曩鮭
’
詐療i
去ノ}t’
第25巻 第 7 レ丿』
443−・
449頁 (1998イ1
こ)報 皆
変 形 性 股
関
節 症 患 者
に
お
け
る
退 院
後
ホ
ーム
プ
ロ
グ
ラ
ム
の
継
続
に
影響
す
る
要 因
*対 馬 栄
pa
i)尾
田
敦
1)森 永 伊
昭
2) 要 鬣本 稿の 目的は術 後の変 形 性 股 関 節 症 患
者
に お け る退院後
ホー
ムプロ グラ ム の継 続に影 響 す る要 因 を 見 出 すこ とである。 変 形 性 股関節 症 患者 30 名 (
男 性2 名,
女性 28 名
)を対 象と し て,指導
し た ホー
ム プロ グ ラム の継 続状況,
股 関 節 機 能と 主観 的な股 関 節 機 能の改 善 度 など を 電 話 調 査 法,
又は面 接 調 査 法にて調 査 した, 対 象 者は全 体 的にホー
ム プロ グ ラムを 継 続 し てい ない 傾 向にあっ た。 ホー
ムプロ グ ラム の う ち,
筋 力 訓 練に影 響 する要 因 を多 重ロ ジス テ ィッ ク 回帰 分 析に て分 析 した 結 果,
跛 行 を 意 識 する者ほ ど筋 力訓練
を継続
し てい ること が わ かっ た。
また, 跛 行 を 意識する者に は骨
切 り術を施行
さ れ た若年
者が多
く,
行 動 範 囲が広 く, 主観
的 な歩 行 状 態が悪 化し てい る という特徴
が あっ た。
キー
ワー
ド 変 形 性股関 節 症,
ホー
ム プロ グラム,
筋 力 訓 練 は じ め に凵常生活で患
者
が自
主 的に 運動 療 法な どの理学 療 法 を継 続 する こ と は,
機 能の活 用, 日常生活の 援 助, 二次 的 障 害予防とい っ た 目的 を 果たす。 現 在の とこ ろ定 義は確
定してい ない が, これ は一
一
般 にホー
ムプロ グ ラム と呼 称さ れてい る1)。 本 稿で は 運動 療 法に加 えて生 活 様 式の指 導 まで包 括し た 概 念 をホー
ムプロ グラム と して取 り扱 うことにす*
Facters Affecting C〔>lltinllllti〔〕11〔)f Ilome Programs b}
・
Pusしopcra1ive Patients w 王tl]Osteoarthriしic Hil〕s
D
弘前た 学 医療 技 術 短 期 大学 部(〒036 8564
.
肖二森 聖疑氈{、自青[
i
了Ai
田丁66 1)Eiki TsLtshinユa
.
RPT,
BHSci,
A亡sushi (,da.
RPT,
BHSci:Schoel of AILied Mし
・
dical Scicnccs,
Hirosak[U1〕iversity 2) 津 軽保 健生 活 協 同 維 合 健 生 病 院 整 形外 科Yos}1iak 〔↑vbr [naga
、
MD : T)epartinent c,「Orth【〕paedicSurgcry
,
Kcnsei Ilospfta[(
’
受で・
」』
H 1996イ119月3 日ノ’
受王里日 1998イ1三10月5凵) る。術 後の変 形 性 股 関 節 症 (以 下
,
股 関節
症)
患者
に おい て もホー
ム プロ グ ラム の指 導 が 行われる機 会は多い 。 術 後 退 院に至っ た股関節 症 患者
を対象
に ホー
ム プロ グラ ムの効
果を調査 し た報 告で は,
効
果 を 見い だ せ た報
告2)と見い だせ なか っ た報 告3)4Jに分 か れてい る。 ホー
ムプロ グ ラム の効
果 判 定 を行う
に は患者
が指導
内容を忠 実に施 行,
継 続してい る こと が前 提となる。 これには指 導 者 側 と患 者 側の問題 がある。日本理学
療 法
士協
会に よ る1990
年の調査 5)で は, 理学 療 法士 はホー
ム プロ グラム(
家 庭での 訓 練, 生 活 指導)
を大 半の患者
に指導
して い る と記 さ れ てい る。
し か し約6
割の 理学 療 法士 は1 〜 5
回 程 度の指 導を行っ たに過 ぎず,
そ れ 以.
