高齢者スポ-ツに関する一考察 : 継続的なスポ-ツ実施者(軟式庭球)の調査結果を中心として
15
0
0
全文
(2) 高齢者 に関す る一考察. ず れ も一 般 。中高年 を対 象 とした もので,同 一 種 目を永年 にわ た って プ レイ してい る者 を対 象 とした研究 は少 な い。 そ こで ,本 研究 は ,対 象者 の多 くが 40年 以上 の 同一 種 目継続者 で,現 在 も試合 出場 を行 な ってい る軟式庭球愛好 者 を対 象 とし,彼 らが 仕事 や家庭 の雑事 のかたわ ら, どの よ うに して継続 的 に 同 一 スポ ー ツを行 な って きたか ,又 ,現 在 の社会的・ 物 理的 な スポー ツ環 境 が どの よ うな もので あ るかを分析 し,高 齢者 一 般 のスポ ー ツ活動 を考 える 上 での基礎的資料 を提供 しよ うとす るものであ る。. Ⅲ. 研. 究. 方. 法. 1.調 査対 象 第 20回 内閣総理大臣杯・ 全 日本 グラ ン ドベ テ ラ ン軟式庭球大会 (平 成 2年. ,於 宝塚市立 スポ ーツセ ンターテ ニス コー ト)出 場者。地域的 には 北 は北海道 か ら南 は沖縄 まではぼ全 国 にわ た ってい る。 なお,韓 国 (13名 ) 10月 27日. 台湾 (57名 )か らの参加者 もい るが ,こ こでは 省 いた。 表. 1. N 男 亀 鶴. 松. 竹. 梅. 女. │. 男. │. 女 │. 平均年齢 (歳 ). SD 01. 35. 84.12. 3。. 44. 69.52. 3.55. 71. 78.30. 9。. 52. 50. 60。 54. 3。. 09. 男. 108. 73。 09. 2。. 34. 女. 37. 55。 05. 6。. 14. 男. 62. 67。 71. 2。. 06. 女. 24. 47.46. 男 │ 女 │. 47. 62。 70. 2.53. 5. 47。 20. 8。. 男 計. 調査対象者. 女. 323(人 ) 160(人 ). 4.00. 98. 72。. 69. 7.92. 59。. 36. 8。. 87.
(3) 岡 田. 明. 試合は. 亀 (男 82歳 以上 ,女 65歳 以上 ) 鶴 (男 76歳 以上 ,女 57歳 以上 ) 松 (男 70歳 以上 ,女 50歳 以上) 竹 (男 65歳 以上 ,女 43歳 以上 ) 梅 (男 60歳 以上 ,女 35歳 以上 ) の 5ブ ロ ックに分 れ て トーナ メン ト方式 にて行 なわれた。 各 ブ ロ ック別 の男女 の 内訳 ,平 均年齢 は ,表 1の とお りで あ る。. 2。. 調査 時期 平成 3年 8月. 3.調 査方法 日頃 のテ ニス活動 ,健 康状況 ,継 続年数 ,途 中中断 な どに関す る22項 目 について質問紙 を 作成 し,郵 送法 にて調査 を 実施 した。. 4.回 収率 郵送数 回収数 回収率. 581通 505通 (有 効 回収数 483通 ) 86.9%(有 効 回収率 83.3%) Ⅲ. 1。. 結 果 お よび 考 察. 年齢,配 偶者,職 業等 の特徴. 年齢 は,各 ブ ロックごとに参加資格が決 まってい るため年齢 は男性で亀 ブ ロ ックの 84.12歳 以下ほぼ 5歳 刻み の平均年齢 となっている。 女性 では,竹 ,梅 で年齢差が見 られないが,出 場資格 に年齢 の上限がない ため,腕 に 自信 の女性が年齢 に関係な く下 のブ ロックに出場 しているためで.
