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[総説]パインアップル高度利用「リキッド・発酵コラーゲン・ペプチド(LCP)」の開発背景と栄養・生理機能特性について : 第2報LCPの栄養・生理機能特性: 沖縄地域学リポジトリ

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Title

[総説]パインアップル高度利用「リキッド・発酵コラーゲ

ン・ペプチド(LCP)」の開発背景と栄養・生理機能特性につ

いて : 第2報LCPの栄養・生理機能特性

Author(s)

梶原, 苗美; 山口, 米子; 河野, 友美; 梶原, 葉子; 芳山, 恵則

Citation

南方資源利用技術研究会誌 = Journal of the society tropical

resources technologists, 9(1): 23-34

Issue Date

1993-03-20

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/14071

(2)

Vo19 Nol 1993 パインアップル高度利用 第2報 パ イ ン ア ッ プ ル 高 度 利 用 「リ キ ッ ド ・発 酵 コ ラ ー ゲ ン ・ペ プ チ ド

(

LCP)」の開発背景 と栄養 ・生理機能特性 について

2

LCP

の栄養 ・生理機能特性

美 友 野 河 子 則 米 悪 口 山 山 芳 J l , ・卜 百 薬 原 原 梶 梶 (1)神戸女子大学家政学部, 2)河野食 品研 究所, 3)新 田ゼ ラチ ン株式会社)

NaemiM.KAJIWARA,Yoneko YAMAGUCHI,TomomiKONO, Yoko KAJIWARA and ShigenoriYOSHIYAMA :DevelopmentofLCP (Fermented LiquifiedCollagen Peptide)by Utilizing Pineappleand ItsNutritional and PhysiologicalCharacteristlCS.(2)Nutritionaland PhysiologicalPropertiesofLCP

緒 言 コラーゲ ンは晴乳動物 の体蛋 白質 中に約30% も含 まれ,動物体 中に最 も多 く存在す る蛋 白質 であ る. この コラーゲ ンは,植物 の繊維素 と同 様 に動物体 内では体形維持 の役割 を担 った線維 状蛋 白で,動物界 に広 く分布 している もので あ る. コラーゲ ンの食品への利用 は非常 に多岐 にわ た り, コラーゲ ンとしてのみな らず,その加 水 分解 物 で あ るゼ ラチ ン, ペ プチ ッ ド, ア ミノ 酸 としての幅広 い消費 に加 え,近年,特 にユ ニ ー クな食 品素材 と しての利 用 も注 目されて い る9・10・⊥1) しか しなが ら, コラーゲ ンの資源 として の豊 富 さに対 して, その蛋 白栄養資源 としての利 用 は未だ余 りなされていないのが実情である. こ れには,い くつかの原 因が考 え られ るが, そ の 一つ は,19世紀 に栄養学会 をに ぎわ したゼ ラチ ン問題 の顛末20)であろ う.19世紀初 め ヨーロ ッ パ で穀物 の水害 に よる食糧 不足 が 問題 とな り, 骨 か らとったゼ ラチ ンを肉類 の代用 にす る事 が 1)神戸市須磨 区東須磨青 山2- 1 2)大阪市東淀川 区瑞光4-11132-606 3)大阪府八尾市二俣2-22 真剣 に検討 されたが,ゼ ラチ ンのア ミノ酸組 成 の特殊性 か ら,数多 くの研究,動物実験が行 わ れたに もかかわ らず,賛否両論, はかばか しい 結論 を得 るにいた らなか った (但 し, これ ら一 連 のゼ ラチ ン研究 は蛋 白栄養学の発展 には, 大 いに貢献 した).第2に挙 げ られ るの は, 水 溶 性 ゼ ラチ ンが脂肪 を含 まない濃厚 な動物性 蛋 白 質で あ る ところか ら理想 的 ダイエ ッ トフー ド (liquid protein) として推奨 された まで は よい が,その利用法 を誤 った事Il)であろ う. しか し なが ら, この為 にゼ ラチ ンの蛋 白栄養食品 と し てのイメージは非常 に悪 くなったの も事実 で あ ろう. コラーゲ ンは医療用 の他,食用 としてゼ ラチ ンゼ リーのみな らず種 々の食 品に利用 され て は い るが,蛋 白栄養源 としての大量利用が未 だ な されていない理 由の一つ として以上 の様 な事 が 考 え られ る. さらに大量摂取す るには, コ ラー ゲ ン独特 のニカワ臭が敬遠 され,又,最 もポピュ ラーな料理の一つであ るゼ ラチ ンゼ リーの形 で は,一度 に多量 に摂取す ることは難 しい.美 味 でた くさん食べ る事がで きる蛋白質 としてコラー ゲ ンが利用 で きるようになれば新 しい食品資 源 開拓 の道が開けるである う. そ こで,我 々はLCP (リキ ッ ド ・発酵 コラー

(3)

