するワークロードでは、この メリットが顕著に現れます。アプリケーションのワーキング データセットで頻繁にアクセスされる部

分をMulticore FAST Cacheにコピーすることで、アプリケーションのパフォーマンスが直ちに向上

します。Multicore FAST Cacheを使用すると、フラッシュ ドライブの速度で過度な読み取り/書き込 みの負荷が吸収され、アプリケーションで一貫したパフォーマンスを提供できるようになります。

もう1つの重要なメリットは、システムのTCO(総所有コスト)の削減です。Multicore FAST

Cacheは、データのホット(アクティブ)サブセットをフラッシュ ドライブにチャンク単位でコピーし

ます。マルチコア キャッシュのあとに残った(ほとんどではないにしても)多くのIOPSをオフロー

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ドすることで、ユーザーは低コストで大容量のディスク ドライブを使用して、その他のストレージ のニーズを満たすことができます。この割合で小容量のフラッシュが大量のディスクとペアを構 成することにより、最小限のコスト(GBあたりのコスト)と最適な電力効率性(IOPS/KWH)で最 高のパフォーマンス(IOPSあたりのコスト)が得られます。

FAST Cacheイネーブラをインストールすると、Multicore FAST CacheはすべてのクラシックLUNお よびストレージ プール上でデフォルトで有効になります。イネーブラをインストールする前に作成 されたクラシックLUNとストレージ プールでは、Multicore FAST Cacheが無効になります。これら のアイテムで Multicore FAST Cacheを使用するには、UnisphereまたはNaviSecCLIを使用して Multicore FAST Cacheを手動で有効にする必要があります。

Multicore FAST Cache のコンポーネント

Multicore FAST Cacheの機能を利用するには、FAST Cacheイネーブラが必要です。Multicore FAST Cacheを作成するには、FAST Cacheで最適化されたドライブが少なくとも2台システムに必 要です。このドライブは、RAID 1のミラー ペアで構成されます。イネーブラをインストールすると、

システムでは次の主要コンポーネントを使用して Multicore FAST Cacheを処理および実行します。

ポリシー エンジン:Multicore FAST Cache経由のI/Oの流れを管理します。LUN上で頻繁にアク セスされるデータ チャンクは、Multicore FAST Cache(FAST Cacheで最適化されたドライブ)に一 時的にコピーされます。また、ポリシー エンジンはデータ アクセス パターンの統計情報も管理し ます。ポリシー エンジンで定義されるポリシーは、システム定義のポリシーであり、ユーザーが変 更することはできません。

メモリ マップ:粒度が64 KBのチャンクのエクステントの使用および所有を追跡します。メモリ マッ プでは、64 KBチャンクのストレージの状態と、Multicore FAST Cacheのコンテンツに関する情報 を管理します。メモリ マップのコピーはDRAMメモリに格納されるので、FAST Cacheイネーブラを インストールすると、Multicore FAST Cacheメモリ マップにSPメモリが動的に割り当てられます。

メモリ マップのサイズは、作成されるMulticore FAST Cacheのサイズに比例して増加します。メモ リ マップのコピーは、データの整合性と高可用性を維持するために、フラッシュ ディスクにもミラー されます。

オペレーション原理

Multicore FAST Cacheプロモーション

Multicore FAST Cacheプロモーションは、スピニング メディアであるHDDからデータをコピーして、

Multicore FAST Cacheに配置するプロセスです。スピニング メディアからフラッシュ テクノロジー

にデータをコピーすることによりパフォーマンス面でのアップグレードが実現するため、このプロセ スはプロモーションとして定義されます。

Multicore FAST Cacheプロモーションを行う理由

通常の操作時には、Multicore FAST Cacheへのプロモーションは、64 KBのデータ ブロックへの アクセス頻度が高いとポリシー エンジンが判断したあとに開始されます。アクセス頻度が高いと みなされるのは、64 KBのデータ ブロックへの読み取りアクセスまたは書き込みアクセスが短時 間に何回も行われた場合です。また、フラッシュ ベースのストレージにデータを保存することはで きません。つまり、現在プールの最大パフォーマンス階層またはフラッシュ ベースのクラシック RAIDグループにあるデータをMulticore FAST Cacheにコピーすることはできません。この制限が

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存在するのは、データをフラッシュ ドライブ間で移行するメリットがないためです。FAST VPと Multicore FAST Cacheの連携方法については、「付録B:FAST VPとMulticore FAST Cache」を参 照してください。

プロモーション操作

前述のいずれかのシナリオで、64 KBのデータ ブロックをMulticore FAST Cacheにプロモートす る必要があるとポリシー エンジンが判断した場合、64 KBの領域はHDDからMulticore FAST Cacheにコピーされます。次に、メモリ マップが更新され、データが現在Multicore FAST Cache にあることが示されます。アプリケーションからこのデータに再びアクセスした場合にマルチコア キャッシュ ミスが発生すると、I/OはMulticore FAST Cacheに送られます。これを「Multicore FAST

