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Vol. 30 Verruciform No. 4 xanthomaの2症 例 407 写 真1 症 例1の 口腔 内所 見 65部 に病 変(矢 印)が み られ る 写 真3 症 例1の 病理組織所見 泡 沫 細 胞 の 集 簇 が み ら れ る(H-E染 250,右 下 500) 色, 写

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406 Apr. 1984

Verruciform xanthomaの2症 例

松 田 耕 策 ・村 山 一 郎

Two cases of verruciform xanthoma

Kohsaku MATSUDA•EIchiro MURAYAMA

Abstract: In this paper, two female cases of verruciform xanthoma are reported.

Case No. 1 was a 22 year old female who first noticed a swelling of gingival mucosa 3 years ago. Oral examination revealed a slightly whitish, broad based lesion with granular surface 11•~11 mm in size on the 65 site of palatal gingiva. The clinical diagnosis was papil-loma and the histological diagnosis was verruciform xanthoma of papillary type.

Case No. 2 was a 55 year old female with roughly surfaced gingival lesion which was first noticed 2 months ago. Oral examination revealed a slightly raised, whitish lesion of 10•~15 mm size on the 7 site of lingual alveolar mucosa. White sponge nevus was suspected clinically, with the histological diagnosis of verruciform xanthoma of flat type.

No relapse occurred in either case after treatment.

Key words: verruciform xanthoma, histological type

緒 言 Verrucifbrm xanthomaは 上 皮 の乳 頭 状 の増 殖,お よ び 泡沫 細 胞 の増 殖 よ りな る 粘膜 疾 患 で,1971年 にShafer1) に よ り初 め て 報 告 され て 以来,本 邦 では10数 例2∼13)報告 され て い る. 今 回,わ れ わ れ は 本症 の2例 を 経 験 した の で,若 干 の 考 察 を 加 え 報告 す る. 症 例 症 例1 患 者:22歳 女 性. 初 診:昭 和56年10月. 主 訴:65部 口蓋 歯 肉の 腫 脹. 家 族 歴 ・既 往 歴:特 記事 項 な し. 現 病 歴:約3年 前,65部 口蓋 歯 肉 を舌 で触 れ,同 部 の腫 脹 に 気 付 い た が,疼 痛 な どの 自覚 症 状 もな く,大 き さは ほ とん ど変 化 しな い ため 放 置 して いた が,結 核検診 の際 同 部 の 病 変 を 指 摘 され,精 査 の た め 当科 を紹 介 され 来 院 した. 現 症:全 身所 見:体 格 は 中 等 度,全 身状 態 は 良好 で, 顔 貌 は 左 右 対称 で あ る. 口 腔 内所 見:65部 口蓋 歯 肉に 大 き さ11×111nmの 境 界 明 瞭 な 無茎 性,隆 起 性 の 病 変 が認 め られ,表 面 は顆粒 状 で,色 は 正 常歯 肉 よ りや や 白 く,弾 性 硬 で 圧痛 はない (写 真1).ま た病 変 周 囲 の 粘膜 に発 赤,腫 脹 は認 め られ な い. X線 所 見:同 部 の骨 に と くに 異 常 所 見 は認 め られ な い. 臨 床 検 査 所 見:と くに 異 常 値 は認 め られ ない. 臨 床 診 断:乳 頭 腫. 処 置 お よび 経 過:局 所 麻 酔 下 で,病 変 よ り3mm離 し て骨 膜 を 含 め て摘 出 し,創 部 を 抗 生 物 質塗 布 ガ ーゼで覆 い,さ らに 軟 レジ ン床 で 圧 迫 した.骨 膜 お よび 骨に は変 化 はみ られ ず,ま た 病 変 と歯 根膜 との 連続 は認 め られな か った.2年 を 経 過 した 現 在,再 発 な どの異 常 所見 は認 め られ ず,経 過 は 良 好 で あ る. 病 理 組織 学 的 所 見:過 錯 角 化 を 伴 った 上 皮 が 乳頭 状に 増 殖 し,乳 頭 腫様 の組 織 像 を 呈 してい る(写 真2)。 結 合 組 織 乳 頭 内 に限 局 して,小 型 でほ ぼ 円形 の 核 を有 す る泡 沫 細 胞 の 出 現 が認 め られ る(写 真3).ま た 乳頭 内に結 合 組 織 の 変性 お よ び炎 症 性 の細 胞 浸 潤 が み られ,多 数 の乳 頭 の 中に はわ ず か に しか 泡 沫 細 胞 の 出 現 が み られ ない も 東 北 大 学 歯 学 部第2口 腔 外 科 学 教 室 (主 任:手 島貞 一 教 授)