梶 原 苗 美 他 ゲ ン ・ペプチ ド) に注 目した. LCPはコラー ゲ ン (ゼ ラチ ン) をパイナ ップル中の蛋 白分解 酵素であるブロメライ ンに よ り低分子化 して, 更 に酵母 による発酵処理で芳醇な香 りづけを行っ た,低粘度 ・液状 の コラーゲ ン由来ペ プチ ド (新 田ゼ ラチ ン株式会社 開発 ・製造) であ り, 風味,テクスチ ャー共に蛋 白源 として量的摂取 が可能な食品素材 で あ る. そ して, LCPは天 然のパ イナ ップルジュース中の酵素 を作用 させ て造 られたペプチ ドであることか ら,元のゼ ラ チ ンや,あるいは合成酵素 により低分子化 され たペプチ ドなどとは異 なった新 しい食品機 能 や 生理活性が期待で きるので はないか と考 えた. 我 々はこのLCPを用 いて, 蛋 白栄養効果 を く わ しく調べ ると共に 生理 活性 ペ プチ ドと して の栄養 ・生理機能特性 を検討 してみることに し た. まず最初 に, 蛋 白栄養源 と してLCPを有効 利用す る為 には栄養実験 の基礎的データが必要 であると考 え, ラ ッ トを用いて動物実験 を行 っ た.即 ち, ラ ッ トにLCPを与 えて成長観 察 を 行 い, 蛋 白栄養源 と してのLCPの飼 料 効 率 , 一般血液性状等 を調べた. 次 に,種 々の食品の持つ第三次横能 としての 生理活性ペ プチ ドが非常 に注 目されているので, コラーゲ ン由来ペ プチ ドであ るLCPの生 理機 能 を持つ活性ペ プチ ドとしての可能性 を以下 の 項 目に分けて探 ってみることに した. 1) コラーゲ ンの誘導蛋 白質であるゼ ラチ ン は以前 より術後食や各種病人食 における消化 吸 収の良い蛋白質源 として用 い られてい る.又 , 漢方では,ゼ ラチ ンは,阿腸 と呼 ばれ,止血作 用のあることも知 られてい るので, LCPが通 常のゼ ラチ ンゼ リーな どよ り一度 に 多量 に摂 取 しうるとい う特性か ら,ス トレス等 による消 化管潰蕩 を防御 し,保護す る効果が期待で きる のではないか と考 え, ラ ットに実験潰傷 をお こ させてLCPを投与 し,その影響 を調べ てみ た.

2

)近年,高血圧や脳卒中の予防に "栄養 日 が最 も大 きな影響 因子 と して注 目されてお り, 南方資源利用技術研究会誌 特 に各種食品蛋 白質及び蛋 白質由来ペ プチ ドの

ACE

阻害活性 や血圧 上昇抑制作 用が調べ られ ている.そこで我 々は,動物体中に最 も多 く存 在す る蛋 白質で真皮や結合組織の主成分で あ る コラーゲ ン由来ペ プチ ドが高血圧 あるいは動脈 硬化等 の予防に寄与す るので はないか と考 え, 高血圧 自然発症 ラ ッ ト

(

SHR)

を用 いて検討 した. 3) その他 に, これ は, LCP摂 取経験 者 の 申告 によるものであるが, ビール等のアル コー ル飲料 と共 にLCPを飲 む と少量 の アル コール 飲料摂取 によって も心地良い "酔い"の感覚 が よ り強 く感 じられるような気 がす る との事 で, LCPがアルコール代 謝 に何 らかの生理 的影響 を与えるのではないか と考 え,ボランテ ィアに よるLCP混合低 アルコール飲料 (1%レベル : 清涼飲料水)摂取時の生理的影響を,バイオフィー ドバ ック装置

(

GSR)

・フリッカー等 を用 いて 検討 してみた. 以上,LCPの栄養及 び生理機能特性 につ い て,いづれ も未だ検討 中であるけれ ども非常 に 興味ある結果が得 られているので途中経過 も含 めて報告する.

1.

LCPの蛋 白栄菜効果について 蛋 白質,あるいはペプチ ド, いず れ にせ よ, その基本構成単位 はア ミノ酸である.食品の蛋 白栄養価 を論 じる場合,現在の栄養学ではその 中の各必須 ア ミノ酸の構成比率のみが重要視 さ れているきらいがあるが,必須 ア ミノ酸 は身体 に必須の ア ミノ酸で可欠 ア ミノ酸 は必須で ない ア ミノ酸である- とい う訳では勿論 ない.必須 ア ミノ酸 は我 々の体内で合成出来 ないか, あ る いは出来て もその量が少 な く,体外 よ り食品 と して摂取す ることが必須であるア ミノ酸の事 で ある.我 々の身体 にとっての重要度 は可欠 ア ミ ノ酸 も必須 ア ミノ酸 も変わ らない とい って よい であろう.近年,非必須 ア ミノ酸の栄養効果 に ついて も注 目され,検討 されるようになって き ている (LLJ本24),Ikemotoら4)). とはいえ,現

(4)

