• 検索結果がありません。

透水性型枠を用いたコンクリートの物質移動抵抗性に関する一考察

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "透水性型枠を用いたコンクリートの物質移動抵抗性に関する一考察"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度). Ⅴ‑275. 透水性型枠を用いたコンクリートの物質移動抵抗性に関する一考察. 前田工繊株式会社 ○正会員 内田 明 岐阜工業株式会社. 中村敏夫. フジミ工研株式会社. 松井芳彦. 1.はじめに コンクリートは,十分な締め固めを行っても,型枠表面に生じる空気あばたを完全に消去することは不可 能である.特に,型枠に勾配があり空気が逃げにくい場合には,大きな空気あばたが生じる.この空気あば たは,意匠上好ましくないばかりか、その部分のコンクリートの品質が他と比べて劣ることから、耐久性上 の問題も想起される。さらにコンクリート表面を塗装する場合には、夏場にはあばた内の空気が膨張し塗装 の膨れの原因にもなっている.空気あばたの対策として,種々の方法が提案されているが,これと言った決 め手がない中,透水性シートを使った透水性型枠が唯一の解決手段として注目されている. 2.目的 あばたが発生せず,中性化が遅れるなどの透水性シート(以下クロスと称す)優位性はすでには実証され てはいるものの,近年、注目されつつある物質移動抵抗性と言う観点からのコンクリート表面の性能評価は, これからの課題となっている.本研究は,上述の点を鑑み,透水性型枠の優位性について,コンクリート表 面の物質移動抵抗性の観点に立って,定量的な評価を試みたものである. 3.方法 実験には,空気あばたが常時問題となっている,トンネル覆工コンクリートのアーチ下部に着目し、その 一部を模擬した写真-1 の型枠(高さ 1.0m,幅 1.5m および底版奥行き 0.68m)を使用した.アーチ下面で は型枠がふたのよう上部に被さることから,下から上昇する空気の逃げ場がなくなり,大きな空気あばたが 数多く形成される.使用したコンクリートの配合は表‐1 で、材料試験の結果は表‐2とおりとなっている. アーチを模擬した型枠は中央部で左右に 2 分して,片側にはクロスを貼り付け、残りの部分には,剥離剤 を塗布した(写真-2) .コンクリートは 3 層で打ち込み,締め固めを行った.1 層毎に予定した高さまでコン クリートを打ち込んだ後,棒状バイブレータを用いて締め固めを行った.棒状バイブレタータは,コンクリ ートの自由面に照りが出て,泡坊主が概ね消えるまで入念に使用した.型枠は翌日脱型して,材齢 7 日まで 湿布養生を行った. コンクリート表面の観察は,材齢 28 日を過ぎた時点で実施し,調査項目は,あばた率(径 5mm以上)と 透気係数で,透気係数の測定には,ダブルチャンバー式(トレント)の装置1)を使用した. 表-1. コンクリートの配合. W/C. S/a. Air. %. %. %. 43.0. 46.0. 4.5. W. 165. C. 383. 表-2 材料試験の結果 S. 824. G. add. 979 2.95. SL. Air. Tem. cm. %. ℃. 15.5. 5.5. 7日. 28 日. N/mm2 N/mm2. 26 47.1. 61. 4.結果・考察 脱型後の表面を写真-3 に示す.剥離剤のみの型枠部(写真右側)には,空気あばたが観察されたが,透水 キーワード 透水性型枠,空気あばた,トンネル,物質移動抵抗性,透気係数,トレント 連絡先. 〒103-0005 東京都中央区日本橋久松町 9-9 SCI 日本橋ビル 5F 前田工繊㈱. ‑549‑. TEL 03-3663-7897.