Cacheヒット」と呼びます。データがフラッシュ ドライブから直接アクセスされるため、アプリケーシ

ョンのレスポンス タイムは非常に短く、IOPSは高くなります。一定時間の間にワーキング セットの かなりの部分がMulticore FAST Cacheにコピーされる場合、バックエンドで性能の低いHDDを使 用している場合でも、アプリケーションの平均パフォーマンスを向上させることができます。

プロモーションが必要ないとみなされるアクセス パターン

マルチコア キャッシュは、Multicore FAST Cacheを使用するメリットがない可能性のある特定の I/Oパターンを処理することによってMulticore FAST Cacheを補完します。たとえば、ブロックが小 さいシーケンシャルI/Oはマルチコア キャッシュ レベルで処理されます。つまり、再び使用されな い可能性のあるMulticore FAST Cacheにデータをコピーするサイクルは使用されません。たとえば、

ブロックが小さいシーケンシャル書き込みは、HDDに対するサイズの大きいI/Oに結合され、

ブロックが小さいシーケンシャルな読み取りの場合、プリフェッチが行われます。どちらの場合も、

サイズの大きいバックエンドI/Oが作成されます。これにより、アクセスされているデータが

Multicore FAST Cacheにプロモートされない可能性があります。また、マルチコア キャッシュでは、

高頻度のアクセス パターン、ゼロで埋めるリクエスト、サイズが128 KBより大きいI/Oを処理し ます。マルチコア キャッシュは、Multicore FAST Cache用のフィルタとして機能し、Multicore FAST

Cacheにデータをコピーするための追加のサイクルを提供します。これにより、Multicore FAST

Cacheを使用するメリットが得られます。

ホストの読み取り処理

ホスト アプリケーションから受信する読み取りI/Oがマルチコア キャッシュのコンテンツと最初に 照合されます。マルチコア キャッシュからI/Oを提供できる場合は、I/Oが完了します。このやり 取りの際にMulticore FAST Cacheメモリ マップへのアクセスは行われません。

マルチコア キャッシュで読み取りミスが発生すると、Multicore FAST Cacheメモリ マップをチェック して、Multicore FAST Cacheにすでに存在するチャンク用のI/Oかどうかを判断します。データが MulticoreFAST Cacheに存在する場合は、ポリシー エンジンによってI/O要求が Multicore FAST Cacheにリダイレクトされます。次に、データがMulticore FAST Cacheからマルチコア キャッシュ にコピーされます。マルチコア キャッシュが読み取りに対応します。

データがMulticoreFAST Cacheにない場合、I/O要求は、ストレージ システムにMulticore FAST

Cacheが設定されていない場合と同じパスに送出されます。データは、HDDからマルチコア キャ

ッシュにコピーされます。この時点で、マルチコア キャッシュは読み取り要求に対応します。使用 頻度の高いデータの場合は、ポリシー エンジンがデータをMulticore FAST Cacheにプロモートし

ます。図1 は、読み取り処理を示しています。

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図1: Multicore FAST Cacheの読み取り処理

ホストの書き込み処理

ホストI/O要求が書き込み処理であり、システムおよびLUN上でライト キャッシュが有効になって いる場合は、マルチコア キャッシュがI/Oを処理して、ACKをホストに送信します。このやり取りは、

更新されるデータがMulticore FAST Cacheにあるかどうかにかかわらず行われます。このやり取 りの際にメモリ マップへのアクセスは行われません。

システムまたはLUN上でライト キャッシュが無効になっており、Multicore Cacheが有効になって いるインスタンスでは、マルチコア キャッシュが一時的にI/Oを保持し、メモリ マップをチェックして、

Multicore FAST Cacheにデータが存在するかどうかを判断します。これは、マルチコア キャッシュ

のライト スルー操作です。更新されるデータがMulticore FAST Cacheにある場合、マルチコア キ ャッシュでは、Multicore FAST Cacheとメモリ マップのデータを更新し、ACKをホストに送信してI/O を完了します。Multicore FAST Cacheにデータが含まれていない場合、マルチコア キャッシュでは、

LUNの基盤となるストレージ上のデータを更新します。使用頻度の高いデータの場合は、ポリシー エンジンがデータをクリーン キャッシュ ページとしてMulticore FAST Cacheにコピーします。

図2 は、このシナリオを詳しく示しています。

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図2: マルチコア キャッシュのライト スルー操作(ライト キャッシュが無効な場合)

マルチコア キャッシュから Multicore FAST Cacheへのコピー

マルチコア キャッシュから直接Multicore FAST Cacheにデータをコピーすることもできます

(図3)。マルチコア キャッシュがDRAMのダーティー キャッシュ ページをクリーニングす

る場合は、ポリシー エンジンをチェックして、クリーニングされるブロックがMulticore FAST Cache に存在するかどうかを判断します。存在する場合は、マルチコア キャッシュがデータをDRAMか らMulticore FAST Cacheに直接コピーし、DRAMのページにクリーンというマークを付けます。