Vo19 Nol 1993 在の ところ, まだ食品の蛋白栄養効果 を判定 す るよ りところ となっているのは必須 ア ミノ酸 の 含有比や量であるので,その方法のみでは, 食 品蛋白の真の栄養価 は論 じられない事 を我 々 は 常 に念頭 においてお く必要があるであろう. 最 も体内で利用 されやすい理想的な蛋 白質の必須 ア ミノ酸 組 成 (ア ミノ酸 評 点 バ ター ン) を 100とした場合の,蛋 白質の各必 須 ア ミノ酸 の 基準 に対す る比 をア ミノ酸価 とい う.ところで, LCP(コラーゲ ン, ゼ ラチ ンも同様) はア ミ ノ酸価がゼロである. これは,必須 ア ミノ酸 で あるTrp (トリプ トファン) を含 まないか らで ある.その他のア ミノ酸 に関 して も,ゼ ラチ ン は非常 に特殊なパ ター ンを してい る.例 えば, トリプ トファン, シスチ ン, システインを殆 ど 含 まず, グ リシン,及 び, プロ リンとヒ ドロキ シプロリンの和が各々全体の%ずつ を占めてい る (ヒ ドロキシプロ リンは, コラーゲ ンに しか 含有 されていないア ミノ酸 であ る). この様 に 体蛋 白の中で最 も量の多い蛋白質であるコラー ゲ ンが特殊 なア ミノ酸組成である事 自体 む しろ 何 らかの大 きな意味があるのではないか と も考 え られ,その点に関 しては今後 もっと検討 され て もいいのではないか と考 えている. ア ミノ酸価がゼロであるゼ ラチ ンの栄養価 に ついては単独では完全 な成長発育 は難 しいので 古 くよりア ミノ酸の添加,あるいは他 の食 品 と の相補性 とい う観点か ら研究 されてお り,小柳 ら5),林 ら3)は米蛋 白との組合わせ ,松 田 10)は 小麦粉 との組合わせで動物実験 を行 い,いず れ も,安価 な蛋 白質であるゼ ラチ ンによる栄養改 善効果 を報告 している. そこで我々は, ア ミノ酸組成 はゼラチ ンと同 じであ って も,ペ プチ ドの形 にな ってい るLC Pの蛋 白栄養効果 を, まず,その必須 ア ミノ酸 パ ター ンを大 きく変えない状態で調べてみ る為 に,同 じ動物蛋 白質ではあるが,良質蛋 白質 と して知 られているカゼインとの組合 わせで,予 備実験 を行 った. 実験動物 は日本 ク レア㈱ より購入 した6週齢 パ イ ン ア ップ ル 高 度 利 用 第2報 のWistar系雄 ラ ッ トで, 1週間20%カゼ イン食 で予備飼育 した後, 7週齢 よ り各群 2- 3匹で 実験食 をスター トした (図1). 実験 食 の蛋 白 0 67 10 20 30 40

図1.LCP投与 ラ ッ トの成長曲線 (予備実験) (タ ンパ ク賀 計) 実験 食Ⅰ 7%カゼ イ ン食85% (51%) +LCP粉15%(117%)-168% 実験食[ 7%カゼ イ ン食95% (5,7%) +LCP粉5% (39%)- 9.6% --実験 食Ⅲ 2%カゼ イ ン食95% (16%) +LCP粉5% (39%)- 55% ( ) 内 は タ ンパ ク レベ ル レベルは,実験食 Ⅰ, Ⅰ,Ⅲでそれぞれ約17%, 10%, 6%で, カゼ イ ン蛋 白 とLCP (粉 末) の比が, Ⅰ- 1 :2, Ⅱ- 1:0.7, Ⅲ- 1:2. 4である.1年齢近い高齢 (44週齢) までの長 期 間に渡 って,体重測定 を行 った ところ,蛋 白 質の%あるい はそれ以上 をLCPで摂取 した動 物では, 6%弱 とい う低蛋 白 レベル (実験食m) では殆 ど体重が増加 しなか ったが,蛋白含量 を 標準 レベル まで増加 した食餌 (実験食 Ⅰ)では, 非常 に良好 なグロースカーブが得 られた.LC Pが全体の%弱の混合比率の場合, 蛋 白 レベ ル が10%で も,更に良好 な成長 を示 した. 次に,良質標準蛋 白質 (カゼイ ン) にこれ と 等量のLCPあ るい はゼ ラチ ンを加 えて成長及 び,一般血液性状観察 を行 うと共に,ゼラチ ン とそのペ プチ ド (LCP)の栄養効果 の比較 を 行 った. この実験では,離乳直後の3週齢 よ り 実験食 を与 え,12週齢 まで観察 した.実験食は, ④ は7%カゼイン食 (6%蛋 白 レベ ル),② は 等量の蛋 白質 をLCP(粉末)で追加す る もの,

(5)

梶 原 首 美 他 ③ は

LCP

をゼラチ ンで置 きか えてお り,① は カゼインのみでつ くられた餌で(多食の 2倍 の蛋 白質 を含む.図2に8週齢時のラ ッ トの平均体 体重 (g) 1

16

6

6

6

2,LCP

又 はゼ ラチ ン混合食投与 ラ ッ トの 8過齢時 における成長 と飼料効率 (平均 ±S.D.) ① 14%カゼイ ン食 :□ ②

7%

カゼ イン

+7

.

6%LCP

混合食 :玩 ③

7%

カゼ イン

+7%

ゼラチ ン混合食 ‥甑 ④

7%

カゼ イン食 :冒 重 と飼料効率 (DER- 1日当 りの体 重増加量 (冒)÷ 1日当 りの摂食量(g))を示 した.平均体 重 は34蛋白 レベルであった実験食④ のグル ープ で最 も低値 を示 し, これ に等量 の

LCP

又 は, ゼ ラチ ンを添加 した② ,③食群では, カゼ イ ン 14%食群 (12%蛋白 レベル①) には及ばなか っ た ものの,明 らか に体重 が増加 し

,LCP

やゼ ラチ ンの添加効果が認め られた.そ して,餌1 g当 りの体重僧加量 (DER)は,① >② >③ >④ の順であ り, ア ミノ酸価 が

1

0

0

の①④ 食 に 比べ②,③食 は59であるに もかかわ らず,成長 期動物 における飼料効率 はかな り良い値 を示 し, 又は,わずかで はあ るが,(参よ りも(参の

LCP

南 方資源利 用技 術研 究会 誌 混合食群でDERが高い傾向 も見 られるのは,L

CP

のペプチ ドとしての栄養効果 の改善 を示 す ものか もしれない, これ らの動物の12週齢時における一般血 液性 状 を調べてみた ところ (図3), 貧血傾 向の有 -マ トリック値 (%) n

6

8

6

6 図 3.