.
L
の指 導 を 行っ た者は1
割に も満たない 。 さらに,1985
年
の全国ア ン ケー
ト調 査で は対象
と なっ た149 施
444 理 学 療 法 学 第25 巻第 7 号 設 中
,2
割 程 度し か定 期 的なフォ ロー
アッ プを行 っ てい ない こ とが報 告さ れてい る 1] 。 患 者 側の問 題と して, ホー
ムプロ グラ ムの継 続は患 者の 自主 来 院 時 だ け しかフォ ロー
アッ プで きない 場 合es〕や 患 者が独 断で中 止 する場 合ml’
) が挙 げ られる。そ こ で
,
この患者側の問題 に着目 し, 退 院した 股関節 症 患 者にお ける ホー
ム プロ グラム の継 続状 況と股 関節機能,
術後
の主観
的 な股 関 節 機 能の満 足 度(
以 下, 主 観 的 満 足 度 ) などを調 査 し た。 本 稿の 目 的は ホー
ム プロ グ ラム の効
果 判定
を 行う
前 段 階 として,
股 関 節 症 患 者の ホー
ムプログラ ム の 継 続に影響
する要因 を明 ら か にするこ とで ある。 対 象と方法
対
象
は,弘前市
内の某
病 院 整 形 外 科に て手 術 を 受 けて退 院 した股 関 節 症 患 者のう
ち,
調 査可能で あっ た30
名(
男 性2
名, 女 性28
名 )である。 対 象 者は入 院 中に理 学 療 法を受
け, 退 院前
に ホー
ム プ ロ グ ラム を 指 導 さ れ た。 対 象 者の 平 均 年 齢は60
.
5
± /5.
3
歳 (19 〜83
歳)
, 退院後
の 平 均 経 過 期 間 は68.
8
±39.
7
ヶ 月(
7 〜 144
ヶ 月 )であっ た。 対象者
が受け た術 式につ い ては人工関 節 置 換 術が22
名 (全 人工股 関節置換
術18 名
, 人工骨 頭 置 換 術4
名 ), 外 反 骨 切 り術3
名,
寛 骨臼回 転 骨 切 り 術2
名と,
外反伸 展 骨 切 り術,
骨 頭 回 転 骨 切 り術,
筋 解 離 術を施 行さ れ た者が そ れ ぞ れ1
名で あっ た。 全対象
者は手 術 操 作 な らびに後 療 法と も に, 順 調に進 行し た。
1.
ホー
ムプロ グラムの 指 導 方法股 関
節
症 患者
に対 する ホー
ムプロ グ ラム の説 明・
指 導は理 学 療 法 士と医 師が行い,
一
部の者
に は看 護 婦か ら も指導
し た。ホ
ー
ム プロ グ ラム の口的は股 関節に対す る負
担 を軽 減し,手
術の 効 果を長 期 間 維 持 する こと と病 期の進 展を防ぐことであると説 明した。 具 体 的 な 指 導は 杖の使 用,
重 い 荷 物を 運搬し ない(
以 下,
荷 物 運 搬の制 限 ),
筋 力 維 持 訓 練 (股 関 節 の機 能 状 態に 応 じ て,
下肢 伸 展 挙 上 運 動, 股 関 節 外 転 運 動,
ブ リッ ジ動 作,膝伸
展運動の中か ら選 択 ;以下 , 筋 力 訓 練 ),
股 関 節の痛みを伴 う 無 理 な姿 勢・
動 作 (しゃ が み位, 和式 生活, 長 時 間 の歩 行・
立 ち仕 事な ど)の制 限(
以 下,
姿 勢 動 作 の制
限)
である。 そ れ ぞれの 効 果に関 する理 論 的 説 明の後,
方 法につ い て指導
し た。
人 工 関節置
換 術 を 施 行 された患 者には,
股 関 節 機 能が良 好であ っ て も 上記の〜
を施 行 しな ければ 「弛み」が 起こり再 置 換の可 能 性が高い ことも説 明し た。 ま た,
に加
えて脱 臼の危
険 性 を伴う
過 度の股 関 節 屈 曲・
内転・
内 旋の禁 止 (後 側 方アプロー
チのた め)
