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(1)

F -103-

秋田県北鹿地域における試錐岩芯の 比抵抗測定

奥山良俊・上杉良市

MeasurementoftheSpecificResistivityofBoringCoresfromHokurokuDistrict,

AkitaPrefecture, Japan.

RyoshunOKuYAMA,RyoichiUEsuGI

(昭和57年10月30日受理)

Hokurokudistrict,northernpartofAkitaprefecture, iswellknownasKuro‑

ko‑DepositsareaandgeologicalresearchesweremadebyMetalMiningAgency ofJapan.

Onthebasisoftheseresearches, theauthorsintendedtofindthecorrelation betweentheelectrical resistivityandtheotherpropertiesofrocks.

Theelectrical resistivitiesofdrilledcoresfromthedistrictweremeasured bytheFour‑Electrodemethodunder theconditionsuper‑saturatedwithpure waterandatroomtemperature.

Theresultsofthismeasurementaresummarizedasfollows.

(1) ThespecifiCresistivityandthewatercontentarecorrelatedwiththe litho‑

faciesofrocks.

(2) TherelationbetweenthespecificresistivityP(Q・cm)andthewater content X(weight%) isgivenbytheformula

logP=A‑BX

whereAandBaretheconstantsrelatedtorocktypes.

1. まえがき 十和田湖十和田湖

4

北鹿地域 鉛山

秋田県北部の北鹿地域は黒鉱鉱床の胚胎地域とし

てよく知られており金属鉱業事業団及び民間鉱山事

業会社によって広く調査されている。本稿において

l)〜3)

は特に金属鉱業事業団による精密調査報告書(1974, 1975, 1976)に基づく岩相区分と比抵抗値の対比に

ついて考察してみたい。

HT−18

O

品−,7古遠部地区

○ HT−17

HT−25

○O

HT−24

青様地区

R 。 . Fkm

'1,坂

2. 測定試料及び測定方法 2 . 1 測定試料

図1 孔井位置

孔井位置を図1に, また岩石試料の岩相区分(金 属鉱業事業団による)を表1に示す。

2 . 2 測定方法

111

岩石試料の比抵抗測定においては加電圧による分 極現象の影響と測定時における岩石の含水率によっ て抵抗値が大きく変動し測定値の再現性に乏しい。

北鹿地域の北部に位置する古遠部地区と青様地区

において金属鉱業事業団によって試錐された地下数

百米までのボーリングコアの中から特にHT‑17,

HT‑18とHT‑24, HT‑25の孔井のものを選び

直径26wロ、,長さ40nm程度の円柱状に形成し測定試料

とした。

昭和58年2月

一一

(2)

−104−

奥山良俊・上杉良市

Resistivity logp(Q・cm)

3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0

表1 試料の岩相区分

(金属鉱業事業団による)

0

③③○○ ③③○

凸q

HT−l7

⑧D2 oB1 OD3〜D4

①T3 eB

③ l(刃

1

2Ⅸ) ○

○ ○○

○①

㈹㈹34

つ崖︶二一口のロ

○○

500 ○

6

7

岩相の関係 比抵抗と深度,

図3

5.0

HT−l7

① へ 4.5

E

U

Oe O

OO

O_O

O

O

O

○③⑧

α︶Q函星 胡○

1

︷一冒二の扇の塵

2133 DBDTB ⑧○○①e

3.0

0

電位差計

(a)測定回路

図2

5 10

WaterContent (weight%)

含水率と比抵抗の関係

(b)岩石試料と電極

測定回路

図4

1

そこで乗富4tl977),奥山5)(1982)等がすでに指摘し

ているように四極法によって分極の影響を除くこと とし, その測定回路は図2に示される。試料の断面 積S,電位差測定電極間距離L,測定電位差△V, 電流Iから次の(1)式によって比抵抗値βを得る。

S △V

β=て.T (1)

次に試料の含水率は完全湿潤状態における値とし それは真空吸引法によって得られたものである。か かる方法での測定値が良好な再現性を示したことか らすべての試料について完全湿潤状態での測定を一 つの基準と定めた。

また低抗値が加電圧に対して依存するのですべて の試料について加電圧は5.0Vに統一し同様に測定

の基準としている。

測定時の温度は26℃〜30℃の室温でありその変動 幅が小さく, また湿度は50%〜70%であったが試料 が完全湿潤状態であることとガードリングで表面電 流を除いているので環境条件の影響は入らないもの

と考えている。

以上のような測定方法,測定条件のもとで得られ た結果を相対的に比較検討し測定値に有意性を見出 すこととした。

1

I

3. 測定結果と考察

HT‑17, HT‑18(古遠部地区)及びHT‑24 HT‑25(青様地区)における試料の比抵抗値と深

秋田高専研究紀要第18号

〃必

孔 井 記号 岩 質

HT‑17

21 DB

D3〜D4

EB

石英安山岩(溶岩)

