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ジャガイモの種いも伝染性細菌病の特徴と簡易保菌検定法

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Academic year: 2021

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( 1 ) 黒あし病

ジャガイモ黒あし病は世界的に発生が見られるが,土 壌伝染ではなく保菌塊茎が第一次伝染源とされている。 本病原菌には,Erwinia carotovora subsp. atroseptica (Eca),Erwinia carotovora subsp. carotovora(Ecc),

Erwinia chrysanthemi(Echr)の 3 種の Erwinia 属菌が 知られており(現在,上記 3 種について新学名が提唱さ れているが,今回は従来の学名を用いて説明する),そ のうち Ecc は各種野菜の軟腐病菌と細菌学的性質が類 似しており,血清学的性質を異にする一系統(TANIIand AKAI, 1975;谷井,1984)との位置づけがなされている (表― 1)。 北海道における黒あし病は 1955 年に中標津町で最初 に発見され(成田,1958),その後,道東,上川地方で も発生が認められた(尾崎ら,1973)。このとき病原菌 として確認されたのは Eca であった(谷井ら,1973)。 その後,1970 年代には Ecc による黒あし病が十勝地方 を中心に広範囲に発生した。一方,Echr は 1969 年に八 雲町で初めて発生が確認され,その症状が他の 2 種とは 異なり萎凋症状が顕著に現れるため,萎凋細菌病として 報告された(谷井・馬場,1971)。さらに,本症状は 1970 年代後半になって十勝,釧路地方でも確認された が,発生は散発的,局所的にとどまった。しかし,近年 は全道的に Echr による発生事例が増加している。この 傾向はフランス,オランダなど欧州でも同様である。道 内での発生原因として,塊茎内部の保菌により種いもの 消毒効果が期待できない,晩生品種では生育後半の病株 抜き取りが不十分である,などが考えられる。また,病 徴は Eca と Ecc では地際部茎表面に黒変症状が顕著に 現れるのに対し,Echr は導管病の性格が強く,茎内部 の維管束の腐敗が地際部の症状に先行して現れる。 は じ め に ジャガイモは栄養繁殖性であるため,無病で高品質な 種いもを供給することが,安定生産を決定づける要因と なる。我が国では植物防疫法に基づき,無病種いもの増 殖・供給体制を農林水産省および(独)種苗管理センター が中心となって担ってきた。近年,ジャガイモシストセ ンチュウ(発生が確認された圃場では,法律上種いも 栽培ができなくなる)の発生地域の拡大がとまらず,ま た 2005 年には 25 年ぶりに Potato mop― top virus の感染 に起因するジャガイモ塊茎褐色輪紋病が突発的に発生す るなど,新たな問題も起きている。 これらの問題を解決するためには,無病種いも生産供 給の各段階で,病害虫の迅速・的確な診断が不可欠であ る。しかし,現行の診断技術は手順が煩雑かつ熟練を要 し,また個々の種の同定に時間がかかるなどの問題があ った。このため,これら病害虫を個別あるいは網羅的に 検出できる簡易・高精度な診断法の早期確立が生産現場 から強く要望されている。 筆者らは,農林水産高度化事業(ジャガイモ病害虫の 簡易検出・高精度診断技術の開発,2004 ∼ 07)におい て,生産現場で利用可能な種いも伝染性細菌病の簡易保 菌検定法の開発を行い,一定の成果が得られたので,そ の結果を中心に報告する。 I 種いも伝染性細菌病の特徴と被害 ジャガイモでは多くの種いも伝染性病害が知られてい る。その中でも黒あし病,青枯病および輪腐病は主要な 種いも伝染性細菌病であり,国内はもとより諸外国でも 健全種いも生産上の検疫対象病害となっている。以下, 国内の主生産地である北海道の状況を中心に述べる。

Characteristics of Seed ― borne Bacterial Diseases of Potato and Development of Simple Detection Method of the Pathogens. By Mitsuo HORITA, Fumio TANAKAand Hideaki FUWA

(キーワード:種いも伝染性,細菌病,黒あし病,輪腐病,青枯 病,ELISA,PCR)