も指 導し た。以 上 は 入院 中ま た は 退院 後の 受 診 時に おい て, パ ンフ レッ ト に よ る説 明
・
指導
を行っ た。
な お,
退 院 後に理 学 療 法 士に よ る定 期 的 なフ ォ ロー
ア ッ プ を行わ れ た者は存在
し な かっ た。2a
調 査 項目 及 び方 法 対 象 者の診 療 録 か ら,
日本 整 形 外 科 学 会 変 形 性 股 関 節 症 判定
基準第
3
次案
8〕(
以 下,JOA
)
の基 準による術 前の股 関 節 機 能(
疼 痛,歩行,ADL
) の 得 点 (以下,
股 関 節 得 点 ),
理学 療 法の進行状 況,手
術 記 録, 退 院後に おける定 期 検 診の検 診 結 果,
入 院 期 間な ど を記 録し た。
ま た,対象者
へ の 電話 調 査 法 また は面 接 調 査 法によ る聞 き取 りか ら, 股 関 節 機 能, ホー
ムプロ グ ラム の継
続 状況 , 股 関 節 機 能に対 する 主観 的な変 化につ い ての 情 報 を得
た。調査 時
(
退 院後)
の 股 関節得
点 も疼 痛, 歩 行,ADL
を 評 価 した。 こ こ で,
JOA
のう
ち可 動域 の 項を評 価し な かっ た 理由は, 電 話 調 査 法の者で は実 際の計 測が不 可 能であっ た,屑切 り術 施 行 者で は術 後に可 動 域 の減 少 が生 じ る場 合が 多 い 9
’
m こ と か ら, 効 果 判定
の参考
となり難
い た め である。 何れに しても可 動 域はADL
との関わ り 合い が高い た め,
ADL
を 評 価 するこ とで代 用 が 可 能で ある と考 えた。
調 査 時のホー
ムプロ グラム の施 行 状 況は,
前述 の〜
につ い て調 査 した。 は 「常に使 用・
時々 使 用・
全 く (ほ と ん ど)使
用 し ない」の3
段 階に,
〜
は 「気 を付 けて い る (ま た は, 行っ変 形 性 股 関 節 痂 患 者に お け る退院後ホ
ー
ムプロ グラムの継 続に影 響 する要因・
4・15 てい る)」と 「気 を付
け てい ない(
ま た は,
行っ てい ない)
」の2
段階に分類 し た。
筋 力 訓 練につ い ては,
指 導し た運 動の一
.
一
つ で も毎口また は一
日 お きに行っ てい る場
合 を「
行
っ て い る」と し,2
日以 上の 聞 隔 を空 けてい る場 合は「行っ てい ない」
とし た。さ ら に そ れ ぞ れ ホー
ムプロ グラムの う ち,
最も継 続し たもの につ い て,
どれ くらい の期 間 継 続 したかを 「現 在 まで行っ てい る・
退 院後 1年
以 上行
っ た・
退 院後/年 未 満 行っ た・
全 く行 わ なか っ た」の4
段 階に分 類した。各
ホー
ム プロ グ ラム を継 続して い ない 者には その理 由 を 回答
してもら っ た。他に
,
調 査 時の行 動 範 囲 を評 価し た。 行 動範
囲 は外出の機 会を基 準に 「外 出の 機 会 が 少 ない」, 「毎日の買い物 程 度の外 出1
と分け, さ ら に遠 距 離の 旅 行など, 頻繁
に外
出す る機会
の あ る者 を 「旅 行な ど 長距 離の外
出」
と して分 類し た。術 前と比 較 した調 査 時の主 観 的 な 股関節
機能
(疼 痛・
歩 行機
能)
の改善度
と,手
術の満 足 度を 「良 くなっ た・
変わ らないH
悪 く なっ た」の3
段 階に評 価 させ た。 ま た 歩 行 機 能 とは別に, 外 観に 対 する意識 を表
す と考
え ら れ る項目 と して, 跛 行 を気にする か しない か (以下 , 跛 行へ の意 識)
を「
気に な る・
気に な ら ない.