玄武岩(溶岩)

石英安山岩(溶岩)

雄灰岩類 玄武岩(貧入岩)

HT‑18

B,

、〜D4 B

玄武岩(溶岩)

石英安山岩(溶岩)

玄武岩(貫入岩)

HT‑24

Dol T

2

M1‑a

M

M T

1 1

T3

b

2−a

粗粒玄武岩 凝灰岩類 泥岩 綻灰岩類 泥岩 凝灰岩類 泥岩

HT‑25

Do T3 M2‑a

石英安山岩(貫入岩)

凝灰岩類

泥岩

(3)

‑105‑

秋田県北鹿地域における試錐岩芯の比抵抗測定

ResistlvIty logp (Q・c、)

3.() 3.5 1.() 4.5 5.0 5.5 6.0

0 ○○

○○俄

HT−l8 5.0

l

I3 BDB ooe

︻■︼︻一︼

GPG

E 4.5

2

9P。:

e O

qD

α︶Q睡皇

︵E︶二己の︒

a○

○○

○○

○のe

易一言一誘扇①塵

4Ⅸ)

回し︒ 11

即 0 5 10

WaterContent (weight%) 含水率と比抵抗の関係

700 図6

図5 比抵抗と深度,岩相の関係

度,岩相区分並びに含水率の関係を図3から図10に 示す。

4.5の範囲にわたるが,深度16077Lまでと16077L 22077Lでは値が異なり含水率でも4%を境として対 応することが図6に示されている。次に西黒沢階D3

D4については深度500m,までと50077I,以深で相違 が認められ,図6からも50077Z以深では含水率が3

%以下でありながら比抵抗値が小さく, これらはH T‑17と同様に岩質の変化を示している。

l

l

1 HT‑17

l

3 。

11Ⅱ1110■Ⅱ88■■ⅡIⅡIIl4j■ロ■ⅡⅡ■■■■■■■11日96日ⅡⅡⅡⅡⅡⅡ8■■■0ⅡbIl■■■qdqⅡⅡⅡ9ⅡⅡ日ⅡⅡⅡd04lⅡg8FH8P・■■■■■■■■b凸■■■■■・■■■■画■■■■■■■■■■■6018■日日Ⅱ■9

図3において女川階下部の石英安山岩溶岩此の比 抵抗値p(Q・cm)の対数値が3.5程度の低い値を示 し図4からも知られるように含水率が10%程度と大 きいことと関連している。同様に玄武岩溶岩Blはお およそ3.5〜4.5の範囲にわたるが深度10077L〜200 m,と, 20077L〜330m,では比抵抗値に差があり含水率 も4%を境としてよく対応している。また西黒沢階 の石英安山岩D3〜D4については400m,〜470m,と 470m,〜500m,では比抵抗値に相違がみられこれら は岩質の微細な変化を示唆している。

図4において比抵抗値はD2, B1, D3〜D4とも ばらつきを示しているが比抵抗値の対数値と含水率 X(weight%)の関係は次の(2), (3), (4)式に示され る。 rは相関係数である。

B1

j J

%先44XンXく7X塊X

︒夕︽nU︐

刈別−7

00805−4一一一一一一一一一prpr

gr︑g/k OO

(5)

B1 (6)

D3〜D4 : logp=4.9‑0.12X (7) (r=‑0.91, 50077L以深を除く)

B: logp=4.6‑0.21X (r=‑0.96)

(8)

3 . 3 HT‑24 D2 : logp=6.1‑0.24X (2)

(r=‑0.96) 図7からわかるように多くの種類の岩相区分に分 けられ各々についての測定試料数が不足しているの で凝灰岩類T2と粗粒玄武岩DoIについてのみふれる。

T2では比抵抗対数値が3.5〜4.0と小さい値を示し 含水率が6〜10%と大きいこととの関連がみられる。

またDolではおおよそ4.0〜5.0の値を示し図8に みられるように含水率が3%以下であることと対応

している。

logp=4.4‑0.087X

T2 : logp=4.4‑0.087X (9) (r=‑0.74) B1 : logp=4.8‑0.14X (3)

(r=‑0.86, X>4%)

D3〜D4 : logp=4.9‑0.11X (4) (r=‑0.75)

3 . 2 HT‑18

1

図5において玄武岩溶岩B1の比抵抗対数値が3.5

昭和58年2月

(4)

‑106‑

奥山良俊・上杉 良市

1

Resistivity logp(Q・cm)

3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0

0

Q■1811111111■■q

HT−24

aa

mnMm耐眺

○○e④①③

1 ee%o 5.0

ODol

OT2 eM'-a

$TI

のMl−b

①T3

②M2−a

5044

︵EU・a︶Q函星

2m ③

︑ 皿 3

︵E︶二一口の口

○○ ③○ ○○④ 1

︷﹈一ン一房扇の塵

e

①○

500

3.0

6

0

5 10

WaterCon(ent (welghtOo)

