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博士(工学)宮澤 学位論文題名

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Academic year: 2021

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     博士(工学)宮澤 学位論文題名

Synthesis of Benzolactones and Benzolactams by Aromatic IVIetallation : A New Entry to the         C

     Synthesis of Isoquinoline Alkaloids

( 芳 香族 メ タル 化 に よる べ ンゾ ラ ク トン及び べンゾラ クタムの 合成

: イソキノリンアルカ口イドの新規合成)

学位論文内容の要旨

  ベンゾ ラクト ンなら びにべ ンゾラ クタムは 有機化合物の重要な基本構造のーつである。こ れらを 基本骨 格とす る複素環 化合物 が天然 からも数多く得られている。また、種々の興味あ る生理 活性化 合物の 活性発現 の原因 となる 構造特徴を有しており、有機合成化学の研究テー マとし て、か ねてよ り合成の ターゲ ットと されてきた。有機化学工業においてもそれらの高 選 択 的 、 高 効 率 合 成 法 の 開 発 は 、 重 要 課 題 の ー っ と し て 期 待 さ れ て い る 。   本研究 は、ヘ テ口原 子によ り促進 される芳 香族メタル化によるカルボニル化反応を鍵反応 とする べンゾ ラクト ンならび にべン ゾラク タム類の新規高効率合成法の開発研究の成果をま とめた もので ある。 すなわち 、アル コキシ 置換基を有する種々の芳香族化合物を基質とし、

オルト ルチウ ム化な らびにオ ルトパ ラジウ ム化を経るカルボニル基の導入方法を検討し、そ の結果 を種々 の重要 な生理活 性を有 するイ ソキノリンアルカロイドの立体選択的ならびに位 置選択的合成に応用した。

  本 論 文 は4章 か ら 構 成 さ れ て い る 。 第1章 で は 、 本 研 究 の 目 的 及 び 意 義を 述 べ た 。   第2章で は、ア ルキル リチウ ム試薬 による オルトリ チウム 化なら びにハ口ゲン―リチウム 交換に より生 じたり チウム塩 のカル ボキシ ル化を経るべンゾラクトンならびにべンゾラクタ ム類の 合成法 につい て述べた 。申請 者は、 種々のアルコキシ置換基を有するべンジルアルコ ールの 、n―ブ チルリ チウム によるオ ルトリ チウム 化と二 酸化炭 素ガスによるカルボキシル 化を経 由する ラクト ン化反応 につい て検討 し、フタリドイソキノリンアルカ口イドの合成に 応用し た。ま た臭素 ーリチウ ム交換 につい ても詳細な検討を行い、この交換反応がテトラヒ ドロ フ ラ ン 中―78℃ で僅 か1分間の 処理で 完了す ること 、また 処理時 間の延 長はアリ ール アニオ ンの分 子内ヒ ドロキシ ル基水 素の捕 捉を誘起し副生成物の生成要因となることなどを 明らかとした。さらに、1‑(2.ーブ口モベンゾイル)イソキノリニウム塩の水素化ホウ素ナトリ ウムま たは水 素化ア ルミニウ ムリチ ウムに よる立体選択的な還元反応を見出し、得られたト レオ及 びェリ トロ― プ口モア ミノア ルコー ルを、n―ブチ ルリチ ウム、二酸化炭素ガス、そ して酸 で処理 するこ とにより 、フタ リドイ ソキノリンアルカ口イドを高収率で合成すること に成功した。

  さらに 、イソ キノリ ン骨格 の2位に エトキ シカルボ ニル基 を導入 した基質について同様の 臭素一 リチウ ム交換 を行い、 発生さ せたア リールアニオンの分子内カルポニル基への求核反 応に よるべル ピノン の生成 、次い で起こ るアル キルリ チウム 類のべン ズアミ ド共役 系への

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12− ,1,4→,1,6一付加 を見 出すとともに、それらの求核性と反応点の相関性にっき解析を行なっ た。

  3章 で は 、 パ ラ ジ ウ ム 触 媒 と 一 酸 化 炭 素 に よ る カ ル ポ ニ ル 化 を 経 由 す る べ ン ゾ ラ ク ト ン な ら び に べ ン ゾ ラ ク タ ム 類 の 合 成 法 に つ い て 述 べ た 。 従 来 、 パ ラ ジ ウ ム触 媒 に よ る 臭化 ア リ ー ル の カ ル ボ ニ ル 化 は 競 争 的 に 起 こ る 副 反 応 が 原 因 で 実 用 的 な フ タ リ ド類 の 合 成 法 とは さ れ て 来 な か っ た 。 申 請 者 は 、 第2章 で 用 い た ブ ロ モ ア ミ ノ ア ル コ ー ル を 、0.2当 量の 酢 酸 パ ラ ジ ウ ム ― ト リ フ 工 二 ル ホ ス フ ィ ン (12) を 用 い 、0価 パ ラ ジ ウ ム に よ る 触 媒 反 応 に よ り 、 炭 酸 カ リ ウ ム の 存 在 下 ト ル エ ン を 溶 媒 と し 加 熱 還 流 処 理 す る と 、1気 圧 の 一 酸 化 炭 素 雰 囲 気 下 で ラ ク ト ン 化 が 進 行 す る こ と 、 さ ら に ク 口 口 ト リ メ チ ル シ ラ ン の 添 加に よ り 反 応 の進 行 を 促 進 さ せ 、 飛 躍 的 に ラ ク ト ン の 収 率 を 向 上 で き る こ と も 見 い 出 し た 。 この 手 法 の 応 用に よ ル フタ リドイ ソキノ リンア ルカ 口イド の新規 高効率 合成 に成功 した。