1
の2
段 階で評価
し た。退 院
後
の定
期検
診を 「受 けてい る,
気が付い た とき受 ける,
受 けてい ない」のそれぞれに分 類し た。 その時の検 診 結 果 (医 師に よ る レン トゲン写 真,
症 状,
股 関節機能
の診 断 結 果 )に応 じて筆 者 ら が 「良 好e
維 持 」 ま たは 「悪化」
の何れ か に分 類 し た。3
.
ホー
ムプロ グラム の継 続に影 響 する要 因の 分析
指 導 した4
種の ホー
ムプロ グ ラムそ れ ぞ れ につ い て, 施 行状 況 に影 響 する要 因を検 討し た。 こ れ は単 変量 どうしの関 係を検
討 する よりも,
多 変 量 に よ り規 定さ れる事 象と捉 えた方が適 切である。 そこ で,多
重 ロ ジ ス テ ィ ッ ク回 帰 分 析 (Multiple
Logistic
Regression
Analysisi2
);以 下,
ロ ジス テ ィ ッ ク分 析 )を用い て分 析し た。まず 単 変 量
解析
を 用 い て, 前 述の〜
のホー
ム プロ グ ラム に有 意 また はそ れ に 近い 関 係を示 す 項目 を選 択し た。 デー
タ型 に 応 じて ス ピ アマ ンの 順 位 相 関 分 析,x2 検定
ま た は 二標
本t検定
を適 用し た。 検 定の結 果, 有 意水準 (
p
<.
05
)か ら か け離れた項 目し か存在
し ない ホー
ムプロ グラム は, こ の段 階で分 析を終 了 した。次にホ
ー
ム プロ グ ラム を 目的 変 数,
前 段 階で選 択さ れ た項目 を説 明 変 数として, ロ ジス テ ィッ ク 分 析 を行っ た。 模 型は, 最大対 数 尤 度の有 意 な 減 少と model−
X 2値の 有 意 な 減 少 及 び ,Wald
−test
の 川頁に条 件が最
も良
くなる よう
に変数
増 減 法で構 築し た。 さ らに,
説 明 変 数は オッ ズ 比の95
%信
頼 区 間をexp(
係 数±1.
96
×SE
)で求め,
区 間 に1
が含 まれてい ない もの を採用 し た。
選 択 さ れ た説 明 変 数は判嬲特
性 分 析で対 数 オッ ズ比 を 求 め,直線
的な関係を示 してい る か確 認し た。 結 果L
疼痛 ,
ADL
,
歩行
の変 化と主 観 的 改 善 度,
満足度
,
ホー
ムプロ グ ラム との関係
術 前 と調 査 時の 股 関
節得点
を表1
に示 す。 その他
, 評 価 項 目の結 果は表2
のごと くであっ た。
な お,
実 際は観 察で きな かっ た が, 全例 が 跛 行 を量 してい る と答
え た。各
股 関節得
点につ い て術 前と調 査 時の差を一
標 本 t検
定で 比 較 す る と, 疼 痛(
df
=29
, t ;7
.
20
;p<,
001
>
とADL
(df
=29,
t =
2
.
79
;p
〈.
Ol
)が有 意に改 善 してい た(
表1)
。 ま た,
表 1 術 前・
調査 時の股 関 節得点 (n= 30) 術 前の疼 痛 † 術 前の 歩行卞 術 前の 八DL ’
1’
調 査 時の疼 痛’
1
’
調 査 時の 歩行 † 調 査時のADL † 得 点 変 化 ‡ 15.
7士 8.
6[点 」 7.
8
± 2.
5 10.
1± 4,
2 31,
0
‡9,
6
8,
8±5.
4 12.
〔}± 3,
5 18.
2土 12,
6
コ
ー。
」
一
.
1
,暴」
†口 本整 形 外 科学 会 変 形 性 股 関 節 症判 定基準 第3次 案の.
