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博 士 ( 医 学 ) 奥 芝 知 郎 学 位 論 文 題 名

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博 士 ( 医 学 ) 奥 芝 知 郎

学 位 論 文 題 名

慢 性 膵 炎 に 対 す る 膵 腸 吻 合 の 意 義 に 関す る 実 験 的検 討

― 特 に 残 存 膵 内 分 泌 機 能 お よ び 組 織 学 的 変 化 に つ い て ―

学 位 論 文内 容 の 要 旨

I. 目 的

  慢 性 膵 炎 は 膵 実 質 の 破 壊 と 消 失 を 伴 う 進 行 性 の 問 質 結 合 組 織 増 生 と 、 そ の 結 果 惹 起 さ れ る 膵 機 能 の 荒 廃 を 特 徴 と す る 難 治 性 疾 患 で あ る 。 慢 性 膵 炎 の 病 因 と し て は1878年 にFriedreichが ア ル コ ― ル 多 飲 者 に み ら れ た 膵 の 病 変 を 報 告 し て 以 来 、 多 く の 記 載 が あ る が 、 現 在 で は ア ル コ ― ル 性 、 胆 道 原 性 、 特 発 性 に 大 別 さ れ て い る 。 そ れ ら の 発 生 機 序 と し て は 種 々 の 膵 障 害 因 子 が 考 え ら れ て お り 、 な か で も 膵 管 の 狭 窄 、 閉 塞 に よ る 膵 液 の 鬱 滞 が 膵 実 質 の 破 壊 ・ 消 失 、 高 度 の 線 維 化 の 進 行 を 助 長 す る と す る 膵 管 性 機 序 が 重 要 視 さ れ て い る 。 外 科 的 臨 床 の 場 で は 疼 痛 が 激 し く 内 科 的 治 療 が 奏 功 し な ぃ も の 、 膵 管 内 に 存 在 す る 膵 石 に よ り 膵 液 の 機 能 的 流 出 障 害 が 高 度 に 認 め ら れ る も の 、 膵 癌 疑 診 例 な ど に 対 し 一 定 量 の 膵 を 切 除 せ ざ る を 得 な ぃ こ と が 多 く 、 そ の 後 に 予 想 さ れ る 膵 内 外 分 泌 機 能 の 低 下 は 患 者 の 日 常 生 活 に 多 大 な 影 響 を 与 え か ね な ぃ 。 そ こ で 本 研 究 で は 慢 性 膵 炎 モ デ ル 犬 を 作 製 し た の ち 、 一 定 期 間 後 に 膵 切 除 を 加 え 、 こ れ に 膵 腸 吻 合 を 行 う 実 験 モ デ ル を 製 作 し 、 膵 腸 吻 合 が 膵 内 分 泌 機 能 の 維 持 ・ 改 善 に 有 用 で あ る か 否 か を 検 討 し た 。

II.方法

  実 験 方 法 と し て は 、 雑 種 成 犬 を 用 い て 、pentobarbital sodium静 脈 麻 酔 下 に て 気 管 内 調 節 呼 吸 と し 、 開 腹 下 に 十 二 指 腸 と 膵 実 質 の 問 で 主 膵 管 を 露 出 し て 結 紮 切 離 す る 不 完 全 閉 塞 法 に よ る 慢 性 膵 炎 モ デ ル 犬 を 作 製 し た 。 初 回 手 術8週 後 に 再 開 腹 し 、 膵 の 左 右 両 葉 と も 硬 化 性 変 化 の あ る も の を 選 び 、 全 膵 の50:1;切 除の み施 行 し た 群 を 切 除 群 と し 、50$膵 切 除 と 同 時 に 膵 腸 吻 合 を 加 え た 群 を 再 建 群 と し た 。 両 群 と も 初 回 手 術24週 後 に 犠 牲 死 さ せ た 。 内 分 泌 機 能 検 索 と し て 経 静 脈 的 糖 負 荷 試 験 (intravenous glucose tolerance test) を 術 前 お よ び 術 後4週毎 に行 い、 血 糖 値並 びに 血清 .lmmunoreactive insulin(IRI・)を 測定 し以 下の 項目を検討した。