LCP

又 はゼ ラチ ン混合 カゼ イ ン食投 与 ラ ッ トの12週齢時 における一般血液性状 (平均 ±S.D.) ① 14%カゼイン食 :□ ②

7%

カゼイン

+7

.

6%LCP

混合食 ‥匹 ③

7%

カゼイン

+7%

ゼ ラチ ン混合食 :夢 ④

7%

カゼイン食 :迅 -

(6)

26-Vo19 No1 1993 無 を示 す平均血球容積即 ち, ヘマ トク リ ッ ト (Ht)値 は,半分の蛋白 レベ ルの カゼ イ ン食 で ある(多食のみ低値 を示 したが,LCP (②), ゼ ラチ ン (③)群共 に標準蛋 白食群 (①) と変 わ らず,又,生体の免疫能の 目安の 1つ ともい え る白血球の数 (wbc)は,ゼ ラチ ン群 , % カゼ イン群で低下 していたが, LCP食 で は,対 照 群 と変わ らなか った.そ して,血 中総 コレステ ロール濃度 (T・cho) は低 カゼ イ ン食 で上昇 し たが,LCP,ゼラチ ン食群では低値 を示 した. 但 し,血 中アルブ ミン濃度は,対照群に比べて, 他のいずれの群で も低下 したが,④食 に比べ る とその低下率 は,(塾,③食群で少 なか った. 以上,LCPを蛋 白源 と して ラ ッ トの栄養実 験 を行 い,LCPの飼料適性 に問題の ない こ と, 即 ち,LCPだ けで は ア ミノ酸 イ ンバ ラ ンスの ために動物の生育 は難 しいが, カゼインを配合 す る事で ラ ットの良好 な成長が得 られ, 又

,L

CP自体 に毒性 のない事 も, 成長観察 ,血 液性 状検索等 によ り確認 されたので,今後 は他 の蛋 白質例 えば,植物性蛋 白質 との相補性等 も考慮 に入れて, よりよい蛋 白質栄養 源 と してのLC Pの有効利用の可能性 を検討 してゆ きたい と考 えている.

2.

LCPの栄養生理学的特性 について 1)LCPの粘膜保護作用 漢方でアキ ョウ (阿腸) と呼ばれるゼ ラチ ン に血行促進効果や止血作用2・25)が知 られている. 一方, ます ます複雑化 す る現代社会 にお いて, 我々は,様 々なス トレスに晒 された生活 を余儀 な くされてお り,その為 に消化管,特 に胃, 十 二指腸の急性あるいは慢性の潰癌 の発症が, し ば しば報告 されている. この疾患の発生の病 態 生理 については長い間研究 されて きたが,従 来 よ り考 えられて きた酸,ペ プシンなどの攻撃 因 子の分泌動態 に加 えて,防御 因子である粘膜血 流や粘液 との複雑 な絡み, さらに,生理活性物 質であ る内因性 プロス タグラ ンデ ィンに よ る cytoprotection作用の関与等が指摘 され一元 的

パインアップル高度利用 第2報 とらえ方で理解す ることは難 しい として潰蕩発 生模構の概念 も又,複雑化 して きている)Z). そ こで, 胃粘膜の廉欄や出血 を起す消化性潰傷 の 多 くの場合,粘膜血流量低下12)が見 られ る事が 知 られているので,ゼ ラチ ンの持つ血行促進 や 血液凝固促進作 用 に注 目 し, 更 にLCPが量 的 に摂取 しやすい液状である事か ら, ラ ットに実 験潰蕩 を起 こさせLCPを革 ませ て粘膜保護効 果の有無 を調べてみることに した, 実験動物 は 日本SLC㈱ よ り購 入 した離乳直 後の雄Donryu系 ラ ッ トで,約 2週 間予備飼育 し, 5週齢時に24時間絶食 させ た後, 03%メ チルセル ロース (MC) にアス ピ リンを200mg

/ 2

meMC/ ラ ッ トの割合で,ゾ ンデで強制授 与す ることによってアス ピリン潰蕩 ラ ットを作 成 した. 又 , ア ス ピ リ ン非 投 与 正 常 ラ ッ ト (normalcontrol) には,MCを投与 した. ラ ッ トなどのげ っ歯の胃 (図4) は白色 の前 胃 と, やや赤味 を帯 びた後 胃 (腺 胃) よ りな り,前 胃 図4, ラ ットの胃 部 は食道の続 きで軽度の角化 を伴 った偏平上皮 が粘膜上皮 となっている.後 胃部 は一層の円柱 上皮で覆われ十二指腸へ と続 く.前 胃と後 胃の 境界部 を境界線 といい前 胃粘膜が隆起 して両者 を鮮明に区別 している.又,後 胃部 は胃底腺領 域 と幽門腺領域 に分かれ,潰痔 出血あるい は廉 欄 は主 に胃底腺領域で起 るが, ひどい時には幽 門腺領域で も観察 される. 実験では,予備飼育後,対照群,ゼラチ ン群

(7)

梶 原 酋 美 他 及 び

,LCP

群 に分 けて

,2

4

時 間 の絶 食 開始 時 よ り屠殺時 まで各々のグループに水,又 は3% ゼ ラチ ン液 +水 , 又 は3.75

%

LCP液 を 自由摂 取 させ た.

