豆類の平衡水分
その他(別言語等)
のタイトル
Equilibrium moisture content of beans
著者 石橋 憲一, 弘中 和憲, 中川 允利
雑誌名 帯広畜産大学学術研究報告. 第I部
巻 17
号 4
ページ 385‑389
発行年 1992‑07‑31
URL http://id.nii.ac.jp/1588/00001983/
385
帯人研報 丁,17(1992):385〜389豆 類 の 平 衡 水 分
石橋 憲一1・弘小 利遥1・中川 允利l
(受理:1991年11月3柑)
EquilibriummoisturecDntentOfbeans Ken−ichilsll柑A5川■,Ⅸa飢】nOri上1IRONAKA■
and MitsutoshiN^K∧GAWAl
摘 要
大豆(トヨスズ),人正金時,手亡と小豆を供試し,飽和塩溶液で調湿したデシケ一夕内に静 置して平衡水分を測定した。相対湿度条件は14.8〜82.6‰温度は5,20,30℃としたc吸湿試 験に用いた試料の初期水分は3.70−5.a3%(w.b.),脱渥のそれは犯79〜39・58%(w.も.)
であり.平衡水分に到達する口数は大豆で60〜7D日,大正金時と手亡では60〜90臥小豆は召0〜
100Rであった。
試料の履歴によって平衡水分は異なり,睨湿による平衡水分の方が吸湿のそれよりも高く,か っ温度の低い試料が平衡水分の高い傾向を示した。デンプン含頴の多い大止金時,手亡,小豆は 油糧種子である大豆よりも高い平衡水分を示し,菜豆類や小豆の域免 より低い相対湿度で貯蔵 すべきであることを示唆している。
キーワード:平衡水洗 白鼠吸湿,脱湿,貯蔵
温度ほ盛夏には30℃近くに.また冬期では5℃以下に なることも多いが.この温度域での豆窺の平衡水分に 関する知見は皆無の状憩にある。
米.麦やコーン等の平衡水分についての研究は古く から行われ,わが国内外では数多くの報告がみられ
る2S d 已6) 。しかし.穀業酌ま樺顎,品種も多様であ
り,得られる平衡水分値も当然それらによって異なっ てくる。豆類ら種類 品種が多く,形状も多様である ので,その構成成分や組織の差異も大きいことが考えられるn
庫研究は十勝産豆類の中から人豆 大正金隠 手亡
および小豆を遠び,それらの吸,脱掛こおける中衛水
緒
北海道は豆類の主産地であり.小でも十勝地方から その大部分が年産され 作付け面槙の15知)近くは百粕
で占められている。十勝地方におけるその生産量の全 国対比は人豆で32%,小豆き1%,粟立70%であり,と
くに粟立類は全国生産量の7割に達している1。
酎存,米.麦をはじめ豆杭のビン乾燥,ビン貯蔵が
道内各地で行われ 十勝地方も例外では克い。虚規の 貯成巾に行われている聞けつ通風は0.DOl〜仇002ポ/
s・tOnと乾燥に比べ非常に少なく,しかも加熱空気 を剛、ない常温通風が一般的である。貯蔵中の豆額♂)
■轟広畜産大学生物資源科学科
LT)epartmRntOfBioresourccChcmistry.ObihjroUniver呂ityol ^grieulturcandVeterinaryMedicine・
qbmir(),H(〉kkaidoO80,Japan
石橋凄・・弘中和憲・中川允利
3粥
分植の確立を目的とLた。
実 験 方 法
1.試料
本学濁場で収棲した大豆(トヨスズ),大止金時,
手亡と小豆を悼用した。脱渥試験に榛圃場より高水分 の豆類を採取風 水分の均一化をはかるため約5℃の
冷蔵庫両で約2ひ口間保持し,初磯水分を20.79〜漁5β
%(w.b.)に調粧した=】また,水分15%(w.b.)
前後の豆粕を採取L,40Ucクj真空乾燥器で所定の将閻 乾燥後.妾視でデシナ一夕内にそれらを2週間ほど保 持し,初期水分3.70、5.33%(w.b.)に調肇Lたも
のを吸湿用の試料とした丁〉各式料の初期水分は柁伏試
料10gをr耶−,105Uc4糾寺間乾燥法で刺走Lた。
T且わ1穏lに本実験に用いた試料頃初期水分を渥屈凝準
(軋 w.b.〉 で示したコ
Tabl¢TlnitialmoisturecontQntOfsamp18(%.w.b.)
