中医学的食養生
自己紹介
櫻井 大典 (登録販売者、国際中医専門員) 奈良生まれの北見育ち 祖父の代から薬屋さん 大学では心理学を専攻 父の影響で中医学の道へ 東京の製薬会社直営漢方薬 局に6年間勤務。年間約 1000人を診察。現在はイ オン北見店にあるミドリ薬 品店頭で毎日漢方相談中。 趣味は、DJ、写真、バイク ツーリングなど食とは
食(しょく)は、摂取の動作の一つであり、食
品から栄養や生理的熱量を摂ることにより、
体の成長を助ける行為である。
養生的「食」
食材の五性や五味といった性質を生かし、そ
の特性を季節や体調の変化に合わせて取り
入れ、健康を維持し、病気を予防するもの。
~五性~
温める食材、冷ます食材
五性とは、寒、涼、平、温、熱で、その食物を摂った結果起こる、体内での寒熱を 分類したものです。 「平性」は、どちらにも属さないもの、寒熱の偏りのないものです。米、ゴマ、山い も、クコの実、梅、大豆、じゃがいも、さつまいも、さといも、とうもろこし、きくらげ、 しいたけ、キャベツ、たまご、ぶどう、りんご、すもも、いちじくなどがあります。 「寒性・涼性」には、身体を冷やしたり、余分な熱を解消する働きのほか、機能を 鎮静させる働きもあります。とうがん、はと麦、緑豆、豆腐、セロリ、ナス、きゅうり、 トマト、にがうり、ごぼう、大根、白菜、ほうれん草、れんこん、あさり、しじみ、かに、 わかめ、バナナ、スイカ、梨、柿、そば、緑茶、塩などがあります。 「温性・熱性」には、体を温め、気血をよく動かし、新陳代謝を高めるという働きが あります。また、ある一種の興奮作用を意味する場合もあります。しょうが、ネギ、 シソ、紅花、シナモン、唐辛子、コショウ、山椒、にんにく、たまねぎ、らっきょう、ニ ラ、かぼちゃ、かぶ、菜の花、羊肉、鶏肉、まぐろ、サケ、エビ、栗、桃、紅茶、もち 米、酒、ワイン、黒砂糖などがあります。~五味~
味の働き
酸味には、正常な体液を体内にとどめる作用。出過ぎるものを止める作用。自律 神経の働きを整え、ストレスを解消する作用などがあります。食材は 梅、レモン、 酢、ローズヒップ、サンザシ、いちご、トマトなどがあります。 甘味には、胃腸の働きを助ける作用、滋養強壮作用、痛みや緊張を緩和させる 作用などがあります。食材では、米、ピーナッツ、はちみつ、バナナ、ぶどうなど があります。 辛味には、肺や呼吸器を強め、発汗を促進する作用、気や血を巡らせ体の中に ある寒けや熱、湿気を発散させる作用などがあります。食材では、しょうが、ネギ、 シソ、唐辛子、コショウ、にんにく、たまねぎなどがあります。 鹹味(塩からい味)には、硬いものを柔らかくする作用や通便作用があります。食 材では、 昆布、わかめ、のり、エビ、イカ、あさり、豚肉などがあります。 苦味には、循環器を強化し、身体に溜まった余分な熱を冷ます作用、排泄作用 や体内の余分な水分や老廃物を取り除く作用。神経を鎮静させる作用などがあ ります。食材では、 緑茶、ぎんなん、陳皮、はすの実、みょうが、にがうりなどが あります。薬食同源
薬→体に変化を与えるもの
食→美味しく食べられるもの
薬も食も自然から分け与えられたもので、ど
ちらにも人の体を元気にする力がある。
違いは飲みづらいものも多々ある薬に比べ、
食はおいしいということ。
薬膳的「梨」の効能
梨は「生は六腑の熱を冷まし、熟(加熱したもの)は五臓を滋 陰する」とあり、渇きや乾燥にとても優れた効果を持つ果物 です。夏の潤い不足や秋の乾燥にとてもおススメの果物です。 【性味/帰経】 涼、甘、微酸/肺、胃 【働き】 清熱化痰、生津潤燥:余分な熱と痰をとり去り、渇きを癒す。 【禁忌】 胃腸機能低下時や軟便、下痢傾向、冷え症の方は控えましょう。梨の薬膳 氷糖燉梨子