2

4

時間後 にアス ピリンを強制投与 し 4時間後 に屠殺 し胃を摘 出,剖検 を行 い, 肉眼 所見での 胃内容物へ の出血 (凝血) の量, 胃粘 膜の輿欄 の程度 を判定 した.図5にそれ らの結 上 !

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∴ 、ゴ ; 図

5.

アス ピ リ ン潰蕩 ラ ッ トにお け る

LCP

の 粘膜保護効果 A:アスピリン非投与正常ラット (水+メチルセルロース群) B:アスピリン投与ラット (水群) C:アスピリン投与 ラット(3%ゼラチ ン群)

D:

アスピリン投与ラット

(

3

.

7

5

%LCP

群) アスピリン投与量はB.C.Dともラット1匹 当たり200m9 (2meのメチルセルロ-スニ溶解) 果 を示 した. アス ピリン潰癖 の程度 は水 のみ摂 取 した ラ ッ トで は著 しく (B), 胃底腺領域 の みな らず幽門部 に も廉欄 状 態 が観 察 され たが ,

LCP

群 (D) で は アス ピ リン非投 与 正常 ラ ッ ト (A) には及 ばないが,明 らかに潰蕩 出血 や 廉欄 は阻止 されてお り,ゼ ラチ ン群 (C)で は 防御効果 は殆 どみ られなか った. これ らの動 物 の剖検所見 を胃粘膜 の出血或 いは廉欄 の程 度 に よ り0-+5までの ランクで判定 した潰蕩係 数 で表 した ところ, アス ピ リン投 与対 照 群 で5.8 であ ったのに対 し

,LCP

摂取群 で は

4

.

5

で あ っ た.又,PAS染 色 に よる組織 学 的検 索 に よっ て も (図6), この傾 向 は確 か め られ, コ ラー 南方資源利用技術研究会誌 図

6.

アス ピ リン潰蕩 ラ ッ トにお け る

LCP

の 粘膜保護効果 (組織学的検索)

A:LCP

(-)

B:LCP

(+) ゲ ン由来ペ プチ ドで あ る

LCP

が実験 的 胃潰虜 を防御 し,粘膜 を保護す る効果 を有す る事 が判 明 した. アス ピリンは酸性抗炎症薬であ り, 酸 性 では分子型である為, 胃粘膜 を容易 に通 過 し て上皮細胞 内へ入 り, イオ ン型 に変 わ り膜 透過 性 を失 って細胞内 に蓄積 し,酸が逆拡散 して粘 膜障壁 を破壊す るl)事が知 られている (逆拡 散 読).

LCP

のアス ピリン潰蕩抑制効 果 は未 だ例 数 も少 な く,そのメカニズム解 明には至 ってい ないが,一般 に急性 胃粘膜病変の発生 は粘 膜血 流 を中心 とした防御機構 の破綻が先行 し,二次 的 に酸 ・ペ プシ ンの逆拡散が関与す るので はな いか と考 え られて お り,又 ,粘 液分泌,HCO ㌻ 分泌及 び粘膜血流 な どの諸 因子 に対 し,粘 膜 プ ロス タグラ ンデ ィンが作用 していて攻撃 因子 及 び防御 因子 の両方 に微妙 な影響 を与 えてい る こ とが想定 されてい るので, これ ら複雑 な消化 管 粘膜 防御機構 12)の どの部 分 に

LCP

が 関与 して

(8)

Vo19 Nol 1993 いるのか今後 さらに検討 して行 きたい と考 えて お お ほこ いる.中村 ら】7)も車前草種皮 によるラ ッ トの ス トレス潰蕩抑制効果 を報告 しているが,ス トレ スの多い現代人 にとって, 日常摂取 し得 る食 品 に消化管潰蕩抑制効果 を期待 で きる とす れば, これは非常 に大 きなメリッ トと考 え られる. 2)LCPの高血圧 自然発症 ラ ッ トにおける 血圧上昇抑制効果 食品蛋白質はその栄養源 としての機能に加 え 消化分解物であるペ プチ ドが種々の生理機能 を 有す ることが報告 され,血圧調節系,特 に レニ ン ・ア ンギオテ ンシン系 に関与す る, レニ ン及 ひACE (アンギ オテ ンシ ン変換酵 素) を阻害 す る食 品 蛋 白質 由 来 ペ プ チ ドにつ い て は , oshimaら)8)のバ クテ リア コラゲナーゼで作 っ たゼ ラチ ンペプチ ドの報告が最初であ り, その 後,カゼ インの加水分解物6・7・8), ツェイ ンの 水解物 14),米 の蛋 白質 由来 ■6), 大豆 蛋 白質 由 来 13),魚肉由来23),清 酒副産物 由来 19)等, 敬 多 くのペプチ ドに よるACE阻害活性 の報告 が み られる.高血圧 自然発症 ラ ットを用いて,抗 血圧上作用 を調べた報告 15・2'・22)も多い. LCP及 びゼ ラチ ンの抗血圧上昇作 用 につ い ては,invitroのACE阻害活性測定結果 (新 田 ゼ ラチ ン㈱提供)があ り, これによると, 同時 に測定 した大豆蛋 白ペプチ ドや魚蛋 白ペ プチ ド の50%阻害濃度 が 0.004-0.005%であ ったに もかかわ らず, LCP (液状) は0.02%にす ぎ ず,又,LCP (粉末) で は さ らに高濃度 であ る事が必要 で,又, ゼ ラチ ンに至 っては,0.3 %濃度でやっと20%阻害活性 を示 したに過 ぎな か った. このin vitroの実験結果 か ら, LCP の高血圧予防効果は大豆や魚のペプチ ドに比べ て弱 く,又,ゼ ラチ ンに関 しては殆 ど期待 で き ないのではないか と予測 された. ところが,予 想 に反 して, ln Vivo,即 ち高血圧 自然発症ラッ ト(SHR)を用いて行 った動物実験 で は, LC pの摂取によって血圧上昇がかな り抑 え られ る とい う結果が得 られた.実験1 (図7)は成熟 パ イ ンア ップル高度利用 第2報 ラ ットに液状LCPを375%に希釈 して水 の代 わ りに 自由摂取 させ た ものであ り, 最高血圧 実験1 ′a 胃 zoo ヽJ 也 匡 100