(4) 62. 高齢者に関する一考察. あ る。 また,男 女 の 間 に年齢制限 に差 が あ るのは試合 は す べ て ダブル スで あ り,ペ アーは 男 と男 ,男 と女 ,女 と女 と自由に組 め るため ,男 女 の実力差 を 考 慮 した もので あ る。 そ のため ,女 性 の年齢 がか な り低 くな ってい るが ,一 方 では女性 の高齢者 スポ ー ツ人 口が 男性 に比較 して加齢 とともに少 な くな っ てい るのが うかが える。今回 の調査 では ,最 高齢者 が 男性 で90歳 ,女 性 では 78歳 で あ り,平 均年齢 は 男性 で72。 7歳 ,女 性 で59.4歳 で あ った。 配偶者 は ,男 女 とも亀 ブ ロ ッ クで死別 の割合 が 高 いのは 当然 として,亀 ブ ロ ックの女性 で死 別 が 4割 を越 えてい るのが 目につ くが , 日本人 の平均的 な 配偶 関係 の よ うで あ る (昭 和 60年 の女性 の死別率は,65∼ 69歳 で36.3%で あ った)9)。 男女 の平均年齢 に 13.5年 の差 が あ るに も関 わ らず ,女 性 の死 別 が 2 割 を越 え,逆 に男性 の配偶者有 りが約 9害 Jと 高 く男女 の 間 に有意 な差異 がみ られ た. (χ. 2=11.52 P<0。 01)。. 学歴 は,多 くの調査 に 見 られ る よ うに,ス ポー ツ実施者 の高学歴 が ここで もみ られ ,旧 制小学校 と新制 中学校卒業者 は 男性 で21。 5%,女 性 ではわ ず か. 2.6%で しか なか った。 残 りはす べ て旧制中学校程度 とな ってお り,年 齢 を 考 える と,高 年齢 層 での継続 的 スポーツ実施者 が ,い か に高学歴者 で あ るか が よ くわ か る。 また男性 でみ られ た 2割 程度 の 旧小卒者 は,ほ とん どが職場 で軟式庭球 を始 めてお り,当 時 (昭 和 の初期 頃)軟 式庭球 が職場 での 人気 ス ポ ーツで あ った10), とい うのを裏付 け てい る とい えそ うだ。 職 業 は,男 性 の亀・ 鶴・ 松 ブ ロ ックで 7割 強 が ,男 性全体 では67.4%が 定 年退職者 で無職 とな って い る。会社員 (役 員を含む)自 家商 工業がそれ ぞれ. 1割 弱 い るが ,こ れ も年齢 か ら考 えれば 当然 といえる。 女性 では主婦 が約 6 割 で,主 婦 を嫁 に任 した主婦 の 引退組 が 1害 1,パ ー ト仕事 に就 いてい るもの が 1害 Jと な ってお り男女 と も 7害 J程 度 が 無職 とい うこ とであ る。. 2。. 日頃 の軟式庭球活動. ①実施頻度 図 1の 通 り男性の32.2%,女 性で15。 7%が ,「 ほとんど毎 日」活動を行.
(5) 岡. 田. 63. 明. 男性 (323人 ). E]ほ とん ど毎 日 %週 203日 圧コ週 1日 以下. 2=16.326. χ. 女性 (159人 ). p<0。 01. 40 図1. 60. 80. 1009る. ス ポーツの実施頻度. な ってい る。 男女 と も「 週 203日 程度」 が過半数を 占めてい るが, 日数 的 には 男性 の方 が勝 ってい る。 しか し,女 性 では年齢 の高 い ブ ロ ック程 日 数 が増 える傾 向が強 く,女 性 の亀 では「 ほ とん ど毎 日」が 22.7%,週. 20. 3日 が65。 9%と どち らも他 の ブ ロ ックを上 回 ってい る。 この結果 か ら,高 年齢化 に伴 って実施 日数 が減 る とい う仮説 よ り,む し ろ,高 齢化 に よる 自由時間 の増大 ,仲 間 との交流意識等 の要素 が 働 いて コ ー トヘ足 を運 んでい るもの と思われ る。 ② l日 の実施時間 男女 と も,ま た どの ブ ロ ックに おいて も,一 度 の実施時間 は「 2時 間以 上 」 が 過半数を 占めてお り,男 性 では一 日中 コー トにい る とい う者 も若干 み られ た。 一 般的 な ス ポ ーツ教室や民間 のスポ ーツク ラブの講習時間 が. ,. 1時 間半 か ら 2時 間程度 で あ る こ とを考 える と,そ の実施 内容 を問題 に し なけれ ば ,か な り長 い時間 コー トにい るこ とにな ってい る。 ただ , ここで は ,亀 ブ ロ ックの 男性 の31。 4%,女 性 の43。 2%が 「 1時 間∼ 2時 間」 の 間 とな って「 2時 間以上」 に続 いてい るのが年齢的 な特 徴 と思われ る。.
