1
9
8
(
6
3
)
フヲ サワ ケイ コ
氏名〔生年月日〉
本 籍
学 位 の 種 類
学位授与の番号
学位授与の日付
学位授与の要件
学 位 論 文 題 目
論 文 審 査 委 員
藤 津
敬 子 〔
医学博土
乙第708 号
昭和
0
6
年
2
月
5
1
日
学位規則第5 条第 2 項該当(博士の学位論文提出者〉
毛 包 構 成 細 胞 の 分 化 に 関 す る 電 子 顕 微 鏡 的 観 察
(主査〉教授串田つゆ香
( 副 査 〉 教 授 飯 沼 守 夫 , 教 授 香 川
I
順
論 文 内 容 の 要 旨
研究目的
全身の皮膚に存在する毛包組織の生物学的意義は,
従来考えられてきた領域にとどまらず,複雑な機構の
もとに重要な役割を果していると予想されている.そ
れらの機序の解明は,新しい方法論の導入によってな
されると考えられるが,形態学の分野で,これに対応
する毛包の細胞レベルで、の基礎的研究はきわめて少な
い.本研究は,毛球部における毛包構成細胞の成熟と
分化発現との過程を微細形態学的に追跡,検索したも
のである.
実験材料と方法
動物は生後6-7 週の
-
r
a
t
i
s
W
今道系雄性ラットを
用いた.鼻背部有毛皮膚を
Karnovsky
氏液で潅流画
定し. 2 %OsO. で後固定ののち,型のごとく.Epon812
包埋を行なった.成長期毛包を選び,縦断および横断
の超薄切片を作成し,透過型電子顕微鏡により鏡検,
撮影した.
結果
成長期毛包の毛球部母基細胞は,分裂,成熟,分化
しつつ,各細胞列の軌道を上方に移動し,毛髄を中心
とする同心上の縦の細胞列を構成する.上昇移動の軌
道は,基底膜上の位置によりほぼ規定され,さらに,
細胞列ごとに,分化と上昇の速度ならびにその形式が
異なっているため,隣接細胞との聞に,多様で複雑な
結合構造を形成する.1)毛球底部および毛乳頭周囲基
底膜上の母基細胞は,最も未分化で結合のための膜の
分化は示さない. 1- 2層上方では,はじめ細胞間際
に,ついでその部の表面膜に,長さ約0.2μm の電子密
8
1
8
度の高い部分が点状に出現する.続いて,細胞質側に
も,軽度の電子密度の高まりを認め,
desmosome
の初
期像と解された. 2) 未熟な結合構造形成と並行し,未
分化細胞の平滑な表面膜に凹凸が生じ,細胞間空隙が
拡大する. 3) 結合構造形成と細胞関空際の増大,そし
て,表面膜の凹凸化ののち,細胞質は,微小管,中心
子をはじめとする細胞小器官が急激に発達し,活発な
線毛形成像が認められる
)
4
.
細胞多形の変化に並行あ
るいは先行して表面膜の近くに,中心子と微小管が目
立ち, これらと形態分化発現とのかかわりが示唆され
た
)
5
.
細胞間隙は
l
e
H
e
n
の細胞列において,最初に消
失し,
Huxley
細胞列において,最も遅くまで特徴ある
間隙の構造を残している. 6) 毛小皮細胞列を除き,同
細胞列の上下細胞は,発達した
desmosome
により結
合するが,隣接細胞列との結合は,おのおの異なって
いる.7)毛皮質細胞内で、産生された白
n
t
e
a
m
l
東が,長
さと太さを増しつつ,方向性を帯び,最終的にすべて
毛軸と並行に並びかえられ,毛幹を形成してL、く過程
が観察された.
結 語
毛包構成細胞は,JfE芽野内の上昇過程において,す
でに形態的に特徴ある分化を示していた.その形態分
化と結合構造の多様性とは,細胞列ごとに異なる移動
のベクトルと分化様式に起因すると推察された.
1
9
9
論 文 審 査 の 要 旨
本論文は,毛包構成細胞の成熟と分化発現との過程を超微細形態学的に追跡,検索したものである.
その結果,毛包構成細胞は匪芽野内の上昇過程において特徴ある形態変化および多様な結合構造を示
すことを明らかにし,これらは細胞列ごとに異なる移動のベクトルと分化様式とに起因することが示
唆された.
学術上価値ある論文と認める.
主論文公表誌
毛包構成細胞の分化に関する電子顕微鏡的観察
東 京 女 子 医 科 大 学 雑 誌 第
4
5
巻 第
8
号
6
4
5
-7
0
3
頁〔昭和
9
5
年
8
月
5
2
日発行〉
副論文公表誌
1)皮膚組織の写真乳材に及ぼす影響
東女医大誌
3
3
8
(
,
)
9
400-404
1(
)
3
6
9
-819
2
) 国産乳材を使用してのオートラジオグラフ
東女医大誌
3
3
1(
)
0
462-465
1(
)
3
6
9
3
) 弗素イオンによる2,3皮膚疾患への応用
東女医大誌
1
3
)
2
1
(
608-616
1(
6
9
)1