• 検索結果がありません。

広帯域無線システム用ひずみ補償

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "広帯域無線システム用ひずみ補償"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

博 士 ( 工 学 ) 堀 口 健 一

学 位 論 文 題 名

広帯域無線システム用ひずみ補償    高 出 力 増 幅 器 に 関 す る 研 究

学位論文内容の要旨

  近年,マイクロ波を用いた無線システムは情報通信に利用され,現代社会に欠かせないものと顔っ ている。これら無線シ ステムでは大容量化へと向 かう流れが進んでおり,それを支える無線回路に は広帯域化が要求されている。この中で,電力消費の最も大きい高出力増幅器では,電源回路の小型 化に加え,送信信号自身の劣化や隣接するシステムへの干渉を抑圧するために,所望のひずみ特性を 満足した上での高効率 化が望まれる。増幅器では 少しでも効率の高い飽和近くの出カレベルで信号 増幅することが要求されるが,飽和に近づくにつれて非線形性が強くなるため,線形性が強く要求さ れる基地局系の増幅器 では非線形ひずみ補償技術 が用いられてきた。例えば,移動体通信基地局で は,第二世代携帯電話 システム以降フィードフオ ワード増幅器が実用化され, 数百W以上の大電カ を送信する放送用の親 局送信機では,地上デジタ ル放送以降デジタルプレディストーション増幅器 が実用化されてきた。

  しかし,フイードフオワード増幅器は広帯域性に優れるが,遅延線路およぴ補助増幅器の必要性か ら効率が低いことが課 題とされており,温度変化 およぴ経年変化によらず高精度趣ひずみ補償を維 持す るた め に安定したループ制 御が必要とをる。広帯域シス テム向けのデジタルプレデ ィストー ション増幅器では,ト ランジスタの熟応答特性や バイアス回路周辺のべースバンド周波数特性が原 因と教って入カ信号の 過去の履歴によってメモリ 効果と呼ぱれるひずみが生じ,このメモリ効果の 抑圧が必要とをる。ま た,増幅器設計の際には周 波数特性を考慮した高精度誼非線形ひずみ解析が 必要とをる。

  本 研究 で は,現在の無線シス テムを支えるフイードフオワ ード増幅器技術およびデジ タルプレ ディストーション増幅器技術に着目し,基盤技術と教る非線形ひずみ解析技術とともに,ひずみ補償 高出 力増 幅 器に関する以下の課 題を解決することを目的とす る。非線形ひずみ解析の課 題に対し ては,増幅器の周波数 特性を考慮した簡易かつ高 精度を非線形ひずみ解析法を確立する。フイード フオワード増幅器の課 題に対しては,増幅器全体 として効率が最大と誼るよう教トランジスタの動 作条件の最適化方法を 確立し,アナログ回路の伝 達関数の変化によらず安定にループを制御する適 応アルゴリズムを確立 する。デジタルプレディス トーション増幅器の課題に対しては,デジタルプ レディストーション付 きドハティ増幅器の高効率 化を図るための設計法を確立し,メモリ効果を補 償するデジタルプレデ ィストーションアルゴリズ ムを確立する。

  以下,各章の概要を 述べる。

  第1章は序論であり ,研究の背景および広帯域無 線システムに用いられるひ ずみ補償高出力増幅 器 に お け る 課 題 を 挙 げ , 本 論 文 の 位 置 づ け お よ び 構 成 に つ い て 述 べ る 。

195

(2)

  第2章 では, 増幅器 が有す る周波 数特性 を考慮し た広帯 域非線形ひずみ解析法について述べる。

この章では,周波数特性を考慮したFET(Field efFect transistor)増幅器の複素べき級数モデルを提案 する。このモデルでは,増幅器の非線形性と周波数特性を分けて考え,メモリレスを非線形特性を奇 数次 の複素 べき級 数で構成 し,増 幅器が有する信号帯域近傍の周波数特性を入出カフィルタにより 構成 する。FET増幅器 の相互 変調ひ ずみの 解析を行 い,本 手法による結果がハーモニックバランス 法に よる結 果と一 致するこ とを示 す。更 に,実 験によ り3次相 互変調ひずみの計算値と測定値が一 致す ること を示し .本手法 は広帯 域信号が入カしたときの増幅轟の非線形解析に有効であることを 明らかにした。