(6) 高齢者 に関す る一考察. 64. ③ 実施場所 場所 は ,男 女 ,各 ブ ロ ックと も「 公共施設」 の利用 が 特 に高 く,男 性 で 83。. 6%,. 女性 では92。 4%の 高率 に な ってい る。「 企 業施設」,「 学校施設」. の 開放 もあ るが ,い ずれ も 1割 に達 していな い。平 日だけ で な く,土 日を 含 む利用だけ に,公 共施設 の高齢者 に対 す る配慮 が感 じられ る (特 に地 方 において, 専用 コー ト等 がみ られ た)。. 硬式庭球 が ,民 間商業施設 で多 く. 行 なわれ てい るの に比 べ ,軟 式庭球 は,公 共施設 の割合 が 特 に高 いの も種 目特性 の一 つ と言 えるで あろ う。 ④場所 までの所 要時 間 お よび 通 う方法 片道所要時間 は, 男女各 ブ ロ ックと も 20分 台 の 平均 で あ った。 男性 で 23.3分 ,女 性 で22。 2分 と殆 ど変わ らず ,一 般市民 の青年 層 の調査. 11)で. は. ,. 片道 1時 間半以 内 とい う結果 が報告 された りしてい るが ,高 齢者 の スポ ー ツ実施 は ,施 設 までの時間的距離 が30分 程度 まで, とい うことが継続 的 な 活動 のため には必要 な条件 で あ る よ うだ。 また,施 設 まで の交通手段 は ,電 車 ,バ スをは じめ , 自動車 ,オ ー トバ イ, 自転車 ,徒 歩 と多種 あ るが,ス ポ ーツ実 施人 口増 加 の要 因 の一 つ に上 げ られ てい る モ ータ リゼ ーシ ョンの発達 は ここに も見 られ ,自 動車 が 男性 で40。. 1%,女 性 で35。 3%と ,い ずれ において も自動車 に よる交通手段 が最. も高 い数 とな ってい る。 オ ー トバ イの使用者 も男女 とも10%強 あ り, 自転 車 の利用 が 男性 で26.7%,女 性 で30。 8%と 続 いてい るが ,年 齢 か ら考 えて 自動車 の利用者 が これ程多 い とは意外 で あ った。 ⑤軟庭 をす る理 由 1の 総理府 の「 体 力・ スポーツに関す る世論調査 」 では ,不 特定多数 か ら のサ ンプ リン グでは あ るが ,運 動 0ス ポ ーツを行 な った理 由 として,70歳. 以上 の 回答 では「 体 を丈夫 にす るため」 (43。 0%)「 楽 しみ・ 気晴 ら しとし て」 (32。. 6%)が 上位 にな って い る。 今 回 の調査 は,. 現在 の軟式庭球愛好. 者 に限 った調査 で あ るため ,「 好 きだ か ら」 とい う明快 な理 由が , 男性 で 45。. 9%,女 性 で65。 8%あ った。 男性 では「 体 を丈夫 に」 が31。 6%「 友人. 0.