Second Department

of Oral and Maxillofacial

Surgery, Faculty of Dentistry, Tohoku University

(Chief: Prof. Teiichi Teshima)

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写 真1 症 例1の 口腔 内所 見 65部 に病 変(矢 印)が み られ る 写 真2 症 例1の 病 理 組 織 所 見 乳 頭 腫 様 を呈 して い る(H-E染 色,×50) の もあ り,乳 頭 に よ って 泡沫 細 胞 の 出現 程 度 に 差 が 認 め られ る(写真4).ま たTouton型 巨細 胞 はみ られ な い.

病理 組織 学 的 診 断:verrucifbrm xanthoma, papillary type. 症 例2 患 者:55歳 女 性. 初 診:昭 和57年1月 日. 主 訴:7部 舌 側 歯 槽 粘 膜 の違 和 感 家 族歴:特 記 事 項 な し. 既 往歴:1年 前 に 某 内科 で 高血 糖 を 指 摘 され た が,当 科受 診1か 月 前 の検 査 では 正 常 で あ った.そ の他 特 記 事 項な し, 現 病歴;2か 月 前 に,7部 舌 側 歯 槽 粘 膜 を 舌 で触 れ, ザ ラザ ラ して い る のに 気 付 い たが,疼 痛 な ど の 自覚 症 状 がな い の で放 置 して い た と こ ろ,違 和 感 が 消退 しな い の で,癌 を 心 配 し当科 を 受 診 した. 現症:全 身 所 見:体 格 は肥 満 型,全 身 状 態 は 良好 で, 顔 貌 は左 右 対称 で あ る. 口腔 内 所 見:7部 舌 側 歯 槽 粘 膜 獄 き さ10×15mm のわず か に 隆 起 す る 病 変 が 認 め られ,色 は周 囲 粘 膜 よ り 写 真3 症 例1の 病 理 組 織 所 見 泡 沫 細 胞 の 集 簇 が み ら れ る(H-E染 色, ×250,右 下 ×500) 写 真4 症 例1の 病 理組 織所 見 一 部 に 泡 沫 細胞 の 出現 ,炎 症 お よび結 合織 の 変 性 が み られ る(H-E染 色,×200) や や 白 く,表 面 は粗造 で顆 粒 状 を 呈 して お り,圧 痛 は な い(写 真5).ま た 周 囲 粘 膜 に 発 赤,腫 脹 な どは認 め ら れ な い. X線 所 見:同 部 の骨 に と くに 異 常 所 見 は 認 め ら れ な

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408 日 本 口 腔 外 科 学 会 雑 誌 Apr.1984 写 真5症 例2の 口腔 内 所見 歯 槽 粘 膜 に病 変(矢 印)が み られ る 写 真6症 例2の 病 理組 織 所 見 一 定 の 長 さで 上 皮 脚 が伸 び て,真 皮に著明な炎 症 が み られ る(H-E染 色,×100) い. 臨 床 検 査 成 績:と くに異 常 値 は認 め られな い. 臨 床 診 断:白 色 海 綿 状 母 斑 の疑 い. 処 置 お よ び経 過:局 所 麻 酔 下 で 病 変 周 囲3mm離 し て,健 康 粘 膜 を 含 め て病 変 を 切 除 した.1年9か 月 を 経 過 した 現 在,再 発 な ど の異 常 所 見 は 認 め られ ず,経 過 は 良 好 で あ る. 病 理組 織 学 的 所 見:最 表 層 に は 錯 角 化 がみ られ,上 皮 は軽 度 に 乳 頭状 を 呈 し,上 皮 脚 は 一定 の 長 さ で伸 び て お り,上 皮 下 結 合組 織 内に 炎 症 性 細 胞 浸 潤 が認 め ら れ る (写 真6).結 合組 織 乳 頭 に 限 局 して,胞 体 の淡 明な,ほ ぼ 円形 の 核 を持 つ 泡沫 細 胞 の集 籏 が み られ るがTouton 型 巨 細胞 は 認 め られな い(写 真7).

病 理組 織 学 的 診 断:verrucifbrm xanthoma,nat type.