1. 血 糖 値 の 半 対 数 よ り 一 次 回 帰 曲 線 を 求め 、半 減期 を算 出し 、血 糖滅 少率 (K値 )

(2)

を 算 出 し た。

2. ブ ド ウ 糖 の 負 荷 後10分 値 のIRIの 増 加 量 を 血 糖 増 加 量 で 除 し 、Insulinogenic エndex(I.I. ) を 算出 し た 。

3.in sulin分 泌 能 の 指 標 と し て プ ド ウ 糖 負 荷 後60分 間 の 増 加 し たIRIの 総 面 積 EIRIを算 出 し 、血 糖 値 の増 加 面 積で 除 しTotal insulinogenic Index(T.I.I.)

を 算 出 し た。

4. 形 態 学 的 検 討 と し て は 主 膵 管 結 紮 切 離8週 後 の 切除 膵 お よび 剖 検 時の 残 存 膵よ り 検 体 を 採取 し 、hematoxylin―eosln(H.E.) 染色、PAP法に よるinsulin染色を 行 い 組 織 学 的変 化 を 観察 し 、 さら に 以 下の 項 目 を検 討 し た。

( 1) 膵 島 の 長 径 を 計 測 し 、 30pご と に 膵 島 の 大 き さ を 分 類 し た 。

( 2) ラ 氏 島 の 構 成 細 胞 数 を 算 出 し 、B細 胞 の 占 め る 割 合 を 百 分 率 で 表 し た 。

(3) コ ンピ ュ ー タ一 画 像 解析 シ ス テム を 用 いて 膵実質 との濃淡 差を二 値化処理 し、

膵 実 質 面 積率 お よ びinsulin染色 面 積 率を 算 出 した 。 m.結果

1. 主膵 管 結 紮8週 後 で はK値 が 術前 に 比 べ有 意 に 低下 し た 慢性 膵 炎 モ デル 犬 とな り、

24週後 の 剖 検 時で は 再 建群 は 切 除群 に 比 ベ有 意 に 回復 し た 。

2. 主 膵 管 結 紮8週 後 で はI.I. が術 前 に 比べ 低 下 傾 向を 示 し たが 、 有 意差 は 認 めな か っ た。24週 後で は 再 建群 は 切 除群 に 比 べ有 意 に 回復 し た 。

3.T.I.I.は 主 膵 管結 紮8週後 で 低 下し た が 、24週 後で は 両 群 間に 有 意 差は 認めな か っ た 。EIRIに 関 し て は24週 後 に お ぃ て 再 建 群 か 切 除 群 に 対 し 有 意 に 高 値 を 示 し た 。

4. 主 膵 管 結 紮8週 後 に お けるH.E. 染 色 では 小 葉 問 膵管 を 中 心に 線 維 の増 殖 と 脂肪 置 換 、 炎 症 性 細 胞 浸 潤 を 伴 っ た 膵 実 質 の 脱 落 を 認 め た が 、 小 葉 構 造 は 比 較 的 保 た れ て い た 。PAP法 に よ る ラ 氏 島 のB細 胞 の 染 色 性 も 保 た れ て い た 。 切 除 群24週 後 で は さ ら に 線 維 の 増 殖 が 高 度 と な り 、 小 葉 構 造 の 破 壊 を 認 め た 。PAP法 に よ るB細胞 の 染 色 性 は 低 下 し て い た 。 再 建 群24週 後 で は 切 除 群 に 比 べ 線 維 化 の 進 行 お よ ぴ 炎 症 性 細 胞 浸 潤 は 抑 制 さ れ 、 小葉 構 造 もPAP法に よ るB細胞 の 染 色性 も 保 たれ て い た。

(1)膵 島 の 最 大径 の ピ ーク は 術 前、8週 後、 再 建 群24週後 とも.に90〜120pの範 囲に あ っ たが 、 切 除 群24週 後で は6090pと 小 型 化し た 。

(2) ラ 氏 島 の 構 成 細 胞 数 に お け るB細 胞 の 割 合 は8週 後で 術 前 に比 べ 有 意に 減 少 し た 。 また 再 建 群24週 後 では 切 除 群に 比 べ 有意 に 増 加し た 。