  また 、種々 のア ルコキ シ置換 基を有 する1‑(2.―ブ 口モ ベンジ ル)−1,23,4一テトラヒドロイ ソ キ ノ リ ン を ラ ク タ ム 化 し 、 次 い で 水 素 化 ア ル ミ ニ ウ ム リ チ ウ ム に よ り還 元 す る こ とに よ っ て 、 各 種 プ 口 ト ベ ル ベ リ ン ア ル カ 口 イ ド を 合 成 す る こ と が で き 、 こ れ らの 方 法 が 、 従来 法 に 比 ベ 、 遥 か に 容 易 で 位 置 選 択 的 で あ る こ と を 明 ら か と し た 。 ま た 、 パ ラジ ウ ム 触 媒 によ る カ ル ポ ニ ル 化 反 応 に お け る 添 加 塩 基 の 効 果 に つ い て 検 討 し 、 炭 素 ― 水 素 結合 の バ ラ ジ ウム 触 媒 に よ る 直 接 活 性 化 法 を 開 発 し 、 ベ ン ゾ ラ ク タ ム 、 な ら び に べ ル ピ ノ ン 類の 新 規 合 成 に応 用 し た 。 さ ら に 、 量 論 量 の 酢 酸 バ ラ ジ ウ ム を 用 い る 反 応 の 選 択 性 と の 比 較 検 討 も 行 な っ た 。   4章 で は 、新 た に 見 い 出 され た イ ン ド 口[2,1a] イ ソ キ ノ ルン 骨格の 合成 法につ いて述 べ た 。 従 来 の 同 骨 格 の 合 成 に は べ ン ザ イ ン を 経 由 す る も の な ど が 報 告 さ れて い る が 、 今回 、 第 2章 で 用 い た エ リ ト ロ ― ブ 口 モ ア ミ ノ ア ル コ ール を 、 炭 酸 カリ ウ ム と と もに 、.V,N― ジ メ チ ル ホ ル ム ア ミ ド 中 加 熱 還 流 す る 簡 便 な 方 法 に よ り 高 効 率 合 成 に 成 功 し 、 様々 な 基 質 に つい て 検 討を 加え、 それに 基づい て反 応機構 を考察 した。

  以 上 の よ う に 著 者 は 、 芳 香 族 メ タ ル 化 を 経 る カ ル ボ キ シ ル 化 な ら びに カ ル ボ ニ ル化 に よ る べ ン ゾ ラ ク ト ン な ら び に べ ン ゾ ラ ク タ ム の 新 し い 合 成 法 を 開 発 し 、 イ ソキ ノ リ ン ア ルカ 口 イ ドの 合成に 応用し 、その 汎用 性につ いて有 効性を 明ら かにし た。

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学位論文審査め要旨 主 査 ′ 教 授

  

徳 田 昌 生 副 査

  

教 授

  

横 田 和 明 副 査

  

教 授

  

米 田 徳 彦 副 査

  

教 授

  

宮 浦 憲 夫 副査

  

助教授

  

折登一彦

学 位 論 文 題 名

Synthesis of Benzolactones and Benzolactams by Aromatic IVIetallation : A New Entry to the          C

      Synthesis of Isoquinoline Alkaloids

( 芳 香族 メ タル 化 に よる ベ ンゾ ラ ク トン及び べンゾラ クタムの合 成

    

: イソ キ ノ リン ア ル カロ イ ドの 新 規 合成 )

  ベン ゾラク トンな らびに べンゾラ クタム は有機化合物の重要な基本構造であるが、天然か らも これら を基本骨 格とす る複素 環化合 物が数多く得られている。またこれらは、種々の興 味あ る生理 活性化合 物の活 性発現 要因と なる構造特徴であり、有機合成化学上のターゲッ卜 とさ れてき た。有機 化学工 業にお いても その高選択的、高効率合成法の開発は、重要課題の ーつである。