(7) 岡. 仲 間 との交流」 が. 12。. 田. 8%と な ってい るが , 女性 では 「 友人・ 仲間 との 交. 流」 が 2番 目で 13.3%,「 体 を丈夫 に」 が 12。 0%と 続 いてい る。「好 きだ か ら」 は,本 当 に軟式庭球 を長 年 にわ た って愛好 している者 に とっては,な に ものに も代 えがた い理 由 の よ うで あ り,ま た,本 当 に好 きで なけれ ば何 年 も同一種類 を続 け ることは 出来 な いで あろ う。「運動不足 を感 じるか ら」 ま今回 の調査対 象 に おいては さす がに 少数 に しか す ぎなか った (男 性 1.6 ケ. %,女 性. 2。. 5%)。. ⑥ クラブ所属とクラブの年齢制限 全 国的 な規模 の大会 出場者 で あ り,先 に述 べ た とお りの練 習 ぶ りか ら予 想 は されたが ,男 女 ともほぼ全員 が クラブに所属 してい る (男 性 96。 3%, 女性 100%)。 先 の「 ス ポ ーッに関す る世論調査」 では,男 性 の70歳 以上 は 17。. 9%,女 性 の60歳 以上 も11。 7%と , 2割 に満 たない一 般市民 の加入率 と. な ってい るが ,そ れ と比 べ てみ る と継続的 にスポ ーッ活動 を続 け るには. ,. 受 皿 となる クラブや 同好会 が 重要 な役割 を持 ってい る といえる と思 う。 特 に,高 齢者 には必要 で あ る よ うだ。 次 に, 所 属 している クラブの 年 齢制 限, つ ま り高齢 者 の ための クラブ に 入 ってい るのかを 調 べ てみ る と, 男女 の 間 に差異 が 認 め られた 45。. 92P<0。. 01)。. (χ. 2=. 男性 では クラブ入会 に年齢制限を 設 け てい る ところが. 33.7%あ るが,女 性 では 5。 7%し か 見 られ な い。 同一 クラブに所属 してい る者 も若干見 られ るが ,男 性 の場合 ,ど の ブ ロ ックに も30%程 度 が 制 限あ りとい うこ とで,男 性 は年齢 に よってテ ニスの 力 が違 って くるため勝 敗 に こだわれば この よ うな制 限 が 生 じる よ うで あ る。女性 の場合 は制限をす る とクラブの メンバ ーが 集 ま りに くい とい うのが 理 由の よ うで あ る。. 3.今 までの軟庭 活動 ①競技歴 現在 までの軟庭活動歴が図 2で あ る。 5年 刻み にあ らわ しているが,男 性 で40年 以上 の経験者が約 6割 と突出 しているのが 目立 つ。女性では15年.
(8) 高齢者 に関す る一考察. 66 0 % 6. 圧コ 男性 ゛ヨ 女性 2_129。. χ. 615. df.6p<0。 01. 0年 以上 4. 図2. 0年 以内 4. 5 ・年 以内. 0年 以内 1. 賃賃言 軟庭活動歴. 以 内∼ 20年 以 内 の 間を約半数 が 占めてお り,男 女 としてみ れば経験年数 に 有意差 が認 め られ る。 中 で も,男 性 の亀 ブ ロ ックでは,40年 以 上の経験者 が 8割 を越 えてお り,こ の年代 まで スポ ーツを継続 的 に実施す るには,若 い時代 の スポ ーツ経験 が 意味 を もつ もの と考 え られ る。女 性 で 15年 ∼20年 程度 の経験者 が 多 いのは ,次 に示 す途 中中断 に よる経験年数 の減少 の あ ら われ で あ る と思 う。 また, 男女 とも10年 以下 が 極 めて少 な いが, 高齢者 が スポ ーツ教室等 に通 って特定 の競技 スポー ツを新 しく覚 え よ うとす るの は,難 しい とい う事 で あろ う。 そ うい う意味 で,ニ ュー スポーツと言 われ る,今 までに殆 ど誰 も経験 していない スポ ー ツの人気 が 最近特 に高 くな っ てい るの も うなず け る。 ゲー トボ ール は競技 人 口 400万 人を越 える とい う し,ペ タ ンク等 の愛好者 も年 々増 えてい るのが上記 の ことを よ く表 してい る とい える。.