次に、Multicore FAST Cacheページにダーティーというマークが付けられます。Multicore FAST

Cacheにデータが存在しない場合は、クリーニングされたデータを使用して適切なHDDが更新

されます。ここで、更新されるブロックへのアクセス頻度が高く、プロモーションを利用できるかど うかをポリシー エンジンが判断します。該当する場合は、データがDRAMからMulticore FAST Cacheにもコピーされます。Multicore FAST CacheとHDDにはデータの正確なコピーがあるため、

Multicore FAST Cacheページはクリーンとみなされます。つまり、Multicore FAST Cacheへのこの タイプのコピーは、Multicore FAST Cache用のダーティー ページ数にカウントされません。

注:FAST Cacheのダーティー ページ(%)の統計は、HDDにまだコピーして戻されていない Multicore FAST Cache内のデータの割合のみを表します。この統計は、現在Multicore FAST

Cache内に含まれているデータの量を表すものではありません。

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図3: マルチコア キャッシュのコピー操作

Multicore FAST Cacheのクリーニング

Multicore FAST Cacheには、最小限のバックエンド アクティビティの間に、ダーティー ページを基 盤となる物理デバイスにプロアクティブにコピーするクリーニング プロセスが含まれます。このクリ ーニング プロセスでは、ページへのアクセスが再び行われた場合に、後続のホスト リクエストが 引き続きMulticore FAST Cacheで処理されるようにするために、Multicore FAST Cacheにデータ が保持されます。ダーティー ページがドライブと同期されると、ページはクリーン キャッシュ ペー ジになります。後続のMulticore FAST Cacheプロモーションでは最初に空きページを使用してから、

LRU(Least Recently Used)方式でクリーニングされたページを使用します。そのあとで、スケジュ ール設定されたプロモーション用にMulticore FAST Cacheのダーティー ページがフラッシュされ、

解放されます。クリーンな空きページを使用できるため、スケジュール設定されたプロモーション 用にダーティー ページをフラッシュする処理と比較した場合に、Multicore FAST Cacheへのコピ ーが高速になります。これで、システムのパフォーマンスが向上します。

Multicore FAST Cacheフラッシュ

Multicore FAST Cacheフラッシュは、Multicore FAST CacheページをHDDにコピーして、使用する ページを解放するプロセスです。スケジュール設定されたプロモーション用の空きページやクリー ン ページが存在しない場合は、この操作に対応するようにMulticore FAST Cacheフラッシュが行 われます。LRU(Least Recently Used)アルゴリズムでは、新しいプロモーション用の容量を確保す るためにフラッシュするデータ ブロックを決定します。これらのページは、Multicore FAST Cache からバックエンドHDDにフラッシュされます。ページが解放されると、スケジュール設定されたプロ モーションを実行できます。

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管理

Multicore FAST Cacheの作成、管理、監視には、UnisphereまたはNaviSecCLIを使用できます。

Unisphereの詳細については、EMCオンライン サポートにあるVNXシリーズの新しいホワイト ペ

ーパー「EMC Unisphere: Unified Storage Management Solution」を参照してください。これ以降 のセクションでは、UnisphereとNaviSecCLIのMulticore FAST Cacheに関係する部分について説 明します。Multicore FAST Cacheの構成オプションの詳細については、「付録A:Multicore FAST

Cacheの構成オプション」を参照してください。

Unisphere

Unisphereの[システム]タブの右側のタスク パネルには、[システムのプロパティ]および[キャッ

シュの管理]という2つのリンクがあります。この2つのリンクのどちらをクリックしても、[ストレー ジ システムのプロパティ]ウィンドウが開きます(図4)。

Multicore FAST Cacheを有効にするには、[ストレージ システムのプロパティ]ウィンドウの

[FAST Cache]タブをクリックしてMulticore FAST Cache情報を表示します。ストレージ システム

でMulticore FAST Cacheが作成されていない場合、ダイアログ ボックスの最下部にある[作成]

ボタンが有効になります。[破棄]ボタンは、Multicore FAST Cacheが作成済みの場合に有効 になります。

図4: [ストレージ システムのプロパティ]ダイアログ ボックス

Multicore FAST Cacheが作成済みの場合、構成の詳細を反映して、[状態]、[サイズ]、[RAIDタ イプ]の各フィールドが更新されます。Multicore FAST Cacheが作成済みの場合、[RAIDタイプ]フ ィールドにはRAID 1が表示されます。[作成]をクリックすると、[FAST Cacheの作成]ダイアログ ボックスが表示されます(図5)。

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図5: [FAST Cacheの作成]ダイアログ ボックス