し重量変化がないこと.すなわち平衡状態に達したこ
とを確認してそれぞれの試料の平衡水分を求めた。な 乱 平衡7k令の哀ノ了三は他の文献との比較軍容易な乾急
患準(鋸.d.b.〕を用いた。
結果および考察
1.平衡水分に達するまでに要する期間
中衡相対湿度の巾に試料を静還す冬,いわゆる静的
な条件下で吸湿あるいは睨湿過程を経て平衡水分に達
する時間は.,試料の含有する成分および樺皮を構成す る組織によって異なり,lオ混度のン場合にば温度の影響
も大きい=
Fig,1に人豆と小豆の吸湿によって平衡水分に達す る∩数を示す【:大止金時と手亡の水分の径臼変化につ いてはホLていないが,すべての試料で最初の1〔旧聞 に盈礫な水分の増殖あるいは減少傾向がみられ,以降 徐々に平衡水分に達している。しかし,小豆の吸塵闇 験ではFklにみられるようにわずかな水分増加に
とどまっている。たとえば二 5つCで相対湿度鋸.6%の 条件卜で吸湿する場合 大豆は22.159右.(d.b.),人 止金時では21.馴%(d.b.),手亡は22.65% rd.
b.)と2n%以上の平衡水分を示すが,小豆では5,51
Sampl¢
伽sorp血m AdsひrPtir)nS申さ・b組nS
20.79
5.鮨Adzukiもea汀S
26、.183.70 且id丘eyb七島nk
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28.n6
′l.間39.58 4.53
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︹ β p ■芝召q︶仁OU巴三明.6Hイ
2.平衡水分の測定
各試料より約10gを糖種L,ステンレス製金網で在 った容器にそれぞれ入れ これらをTal】1e2に示す 飽和壕溶液nを入れたデシケ一夕(中板直径1、2血)肉 に収納いこ。これらのデシケ一夕を5±1」C,別±1
℃,30+1℃の恒温室に60〜1的日間保持し,悦湿試 験履1P日ごとに,吸湿では2(旧間隔で試料項屋を測定
l abr台2SaltsoIutiDrl、s used8rldrel白tiv白humidit−
iesm8=Ⅵained(%)
Salt 5℃ 2り℃ 30℃
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lノ1.打 12.4 】1.8
丸′IgCl竃・飢I20 34.首 3a.甫 32.8 M苦りⅥ)3)グ・6上i20 59,2 54▼9 5ヨ.打 C拉C12・組20 6臥5、 6臥5 餉、5
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昆6
豆類の平衡水分
387
%(d、.b.)と極端に低い偵となった。Tablelに 示されるように,吸湿試験に川いた試料はすペて4 乳(w.b_う前後の低水分まで乾燥しているが,とく
に小豆たおいて吸湿しにくい傾向が明らかとなった。
小豆のlロト温温度条件で.吸湿と脱退とわ平衡水分 の差は約28%〔d.b.)に達し.着い\履歴効果が認
められた。これは小豆の種皮の特性によるものと考え
られるで
平衡水分位達するのに要する日数は,大豆で瑚〜7Q 口,大正金時と手Lでば60〜90∩であるが,小豆の場 合細〜100日と若干多くの日数を必要とする傾向にあ るn松田ら8)は大豆(ユウヅル)と玄米(シオカリ)
の平衡水分を酎定しノ 人豆の場合.平衡水分に達する までに要する∩数は親よらも長く如〜朝日としている が,これは著者らの用いた大豆がトヨシロであること から,競藤間の発光の大きいことを示唆するものであ ろう。
2.平衡水分曲線
f■ig.2,3に人豆と人正金時の平衡水分曲線をそ れぞれ示す。これらの開から明らかなように,平衡水 分におよげす湿度の影響が認めら′jl,一般店温度か低 いほど高い水分値を示したuまた,脱湿試験による試 料のヰ衡水分ほ吸湿.のそれよりも大羞く,ChungD′
のコーンや小麦の街深と一致した。これは手亡と大正
金時の化学成分がきわめて類似していることによるも
のと考えられる181。小豆では前述のように,吸湿の 平衡水分が著しく低いので,脱漫の協会の傾向と他の 箪料のそれと巷比較したところ,大正金時や芋亡の水 分曲線七近いと思われた。
︵.q.七 ▼警石崖Fg2−1菩022点上二っ一bF
0 20 40 60 80 10U
Fig.3Adsorption−desorptionisothermsofkidney b台8nS(T8i占hokintoki)8t58nd38℃
Henderson5=は平衡水分の式を次′のように示して
t\るひ
∴︷.T ∵二﹁ニー﹂二ご二L∵一・■こ∵﹂︑ご﹁・二l=・三⊥
1f.h.=巳釘n祈り ただし, r.h.:相対湿度ぐ少数点)
Ⅸ′Ie:平衡水分(%.d.b.)
T:絶対温度(K〕
k,n:物質によって迂篭る定数 川式蕗変換L
ln(1 T.h.)