(2) 土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度). Ⅴ‑275. 写真-1 型枠を模擬した型枠. 写真-2 透水性シート. 写真-3 脱枠後の表面. 性型枠のそれには 5mmを超える空気あばたは皆無であった.あばた率の計測結果は表-3 に示したとおり で,剥離剤部(クロス無)では 1.6%程度となり,上のほうが大きくなる傾向を示したのに対し,透水性型 枠は 0%とその威力が遺憾なく発揮されていることがわかる. 一方,透気係数の測定結果は表-4 のごとくとなった.表中に側面鉛直部とあるのは,同じ試験体の側面鉛 直部(剥離剤塗布)について透気係数を計測した結果を表したものである.透気係数は型枠の上部で見ると, クロス無,側面鉛直部そしてクロスの順で小さくなっているが,型枠の中および下部については,クロス無 と側面鉛直部で大きな差は生じていない.これに対して,クロスの中および下部はその値が,0.015 と小さ くなっている.このことは,透水性型枠のクロスによって,物質移動抵抗性の高いコンクリートの層がコン クリート表面に形成されたことを示唆している.なお,上部に比べ中下部での値が小さくなっているのは, コンクリートの自重やコンクリートの上下方向の材料分離の影響も無視できないことを示している. 表-4 透気係数の測定結果 表-3 あばた率の計測結果 測定項. 測定. 目. 種類. あばた率. 部 位 各値 2.08. 中. 1.32. あばた. 下. 1.53. 率. 上. 0.00. 中. 0.00. 下. 0.00. クロス. 種類. (%). 上 クロス無. 測定. クロス. 平均. 無. 1.64 クロス 0.00. 側面 鉛直部. 部 位. 透気係数(×10-16m2). 平均 値. 上. 0.15. 1.4. 0.1. 0.55. 中. 0.045. 0.1. 0.057. 0.067. 下. 0.043. 0.079. 0.034. 0.052. 上. 0.076. 0.14. 0.11. 0.109. 中. 0.013. 0.031. 0.0078. 0.017. 下. 0.022. 0.012. 0.0091. 0.014. 上. 0.2. -. 0.19. 0.19. 中. 0.062. 0.081. 0.07. 0.071. 下. 0.031. 0.045. 0.072. 0.049. 5.まとめ 透水性型枠の優位性をコンクリート表面の透気係数を計測することで,定量的に評することが可能となっ た.透気係数のみに着目すると,コンクリートの自重と上下の品質差の影響もかなり強く出ていることも明 らかなった.このことは,コンクリート表面の物質移動抵抗性を高めるためには,透水性型枠だけではなく, コンクリートの配合設計についてもその重要性を再認識しなければならないことを示している. 今後は,中性化や塩分浸透性などの結果と透気性との関連を明らかにして,耐久性向上への透水性型枠の 有用性を明らかにしていくことが重要であると考えている. 本実験を行うにあたり㈱八洋コンサル高橋幸一氏の全面的な協力を得た.ここに感謝する次第である. 【参考文献】 1)かぶりコンクリートの透気性に関する竣工検査-スイスにおける指針-;半井ら;JCI Vol.49No.3.2011. ‑550‑.

(3)

参照

関連したドキュメント

 コンクリート用混和材としてのフライアッシュの利用 は,流動性の向上及び水和熱量の低減によるひび割れ抑 制など,利点が多い。2000

しかしながら,これまで行われているコンク リートの収縮ひび割れに関する実験データを整 理した既往の研究 1)2) によれば,現状では統一的

単位セメント量低減型自己充填コンクリー トを開発するにあたり,セメント量を減らし

1.はじめに

砕石骨材を用いて振動締固めた硬化コンクリート中の気泡相の特性に関する研究

研究背景・目的 コンクリート内は,さまざまな物質が空隙を経由し 移動することから,空隙の大きさや連結性がコンクリ

そこで、著者等はコンクリートの状態を簡易的に非

試験体は W/C45% ならびに 60% のコンクリートを作 製し、φ 100 × 200mm の円柱型枠に打設し上面をラッ プで封緘した。セメント種類は普通ポルトランドセメン ト( OPC ) 、高炉セメント B