• 検索結果がありません。

甲状腺分化癌の病態とRB, bcl-2遺伝子との関係 -- 免疫組織化学法を用いて --

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "甲状腺分化癌の病態とRB, bcl-2遺伝子との関係 -- 免疫組織化学法を用いて --"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

Title

甲状腺分化癌の病態とRB, bcl-2遺伝子との関係 -- 免疫組織

化学法を用いて --( 内容の要旨(Summary) )

Author(s)

小川, 徹也

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学)乙 第1185号

Issue Date

1999-01-20

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/15087

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏名 (本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 小 川 徹 也(愛知県) 博 士(医学) 乙第1185 号 平成11年1 月 20 日 学位規則第4条第2項該当 甲状腺分化癌の病態とRB,bcl-2遺伝子との関係 一免疫組織化学法を用いて一 (主査)教授 宮 田 英 雄 (副査)教授 森 秀 樹 教授 佐 治 重 豊 論 文 内 容 の 要 旨 甲状腺分化癌は比較的予後良好な疾患であるが,長期間観察すると原発部位や頚部などでの再発,あるいは遠 隔転移もまれではなく,不幸な転帰をとる症例もある。甲状腺分化癌にはすでに年齢,被膜外浸潤,遠隔転移の 有無などといった臨床的予後因子が確立されているが.本研究では新たな予後因子を探るため,甲状腺分化癌の 病態とRB,bcl-2遺伝子との関係について免疫組織学的手法を用い,再発の有無,他の臨床的予後因子や,生存 率との関係を検討した。 研究対象 1980年から1990年の11年間に愛知県がんセンター頑頸部外科で手術された甲状腺分化癌135例のうち,少なく とも5年以上経過観察し得た症例を対象とした。性別は男31例(23%),女104例(77%),平均年齢は41.9歳(22 ∼77歳)であった。TNM分類ではTOが1例,Tlが20例,T2が73例,T3が32例.T4が9例であり,NOが86例,Nl が49例であった。分化度は高分化型111例,低分化型24例で一 組織型は乳頭癌が130例,濾胞癌が5例であった。 研究方法

ホルマリン固定パラフィン包理切片を使用し.RBの1次抗体としてmonoclonalmouse Anti-RB Gene Prod

uct(MBL,MK-15-13H9)を40倍希釈で,bcl-2の1次抗体としてmonoclonalmouse Anti-Human bcl-20nco protein(DAKO-bcl-2,124)を50倍希釈で使用した。免疫組織染色は.ABC法(Abidin-Biotin Peroxidase Co mplex method)に従い行った。染色が完了した標本を200倍で検鏡した。RBに関しては.核が褐色に染色され ているものを染色細胞とし,腫瘍細胞に対する染色細胞の割合が0%を(-),50%未満を(+),50%以上を (++)とした。bcl-2に関しては,細胞質,細胞膜に染色のみられたものを陽性とし,腫瘍細胞に対する染色細 胞の割合が10%未満を(-),10%以上を(+)と判定した。検鏡は異なる3人の検者が別々に行い,それぞれ10 0分率を算出して判定し,異なった判定の時は再度検鏡を行い判定した。RB蛋白,bcl-2蛋白の発現の程度と再 発,臨床的予後因子との関係をⅩ2検定を用いて検討した。また,生存率との関係ではKaplan-Meier法を用い, Log-rank検定を行い検討した。 結 果 1RB蛋白,bcト2蛋白の染色結果 RB蛋白染色結果は(-)が18例(13%),50%未満の染色率である(+)が96例(71%),50%以上の染色率 である(++)が21例(16%)であり,RB蛋白陽性率は87%であった。bcl-2蛋白の染色結果は(-)が53例 (39%),(+)が82例であり,bcl-2蛋白陽性率は61%であった。 2 RB蛋白,bcl-2蛋白発現と再発(原発部位再発,頸部再発,遠隔再発)との関係 RB蛋白発現と再発との関係はt 再発のなかった症例ではRB蛋白陽性症例が105例(91%),陰性症例が10例 (9%)と陽性症例の占める割合が多かったのに対し,再発のあった症例では陽性症例が12例(60%).陰性症例 が8例(40%)と陰性症例の占める割合が多く,Ⅹ2検定でp=0.001と有意差を認めた。再発部位別の結果は,遠 隔再発例はRB蛋白陰性症例の占める割合が多かった(p=0.004)。bcl-2蛋白発現と再発の関係は,再発のなかっ

(3)

