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酸素電極を用いた一般細菌数の簡易計測

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Academic year: 2022

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(1)VII‑043. 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月). 酸素電極を用いた一般細菌数の簡易計測 〜 環境試料の測定条件とその適用性 〜 大阪工業大学大学院 学生会員○分林 静人. 須田 充. 大阪工業大学工学部 正 会 員. 石川 宗孝. 笠原 伸介. 1 . はじめに・・・ 水道法・水質汚濁防止法には、水系伝染病 の防止などを目的に、細菌数に関する水質基準が設けら れている。従来より、一般細菌数の計測には、寒天培地 法. 1). 試料 100μ l 液 体 培 地 100μ l. が用いられているが、作業が煩雑であること、長時. 間の培養を要することなどの理由から、その簡易・迅速化. 電極. が望まれている。 本研究では、食品衛生管理の分野で開発さ れた、酸素 電極を用いて微生物の呼吸による試料中の溶存酸素の消 費時間から容易に細菌数を推定する手法 2). 図‐1. (以下,酸素電. 極法)を取り上げ、環境試料中の細菌計測に応用する際の. 400. 多. 測定条件および適用性について検討した。. (2倍に濃縮 )がそれぞれ 100μl ずつ注入され、一定の温 少. 160. 0. ら試料中の細菌数を推定することができる。. 3 . 試 料 の 調 整 方 法 ・ ・ ・ 純 粋 培 養 試 料 と し て E.coli. 2. (ATCC25922)を、環境試料として菅原城北大橋と豊里大 橋の中間付近において採取した淀川表流水(以下,河川水 ). 培地および R2A 培地. 8. 10. 12. 14. 16. 12. 14. 16. 1.0 E + 0 7 1.0 E + 0 6 1.0 E + 0 5 1.0 E + 0 4 1.0 E + 0 3. 試 供 菌 株 :E.coli(ATCC 25922). 1.0 E + 0 2. 培 養 温 度 :36 ℃. 1.0 E + 0 1. 液 体 培 地 :標 準 寒 天 培 地 (寒 天 抜 き ). 1.0 E + 0 0. 0. 2. 4. 6. 8. 10. 検 出 時 間 (h o u r). 図‐2. 酸素電極法の原理. で適宜希釈. し測定に供した。液体培地の組成は、標準寒天培地、PGY 1). 6. 1.0 E + 0 8. および塩素処理前の農業集落排水処理水 (以下,排水)をそ 1). 4. 1.0 E + 0 9. 菌 体 濃 度 (C F U / m l). 利用し、適切な培養条件を設定することで、検出時間か. 細菌なし. 0. て検出される。溶存酸素が急激に低下し、ほぼゼロとな. との間には良好な比例関係が成立する。これらの特性を. 低. 240. 増殖する細菌の呼吸に伴う溶存酸素の挙動が電流値とし. る時間(以下,検出時間)と、セル注入時における菌体濃度. 菌体 濃 度. 80. 度で培養が行われる。その際、図 ‐2 に示すように、溶 液中の電極反応により溶存酸素に比例して電流が流れ、. 高. 320 電流値 (nA). 電極が低部に装着されたセル内に、試料および液体培地. 溶存酸素. 2 . 測定原理・・・ 酸素電極法では、図 ‐1 に示す剥き出しの. れぞれ用いた。試料は、リン酸緩衝希釈水. 酸素電極セル概要. と同一とした。装置は恒温器内に. 設置し、培養温度を 36,30,25,20℃に設定した。. 4 . 測 定 条 件 の 検 討 ・ ・ ・ 表 ‐1 に、各種液体培地、培養時間 で河川水を測定した際の検出時間を示す。まず、培養温 度による検出時間への影響に注目すると、培養温度 36,. 表‐1 培養温度 36℃ 30℃ 25℃ 20℃. 河川水の検出時間( 4 点平均値) 標準 6.1 7.0 10.2 14.3. 液体培地の種類 PGY R2A 6.0 6.0 7.1 7.3 10.0 10.3 14.2 14.5 単 位 :h o u r. 30,25,20℃において、検出時間はそれぞれ約 6,7,10, キーワード:酸素電極,簡易計測,一般細菌,環境試料,E.coli 連絡先:〒535-8585 大阪市旭区大宮 5-16-1 大阪工業大学工学部都市デザイン工学科 Tel06-6954-4171. ‑85‑.