Multicore FAST Cacheを有効にするための十分な数のフラッシュ ドライブが使用できない

場合は、Unisphereによってエラー メッセージが表示され、Multicore FAST Cacheを作成で きません。スクリーンの下の部分に、Multicore FAST Cacheを作成するために使用するフラ ッシュ ドライブが表示されます。[手動]オプションを選択すると、ドライブを手動で選択でき ます。Multicore FAST Cacheを構成したあとにそのサイズを変更するには、Multicore FAST Cacheを破棄して再作成する必要があります。この場合、Multicore FAST Cacheに現在格 納されているすべてのダーティー ページをフラッシュする必要があります。Multicore FAST

Cacheを再作成する場合は、データを再度取り込んでください(ウォームアップ時間)。

図6 は、[LUNの作成]ダイアログ ボックスの[詳細]タブで、クラシックLUNに対して

Multicore FAST Cacheを有効にする方法を示しています。クラシックLUNがすでに作成さ れている場合は、[LUN のプロパティ]ダイアログ ボックスの[キャッシュ]タブをクリックして、

FAST Cacheを構成します(図7)。

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図6: [LUNの作成]ダイアログ ボックスの[詳細]タブ(クラシックLUN)

図7: [LUNのプロパティ]ダイアログ ボックスの[キャッシュ]タブ

ストレージ プールでは、Multicore FAST Cacheがプール単位で有効になります。ストレージ プールに作成されたすべての LUNでは、Multicore FAST Cacheがまとめて有効または無 効になります。プール上のMulticore FAST Cacheは、図8に示す[ストレージ プールの作成]

ダイアログ ボックスの[詳細]タブで構成できます。

図8: [ストレージ プールの作成]ダイアログ ボックスの[詳細]タブ

ストレージ プールがすでに作成されている場合は、[ストレージ プールのプロパティ]ダイアログ ボックスの[詳細]タブを使用して、Multicore FAST Cacheを有効にします(図9)。

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図9: [ストレージ プールのプロパティ]ダイアログ ボックスの[詳細]タブ

Unisphereの任意のテーブル([LUN]テーブルなど)にMulticore FAST Cacheのプロパティ を表示するには、テーブル ヘッダーを右クリックし、[列の選択]を選択します。または、

テーブルの右上隅にある[ツール]アイコンをクリックして、[列の選択]を選択します。この 操作で表示されるダイアログ ボックス(図10)で、[FAST Cache]を選択できます。FAST

Cacheのプロパティは、テーブルのエントリーごとに表示されます。

図10: UnisphereのLUNスクリーンに表示されるMulticore FAST Cacheの列

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NaviSecCLI

前のセクションで説明した管理機能は、NaviSecCLI を使用して実行することもできます。

表1 は、Multicore FAST CacheのCLIコマンドを示しています。

表1: Multicore FAST CacheのCLIコマンド

タスク NaviSecCliコマンド

Multicore FAST Cacheの作成 cache –fast -create

Multicore FAST Cacheの破棄 cache –fast -destroy

Multicore FAST Cache情報の取得 cache –fast -info

クラシックLUN作成時のMulticore FAST Cacheの構成 bind … -fastcache 0|1 クラシックLUNでのMulticore FAST Cacheの有効化または

無効化

chglun - <LUN#> -fastcache 0|1

クラシックLUNでのMulticore FAST Cache構成情報の取得 getlun <LUN#> -fastcache

ストレージ プール作成時のMulticore FAST Cacheの構成 storagepool –create … -fastcache on|off 既存のストレージ プールのMulticore FAST Cacheの構成 storagepool –modify –id <#> -fastcache on|off ストレージ プールのMulticore FAST Cacheの状態の取得 storagepool –list –id <#> -fastcache

「…」は、追加のcliオプションが必要であることを示しています。

Unisphere Analyzer

Unisphere Analyzerでは、Multicore FAST Cacheの統計を収集してパフォーマンスを監視します。

これらの統計を表示するには、次の手順に従ってAnalyzerの詳細モードを有効にします。

1. Unisphereで、[システム]をクリックします。

2. [モニタリングとアラート]をクリックします。

3. [ブロックの統計情報]をクリックします。

4. [グラフのカスタマイズ]をクリックします。

5. [全般]タブをクリックします。

6. [詳細設定]チェックボックスをオンにします。

7. [OK]をクリックして、設定を適用します。

ストレージ プロセッサ レベルでは、次のMulticore FAST Cacheの統計が表示されます。

• FAST Cacheのダーティー ページ(%)

• FAST Cacheフラッシュ容量(MB/秒)

クラシックLUNおよびストレージ プールについては、次のMulticore FAST Cacheの統計が 表示されます。

• FAST Cache読み取りヒット回数/秒

• FAST Cache読み取りミス回数/秒

• FAST Cache読み取りヒット率

• FAST Cache書き込みヒット回数/秒

• FAST Cache書き込みミス回数/秒

• FAST Cache書き込みヒット率

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EMCオンライン サポートには、これらの統計を表示する場合に役立つビデオが用意されて います。EMCオンライン サポートにログインして、Multicore FAST Cacheのビデオの