(9) 岡. 67. 田. ②学校 時代 の クラブ経験 スポ ーツ参与 に強 い影響 を与 える といわれ てい る要 因 の 中 で も,学 校時 代 の クラブ (部 活動 )経 験 は,そ の後 のスポー ツ実施 に強 い関 わ りを持 つ とされ る。 ここでは,学 校 時代 の クラブ活動 につい て 見 てみた。調査対象 者 が 高齢者 で あ るため,学 歴 に 旧制小学校卒業者 が 見 られ たが (男 性 20。 6. %,女 性 1.3%),彼. らは学 校 に クラブそ の ものが な く,卒 業後 に職場 で軟. 庭 を始 めたのが 殆 どで あ る (一 部小学校 時代 に地域 で 始 めた 人 もい る)。 男性 では (旧 小卒 も含 め る)54.1%が 軟庭部 の経験者 ,他 の運動部 の経験 者 が 21.3%,経 験 な し24。 6%と な ってい る。 女性 は64。 8%が 経験者 で,他 の運動部 22.0%, な し 13。 2%で , 男女 の 間 に差 がみ られ るが. (χ. 2=4.896. P<0。 05),旧 小卒者 を 除 いてみ る と男性 の入部者が 65。 6%と 差 は 見 られ ない. (χ. 2=0.623P>0。 4)。 しか し,平 均年齢 の高 い男性 においては約半. 数 が クラブ経験 の な い人 で あ るこ とには注 目して よい と思 う。 それ は,現 在軟式庭球 が 先 の ニ ュースポー ツや硬式 庭球 に押 され ぎみ で,成 人 の愛好 者数 に陰 りが見 られ てい るのは,成 人 か ら軟式庭球 を始 め る者 が極 めて少 な い とい うことで あ り,か つ て多 くの愛好者 が途 中か ら軟庭 を始めた よ う に,そ の受 け入れ努力をす る必 要 が あ る こ とを示 唆 してい る と思 うか らで あ る。 ③競技歴 とクラブ活動経験 図 3は 競技歴 と学校時代 の クラブ活動 を ク ロス してみた もので あ るが. ,. 競技歴 25年 以上 のいわ ゆ るベ テ ラ ンにおいては,男 性 63.7%,女 性 93。 3% が 学校時代 に クラブ活動 を経験 して い る。 また,25年 以下 では 男性 は 2割 強 が ,女 性 では半数強 が クラブ経験者 とな って い る。特徴 としては,女 性 の25年 以上 は殆 どが クラブ経験者 で あ るが ,25年 以下 では逆 に半数近 くが 学校 時代 に クラブ活動を行 な っていない とい うことで あろ う。 女性 の場合 25年 以下が全女性 の 7割 を 占めてい るが,そ の半数近 くが 経験 な しとい う こ とで,昭 和 40年 代後半 か ら地域社会 で 活発 に行 なわれ て きた家庭 婦人 ス ポ ーツ教室 の受講者 が そ の後 も同一 スポ ーツを続 け てい る ことの あ らわれ.
(10) 高齢者 に関する一考察. 68. \ ヽ. 女性 (113人 ). ︱ ︱. 25年 以下. ノ /. 男性 (71人 ). E]人 部 あ り. %日 入部 な し. \ ヽ. 女性 (45人 ). ︱ ︱. 25年 以上. ノ /. 男性 (243人 ). 100% 図 3 競技歴 と学校時代のクラブ活動. とみ て よい よ うだ。 25年 以上経験者 と25年 以下 にお け る クラブ所 属 は,男 性女性 とも有意差 が あ り,25年 以上 ,25年 以下 の両方 とも所 属 に性差 が 認 め られ た。 ④途 中 の中断 とその原因な ど 年齢 が高 くな るに つ れ て,同 一 スポ ー ツ種 目を長 く継続す るのは容 易 な こととは思われ な い。 本調査対 象者 において も男女 とも50%強 が途 中 に 中 断 の あ った こ とを 述 べ てい る。 しか し一 方 では半数近 くが 第 二 次世界大戦 や ,戦 後 の混乱 ,仕 事 ,結 婚 ,育 児 な どスポー ツ実施 の 困難 な状況 の 中 で も継続 的 にスポ ーツを実施 して いた とい うことで あ る。 途 中中断者 の原因 は,男 性 ではその年齢 か ら,第 二 次世界大戦 が75。 7% (137人 )と 突 出 し,次 に仕事 が 17.1%と な ってい る。 女性 では結婚 0出 産 ・ 育児 0家 事 が 91。 0%(81人 )と ほ とん どを 占めてい る。 次 に途 中中断 の期 間を見 たが ,男 性 の平均 は. 13。. 06年 (S.D ll.26)で. あ ったが女性 の場合 は20。 98年 (S.D ll。 85)と 大変長 い期 間 の 中断 が 見.