(2) VII‑043. 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月). 14 時間となり、培養温度が高いほど検出時間が短くなる. 1.0E+07. 傾向が認められた。また、液体培地の種類による検出時. 液体培地が異なっても検出時間にほとんど違いが認めら れなかった。これらの結果をふまえ、検出時間を極力短 縮すべきとの観点から、酸素電極法の測定条件は、公定 法 1) に準じ、培養温度として 36℃、液体培地として標準. 一般細菌数(CFU/ml). 間への影響に注目すると、培養温度が等しい場合には、. y = 2.0E+07e - 0 . 9 5 x R 2 = 0.93. 1.0E+06 1.0E+05 1.0E+04 y = 1.3E+07e - 1 . 0 2 x R 2 = 0.85. 1.0E+03 1.0E+02. 河川. 1.0E+01. 排水. 1.0E+00. 寒天培地(寒天抜き)をそれぞれ採用することとした。. 0. 5 . 環 境 試 料 を 用 い た 細 菌 計 測 ・ ・ ・ 図 ‐3 に、河川水およ び排水中の一般細菌数と検出時間との関係を示す。これ. 2. 4 6 8 検 出 時 間 (hour). 図‐3. 10. 12. 一般細菌数と検出時間の関係. によると、いずれの試料においても両者の間には高い相 関が認められた。ここで、同じ菌体濃度における検出時. 1.0E+07 1.0E+06. 料毎の細菌相による細菌数当たりの酸素消費速度の違い. 1.0E+05. が、検出時間の差として現れることが示唆された。した がって、実際の適用に際しては、測定対象とする試料毎 に検量線を作成し、この影響を極力少なくすることが必 要と考えられる。. 一般細菌数(CFU/ml). 間を比較すると、河川水は排水に比べて約 20%短く、試. 8/8. E.coli 8/8 8/8. 1.0E+04. 8/8. 1.0E+03. 8/8. 1.0E+02 検出された試料/全試料. 1.0E+01 1.0E+00. 6 . 測 定 精 度 の 検 討 ・ ・ ・ 図 ‐4 に、E.coli および河川水を用. 0. 2. 4. 6 8 10 12 検 出 時 間 (hour). いて、同一の試料を多数同時に測定した際の一般細菌数 と検出時間との関係を示す。これらによると、いずれの. 試料注入時における細菌数の微少な差が、測定に長時間 を要する低濃度試料ほど検出時間に大きく影響すると考 えられるが、加えて、増殖速度や呼吸活性の異なる細菌 が共存する河川水では、純粋培養試料である E.coli とは. 16/16. 1.0E+05 一般細菌数(CFU/ml). が顕著に現れることがわかった。本来、酸素電極法では、. 16. 1.0E+06. 試料においても、菌体濃度が低いほど分散が大きくなる 傾向が認められ、特に、河川水では E.coli よりその傾向. 14. 河川水. 16/16. 1.0E+04. 16/16. 1.0E+03. 14/16. 1.0E+02 1.0E+01. 検出された試料/全試料. 1.0E+00 0. 異なり、一般細菌として検出される細 菌の全てが、溶存 酸素の消費に対し同様に寄与するとは限らない。このこ. 2. 4. 6 8 10 12 検 出 時 間 (hour). 図‐4. 14. 16. 検出時間の分散. とが環境試料を測定した場合に分散がさらに大きくなっ た要因と考えられる。本実験では、一般細菌数が 103 を. 最後に、本研究の遂行に多大なご協力を頂いた. 下回ると分散範囲が 1 オーダー以上となり、信頼性の高. (株)ダイキン環境研究所の関係各位ならびに本学卒. い結果が得られないことがわかった。. 業生の甲本周司君に感謝の意を表します。. 7 . おわりに・・・ 本研究では、酸素電極法による環境試料中 の一般細菌数を計測する際の測定条件を示すとともに、. 【参考文献】. 環境試料に対して同手法を適用した場合の問題点につい. 1)厚生省生活衛生局水道環境部 監修:上水試験. て指摘した。今後は、測定精度の向上および検出時間の 短縮を図るため、一般細菌数が 103を下回る低濃度試料 に対する測定手法として、ろ過により細菌を捕集する濃 縮操作および測定試料の容量増加について検討していく 予定である。. ‑86‑. 方法(1993),(社)日本水道協会,1995.3 2)酸素電極を用いた一般生菌数検査の簡易迅速化 :天野義久 他,日本食品化学工学会誌,Vol.48, No.2,pp.94‐98,2001.2.

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