山
khle く21 か得られる。大豆と大正金時の削定結果を(2)式に代入
して各定数を求めたのが♪【ig.4でぁる。また.小豆 の吸湿の場合を除き,各試料の平衡水粛値を珪いてし2)
式の定数nとkを算出した結果がTabl月3である。
2〔〉 40 60 醐 1川)
】モe】a雨戸hllmidj咋(%〕
Fig.2Adsorptiondesorpt旧nisothermsof SOybeansat5即d38℃
石橋憲一・弘中和意・中川允利
38R
参 考 文 献
1)農林水産省北海道統計情報等葡所二北海道鹿林水
産昧引・年報(総合編),P.さ2−35,.北海道農林
統計協会協議会(19gD)2)内藤 広:米穀の含有水分量と関係湿度との関係 について.食研軌10,4ト52(1鴨5)
甘)狩野・〕甥,内藤 広:外米の磯湿と放漫によ風水 分平衡について.食研軋1& 訝卜灘=1958)
4)炭田義博二米の含水率に関する研究,日作記,
岳5,ヨS42(ほ6も〕
5)†TeT】deTSOn,S.M∴Åbasic concept orequi
1ibriummoistu柁,Agr.Engり 33,26 32(1952)6)T加mps〔吼H.J.a血d Shedd,C.K.ニEqui−
1ibriunlmOisture且nd h組しぴvap()riる8ti()n Ofshe11edcornan(lwheat,A官T・Eng.,
取7867鴫11g54)
7)工業計測技術体系編集委旦会:湿度水分測定,p.
弧 日刊工業新聞社(1粥5)
も)松田機三,倉田美観,吉出富穂:穀煩の平衡水洗 農機道東部会報,15,1571飢(柑74)
9)Chu−1g,D.S.且nd Ha汀y.B,P.:Ad印Tption anddesQrptionorwateTVapOrbye軒ぬ1gr畠ims aJldtheirproduCtS,Trans.ASAE,
10,549551,555(1967)
1D)石橋岩・,小樽 浩,弘中和篇.岡村太成:乾燥 はtこよる直観の含水率利鼠農磯誌吼
26ロ264ぐ19畠0)
川札幌管区気象台:北海道の気風 p.礼 口本気 象協会北海道本部(1982)
SuIれmary
A runrlam芦ntali‡lVe細1郎払わn v・且亭ぐaTri轡d o11t todeLerTrlir】e the叫uiユibriu血1血流山1reC¢n値ntor 革Oybpans(T〔))rOShirry),kidney beans(T8ishの・
kinL()ki乱nd 11ebo)and汲dzukib組DS.A血orp血n des【Jrpti()nis(〉therm6W℃re¢繁tablidほd8ttem▲
p打ahlreS nr5.②Oand30℃.and at r¢lativehlユ miditie吊Tar唱ingrrom14.Dto阻径%.
lniLialrIlOisturec(Jnten七s r釦癌威=r()m3、78b】
5.33%(Ⅵ・.b.)and fT{〉m犯79tく)3諺.5昏%(w.
b.)朽r adsnrpもion aれd d(鳴Orpt始nexperlI瑚狛は 5 1n 2()3040
Mk(%d.b.)
Fig.4 EquilibriummoisturecontentofsoYbe8nS 8ndkidneybeans(TaishokhltDki)
松田ら占ノは大豆において∩】.24,k二1.24〉り04
(8,4≦Me≦24.0)を示Lているが,本報の人豆の 結果は口enderson5 のn=1.52,k=5.76×10bに 近似Lている。平衡水分曲線より各相対湿度における 試料の平衡水分を知ることかできるので,乾燥あるい
ほ貯蔵中の通風の相対湿度を訴腰することによって,
豆粕の水分を加減することが可能となる。また,豆類 は 一般に袋詰めあるいはバラ状態で貯蔵,保管されて いるが,十勝地方の2月から5月の月平均相対混度は 7Dタ肩に満たないことが多いので川,貯蔵豆類の乾燥
(脱湿)に留意する必要があろう。
Table3Const8ntSn8nd kin theequ8tion(2)
Sample
n kxlO♭ノl● 1.62 4.92 D*ホ 1,61 ′l.90
So)・be〔しnSA5Zl】kibeans
ⅨidTleV bやanS
(Taishokintokj)
Kid】reybeans 1−
㌧∧:ノIdsorptlOJl
‥
D:nes口rp加n
A 一
丁) 1.59 A l.54 n l.舶 A l.66 n l.91
6 9 9 ハり ⊂l︼ 一 9 5 d 3 3 ︹︐ り 1 .■1 1
58
豆粕の平衡水分
resp叫1vely.The desorption moisture contents were higherthan the adsorption valucs.Atthc Samerelativehu血diLy,theequilibriummoisLure COntel】L w且Slowt>r at hight)T tt・mPeTature.Tht・
equilibrationpcriodsunderstaticcondition wcrc 耶=(〕1nOdays. ・hich were呂hortest r(汀kidney beans,rOllowed by soさrbeans andlongest ror
札dz11kit】組nS.
Soybeans being highin【)ilconLent ad紺rt】巳【1 ユess moisture rrom the surroundin写airthan beans which are highin staTCh conttmt.This indicaしesLhatsLarchyboansshouldbestoredat lowerrelati、・ehumiditvtbansoyl)組IISrのrl(1nger
s抽rageperil〕d