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羅蘭 論文内容の要旨

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Academic year: 2022

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(1)羅蘭. 論文内容の要旨 主. 論. 文. Radiation Exposure Decreases the Quantity and Quality of Cardiac Stem Cells in Mice 放射線被ばくによるマウス心筋幹細胞の量と質の低下 羅蘭、浦田芳重、Yan Chen、Al Shaimaa Hasan、後藤信治、郭昌瑩、鈄方芳、謝玉才、 李桃生. PLoS ONE・11巻5号. e0152179 doi:10.1371/journal.pone.0152179 〔ページ数 10〕. 2016年. 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科放射線医療科学専攻 (主任指導教員:李 桃生教授). 緒. 言 近年、放射線被ばくによる非がん疾患、特に心血管疾患リスクへの関心が高まって いる。原爆被ばく者や放射線作業者を対象とした疫学調査では放射線被ばくによる心 血管疾患リスクの増加が報告されているが、その機序に関しては不明な点が多い。 幹細胞は組織臓器の再生修復や恒常性維持に重要な役割を果たしている一方、放射 線に高い感受性を示す。本研究では、放射線被ばくによる心筋幹細胞の量と質への影 響を調べ、心血管疾患リスクの間接的な評価指標になりうるかを明らかにすることを 目的とする。 対象と方法 健常雄性成獣(10~12 週齢)マウスに 3Gy の γ 線を全身照射し、24 時間後に心臓 組織を採取した。心室組織は免疫組織染色に用いられ、c-kit 陽性幹細胞数、細胞アポ トーシスと DNA 傷害(53BP1 フォーカス形成)を定量評価した。一方、砕切した心房 組織は培養皿に蒔き、心筋幹細胞の培養増殖を行う。培養 2 週間後に心筋幹細胞を採 集し、細胞総数を測定した。また、培養した心筋幹細胞における c-kit や CD90 の発現、 細胞増殖活性(Ki-67 発現)、細胞老化(telomerase 活性)および DNA 傷害を免疫染色法に より定量評価した。さらに、培養心筋幹細胞の上清を収集し、ELISA 法により心血管 再生関連因子 VEGF と IGF-1 の濃度を測定した。.

(2) 結. 果. 健常マウスと比べ、全身照射したマウスの心室筋内では、細胞アポトーシスと DNA 傷害が有意に増加した。しかし、心筋組織内に c-kit 陽性幹細胞の数が極めて少ない ため、心筋幹細胞に限定した影響への評価は困難であった。 一方、心房組織から培養増殖してきた心筋幹細胞は、細胞数が有意に少なく、c-kit の発現低下と CD90 の発現上昇が認められた。また、全身放射線照射により、心筋幹 細胞の増殖活性への明らかな影響は認められなかったが、細胞の老化や DNA 傷害が 誘導され、IGF-1 の産生機能にも有意な低下が観察された。 考. 察 心臓は放射線感受性の低い臓器として知られている。また、心臓には c-kit 陽性幹. 細胞が極めて少なく、心筋組織の大量採取も不可能のため、直接、心筋組織を用いた 組織学解析による放射線被ばく影響調査を行うことは困難である。本研究は、マウス の心房組織から心筋幹細胞を培養増殖し、放射線被ばくが心筋幹細胞の量と質に与え る影響を調べた。その結果、3Gy の γ 線全身照射では、心筋幹細胞の数および質(細 胞老化、DNA 傷害、IGF-1 の産生)の有意な低下が認められ、心筋幹細胞の傷害が明 確に示唆された。心筋幹細胞の量と質の変化は、間接的な指標として心血管疾患リス クの客観的評価に有用と考えられる。.

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