(11) 岡. られ た (男 女差 ,T検 定 -5。. 田. 117P<0。 001)。 男性 の場合 は,戦 争 な どで. 実施不可能 な時期 以外 は, 自分 の意志 で割合 スポーツ実施 が 可能 で あ る と い うこ とと,女 性 は一 度家庭 に入 って しま うと一 番下 の子供 が成長す る ま で家庭 を留 守 に しに くい とい うこ とで あろ う。. 4.大 会 出場歴 と現在 の大会 出場 目的 な ど 過去 の大会 出場歴 は,男 女 とも軟式庭球 で最 も重み の あ る全 日本選 手権 大 会 出場者 か ら,市 町村 レベ ルの大会 まで多種 にわた ってい る。 さす が に全 日 本選手権 の 出場者 は, 男女 と も少数 (男 性 6.6%, 女性 13.8%)と な ってい るが ,い わゆ る,競 技志 向 の大会 出場者 は,男 子 で66。 7%,女 性 が59.7%お り,残 りが親睦的大会 のみ の 出場者 とい うこ とになる。学校時代 に クラブ歴 が 無 か った り,社 会 人 に な ってか らの軟庭経験者 に とっては競技志 向 の大会 には 出場 しに くい よ うで あ るが ,最 近 では そ の実 力 に応 じて出場 で きる大会 が ,特 に女性 において多 く行われ て きてい る。 今 回 の調査対 象 は,全 員 が 現在 も試合 に 出場 してい るので,試 合 出場 の理 由を尋 ね てみ る と,男 女 とも「仲 間 との交流」 が最 も多 く (男 性 67.4%,女 性 67.1%),「 実 力を試す」 は 男性 が. 17.2%,女 性 も 12.7%と 試合 出場者 に. しては意外 に低 い 割合 で あ った。 また,こ の 大会 出場 以外 には 大会 出場 を 「 目指 さない」者 も 男女 と も 1害 J強 み られ た。 北海道や沖縄 の遠隔地 か らで も兵庫 まで 出掛け てテ ニスを行 うのは,勝 敗を競 うのでは な く長年 のテ ニス 仲 間 に会 うの を楽 しみ に して集 うよ うで あ り,高 齢者大会 の特徴 と言 えるで あろ う。 か つ て全 日本 で活躍 した選 手 も,高 齢化 とともに この よ うな心境 に な る もの と思われ る。 それだけに,大 会主催者 は,大 会運営 に際 して普通 の 大会 と違 う「 満足 さ」 に配慮 が 必要 に なるであろ う。 男女 において も,出 場 大会 の レベ ル (競 技志 向 の大会 と親睦志 向 の大会 )に おいて も,大 会 出場 の 理 由 には差異 が 認 め られ なか った。. 5.生 活時間 と日頃 の健康状況.
(12) 70. 高齢者に関する一考察. 睡眠時間 は 男性 の亀 プ ロ ックが 8時 間28分 と 8時 間を越 えた睡 I民 時間 とな ってい るが,男 性 はおおむね 7時 間台 で平均 が 7時 間36分 とな ってい る。女 性 は年齢 が 10歳 程度若 いが ,平 均 6時 間54分 と男性 に比 べ 40分 程少 な くな っ て い る (男 女差 T検 定 6。 052P<0。. 001)。. 昭和 60年 度 の 日本人 の平均睡眠時. 間 は ,60歳 代男性 で 8時 間25分 (平 日,土 ,日 の平均 ),同 じく女性が 7時 間 56分 で,男 女 とも 1時 間程度今回調査 の方 が 少 な くな ってい る. 13)。. 活動的 な. 高齢者 は 日常生活 において も行動的 に生活を送 ってい るせ いで ,睡 l民 時間 が 増 えてい な い もの と思われ る。 健康 や 体 力 につ いての 自己評価 では, 健康面 で 自分 は 「 丈夫 で あ る」 と. 6%,女 性 も 37。 7%い る。「普通」 が 男性56.2%,女 性 61。 6%で ,「 体 が 弱 い」 は,男 女 とも 1%程 度 と極 めて少 な い。 日常的 に,そ 答 えた者 が 男性 で 42。. して継続 的 にスポ ー ツ活動 を行 って い るので あ るか ら,当 然 とい えば当然 の 結 果 で あろ う。 また, 体 力面 で も「 人並 み以上 」 が 男性 に 32。 2%, 女性 が. 23.3%,「 普通」 が 男性 65.3%,女 性75。 7%と 殆 どが普通以上 の体 力 が有 る と してい る。 14)と 比較す るのは問題 が あ る と思 う 健康 や体 力面 では, 日本 の平均的資料. が ,60歳 代 か らは 3割 程度 は「 体 に不安 が あ る」 のが平均 の よ うで あ る。 以上 の よ うに, 健康・ 体 力面 で 自信を持 ってい るせいか ,「 日頃 の健康 や 心掛け てい ること」 では,「 何 もしてい な い」 が 体 力 の維持増進 のために′. ,. 1%,女 性 22。 9%と 先 の一 般 的調査を か な り上回 ってい る (60∼ 69歳 2%,70歳 以上 2.5%)。 テ ニスを してい る ことが健康 管理 とい うことで あ. 男性 15。 4。. ろ う。. 6.困 ってい る こと 最後 に, 現在 の軟庭 活動 において 一 番 困 ってい ることに つい て 尋 ねた。 「 仲間」「 指導者」 と出 て きた が , 男性 で「 場 「 場所・ 施設」「時間」「 費用」 所 ・ 施設」 が 17.9%,女 性 では「時間 が な い」 が H。 0%と ,こ の 2つ だけが. 1割 を越 えてい る。 あ とは 1割 以下 で,「 困 ってい る こ とはない」 が 男性. 0.
