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消化不良性血液吐瀉症と紛らはしき小児赤痢の二例

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Academic year: 2021

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沿⋮牝不良性血液言忌症と紛らはしき小見赤痢の二例

東京女子磐學專門學校小兄科教室︵主任磯田教授︶

       海 崎 美 津

129  表題の初めの方に出ておウます消化不良性血液吐黒点と云ひます病氣は、二三歳から就下期頃にかけての 子供に多く見られまして、我國では大正二、三年頃から多くの學者によって研究登表され、殊に輻岡の伊東 博士は、重症自家中毒症? として報告され、吉田,唐澤爾博士からは、血液吐単襲とか溝化不良性腸胃出血 症とか携りに名付けられてみるもので其の登病悪態は必らすしも一様ではなく突然急激にあこるもの、比較 的徐々におこるもの又再三反復して來るもの等があ参ますが何れにせよ吐血下血を必登とし圭要症歌として 居る一種の疾患であります。急激に襲黙するものは急性腸胃カタール型と呼ばれ、突然磯熱下痢、嘔吐を來し まして﹁コーヒー﹂残渣様の慰物を出し﹁タi川﹂様の黒色血便を排泄し、又中毒症状ととして旛症や、循環障 碍をおこして非常に重篤な容態をあらはすことが往々あります幸に出血が止りますれば嘔吐は止み、黒色便 も止り普通の便に間もなく移行いπしまして便秘勝ちになbます。この突然に襲溢して.暫の問に重い中毒 症状をおこします黙は、非常に恐ろしい小児の劇症赤痢所謂疫痢と、大品よく似ておりまして初め赤痢だと 思っπものが輕過を見てゐます中に血液緊緊症であっ罷り、血液吐鴻症と思つπものが赤痢であっ淀り、い πします事が時々あります。最近私が後の場合、即おそらく血液吐潟症であろうと思ひましπ患者の便から    海崎H鹸化不良性血液吐溝症と紛らはしき小児赤痢のこ例      第三巻  =一九

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:30    海峙h沿旧化不良性血液吐溶症と紛らはしき小見赤痢の二例      第三巻  一三〇 赤痢菌を謹明し、経過を見てゐますと定型的の赤痢でありまし把二例を経験い輸しましπので、こ\に御報 告申上げπいと思ひます。  第一例は満五年の女晃で        む  翫往歴とい諾しましては、八ケ月の早産晃、しかも双生見の一入で、出生時の御重は四百五十匁でし泥が、 共の後順調に登濡し、時に風邪をひいπう、一寸下痢する位のもので特別の病氣はいたしておりません。生 來魚偏質の方でしたが別に吐癖の様なものはなかつ把との事です。庶疹百日咳はまだ維過してゐません。  ゆ    む  家族歴では軍規健在、從兄弟に孟夏﹁カリエス﹂を病む,者があります他特別の事はありません。同胞は三人あ りましたが、第一子は二歳の時に食餌性中毒症で死亡いたしまし元。第二子と第三子とは双生児でして患者は       む      第三子、第二子は健在です。現症の経過ば、昭和七年十二月二十五日何等思ひ吊る不毛生なく、叉同一食事 を、取っております一方の子供は何等凝った様子もありませんのに、朝方から、元氣無く、顔色は蒼自とな う、悪心についいて,嘔吐がめりまして、食物の残渣と。黄色水様のものを吐出いたしましπ。その時熱を 測って見まし仁ら三十九度五分あったさうです。それから間もなく便通がありましにが初一同は普通便で、 第二寓目に、豆腐の諸君のものを含んだ悪臭ある水様便をもらしました。共の日の午後から昂奮状となりま して、誰言をしきりに申しますので附近の讐師から治療を受けましπが、何等魚子は憂ムませんでしπ。便 逓は喪章、七,風面あったさうです。翌二十六日、朝二同、黄色水様の物を吐き其の後に褐色に色付いπ物 を吐きました爲讐師を訪れ、ロック氏液の注射腔腸洗漁を受けましπ所、便の同藪は目立って減って來まし       む    む  む む  む   πが、却って二色液歌の嘔吐は増して唐花と云って當院に迭られて來ましπ。入院當時の圭訴は下痢、嘔吐、       む       む  む       適言、螢熱.入院當時の所見としては膿蒙塵小、榮選歌態は不良、皮膚は別に乾操もしてゐません、光澤及緊