1

3

1

5

1

7 1

9

2

1

齢 (過)

2

3 2

5

図7.SHRの血圧 に及ぼすLCP液投与の影響 対象群 (水投与)

:-

LCP投与群 : (SBP)は対照群 に比べ低 い傾 向が観察 され, 最低血圧 もやや対照群 に比べて低値 を示す傾 向 が見 られた.又,離乳直後の幼君SHRに粉 末L CP混合食 (casein:LCP- 1 :1. 蛋 白 レベ ル20%) を与 えて飼 育 した ところ, (実験2, 図8)収縮期血圧 は対照群 よ りも低値 であ り, 実験2 10 鶴 (過)15 図8.SHRの血圧 に及ぼすLCP食投与の影響

○ :

対象群 (市販固型食) ■ :LCP食群

(9)

梶 原 笛 美 他 粉末,液状 いず れ の場 合 で もLCPが抗 血圧 上 昇作用 を有 す る とい う傾 向 を観察 した.バ クテ リアの コラゲナ ーゼ を用 いて低 分子化 した ゼ ラ チ ンペ プチ ドのACE阻害 活 性181は報 告 され て い るけれ ども, ゼ ラチ ンそ の もの や,LCPに つ いて はinvitroの実験 で はACE阻害 活性 が低 か った に もか か わ らず,SHRの最 高 血 圧 上 昇 抑 制効果 が観察 された.現在 , ミネラル出納 へ のLCPの影響, 或 い は他 の既 に血圧 上 昇 抑 制 効果が報告 されてい る生理活性ペ プチ ドとの比 較 につ いて も実験 を進 めつつ あ る.一方, デ ー タには示 していないが, 血 清ACE活 性 はLCP 投与群 でやや低 い傾 向 を示 した ものの殆 ど低 下 してい なか った の で, LCPの血 圧 調 節 機 構 -の関与 は レニ ン-ア ンギ オテ ンシ ン系 の み な ら ず,他 の血 圧 調 節 系 へ のLCPの 関与 も推 測 さ れ るので,今後,例 数 を重 ねて詳 しく検討 す る 必要が あ る と考 えてい る.

3

)アル コール飲料 とLCP 学 生 (女 子, 20-22才 ) を被 験 者 と して , 低 アルコール飲 料 (1%) にLCPを添 加 した もの (1%アル コー ル◎LCP)を飲 んで も ら い,運動 負荷 直後 の緊張 の状態 をバ イオフ ィー ドバ ック装置 (OG技研 ㈱ 梨,BF-102R) を 用 い て 皮 膚 電 気 抵 抗 (GSR :galvanic skin reflex,緊張時の手 の平 の発 汗 量 を通 電 量 と し て計測 した数値 ) を測 定 して, LCPを含 まな い低 アル コール飲料摂取 時 (1%アル コー ル

O

LCp-対照),及 びnon- アル コール飲 料 にLC pをプ ラス した もの (0%◎LCP)更 に プ ラス しなか った もの (0%OLCp- 0%対 照 ) を 飲 んだ時 と比べ た (表1). 図9Aは実験 条 件 の説 明 の為 にGSR億 の測 定 結 果 を片 対 数 グ ラ フに図示 した もののモデルで あ る. ポイ ン ト 1. は横 臥安 静 時 のGSR借 , ポ イ ン ト2は1分 間 自転車エ ル ゴメー ターで運動負荷 後,直 ち に各 サ ンプル飲料 を200ml飲 み, 5分 間安 静 後 のG SR値 , ポ イ ン ト3はポ イ ン ト2に引 き続 き20 分 間横 臥安静後 のGSR値 で あ る.GSR値 は低 南方資源利用技術研究会誌 値 で あ る程高 い緊張度 を表 してい る. 図 は比 較 しやす い様,LCP (+)群 のポイ ン ト1をLC p (-) 群 のポ イ ン ト1の値 に一 致 させ る よ う 表 1.低 アル コール飲料 の配合表 1%アルコール0%アルコール 対照 +LCP対照 +LCP LCP(アルコール1%) - 1715ne - 17.15de 梅酒 (アルコール148%) 122mg12.2me - 1 焼酎 (アルコール35%) 0.49me 1 - -リンゴ1/5透明濃縮果汁 10me lone lone lone 中国産レンゲハチミツ 79 79 79 79 梅1/10濃縮果汁 0.79 0.79 0.79 079 梅フレーバー 029 0.29 029 0.29 水 X X X A totalvolume(仕上が り) 200me 200me 200me 200m` アルコールvolme 198mg198me

0

0.17me アルコールvol% 099% 099% 0 009%

.