含水率と比抵抗の関係

700 図8

図7比抵抗と深度,岩相の関係

Resistivitylogp(Q・cm)

3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0

■口

0 6.0 ○

HT−25 HT−25

100 ○○①③ ○

○ ○③

○ ○ e

○ ○

○○

○○○○

○DC 5.5

①T3

②M2−a

DC ( ()−345m)

DC (345−62()、)

T3 M2−a

○○○

︵EU・a︶Q函○一話﹈一屋読溺の塵

544

050

1 200

○ cと

○○

︵E︶二一口の口

300

ロ︑可

400 ○

○ ○

○ ○○

500 ○

○ ○ ○

○ ○

3.5

600 8

車g可

① ⑧ 5 10

WaterContent

(weight%)

図10含水率と比抵抗の関係

0

700

図9 比抵抗と深度,岩相の関係

logp=4.9‑0.11X Ul) (r=‑0.96, 0〜34577I, ) uO) Do

Dol : logp=5.4‑0.44X

(r=‑0.99)

I

3 ・4 HT‑25

logp=5.8‑0.41X (12 (r=‑0.89, 345〜62077I,) Do

図9にみられるように女川階後期の石英安山岩Do の厚い層をなしているが比抵抗対数値が深度34577I, までと, 345m,以深では4.5を境に相違が明確に認 められ,図10からも含水率4%を境として比抵抗値 とよく対応していることがわかる。これは地質学的 調査の結果として345m,までは気孔が発達している

と指摘されていることとよく一致している。

以上のことから各々の岩相区分と比抵抗値がよく 対応し, また含水率の比抵抗に及ぼす影響と岩相区 分との関連が(2)〜咽式に明確に示されている。勿論 図3から図10において明らかに不適当と思われる値 は岩石試料のクラック,不均質などの影響によるも

秋田高専研究紀要第18号

&,鋤

(5)

−107−

秋田県北鹿地域における試錐岩芯の比抵抗測定

により典型的に示されており,同一の岩相区分の試 料に関して岩体の微細な変化と比抵抗値がよく対応

していることを示している。

(4) 測定結果の(2)〜02式にみられるように比抵抗 値β(Q・cm),含水率X(weight%)の間に明確な 相関関係が認められ次の式に示される。

のとし除外している。

4. ま と め

秋田県北鹿地域におけるポーリングコアの比抵抗 測定から得られた結果は次のようにまとめられる。

(1)少数の試料の測定結果のみではその岩体に関 して有意性は認められないが同一の岩相区分の試料 で多くの測定値が得られた場合にはその岩相区分,

岩面に関して比抵抗値との対応が明らかに認められ,

孔隙率とI迩接に関係する飽和含水率を合わせ考える と岩体,岩面の変化との対比がより明確になる。

(2) 3 ・ 1から3 . 4にみられる内容が示された ことから完全湿潤状態における試料の四極法による 測定で,すべての試料について加電圧を統一するこ とと合わせて良好な測定値の再現性が常温,常湿下 でも得られることを示している。常温,常湿下の測 定で有意性が認められたことは数多くの試料の測定 に際して特に湿度のコントロールの時間的難かしさ を考えるとこの実験での測定方法は数多くの試料の 測定結果を相対的に比較検討する上で簡便,有効な 方法といえる。

(3) HT‑17, HT‑18の比較においてD2を除け

"Bl , D3〜D4の比抵抗値の類似性から二つの孔井 における地質構造の類似性が明確に示される。

またHT‑24においてはT2,Dolに関して含水率 による比抵抗変化に明確な相違が認められ各々の岩 体の含水率に関係する孔隙率の相違と含水量による

比抵抗値への影響の程度など岩体の特性の相違が明

らかに示されている』

次にHT‑25においてはDoに関して深度に応じた 地質学的区分と比抵抗値の対応が試料数の多いこと

logp=A‑BX

ここでA, Bは各々の岩相区分,岩体に関係する定 数であり各々の特性を示している。

以上報告するにあたり御指導戴いた秋田大学鉱山 学部乗富一雄教授に厚く御礼申し上げ, またコアを 使用させて戴いた金属鉱業事業団に謝意を表します。

参 考 文 献

金属鉱業事業団

精密調査報告書地鹿地域

1974, 1975, 1976 乗富一雄・松岡清幸

含水岩石の温度に対する比抵抗の変化 秋田大学鉱山学部地下資源研究施設報告 NQ44, 17‑26, 1977

奥山良俊・上杉良市

直流法による岩石の比抵抗測定における 分極現象について

秋田工業高等専門学校研究紀要 NQ17, 78‑81, 1982

E・ I・ Parkhomenko

ElectricalH、opertiesofRocks.

HenumR・ess,,NewYork、 1967 1)〜3)

4)

1111

5)

6)

lllilIi

l

I

昭和58年2月

L

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