糖尿病ってどんな病気?
インスリンの働きと糖尿病
私たちが食事をすると、糖質は分解されブドウ糖となり、血液中に入って全身に送られます。 そしてすい臓から分泌されるインスリンの働きで、ブドウ糖は細胞内に吸収され、私たちの活動に必要なエ ネルギーとなります。エネルギーとして使われなかったブドウ糖も、やはりインスリンの働きで脂肪細胞の 中に蓄えられます。 ところが何らかの原因でインスリンの分泌量が少なかったり、働きがよくなかったりすると、ブドウ糖が細 胞内に上手く吸収されず、血液中にあふれ出てしまいます。こうした状態が続くと、血液中のブドウ糖の量 (血糖値)が慢性的に増え、からだのさまざまな部分に悪影響が出てきます。これが糖尿病という病気で す。糖尿病の主な種類
糖尿病は大きく分けて、1 型糖尿病と2 型糖尿病があります。1型糖尿病
インスリンを作るすい臓の細胞が何らかの原因で壊されることで、インスリンが作られなくなり、糖尿病に なります。子どもや若年者に多く見られます。2型糖尿病
インスリンの分泌が少なくなったり、働きが悪くなるために起こります。おもに中高年以降に見られますが、 若年者の発症も増加しています。日本の糖尿病患者さんの約90%が2型糖尿病
とされています。 日本人は遺伝的にインスリン分泌が弱い人が多いと言われています。遺伝的な体質に過食(特に高脂肪食)、 運動不足、肥満、ストレスなどの生活習慣や加齢といった要因が加わり、発症するとされています。このた め、肥満がなくても、内臓脂肪が増える「メタボリックシンドローム」と呼ばれる状態になると発症しやす くなります。 食育推進キャラクター ちゃこさん かのやの食
べて育
む知恵袋
2017.11
あなたの血糖値大丈夫ですか?
年々、健康診断や人間ドックで血糖値やヘモグロビンA1
cの
数値が少しずつ悪化していませんか?
糖尿病がどんな病気か知り、日常生活を見直し糖尿病を
予防しましょう。
特定の原因によるその他の糖尿病 遺伝子の異常によるもの、ほかの病気や薬剤に伴って起こるものがあります。 妊娠糖尿病 妊娠中に初めて発見した又は発症した糖尿病に至っていない糖代謝異常のことを言います。 妊娠中はわずかな高血糖でも胎児に影響を与えるため、糖尿病ではなくとも
「妊娠糖尿病」
と呼びます。 妊娠中に胎盤が作るホルモンがインスリンの働きを抑える作用があるため、十分なインスリンが作られな い場合に血糖が上昇します。肥満、高齢出産、家族に2型糖尿病患者がいる、過去の妊娠で高血糖を指摘さ れた場合に起こりやすいとされています。症状
血糖値の高い状態が続くと、次のような症状があらわれます。しかし、軽症の糖尿病の場合、自覚症状がみ られないことが多く、発見が遅れることがあります。代表的な自覚症状
★尿の量が多くなる。(多尿) 糖は尿に出るとき、同時に水分も一緒に出すために尿の量が多くなります。 ★喉が渇いて、水分をたくさん飲む。(口渇、多飲) 多尿のため脱水症状になり、喉が渇き、水分をたくさん飲みたくなります。 ★体重が減る。 糖が尿に出るために、体のたんぱく質や脂肪をエネルギー源にするためです。 ★疲れやすくなる。 エネルギー不足と体重減少により疲れを感じやすくなります。ぐんぐん増える糖尿病・糖尿病予備軍
2012 年の国民健康・栄養調査では糖尿病の患者数は950万人、 糖尿病の予備軍推計人数まで含めると 2050 万人とされており、 成人の 5 人に 1 人は糖尿病又はその予備軍だと言うことになります。鹿屋市の糖尿病の状況
糖尿病該当者は国や県などに比べ、鹿屋市はわずかながら高い割合となっています。 鹿屋市の平成26年度生活習慣病別総医療医費の中でも高血圧に続き、糖尿病が大きな割合を占めていま す。糖尿病予備軍・糖尿病の境界型ってなに?