(3)膵 実 質 面 積率 は8週後 で 術 前に 比 ベ 有意 に 減 少し た 。 切除 群24週後 で は8週後 、 再 建 群24週 後 に 比 べ 有 意 に 減 少 し た が 再 建 群24週 後 で は8週 後 と 有 意 差 は な か っ た 。 insulin染 色 面 積 率 で は 両 群 問 に 有 意 差 は 認 め な か っ た 。

65 ‑

(3)

W. 考察

  主 膵 管 結紮 ( 不 完全 閉 塞 法) に よ ′る 慢 性 膵炎 モ デル犬 を用い、 主膵管 結紮8週後 に50:1;膵 切 除 お よ び 膵 腸 吻 合 を加 え 、 残 存膵 の 内 分泌 機 能 と組 織 学 的変 化 を 経時 的 に 検 討 し た 。 慢 性 膵 炎 で は 膵 実 質 細 胞 が 破 壊 消 失 さ れて 、 膵 管の 変 化 と膵 線 維 化 が 進 行 す る が 、 膵 の 組 織 学 的 変 化 に 基 づ ぃ て 複 雑 な 臨床 病 態 が観 察 さ れる 。 そ の た め 成 立 の 過 程 や 経 時 的 変 化 な ど を 考 慮 し て 研 究 目 的に 一 致 した 疾 患 モデ ル の 選 択 が 重 要 で あ る 。 本 研 究 は 線 維 化 を 進 展 す る 要 因 が 膵液 鬱 滞 によ る 膵 管性 機 序 で あ る と 考 え 、 主 膵 管 の み を 結 紮 不 完 全 閉 塞 法 に よ ル モデ ル を 作製 し た 。そ の 結 果、主 膵管結紮8週 後↓こK値が有意に低下し、またEIRI,I.I.,T.I.I.が低下傾向 を 示 し 、 組 織 学 的 に も ヒ 卜 慢 性 膵 炎 に 類 似 し た 軽 度 な ぃし 中 等 度慢 性 膵 炎モ デ ル と な っ た 。 さ ら に 一 定 量 の 膵 を 切 除 せ ざ る を 得 な ぃ 外 科臨 床 の 場を 想 定 し、50篤 膵 切 除 を 加 え 、 残 存 膵 の 内 分 泌 機 能 を 経 時 的 に 検 討 し た と こ ろ 、K値 、I.I. , EIRIに お ぃ て 膵 腸 吻 合 を 行 わ な か っ た 切 除 群 に 比 べ 、 再 建 群 が 有 意 に 回 復 傾 向 を 示 し た 。 組 織 学 的 変 化 で は50$膵 切 除 を 加 え た 切 除 群 で は 著 明 な 腺 房 細 胞 の 脱 落 、 小 葉 構 造 の 破 壊 、 問 質 の 出 血 、 炎 症 細 胞 浸 潤 を 認 めた の に 対し 、 再 建群 で は 線 維 化 の 程 度 は 主 膵 管 結 紮8週 後 と ほ ぼ 同 様 で 、 小 葉 構 造 も 保 た れ 、 炎 症 細 胞 浸 潤 も ご く 軽 度 で あ っ た 。 数 量 的 検 討 と し て の 膵 の 線 維 化率 は 再 建群 が 切 除群 に 比 べ 有 意 に 減 少 し 、 さ ら に ラ 氏 島 構 成 細 胞 に 対 す るB細 胞 の 割 合 が 増 加 し た 。 こ れ ら の 結 果 よ り 、 軽 度 、 中 等 度 慢 性 膵 炎 で は50$膵 切 除 を 加 え て も 膵 腸 吻 合 に よ り 膵 内 分 泌 機 能 お よ び 膵 組 織 の 荒 廃 を 抑 制 で き る こ と が 確認 さ れ た。 手 術 にあ た っ て 、 膵 腸 吻 合 を 伴 う 手 術 を 線 維 化 が 軽 度 な 時 期 、 す な わち 早 期 の慢 性 膵 炎に 行 う こ と が 推 賞 さ れ 、 ま た 膵 切 除 に 際 し て はB細 胞 の 絶 対 数 を 減 少 さ せ な ぃ た め に 、 502;以 下 の 小 範 囲 切 除 に と ど め れ ぱ 膵 機 能 の 荒 廃 を防 ぎ 、 また 改 善 が期 待 し 得る ものと 考察され た。