ド位二項H
に よ る得 点,
‡調 査 時の疼痛,
歩 行,
ADL の含計点 (80点 満,
点)か ら術 前 の合 刮 点を引い た値,
徽
P<.
001,
”
Pく.
0⊥.
446 理学 療 法 学 第
25
巻 第7’
号 表 2 調査の結 果 (n=3
〔})bL
辷
E
,ム殉
歪三蓋厄可 司
1 )施 行 状況 杖の使川 : マ言O
こ{吏丿T
亅43.
8
% 時々使 用 10,
0
全 く・
殆ど使 用 し ない 46.
7
石li斗勿運 搬のf
尉限 : 気 をつ けて い る 気をつ けて い ない 筋 力 訓練 : 行っ てい る 行っ てい ない 姿 勢 動 竹:の制 限 1 気をつ けてい る 気をつ け てい ない 2) 継続状況 : 〔ユ3
名 ) 〔3
) (〔4) 26,
7% 〔 8名 ) 73.
3 (22) 26.
7% ( 8名 ) 73,
3 (22
}23.
3
% ( 7 名) 76.
7 (23
) (各 種ホー
ム プログラ ムの何れ か 1つ で も) 現在 まで行っ てい る 退1i
完後 何 年か行っ た 退院後少し行っ た 全 く行わ な かっ た 1[ 股 関 節機能墮
2
レマそ亅
1) 疼 痛の・
1
三観的 改薄度 : 良 くなっ た 変わ ら ない 悪 くなっ た 43.
3
% (13名 ) 6.
7 (2) 13.
3
( 4)36.
7
(11〕83,
3
% 10.
06
.
7
〔25
名 ) 〔3> 〔2>2
) 歩行の主観的 改 善 度 : 良 くなっ た 変わ らない 悪 くなっ た 3) 行 動 範 囲 : 外 出の機 会 が 少 ない 毎巨買い 物 程 度の外出 旅行など長 距 離の外IH
III
そ の他 1) 定 期 検 診 : 受 けてい る 気が付い た とき受け る 受け てい ない53.
3
% (16
をr)33.
3
(10
)13.
4
(4
) 30,
0% ( 9名 ) 40.
〔〕 (12) 30.
0 〔9) 66,
7% (20名 ) 13,
3
(4> 20.
0
(6
}2
) 股 関締機能の状 態 (定 期検診の結 果 〉: 良 好 また は維 持66.
7
% (20
名 ) 悪 化 ま た は 再 千術 が 必 要33.
3
(10} 3) 手 術の満 足 度 : 良 くなっ た 変わ ら ない 悪 くなっ た 4) 跛 行へ の意 識 : 気 に な る 気に な ら ない 83.
3% (25名 ) 10.
0 〔3) 6.
7 (2) 30,
0% ( 9尋ζr) 70.
0
〔2
ユ) 調 査 時の 合 計 股 関 節 得 点(
可動域 を除 く80
点 満 点 ;以 下,
股 関 節 機 能 得 点 ) から術 前の股 関 節 機能得点
を引い た値
(以 下, 得 点 変 化)
で は, 人工 関 節 置 換 術の者 (22
名 )が骨 切 り術の者(
8
名 ) よりも有 意に高得
点(
df
=28
, t =2.
4
;p
<.
05
) を示し た。
ま た,得
点 変化が大 きい ほ ど年 齢 も高 い とい う有 意 な 関 係 (ρr425,
p
〈.
05>
が あっ た。 股関節 得 点 と各 種ホー
ムプロ グラム の継 続と は有 意 な 関 連 性は認め な かっ た。 疼 痛・
歩 行の得 点 変 化 とそれぞ れ 同一
の主観 的 改 薄 度 に は有
意な 相関 が 認め ら れ なか っ た (ρ=一 .
357,p
=.
053
; ρ=一 .
303
,p =
ユ04
)。
得
点変化
と手 術の 満 足 度との関 係 (ρ= =.
008
;p
=.