糖尿病予備軍と呼ばれるのはどんな時でしょうか? 2型糖尿病の場合、ある日突然、血糖値が高くなるのではありません。 多くの場合、ゆっくり、何年もかかって血糖値が高くなり、糖尿病に至ります。 まだ糖尿病と診断されるほど高くないけれど、正常より血糖値が高くなってきた状態を「糖尿病の境界型」 や、「糖尿病予備軍」と言ったりします。 血糖値の高さを確認する代表的な検査としては、空腹時血糖値・75g経口ブドウ糖負荷試験(75g OGGT)・ヘモグロビンA1cの3つがあります。 血糖値の正常値(空腹時・食後・ヘモグロビンA1c)の一覧表 空腹時血糖値 食後血糖値 ヘモグロビンA1c (NGSP 値) 正常値 100mg/dL 未満 140mg/dL 未満 6.2%未満 正常高値 110mg/dL 未満 境界型糖尿病 110~126mg/dL 未満 140~200mg/dL 未満 6.5%未満 糖尿病 126mg/dL 以上 200mg/dL 以上 6.5%以上血糖値が境界型の方は、正常型の6~20 倍も多く糖尿病を発症すると言われており、
将来糖尿病を発症する確率が高い状態です。
糖尿病予備軍は症状がないから、からだは何ともないの?
糖尿病予備軍と言われた事がある方のなかには、 「まだ糖尿病になったわけじゃないから、今は食生活を改善したり、運動したりする必要はない」 と思っている人がいるかもしれません。 糖尿病予備軍の段階ではなんの症状もないので、そう考えるのも無理はないです。 しかし糖尿病の境界型になると、からだの中では、すでに変化が起こり始めています。 例えば、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが出にくくなったり、効きづらくなったりする変化 は、糖尿病と診断されるずっと前の段階からあると言われています。予備軍と言われる状態から糖尿病にな るにつれて、インスリンの働きは徐々に弱まっていきます。 また、血糖値が高い状態が続くことで全身の血管にダメージを与えます。そのため、血管の老化である動 脈硬化は、予備軍の段階から生じており、心臓や脳血管の病気になりやすくなります。75gOGTT の2時 間値が高くなるタイプの境界型の方は正常型から比較すると、2.2 倍も心血管病による死亡が多いとも言 われています。さらに、糖尿病予備軍は名前の通り糖尿病に進行しやすい状態であり、ひとたび糖尿病を発症し、それが進 行すると、神経症、網膜症、腎症などさまざまな合併症を引き起こします。 糖尿病の方の場合、糖尿病が無い方と比べて心臓や血管の病気の発症率が 3.5 倍も上昇する研究もありま す。糖尿病の方は心筋梗塞や脳梗塞の発症率もぐんと上がってしまうのです。 境界型の方にとって、糖尿病を発症しないことが大血管合併症を予防する一番の方法です。
2 型糖尿病の発症リスクを高める要因は?
糖尿病の発症リスクを高める要因は大きく分けて二つあります。 ひとつは、遺伝的素因であり、お父さん、お母さんから引き継いだ遺伝子による性質で、血糖値を下げるた めのホルモンである“インスリン”が遺伝的に分泌しにくい方がいます。【インスリン分泌不全】 もう一つは、環境因子で、肥満や食べ過ぎ、運動不足などがこれにあたります。こうした生活習慣は、イン スリンが十分に効果を発揮するのを防ぎます。【インスリン抵抗性】 また、遺伝的な要因でもインスリン抵抗性が起こることもあり、環境の要因でも、インスリン分泌不足にな ることもあります。 遺伝的な素因は持って生まれたものですから、残念ながら変えることはできません。 しかし環境因子はご自分のちょっとした心がけで変えることができます。 2 型糖尿病の発症リスクを高める要因としては、日本人の 40~59 歳の男女を 10 年間追跡した調査によ り、以下のことがわかりました。年齢:
1 歳年をとる
ごとに男性・女性ともに2%上昇
肥満指数:
BMIが1kg/㎡増える
ごとに、男性・女性ともに17%上昇
糖尿病の家族歴
:
家族歴がある
と、男性で
2.0 倍、女性で
2.7 倍
高血圧:
高血圧がある
と、男性で
1.3 倍、女性で
1.8 倍上昇
喫煙
:
1 日 20 本以上吸う方
と吸わない方と比べて、男性で
1.4 倍、女性で
3.0 倍上昇
飲酒:
1 日1合以上呑む方
は、飲まない方と比べて男性で
1.3 倍上昇
睡眠時間や夜間のシフト制勤務、精神的ストレスやうつ病も糖尿病と関連していると言われます。正 常
境 界 型
糖 尿 病
心筋梗塞 脳梗塞 動脈硬化は 境界型の時から始まるでは、2 型糖尿病の発症を予防するにはどうすればよいのでしょうか?