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工31 幾度は普通でしπ。意織は杢く漏濁してゐ懐して、父母のわき裟へ無く、精神は大運昂奮してみて不安歌態、 華言を時々登します。膿温は三十七度五分、脈臆は百四十、整なれ共心小、緊張度弱く、辛うじて鯛れる程 度でした。呼吸は溌分大呼吸をなし、顔貌は無慾歌で一眼症がめります。診察中に時々歯﹁ギシリ﹂をしπ り,溜息をつい把り、首を左右に廻はしπりいπし懐し把。口唇は乾燥してゐまし元が﹁チアノーゼ﹂は見 られ論せんでしπ。ロ腔を見顕すに舌は厚く舌苔を蒙り、咽頭酒興があります他、特別のことはありません。 瞳孔の封光反鷹は正常、胸部は心臓、肺臓共に、特別の事なく、腹部は梢陥没し、腸の蠕動昂進無く、鯛診 いだしますに腹壁の緊張は低下し、左方腸骨窩で雷鳴を聞きましだが腸索の様な物は鯛れ窮せんでしπ。脾 肝に凝り無く膝蓋腱反射及ぴあひれす反射は尋常、ケルニッヒ氏症状は臆度に陽性、項部強直なく、其の他 の病的反射無く、股動脈音も聴取出來ませんでしセ。  共の日の嘔吐は風隠、吐口は﹁ゴーヒー﹂残渣檬で、便遮は二同、黒緑色水様悪臭張く、爾者共に﹁ベンチ ヂン﹂曝露は張陽性でしπ。此の便を直ちに遠藤氏培養器に培養いセしましπ。尿所見は残念ながら見られ        む        む     む 粟せんでしπ。入院後の経過は以上の檬な毛蟹でしたので入院後直に﹁コアグレーン﹂を二筒筋肉内に注射 し、萄葡糖の注入を月賦致しまして経口的には何等與へませんでしπ。  翌二十七日は朝一同コーヒー残渣様の物を吐きまして、便は黒色コ71川しの様なのが六同ありました. 其の申一周は粘液、膿鮮血を含む便を見ましだ。意織は街不明瞭、犠轄反側か激しくて﹁ベット﹂から轄げ落 ちさうになりまし泥爲、ルミナLルの注射、抱水クロラ!ルの注腸等致しまして漸く少しつつおさまり初め ました。其の他の戸戸は前日と同様、萄葡糖注入を日に、二同つつと﹁コアグレーン﹂其の他、強心捌の注 射を致しておりますと、二十八日、二十九日と次第に意識を同復し、三十一日には全く意織明瞭となうまし    海崎”清化不良性血液吐潟症と紛らはしき小晃赤痢の二例      第三巻  一三一

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132 海崎器融化不良性血液吐浦症と紛らはしき小見赤痢のこ例 第三巻  一三二 忙。  嘔吐は二十八日より止んで、便は入院後二日目から、次第に粘液膿鮮血を混じたものを見る様になり、三 日目から﹁テネスムス﹂も加はつて便同藪も一日十同前後となり腹部では左右の腸骨窩で著明な腸索を鯛れ、 共の後は定型的の赤痢の掃過を取りまして昭和八年一月廿七日蚕纏退院致しましπ、廿六日入院後直ちに培 養致しまし柁便からは赤痢菌を槍出することが出來ましπ。即麗麗赤痢血清に、﹁チープル﹂迄凝集し大原菌 血清及び封照には全く凝集しなかつπのであります。        む  む  む       む        等二例は満三年五ケ月の女完で家庭歴としては特別のこと無く、既往歴では、満期安産ゐ出生時の膿重七 百五十匁、以連雀育良好、一歳の時腸疾患にか︾うましてから乗物にのφますと悪心を催す事はありまして も嘔吐しπ≧とはありませぬ。麻疹は未だ並んで居りませ澱が、百日咳及種痘は経過致しまし元。同胞は二       む  む          人あウまして三児は第一子、第二子は二歳で健在であります。現症の経過は、何等思ひあ把る様な原因もな しに昭和六年九月十三日午前十一時頃熱戚があウましπ爲、測って見ますと三十九度五分ありまして間もな く三同ついけて食物残渣を嘔吐いたしましπ。其の後時々、欠伸、歯﹁ギシリ﹂をし元価及び、食慾が全く無 くなムまし柁。便通は硬目一同、普気缶でしπとの事。翌日十四日は朝から﹁コーヒー﹂獲渣檬物を何同とな く嘔き、而して、午前十一時頃から三方約三分三ついく全身痙攣がありまして、共の家作後は、昏睡歌態と なり、之は三時間位ついい淀さうです。          十四日には入院までに軟便が二同あっ把さうです。入院三日の所見と致しましては、膿格、榮養中等度、 顔貌は稽苦悶状を呈し、富盛三十八度、二十は=一〇、緊張及び大いさ普通、規則正し,呼吸は李静、口唇 及び四肢末端に﹁チアノーゼ﹂無く、胸部所見正常、腹部は輕度に陥没し、鯛亡して見ますと、緊張度少し弱