97
)は有 意で な く,
股関節機
能の改 善が僅 かで あっ て も 「満 足 」 と答え る者
も存在
し た。 手 術の 満 足 度と歩 行の主観 的 改 善 度と はκ2検 定で有
意な 関係 (p <.
05
,df
==2
,
X
2=7
.
68
)で あ っ た。2
.
ホー
ムプロ グラム に影 響 する要 因全ての ホ
ー
ムプロ グ ラムを 継続
し てい た対象者
は存 在せず,
最 も施行
頻 度が高
かっ たのは杖の使
用で あっ た (表2
)。 杖の使 用と他の項 目間に有 意な関連性
は な かっ た。 荷 物 運 搬の制 限では,.
二標 本t
検 定に よ り年 齢 に有 意な差が見ら れ (df
−
28
,
t =259 ,
p<.
05
),
これ は若 年 者ほ ど気をつ けてい る傾向
があっ た。 筋 力 訓 練 と跛 行へ の 意 識(X2 −
」「.
49,
p
〈.
05)
の 間, 及 び姿 勢 動 作の 制 限と跛 行の意 識の 間に有 意な 関 係(
フ ィ ッ シ ャー
の直 接 確 率 検 定 ,
p <.
05
)があっ た。 筋 力 訓 練 を 行っ て い る者ほ ど, また は姿 勢 動 作の制 限 をしてい る者ほ ど跛 行 へ の意 識 は高い という
傾向
に あっ た。 筋 力 訓 練は日常生活上,
他の ホー
ムプロ グラ ム変 形性 股 閏 節 症 患 者にお ける退 院 後ホ
ー
ムプロ グラム の継 続に影響 する要閃447
と比較し て時間を設 け る 必要が有
る た め, 施行
さ れ難
い と考
える。
その た め,
筋力
訓練を継 続 する 要 因を探 求 すれ ば,
ホー
ムプロ グ ラム継 続の本 質 を把 握できると 考 え た。
筋 力 訓 練 とは, 手 術の満 足 度 (ρ= .
428
;p = .
Ol.
8
),
跛 行 へ の 意 識(
p二一 .
337
;p=.
069
)
の順に相関 が高かっ た。 そ こ で,
手 術 の満 足 度 (カ テ ゴ リー
[以下,
CA
] ;0
= 良.
く なっ た,1
= 変わ ら ない・
悪 く なっ た)
と跛行
へ の意
識(
CA
;0
;気
に な ら な い ,1
= 気 に な る)を説 明 変 数 , 「筋 力 訓 練 (CA
;0 冨
行っ て い ない ,1 =
行っ て い る)」 を 目的 変 数と し たロ ジス ティ ック分析を行っ た。 そ の結 果,
跛 行へ の意 識の みが有 意 な変 数として選 択さ れ た俵 3.
A
)
。従
っ て,跛
行を気
に す る者
ほ ど筋 力 訓 練 を継 続 してい る傾 向にあっ た。 これ だ けでは解
釈が 困難で あ る た め, 階層 的に 「跛 行 へ の 意 識.