考 察 Verrucifbrm xanthQmaはShafer1)が 報 告 して以 来, 口腔 粘 膜 に 発 生 した 報 告 例 が 圧倒 的 に 多 く2∼19),口腔 粘 写 真7症 例2の 病 理 組 織 所 見 乳 頭 内 に 泡 沫 細胞 の集 籏 が み られ る (H-E染 色,×800) 膜 以 外 に発 生 した例 と して は,外 陰 部 に発 生 したStanta Cruzら20)の2例 と陰 茎 に 発 生 したKraimerら21)の1例 が み られ る の み で あ る. 口腔 粘膜 に発 生 した も の の部 位 別 で は 歯 肉,歯 槽 粘膜 に 発 生 した も のが 多 く,外 国 の報 告 で は,Nevilleら14) の51部 位 中32部 位(62.7%),Nowparastら15)の54例 中 23例(42.6%)が 歯 肉,歯 槽 粘 膜 に 発 生 して い る.一 方,本 邦 の報 告 で は竹 之 下 ら6)の 下 唇 か ら歯槽 粘膜 に か けて発 生 した例,お よび わ れ わ れ の2症 例 を 含 め,す べ ての症 例 が 歯 肉,歯 槽 粘膜 に発 生 した 例 で あ り,vemci飴m xanthomaの 好 発 部 位 と して は,歯 肉,歯 槽 粘膜 が あげ られ る.歯 肉 ・歯 槽 粘膜 にverruciform xanthomaが 発 生 しや す い理 由 と してGehrigら16)は,歯 肉,歯 槽 粘 膜 は咀嚼 に よ る持 続 的 な 外 傷 作 用 を 受 け,上 皮 の 外 傷 性 嵌 入 が起 こ りや す い 部 位 であ る こ とを あ げて お り,ま た原 因 と して は,慢 性 の刺 激 を 指 摘 して い る 報 告 が 多 い4,6,11∼13,16,18) 本 症 と全 身疾 患 との合 併 に つ い て は,Shafer1)が 糖尿 病 に 合併 した例,柳 沢 ら7)が 原 発 性 胆 汁 性肝 硬 変症 に合 併 した 例 を 報 告 して お り,柳 沢 ら7)は そ の 因果 関 係 に つ い て,自 験 例 は原 発 性 胆 汁 性 肝 硬 変 症 に続 発 した黄色 腫 で あ る と してい る. わ れわ れ の 症例2が 一 時 期,高 血 糖 を 指摘 され た こと が あ る が,当 科 に 来 院 す る1か 月 前 に 改善 して お り糖尿 病 との 関係 につ い て は不 明 であ った. 局 所 病 変 に 続 発 した 例 と して は,Gehrigら16)が 口腔