ジャガイモの種いも伝染性細菌病の特徴と

簡易保菌検定法

ほり

みつ

お 農業環境技術研究所

なか

ふみ

お 北海道立中央農業試験場

ひで

あき 種苗管理センター北海道中央農場 表 −1 黒あし病菌と軟腐病菌の区別(谷井,1984) 性質 黒あし病菌 軟腐病菌 36℃での生育 血清型 接種病徴 − 単一・特異的 黒あし症状 + 複数・非特異的 軟腐症状

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( 3 ) 輪腐病 輪腐病は種いも検疫上でジャガイモシストセンチュウ と並び,その被害の大きさから最も重要な病害とされて おり,原・採種圃場で発生が認められた場合には植物防 疫官の検査で不合格とされる。本病は 1947 年に北海道 で初確認され,北海道産種いもの府県への移出によって 全国的に本病が発生し,大きな問題となった(成田, 1958)が,50 年に制定された植物防疫法に基づき,防 除が強化された結果,74 年の十勝地方の原採種圃場で の報告を最後に,発生が見られなくなった。 いずれの病害も一度発生すると被害が甚大であり,種 いも消毒などの防除効果が期待できないことから,健全 過去 37 年間の北海道における黒あし病の発生推移 (北海道病害虫防除所調べ)を図― 1 に示す。本病は長い 年次間隔で突発的な増減を繰り返し,種いも安定生産上 の問題点となっている。最近では 1992 ∼ 93 年にかけて 十勝地方での多発事例がある。それでも近年に至ってこ れら病害の被害が非常に軽微に抑制されていることは, 種苗生産に関る関係者の積年の努力の成果である。 ( 2 ) 青枯病 青枯病は世界中で多くの作物に病害を引き起こし,五 つのレースが知られている(表― 2)。そのうちで,ジャ ガイモに病原性を示すのはレース 1 と 3 とされている。 これとは別に,レースとは相関性が見られない細菌学的 性質を基にして,従来六つの生理型(biovar)に分けら れてきた。近年,FEGANand PRIOR(2005)はリボソーム RNA 遺伝子などのシーケンス解析を基に,本菌を四つ の系統(phylotype I ∼ IV)に分類することを提案して いる。これによると,上記のレース 1 とレース 3 は系統 I ∼ IV の中に分散する(表― 3)。本病は北海道では 1951 年に報告されたが,19 年ごろから症状が知られていた という。1930 年代後半から 50 年にかけて,上川北部, 空知北部などで激発したほか,道内各地で発生が確認さ れた(成田,1958)。その後,耐病性品種 ‘農林 1 号’ の 作付け,排水改善,輪作等によって次第に発生は減少し た。これまでの発生はレース 1,biovar 4(phylotype I) によるものとされている。しかし,2005 年に後志支庁 管内の一地点において,低温域でジャガイモに病原性の 強いレース 3,biovar N2(phylotype IV)の発生が認め られた(堀田ら,2008)。この系統は主として九州・沖 縄地方で問題となっており,北海道への伝染経路は不明 であるが,今後の警戒を必要とする。 栽培面積 発生面積 面 積 ︵ ha ︶ 80,000 70,000 60,000 50,000 40,000 30,000 20,000 10,000 0 1971  73 75 77 79 81 83 85 87 89 年次 91 93 95 97 99 2001 03 05 07 図 −1 北海道内におけるジャガイモ黒あし病の発生推移(北海道病害虫防除所) 表 −2 青枯病菌のレース(race) レース 寄主範囲 1 2 3 4 5 ナス科作物,雑草類,2 倍体バナナ 3 倍体バナナ,ヘリコニア ジャガイモ,トマト ショウガ クワ 表 −3 ジャガイモ青枯病菌の分類体系の 変更 レース Phylotype 1 3 → → I IV 1 3 → → I,II,III II 日本産株 外国産株