D

ポ イ ン ト1

1

、 匪 イン ト__I」 † I_ポ イン ト31

l

#

2

1

安静時 ポイ ン ト2 投与5分後 ポイ ン ト3 投与後の安静 20分後 図9A.アル コール飲用 にお けるLCPの影響 (モ デル) ● - ●LCP

(

+)

〇 一日一一一〇LCP (-)

(10)

Vo19 No1 1993 各点 をス ライ ド移動 させている.各被験者 の数 十回に渡 る

GSR

の平均値 の内

, 1

%アル コー ル飲料の ものを図9Bに示 した. アルコール に 対す る生体反応 は本来個人差が非常に大 きいが, (SSR) SO

l

l

l

t

A.

/

A

.j>

B

/

、T

A /A \ー ノC) 'ー ′

K

.O l. ー0 U JE 図 9B. アルコール飲用 におけるLCPの影響 (1%アルコール)

●-

●LCP

(

+)

〇一

一〇LCP (-) この点 を考慮 した上 で

GSR

の数 値 を集 約 し, 傾向 を見た ところ, 9人 中 6人でLCP添加 の 1%アル コール飲料 の場合 , ポ イ ン ト2と 3 (即 ち運動負荷後)の

GSR

の数値 が無添加 の も のに比べて低 い,即 ち緊張度 がLCPに よって やや高 まる傾向が観察 され,又,その緊張 は20 分後 も持続す る傾 向が見 られた. この傾向 は各 被験者への聞 きとり調査で も確認 されたが, そ の表現 はLCP㊥飲料 で0飲料 の時 よ りも 「気 分の昂揚感がある。」 とか

,

「少 しドキ ドキす る 感 じ

「酔 いが早 く回 って持続す る様 な-。」 等であ った. これは清涼飲料水 レベルであ る1 %アルコール濃度 の飲 み物 でLCPを添加 す る 事 によって,お酒の "酔い"に近いリフレッシュ 感 を短時間ではあるけれ ども, よ り強 く味 わ う 事がで きるとい う事ではないか と我 々は推測 し た. しか しなが ら,その "酔い"の程度 は余 り に軽い為,軽度の興奮感 として しか感覚的 に捉 える事が出来ないので微妙 な興奮或いは緊張度 を精神性発汗で観察出来ない ものか と考 えてバ イオフィー ドバ ック装置 を用 いて測定 してみ た もので,未だ例数 は少ないがアルコール代 謝 に パインアップル高度利用 第2報 LCPが何 らかの影響 を与 えてい るので はない か との感触 を得 た.他 にフ リッカーラス トや皮 膚温変化 の測定等 による比較 も試みたが,あ ま りに低 いアルコール飲料であ った為 に対照 との 差 は数値 として現れてこず,一定の傾向を得 る に至 らなか った.又, アルコールによる軽度 の 興奮感 を増幅 させ る為 に,対照帯,テス ト群 共 に自転車エルゴメーターによる一定の運動負荷 をかけてみたが, この点 については "酔い''の 感覚の捉 らえ方同様,検討の必要があると考 え ている,アルコールは, 胃で20%,小腸で80% が吸収 され, 口腔内で も吸収 されるが, "酔い" の感覚 は飲酒後血 中濃度が ピークに達する30分 か ら

2

時間後の間に最高潮 になると言われるが, 1% レベ ルの アル コール濃度で あ って もLCP と共に摂取す ると酔いの感覚が速 く,又,強 く 現 れるとい う事 はLCPがゼ ラチ ン由来ペ プチ ドである為であろうか.即ち,漢方では "阿勝" が血行 も良 くす る作用があ り,単味で これ を使 用す る時 は酒で煎 じた り,粉末 を酒で服用 す る と良い とされてお り, これは, アルコール と阿 豚の相乗効果 を期待するもので,少量のアルコー ル もLCPによ って促 進 された血 液循環 に よ り 有効 に全身を巡 る事が 出来 るのか も知 れ ない. 又,アルコール代謝 を促進す る事が知 られてい るア ミノ酸のアラニ ンがゼ ラチ ンには多 く含 ま れている事か ら, アル コール飲料 とLCPの組 合せ は非常 に相性 の良い もの と言えるであろう. 適量のアルコールは疲労感抑制効果があ り,脳 に対 しては一過性 に脳皮質 を興奮 させ,又, 時 に過度の緊張や不安のある場合で複雑 な思考 が 阻止 されている時 など, アルコール摂取 に よ り 却 って逆 に阻止機構 を抑制 して本来の活動 を取 り戻 し,見かけ上,或いは結果 として促進 とな る場合 もある. しか しなが ら,実際 にはこれ ら のアルコールのメ リットは判 っていて も,我 々 は通常昼 間か ら仕事 中にアルコールを摂取す る 訳 には行かない.そ こで微量のアルコール飲料 (分類 としては清涼飲料水) に よ り, ス トレス の多い現代人が時間や場所 にこだわ らず, いつ