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粘膜 に発 生 した 尋 常 性 天 庖 瘡 の 全 身 的 ス テ ロ イ ド療法 で 治癒 した の ち,7年 後 に 舌 にverruciform xanthomaが 発 生 した例 を 報 告 して お り,Graffら17)は 長 い 間,口 腔 粘 膜 痕 疹 に 罹 患 して い た 患 者 の 付 着 歯 肉 お よ び頬 粘 膜 に verruciform xanthomaが 発 生 した 例 を報 告 して い る. ま た坂 下 ら13)はverrucibrm xanthoma発 生 近 接 部 に 丘brous overgrouthとmucous cystを 合併 した症 例 を 報 告 してい る. これ らは局 所 の慢 性 炎 症 性 疾 患 に 続 発 あ る い は 合併 し た 症 例 で あ る が,わ れ わ れ の2症 例 に はverruciform xanthomaの 発 生 部 位 に そ れ を 誘 発 す る よ うな前 駆 病 変 あ るい は 合併 病 変 は認 め られ な か った.Shafer1)に よれ ぽverruciform xanthomaは 組 織 学 的 に,一 定 の 長 さに 伸 び た上 皮 脚 の乳 頭 状 扁 平 上 皮 過 形 成 が み られ,真 皮乳 頭 に 限局 してxanthoma様 の無 数 の組 織 球 が認 め られ る と して お り,Nowparastら15)は さ らに こ れ を 疵 贅 型 (verrucous type),乳 頭 型(papillarytype)お よ び平 板 型(flat type)の3型 に 分 け,54例 中 そ れ ぞ れ24例,17 例 お よび13例 で あ った と報 告 してい る.わ れ わ れ の 症例 1は 乳 頭 型 で,症 例2は 平 板 型 で あ り,本 邦 の報 告 例 の 多 くは2,5,8,9,12)乳頭 型 で あ った. 本 症 の 本 態 につ い て は,わ れ わ れ は 今 ま で の 報 告 者4∼6,9∼13)と同 じよ うに 腫 瘍 性 病 変 で は な く,炎 症 性 の 反 応 性 病 変 で あ る と考 え て い る.そ の根 拠 と して は,泡 沫 細 胞 が 結 合 組 織 乳 頭 内 に 限局 して 出現 し,乳 頭 部 以 外 の真 皮 結 合 組 織 深 部 まで増 殖 して認 め られ る報 告 例 が な く,泡 沫 細 胞 が 自立 性 の 増 殖 傾 向 を示 して いな い こ と, 泡 沫 細 胞 の増 殖 部 が 被 膜 で 覆 わ れ て い な い こ と,真 の xanthomaに しば しば み られ るTouton型 巨細 胞 が 認 め られ な い こ と,わ れ わ れ の2症 例 を 含 め て,乳 頭 お よ び真 皮 結 合 組 織 内に 炎 症 所 見 が 認 め られ る 報 告2∼7,9,11∼ 13,15)が多い こ とな どが あげ られ る. 本 症 に お け る上 皮 の乳 頭 様 増 殖 と結 合 組 織 乳 頭部 の 泡 沫 細胞 との 関係 に つ い て,Zegarelliら18)は 外 傷や 炎 症 に よ って二 次 的に 上 皮 の下 方 へ の増 殖 が 起 こ り,壊 死 に 陥 った 上 皮細 胞 の細 胞 膜 脂 質 をmacrophageが 食食 して 泡 沫 細 胞 にな る と してい る. 一 方 Cobbら19),佐 藤 ら9)は 何 らか の 刺 激 に よ り上 皮 下 に 脂 質 代謝 異 常 が起 こ り,macrophageが 脂 質 を 貧 食 して 泡 沫 細 胞 に 変 化 し,そ の反 応 に よ っ て上 皮 の乳 頭 様 増 殖 が 起 こ る と して い る. わ れ わ れ の 症 例1の 場 合 に は,結 合組 織 乳 頭 に よ って 泡 沫 細 胞 の 出現 程 度 に 差 が み られ,ま た 乳頭 内結 合 組 織 の変 性 お よび 炎 症 性 細 胞 浸 潤 を 伴 って い る所 見 が 認 め ら れ,今 後 さ らに 乳 頭 内 に 泡 沫 細胞 が増 殖 してい く過 程 に あ る と思 わ れ る こ とか ら,わ れ わ れ はZegarelliら18)と 同様 に 上 皮 の乳 頭 状 の 増 殖 が 先 に 現 れ,次 い で上 皮 増 殖 部 へ の慢 性 刺 激 に よ り,炎 症 性 細 胞 浸 潤 お よ び結 合組 織 の変 性 が み られ る よ うに な り,結 合 織 乳 頭部 に局 所 的 な 脂 質 代 謝 異 常 が 起 こ り,そ れ をmacrophageが 貧 食 し て 泡 沫 細 胞 が 出 現 し て くる と考 え て い る. 小 島 ら22)は,腫 瘍 性 のxanthoma cellと 炎 症 性 の Pseudoxanthoma cellは 形 態 的 に 差 は な く,用 語 的 な 区 別 も 厳 密 で は な い と し て い る が,坂 下 ら13)は 本 症 を 炎 症 性 産 物 と考 え て い る こ と よ り,本 症 の 乳 頭 部 に 出 現 す る 泡 沫 細 胞 に はpseudoxanthoma cellの 用 語 が 用 い られ る べ き で あ る と して い る.わ れ わ れ も 本 症 の 本 態 は 腫 瘍 で は な く,慢 性 刺 激 に よ っ て 発 生 す る 炎 症 性 の 反 応 性 病 変 で あ る と考 え て い る こ と よ り,坂 下 ら13)の 意 見 に 賛 成 で あ り,本 病 変 の 名 称 もShafer1)が 提 唱 したverruciform xanthomaと す る よ りは,む し ろ,verruciR)rmpseu-doxanthomaと した 方 が よ り適 切 で は な い か と 考 え て い る. 結 語 わ れ わ れ は,22歳 ・女 性 の 口 蓋 歯 肉 お よ び55歳 ・女 性 の 舌 側 歯 槽 粘 膜 に 発 生 したverruciform xanthomaの2 症 例 を 報 告 し,あ わ せ て 若 干 の 文 献 的 考 察 を 行 っ た. な お,本 論 文 の 要 旨 は 第14回 み ち の く歯 学 会(郡 山 市, 1982,10)に お い て 発 表 し た. 引 用 文 献

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参照

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