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鑑別し,特に基本種子までは黒あし病と輪腐病を細菌病 の個別対象病害として検定している。 2 黒あし病菌の検定 センターは 1978 年から選択培地を用いた黒あし病菌 の検定を行ってきた。黒あし病菌 3 種のうち,Ecc は各 種野菜の軟腐病菌と生育最高温度を除いて細菌学的性質 がほぼ同じで,血清型が異なることが唯一の識別点であ る(表― 1)。そのため,Ecc の検定には病原菌の分離と 細菌学的性質の調査後,さらに抗血清による検定が必要 とされてきた。このように従来法は,細菌学的性質の調 査に代表される極めて煩雑な操作や判定技術に熟練を要 し,さらに判定までに長時間が必要とされることから, これに代わる迅速で高精度な検定技術の開発・導入が強 く望まれていた。センターはこれまで関連試験研究機関 と連携し,本病害の簡易で高精度な新たな検定法の開 発・確立に関する研究を行っており,各種検証を経て, 2006 年からは後述の増菌法と ELISA および PCR とを組 種いもの使用が最も効果的な防除対策となる。 II 種苗管理の現状 1 種いも供給と種苗管理センターでの検査体制 我が国でジャガイモは植物防疫法の指定種苗に定めら れており,種いもは農林水産省植物防疫所の植物防疫官 による検査を経て流通している。現在の一般的な種いも の増殖は各育種機関(家)からの母本を元に種苗管理セ ンター(以下,センター)が原原種を,各自治体・団体 が原種・採種(一般栽培用の種いもを含む)を生産・配 布している(図― 2)。センターでは,①母本の茎頂培養 による無毒化(無菌室),②基本種子(保護網室),③基 本種(寒冷紗などによる被覆圃場),④原原種(圃場) の順に増殖している(図― 3)。ここでは,センターが実 施している各増殖段階の細菌病検定について紹介する。 センターは現在,北海道( 4 ),青森県( 1 ),群馬県 ( 1 )および長崎県( 1 )の全国 7 箇所の生産農場で,2007 年度は合計 56 品種,1,345 t の原原種の生産・配布事業 を行っており,組織培養,隔離栽培および病害虫侵入防 止対策と各病害検定による一元的生産管理体制で健全無 病な優良種苗の安定的供給並びに生産性の向上と品質の 改善を図っている。各生産農場は各増殖段階別に細菌病 のほか,ウイルス病などの病害検定を実施しており,増 殖初期段階の基本種子までの母本は全数を,基本種の生 産塊茎については植付け株数の 5%以上を抽出検定して いるほか,各増殖段階の植物体と生産塊茎は全数を肉眼 新品種 原原種 独立行政法人 種苗管理センター 原種 道・県 (団体などへ委託) 採種 採種組合 一般栽培 ︵ 農 水 省 植 物 防 疫 所 ︶ 防 疫 検 査 図 −2 ジャガイモの採種体系 新品種 茎頂培養 (無菌室) 基本種子 (保護網室) 基本種 (被覆圃場) 原原種 (圃場) ミニチューバー 図 −3 種苗管理センターにおける原原種の増殖体系