1
を 目 的変 数,表 1,2
の 項 目 を説 明 変 数と して さきの方 法と同 様にロ ジス テ ィ ッ ク分 析 を 行っ た。
そ の結 果,
跛 行へ の 意識 に は術 式 (CA
;0
; 人工関 節,1
・一
骨 切 り術 )が最 も大 き く影 響 し,
次い で行 動 範 囲 (CA
;0
=
外 出の機 会が 少 ない ,1 =
買い物
程 度の外
出,2 =
旅 行な どの 外 出 ),
歩 行の 主観 的 改 善 度 (CA
;0
= 良 くなっ た,1 =
変わ ら ない ,2 =
悪 くなっ た)
の 順に影響
してい た(
表 3.B )
v ま た,
跛 行へ の意 識 は年
齢と関 連 する と考え,
これも加 えて分 析 し て みたが,
最 大 対 数 尤 度の減 少が有
意で な かっ た ため採 用しなかっ た。 以上の 目的 変 数に対 する説 明 変 数のlogit
は全て醴
線的 な関 係を示してい た の で,
カ テ ゴ リー
の変 更は行 わ なかっ た。
杖
の使 用と筋
力 訓 練を継 続しない 者の具 体 的 な 理 由は表4
の通 りであっ た。 表 中には無い が, 常 に杖 を使用 し てい る者でも「
入 目が気
に な る」と答
えた者
が13
名 中2
名 存 在 した。 荷 物 運 搬の 制 限と姿 勢 動 作の 制限の何れ か, ま た は両 方とも継 続 してい な かっ た者
は,
全例 が 「意 識してい ない 」 また は 「気 を 付 けるべ きであるが,
必 要に迫 られ る と注 意でき ない 」とい う理 由であっ た。考
察
股関節 機 能は ホー
ム プロ グラ ム の継 続 性に影 響 する と予 想したが,
直 接な関 係はなかっ た。 手 術 の満 足 度と機 能 変 化 な らび に股 関 節 機 能が無関係 なこ とは,手術
に対
する要求,
満 足 度に個 人 差が ある こ とを示 してい る。杖の使用 は特に時間を設け る 必 要 も無 く
,
歩 行 の補助 と して用い る た め容 易に施 行さ れ やすい と 考 える。 ま た, 対 象 者の歩 行 機 能は術 後 有 意な改 善が見ら れ てい ない(
表 1)
こと か ら,
杖を使 用 せ ざるを得ない 状 況にある者が多
い と推測 さ れ 表3 ロ ジス テ ィ ッ ク分 析の 精 果Cn≡30
)A.
i
.
1
的 変 数:筋 力訓 練 βSE
オッズ 比 〔95CI
†) 跛行へ の意識・
const.
2.
02
−
1,
79O.
.
920
62
7、
50 ( 45,
75−−
i.
24) 最 大卸」』
委女ノ‘1良1=
29.
6,
ModelX2=
5.
12 (p<.
05),
rl勺1ド」
罫=
767%.
B.II
的変数 :跛 行へ の 意識 βSE
オッズ比 (9.
riCI†) 乖「:1
Jt−
3.
03
彳f
重力塗屯匪卜 ],
78 歩 行の.
ド観 的 改』
簿 度・
L62
const.
−
6.
66 1.
360
.
880,
822.
38 20.
76 (.
29
.
7.
56−
1、
/14
) 5.
92 (33,
27−
1.
06
)5.
01
( 25.
21−
1.
Ol) 最 人対 数 尤 度;
20.
9,
M〔,delzZ=
15、
8 〔p<.
Oヱ),
的 中 率=
83.
3%.
†95%イ育身唄レく:1
昌g,
)く、
D5.
448 理 学 療 法 学 第25巻 第7写
・
表 4 ホー
ム プロ グ ラム を継 続しない 理 由 a.
杖 (全 く・
殆ど使用し ない者 17名中) 必 要 ない 歩 行 時に休 憩を入れ る 人 冂が気に な る 歩 行 器 (シ ルバー
カー
)をf
吏丿月 1耐 到,
煩 わ しい 9名3221
b.