  第3章で は , ダイオ ードリニ アライ ザ付き フイー ドフオ ワード 増幅器 の構成 および設 計法に つ いて 述べる 。ての 章では, フィー ドフオワード増幅器の中で効率に影響を与える要素をパラメータ 化し て定式 化を行 い,プレ ディス トーシ ョンと フィー ドフオ ワード 増幅器 とを組み 合わせた全体 とし ての効 率を最 大化する トラン ジスタ のパイ アス条 件を求 め,検 討した 条件下に おいては主増 幅 器 の最 終 段 トラン ジスタ の最適 バイア ス条件 がB級と をるこ とを示す 。また ,プレ ディス トー ショ ンとし てダイ オードリ ニアラ イザを 適用し ,ダイ オード を信号 線路に 対して直 列に接続かつ バ イ アス 回 路 に直列 抵抗を 接続す ること で,B級 増幅器 のひず み補償に 適した 非線形 特性が 得ら れる ことを 示す。 その後, 本手法 によっ てバイ アス条 件が最 適化さ れたダ イオード リニアライザ 付 き フイ ー ド フオワ ード増 幅器の 開発結 果を示 し,本 手法がW‑CDMA(Wideband Code―Division Multjple‑Access)基 地 局 用 ひ ず み 補 償 増 幅 器 に 有 効 で あ る こ と を 明 ら か に し た 。   第4章 では, ウエイ ト除算 型の適 応アル ゴリズム を用い たフイードフオワード増幅器の制御方法 について述べる。乙の章では,非線形増幅器を含むループを安定に制御するために,ウエイト除算型 の適 応アル ゴリズ ムを提案 する。 このアルゴリズムでは,増幅器の出力信号を参照信号として使用 し, 参照信 号を適 応フィル タのウ エイトで除算する。提案アルゴリズムおよびその収束条件を解析 的に 導出し ,提案 アルゴリ ズムは 従来の正規化最小平均二乗アルゴリズムよりも安定した収束特性 を有することを示す。その後,提案アルゴリズムをフイードフオワード増幅器に適用し,本手法がア ナロ グ回路 の伝達 関数によ らず安 定にループ制御できることをシミュレーションで明らかにした。

  第5章 では, デジタ ルプレ ディス トーシ ョン付き ドハテ ィ増幅器の構成および設計法について述 べる 。この 章で独 ,C級ピ ーク増幅 器の出 力側線 路をOFF時 に先端 開放ス タプと 見をして設計する こと で飽和 からバ ックオフ をとっ た低出カレベルでのドハテイ増幅器の効率を高める方法を提案す る。また,OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号を入カしたときのドハテイ増幅 器のパラメータの最適化方法について述ベ,更に,適応型デジタルプレディストーションを組み合わ せた ときの パラメ ータの最 適化に ついて述べる。その後,本手法を用いて最適設計したドハテイ増 幅器 を開発 し,本 手法が地 上デジ タル放送用デジタルプレディストーションひずみ補償増幅器の高 効率化に有効であることを明らかにした。

  第6章 では, メモリ 効果を 補償す る適応 フアルタ 付きデ ジタルプレディストータの構成および学 習ア ルゴリ ズムに ついて述 べる。 この章では,増幅器ビヘイピアモデルの逆モデルからメモリ効果 を補 償する プレデ ィストー タの回 路構成を導出し,メモリ効果により残留するひずみ成分を用いて 周波 数領域 で適応 フィルタ の係数 を推定する学習アルゴリズムを提案する。本手法を用いたデジタ ル プ レデ ィ ス ト ータ を 開 発 し, 本 手 法がWiMAX(WordwideInteroperabmtyforMicrowaveAccess) 基地 局用デ ジタル プレディ ストー ションひずみ補償増幅器の高効率化および低ひずみ化に有効であ ることを明らかにした。

  第7章は本論文の結論であり,本研究で得られた成果をまとめる。

    一196−

(3)

学位論文審査の要旨 主 査    教授    野島俊雄 副 査    教授    宮永喜一 副 査    教授    小柴正則 副 査    教授    小川恭孝 副査   准教授   山本    学

学 位 論 文 題 名

広帯域無線システム用ひずみ補償    高 出 力 増 幅 器 に 関 す る 研 究

  本研究は,現在の無線 システムを支えるフイードフ オワード増幅器技術およぴデジタルプレディ ストーション増幅器技術に着目し,基盤技術とをる非線形ひずみ解析技術とともに,ひずみ補償高出 力増幅器に関する課題に ついて検討している。

  第1章は序論であり,研 究の背景および広帯域無線 システムに用いられるひずみ補償高出力増幅 器 に お け る 課 題 を 挙 げ , 本 論 文 の 位 置 づ け お よ ぴ 構 成 に つ い て 述 ぺ て い る 。   第2章では,増幅器が有 する周波数特性を考慮した 広帯域非線形ひずみ解析法について述べてい る。周波数特性を考慮したFET(Field effect transistor)増幅器の複素べき級数モデルを提案してい る。FET増幅器の相互変調 ひずみの解析を行い,本手 法による結果がハーモニックパランス法によ る結果と一致することを 示している。更に,実験によ り3次相互変調ひずみの計算値と測定値が一 致することを示し,本手 法は広帯域信号が入カしたと きの増幅器の非線形解析に有効であることを 明らかにしている。