「Analyzerシリーズ」を検索してください。

ベストプラクティス

• Multicore FAST Cacheに適したアプリケーション ワークロードは次のとおりです。

o ローカル性の高い小ブロック ランダムI/Oアプリケーション o データの再ヒット:同じデータへの高頻度アクセス

o 現在のパフォーマンスがSPの機能ではなくHDDの機能によって制限され るシステム

• FAST VPまたはMulticore FAST Cacheで使用するフラッシュ ドライブやオプションの 数に制限がある場合は、FAST Cacheで最適化されたドライブを使用してMulticore

FAST Cacheを作成することをお勧めします。次に、FAST VPが有効化されたストレー

ジ プールで、残ったフラッシュ ドライブを使用します。Multicore FAST Cacheにはグ ローバルな性質があり、ストレージ システム内のすべてのLUNとプールにメリット があります。FAST VPのメリットを受けられるのは、フラッシュ ドライブがあるストレー ジ プールだけです。Multicore FAST CacheとFAST VPの詳細については、「付録B:

FAST VPとMulticore FAST Cache」を参照してください。

• Unisphereでは、FAST Cacheで最適化されたドライブを選択して、Multicore FAST

Cacheの作成に使用できます。また、これらのドライブを手動で選択して、必要に応

じてバックエンド バス間にフラッシュ ドライブを分散させることができます。

• Multicore FAST Cacheでは、現在のボトルネックがドライブ関連である場合に全体的な

システム パフォーマンスを向上できますが、IOPSを上げるとSP上のCPUの利用率が 増加します。システムをサイズ変更して、維持される最大使用率が70%になるようにし ます。既存のシステムでは、SP CPUの使用率を確認してください。使用率が80%を超 えた場合は、EMCのストレージのスペシャリストに問い合わせてシステムの稼働状態 を確認し、次の手順を決定してから Multicore FAST Cacheを有効にしてください。

注: ストレージ プールの場合、Multicore FAST Cacheはプール全体の機能になるため、

プール レベルで(プール内のすべてのLUNを対象にして)有効化/無効化します。

詳細なベスト プラクティスについては、EMCオンライン サポートにあるホワイト ペーパー

「VNX Unified Best Practices for Performance」を参照してください。特定アプリケーションで

Multicore FAST Cacheを使用する際のガイドラインについては、各アプリケーションに関す

るホワイト ペーパーを参照してください。

相互運用性に関する検討事項

• MirrorViewやSnapViewなどの一部のオプションのアプリケーションには、プライベー トLUNが必要です。これらのLUNは、キャッシュ内で特殊なLUNとして扱われなくなり ました。これは、VNX OE 5.31で使用されていたプライベートLUNが新しいMCxアーキ テクチャでも正常に機能するためです。したがって、Multicore FAST Cacheへの不要な プロモーションを回避するために、MirrorViewのライト インテント ログとSnapViewのク ローン プライベートLUNではMulticore FAST Cacheを無効化することをお勧めします。

EMC VNX Multicore FAST Cache VNX5200、VNX5400、VNX5600、 17 VNX5800、VNX7600、VNX8000:詳細レビュー

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• SnapViewスナップショットおよびMirrorView/AやSAN Copy(差分セッション)など の関連するレプリケーション ソフトウェアでは、予約済みLUNが必要です。

Multicore FAST Cacheは、予約済みLUNのパフォーマンス向上には寄与しませんが、

ライト インテント ログおよびクローン プライベートLUNとともに使用されるため、

パフォーマンスは損ないません。予約済みLUNでMulticore FAST Cacheを無効に すると、Multicore FAST Cache全体のワークロードを最小化するのに役立ちます。

Multicore FAST Cacheは、予約済みLUNがRAIDグループ内に作成されている 場合、LUNレベルで無効にできます。予約済みLUNがプール内に作成され、プー ル内のその他のLUNでMulticore FAST Cacheが必要な場合は、予約済みLUN でMulticore FAST Cacheを有効なままにできます。

• Multicore FAST Cacheでは、以前はマルチコア キャッシュに使用できた、ストレージ システムのメモリの一部を使用します。メモリ使用量は、ストレージ システムのモデ ルとMulticore FAST Cacheのサイズによって異なります。

• ヴォールト ドライブ内に取り付けられたフラッシュ ドライブは、Multicore FAST Cache の作成には使用できません。VNX OEではこの使用方法が制限されます。

• システムでD@RE(保存データ暗号化)を有効にする前に、Multicore FAST Cache を完全に無効にする必要があります。Multicore FAST Cacheを無効にすると、

Multicore FAST Cacheの内容全体がディスクにフラッシュされます。D@REを有効 にしたあと、Multicore FAST Cacheを再度有効にできます。これにより、データの 再ウォームアップが必要になります。