筋力 訓練 (行っ てい ない 者22名 中) 必 要 ない 疼 痛が起こ る 時 問が とれ ない 名 3ρ
D3 る。 杖の使 用に は横畠
ら 啣 の調査 と同様 ,「
人 匹 が気にな る」 とい う心 理 的 な抵 抗が影 響 してい た 者 も存 在 し た (表4
)。 この よう
な者
に対し て は 杖 使 用の効 果 を説 明 するだけでな く,
外 見上の配 慮 も工夫してい く必要が あ ろう
。 荷 物 運 搬・
姿 勢 動 作の制 限につ い て は,
年 齢 や 跛 行へ の意 識が影響
し てい たこ と か ら, 身 体 活 動 性の 高い 若 年 者は荷物
運搬, 姿 勢 動 作に注 意 を 向 け てい る と言 える。 しか し,
日常生活に おい て は や む を得ず
制限 で き ない 場 合 も多い と考 える。筋 力 訓 練の継 続には跛 行へ の意 識
,
すな わ ち歩 容などの外 見 を 意 識 してい る こ とが 影 響 してい た (表3
)。
跛行
へ の 意識 に大 き く影 響 し てい るの は 術 式であっ た。 つ ま り,
跛 行を気に し ない者
の背
後に は,
比較
的高
齢な者に適 応となる人工関 節 置 換 術を受
けた という特
徴 を有
して い る。
入工関 節 置 換 術 を 受 けた者は疼 痛の改 善が著 しく,身体活
動
に支 障 を きた し にくい ため,
ホー
ムプロ グ ラム を 必 要 ない と思っ て中 止し た者
が多い と推 測し た。 ま た跛行
へ の意 識には行 動 範 囲の制 限, 歩 行 の主観 的な悪 化が影響
し てい た。 骨 切 り術を施 行 さ れ, 行 動 範 囲が広 く,手
術 後に歩 行 機 能 が 悪 く なっ た と思 う者ほ ど, 跛 行 を気にしてい る とい え る。 以 上 から,
筋 力 訓 練の継続
に は股関節 機 能そ の もの よ りも, 疾 病, 障 害へ の意 識 などの心理的 要 因の影 響が 大 きい と考え る。 特に術 後 著しい 疼 痛の改 善が得ら れ た者
, 高齢の者に は,
ホー
ム プ ロ グ ラムを繰 り返 し指 導 する だ けでな く, 施 行さ れ やすい よう
に その 内 容 を 単 純な もの に限定
する 必 要がある と考 え た。 また,
患 者の心 理 状 況や環 境 要 因 も評 価し把 握し た 上で指導
するこ とが重 要 で ある とい える。 今 回は症 例 数 が 少 な く傾 向を伺 う程 度の結 果で あっ た た め,今後
は症 例 数 を 増やす 必 要が ある。 ま た,
退 院 後の経 過 期 間 を一
定に して調 査 する な ど,
同…
条件
下 での調 査を行 う
こ とが課 題 となる。 さらに, 股 関節 症 患 者に対 して患 者 教 育を行 うと ともに定 期 的なフ ォロー
アッ プ を行い,
ホー
ム プ ロ グラム をい か に継 続さ せ得る か, ま た その効
果 につ い て も検討
して い く必 要が ある。 文 献1
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449
<Abstract>
Factors
Affeeting
Continuation
ofHome
Progrrams
by
Postoperative
Patients
with
Osteoarthritie
Hips
Eiki
'rSUSHIMA,
RPT,
BHSci,
Atsushi
ODA,
RPT,
BHSci
School
ofAlliedrt(fedieal
Seiences,
EIirosaki
University
Yoshiaki
MORINAGA,
MD
Dqpartment
ofOrthopaedics
Surget:y,
Klansei
Hbspital
The
purpose
ofthis
study was touncover thefactors
affecting continuation ofhome
programs
by
postoperative patients with osteoarthritichips
afterleaving
hospital
(0A
patients).
'
The
subjects of thisinvestigation
were30
OA
patients
(2
males and28
females,
mean age
60,5
± 15.3 years, meanprogram
length
aEterhospital
discharge
68,8
±39.7
months).
Subjects
were asked about continuation of their prescribedhome
programs,
hip
function.
etc.Specitically,
honie
programs
weredefined
as thefour
following
'factors:
use of a cane, prohibitionto
carryheavy
baggage,
muscle strengthening exercises, andavoidance of certain
bodily
positions.
Tltere
was ageneral
tendencyfor
subjectsto
discontinue
home
programs,but
atleasL
onehome
program was carried out.Factors
whichinfluenced
muscle
ing
exercisesin
home
pro.crrams
were examinedby
multiplelogistic
regression.Muscle
st/rengthening exercises may
have
been
influenced
by
patient's consciousness ofing
<6
=O.149,
odds ratio[OR]
==7.50.
p<O.05).
The
factors
whichinfluenced
sciousness of
limping
were also examinedby
multipleEogistic
regression.Consciousness
of
limpin.u
mayhave
been
influenced
by
the
kind
of operation<osteotomy
ort,otal
hip
replacement;
"
=3.03.
0R
==20,8,
p<O.05),
range of activity area(t3
=1.78,
OR
=5.9,