ー101-た症例ではbcl亮蛋白陽性症例が72例(63%)・陰性症例が43例(37%)でt再発のあった症例では陽性症例が10 例(50%),陰性症例が10例(50%)であり,p=0・29との有意差は認めなかった。再発部位別においても有意な 関連性は認めなかった。 3 RB蛋白,bcl-2蛋白発現と臨床的予後因子との関係 RB蛋白発現と臨床的予後因子との関係は・年酪N分類・M分類において統計学的に有意な関連性を認めたo bcl-2蛋白発現と臨床的予後因子との関係は・T分類において統計学的に有意な関連性を認めた。 4 RB蛋白,bcl-2蛋白発現と生存率との関係 RB蛋白発現と累積生存率(overal1survival)との関係は・Kaplan-Meier法を用いた検討では・RB蛋白陽性 症例群では10年生存率が89・6%なのに対し・陰性症例群では55・0%であり,RB蛋白陰性症例群では,蛋白陽性 症例群より有意にoverallsurvivalが低下していることが示された(Log-ranktestp<0・0001)。bcl-2蛋白発 現と累積生存率との関係はtbcl-2蛋白陽性症例群では10年生存率が87・6%で,陰性症例群では79・3%であり・ 有意差は認められなかった(Log-ranktestp=0・3)0 考 察 ヒト悪性腫瘍の多くにおいて癌抑制遺伝子の不活化が関与していることが知られており,この癌抑制遺伝子の ひとつにretinoblastoma(RB)遺伝子がある。このRB遺伝子の機能の不括化が網膜芽細胞腫における細胞癌 化につながると言われており,また・その他のヒト悪性腫瘍においてもRB遺伝子とその発症についての関連性 が示唆されている。最近の研究ではRB遺伝子産物が細胞周期進行・特にGl期からS期移行の制御にきわめて 重酢役割を果たしていることが報告されている0また,癌遺伝子bcト2はアポトシスに関係する遺伝子とい ゎれており,この遺伝子産物はアポトシスの抑制因子として脚光を浴びている。甲状腺分化癌は比較的予後の 良い疾患であるが長期間観察中に再発・遠隔転移を認めることも少なくなく・不幸な転帰をとる症例も稀ではな 甲状腺分化癌ではすでに年齢,被膜外浸潤・遠隔転移などの確立された臨床的予後因子が存在しているが・今 回これら臨床的予後因子の他に,遺伝子レベルでの要素が臨床的な予後と関係していないかを調べるため,免疫 組織学的手法を用いRB,bcl-2遺伝子について検討を行った0その結果,1)RB蛋白の発現が無い症例では,RB 蛋白の発現が有る症例より再発が有意に多くみられ,部位別では遠隔再発があった症例でRB蛋白発現陰性症例 が有意に多くみられたこと,2)RB蛋白の発現が無い症例では・RB蛋白の発現が有る症例より生存率(overall survival)が有意に低下したことが確認された0また・他の臨床的予後因子とは年齢,N分類,M分類において・ 統計学的に有意な関連性を認めた0 以上より,RB蛋白の発現の程度を免疫組織化学手法を用いて検討することは,甲状腺分化癌の病態を知る上 で一助になると思われ,今後新たなる予後因子として期待されることが示されたobcl-2に関しては・肺癌,卵巣 癌,非ホジキン型リンパ腫などでbcl-2蛋白の発現とその予後が関連しているとの報告がある0しかし・本研究 ではbcl-2蛋白発現とT分頬において統計学的に有意な関連性を認めたものの,再発の有無・10年生存率におい て有意な関連性は認められなかった0今後,bcl-2に関してさらなる検討が必要と思われた0 論文審査の結果の要旨 申請者小川徹也は,甲状腺分化癌の病態とRB・bcl-2遺伝子との関係を免疫組織化学法を用い検討した0そ の結果,RB蛋白陰性例では陽性例より有意に再発率が高く,また10年生存率が有意に低いことを示した0また・ その発現が臨床的予後因子と考えられる年齢,N分類,M分類と関連していることを示した0この知見は,甲状 腺分化癌における新たなる予後因子として期待され・今後の甲状腺分子腫瘍学の進歩に少なからず寄与するもの と認める。 -102-[主論文公表誌] 甲状腺分化癌の病態とRB,bcト2遺伝子との関係 一免疫組織化学法を用いて一 平成10年5月発行 日耳鼻101‥595∼601

参照

関連したドキュメント

にて優れることが報告された 5, 6) .しかし,同症例の中 でも巨脾症例になると PLS は HALS と比較して有意に

15762例目 10代 男性 下市町 学生 (県内) 軽症 県内感染者と接触 15761例目 10代 男性 天理市 学生 (県内)

の多くの場合に腺腫を認め組織学的にはエオヂ ン嗜好性細胞よりなることが多い.叉性機能減

混合液について同様の凝固試験を行った.もし患者血

 12.自覚症状は受診者の訴えとして非常に大切であ

信心辮口無窄症一〇例・心筋磁性一〇例・血管疾患︵狡心症ノ有無二關セズ︶四例︒動脈瘤︵胸部動脈︶一例︒腎臓疾患

 高齢者の性腺機能低下は,その症状が特異的で

10例中2例(症例7,8)に内胸動脈のstringsignを 認めた.症例7は47歳男性,LMTの75%狭窄に対し