平成6年度電子情報通信学会信越支部大会
34癌温熱療法用リエントラント型空洞共振器の電磁界解析
1はじめに
塚本敏男* 金井靖*
*新潟大学工学部
柏達也・*
リエントランi型空洞共振器アプリケータは生体深部 の癌組織に対し局所加温を行なうことを目的として考案 された[ユ].直径30。㎜,厚さ200mmの円柱型ファント ム(TX 150)を用いた実験により柱状の加温パターンが 得られ,その有効性が確認されている.しかし,これま での数値シミュレーションでは体系的な考察が不十分な ため,さまざまな実験結果に対してアプリケータ内部で 生じる現象を解明することが出来なかった.
ここでは差分時閾領域法(FD−TD法)[2][3]によリア プリケータの共振周波数及び加温パターンを求めた.ま た,実験結果との比較を行ない差分時間領域法の妥当性 を確認したので報告する,
2数値解析モデル
図1にリエントラント型空洞共振器アプリケータの実 験及び数値解析モデルを示す.また,解析を行なった座 標系(直角座標系,軸対称座標系〉についても併せて記 す.上下リエントラント間に加温対象であるファンFム を配した.実験ではアプリケータ内部に設置したコイル から発生する磁界を入力し,共振状態で加温を行なう.
数値解析では,最適λ力周波数を得るために共振周波 数を算出した.さらに,最低の共振周波数(1次共振周 波数)付近の正弦波を入力して解析を行なった.
加温量に相当する電磁エネルギーは 1・/1El・dt
により求め,相対値として評価した,
(ユ)
3比較及び検討
図1に示したモデルに対し,計算及び実験により得ら れた共振周波数を表1に示す.同表から分かるように計 算によって得られたi共振周波数と実測値は良く一致して
いることが分かる.次に,1次の共振周波数付近の正弦 波を加えた際のファントム内部の電磁エネルギー分布及 び実測温度分布を図2及び図3に示す.
以上から分かるように解析によって得られた電磁エネ ルギー分布と実験により得られた温度分布は定性的に 一致し差分時間領域法による電磁界解析の妥当性が示さ れた.
4まとめ
差分時聞領域法を用いてリエントラント型空洞共振器 アプリケータの電磁界解析を行なった,実験と計算の比 較を行ない,数値計算詰果と実測温度分布は定性的に良 く一致し,差分時間領域法を用いた電磁界解析の妥当性 が示された,これより本手法はアプリケータの最適設計 にも使用可能であることが分かる.
本研究に御協力いただいた〔株)オムロンライフサイ エンス研究所鹿妻洋之,新潟大学大学院工学研究科上 田工の両氏に感謝致します,
齊藤義明* 宮川道夫
**
k海道大学工学部
本研究の一部は文部省科学研究費補助金(試験研究
(B)(2))04557048によって行なったことを付記する.
参考文献
ユ.齊藤義明:「深部集中加温を目的としたリエントラ ント型癌温熱治療装置の試作研究」,平成5年度科 学研究費補助金研究成果報告書(課題番号04557048)
(平成6年3月)
2.K.S.Kunz and R.Luebbers,も The Finite Dif−
ference Time Domain Method F〈)r Electro−
magnetics, , CRC Press,(1993)
3.金井,柏,齊藤,宮川:「差分時間領域法による癌 温熱療法のためのリエントラント型空洞共振器ア プリケータの3次元電磁界解析」,電気学会東京 支部新潟支所予稿集D−18(平成5年1月)
・ジ
直角3次元空間座標系
単位 [mm]
ぼ L玉.
軸対称3次元空間座標系 図1リエントラント型空洞共振器モデル
表1アプリケータの共振周波数の比較
3次元解析 軸対称3次元解析 実測値 ユ次共振周波数 64,1MHz 66.9MHz 68.6MHz 2次共振周波数 103.IMHz U1.OMHz 109.8MHz
一67一
平成6年度電子情報通信学会信越支部大会
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厚み方向評 目 乞 ¥径方向 壱 \・X
(a)電磁エネルギー分布(3次元解析)
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厚み方向目 乞 150mm 』 o 半径方向
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(b)電磁エネルギー分布(軸対称3次元解析)
17.5℃
(c>実測温度分布 図2計算及び実験結果
(比誘一電率73,導電率o.511s/m])
10.O℃
200mm
厚み方向
300mm
半径方向
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(a)電磁エネルギー分布(3次元解析)
半径方向
Z
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厚み方向
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(b)電磁エネルギー分布(軸対称3次元解析)
20.5℃
(c)実測温度分布 図3計算及び実験結果
(比誘電率73,導電率0,75[S/m])
ヒ 鑛鐸魑■■㈱