  本論 文は、 ヘテ口 原子に より促進 される 芳香族メタル化によるカルボキシル化およびカル ボニ ル化反 応を鍵反 応とす るべン ゾラク トンならびにべンゾラクタム類の新規高効率合成法 の開発研究の成果をまとめたものである。すなわち、アルニユキシ置換基を有する種々の芳香 族化 合物を 基質とし 、オル トリチ ウム化 ならびにオルトパラジウム化を経るカルボニル基の 導入 方法を 検討し、 その結 果を種 々の重 要な生理活性を有するイソキノリンアルカロイドの 立体選択的ならびに位置選択的合成に応用した。

  本 論 文 は4章 か ら構 成 さ れ てい る 。 第1章 では 、 本論 文の目 的、意 義が記 されて いる。

  第2章 におい ては、 アルキ ルリチ ウム試薬 による オルト リチウ ム化あるいはハ口ゲンーリ チウ ム交換 により生 じたり チウム 塩のカ ルボキシル化を経るべンゾラクトンならびにべンゾ ラク タム類 の合成法 につい て記さ れてい る。著者は、種々のアルコキシ置換基を有するべン ジル アルコ ールの、 オルト リチウ ム化あ るいは臭素一リチウム交換反応、さらに二酸化炭素 ガス による カルボキ シル化 を検討 し、簡 便なラクトン化反応を開発し、フタリドイソキノリ ンアルカロイドの合成に応用した。さらに、1−(2.−ブ口モベンゾイル)イソキノリニウム塩 の水 素化ホ ウ素ナト リウム または 水素化 アルミニウムリチウムによる立体選択的な還元反応 を見 出し、 得られた トレオ 及びェ リト口 ―ブ口モアミノアルコールを基質とするラクトン化 に よ り 、 フ タ リ ド イ ソ キ ノ リ ン ア ル カ 口 イ ド の 高 効 率 合 成 に 成 功 し た 。

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  さ らに 、イ ソ キノ リン 骨格の2位にエトキシカルボ ニル基を導入した基質の臭 素一リチウ ム交換により発生するア リールアニオンの分子内カル ボニル基への求核反応を検 討し、ベル ピノン合成に応用した。 また、生じたべルビノンベン ゾラクタム共役系へのアル キルリチウ ム類の1,2―,1,4−,1,6一付加反応を新たに見出し、それらの求核性と反応点の相関性を明ら かにした。

  3章 にお いて は、 パ ラジウム触媒と一酸化炭素に よるカルポニル化を経由す るべンゾラ クトンならびにべンゾラ クタム類の合成法について記 されている。パラジウム触 媒を用いた 臭化アリールのカルボニ ル化反応については、種々の 副反応が報告されており、 この方法に よる フタ ルド 合 成の 例は 少な い。 著 者は 、第2章で 用いたブ口モアミノアルコー ルを、O価 のパラジウム触媒により 、炭酸カリウムの存在下トル エンを溶媒とし加熱還流処 理すると、

1気圧 の 一酸 化炭 素雰 囲 気下でラクトン化が進行する こと、さらにク口口トリメ チルシラン の添加により反応の進行 を促進させ、飛躍的にラク卜 ンの収率を向上できること を見い出し た。この手法の応用によ ルフタリドイソキノリンアルカ口イドの新規高効率合成に成功した。

  また、パラジウムを触媒とするカルボニリレ化反応における添iロ塩基の効果について検討し、

ベンゾラクタム、ならび にべルピノン類の新規合成に 応用した。すなわち、種々 のアルコキ シ置換基を有する1−(2|−プロモベンジル)‑1,2,3,4―テトラヒド口イソキノリンをラクタム化 し、次いで水素化アルミ ニウムリチウムにより還元す ることによって、各種ブ口 トベルベリ ンアルカ口イドを合成し 、これらの方法が、従来法に 比ベ、はるかに容易で位置 選択的であ ることを明らかとした。

  4章 にお いて は、 新 たに見い出されたインド口[2,l‑aイソキノリン骨格の 合成法につ いて記されている。従来 の同骨格の合成にはべンザイ ンを経由するものなどが報 告されてい る が 、 第2章 で 用 い た エ リ ト 口 ー プ口 モア ミ ノア ルコ ール を、 炭 酸カ リウ ムと とも にMN

−ジメチルホルムアミド 中加熱還流する簡便な方法に より高効率合成に成功し、 様々な基質 について検討を加え、それに基づいて反応機構を明らかとしたっ

  これを要するに著者は 、芳香族メタル化を経るカル ボキシル化ならびにカルボ ニル化によ るべンゾラクトンならび にべンゾラクタムの新しい合 成法を開発し、イソキノリ ンアルカ口 イドの合成に応用し、そ の有効性を明らかにするなど 優れた新知見を得ており、 有機合成化 学の進歩に貢献するところ大なるものがある。

  よ っ て 著者 は、 北海 道大 学 博士 (工 学) の 学位 を授 与さ れる 資 格あ るも のと 認め る 。

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