  第3章では,ダイオード リニアライザ付きフィード フオワード増幅器の構成および設計法につい て述べている。この章で は,フイードフオワード増幅 器の中で効率に影響を与える要素をパラメー タ化して定式化を行い, プレディストーションとフイ ードフオワード増幅器とを組み合わせた全体 としての効率を最大化す るトランジスタのバイアス条 件を求め,検討した条件下においては主増幅 器の 最終 段ト ラ ンジ スタ の最適 バイアス条件がB級とをるこ とを示している。また,プレ ディス トー ションとしてダイオードリニ アライザを適用し,ダイオ ードを信号線路に対して直列 に接続 かっバイアス回路に直列 抵抗を接続することで,B級 増幅器のひずみ補償に適した非線形特性が得 られ ることを示している。本手法 によってパイアス条件が最 適化されたダイオードリニア ライザ 付き フィ ード フ オワ ード 増幅器 の開発結果を示し,本手法がW‑CDMA(Wide−band Code‑Division Multiple―Access)基 地 局 用 ひ ず み 補 償 増 幅 器 に 有 効 で あ る こ と を 明 ら か に し て い る 。

197

(4)

  第4章では,ウエイト除 算型の適応アルゴリズムを用 いたフィードフオワード増 幅器の制御方法 について述べている。非線 形増幅器を含むループを安 定に制御するため,ウエイト除算型の適応ア ルゴリズムを提案している。このアルゴリズムは,増幅器の出力信号を参照信号として使用し,参照 信号を適応フアルタのウエ イトで除算する。提案アル ゴリズムおよびその収束条件を解析的に導出 し,提案アルゴリズムは従 来の正規化最小平均二乗ア ルゴリズムよりも安定した収束特性を有する ことを示している。さらに ,提案アルゴリズムをフィ ードフオワード増幅器に適用し,本手法がア ナロ グ回 路の 伝 達関数によらず 安定にループ制御できるこ とをシミュレーションで明ら かにして いる。

  第5章では,デジタルプ レディストーション付きドハ ティ増幅器の構成および設 計法について述 べて いる 。C級ピ ーク 増幅 器 の出 力側 線路 をOFF時 に先 端 開放 スタ プと見をして設計す ることで 飽和 から バッ ク オフをとった低 出カレベルでのドハティ増 幅器の効率を高める方法を提 案してい る。また,OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号を入カしたときのドハティ増幅 器のパラメータの最適化方法について述ベ,更に,適応型デジタルプレディストーションを組み合わ せたときのパラメータの最 適化について述ベ,本手法 を用いて最適設計したドハティ増幅器を開発 し.本手法が地上デジタル 放送用デジタルプレディス トーションひずみ補償増幅器の高効率化に有 効であることを明らかにし ている。

  第6章では,メモリ効果 を補償する適応フィルタ付き デジタルプレディストータ の構成およぴ学 習アルゴリズムについて述 べている。増幅器ピヘイピ アモデルの逆モデルからメモリ効果を補償す るプレディストータの回路 構成を導出し,メモリ効果 により残留するひずみ成分を用いて周波数領 域で適応フアルタの係数を 推定する学習アルゴリズム を提案している。本手法を用いたデジタルプ レディストータを開発し, 本手法がWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)基 地局用デジタルプレディス トーションひずみ補償増幅 器の高効率化および低ひずみ化に有効である ことを明らかにしている。

  第7章は結論であり,本 研究で得られた成果をまとめ ている。

  これを要するに,著者は,無線通信装置の高効率化に寄与する基盤技術に関して有益を新知見を得 たものであり,情報通信技術の発展に貢献するところ大をるものがある。よって著者は,北海道大学 博士(工学)の学位を授与 される資格あるものと認め る。

198

参照

関連したドキュメント

本章の最後である本節では IFRS におけるのれんの会計処理と主な特徴について論じた い。IFRS 3「企業結合」以下

(1)電線共同溝の整備手法については、浅層埋設方式や小型ボックス活用埋設方式等について検討が行わ れてきており、

および有効応力経路を図 4 および図 5 にそれ ぞれ示す。いずれの供試体でも変相線に近づ

第4章では,第3章で述べたαおよび6位に不斉中心を持つ13-メトキシアシルシランに

 この論文の構成は次のようになっている。第2章では銅酸化物超伝導体に対する今までの研

で得られたものである。第5章の結果は E £vÞG+ÞH 、 第6章の結果は E £ÉH による。また、 ,7°²­›Ç›¦ には熱核の

実際, クラス C の多様体については, ここでは 詳細には述べないが, 代数 reduction をはじめ類似のいくつかの方法を 組み合わせてその構造を組織的に研究することができる

および皮膚性状の変化がみられる患者においては,コ.. 動性クリーゼ補助診断に利用できると述べている。本 症 例 に お け る ChE/Alb 比 は 入 院 時 に 2.4 と 低 値