障害処理

Multicore FAST Cacheとして構成されたフラッシュ ドライブでは、VNXのグローバル ホット スペア アルゴリズムが使用されます。グローバル ホット スペア アルゴリズムは、グループ 内のいずれかのドライブで障害が発生した場合に、冗長構成のRAIDグループを自動的に オンラインで再構成します。EMCは、プロアクティブ ホット スペア アルゴリズムを採用して、

この機能性をさらに拡張しました。プロアクティブ ホット スペアでは、ドライブで障害が発生 しそうになると、これを認識して、障害が起こる前にドライブのコンテンツを先制的にコピー します。これらの機能を組み合わせることで、各RAIDグループでドライブのさらなる障害へ の脆弱性を最小限に抑え、データの喪失を防止します。パフォーマンス上の理由から、

Multicore FAST Cacheの障害が発生したフラッシュ ドライブを置き換えるために使用され

るのは、FAST Cacheで最適化されたドライブだけです。

Multicore FAST Cacheグループ内の1台のディスクに障害が発生した場合は、そのディス

クが属する、基盤となるミラー ペア(RAID 1)のドライブが縮退モードになります。キャッシュ ページ クリーニングのアルゴリズムは、Multicore FAST CacheページがMulticore FAST

Cacheのドライブから縮退グループ用のHDDにコピーされ、グループ内のすべてのダーテ

ィー キャッシュ ページがバックエンド ドライブにコピーされる割合を増加します。この場合、

Multicore FAST Cacheグループからの読み取り処理のみが許可されます。そのため、冗長

構成でないRAIDグループでドライブの障害が発生した場合に、ドライブのデータが喪失す る潜在的リスクが低減します。

EMC VNX Multicore FAST Cache VNX5200、VNX5400、VNX5600、 18 VNX5800、VNX7600、VNX8000:詳細レビュー

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この状態では、縮退グループが対応していた書き込み処理が、残りのグループによって処 理されます。永続ホット スペアまたはドライブの交換によって縮退グループが修復されると、

縮退グループは縮退モードを終了してデータの再ウォームをシームレスに開始します。

注: FAST VPで最適化されたドライブを、FAST Cacheで最適化されたドライブのスペアとし て使用することはできません。

結論

Multicore FAST Cacheを使用すると、高い参照のローカル性を持つデータに対して、ストレ

ージ システムがフラッシュ ドライブ クラスのパフォーマンスを発揮できるようになります。

このワーキング データセットによって、フラッシュ ドライブ上にすべてのデータを配置しなく てもIOPSが向上します。Multicore FAST CacheではアプリケーションからのI/Oバーストを 吸収するため、HDDの負荷が削減され、ストレージ ソリューションのTCOの改善に役立ちます。

Multicore FAST Cacheは、Unisphereを通じて分かりやすく直感的な方法で管理できます。

Multicore FAST Cacheは、FAST VPテクノロジーの補完的機能として使用することができ ます。この2つのテクノロジーを使用すると、使用パターンに応じて最適なストレージ階層 にデータを配置できます。

参考資料

以下に挙げるホワイト ペーパーは、EMCオンライン サポートで閲覧可能です。

• EMC Unified Storage System Fundamentals for Performance and Availability

• EMC VNX FAST VP

• EMC Unisphere: Unified Storage Management Solution

• EMC VNX Virtual Provisioning

• Leveraging EMC FAST Cache with Oracle OLTP Database Applications

• EMC® Infrastructure for VMware® View 5.0

• Applied Best Practices Guide: EMC VNX Unified Best Practices for Performance

• EMC VNX2: Data-At-Rest Encryption

EMC VNX Multicore FAST Cache VNX5200、VNX5400、VNX5600、 19 VNX5800、VNX7600、VNX8000:詳細レビュー

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付録 A:Multicore FAST Cache の構成オプション

表2: Multicore FAST Cacheの構成オプションの最大値

ストレージ システム フラッシュ(SSD)ディスク容量 Multicore FAST Cacheの最大 容量

VNX5200 100 GB~200 GB 300 GB/600 GB

VNX5400 100 GB~200 GB 500 GB/1 TB

VNX5600 100 GB~200 GB 1 TB~2 TB

VNX5800 100 GB~200 GB 1.5 TB~3 TB

VNX7600 100 GB~200 GB 2.1 TB~4.2 TB

VNX8000 100 GB~200 GB 2.1 TB~4.2 TB

表3. ドライブ数に基づくMulticore FAST Cacheの特定の構成オプション ドライブ

VNX5200 VNX5400 VNX5600 VNX5800 VNX7600/VNX8000

容量

(GB)

100 GB SSD

容量

(GB)

200 GB SSD

容量

(GB)

100 GB SSD

容量

(GB)

200 GB SSD

容量

(GB)

100 GB SSD

容量

(GB)

200 GB SSD

容量

(GB)

100 GB SSD

容量

(GB)

200 GB SSD

容量

(GB)

100 GB SSD

容量

(GB)