(13) 女性 とも 7割 近 くい る (男 性. 68。. 71. 田. 岡. 3%,女 性 66.9%)。. 最 も高齢 の亀 ブ ロ ッ ク. では 男女 ともほぼ 8割 が何 も 不 自由 していない と答 え てい る。『健康 でテ ニ スが 出来 る とい うこ と,そ れだけで幸 せで あ りがたい と思 う』 とい う記述 が あ ったが ,高 齢 者 の多 くがその よ うな気持 ちで 日頃 のテ ニス活動 を行 ってい る こ とが ,こ の 結果 か ら うかが える。. Ⅳ. ま. め. 本研究 で調査 の対 象 とした第 20回 全 日本 グラ ン ドベ テ ラ ン 軟式庭球大会 は,昭 和 40年 代後半 の社会体育振興 が強 く論議 され ,一 般市民 が 急激 にスポ ー ツを 実施 し始 めた 頃 に誕生 し,「 生涯 ス ポ ーツ」 の重要性 が さ らに 認識 さ れ て きた 昨年 に,第 20回 の大会を開催 してい る。 そ うい う意味 において,わ が 国 にお け る生涯 ス ポーツイベ ン トの先駆 的役割 を果 た して きた と言 って も 過 言 では な い と思 う。 本研究が 当大会 出場者 を対 象 として選 んだの も,20年 の経過 を 得 て大会 そ の ものが 全 国的 に確 固 た る大 会 として認 め られ てい る と い うこ とと,出 場者 に現在 の高齢者軟式庭球 の全 国を代表す る愛好者 が 多 く み られ る ことで あ った。 その結果は,こ れ まで にみて きた通 りであ るが ,一 般 の高齢者 に比較 して どの よ うにスポー ツを 実施 して い るかが 明 らか に な っ た と思 う。 同一 種 目 (軟 式庭球 )の ス ポーツを継続的 に実施 して い る高齢者 において は,過 去 の競技成績 は現在 の大会参加 にほ とん ど関連が な く,遠 隔地 か らの 参加 も同窓会的要素 が強 か った。 日頃 のテ ニス活動 も「 ほ とん ど毎 日」や「 週 203日 」以 上が 8割 程度 と い うの もテ ニス コー トが「 仲間 との語 らい」や「 ふれ あ い」 の場 で あ る とい うことで あろ う。 つ ま り,継 続 的 にスポー ツ活動 を行 って きた結果 が この よ うな「 仲 間」 との場 を確保 で きた とい うこ とで,現 在 のテ ニス実施 に「 なん の不満 もない 」 が約 7害 Jと 多 いの も,継 続 的 な スポーツ実施 に対 しての満足 さのあ らわれ と思 う。.