V.結語

  主 膵 管 結紮 ( 不 完全 閉塞法 )によ る慢性膵 炎犬を 用い、主 膵管結紮8週 後に50:I;膵 切 除 お よ び 膵 賜 吻 合 術 を 加 え 、 残 存 膵 の 内 分 泌 機 能と 組 織 学的 変 化 を経 時 的 に検 討 し た 。 そ の 結 果 、 軽 度 、 中 等 腰 慢 性 膵 炎 で は50錨 膵 切 除を 加 え ても 膵 腸 吻合 に

(4)

学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

慢性 膵炎に対 する膵 腸吻合の意義に関する実験的検討

― 特 に 残 存 膵 内 分 泌 機 能 お よ び 組 織 学 的 変 化 に つ い て ー

  慢 性 膵 炎 は 膵 実 質 の 破 壊 と 消 失 を 伴 う 進 行 性 の 問 質 結 合 組 織 増 生 と 、 そ の 結 果 惹 起 さ れ る 膵 機 能 の 荒 廃 を 特 徴 と す る 難 治 性 疾 患 で あ る 。 慢 性 膵 炎 の 発 生 機 序 と し て は 種 々 の 膵 障 害 因 子 が 考 え ら れ て お り 、 な か で も 膵 管 の 狭 窄 、 閉 塞 に よ る 膵 液 の 欝 滞 が 膵 実 質 の 破 壊 ・ 消 失 、 高 度 の 線 維 化 の 進 行 を 助 長 す る と す る 膵 管 性 機 序 が 重 要 視 さ れ て い る 。 外 科 的 臨 床 の 場 で は 疼 痛 が 激 し く 内 科 的 治 療 が 奏 功 し な い も の 、 膵 管 内 に 存 在 す る 膵 石 に よ り 膵 液 の 機 能 的 流 出 障 害 が 高 度 に 認 め ら れ る も の 、 膵 癌 疑 診 例 な ど に 対 し 一 定 量 の 膵 を 切 除 せ ざ る を 得 な ぃ こ と が 多 く 、 そ の 後 に 予 想 さ れ る 膵 内 外 分 泌 機 能 の 低 下 は 患 者 の 日 常 生 活 に 多 大 な 影 響 を 与 え か ね な ぃ 。 そ こ で 本 研 究 で は 慢 性 膵 炎 モ デ ル 犬 を 作 製 し た の ち 、 一 定 期 間 後 に 膵 切 除 を 加 え 、 こ れ に 膵 腸 吻 合 を 行 う 実 験 モ デ ル を 製 作 し 、 膵 腸 吻 合 が 膵 内 分 泌 機 能 の 維 持 ・ 改 善 に 有 用 で あ る か 否 か を 検 討 し た 。

  実 験 方 法 と し て は 、 雑 種 成 犬 を 用 い て 開 腹 下 に 主 膵 管 の み を 結 紮 切 離 す る 不 完 全 閉 塞 法 に よ る 慢 性 膵 炎 モ デ ル 犬 を 作 製 し た 。 初 回 手 術8週 後 に 再 開 腹 し 、 全 膵 の50% 切 除 の み 施 行 し た 群 を 切 除 群 と し 、50% 膵 切 除 と 同 時 に 膵 腸 吻 合 を 加 え た 群 を 再 建 群 と し た 。 両 群 と も 初 回 手 術 24週 後 に 犠 牲 死 さ せ た 。   内 分 泌 機 能 検 索 と し て 経 静 脈 的 糖 負 荷 試 験 を 術 前 お よ ぴ 術 後4週 毎 に 行 い 、 血 糖 値 並 ぴ に 血 清I RIを 測 定 し 、 さ ら に 切 除 膵 お よ ぴ 残 存 膵 の 組 織 学 的 変 化 も 検 討 し た 。 そ の 結 果 、 主 膵 管 結 紮8週 後 で はK値 が 術 前 に 比 ベ 有 意 に 低 下 し た 慢 性 膵 炎 モ デ ル犬 とな り、24週 後の 剖検 時で は再 建群 は切 除群 に比 ベ 有意 に回 復、 した 。 I.I. は 主 膵 管 結 紮8週 後 で 術 前 に 比 ベ 低 下 傾 向 を 示 し た が 、 有 意 差 は 認 め な か っ た 。24週 後 で は 再 建 群 は 切 除 群 に 比 ベ 有 意 に 回 復 し た 。T.I.I. は 主 膵 管 結 紮8週 後 で 低 下 し た が 、24週 後 で は 両 群 間 に 有 意 差 は 認 め な か っ た 。EIRIに 関 し て は24週 後 に お い て 再 建 群 が 切 除 群 に 対 し 有 意 に 高 値 を 示 し た 。 組 織 学 的 検 討 で は 主 膵 管 結 紮8週 後 に お け るH.E.染 色 で は 小 葉 聞 膵 管 を 中 心 に 線 維 の 増 殖