200 GB SSD

2 100 200 100 200 100 200 100 200 100 200

4 200 400 200 400 200 400 200 400 200 400

6 300 600 300 600 300 600 300 600 300 600

8 400 800 400 800 400 800 400 800

10 500 1,000 500 1,000 500 1,000 500 1,000

12 600 1,200 600 1,200 600 1,200

14 700 1,400 700 1,400 700 1,400

16 800 1,600 800 1,600 800 1,600

18 900 1,800 900 1,800 900 1,800

20 1,000 2,000 1,000 2,000 1,000 2,000

22 1100 2,200 1100 2,200

24 1,200 2,400 1,200 2,400

26 1300 2,600 1300 2,600

28 1,400 2,800 1,400 2,800

30 1,500 3000 1,500 3000

32 1,600 3,200

34 1,700 3,400

36 1,800 3600

38 1900 3,800

40 2,000 4000

42 2,100 4200

EMC VNX Multicore FAST Cache VNX5200、VNX5400、VNX5600、 20 VNX5800、VNX7600、VNX8000:詳細レビュー

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付録 B:FAST VP と Multicore FAST Cache

FAST VP(Fully Automated Storage Tiering for Virtual Pools)は、複数のドライブのタイプ を含むプールにおける256 MBのデータ スライスに対してサブLUNレベルでストレー ジ階層化を実行する機能です。FASTVPは、より多くのアクティブ スライス(より頻繁に アクセスされるデータ)を、最適なパフォーマンスのストレージ階層に自動的に移行し、

あまりアクティブでないスライスをパフォーマンスの劣る(より低コストの)階層に移行す ることにより、TCO(総所有コスト)を削減します。この機能の詳細については、EMCオン ライン サポートにあるホワイト ペーパー「EMC VNX FAST VP」を参照してください。

表4. FAST VPとMulticore FAST Cacheの機能の比較

Multicore FAST Cache FAST VP FAST Cacheで最適化されたフラッシュ ドライブを

使用して、ストレージ システムの既存のキャッシ ュ容量を拡張できる。

ストレージ プールを使用することにより、単一 のLUNで複数のタイプのドライブのメリットを 活用できる。

粒度は64 KB。 粒度は 256 MB。

頻繁にアクセスされるデータを、HDDから FAST

Cacheで最適化されたフラッシュ ドライブにコピ

ーする。

一定期間に収集されたアクセスの重み付け平 均の統計に基づいて、異なるストレージ階層 間でデータを移行する。

ワークロードの変化が予測不能かつ非常に動 的で、迅速なレスポンス タイムを必要とする場 合に使用する。

ワークロード パターンの変化が予測可能で比 較的少ない場合に使用する。

アクセス頻度の高いHDDのデータを継続的に Multicore FAST Cacheにプロモートする。再配置 サイクルはなし。

データの移行は、スケジュールに従って実行 されるか、再配置ウィンドウを手動で呼び 出す。

リアルタイムのモニタリングによって、Multicore

FAST Cacheにプロモートする必要のあるデータ

を判断する。

1時間ごとに解析を実行して、移行する必要 のあるデータの部分を判断する。

Multicore FAST CacheとFAST VPを一緒に使用すると、高パフォーマンスでTCOの低い ストレージ システムを実現できます。たとえば、FAST Cacheで最適化されたフラッシュ ドライブを使用してMulticore FAST Cacheを作成し、SASおよびNL-SASディスク ドライ ブで構成されたストレージ プールでFAST VPを使用できます。パフォーマンスの観点 では、Multicore FAST Cacheにはバースト データにとっての直接のメリットがあり、

FAST VPは、よりアクティブなデータをSASドライブに、あまりアクティブでないデータを

NL-SASドライブに移行するという方式をとっています。TCOに関しては、Multicore FAST

Cacheは、より少ないフラッシュ ドライブでアクティブ データに対処でき、FAST VPはSAS

およびNL-SASドライブを使用してディスク使用率と効率性を最適化します。

EMC VNX Multicore FAST Cache VNX5200、VNX5400、VNX5600、 21 VNX5800、VNX7600、VNX8000:詳細レビュー

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参照のローカル性が高く、バーストが生じやすいデータに対応するためにストレージ シ ステムのパフォーマンスを直ちに改善する必要がある場合、一般的にはMulticore

FAST Cacheを使用します。一方、FAST VPを使用してTCOを最適化する場合は、保持

しているデータの一定期間のアクセス数および需要に応じて、適切なストレージ階層に データを移行します。Multicore FAST Cacheはパフォーマンス向上を重視し、FAST VP はTCOの改善を重視した機能です。これらの機能は相互に補完し合うため、両方を使 用することで、パフォーマンスを向上させてTCOを削減できます。