(14) 72. 高齢者 に関する一考察. また ,彼 らの テ ニ ス 活動 の 場 は 公 的 施 設 が 主 で あ ったが ,地 域 で 高齢 者 に 対 す る配 慮 が 感 じ られ た 。 特 に地 方 に お い て 顕 著 で あ った 。 一 方 ,女 性 の 高齢 者 が ,男 性 に 比 べ て 加齢 と と もに減 少 して い るの は 軟 式 庭 球 だ け に 限 らな いが ,体 力的 な衰 え に よるのが 第 一 の 原 因 で あ るな らば. ,. 高 齢 者 用 のル ール (例 えば シ ン グル 用 コ ー トで ダ ブル ス を行 な うな ど)を 考 え ,「 好 きで 」続 け て きた ス ポ ー ツを いつ まで も 継 続 で きる よ うな配 慮 が い る の で は な いか と考 え る。 い ず れ に して も,「 生 きが い 」 と して 現 在 の ス ポ ー ツ活動 を続 け て い る高 齢 者 が ,充 分 満足 で きる環 境 を作 る努 力 は 今後 ます ます 必要 と思 われ る。 本 研 究 で 分 析 した継 続 的 に ス ポ ー ツ活動 を 実 施 して い る 高齢 者 の 活動 実態 が ,今 後 の 高齢 者 ス ポ ー ツ研 究 の 基 礎 的 資料 と して 役立 つ こ とを 期 待 した い と思 う。 本稿 を ま とめ るに あ た って ,松 蔭 女子 学 院 大学 教 授. 表. 孟 宏 氏 (日 本軟. 式 庭 球 連 盟 理 事 )に 適 切 な助 言 を頂 い た 。 こ こに 記 して 訪lし た い 。 文. 1)財 団法人. 献. 厚生統計協会 :厚 生 の指標臨時増刊. 号,p.39,1991 2)山 口泰雄 他 :高 齢者 のスポーツヘの再社会化. 国民衛生 の動向 第38巻 第 9 日本体育学会第37回 大会号. ,. p.162, 1986. 3)山 口泰雄 :高 齢者 のスポーツ活動 とその生活構造,. 体育 の科学,p.507-513,. 1988.7. 4)山. 口泰雄 他 :生 涯 スポーツの理論 とプログラム,鹿 尾体育大学,1989 他 :生 涯 スポーツイベ ン トの参加者研究, 日本体育学会第41回 大会. 5)山 口泰雄. 大会号,p。 99,1990 他 :第 3回 全国スポーツ 0レ クリェーシ ョン祭参加者調査報告書. 6)山 口泰雄. ,. 神戸大学,1991 7)川 西正志 他 :ゲ ー トボール クラブの コ ミュニテ ィ形成機能―高齢者 スポーツ 研究 プロジェク トー 前掲 2),p.163 8)高 見 彰 他 :中 高年層のスポーツ行動に関す る研究 前掲 2),p.166 9)経 済企画庁国民生活局監修 :く らしの統計 '89,p.4,1989. 10)(財 )日 本軟式庭球連盟 :日 本庭球史 軟庭百年,1986.
(15) 岡. 11)岸 本肇・ 岡 田明. 田. 明. :ス ポ ー ツ愛好者 の活動実態 に 関す る研究,体 育学研究集録第. 16号 ,p.15,1989 12)総 理府 :体 力・ ス ポー ツに 関す る世 論調査 ,1988. 13)日 本放送協会 :国 民生活時間調査. 14)前 掲 12). 73. 昭和 60年 度 よ り筆者 作成.
(16)
関連したドキュメント
平均車齢(軽自動車を除く)とは、令和3年3月末現在において、わが国でナン バープレートを付けている自動車が初度登録 (注1)
最も偏相関が高い要因は年齢である。生活の 中で健康を大切とする意識は、 3 0 歳代までは強 くないが、 40 歳代になると強まり始め、
PAD)の罹患者は60歳では人口の7.0%に,80歳では 23.2%にのぼるとされている 1) .本邦では間欠性跛行
中学生 高校生 若年者 中高年 高齢者 0~5歳 6~15歳 16~18歳 19~39歳 40~65歳
北区の高齢化率は、介護保険制度がはじまった平成 12 年には 19.2%でしたが、平成 30 年には
今年は、目標を昨年の参加率を上回る 45%以上と設定し実施 いたしました。2 年続けての勝利ということにはなりませんでし
2018年度の実利用者92名 (昨年比+ 7 名) ,男性46%,女 性54%の比率で,年齢は40歳代から100歳代までで,中央 値は79.9歳 (昨年比-2.1歳)
年齢別にみると、18~29 歳では「子育て家庭への経済的な支援」が 32.7%で最も高い割合となった。ま た、 「子どもたち向けの外遊びや自然にふれあえる場の提供」は