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133 く、腸索の様な物は、杢く承れませ露が.廻盲都で顯著に搏動を燭れ噛す。雷鳴や鼓腸は無く、肝臓、脾臓 に攣りなく、膝蓋腱及射は現はれ壁.項部強直.﹁ケ川ニツ七﹂﹁バビンスキー﹂等の病的懸歌は見とめられま せんでした。眼瞼結膜は充血なく.斜覗なし。瞳孔の封光反鷹普遽,舌は薄く舌苔をかろむり一部分には、 黒色をおびπ物が附着してあうます。顛粘膜には凝ウ無く、頸部墨型腺は碗豆大に藪個展張しております。 意織は比較的明瞭で父親の質問に答へます。  診察申に珈球残渣様物を嘔吐致しまし把。糞便は黒色黒くコアー川L状のが入院日には入院後二同あウまし 紀。尿には特別の所見があう準せぬ。以上申し上げましだ様な所見でこぎいまして、圭に目立ちますのは黒 便と、ココーヒー﹂残渣襟嘔吐と中毒症歌とであう領すので.早岐染性の清化不良性血液下樋症を先づ、考へ させられましπが念の爲にと、此の﹁テー餅﹂様便に就て細菌槍査をすることに致し設しπ。そうしますと十 七日になりましてこの便から培養し得まし驚菌は多償赤痢血清に三千二百培まで凝集反骨を呈しましπ。多 書赤痢の何菌であるか迄は追求い惣しませんでし控。其の後軍の患者も十四日には、六、七同もありました 嘔吐が翌日十五日には、すつか墾止み.便はこの騒から粘血膿便郎ち赤痢便となり、十入日には腸索歌を左 側腸骨窩にふれ、赤痢の一般的の輕過を取参三週問の後全治退院をし沈のであります。  総括とい諭しましては.以上二例共、高熱で初まうまして.次いで吐物にも、便にも血液を見、重症の中 毒症歌を現はして來まして.而も二例共に赤痢菌を謹明しπものであうます。消化不良性血液吐潟症の時に も、登病初期には、今の様な激烈次中毒症胱を示すことがあ幽.吐物も.初めは普逓の食物残渣でも、後に は次第に、﹁コーヒー﹂残渣様になb・降すし.便も初めは普罪質又は粘液便が出まして衣第に﹁テール﹂様にな るものです。この鮎は、爾者殆んど獲甥が出來ませ露。唯多くの報告によウましても、吐鴻症では一般に熱    海崎脛浩⋮化不良性血液吐潟症と紛らはしき小晃赤痢の二例      第三雀  一三三

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     海崎阻消化不良性血液吐浦症と紛らはしき小見赤痢の二例      第三巻  一三四 34@があム懐しても,中等度の場合が多くて、高熱を出し按ずことは指宿であるとされて居ム溢すので、この鮎 1   は多少鑑別上に役立ちます様です。こんな様なわけですから、例へ血液大潟症の檬な症歌を、あらはしまし   ても一度は細菌の槍査をいπしましセ方がよかろうと思ひます.︶    絡りに臨みまして御懇篤な御校閲を給はりまし沈磯田教授に厚く御禮申し上げます。 料 同 ト4 レ騨昌 目  ト4 H or 劇 じQ bg H O  ⑩ OQ へq σ} (:π LPt こ。 トこ) ト4

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