Multicore FAST CacheをFAST VPと連携させると、不必要なタスクのためにリソースが 無駄に使用されることがなくなります。次に例を挙げます。

• FAST VPがデータ スライスをフラッシュ ドライブに移行する場合、Multicore FAST Cache では、たとえプロモーション条件に一致しても、そのスライスから 64KBのデータ チャン クをMulticore FAST Cacheにプロモートしません。これにより、あるフラッシュ ドライブか ら別のフラッシュ ドライブにデータがコピーされる場合のリソースの無駄がなくなります。

• バーストが生じやすいワークロードで Multicore FAST Cacheが有効なLUNのスライス にある特定の64KBチャンクへのアクセスが開始されても、FAST VPはそのスライスを 異なるストレージ階層にすぐには移行しません。その代わりに、Multicore FAST Cache は 64KB チャンクをキャッシュにプロモートします。64KBチャンクがプロモートされたあと、

I/O動作の大部分はMulticore FAST Cacheから実行されます。その結果、バックエンド LUNでのアクティビティが減少し、FAST VPでは、より高いストレージ階層へのスライス の移行が不要になることがあります。この場合、アプリケーションのワークロードで一時 的なバーストが発生すると、FAST VPによるデータ移行の開始が回避されます。

• 前述のシナリオに対し、アプリケーション ワークロードが持続的に増加している場合、

Multicore FAST Cacheは、HDD LUNにデータを書き戻して、新たなプロモーション用の 領域を作成する必要があります。この処理は、バックエンドのアクティビティとして登録 されます。最終的に、FAST VPは、より高いストレージ階層(フラッシュ ドライブを選択で きる)へのデータ スライスの移行をスケジュールします。この移行が完了した際に、

Multicore FAST Cacheは、フラッシュ ドライブのストレージ階層の既存データをプロモー トしません。

• 結果的に、FAST Cacheで最適化されたフラッシュ ドライブをMulticore FAST Cacheに 使用するほうが、I/O使用パターンが変化したときのパフォーマンスのメリットが大きく、

レスポンス タイムも速くなります。ただし、DRAMキャッシュのパフォーマンス向上により RAID 1アーキテクチャがオフセットされるため、Multicore FAST Cacheでは、パリティの オーバーヘッドが高くなる欠点もあります。パフォーマンスのメリットは、HDDへの書き 戻しではなく、Multicore FAST Cache内のI/OのDRAMからフラッシュ ドライブへのフラ ッシュによるものです。

EMC VNX Multicore FAST Cache VNX5200、VNX5400、VNX5600、 22 VNX5800、VNX7600、VNX8000:詳細レビュー

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付録 C :Multicore FAST Cache とストレージ システム キャッシュの 比較

Multicore FAST Cacheは、半導体ベースのストレージ テクノロジーです。この機能は、

ストレージ システムの高速で容量が限られたDRAMキャッシュと、より低速で容量の大 きいHDDの間に、フラッシュ メモリ ベースで大容量のセカンダリ キャッシュ層を提供し ます。

表5. DRAMメモリとMulticore FAST Cacheの比較

特性 DRAMキャッシュ Multicore FAST Cache 位置 CPUの最も近くに位置し、レーテ

ンシーが最も低い。

CPUから一段離れたところにあり、

DRAMキャッシュより速度が遅い。

レスポンス タイム レスポンス タイムは数ナノ秒から 数マイクロ秒程度。

レスポンス タイムは数マイクロ秒 から数ミリ秒程度。

アップグレード性 アップグレードできない。 ストレージ システムのモデルとフラ ッシュ ドライブのサイズに応じて、

サポート対象のすべてのモデルお よびオプション単位でアップグレー

ド可能。

Operation 読み取り処理と書き込み処理を

単一の領域で行う。

ストレージ システムのモデルとフラ ッシュ ドライブのサイズに応じて、

サポート対象のすべてのモデルお よびオプション単位でアップグレー

ド可能。

Capacity Multicore FAST Cacheに比べて サイズが制限される。

DRAMキャッシュよりはるかに大 容量に拡張できる。

粒度 粒度が非常に高く、実質的にI/O サイズで処理される。キャッシュ ペ

ージのサイズは固定されている

(8 KB)。

64 KBの粒度のエクステントで動

作する。

可用性 障害発生時に、資格のある担当 者がサービスを交換する必要が

ある。

障害発生時に、別のフラッシュ ドライブのホット スペアにより故障 したドライブが自動的に交換され、

故障したコンポーネントはユーザ ーが交換できる。

電源障害 コンテンツは揮発性であるため、

停電時には失われる。

コンテンツは不揮発性で、停電時 にも維持される。

EMC VNX Multicore FAST Cache VNX5200、VNX5400、VNX5600、 23 VNX5800、VNX7600、VNX8000:詳細レビュー

図 1:  Multicore FAST Cache の読み取り処理
図 2:  マルチコア キャッシュのライト スルー操作(ライト キャッシュが無効な場合)
図 3:  マルチコア キャッシュのコピー操作
図 4:  [ストレージ システムのプロパティ]ダイアログ ボックス
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参照

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