① ヘタの部分を蓋になるように切 っておく。 ② 実の部分の芯をスプーンでくり ぬき、氷砂糖3~4粒と水(大匙1)、 生姜スライスを1かけ入れる。 ③ ①で蓋をして、深めのお皿に入 れて蒸し器で40~50分蒸す。柔 らかくなり皮にヒビがはいってき たら完成。 咳が止まらない時やのどの不調 におすすめ香港の街角で
五花茶は体内にこもった熱を冷ますお茶。 川貝枇杷膏は百合根の様な生薬に枇杷の葉な どを加えた喉の乾燥や痛みによいシロップ。 鮮製亀苓膏はいわゆる亀ゼリー。潤い補給+デト ックスのシロップ。 香港では朝ご飯にお粥が一般的です。 胃腸を整え元気にしてくれます。中医学的食養生
食は体と健康を作るもの
体の基礎を作り出す胃腸の負担になるような食べ
物や食べ方は正しい「食事」とは言えません。
時間だからと言って食べてませんか? 体より頭が欲しがるものを食べていませんか? お腹を満たすためだけに食べていませんか? お腹を空かせてから食べてますか?胃腸=体を作る場所
中医学では、胃腸が飲食物から栄養や潤い、
そしてエネルギーを生み出していると考えま
す。
胃腸の働きが悪い
→健康な体を作る材料が
作られない。
胃腸が弱る控えたい食べ物
●甘い物 :チョコレートやケーキ、和菓子など ●油ものや肉類 :揚げ物、ポテトチップス、各種肉類など ●香辛料の多い物 :唐辛子、カレーライスなど ●洋食・加工食品 :ファストフード、ケーキなど ●牛乳・卵・魚介類 ●生もの、冷たい物、冷凍のもの :刺身、サラダ、アイスクリー ムなど ●コーヒー ●アルコール類 :ビール、日本酒、焼酎、ワインなど ●タバコ理想的な食事
穀類4、野菜4、動物性食品2の食事を、腹八分目。
穀類とは米や小麦、大豆、稗(ひえ)、粟(あわ)、黍(きび)などを指し、野菜とはキャベツ、 小松菜、ほうれん草、白菜、チンゲン菜、芽キャベツ、トマト、キュウリなど、その時期の旬 のものを指します。動物性の食品とは、肉や魚介類、卵、牛乳や乳製品などを指します。
腹八分目の目安
①胃がもたれない
②体が重くならない
③食後ねむくならない
*腹八分目のコツ* 味噌汁や野菜スープなどを先に飲んで胃を水分と野菜で満たした後、ゆ っくりと時間をかけて、しっかり噛んで食事をするようにする。朝は良い食事を
一日を一年に当てはめると、朝は春。春に良
い種をまくことが、良い秋の収穫ために大切
なように、朝食が大事。
朝食に菓子パンやパンケーキなどのお菓子
や、サラダや果物、ヨーグルトなどの冷たいも
のを食べるのは避けましょう。
超簡単 お粥レシピ
1.
生のお米、大匙2杯を洗う2.
スープジャーまたは保温性 のあるステンレス製の水筒 に1の米をいれて、沸騰し た熱湯を入れる。3.
2~3分放置して一旦お湯を 捨てる(予熱)4.
再度沸騰した熱湯を一杯に 入れる。5.
2~3時間放置して完成。中医学とは
中医学は生きた人体に対する処方の経験値
を蓄積した医学。自覚症状があれば未病のう
ちに改善が原則です。症状の根源を追求し全
身の状態を診るので、一見同じ症状でも人に
よって処方が異なります。人体の経絡に働き
かける治療や自然から得た本草薬を処方し
ます。
中医学の特長
整体観
弁証論治
未病先防
陰陽五行
整体観
整体観とは、人間を、
部分的にとらえるので
はなく一つのまとまりの
ある個体としてとらえる
考え方です。
弁証論治
弁証論治とは、見て、聞いて、尋ねて、触って、患者さん一人 ひとりの体質や、病気の原因、発病のプロセスを分析して 「証」というタイプを決定し、それにあった適切な治療法を選 んで治療を行っていくもの。