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( 1 ) 増菌法 黒あし病菌 Echr は種いも内部での保菌が知られ,そ の菌量は 103cfu/g 塊茎に達するという報告(前田ら, 1997)があるが,一般に菌量は低密度と想定される。そ のため,保菌塊茎から直接検出するよりは増菌法との組 み合わせが有効と考えられた。筆者らが検討した結果, 黒あし病菌 3 種,青枯病菌,輪腐病菌の保菌種いもから の増菌法としては,共通の基本培地として King’B 液体 培地を用い,黒あし病菌,青枯病菌では 25℃,2 日,輪 腐病菌では 25℃,6 日以上の振とう培養が有効と判断し た。 ( 2 ) ELISA 法 次に,特異的検出のための一手法として ELISA の有 効性を検討するため,黒あし病菌 3 種,青枯病菌および 輪腐病菌に対する種特異的なポリクローナル抗体を作製 した。これらを用いた直接 ELISA 法による識別を行っ た結果,一部の黒あし病菌間で非特異反応が見られたも のの,それぞれの菌種の識別が可能であった。検出限界 菌密度は,黒あし病菌 3 種(Eca,Ecc,Echr)では, それぞれ 106,104および 104cfu/ml,青枯病菌では 104cfu/ml,輪腐病菌では 106cfu/ml であった(田中ら, 2008 a)。 ( 3 ) PCR 法 さらに PCR による検定を試みた。Ecc 以外は既報の 方法を用いた。すなわち,黒あし病菌 Eca については DE BOERand WARD(1995)の方法,Echr については SMIDet al.(1995),NASSARet al.(1996)の方法,青枯病 菌については ITOet al.(1998)の方法,輪腐病菌につい ては LEEet al.(1997)の方法を試みたが,いずれも有効 と考えられた。 これまで報告のなかった Ecc については,国内産分 離株のリボソーム DNA ― ITS 領域の塩基配列を他の類 縁病原細菌と比較して,PCR 用の種特異的プライマー を設計した。これを用いて本菌種の識別を試みた結果, 少ない菌株数ではあるが,ジャガイモ軟腐病菌と明確に 区別できるなど高い特異性が期待された(堀田・田中, 2007)。 これら PCR による各病原菌の検出限界菌密度は輪腐 病菌で 104cfu/ml,その他の菌種で 105cfu/ml で,検出 精度はいずれも高かった。 ( 4 ) 増菌法と ELISA,PCR 法の組み合わせ 増菌法と ELISA を組み合わせた検定法により保菌種 いもからの検出を試みた結果,黒あし病菌と青枯病菌に ついては低密度(> 101cfu/塊茎)でも検出が可能であ った(田中ら,2008 b)。しかし,輪腐病菌では検出感 み合わせた新たな検定法を各生産農場へ導入するととも に,技術水準の高位平準化を図っている。 3 輪腐病菌の検定 輪腐病は,センターの前身である農林省馬鈴薯原原種 農場が全国 7 箇所に創設され,本格的な原原種生産が開 始された 1948 年当時からウイルス病と並び検定・除去 すべき最重要対象病害とされてきた。その検定・配布成 果により,1952 年を最後に現在に至るまで原原種農 場・センターでは輪腐病菌は検出されておらず,前述の ように現在,国内で本病の発生はほとんど見られない。 当初,原原種農場は本病害の検定を紫外線照射法とグラ ム染色法の二法により行っていたが,本病が原原種農場 から駆逐されたこと,また前者には検定精度などの問題 があったことから 1956 年以降,グラム染色法で本病の 検定を行っている。この塊茎個別に行うグラム染色法は 的確な検定が可能であるものの,大量の検定には不向き であることから,不測の事態にも高精度・効率的に対応 できる新たな検定法の開発・確立が求められてきた。こ れまでセンターは黒あし病同様,検出法の開発を進めて きた。しかし,本病害はその重要度から,さらなる検定 精度の向上が必要であり,現在引き続き研究が進められ ている。 今後,特に輪腐病菌の一層の検定精度の向上が図ら れ,青枯病を含む各病原細菌の網羅的な検定が実現する と,原原種のさらなる品質向上や国内産ジャガイモの安 定生産に寄与できるものと考える。また,現在,センタ ーは基本種子の生産について,組織培養系母本を元にし た新たな増殖体系(ミニチューバー生産)に移行してお り,これに要求される母本の精密検定や生産物検定に, 次章に述べる検出法を基盤技術の一つとしたジャガイモ 病害の総合診断システムの導入を目指し,調査研究を行 っている。 III 増菌法と ELISA 法,PCR 法とを 併用した種いもの保菌検定法 1 開発上の考え方と内容 前章までに述べた背景をもとに,筆者らは従来の煩雑 な保菌検定の過程を省略して,種いも伝染する複数の 菌種を網羅的,かつ簡易で高精度に検定できる方法の開 発を行った。 本試験では検定用菌株として,国内のジャガイモ主産 地で分離された黒あし病菌 3 種(Eca,Ecc,Echr),青 枯病菌(レース 1,3),輪腐病菌の計 5 種を,また,黒 あし病菌の比較対照として,ジャガイモ軟腐病菌を用い た。

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・種いものストロン基部の一部をアルコールなどで殺 菌したナイフ,けつ芽刀などで切り取り,それを King’B 液体培地中に添加する。 ・25℃で振とう培養(125 rpm 程度)を行う。培養日 数は一般に黒あし病菌・青枯病菌では 2 日,輪腐病 菌では 6 日以上を要する。

( 2 ) ELISA 検定(DAS ― ELISA)

