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甲斐進一教授の教育学研究について

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Academic year: 2021

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椙山女学園大学

甲斐進一教授の教育学研究について

著者

椙山 正弘

雑誌名

教育学部紀要

8

ページ

5-6

発行年

2015

URL

http://id.nii.ac.jp/1454/00001972/

(2)

5

椙山女学園大学教育学部紀要(Journal of the School of Education, Sugiyama Jogakuen University)8 : 5‒6(2015)

* 椙山女学園長  甲斐教授と私は7編の著書について共著者として名をつらねている。研究分野が近 いからではなく,むしろ違った分野を補い合ったという方が妥当であろう。だから甲 斐教授の研究については本当のところよくわかっていない。ところで,『教育学部紀 要』の編集委員から,甲斐教授の教育学研究について紹介するよう依頼され,多少専 門外でも,広い意味で教育学の範疇でもあり,以前に拙著の出版記念会で甲斐教授に 内容紹介をしていただいたこともあったので,今回お引き受けすることにした。  甲斐教授は昭和48年4月本学に就任以来,文学部(現在,国際コミュニケーショ ン学部),人間関係学部,大学院人間関係学研究科,教育学部及び大学院教育学研究 科で講師,助教授,教授として研究,教育に当たられた。この間,「主要な研究課題 は,プラグマティズム教育思想を中心とするアメリカ教育思想を巡るものであった。 これらの研究は,進歩主義教育協会の政策に関する論争,改造主義,社会科の批判的 思考力,社会科の高度思考力,インドクトリネーション,NCLB 法,デューイ(John Dewey)教育思想等の研究に分類できる」1)研究に励んでこられた。その研究成果は著 書27点,論文96点,報告書9点,その他(訳書)5点,(書評)1点に及ぶ。  この中で特筆すべきは名古屋大学教育学部に博士の学位論文として提出し,審査を 経て,その後加徐訂正して出版した『ブラメルド教育哲学の研究』名古屋大学出版 会,1984年であった。これはデューイの打ち立てた社会改造論を継承して改造主義 の理論を構築したブラメルドの教育哲学について研究したものであった。  この著書については,広岡亮蔵(『学級経営』第29巻第10号,1984年9月,第一法 規),斎藤勉(『学習指導研修』第7∼8巻第80号,1984年11月,教育開発研究所), 大浦猛(『教育学研究』第52巻第1号,1985年3月,日本教育学会),宮野安治(『教 育学論集』14,1985年3月,大阪教育大学教育学教室),杉浦宏(『教育哲学研究』 第51号,1985年5月,教育哲学会)など,いわばその道の大御所とされる研究者ば かりからのそれぞれ素晴らしい書評が寄せられたのである。  その中で,まず,大浦猛は「著者は多角的な考察を積み重ねていて,ここに,これ までの水準を超えた,際立って総合的なブラメルド研究の成果が,生み出された」2) と総体的に評価している。さらに,宮野安治は「本書は,文明・人間の危機と教育に 特集(Special feature)

甲斐進一教授の教育学研究について

On the educational research of Professor Dr. Shinichi K

AI

椙山 正弘

*

(3)

6 椙山正弘/甲斐進一教授の教育学研究について よる社会・文化の改造というマクロな問題意識を一貫させながら,『人類学的教育哲 学』から『実存的ヒューマニズム』を経て『教育の文化学』へといたる,ある意味で は複雑極まりないブラメルドの教育哲学の構造と特色を,ときには他のもろもろの教 育哲学と比較し,ときには時代の教育運動と連関させつつ,見事に解明している。文 字通りブラメルドの全体像にアプローチした力作で,読後感として,筆者のブラメル ド研究に対する並々ならぬ熱意が伝わってくる思いがする」3)と述べて内容の各論に わたり深く分析し賞賛しているのである。『ブラメルド教育哲学の研究』は彼の研究 業績のほんの一例に過ぎないのであって,このほか前に挙げたように膨大な数に及ぶ 研究成果をあげており,紙数の制約もあり,いちいち紹介できないのが残念である。  学会活動としては,主なものをあげれば,教育哲学会編集委員(平成元年10月∼ 平成7年9月),中部教育学会理事(平成9年6月∼平成15年3月),中部教育学会 紀要編集委員(平成12年6月∼平成15年3月),日本デューイ学会理事(平成13年 10月∼平成16年9月,平成19年10月∼22年9月),日本デューイ学会紀要編集委員 (平成19年10月∼平成21年9月),平成21年度日本デューイ学会第53回研究大会準備 委員長など多彩である。 ■注 1) 甲斐進一『アメリカ教育思想研究回顧』1ページ 2) 大浦猛『教育学研究』第52巻第1号,1985年3月,137ページ 3) 宮野安治『教育学論集』14,1985年3月,大阪教育大学教育学教室,181ページ

参照

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