(11)

梶 原 首 美 他 で も摂取で きて,尚かつ.適量のアルコールの プラス面の薬理効果 を期待 出来 ると云 う事 であ れば,LCPの素晴 ら しい利用方法 とな るであ ろう,

と め

我々は,天然のパ イナ ップルジュースを利 用 してコラーゲ ンをペプチ ド化 したLCP(リキ ッ ド・発酵 コラーゲ ン ・ペプチ ド)の栄養生 理学 的機能特性 を調べているが, これは動物体 中 に 最 も多 く存在す るコラーゲ ンと,沖縄 に豊 か に 実 るパ イナ ップル とい う,豊富な天然素材 (餐 源)の有効利用 につながる科学的根拠 とな るべ き基礎的データの収集 を目ざ した資源開発 プ ロ ジェク トの一環で もある. これ までコラーゲ ンは,様 々な,又,ユ ニ ー クな機能特性 を持つ とい う事 で広範な利用 が な されて きた とはいえ,栄養資源 としての活用 は あまりなされていないのが実情である.そ こで このコラーゲ ン由来ペプチ ドを用いて,その栄 養効果の再検討 を行 うと共 に,他の生理効果 に ついて も調べ,保健用素材 としての可能性 を探 っ てみた ところ,途 中段階ではあるが幾つかの知 見,傾 向が得 られた. 1)LCPの蛋白栄養効果 について これ までLCPの前駆体 であ るゼ ラチ ンは必 須 ア ミノの トリプ トフ ァンが欠如す る為, ア ミ ノ酸価 は 0であ り,蛋 白栄養源 として評価 の対 象外 とされて きたが, 本実験 で はLCPと他 の 蛋白質 (カゼイン) との併用 によ り, ラ ッ トの 成長に対 して明 らかにその添加効果が認められ, LCPの飼料適性 に全 く問題 の ない こ とを確認 したので,今後は他の蛋白質やペ プチ ドとの組 合わせ も調べて,低分子,液状である為 に多量 摂取が可能 なLCPの蛋 白栄養 源 と しての有効 利用の道 を広げたい. 2)LCPの消化管粘膜保護効果 について ゼ ラチ ンは依然 よ り術後食や各種病人食 にお ける消化吸収の よい蛋白質 と して用 い られて き た.又,漢方薬で使われるゼ ラチ ン (阿腸 -南方資源利用技術研究会誌 アキ ョウ- ) には血行 を良 くす る働 きと共 に止血作用 もある事が知 られている. そ こでL CPを用いてラ ッ トの実験潰蕩抑制効果 を調べ た ところ,ス トレス負荷 (ラ ッ トへのアス ピリ ン強制投与) 前後 のLCP摂取 で ラ ッ トの実験 胃潰疫 の防御あるいは改善傾 向が認 め られ た. 現代 人の 日常生活において, しば しばス トレス による乱 十二指腸潰癌 が問題 になるが, LC pの積極的飲用 による消化管潰癌 の予 防あ るい は軽減の可能性が本実験 によって示唆 された も の と考 えられる, 3)LCPの抗高血圧効果 について 高血圧 自然発症 ラ ットに液状あ るい は粉 末L CPを自由摂取 させ た ところ, 血圧上 昇 を抑 制 す る傾 向が観察 された. この結果 は機能性食 品 としてのLCPの 日常 的摂取 を奨励 す る もの と な り得 るので今後 くわ しく検討 してゆ きたい と 考 えている. 4)アルコール飲料へのLCPの添加 について 清涼飲料水程度の低 アルコール飲料 (1%弱) - のLCPの添 加 は, 軽 微 で はあ るが微 量 の アルコールの薬理効果 (例 えば,酔いの感覚 や 興奮感あるいは リフレッシュ感等 々) をよ り強 く,あるいはよ り長 く持続 させ,感 じさせ る と い う傾 向が観察 された.この傾向はバイオフィー ドバ ック装 置 を用 い たGSR (galvanlC Skin reflex)試験の結果及 び聞 きと り調査 に よ り学 生ボランテ ィア被験者 (女子 20-22才) の半 数以上 に認め られた. しか しなが ら, アル コー ルに対す る生体反応 は本来個人差が大 きく,又, "酔い…の感覚の把握 も難か しいので,方法論 的検討の余地が末 だ残 されてい るが, LCPが アルコール代謝 に何 らかの影響 を与 える可 能性 はLCPの前駆体 であ るゼ ラチ ンか らも推測 で きるので,LCPとアル コール を配合 した飲料 の開発が期待で きると考 えている. 本研究 を推進す るに当た り,共同研究者 と し て御支援 いただいた兵庫医科大学病理学Ⅰ教室 の三村六朗先生 に心か ら感謝 いた します . 又,

(12)

Vo19 Nol 1993 各 々の実験 を分担 して くだ さった神戸 女子 大学 家政学部栄養生理学研 究室 の安西弘子 さん, 多 田昭子 さん,上鍋文江 さん,片 山静佳 さん に も 厚 くお礼 を申 し上 げ ます.更 に本研 究成果 の発 表 の機 会 を与 えていただ きま した琉球大学 農学 部長,南 方資源利 用技術研 究会会長 の当山活 善 先生 を始 め とす る研 究会 の皆様 方 にあ らた め て お礼 を申 し上げ ます . 引 用 文 献

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-9.

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(13)

梶 原 苗 美 他

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参照

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