・一次抗体は 5 ug/ml 以上の濃度で用いる。 ・抗原は培養液 1 ml を採取し,遠心分離(8,000 rpm, 5 分)した後,等量の PBST/BSA/PVP で希釈した ものを用いる。抗原濃度は OD600値で 0.6 程度が適 当である。 ・コンジュゲート(アルカリホスファターゼ標識抗体) 濃度は 500 ∼ 800 倍程度の希釈とする。 ・陽性の場合でも,吸光値(OD405)で 0.1 程度の数 値しか得られないことがあるので,反復数を多くす るなど注意を要する。 ・OD405値の増加が認められない場合は陰性と判断す るが,判断できない場合には継続して PCR による 検定を行う。 ( 3 ) PCR 検定 ・テンプレート DNA は培養液 1 ml を採取し,遠心 分離(8,000 rpm,5 分)した後,等量の滅菌超純 水,または TE 緩衝液に再懸濁して遠心分離を二度 繰り返して洗浄する。 ・その後,沸騰水中で 100℃,10 分間の熱抽出を行 う。 ・それぞれの種に特異的なプライマーを用いて(表― 度が低く(> 107cfu/塊茎),今後,ポリクローナル抗 体の作製方法など,さらに検討が必要と考えられた。 同様に,増菌法と PCR を組み合わせた検定法により 保菌種いもからの検出を試みた結果,黒あし病菌 3 種, 青枯病菌および輪腐病菌は,いずれも検出可能であっ た。ただし,黒あし病菌,青枯病菌が低密度(101 102cfu/塊茎)でも検出されるのに比べ,輪腐病菌では 検出感度が低い(> 105cfu/塊茎)ため,増菌法の改良 による検出精度の向上が必要と考えられた。 2 検定マニュアル 以上のことから,保菌検定法の一事例として,以下の マニュアルを作成した(図― 4)。 ( 1 ) 増菌法 ・塊茎は水道水で軽く水洗する。 アルミホイル 振とう培養 (125 rpm) ストロン側 100 ml 増菌液 (King’B 液体培地) 25℃・ 黒あし病菌,青枯病菌 2 日 輪腐病菌 6 日 ELISA・PCR 200 ml 容 コニカル ビーカー 遠心分離(8,000 rpm, 5 分)後,PBST/BSA/ PVP または滅菌超純水 に再懸濁 図 −4 増菌法と ELISA・PCR を組み合わせた病原細菌の 保菌塊茎からの検出法

a)DEBOERand WARD(1995)b)堀田・田中(2007)c)SMIDet al.(1995),d)NASSARet al.(1996),e)ITOet al.

(1998),f)LEEet al.(1997). 表 −4 各病原細菌検出のための PCR プライマー 病原菌 学名 名称 塩基配列(5′― 3′) 増幅サイズ 黒あし病菌 Erwinia carotovora subsp. atroseptica ECA1fa) ECA2r CGGCATCATAAAAACACG GCACACTTCATCCAGCGA 690 bpk E. carotovorasubsp. carotovora DHT1b) DHT2 TGTAGACTCATGCTGACGCGA GGTCATCGTGTTTTGTCAGCC 270 bpk E. chrysanthemi ERWFORc) CHRREV ACGCATGAAATCGGCCATGC AGTGCTGCCGTACAGCACGT 600 bpk ADE1d) ADE2 GATCAGAAAGCCCGCAGCCAGAT CTGTGGCCGATCAGGATGGTTTTGTCGTGC 420 bpk 青枯病菌 Ralstonia solanacearum 759 e) 760 GTCGCCGTCAACTCACTTTCC GTCGCCGTCAGCAATGCGGAATCG 281 bpk 輪腐病菌 Clavibacter michiganensis subsp. sepedonicus CMSIF1f) CMSIR1 TGTACTCGGCCATGACGTTGG TACTGGGTCATGACGTTGGT 1 kbp

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部は既に実用化されている。 これら検出・診断法は国内のジャガイモ安定生産に貢 献するだけでなく,将来的には世界中のジャガイモ生産 地における病害虫診断の国際標準技術としても利用でき るのではないかと考えられる。今後ともこれら病害虫の 検出精度を高めるため,さらなる改良を続けていきた い。 引 用 文 献

1)DEBOER, S. H. and L. J. WARD(1995): Phytopathology 85 : 854 ∼ 858.

2)FEGAN, M. and P. PRIOR(2005): Bacterial Wilt Disease and the Ralstonia solanacearumSpecies Complex, APS Press, St. Paul, p. 449 ∼ 461.