67 ‑

厚 秀

和 慶

藤 部

加 阿

授 授

教 教

査 査

主 副

(5)

と脂肪置換、炎症性細胞浸潤を伴った膵実質の脱落を認めたが、小葉構造は比較 的保たれ、PAP 法によるラ氏島の B 細胞の染色性も保たれていた。切除群24 週 後ではさらに線維の増殖が高度と′なり、小葉構造の破壊を認めた。PAP 法によ るB 細胞の染色性は低下していた。再建群24 週後では切除群に比ペ線維化の進行 および炎症性細胞浸潤は抑制され、小葉構造も PAP 法によるB 細胞の染色性も 保たれていた。数量的検討では膵島の最大径のピークは術前、8 週後、再建群24 週後ともに 90 〜120p の範囲にあったが、切除群24 週後では60 〜90 ロと小型化し た。 Insulin 染色標本により算出したラ氏島の構成細胞数におけるB 細胞の割合 は8 週後で術前に比ベ有意に減少した。また再建群 24 週後では切除群に比ペ有意 に増加した。膵実質面積率に関しては8 週後で術前に比ベ有意に減少した。切除 群24 週後では8 週後、再建群24 週後に比ベ有意に減少したが再建群24 週後では8 週後と有意差はなかった。Insulin 染色面積率では両群間に有意差は認めなかっ た 。 また 、 膵 実質 率 、ラ 氏 島の B 細胞 占 拠率 、 IRI 総面積 を示す Z △ IRI の 関係を検討するといずれも有意な相関を示し、これらの結果より膵実質率が低下 するほど、ラ氏島のB 細胞の占拠率が低下するほど膵内分泌機能が高度に障害さ れることが推測され、手術にあたって、膵腸吻合を伴う手術を膵線維化が軽度な 時期、すなわち早期の慢性膵炎に行うことが推賞され、また膵切除に際してはB 細胞の絶対数を減少させなぃために、50 %以下の小範囲切除にとどめれぱ膵機能 の 荒 廃 を 防 ぎ 、 ま た 改 善 が 期 待 し 得 る も の と 考 察 さ れ た 。    口頭発表において安田慶秀教授より急性膵炎と慢性膵炎との関係、臨床例のア ルコール性慢性膵炎と本モデルとの類似点、臨床例と本モデルの手術時期につ1 、 て、阿部和厚教授より単純切除したときのラ氏島の大きさについて、B 細胞の比 率が減少しているのはB 細胞の機能が低下したためかという組織学的変化を中心 に、劔物修教授より本実験のモデルはoriginal なのかどうか、膵両葉の硬化性 変 化の比率に ついて、 sham 群 について、本間研一教授よりI.I .と Z △IRI の 関係について、 E △IRI において切除群と再建群で有意差が出たのは peak が高 いためかそれとも遷延したためか質問があったが、申請者はおおむね妥当な回答 をした。また、安田慶秀、阿部和厚両教授には個別に審査をいただき、合格と判 定された。

   慢性膵炎に対する膵腸吻合の意義を膵切除を加えたモデルを作製し、残存膵内

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