3)堀田光生・田中文夫(2007): 日植病報 74 : 42(講要). 4)――――ら(2008): 同上 75 : 254(講要).

5)ITO, S. et al.(1998): J. Phytopathol. 146 : 379 ∼ 384.

6)LEE, I. M. et al.(1996): Appl. Environ. Microbiol. 63 : 2625 ∼

2630.

7)前田征之ら(1997): 北日本病虫研報 48 : 66 ∼ 67. 8)成田武四(1958): 北海道立農試報 8 : 1 ∼ 80.

9)NASSAR, A. et al.(1996): Appl. Environ. Microbiol. 62 : 2228 ∼

2235.

10)尾崎政春ら(1973): 北海道立農試集報 28 : 62 ∼ 69. 11)SMID, E. J. et al.(1995): Plant Pathol. 44 : 1058 ∼ 1069.

12)田中文夫ら(2008 a): 日植病報 75 : 256 ∼ 257(講要). 13)――――ら(2008 b): 平成 20 年度日本植物病理学会北海道部 会講演要旨集,p. 3. 14)谷井昭夫(1984): 北海道立農試報 45 : 1 ∼ 104. 15)――――・馬場徹代(1971): 北海道立農試報 24 : 1 ∼ 10. 16)――――ら(1973): 日植病報 39 : 351 ∼ 360.

17)TANII, A. and J. AKAI(1975): Ann. Phytopath. Soc. Jpn. 41 : 513

∼ 517. 4)PCR 反応を行う。反応液組成は黒あし病菌,青 枯病菌,輪腐病菌とも共通(表― 5)で,反応条件 は黒あし病菌・青枯病菌と輪腐病菌で異なる(表― 6)。 ・黒あし病菌 Eca では 690 bp,Ecc では 270 bp, Echr では,SMIDet al.(1995)の方法を用いた場合 は 600 bp,NASSARet al.(1996)の方法では 420 bp, 青枯病菌では 281 bp,輪腐病菌では 1 kbp 前後の増 幅産物として特異的に検出される(図― 5)。 お わ り に 今回は種いも伝染性細菌病を対象とした簡易保菌検定 法について述べたが,これ以外にも,国内・海外の主要 ジャガイモウイルスを対象としたマクロアレイの作製, ジャガイモシストセンチュウのプラスチックカップ検定 法など生産現場で直ちに活用できる技術が確立され,一 表 −6 検出用 PCR 反応条件 黒あし・青枯病菌 輪腐病菌 1 cycle 95℃ 05 分 1 cycle 94℃ 30 cycle 94℃ 62℃ 72℃ 30 秒 45 秒 45 秒 35 cycle 94℃ 62℃ 72℃ 表 −5 検出用 PCR 反応液の組成 × 10 Reaction buffer 25 mM MgCl2 2.5 mM dNTPs Primer 1(10 uM) Primer 2(10 uM) DNA template

Taqpolymerase(5 unit/ul) up to 20 ul 2.0 ul 1.6 1.6 0.5 0.5 2.0 0.1 11 分 01 分 01 分 03 分 1 cycle 72℃ 10 分 1 cycle 72℃ 07 分

Ecc Eca Echr

690 bp 270 bp 600 bp 図 −5 PCR による黒あし病菌 3 種の検出 蘆ダイムロン・フェントラザミド・ブロモブチド・ベンスル フロンメチル水和剤 22311:イノーバ DX アップ L フロアブル(バイエルクロッ プサイエンス)08/12/17 ダイムロン:8.2%,フェントラザミド:5.5%,ブロモブチ ド:13.7%,ベンスルフロンメチル:0.90% 移植水稲:水田一年生雑草,マツバイ,ホタルイ,ヘラオモ ダカ(九州),ミズガヤツリ,ウリカワ,ヒルムシロ,セ リ (新しく登録された農薬 17 ページからの続き) 22310:科研ヨシキタジャンボ(科研製薬)08/12/17 イマゾスルフロン:2.25%,ブロモブチド:22.5%,ペント キサゾン:9.75% 移植水稲:水田一年生雑草,マツバイ,ホタルイ,ヘラオモ ダカ(東北),ミズガヤツリ,ウリカワ,ヒルムシロ,セ リ

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